とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:イギリス映画



アンドリュー・ガーフィールド主演の映画「ブレス しあわせの呼吸」を試写会で観た。

1950年代、ケニアに出張中にポリオにかかり、四肢麻痺になってしまった男性が、やがて人々に勇気を与える存在になっていく実話を映画化。


映画「ブレスしあわせの呼吸」


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

号泣の感動作!

重度の四肢麻痺であるロビンが何事にも積極的に挑戦している姿を観て、普通に息をして生活しているだけでもすごく幸せなことだし、人生に不可能はないと思えた。

そんな彼から諦めない気持ちを教えられた



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ブレス しあわせの呼吸』予告編 動画

(原題:Breathe)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月23日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月24日 感想を掲載。

・2019年12月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者


…(「ファースト・マン」、ドラマシリーズ「ザ・クラウン」など)


〇スティーヴン・マンガン

〇ディーン=チャールズ・チャップマン

〇ペニー・ダウニー


〇デヴィッド・ウィルモット

〇アミット・シャー

〇ベン・ロイド・ヒューズ

〇ジョナサン・ハイド

〇エミリー・ビーヴァン

〇シルヴェスター・グロート


監督

アンディ・サーキス
…(<出演作>「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」など)


2017年製作 イギリス映画




あらすじ

愛し合って結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)だった。

しかし、1959年、ロビンの仕事でケニアのナイロビに二人で滞在した際、ロビンがポリオに感染し、首から下を動かせず、自分で呼吸をすることすらもできなくなってしまう。

そのまま、ロンドンの病院で寝たきりの状態で一生を過ごすと思われたロビンだったが、ある時、「家に帰りたい」とロビンが言い出し、ダイアナは、自宅でロビンの看病をする方法を模索しはじめる…。



映画「ブレス しあわせの呼吸」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介いたします。

ブレス しあわせの呼吸 (2017)


★★★★☆ [90点]「それでも明るく生きる姿に泣いた!」

号泣の感動作だった!

1950年代のイギリス

愛し合って結婚したロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)。

しかし、ロビンの仕事のため、夫婦で訪れていたケニアでロビンはポリオにかかってしまう

その結果、自力では呼吸できない重度の四肢麻痺になってしまったロビンは、余命数ヶ月と宣告されてしまう。



この映画を観て本当に良かったと思った。

映画を観る前に「主人公は重度の四肢麻痺だ」だと知り、もしかして、重い映画かも…と思っていた。

しかし、彼らのどんな時も前向きな生き様を見て、むしろ、健康な私の方が彼らから元気をもらっていることに気付く。



そして「普通に息をして生きていることが、どれだけ幸せなことなのか」と思い知らされ、「それなのに、なぜ、私は小さいことでクヨクヨしたり、イライラしたりしているのか」と思った。



主人公のロビンは「2分間呼吸できなかっただけで死んでしまう体」だったにも関わらず、彼自身も、彼の妻のダイアナも、希望を捨てることなく前を向き、やりたいと思ったことは全て積極的にチャレンジする素晴らしい人たちだったからだ。



ロビンも、初めからそんなに前向きだったワケではない。

四肢麻痺と分かったときには「死なせてくれ」と懇願していた。

しかし、そんな彼の目の前には、生まれたばかりの息子がいて、死ぬわけにはいかなかったのだ。



そこから、彼は彼のやり方で生き延びることで、周りの人たちに勇気と希望を与える存在になっていく

彼らは決して悲観的にはならず、悲壮感もない

毎日を幸せに生きる普通の家族なのだ。

そこが本当に素晴らしく、だからこそ、彼らから希望と勇気を感じるのだ。



そんな彼の姿を見ていたら、私には、もっとやれることがあるし、もっと人生を楽しまなきゃいけないと思った。

うまくいかないことがあれば、うまくいくように環境を整えればいいし、「うまくいかなくて困っている」と周りに言えば、きっと誰かの心を動かすことになる。

絶望したり、諦めたりする前にやれることはたくさんあるのだ。



私は、この映画を観てロビンから「諦めない気持ち」を教えられ、本当にこの映画を観てよかったと思った。



監督は「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役、「猿の惑星」のシーザー役で知られるアンディ・サーキスで、この作品が初監督作。

「人間ではない者の身体の動き」で名を上げた彼が「全く動けない人」を描いて感動作を作り上げたというのが、とても面白いと思った

そして、映画の中にも登場するロビンの息子ジョナサンは、この映画の共同製作者である。
彼の両親への強い尊敬と愛情を感じさせる作品になっている。

ぜひ、たくさんの人に観て欲しい作品だ。


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/25 with ぴあ映画生活




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メリル・ストリープ主演のイギリス映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」をNHKのBSプライムで観た。

誰もが知っているイギリスの元首相マーガレット・サッチャーの伝記映画。


映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

満足度 評価】:★★★★☆

マーガレット・サッチャーが改めてイメージ通りの恐ろしい人だと再認識し、やはりメリル・ストリープは世界最高の女優だと再確認した映画だった。

メリル・ストリープは、この映画でアカデミー賞最優秀女優賞、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門女優賞を受賞している。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」予告編 動画

(原題:THE IRON LADY)




更新履歴・公開、販売情報

・2017年12月24日 NHK BS プライムで観た感想を掲載。

・2019年10月18日 NHK BS プライムでの放送に合わせて加筆修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

メリル・ストリープ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「未来を花束にして」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」、「大いなる陰謀」、「プラダを着た悪魔」など)

ジム・ブロードベント
…(「パディントン2」、「ベロニカとの記憶」、「イーグル・ジャンプ」、「パディントン」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ウィークエンドはパリで」、「ビッグゲーム」、「ブルックリン」、「ターザン:REBORN」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)



アレクサンドラ・ローチ
…(「ワン チャンス」など)

監督

〇フィリダ・ロイド

2011年製作 イギリス映画




あらすじ


食料品店の娘として育ったマーガレット・サッチャー(アレクサンドラ・ローチ/メリル・ストリープ)は、24歳の時政治家になる決意をし、34歳の時に下院議員に初当選を果たす。

当選から16年後に保守党の党首になり、それから4年後に首相の座に上り詰める。

国民から非難を受けながらも、財政難、フォークランド紛争などの難問を解決した彼女は、11年間の名が気に渡り、首相の座を務めることとなる・・・。




感想(ネタバレあり)


誰にも負けない強い意志が彼女を首相にした


この映画の中で最も興味があったのは、イギリスで初の女性首相であるサッチャーが、
どのようにして首相にまで上り詰め、11年間もその座に居座り続けることができたのか」だった。

そして、この映画を観て分かったことは、彼女は人望があったわけでもなく、強力なコネがあったわけでもなく、絶対的な財力があったわけでもない。

ただし、誰にも負けない強い意志があった

ただそれだけ



毎日毎日、政治について考え、どうやって実行すればいいのかを考え続けただけだった。

誰よりも強く。

これは非常に興味深いことだった。



つまり言い換えれば、イギリスの政界には彼女以上に政治について考え、強い意志を持った人間が11年間現れなかったってということ。

世の中は冷戦でオイルショックのさ中、国の貧しさについて本気で考えようとした人間がいなかったとのは、悲しいことでもある。



映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」


どれだけわずかであっても、全ての国民を守るのが母の役目


この映画を見る限り、サッチャーが政治家としてピークだったのは、フォークランド諸島を占領された時に、多くの国民を犠牲にしながらアイルランドと戦う決意をした瞬間だった。

その中で最も印象に残っているのは、アメリカの国防大臣がイギリスを訪問した際に、首相官邸へ招き、自らティーポットを手に持ち、「紅茶にミルクを入れますか?入れませんか??」と聞いた時のサッチャーの表情だった。

その表情からは、彼女はイギリスの国母であり、その子供たちと土地は自分に守る責任があり、またその主張を絶対に曲げない堂々した態度がうかがえ、また結果として、その対談が彼女の鉄の意志を全世界に知らしめることとなった。



これが男性の首相だったら、自ら紅茶をふるまうようなことは絶対にないだろう。

「これから戦争を始める」という物騒な話をしている時に、紅茶で場を和ませるという女性らしい細やかな気配りが功を奏した場面だった。



そして、そこに責任を感じた彼女はフォークランド紛争で犠牲になった兵士の家族たちに手紙を書き続ける。

これも、彼女の人気をあげた要因の一つだろう。


映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」



世界最高の女優は、プレッシャーをも演技の糧にしてしまう


主役のマーガレット・サッチャーを演じたのは、若き日をアレクサンドラ・ローチ、後年をメリル・ストリープが演じる。

メリル・ストリープと組んで若い頃のサッチャーを演じるとは、かなりのプレッシャーだったと思うが、アレクサンドラ・ローチはそれを見事にやってのけたと思う。

どこかで見た顔だなぁと思ったら、「ワン チャンス」の女優さんだった。



そして、なんと言っても、この映画はメリル・ストリープの演技力に尽きると思う。

サッチャーがイギリス首相時代に世界最強の女だったように、彼女もその演技力が世界最高のものであると見せつける作品となった。



しかし、それこそイギリスの母であるサッチャーをアメリカ人が演じることについて、批判もあっただろうし、プレッシャーも相当のものだったろうと思う。

だからこそ、そこへ果敢に挑戦していく姿が、自分の信じた道を突き進むサッチャーと重なり、相乗効果でメリル・ストリープをよりサッチャーへ近づけていたのではと思う。



また、サッチャーを陰で支えた夫のデニスを演じるのはジム・ブロードベント

イギリス人らしく、ちょっと皮肉屋でダンスが好きで陽気なデニスが良かったなぁ。

彼が見えているということは幻覚だったというのは、なんだか切ない話だったけれど。



監督はフィリダ・ロイド

イギリスの女流監督である彼女の前作は「マンマ・ミーア!」であり、もう一度メリル・ストリープと一緒に仕事がしたいと熱望したそう。

先程書いた紅茶の場面や、手紙を書いたシーンなどのサッチャーの女性らしい一面をしっかりと描写しているのは、女性監督ならではだったんだなと納得した。



映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」



野心を持つ世界中の女性たちの手本となるその生き様


女性が野心を持って、誰よりも高い地位を目指したいと思った時、それは日本に限らず、まだまだ多くの障害があって簡単に実現できることではない。



その壁を乗り越えるのはとても難しいことだけれども、この映画のサッチャーのように、どこにでもあるような食料雑貨店の娘として生まれた女性が上り詰める姿は、多くの女性に勇気を与えることと思う。



何よりも大切なのは、絶対に曲げない強い意志と諦めない気持ち

同じ女性として、この映画を観ながら少し背筋が伸びたような気がしている…。

誰にも負けない野心を持とう。



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テレンス・スタンプ主演の映画「アンコール!!」をU-NEXT で観た。

合唱団に参加することで救われる人々の姿を描いた感動作。


満足度 評価】:★★★★☆

72歳の頑固爺さんが、長年支えてくれた妻に感謝の気持ちを伝えたいが、口下手な彼は伝えることができず、妻の大好きな歌に想いを込める‬。

そのテレンス・スタンプが歌う場面が本当に感動的で、その想いに心を強く打たれた‬。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『アンコール!!』予告編 動画

(原題:Song for Marion)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年9月11日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年10月1日 感想を掲載。

現在、ネット配信で販売中。



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オリジナルサウンドトラック:「Song For Marion」

Song For Marion

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キャスト&スタッフ


出演者




…(「60セカンズ」など)


監督

〇ポール・アンドリュー・ウィリアムズ


2015年製作 イギリス映画



映画「アンコール!!」


あらすじ


72歳のアーサー(テレンス・スタンプ)は、気難しくて偏屈な頑固爺さん。

しかし、妻のマリオン(ヴァネッサ・レッドグレイブ)だけには甘えてしまうツンデレタイプ。

そんな性格のせいか、息子のジェームズ(クリストファー・エクルストン)とも、対立してばかり。

ところが、ある日、マリオンの病気が再発してしまい、余命わずかだと宣告されてしまう。

マリオンは身体がつらいはずなのに、それでも合唱団の練習には楽しそうに通い続けていた。

合唱団を指導するエリザベス(ジェマ・アータートン)は、合唱コンクールにエントリーすることを決め、その選考会でマリオンが歌っている姿を見たアーサーは、その歌声に感動してしまい…。



映画「アンコール!!」テレンス・スタンプ




感想(ネタばれあり)


昭和の頑固おやじ「歌なんて歌ってられるか!」


とても個人的なことだけれど、数ヶ月前、高齢の父が病気をしてしまい、入院してしまった。

近々退院をする予定なのだけど、退院後もリハビリに通わせたくて、地域のケアプラザにリハビリの受け入れ先を探してもらっている。



その中で、父が頑なに嫌がっているのが「歌を歌ったり、ゲームをしたりするデイサービス」だ。

たとえ、一日の工程の中にリハビリテーションが含まれていても、その後に歌やゲームがあるようなデイサービスには行きたくないと言う。

昔から、合唱団に通ったりした人はきっと楽しんで参加するのだろうけれど、父は痴ほう症になっているわけでもなく、「そんなものは男がすることじゃない」というプライドというか、頑固さがあって、その場にいても楽しめないんだろうと思う。



だから、この映画の中で、アーサーが合唱団のことを頑なに嫌がるのも分かる気がした。



たとえ、愛する妻のマリオンが、身体がしんどいのにも関わらず、楽しそうに合唱団に通っている姿を見ても、その妻の気持ちが理解できない。

その一方で、きっとマリオン本人は、アーサーも一緒に楽しんで欲しいという思いがあるんだろうけれど、その思いを強要せず、送り迎えだけ頼んでいるのは、そんなアーサーの気持ちを理解しているからだろう。



とはいえ、偏屈で頑固なアーサーの気持ちを理解できるのはマリオンだけで、アーサーはマリオンを通じて社会とつながっている

だから、マリオンを通さずに息子のジェームズと会話しても、すぐにケンカになってしまう。



私の父もそうなのだけど、アーサーが合唱団に入れないのも、マリオンを通じてしか社会とつながれないのは、愛情表現がへたで、口下手だからだ。

歌を歌うことに対して「気恥ずかしい」という思いがあって、照れ隠しのように「歌ってられるか」と言ってしまう。



この映画では、そんなアーサーが、「歌」によって救われていく姿を描いている



映画「アンコール!!」テレンス・スタンプ2



感情を込めて歌った歌は人を感動させる


きっかけは、妻のマリオンが合唱コンクールの選考会で歌った「トゥルー・カラーズ」だった。

この「トゥルー・カラーズ」は、シンディ・ローパーの歌だが、合唱団用に、マリオンのソロをメインにしてアレンジしているものだった。

その「トゥルー・カラーズ」は、「私はあなたの本当の良さを理解しているから大丈夫よ。だって私はあなたのことを愛しているから。」という思いを歌ったもので、それは偏屈なアーサーを愛しているマリオンにピッタリの歌だった。





その歌を、マリオンがアーサーを見つめながら歌っているのを聞いて、アーサーはとても感動する。

けれど、素直にマリオンに対して「感動したよ」とは言えない。

しかし、そんな素直じゃないところも含めてマリオンはアーサーを理解し、愛していた。



私も、前からシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」は好きだったけれど、「こんなにいい歌だったのか!!」と改めて思い、感動した場面だった。

たとえ、周りの人たちが理解できなくても、私はあなたのことを理解しているし、他の人が知らない良いところをたくさん知っている。

それこそが「愛なんだ」と感じさせてくれ、とても感動した場面だった。



アーサーは、この時の感動をきっかけに「歌は人を感動させるものだ」と知り、音楽に興味を持ち始める。



映画「アンコール!!」ヴァネッサ・レッドグレイブ



心の支えを失ったアーサーが吸い寄せられた「歌」


しかし、そんなアーサーの唯一の理解者だったマリオンも亡くなってしまう。

そして、マリオンを失い、アーサーは改めてその偉大さに気付かされ、大声を出して泣いてしまう。

息子との仲もうまくいっていない彼は、マリオンを亡くした途端に孤独になってしまうのだ。



そうして、吸い寄せられるように、マリオンのいない合唱団に通い始める。

そこで、アーサーは合唱団を指導しているエリザベスに誘われて歌い始めるのだが、そこで気付いたことがある。



「歌」とは、普段、口にはしにくいことを伝えるのにピッタリなのだ。

アーサーのように口下手な人にとって、「歌」なら、普段、言いにくいことを言えてしまうのだ。



そのことに、マリオンが生きている時に気付けば良かったのだけど、きっとマリオンが生きている間は合唱団に参加するなんてできないだろうから、そこがアーサーの難しいところであり、そこで、アーサーは亡くなったマリオンに、生前言えなかった思いを込めて「愛」を歌うのだ。



映画「アンコール!!」ジェマ・アータートン



音楽には人を救う力がある


アーサーにとって、世界の中心にはマリオンがいた。

そのマリオンが亡くなって、アーサーの世界は真っ暗になってしまった。

そして、アーサーは改めてマリオンの偉大さに気付くのだ。



この映画は、その偉大なマリオンを亡くしたアーサーが歌と出会って、再び人生を取り戻すまでを描いた作品だった。



今まで、人に感情を伝えることが苦手で、息子と衝突を繰り返していたアーサーも、その息子に歌う姿を見せることで、息子との仲も修正していく。



私は、ラストでアーサーが歌っている姿を見て、「歌」というのは、うまい下手よりも、どれだけ感情が込められているかが大事なんだと改めて思った。

そこはさすが、大ベテラン俳優のテレンス・スタンプだから、感情たっぷりにマリオンへの愛を歌うのだ。

歌詞の一つ一つにアーサーの思いがとても丁寧に込められていて、本当に感動して、私は号泣してしまった。



辛いことがあって落ち込んでいる時、私は音楽を聴いたり、ライブに行って叫んだりする。

音楽には、人を救う力があるからだ。



目の前が真っ暗で、人生が絶望的だと思っても、音楽はいつも変わらず、私たちを励ましてくれる。

だからこそ、音楽は素晴らしく、人々は音楽を求め、この世からなくなることはない。

そんな「音楽の力」を感じた作品だった。





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ジェラルド・バトラー主演「ハンターキラー 潜航せよ」を映画館で観た。

「もしも、ロシアの領海で異常事態が起きたら米軍はどう動くのか」を描いたアクション映画。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!

冷戦後の現在、もしロシアで異常事態が起きたらアメリカはどう動くのかを原潜を主軸に描く 何より迫力あるアクションが良い!

見通しの悪い海の中で「音」だけが頼りの追跡劇は緊迫感たっぷりだったし、潜水艦ならではの閉所恐怖症的な圧迫感も怖さ倍増で良かった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ハンターキラー 潜航せよ』予告編 動画

(原題: Hunter Killer)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年4月19日 映画館にて鑑賞。

・2019年5月27日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。より詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「ハンターキラー 潜航せよ」公式サイト

DVDで観る:「ハンターキラー 潜航せよ」

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原作本:「ハンターキラー 潜航せよ」〔上〕

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原作本:「ハンターキラー 潜航せよ」〔下〕

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オリジナルサウンドトラック「ハンターキラー 潜航せよ」

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キャスト&スタッフ


出演者



コモン


〇トビー・スティーブンス



監督

〇ドノヴァン・マーシュ


2018年製作 イギリス映画



映画「ハンターキラー 潜航せよ」



あらすじ

ロシア近海で一隻の米海軍潜水艦が消息を絶ったため、ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)を艦長とする原子力潜水艦「ハンターキラー」は、その調査のため現場に向かう。

目的の潜水艦は撃墜されており、ハンターキラーはその近くで遭難していたロシア軍潜水艦の乗組員を救助し捕虜にする。

しかし、ちょうどその頃、ロシ政府では予想外の事態が起きていて…。



映画「ハンターキラー 潜航せよ」ジェラルド・バトラー



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ハンターキラー 潜航せよハンターキラー 潜航せよ (2018)

【監督】ドノヴァン・マーシュ
【出演】ジェラルド・バトラー / ゲイリー・オールドマン / コモン / リンダ・カーデリーニ / トビー・スティーブンス / ミカエル・ニクヴィスト


★★★★ [80点]「新しい時代の米ロ関係」


正直、大して期待をしてなかったのだけど、予想以上に面白かった!

潜水艦を舞台に描かれるアクションは迫力満点だった!



冷戦後の現在、もしもロシアで異常事態が起きたら、アメリカはどう動くのか

序盤でロシアが出てきた時は「結局、未だにアメリカの敵はロシアなんだな…」なんて思いながら観ていた。

それこそ、冷戦時代のように、ロシア=敵 アメリカ=正義のような描き方をするのかと思った。



しかし、そんなに単純にいかないということが、追い追い明らかになっていく。

アメリカの中にも、タカ派とハト派がいるように、ロシアの中にもタカ派とハト派がいる。

だから、一つ何か問題が起きた時に、国内だけでも様々な意見が出る。



そんな状況の中で、もしも、ロシアの大統領がハト派で、軍幹部がタカ派だったら、どんなことが起きると想像できるだろうか。

大統領を弱腰だと判断し、軍部がクーデターを起こすのではないか。



そしたら、アメリカは、そのクーデターを受けて、どう動くのか…。

という事態を想定して、シミュレーションしたのが、この映画だ。



しかも、その舞台は原子力潜水艦である。

見通しの悪い海の中で「音」だけが頼りの追跡劇は、緊迫感たっぷりで、ハラハラドキドキ!!

さらに、潜水艦ならではの閉所恐怖症的な閉塞感が、怖さを倍増させる。



敵艦の魚雷に当たるかもしれないし、岩場に座礁するかもしれない。

その上、水中には機雷がゴロゴロしている。

何度も、もうダメかも…というピンチがやってくる!!


水中だけでなく、地上でも戦いがあり、まさに、息をもつかせぬ展開だった!!



そして最終的に、その事態を平和に導くのは、その場を仕切るリーダーと部下の信頼関係にかかっている。

冷戦後は「国 VS 国」という関係性は崩壊し、「テロリストのような個人 VS 国」という関係性に変化してきているが、この映画のように、一見、「国 VS 国」のように見える対立関係でも、最終的には、その場のリーダーの判断が大きく作用し「個人 VS 個人」の戦いになるんだなと思った。


ロシアの中にも、良い人はいるし、アメリカの中にも「ミサイル打ち込めー!」と言っちゃうような人もいる。

タカ派 VS タカ派 なら戦争になるし、ハト派 VS ハト派なら、話し合いになる。

それなら、タカ派 VS ハト派なら、事態はどうなるのか…。



そんな複雑な関係を、この映画はよく表しているなと思った。

この映画の結末を弱腰と思う人もいるかもしれないし、理想論と思う人もいるかもしれないけど、私は、こういう世の中であって欲しいと思ったし、なんだかホッとしてしまった

まぁ、まぁ、そういうことを考えなくても、アクションだけでも十分、面白いので、アクション好きの方もぜひ。


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ホアキン・フェニックス主演の映画「ビューティフル・デイ」のジャパンプレミアに行ってきた。

家出人捜索のプロが、ある議員の娘の捜索を依頼されたことで事件に巻き込まれていく。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

これは素晴らしい映画だった~。

大人たちの力や言葉による暴力が、どれだけ子供たちに影響し、どれだけ長い間苦しめるのか。

とても胸が締め付けられ苦しくなる映画だけど、そこに希望があったのが救いだった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「ビューティフル・デイ」予告編 動画

(原題:You Were Never Really Here)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月22日 ジャパンプレミアで観た感想を掲載。

・2019年5月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演

ホアキン・フェニックス
…(「ドント・ウォーリー」、「裏切り者」、「炎のメモリアル」、「her/世界で一つの彼女」など)

〇ジュディス・ロバーツ

〇エカテリーナ・サムソノフ

〇ジョン・ドーマン

〇アレックス・マネット

〇アレッサンドロ・ニヴォラ


監督・脚本

〇リン・ラムジー


2017年製作 イギリス映画


第70回 カンヌ国際映画祭 脚本賞(リン・ラムジー)、主演男優賞(ホアキン・フェニックス)受賞作品



映画「ビューティフル・デイ」



あらすじ


家出人捜索のプロであるジョー(ホアキン・フェニックス)は、NYで母親(ジュディス・ロバーツ)と二人暮らし。

ある時、彼の元に「家出した政治家の娘・ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を探して欲しい」という依頼を受ける。

ニーナが出したメールなどから居場所を追跡し、ある売春組織から彼女を保護するが、その時、ニーナの父がビルから飛び降り自殺したというニュースがテレビで流れていて…



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス



感想(ネタバレあり)


毒親問題は昔からある普遍的な問題


「映画は社会を映す鏡」という。

私も映画を通して社会を知ったり考えたりするので、その通りだと思う。



その中で、最近増えてきたのが「毒親」をテーマとした作品である。

「毒親」とは、力や言葉による暴力で子供を支配し、操ろうとする親のことをいう。



昨年から今年にかけて印象に残るのは、クリス・エヴァンス主演の映画「gifted/ギフテッド」。

あの作品では、母親が、子供のためを思って英才教育を強制したことで、子供が不幸になっていく様子を描いている。



この映画「ビューティフル・デイ」もまた、毒親をテーマにした作品であり、毒親に育てられた子供たちによる大人への復讐と、その支配からの解放が描かれる



しかし、私も先ほど、この「毒親」をテーマにした作品が増えていると言ったけど、この親子関係の問題が、最近になって急激に増えているわけではないということが、この映画を観ているとよくわかる。

その証明に語られるのが「サイコ」である。

1960年に製作されたヒッチコック監督の映画「サイコ」は、支配的な母親に育てられた息子がサイコパスの殺人鬼になってしまうホラー映画で、今思えば「毒親映画の代表作」である。

この映画は、その「サイコ」を映画の冒頭で紹介し、この問題が普遍的なものであることを示している

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最近、映画のテーマとして注目をあびるようになった「毒親問題」だが、昔から多くの人々を悩ませ、苦しませてきた問題なのである。

では、そんな暴力的な親の支配から逃れるために、子供たちはどうすればいいのか。

それが、この映画の中では描かれている。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス


暴力的な面と優しさが同居する家出人捜索のプロ ジョー


主人公のジョーは、暴力的な父親の支配におびえながら子供時代を過ごしていた。

大人になり、彼を支配していた父親はいなくなるが、ジョーの頭の中にいる父親は、その後も彼を支配し悩ませ続ける

カッとしてキレてしまうと、相手を殺してしまうまで殴ってしまうような彼の暴力的な性格は、そんな父親の支配から生まれている。



その反面、子供たちには真逆の優しさを見せる

ジョーに仕事を依頼する仲介人の子供に、ジョーの「殺し屋」としての一面を見られた瞬間に、子供への悪影響と将来を考え、その仲介人とは縁を切る徹底ぶりである。

そこには「暴力的な親から育った自分のような人間が、これ以上、増えてはいけない」というジョーの痛切な思いが感じられる。



そんな暴力的な部分と、子供思いな部分の二面性を持つジョーが請け負っている仕事が「家出人捜索」である。

大人のせいで不幸になってしまった子供たちを救いたいというジョーの思いが、彼を優秀な捜索人にしているのだ。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス


家出少女ニーナを命がけで救いたいと思った理由


ジョーの運命を変えたのは「ニーナ」との出会いだった。

初めは、政治家の娘であるニーナを探しだせば終わる依頼だった。

しかし、次第に、その父親が自分の出世のためにニーナを性の道具として利用していることがわかり、さらに、その父親が何者かによって殺されてしまう。



そこから、ジョーはニーナを取り巻く事件に巻き込まれていく。

やがて、ニーナの父親が出世のために差し出していた相手が州知事だとわかる。

ニーナが家出をした理由は、父親と州知事から逃れるためだったのだ。



ニーナもまた毒親の被害者だとわかったジョーは、ニーナを救いに向かう。

ジョーにとって、毒親の被害者であるニーナを救うことは、彼の中でいまだに怯え続ける幼い頃の自分を救うことにもなるのだ。



これまで、ジョーが父親の支配に長い長い間苦しめられてきたからこそ、ニーナには、同じよう思いをさせてはいけないと思ったに違いないし、共に暮らしてきた母の死があったからこそ余計に、ジョーの「暴力から人を救いたい」という思いは、ニーナへと向かっていったのだと感じた。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス、エカテリーナ・サムソノフ


死んだように生きていたジョーの人生に射す一筋の光


ジョーの時間は父親と過ごした子供時代の頃から止まっている

いまだに母親と共に暮らし、ソングリストは70年代ポップスのまま。



母親を殺した暗殺者を殺した後、ジョーが歌うのは1977年にヒットしたシャーリーンの「愛はかげろう(I've never been to me)」である。

この歌は、それなりに裕福な生活を手に入れた女性が、誰からも愛されず、その満たされない生活には自分自身がないことを嘆いている。



それは、夫のDVに苦しめられ不幸な生活を送っていた母親の心境を表したものだが、ジョーもまた父親の支配から逃れられず、自分自身がない生活を送っている

生きてはいるけど、子供時代から死んだように生きているのだ。



その状態のジョーを、この映画の原題「You Were Never Really Here(あなたは本当にそこにはいなかった)」は示している。

それが過去形になっているのは、ジョーがニーナがを救ったことで再びジョーの時計が動き始め、生き返ったからだ。



そして、ジョーはこれまでの自分自身を殺し、ニーナと共に歩み始める

ジョーは毒親である父親の支配から逃れるために、ニーナを救い、自分自身を殺したのだ。



子供たちが毒親の支配から逃れるのに、どれだけ時間がかかるのか

この映画を観ていると、毒親の影響によって、子供たちの心に芽生える闇に暗澹たる気持ちになってしまう。



また、その支配から逃れるには、子供たちの頭の中からその存在を完全に消し去らなければならないと感じる。

ジョーのように「完全消去」のために、長い長い年月を必要とする人もいるのだ。



だとすれば、ジョーとニーナの出会いは運命的なものだったし、同じ苦しみを背負う彼らは、その苦しみから解放されるために、出会うべくして出会ったのだ。

ふたりが出会えたことこそが、この苦しみの映画に射す一筋の希望の光だったのだろう。








関連記事


毒親が子に与える影響について

「gifted/ギフテッド」
才能に恵まれた天才の育て方。子供の望みとかけ離れた人生を押し付ける過干渉な毒親。振り回される子供の不幸。クリス・エヴァンス主演映画【感想】





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ファッション・デザイナー アレキサンダー・マックイーンの生涯を追ったドキュメンタリー映画「マクイーン:モードの反逆児」を試写会で観た。

なぜ、マックイーンは自ら命を絶ったのか…。


映画「マックイーン:モードの反逆児」


満足度 評価】:★★★★☆

その人生は想像を超える濃厚さだった。

後半、自身の身を削って作品を生み出してく姿には涙が止まらなかった。

彼は唯一無二だからこそ成功したが、それは孤高でもあり、誰にも理解されない孤独に胸を締め付けられた。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『マックイーン:モードの反逆児』予告編 動画

(原題:McQueen)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年3月20日 試写会にて鑑賞。

・2019年4月23日 感想を掲載。

より詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「マックイーン:モードの反逆児」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者

〇リー・アレキサンダー・マックイーン


監督

〇ピーター・エテッドギー

〇イアン・ボノート


2018年製作 イギリス映画



あらすじ

1969年労働者階級に生まれたマックイーンは、23歳の時に失業保険を使ってデザイナーデビュー。

27歳の時にはジバンシィのデザイナーに抜擢。

その後、並行して自分のコレクションも発表し、34歳で大英帝国勲章を授与される。

しかし、2010年に40歳の若さでこの世を去った彼の生涯を追う。



映画「マックイーン:モードの反逆児」アレキサンダー・マックイーン


感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


マックイーン:モードの反逆児 (2018)


★★★★ [80点]「誰にも理解されない孤高のデザイナー」


2010年に自ら命を絶ったファッションデザイナー アレクサンダー・マックイーンの軌跡を描くドキュメンタリー映画。

個人的にファッション業界には疎くて、ハイブランドには何があるのかすらよくわかっていないけれど、この映画にはとても感動した。



というのも、この映画は、モード界の裏側を暴露するような作品ではなく「マックイーンとはどんな人だったのか」にスポットが当てられていて、彼の人間ドラマとして、この映画を観ることができるからだ。



この中でマックイーンは、常に自分の心の奥底に問いかけ、そこから「今、本当に作りたいもの」を生み出していく。

その姿は、デザイナーというよりも芸術家といった印象だった。



そこから生まれた作品は、だれにも真似できない唯一無二のものであり、世界で絶賛される。

しかし、その過程ではかなり自身の心を削られていて、その姿には涙が止まらなかった。



そして、唯一無二ということは、裏を返せば、孤高ということであり、誰にも理解されない孤独に強く胸を打たれてしまった

また、音楽は「ピアノレッスン」のマイケル・ナイマンが担当していて、その美しい音楽がさらに切なさを倍増させていた



ファッション業界に興味がある人も、そうでないと人も、きっとマックイーンという人に興味を持ってしまう。

そんなドキュメンタリー映画だった。


Posted by pharmacy_toe on 2019/03/28 with ぴあ映画生活





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オリジナルサウンドトラック:マイケル・ナイマン「Mcqueen」

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参考:「VOGUE ON アレキサンダー・マックイーン」

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ドーナル・グリーソン主演の映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」を町山智浩の映画サーチライトで観た。

童話「くまのプーさん」は、どのようにして生まれたのか。作者と家族の関係を軸に描いた実話。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

あのほんわかとした実話の裏側には、こんなに切ない話があったのか!という実話。

息子と乳母の関係に胸が締め付けられた。

あの童話で世界中の子供たちが幸せになったけれど…というは、なんともやるせない


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『グッバイ・クリストファー・ロビン』予告編 動画

(原題: Goodbye Christopher Robin)


更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月25日 「町山智浩の映画サーチライト」にて鑑賞。

・2018年10月4日 感想を掲載。

・2019年3月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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原作本:「グッバイ・クリストファー・ロビン:『クマのプーさん』の知られざる真実」

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キャスト&スタッフ


出演者

ドーナル・グリーソン



〇ウィル・ティルストン



監督



2017年製作 イギリス映画



グッバイ・クリストファー・ロビン




あらすじ


第一次世界大戦から帰還した作家のミルン(ドーナル・グリーソン)は、帰国後から戦争の後遺症であるPTSDに悩まされる。

その後、妻 ダフネ(マーゴット・ロビー)との間に、息子のビリー(ウィル・ティルストン)が産まれ、一家はミルンの静養のため広大な森がある田舎町へと引っ越す。

しかし、田舎での生活に退屈したダフネは、ロンドンへ戻ってしまい、ビリーのために雇った乳母 ヌー(ケリー・マクドナルド)は、病気の母親を看病するため実家へ帰ってしまう。

そうして、ビリーと二人きりになったミルンは、ビリーと森へ散歩へ行くと彼のくまのぬいぐるみを使って遊ぶようになり、そのぬいぐるみと、その友達クリストファー・ロビンを主人公とした童話を思いつく。

初めは、二人で遊ぶために書いた物語だったが、それを出版することになると、たちまちベストセラーとなり…。



グッバイ・クリストファー・ロビン3




感想(ネタばれあり)


「くまのプーさん」の切ない誕生秘話


この映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」は、「くまのプーさん誕生秘話」を描いた実話である。

第一次世界大戦に従軍したミルンドーナル・グリーソン)は、終戦後に帰国した後、戦争の後遺症であるPTSDに悩まされてしまう。

その後、妻ダフネマーゴット・ロビー)との間に生まれた息子 ビリーを喜ばせるためにクマのぬいぐるみを主人公にした童話を書くと、それが、書籍化され、ベストセラーとなるのだか…。  



PTSDで悩むお父さんが、プーさんとクリストファー・ロビンの童話を書くと、それがカウンセリングのような役割を果たし、お父さん自身が救われていく

けれど、その物語のモデルとなった息子は、予期せぬ形で有名人となってしまい、本の主人公「クリストファー・ロビン」と素の「ビリー」の間で苦しむことになる。



私がこの物語の中で一番グッと来たのは、その家族を影で支えていた乳母ヌーの存在だった

ミルンの妻ダフネは、上流階級の出身で、遊ぶことが大好き。

そのため、ビリーの子育てと、教育、スケジュール管理は、全て乳母に任せっきり。
いわゆる「育児放棄」そのものだ。



そのせいで、ビリーは、母よりも乳母になつくようになっていく。

ヌーはビリーを不憫に思うけど、ダフネはビリーか自分よりもヌーになついていることが気に入らない  



お父さんがプーさんを書いたのは、自身にとってのPTSDを治療する役割があったけれど、その物語を一緒に作り上げたビリーにとっては、お父さんに好かれたい一心だった。

しかし、お父さんはビリーとうまく接することができず、「お父さんに好かれていない」と思い込んだビリーの思いは乳母の元へ

とはいえ、ヌーも使用人だから、必要以上に家族の間に立ち入ることができない



そんなビリーとヌーの関係に胸が締め付けられてしまった

ディズニー版の「プーと大人になった僕」では、ほんわかと心温まる物語が描かれているけれど、その裏には、こんなに切ない話があったのかぁという作品だった

この映画、日本では劇場公開しないままビデオスルーになってしまった作品。



プーと大人になった僕」もいいけれど、その真実の姿を知りたくなったら、ぜひ、こちらを観て欲しい。



グッバイ・クリストファー・ロビン2




関連記事

〇あわせて観たい!ディズニー版「くまのプーさん」
「プーと大人になった僕」仕事に追われ家族と過ごす時間もなくなったら…。何もしないことの素晴らしさが心に刺さる。社畜に捧げるファンタジー。ユアン・マクレガー主演【感想】


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ジェマ・アータートン主演のイギリ映画「人生はシネマティック!」をヒューマントラストシネマ有楽町で観た。

第二次世界大戦当時にイギリス情報局映画部の脚本チームに採用されたカトリンの奮闘を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

素晴らしい映画だったなぁ。

この映画を観て、「映画というのは『辛い現実から私たちを切り離し、素晴らしい夢を見させ、明日からまた頑張ろう』と思わせてくれるためにある」と思った。

なぜ、そう思ったのか。

その理由は、この先の感想へ。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「人生はシネマティック!」予告編 動画

(原題:Their Finest)



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・2017年12月3日 映画館にて鑑賞。

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キャスト&スタッフ


出演者

ジェマ・アータートン
…(「ディストピア パンドラの少女」など)

サム・クラフリン
…(「世界一キライなあなたに」など)

ビル・ナイ
…(「パイレーツ・ロック」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」、「ワルキューレ」、「ショーン・オブ・ザ・デッド」など)

〇ジャック・ヒューストン
…(「高慢と偏見とゾンビ」など)

エディ・マーサン
…(「アトミック・ブロンド」、「ハイヒールを履いた女」、「僕と世界の方程式」、「おみおくりの作法」など)

ジェレミー・アイアンズ
…(「アサシン・クリード」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「リスボンに誘われて」、「キングダム・オブ・ヘブン」など)



監督

〇ロネ・シェルフィグ

2016年製作 イギリス映画



映画「人生はシネマティック!」




あらすじ


第二次世界大戦当時のイギリス・ロンドン。

情報部映画部では、イギリス国民の戦意高揚のための映画を製作していた。

カトリン(ジェマ・アータートン)は、映画の脚本に女性目線を加えるためにトム・バックリー(サム・クラフリン)をリーダーとする脚本チームの一員として採用される。

そして、映画部では国民を勇気づけるためにダンケルク救出作戦の映画化を考えていて、カトリンはその時ダンケルクで兵士たちを救出したことで新聞に掲載された姉妹の取材へ向かう。

すると、その姉妹はダンケルクに向かったものの途中で船が故障してしまい、現地にはたどり着けなかったという事実が分かる。

しかし、カトリンはその事実を隠し、姉妹が兵士たちを助けたダンケルクの映画の脚本を執筆する。



映画「人生はシネマティック!」サム・クラフリン、ジェマ・アータートン




感想(ネタバレあり)


戦時下の国民を元気にするための映画作り


私たちが映画に求めているものは、人それぞれ

現実に即したリアリティを求めている人もいれば、思いっきり映画とかけ離れた世界を求めている人もいる。

どちらにせよ、映画館という暗闇の中でどっぷりとその世界に浸り、そこから夢や希望を見出す時間を求めている

だから、私たちは映画を観るのだ。



この映画「人生はシネマティック!」の舞台は、第二次世界大戦下のイギリスである。

当時のイギリス当局は「国民の戦意を高揚させ、さらに楽観的な気分になれるもの」を映画に求めていた。

その頃、ロンドンにはたびたびドイツ軍による空襲があり、人々は不安の中で暮らしていたからだった。



そこで、「国民に勇気を与えるため」に情報局映画部の脚本チームが戦意高揚のための脚本作りにとりかかる。

「人々が求める映画」を必死で考えている彼らを観ているうちに、私自身が映画に求めているものは一体何なんだろうか…と考えるようになった。



映画「人生はシネマティック!」サム・クラフリン、ジェマ・アータートン



映画では、夢のない現実よりも、勇気を与えるフィクションを


ジェマ・アータートン演じる主人公のカトリンは、情報局映画部の脚本家チームの一員として採用される。

映画部としては「国民を楽観的にさせる」映画の製作を練っていたが、その中で女性の視点が必要になり、女性の意見を反映させたいと思ったためだった



カトリンが採用された時、映画部が次回作として考えていたのが、「ダンケルクの戦い」だった。

その頃、新聞ではダンケルクに救出に向かった姉妹がいるという記事が掲載されていたため、早速、カトリンがその姉妹に話を聞きに行くことになった。

しかし、実際のところ、姉妹は船の故障でダンケルクにはたどり着けず、彼女たちのそばを通りかかった大型船にに助けられ、その船からあふれそうな兵士たちを乗せて帰ってきたという話だった。



その話を姉妹から聞いたカトリンは、その事実とは異なる「勇気ある姉妹のダンケルク救出劇」を書き上げ、それが映画されることになった。

今年公開されたクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」を観た人なら分かると思うけれども、「ダンケルク」に女性はほとんど出てこない。

せいぜい、「看護士」のような役だけである。



ダンケルクに女性が現れるなんていうのは、現実的ではなく、ただのフィクションである

カトリンは、事実よりも夢のあるフィクションこそが人々に勇気を与えることができるのではと考えたのである。



実際に「ダンケルク」に女性がいたかどうかは問題ではなく、映画として、その姉妹の存在が人々の希望を与え、戦争の辛さを忘れさせ、少しでも楽観的な気分にさせたのなら、映画として成功なのではないか

そして、私は「観ている人に与える幸福感や希望」こそが、「私たちが映画を楽しんでいる理由」なのではないかと思った



映画「人生はシネマティック!」ジェマ・アータートン



もしも、第二次大戦当時にもっと女性たちが活躍できていたら


この映画では、第二次大戦下の女性たちの理想が描かれる

脚本チームで働くようになって、夫よりも収入が増えてしまったカトリンは、ますます働くことに熱心になるが、夫はそんなカトリンを応援するどころか、カトリンに仕事を辞めさせ、家に閉じ込めておこうとする。



夫は、いつまでもカトリンを「世話をしてくれる人だ」と考えているようだった。

カトリンがその夫の「仕事を辞めて家に入れ」という申し出を断ると、夫は浮気をするようになる。



そして、カトリンは、そんな古い考えの夫よりも、彼女のことを本当に理解してくれるトムへ気持ちが揺らいでいく。

いつまでもうだつの上がらない夫を捨てて、才能がある新しい恋に向かっていく、そんなカトリンの「自立した女性」の考え方は、当時のイギリス女性からしたら夢のような理想像である。

それに、同じ情報局にレズビアンの女性がいたりするのも、当時からしたら現実離れしている



ここで描かれているのは、「もしも、第二次大戦当時に女性たちがもっと活躍していたら」という仮定の世界である。

もしも、脚本家に女性が採用されたら戦意高揚映画で女性がヒーローになった映画が製作されただろうし、情報局にはレズビアンであることをカミングアウトしている職員がいただろうし、自分の力で仕事する自立した女性たちが活躍していただろう。



たとえ現実はそうではなかったとしても、これは映画だから私たちが理想とする世界を描き出すことができる

そこが映画の素晴らしさなのである。



実際にフェミニズムが世界的に叫ばれるのは、第二次世界大戦後の話であるが、この頃からフェミニズムが進んでいたら…という架空の物語が描かれているのだ。

そしたら、男性しか出てこない「戦意高揚映画」の中に、女性のヒーローが誕生するような映画も作られたかもしれない。

そんな夢のような話を作ることができるのも、映画だからなのである。



夫との仲がこじれながら、空襲の恐怖を感じつつ、それでも必死になって徹夜して脚本を書き上げていくカトリンの姿は、ダンケルクの姉妹が国民に勇気と希望を与えたように女性たちに夢と希望を与える存在である。



映画「人生はシネマティック!」ジェマ・アータートン、ビル・ナイ



映画を観て「また明日からがんばろう」と思えることの素晴らしさ


しかし、カトリンは手に入れたばかりの幸せが、目の前で崩れ落ちるという辛く悲しい経験をする。

苦労して書き上げた「ダンケルク」が公開されても観に行く気分になれない。



そんなカトリンに、ベテラン俳優のヒリアード(ビル・ナイ)が声をかける。

「本当に素晴らしい映画になっているから、観に行くといいよ」と。

この時のヒリアードの優しさには涙腺が崩壊した!!



ヒリアードに声を掛けられたカトリンは、「ダンケルク」を観に行き、トムとの思い出が詰まった作品に涙を流し、そして、彼女の周りで観ていた観客たちが、彼女が脚本家だと知らず、彼女の書いた脚本に勇気づけられていることを知る。



その時、私がずっと考えていた「なぜ、私は映画を観るのか」への答えが出てきた。

毎日生きていて、辛いことや悲しいことがあっても、映画館で映画を観ている間はその世界の中に没頭し、現実の辛いことを忘れさせてくれる

そして、映画を観終わった後には、頭の中がリセットされて「明日から、またがんばろう」と思える

その「明日からがんばろう」のために、私は毎日、映画を観るんだなと思った。



カトリンが実際に聞いた姉妹の話を脚色して、女性がヒーローの映画を作り、それが多くの観客の心を動かしたように、

「ダンケルク」を描くのも、第二次大戦当時の女性たちを描くのも、大切なことは歴史や事実に忠実なことよりも、観ている人がその映画からどれだけ勇気や希望をを感じとれるかということ

映画の中のセリフを借りると、「観客が人生の1時間半をその映画を観て過ごし、それが価値のある時間だったか」ということ。



確かに、時々、「それってリアリティがない…」と思うことがあるけど、されど映画。

大事なのは、「そこから何を感じるか」なのではないかとしみじみ考えさせられた作品だった。

そして、私は必死になって映画を作っている人たちを観て、本当に映画を好きになって良かったと思ったし、これからも、もっと映画を観ようと思った

だから、映画好きな人には、1人でも多くの人に観て欲しい作品なのである。






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ドキュメンタリー映画「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」を試写会で観た。

60年代にロンドンで生まれ、世界を変えたカルチャーを貴重な映像で伝えるドキュメンタリー。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

60年代にロンドンで生まれたビートルズやストーンズが世界を変えた。

その激変の時代を伝える貴重な映像の数々。

全てがオシャレでカッコいい!

温故知新。

あの時代に学べることがたくさんあった

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』予告編 動画

(原題:My Generation)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年12月26日 試写会にて鑑賞。

・2019年1月5日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者


〇デイヴィッド・ベイリー

〇ポール・マッカートニー

〇ツィッギー

〇ザ・ローリング・ストーンズ

〇ザ・フー

〇ザ・ビートルズ


監督

〇デイヴィッド・パッチ


2017年製作 イギリス映画



マイ・ジェネレーションロンドンをぶっとばせ!





あらすじ

60年代にロンドンで生まれた様々な音楽やファッションや美術が世界を変えた!

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、マリー・クワント、ツィッギーなどなど。

その頃、ロンドンで俳優活動を始めたマイケル・ケインが、貴重な映像の数々と共に当時のロンドンの激動ぶりを紹介する。



マイ・ジェネレーションロンドンをぶっとばせ!2




感想(ネタばれあり)


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ! (2017)


★★★☆ [70点]「世界を変えた60年代UKカルチャー」

これは目で楽しむドキュメンタリー映画だった。



1960年代にロンドンで生まれたカルチャーの数々。

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ツイッギー、マリー・クワント、ヴィダルサスーンなどなど。

彼らの存在は、やがて世界のカルチャーを変えることとなる。

この映画の製作者の1人であり、当時、既に俳優として活躍していたマイケル・ケインが案内役を務め、当時のロンドンの激変ぶりを紹介する。

彼らの音楽やファッションが、世に放たれた結果、当時、薄暗かったロンドンがたちまちキラキラと光り輝きはじめる。

街に若者が溢れる活気に満ちたようすを見ていると「いいなぁ、この当時のロンドンを肌で感じたかったなぁ」と思えてくる

そして、そんな輝ける時代を作り上げたアーティストたちの多くが、当時のイギリスでは見下されていた労働者階級の出身だったということを、この映画を観て初めて知った。

この映画の中では、そんな階級格差のことも描かれていて、とても驚かされた。



しかし、その社会から抑圧された環境があったからこそ、ビートルズやストーンズが生まれたんだろうとも思う。



そして驚かされたのは、映像の素晴らしさ 。

この時代はまだ私が生まれる前の話で、半世紀も前のことなのにもかかわらず、これだけの貴重な映像をよく見つけてきたなと思った。



とてもそんな昔の映像とは思えないし、その当時のマイケル・ケインはとってもカッコよくて、女の子たちのファッションとか、真似したくなるぐらい可愛いい。

「当時を懐かしむ懐古的な作品」というよりも「温故知新」的な、あの当時のカルチャーからいろいろ盗んじゃえ!と思える作品だった。



そして、当時の最先端にいた彼らは、何かとバカにされながら、それを跳ね返して世界を変えるまでになった人たち。

人は夢を持った時、うまくいかないことを環境のせいにしがちだけれど、虐げられた環境にいた人たちが世界を変えることができたのだから、どんな環境にいる人も夢を諦めずに突き進んだら、新しい時代を築くことができるかもしれない

そう思える映画だった



ファッションや、音楽や、UKカルチャーが好きな人にオススメの作品!


Posted by pharmacy_toe on 2019/01/03 with ぴあ映画生活




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ヒュー・ボネヴィル主演の映画「英国総督 最後の家」を映画館で観た。

1947年、インドが英国から独立するという時代の流れに翻弄されてしまった人々を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

インド独立時に最後の英国総督を務めたマウントバッテン卿の実話。

宗教的な対立からインドは分裂しパキスタンが建国。

なぜ人は仲良く暮らすことができないんだろうと考えさせられ、国同士のエゴに引き裂かれた人々に涙が溢れた

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『英国総督 最期の家』予告編 動画

(原題:Viceroy's House)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月8日 映画館にて鑑賞。

・2018年12月29日 感想を掲載。

・2019年3月2日 DVDが発売。

現在、一部公開劇場あり。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「英国総督 最後の家」


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オリジナルサウンドトラック:「英国総督 最後の家」

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キャスト&スタッフ


出演者


〇ジリアン・アンダーソン

〇マニッシュ・ダヤル

〇フマー・クレイシー


〇タンヴィール・ガニー


〇ニーラジ・カビ

〇サイモン・キャロウ

…(「輝ける人生」など)

〇デンジル・スミス

〇リリー・トラヴァース

〇ジャズ・ディオール


監督

〇グリンダ・チャーダ


2017年製作 イギリス映画



英国総督最後の家




あらすじ

1947年、インドが英国から独立する年、ルイス・マウントバッテン卿は、最後の英国総督としてインドに赴任する。

インドが独立する際に、パキスタンをイスラム教徒の国としてインドから分離させるという話が湧き上がり、英国総督が暮らす家で働く500人の使用人たちも混乱する。

彼らの中には、イスラム教、ヒンズー教、シーク教、仏教などの信者が混在していたからだ。

そんな中、ヒンズー教信者のジート(マニッシュ・ダヤル)と、イスラム教信者のアーリア(フマー・クレイシー)が恋に落ち…。



英国総督最後の家2




感想(ネタばれあり)



英国総督 最後の家英国総督 最後の家 (2017)

【監督】グリンダ・チャーダ
【出演】ヒュー・ボネヴィル / ジリアン・アンダーソン / マニッシュ・ダヤル / フマー・クレイシー / マイケル・ガンボン / タンヴィール・ガニー / オム・プリ / ニーラジ・カビ / サイモン・キャロウ / デイヴィッド・ヘイマン / デンジル・スミス / リリー・トラヴァース / ジャズ・ディオール


★★★★ [80点]「イギリスのしたたかさに振り回されるインド」


正直、映画を見る前は、ポスターの暖色系の感じからして、もっとのほほんとした映画かと思った。

観始めたら、とんでもない。
しっかり社会派の映画だった。

人間って、どうして仲良くできないんだろう…と思いつつ、最後にはボロボロ泣いてしまった。



1947年。

インド独立の年、最後の英国総督として、マウントバッテン卿が赴任。

マウントバッテン卿は、インドを平和な状態で引き渡すために、イスラム教とヒンズー教の指導者と話し合いの場を持つが、宗教間の対立は激化するばかりで…。



時代的には、チャーチルが首相で、現エリザベス女王のお父さんのジョージ6世(「英国王のスピーチ」の王様)の頃なので、映画好きな人には、割と観やすい時代かと思った。


それまでインドを統治していたイギリスの総督 マウントバッテン卿は、平和な状態でインドを解放しようとするが、既に、国はイスラム教、ヒンズー教、シーク教で分裂状態だった。

そのため、イギリスはイスラム教の人たちが暮らす国、パキスタンを作る提案をする



パキスタンという国は、こうして作られたのか!

という、私にとっては、学びの映画だった



しかし、その裏には、イギリスが、利益を生み出すためのしたたかな試算があって、そのために、宗教間の対立をあえて放置していたという告発をした映画でもある。



その結果、多くの人々が、信仰する宗教によって住む場所を制限され、強制的に移住させられることになったのだ。



もしも、お互いの人種や宗教を尊重していれば、失わなくてもいい命がたくさんあったかと思うと、それだけで泣けてしまう。

ここで描かれている1組のカップルは、その分離と独立の運命に巻き込まれてしまう

彼らは、その時、引き裂かれた人々の象徴である



それは、明らかにイギリスの黒歴史であって、この時のパキスタン建国の経緯を思うと、「パキスタン人はイギリスに入国禁止」なんて言えないじゃないかと思ってしまった。



けれど、こういう黒歴史をそのまま映画化するところに、イギリスの懐の深さがあるのかもしれない

ちなみに、マウントバッテン卿の奥さんは、X-ファイルのスカリーなんだけど、エンドロールで名前観るまで気付かなかった!!


Posted by pharmacy_toe on 2018/09/11 with ぴあ映画生活




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