ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグが、ソーシャル・ネットワーク・システム「Facebook」を立ち上げていくまでを描く。

【満足度 評価】:★★★★☆
面白かったなぁ~。この映画が伝えるのは成功するための「スピード感」
「これがやりたい」「これが欲しい」と思った時に、その場でそれを形にできる人間だけが成功できる。
映画の随所にその「スピード感」を仕込んでいるデヴィッド・フィンチャーの演出も非常に面白かった。
目次
「ソーシャル・ネットワーク」予告編 動画
(原題:THE SOCIAL NETWORK)更新履歴
キャスト&スタッフ
出演者
〇ジェシー・アイゼンバーグ…(「カフェ・ソサエティ」、「エージェント・ウルトラ」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」など)
〇アンドリュー・ガーフィールド
…(「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「ブレス しあわせの呼吸」、「ハクソー・リッジ」、「沈黙-サイレンス-」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「大いなる陰謀」など)
〇ジャスティン・ティンバーレイク
…(「女と男の観覧車」、「人生の特等席」、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」など)
〇アーミー・ハマー
…(「ビリーブ 未来への大逆転」、「君の名前で僕を呼んで」、「カーズ/クロスロード」(声の出演)、「フリー・ファイヤー」、「コードネーム U.N.K.L.E」、「ローン・レンジャー」、「白雪姫と鏡の女王」など)
〇ルーニー・マーラ
…(「ドラゴン・タトゥーの女」、「her/世界でひとつの彼女」、「トラッシュ!-この街が輝く日まで-」など)
監督
〇デヴィッド・フィンチャー…(<映画>「ドラゴン・タトゥーの女」、「ゴーン・ガール」、「セブン」、「ファイト・クラブ」、「ゾディアック」、<ドラマシリーズ>「マインドハンター」など)
2010年製作 アメリカ映画
第83回 アカデミー賞(2010年)脚色賞、作曲賞、編集賞 受賞
あらすじ
ハーバード大学に入学したマーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ボストン大生の彼女 エリカ(ルーニー・マーラ)にフラれてしまう。
マークはエリカへの腹いせから、その日の晩にハーバード大女子学生格付けサイトを立ち上げる。
これはハーバードの大学の学生名簿を利用し、「どの女子大生が一番イケてるか」を判定するシステムだった。
そのサイトは、立ち上げからわずか4時間でハーバードの学生に広がり、大学側はサーバーに不正にアクセスしたとしてマークを訴える。
そんなマークの才能を見抜いたハーバード大ボート部のウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマー)は、マークにハーバード大生だけが利用できるSNSの製作を依頼する…。

感想(ネタバレあり)
Facebookが成功するまでのスピード感
私にとってFacebookとは、懐かしい友人との再会の場である。
学生時代の同級生や先輩、昔働いていた職場の同僚、大人になってから知り合った友人たちの近況を知り、再び連絡を取り合い始める。
そんなありがたい場所になっている。
いつFacebookのアカウントを取ったのかはハッキリ覚えていないけど、この映画が公開された時には既にアカウントを持っていたことは覚えている。
ということは、2010年の日本公開時、既にFacebookは日本でも定番のSNSになっていたのだと思う。
この映画は、そのFacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げ、成功させるまでを描いている。
マーク・ザッカーバーグと友人のエドゥアルド・サベリンらがFacebookを創業したのが2004年。
初めはハーバード大向けのサービスとして始まり、それがアイビーリーグ向けにも開放され、2006年には世界中の人が使えるようになる。
日本語版が公開されたのは2008年のことである。
そして、この映画が公開されたのが2010年。
それまで、このFacebookが物凄いスピードと勢いで成長、拡大していったのかがよく分かる。
そのスピード感に注目し、映画化されたのがこの映画「ソーシャル・ネットワーク」である。

「成功する人」と「しない人」のちょっとした心がけの違い
「成功する人」「成功しない人」の差は、日頃のちょっとした心がけの違いだと思っている。
小さな努力の積み重ねができる人、できない人、思ったことをすぐに行動に移せる人、移せない人。
初めは本当に小さい差だったのが、後々大きな成功を手にすることになったりする。
主人公のザッカーバーグは、「即行動」することで成功を手にした人だ。
彼女にフラれた腹いせに「女子大生格付けサイト」をフラれたその日に立ち上げる。
ハーバード大の学生名簿にハッキングして作られたそのサイトは、瞬く間に大学中に広まり、大学から訴えられてしまう。
しかし、その事件がザッカーバーグを有名にし、上級生に「ハーバード大生専用のSNSを作ってくれ」と依頼される。
その時、「いいよ」と即答して作り始めたものの、途中で依頼のものから路線変更し、自分の良いようにカスタマイズしてしまい、出来上がったのがFacebookである。
全て、大学に入学してからわずか1年足らずの出来事である。
そのスピード感。
そして、「欲望」や「願望」をコンテンツに落とし込む能力。
「好きな女の子とデートしたい」
「好きな女の子が彼氏がいるか知りたい」
誰もが普通に思う「願望」をコンテンツにしてシステムに落とし込んだだけだった。
「これがしたい」「こうなりたい」とは、誰もが思うこと。
しかし、それを実際に実現する人が成功する人であり、「そんなの無理」と思う人が成功できない人である。
そして、早ければ早い程、成功は近づいてくる。

「フレッシュな人材」を主役にすえるデヴィッド・フィンチャーのスピード感
マーク・ザッカーバーグが「時代先読みのスピード感」で成功したとしたなら、監督のデヴィッド・フィンチャーは、自身の演出にも「ハリウッドでの先読みのスピード感」を取り入れている。
ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、アーミー・ハマー、ルーニー・マーラ、ジャスティン・ティンバーレイク。
しかし、この映画に出演後、次々とスターダムに上がり、今ではハリウッドに欠かせない重要な主演俳優の1人にまでに成長している。
その中で、ジャスティン・ティンバーレイクだけは、すでに音楽業界の大スターだったけれども、ハリウッドではまだ役に恵まれていない時期だった。
デヴィッド・フィンチャー自身が、「良い」と思ったフレッシュな人材を誰よりも早く投入している。
そこから感じられるのも、また、スピード感だった。
そのことに公開当時は気付かなかったけれど、数年経た今だからこそ、その時のデヴィッド・フィンチャーの先見の明がキラリと光っている。
次から次へと出てくる今では旬な人たちに、思わず「ウォー」と唸ってしまった。
中でも特に、ルーニー・マーラの可愛さは際立っていた。
しかし、この映画に出演後、彼女が「ドラゴン・タトゥーの女」で、変わり果てた姿になって登場することになるなんて…。

外野に左右されずに、最短距離で成功に向かう強さ
さらに、ザッカーバーグのすごいところは、「自分のやりたいこと」に対し、常に最短の近道を選ぶところだ。
アイディアを出した依頼人に対し、途中で方向転換をしても許可を取らず、挙句の果てに納品すらもせず、勝手に資金を凍結させた親友をクビにし、お金を出してくれる人にはプライドを捨ててでも積極的に会う。
つまり、「敵を作ることを恐れずに前進する」のが彼のすごいところだ。
いや、他人のことなんか気にしていないと言うのが正しいのだろうか。
これは、もしかしたら、真面目すぎて周りとの調和を最も大切にする日本人が最も学ぶべきところなのかもしれない。
もちろん、周りの人たちとの友情や調和も大切だけれども、「周りの意見を聞き過ぎて」自分の本当の方向性を見失うことだってあるんじゃないだろうか。
そしたら、「やりたいこと」を具現化することなんてできないし、いつまでも、成功なんて手に入らないのではないだろうか。
ザッカーバーグが親友のエドゥアルドに激怒したのは、資金が回らなくなってサーバーが止められることを恐れたことだった。
時間は常に動いている。
サーバーが止められ、ユーザーがFacebookにアクセスできなくなったら、その時点で、何万人ものユーザーが離れてしまい、そのうち、誰も使わなくなる。
スピード重視のザッカーバーグにとって、そのエドゥアルドの行為は「死亡宣告」のようなものだった。
そうやって成功に向かって最短距離を歩いたら、結局のところ、ハーバードで知り合った仲間の多くを敵に回し、友達作りの「ソーシャル・ネットワーク」を立ち上げたザッカーバーグは一人ぼっちになってしまう。
それでも、20代の中では世界で一番の億万長者になった。
友人を失うことと、成功を手にすること。
どちらが大切なことなのか。
しかし思うに、本当の友人とはどんな時も支えてくれるもの。
そもそも、エドゥアルドは本当の友達ではなかったのかもしれない。
それでも、最後に一人ぼっちになったザッカーバーグが見つめていたのは、元カノのエリカだった。
「成功」を何よりも最優先に行動してきた彼にも、「寂しい」という感情は持っているようで、その姿にちょっと安心した。
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