とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:アルフォンソ・キュアロン



アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」を東京国際映画祭で観た。

1970年代のメキシコを舞台に、家政婦の視点で当時の中流階級の家庭を描いた作品。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

1970年代のメキシコを舞台に、ある中流家庭と家政婦の美しい関係が描かれる。

上下の関係を越え、一家が家政婦を家族のように慕う姿に涙が溢れた。

キュアロン監督の経験が織り込まれているそうで、これは監督の家の話かなと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ROMA/ローマ』予告編 動画

(原題:Roma)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月2日 東京国際映画祭にて鑑賞。

・2018年11月17日 感想を掲載。

・2018年12月14日 Netflixにて配信スタート。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇 マリーナ・デ・タビラ

〇ヤリャッツァ・アパリシオ

〇マルコ・グラフ

監督

アルフォンソ・キュアロン
…(「トゥモロー・ワールド」など)


2018年製作 メキシコ・アメリカ合作映画



ROMA/ローマ





あらすじ


1970年代のメキシコシティのローマ。

クレオ(ヤリャッツァ・アパリシオ)は、ある中流家庭に仕える家政婦をしていた。

夫婦と4人の子供たちがいる家庭だが、夫は外で二重生活を送るような人で、妻のソフィアが家庭を支え、子供たちを育てていた。

クレオは、そんなソフィアを支え、時には子供たちの遊び相手になったり、家事をこなしながら、忙しい日々を送っていた。



ROMA/ローマ5






感想(ネタばれあり)


1970年代、経済成長期を迎えたニューメキシコ


ROMAと言っても、イタリアのローマではなく、メキシコシティのローマ。

時代は1970年代初頭。

メキシコシティでは、1968年にオリンピックが行われたばかり。



東京オリンピックの後、東京が高度経済成長期を迎えたように、その当時のメキシコシティも経済成長に湧いていた

経済が成長する中、冷戦時代の当時は、亡くなったばかりのゲバラによる革命の影響を受け、一部の左翼運動家によりデモ行進が行われたりもしていた。

家政婦のクレオが付き合っていたボーイフレンドも、革命のために身体を鍛えていた様子が描かれていたり、町に出た奥さんとクレオがデモ行進に巻き込まれてしまう場面を見ると、その様子が伝わってくる。



そのように、その当時のメキシコは激動の時代を迎えていて1961年に生まれたアルフォンソ・キュアロン監督は、ちょうどその頃にメキシコシティで幼少期を過ごしていた

ここに描かれるドラマは、そんな監督自身の経験が込められたものだと言われている。



ROMA/ローマ2




家を支えていたのは、母と家政婦のクレオ


そんな時代だったからか、男性たちはとても浮ついていたような印象だった。

ある者は、仕事が忙しく動き回り、ある者は革命に燃える。



クレオが仕えていた一家の主であるお父さんは、同居する母と、妻と4人の子供たちがいながら「出張だ」と言って外へ出て行き、なかなか帰って来ないような生活をしていた。



そのため、一家を支えていたのは妻だった。

とはいえ、仕事から子供たちの世話まで一人でこなすことはできない。

なので、大半の家事をこなしていたのがクレオだった。



家の掃除から、洗濯、食事の支度や、子供たちの遊び相手までクレオがこなしていた。

子供たちにとって、クレオは、時にお母さんであり、お姉さんであり、友達だったように思う。



それでも、時には休みをもらって、友達やボーイフレンドと遊びに行くクレオの楽しそうな顔がとても印象的だった。

家にいる時は、お掃除している家政婦でも、外に出れば彼女は20代のまだ若い女性なのだ。

きっと、もっと、他の女の子たちと同じように遊びに行きたいと思ったこともあっただろうに、嫌な顔一つせず、全てをこなすクレオの顔が心に残っている。



それはきっと、キュアロン監督にとっても同じで、監督の家にいた家政婦も、嫌な顔一つしていなかったんだろうと思う。



ROMA/ローマ3





神は、クレオも子供たちも決して見捨てない


子供たちがクレオを家族だと思っていたように、クレオにとっても、子供たちは自分の子供のように思っていたに違いない。

そう思わせるのが、ラストの海のシーンだった。



夫に頼らない生活をすると決めた母が、子供たちを連れて海へ行き、そこで「お父さんはもう帰って来ない」と告白する。



母がクレオを同行したのは、彼女にとってクレオは、雇い主と家政婦という関係を越えて、家族だと思っているからだ。



そして、遊びに行った海で波にのまれてしまう子供たち。

その頃、クレオは失意の底にいて、体調も良くなかったのに、子供たちが溺れそうだと知ると、海の中へ服のままグイグイと入っていく。

その姿に涙が止まらなかった。



それは、クレオにとっても、まるで自分の子供たちのように思っているからに違いない。

その時、クレオは自分の死産について「良かったと思ってしまった」ことに罪悪感があった。



それは、もしも一人で子供を産んだら、養ってくれる人間もおらず、家も追い出されてしまうと思ったからに違いない。

でも、これほどまでに強く結びついた家族が、クレオをクビにするはずもないし、きっとクレオの子供も一緒に育ててくれたに違ない。

クレオの中でも、きっとそう思いながら、甘えてはいけないと思っただろうし、路頭に迷ってしまうという不安もあっただろう。



海から出たクレオが子供たちを抱きしめているところへ後光がさしている場面は、この映画で最も美しく心に残るシーンだ。

神は決して子を失ったクレオのことも、父を失った子供たちのことも見捨てはしない

そう思えた、とても感動的で涙が止まらないシーンだった。



ROMA/ローマ4





キュアロン監督にとって輝ける幼少時代の思い出


キュアロン監督の実体験が込められた作品というだけあって、これは監督にとっての「家政婦の思い出」だ。

だからこそ、この作品を白黒で撮影したんだろう。

もしかしたら、当時、監督が見ていたテレビは白黒だったかもしれない。



とはいえ、白黒なのに、とても画面が鮮やかなのだ。

これがこの映画の驚異的なところ。

海は海の色に見えるし、山は山の色をしている。



監督にとって当時のニューメキシコはキラキラと輝いているのだ。

だから、映像も、こんなにも輝いているのだ。

また、映画の中に「ゼロ・グラビティ」への影響を感じさせる「宇宙からの脱出」の映像があったりして、今の監督を育てた様々な土壌を知った気がした。

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きっと監督にもクレオのような家政婦がいて、お父さんが帰って来なくても寂しい思いをすることなく、すくすく育ったんだろうと思う。

「ゼロ・グラビティ」にしても、「トゥモロー・ワールド」にしても、そこに女性たちの強さと、女性たちへの優しさが描かれているのは、この映画に描かれているような幼少期を過ごしたからだろう。



とても優しくて温かい作品だった。

Netflixで配信されるので、ぜひ、観て欲しい。







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アルフォンソ・キュアロン監督 クライヴ・オーウェン出演「トゥモロー・ワールド」を見た

最後に希望が残ったことにホッとしつつ、しかし、「もしも、本当にこんなことが起きたら・・・」と思うとゾッとする作品だった

「トゥモロー・ワールド」予告編 動画

(原題:Children of Men)



あらすじ


2027年のイギリス

人間が子供を産まなくなってから18年が経っていた。

2008年に大流行したインフルエンザにより、多くの人が亡くなり、世界の大都市が消滅していく中、イギリスはまだ国としての機能を保っていた

そのために、多くの人間がイギリスへと押し寄せるが、イギリス国籍の無い人間は強制退去させられ、イギリス国民でさえ、どこへ行くにもパスポートと通行証が必要だった

ロンドンに住むホセ(クライヴ・オーウェン)は、以前は反政府組織にいたが、現在は普通の暮らしをしていた

しかし、ある時、ホセは元妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)からある願い事をされる

それは、「一人の女の子を助けて欲しい」というものだった

ジュリアンは、反政府組織のリーダーをしており、その子を助けるには難しい立場にいたのだ

それでは、なぜジュリアンは元夫のホセに頭を下げてまで、その子を助けたいのか・・・

その事実にホセは驚愕する・・・


トゥモロー・ワールド


感想(ネタバレあり) 人は滅亡すると分かってまで殺し合いをするのか・・・


人間が子孫をもう残せないと知った時、人々は希望を無くす

その次にするのは、殺し合いだった。それがとても不思議だった

なんでだろう。

もう地球に人類は残っていないんだから、そんなカオスの状態で殺し合いしても無駄なのに、なぜ最後まで殺し合いをするんだろう

トゥモロー・ワールド2

どんなものでも自分の主義主張に利用しようとする人間の愚かさ


この映画「トゥモロー・ワールド」では、イギリスを鎖国化して統制のとれた国にしようと必死になっている政府と、「移民の人権を保護せよ」と訴える反政府組織「フィッシュ」の対立が描かれている

そんな対立の中、フィッシュのリーダー・ジュリアンが守りたかったのは妊婦だった

ジュリアンはどの国にも属さない幻の組織「人権擁護団体」にキーと新しい命を預けようとしていた

ここまでは、よく理解できる。

しかし、そのフィッシュの中に、そのキーと子供を政治的に利用しようと考えた人間が出てきてしまった

それが何とも、悲しく切ない

人類の希望となるはずの新しい命が、戦争の火種になってしまうなんて、あっていいはずがない


トゥモロー・ワールド3

最後に残るのは、絶望半分、希望半分・・・

ジュリアンとホセは、なんとかしてキーと子供の命を救おうとする

それは、二人が以前、子供を無くしたことがあったからこその考えだった

結局、ホセが世界の希望を救ったけれども

キーの子どもが、大人になる頃、世界には何が残っているんだろうか・・・

一人で生き延びていくことはできるんだろうか・・・

希望半分、絶望半分の終わり方だった・・・

トゥモロー・ワールド4



監督は「ゼロ・グラビティ」「大いなる遺産」「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン

主演はクライヴ・オーウェン、「キングスマン:ゴールデンサークル」、「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」「メイジーの瞳」「フライト・ゲーム」のジュリアン・ムーア、重鎮 マイケル・ケイン(「ジーサンズ はじめての強盗」「インセプション」)


とにかく、見ごたえのある作品で、最後の最後まで希望が残るのか、絶望が残るのか考えながら見ていた・・・

結局、最後に希望が残ったものの、絶望感は捨てきれず、この後、キーとその子供に明るい未来が開けてくると信じたい・・・


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