デンゼル・ワシントン主演の映画「マグニフィセント・セブン」を映画館で観た。
「七人の侍」、「荒野の七人」のリブート版。
(リブートとリメイクの違いについてはこちらから → 映画の「リブート」と「リメイク」の違いは何?【映画マメ知識】)
悪者に街を占拠された村人が、七人の男たちを雇って悪者を追い出そうとするのだが…。
【満足度 評価】★★★☆☆(3.5)
迫力満点のアクションと素晴らしい映像美は、西部劇の中で最高峰に素晴らしいと思う。
光の1つ1つが全て計算されつくされていて、凄い映像を撮るなぁと思った。
しかし、リブート版といえど、「七人の侍」好きの私としては、かの名作とどうしても比べてみてしまうワケで、ちょっと点数も辛くなってしまった。
◆元ネタ「七人の侍」 Blu-ray
◆元ネタ「荒野の七人」 Blu-ray
…(「フェンス」(兼監督)、「イコライザー」、「マイ・ボディガード」、「タイタンズを忘れない」、「トレーニングデイ」、「ボーン・コレクター」、など)
〇クリス・プラット
…(「ジュラシック・ワールド/炎の王国」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ジュラシック・ワールド」、「her/世界でひとつの彼女」、「人生、サイコー!」など)
〇イーサン・ホーク
…(「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」、「ドローン・オブ・ウォー」、「プリデスティネーション」、「ゲッタウェイ スーパースネイク」、「クロッシング」など)
〇イ・ビョンホン
〇ピーター・サースガード
…(「完全なるチェックメイト」、「ブルージャスミン」、「ブラック・スキャンダル」など)
〇ヴィンセント・ドノフリオ
…(「デス・ウィッシュ」、「ジュラシック・ワールド」など)
〇マーティン・センズメアー
〇ヘイリー・ベネット
…(「イコライザー」など)
…(「サウスポー」、「クロッシング」「イコライザー」など)
2016年製作 アメリカ映画

平和だった小さな村が悪者ボーグ(ピーター・サースガード)に占拠されてしまい、村で暮らすエマ(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を金で雇い、ボーグたちを村から追いだして欲しいと懇願する。
その後、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)や元軍人のスナイパー(イーサン・ホーク)、暗殺者(イ・ビョンホン)など、ワケありのプロたちを7人を雇う。
しかし、ボーグが引き連れている軍勢があまりにも人数が多すぎて…。

黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクが、ユル・ブリンナー主演の映画「荒野の七人」
そして、それらの作品のエッセンスを受け継いだリブート版が、この映画「マグニフィセント・セブン」である。
観るまでは、リメイク版だと思って観始めていたら、話は似ていて、でも、ちょっと違っていることに途中で気付き。
「あぁ、これは、リブート版なんだな」と思った。
これまでの作品は、七人の戦士たちが小さな村で暮らす善良な人たちを巨大な悪から守るという使命を背負い、村人たちとコミュニケーションをとりながら、共に戦ってきた。
その辺が、このリブート版は明らかに違っている。
7人がそれぞれに、様々な出自と過去を背負い、ワケあって金のために村にやって来る。
そして、それぞれが背負う個人的な思いを抱えながら悪に立ち向かっている。
7人のそれぞれの多様性と個性を尊重する作品に仕上がっている。
心を合わせて一致団結の団体戦というよりも、個人技勝負の作品だったなぁと思う。
その辺が、現代のアメリカを反映している部分でもあり、現代版「マグニフィセント・セブン」なんだなと思った。

とはいえ、私としては、「七人の侍」が好きで、そのリメイクだと思って観に行っているワケで。
どうしても比較して観てしまう。
私が「七人の侍」が好きなところは、初めは、雇われてやってきたお侍さんたちに助けてもらおうと思っていた。
むしろ、「あの人たちで大丈夫なんだろうか」と思っていた。
しかし、侍たちと交流しながら、自分たちも戦うことを教えられつつ、
「自分たちの村は自分たちで守らなきゃいけない」と目覚め始める。
そして、志村喬をリーダーにして村人たちが一致団結して悪に挑んでいく。
私は、その弱かった村人たちが目覚めていく過程がとても好きで。
しかし、今回のリブート版では、その辺がバッサリと省略されていた。
共に戦うことを教えられるシーンはあるけど、心の交流とか、村人たちが闘いに目覚めていく場面なんかは一切無い。
むしろ、そんなセンチメンタリズムは必要なく、もっと骨太に男らしい、酒とタバコの匂いがプンプンしそうなアントワーン・フークワ版の「マグニフィセント・セブン」に仕上がっていた。
しかしその辺が、私としては世知辛いというか、現代版の寂しいところなんだなぁと思った。
なので、戦いが始まるまでの前半部分は、ちょっと退屈に思ったりもしていた。

しかし、後半から始まるボーグ軍との戦いは、映像はとてつもなく美しいし、迫力は満点。
西部劇史上でも、稀に見る美しさと迫力だった。
ここの部分だけでも、観る価値がある作品に仕上がっている。
しかも、7人の戦士たちの1人1人に、それぞれが得意な技を付け、それぞれがちゃんと見せ場を作れるように配置。
闘いが始まってからの怒涛のアクションの凄まじさは、観るものを圧倒する。
さらに映像の美しさで言うと、銃弾が開けた1つ1つの穴、そこから漏れる光の美しさ。
砂ぼこりが舞う西部劇だからこそ、そこへ差し込む光の美しさが際立っていて、人がバンバン死んでいく横で、「あぁなんて美しいんだ」と思えるシーンがいくつもあった。
この銃撃戦のシーンだけは、何度も繰り返し観たいと思った。
それぐらい凄かった。

その個性際立つ7人の兵士たち。
1人ずつの個性がバラバラなら、人種も様々。
リーダーは黒人のサムだし、アジア人、ヒスパニック系、ネイティブ・アメリカン、もちろん、白人もいる。
対するボーグ軍はほぼほぼ白人で構成されている。
(中には、ネイティブアメリカンもいるけど)
マイノリティ(=社会的少数派)によって構成された7人が、それぞれの個性を生かしてチームを作っているからこそ強く、だからこそ、弱者を守れる者になる。
だから、アメリカは強いんだとアントワーン・フークワは、この映画を通して言いたかったのかなと思った。
そのために「荒野の七人」をベースにして、彼なりの最強の7人を作ったんだと思った。
というのも、監督のアントワーン・フークワこそ、アフリカ系アメリカ人だから。
それで、この映画ができたんだなと思った。
しかし、この映画がアメリカで公開された半年後には、トランプ政権が誕生して、このメッセージとは逆行した世の中になってしまったけど。
そんな彼のメッセージも、今となっては皮肉でしかない。
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◆元ネタ「七人の侍」 Blu-ray
◆元ネタ「荒野の七人」 Blu-ray
「七人の侍」、「荒野の七人」のリブート版。
(リブートとリメイクの違いについてはこちらから → 映画の「リブート」と「リメイク」の違いは何?【映画マメ知識】)
悪者に街を占拠された村人が、七人の男たちを雇って悪者を追い出そうとするのだが…。
【満足度 評価】★★★☆☆(3.5)
迫力満点のアクションと素晴らしい映像美は、西部劇の中で最高峰に素晴らしいと思う。
光の1つ1つが全て計算されつくされていて、凄い映像を撮るなぁと思った。
しかし、リブート版といえど、「七人の侍」好きの私としては、かの名作とどうしても比べてみてしまうワケで、ちょっと点数も辛くなってしまった。
「マグニフィセント・セブン」予告編 動画
(原題:THE MAGNIFICENT SEVEN)◆元ネタ「七人の侍」 Blu-ray
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キャスト&スタッフ
出演者
〇デンゼル・ワシントン…(「フェンス」(兼監督)、「イコライザー」、「マイ・ボディガード」、「タイタンズを忘れない」、「トレーニングデイ」、「ボーン・コレクター」、など)
〇クリス・プラット
…(「ジュラシック・ワールド/炎の王国」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ジュラシック・ワールド」、「her/世界でひとつの彼女」、「人生、サイコー!」など)
〇イーサン・ホーク
…(「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」、「ドローン・オブ・ウォー」、「プリデスティネーション」、「ゲッタウェイ スーパースネイク」、「クロッシング」など)
〇イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「密偵」、「MASTER マスター」、「王になった男」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」など)
〇ピーター・サースガード
…(「完全なるチェックメイト」、「ブルージャスミン」、「ブラック・スキャンダル」など)
〇ヴィンセント・ドノフリオ
…(「デス・ウィッシュ」、「ジュラシック・ワールド」など)
〇マヌエル・ガルシア・ルルフォ
…(「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」など)
〇マーティン・センズメアー
〇ヘイリー・ベネット
…(「イコライザー」など)
監督
〇アントワーン・フークワ…(「サウスポー」、「クロッシング」「イコライザー」など)
2016年製作 アメリカ映画

あらすじ
平和だった小さな村が悪者ボーグ(ピーター・サースガード)に占拠されてしまい、村で暮らすエマ(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を金で雇い、ボーグたちを村から追いだして欲しいと懇願する。
その後、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)や元軍人のスナイパー(イーサン・ホーク)、暗殺者(イ・ビョンホン)など、ワケありのプロたちを7人を雇う。
しかし、ボーグが引き連れている軍勢があまりにも人数が多すぎて…。

感想(ネタバレあり)
「七人の侍」「荒野の七人」を受け継ぐ、現代リブート版
黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクが、ユル・ブリンナー主演の映画「荒野の七人」
そして、それらの作品のエッセンスを受け継いだリブート版が、この映画「マグニフィセント・セブン」である。
観るまでは、リメイク版だと思って観始めていたら、話は似ていて、でも、ちょっと違っていることに途中で気付き。
「あぁ、これは、リブート版なんだな」と思った。
これまでの作品は、七人の戦士たちが小さな村で暮らす善良な人たちを巨大な悪から守るという使命を背負い、村人たちとコミュニケーションをとりながら、共に戦ってきた。
その辺が、このリブート版は明らかに違っている。
7人がそれぞれに、様々な出自と過去を背負い、ワケあって金のために村にやって来る。
そして、それぞれが背負う個人的な思いを抱えながら悪に立ち向かっている。
7人のそれぞれの多様性と個性を尊重する作品に仕上がっている。
心を合わせて一致団結の団体戦というよりも、個人技勝負の作品だったなぁと思う。
その辺が、現代のアメリカを反映している部分でもあり、現代版「マグニフィセント・セブン」なんだなと思った。

とはいえ、「七人の侍」が好き
とはいえ、私としては、「七人の侍」が好きで、そのリメイクだと思って観に行っているワケで。
どうしても比較して観てしまう。
私が「七人の侍」が好きなところは、初めは、雇われてやってきたお侍さんたちに助けてもらおうと思っていた。
むしろ、「あの人たちで大丈夫なんだろうか」と思っていた。
しかし、侍たちと交流しながら、自分たちも戦うことを教えられつつ、
「自分たちの村は自分たちで守らなきゃいけない」と目覚め始める。
そして、志村喬をリーダーにして村人たちが一致団結して悪に挑んでいく。
私は、その弱かった村人たちが目覚めていく過程がとても好きで。
しかし、今回のリブート版では、その辺がバッサリと省略されていた。
共に戦うことを教えられるシーンはあるけど、心の交流とか、村人たちが闘いに目覚めていく場面なんかは一切無い。
むしろ、そんなセンチメンタリズムは必要なく、もっと骨太に男らしい、酒とタバコの匂いがプンプンしそうなアントワーン・フークワ版の「マグニフィセント・セブン」に仕上がっていた。
しかしその辺が、私としては世知辛いというか、現代版の寂しいところなんだなぁと思った。
なので、戦いが始まるまでの前半部分は、ちょっと退屈に思ったりもしていた。

銃撃戦は稀に見る迫力と美しさ満点
しかし、後半から始まるボーグ軍との戦いは、映像はとてつもなく美しいし、迫力は満点。
西部劇史上でも、稀に見る美しさと迫力だった。
ここの部分だけでも、観る価値がある作品に仕上がっている。
しかも、7人の戦士たちの1人1人に、それぞれが得意な技を付け、それぞれがちゃんと見せ場を作れるように配置。
闘いが始まってからの怒涛のアクションの凄まじさは、観るものを圧倒する。
さらに映像の美しさで言うと、銃弾が開けた1つ1つの穴、そこから漏れる光の美しさ。
砂ぼこりが舞う西部劇だからこそ、そこへ差し込む光の美しさが際立っていて、人がバンバン死んでいく横で、「あぁなんて美しいんだ」と思えるシーンがいくつもあった。
この銃撃戦のシーンだけは、何度も繰り返し観たいと思った。
それぐらい凄かった。

個性あふれるマイノリティの集合体だからこそ弱者を守れるのがアメリカの強みのはずが…
その個性際立つ7人の兵士たち。
1人ずつの個性がバラバラなら、人種も様々。
リーダーは黒人のサムだし、アジア人、ヒスパニック系、ネイティブ・アメリカン、もちろん、白人もいる。
対するボーグ軍はほぼほぼ白人で構成されている。
(中には、ネイティブアメリカンもいるけど)
マイノリティ(=社会的少数派)によって構成された7人が、それぞれの個性を生かしてチームを作っているからこそ強く、だからこそ、弱者を守れる者になる。
だから、アメリカは強いんだとアントワーン・フークワは、この映画を通して言いたかったのかなと思った。
そのために「荒野の七人」をベースにして、彼なりの最強の7人を作ったんだと思った。
というのも、監督のアントワーン・フークワこそ、アフリカ系アメリカ人だから。
それで、この映画ができたんだなと思った。
しかし、この映画がアメリカで公開された半年後には、トランプ政権が誕生して、このメッセージとは逆行した世の中になってしまったけど。
そんな彼のメッセージも、今となっては皮肉でしかない。
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