とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:イ・ビョンホン



イ・ビョンホン主演の韓国映画「それだけが、僕の世界」を映画館で観た。

両親に捨てられたと思い孤独に生きてきた男が、40歳を過ぎて母と再会し、再び家族として暮らし始める姿を描く。


映画「それだけが、僕の世界」


満足度 評価】:★★★★☆

それまで孤独だと思って生きてきたボクサーのジョハが、40歳にして初めて知る家族の温かさと、かけがえのなさ。

そんなジョハの戸惑いをイ・ビョンホンが繊細に演じていて良い。

笑えるところもあるハートウォーミング作品。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『それだけが、僕の世界』予告編 動画

(原題:그것만이 내 세상.



更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月5日 映画館にて鑑賞。

・2019年1月15日 感想を掲載。

・2019年12月10日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記の公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者


〇パク・ジョンミン




監督・脚本

〇チェ・ソンヒョン


2018年製作 韓国映画



あらすじ


ボクサーのジョハ(イ・ビョンホン)は、幼い頃、父の激しいDVから逃げるように母が家を出て行き、その後、父は逮捕されて刑務所に入ったため、孤独の中で成長し、一時はチャンピオンにまでなる。

しかし、40歳を過ぎ、ボクサーとして落ちぶれてしまい、チャンピオンのスパーリング相手となったジョハは、生活していくのが大変になり、日々、ネットカフェで暮らすようになる。

そんなジョハが、友人と食事をしている食堂で、偶然、母親(ユン・ヨジョン)と再会する。

生活が大変だったことから、その母の家に転がり込んだジョハは、その時、初めて弟のジンテ(パク・ジョンミン)を紹介されるのだが、その弟は自閉症でありながら、ピアノの天才的な能力を発揮するサヴァン症候群だった。



映画「それだけが、僕の世界」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


それだけが、僕の世界 (2018)


★★★★ [80点]「孤独な男が初めて知る家族の温かさ」


面白かった!

笑えるところが満載の心温まるヒューマンドラマであり、イ・ビョンホンの演技力を改めて感じた作品だった。



主人公のジョハ(
イ・ビョンホン)は40歳の落ちぶれたボクサー。

そんなジョハは、長い間離ればなれになっていた母と偶然再会し、自閉症の弟 ジンテの存在を知る。

そこから、ジョハが、自分の人生や家族と向き合って成長していく姿を描く



ジョハは、かつてはチャンピオンを取ったこともあるボクサーだ。

しかし、40歳を過ぎて、ネットカフェに寝泊まりするような日々を過ごしていた。



そうやって、それまで孤独だと思って生きていたジョハに、突然、家族が現れるのだ。

そのことに戸惑いながらも、ジョハは、今まで忘れていた家族と向き合い、そして自分の人生を立て直していく。



もしも、30年も前に自分のことを捨てた母が目の前に現れたらどうするだろうか。

本当だったら、殴ってやりたい気分だろうし、それまで言っても言い切れないぐらい辛いことがあっただろう。



しかし、ジョハは、そんな捨てた母に対し強く出ることができない

それは、その日暮らしをしていて、立場がないせいもあるし、自閉症の弟ジンテのことで母が苦労していることを知ってしまったということもある



それだけではないはずだ。

ジョハには、それでも捨てきれない母への愛情があって、久しぶりに再会したことで、今まで隠していたその愛情と向き合うことになったのだ。



その、戸惑い、困惑、甘えたい気持ちなどの繊細な感情をイ・ビョンホンはとても表情豊かに、表現している

どんなに憎んでも、どんなに苦しんでも、やっぱり家族は家族なのだ。



そうして、戸惑いながらも、ジョハは家族の存在を受け入れていく。

そしてピアノの天才のジンテのおかげで、ジョハの世界も広がっていく

ジョハは、家族に捨てられたと思って生きてきたが、家族と再会し、救われたのだ。



ジョハは、もう二度と家族を離すことはないだろう。
その思いが、とても温かい映画だった


Posted by pharmacy_toe on 2019/01/15 with ぴあ映画生活




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イ・ビョンホン主演の韓国映画「天命の城」を映画館で観た。

1636年。清に攻め入られた朝鮮王朝が47日間、南漢山城に立てこもったという「丙子の役」を元に映画化したアクション時代劇。


満足度 評価】:★★★★☆

国が危機的状況にある時、国民を率いるリーダーのあるべき姿とは。

民が飢え、凍えていることも知らず、自分は敵から攻め入られることに怯え、山の上の要塞に閉じこもる王を持った民の不幸。

坂本龍一の美しい音楽が民の悲しみを引き立てる。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「天命の城」予告編 動画

(原題:남한산성)




更新履歴・販売情報


・2018年6月27日 映画館にて鑑賞。

・2018年8月8日 感想を掲載。

・2019年5月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。作品の詳細は下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者







監督

ファン・ドンヒョク
…(「怪しい彼女」など)



映画「天命の城」



あらすじ


1636年の冬。清に攻め入られ、降伏を求められた朝鮮王朝は山の上にある城 南漢山城に立てこもる。

朝鮮王朝としては、既に同盟関係にあった明に義理立てをし、清と和睦することを避けていたのだが、あまりの寒さに国民は飢えと寒さに苦しめられ、このままでは清に征服されてしまう。

そこで王(パク・ヘイル)は、2人の忠臣チェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)と、キム・サンホン(キム・ユンソク)に意見を求めるが、ミョンギルは清との平和的解決を提案し、サンホンは最後まで戦い抜くことを提案し、2人の意見は真っ二つに分かれ、王は「どうすべきか…」と悩み、時間がだけが過ぎていってしまう…。



映画「天命の城」イ・ビョンホン



感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものを紹介します。


天命の城 (2017)


★★★★ [80点]「危機的状況で王が守るべきものとは」


面白かった!

役者の演技にグイグイと引き込まれて見入ってしまった。



1636年。朝鮮王朝は、清に攻め入られたため、47日間、南漢山城に立てこもったという「丙子の役」を元に映画化。

李王朝の王様を
パク・ヘイルが、彼に進言する部下をイ・ビョンホンと、キム・ユンソクが演じている。

ここで描かれるのは、国が危機的状況にある時、君主はどのように振る舞うべきかという「リーダーのあり方」について



真冬の凍えるような寒さの中、兵糧攻めにあった王と家臣たちは、何か行動を起こさないと全滅してしまうという状況に追い込まれてしまう。

そこで、王は2人の信頼する部下に「どう行動すればいいか」を訪ねる。



すると、イ・ビョンホンは「多少の犠牲を払っても、民の命を守るべき」と答え、キム・ユンソクは「清の要求に応えるのは、屈服すること。絶対にしてはなりません」という。

そもそも王は、息子と自分が助かることを優先し民のことを後回しにしたため、自分の進むべき道が見えず、家臣にその方向を決めさせることになる。



この話は、現代にも通じる話だと思った。

民の命よりも自分の命を心配するようなリーダーがいて、そのリーダーに支える政権が国民よりも国の名誉や威厳を尊重する国では、国民はただただ不幸になるだけである。

民が凍えているのも知らず、馬が飢えれば、それが真冬であるにもかかわらず「草を与えれば良い」と言ってしまい、自分は山頂の要塞に閉じこもっているだけの王には、そもそも王になる資格などないのだ。



むしろ、敵が攻め入ってきたら自ら盾になって国民の命を守ってこそ、国王のあるべき姿のはずなのに…。



音楽は坂本龍一。

レヴェナント:蘇りし者」を思い起こさせる心に寄り添う音楽が印象的だった。

これは、音楽に泣かされる映画だと思った。


Posted by pharmacy_toe on 2018/06/29 with ぴあ映画生活






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イ・ビョンホン主演の韓国映画「エターナル」を映画館で観た。

家庭を顧みず、仕事中毒になっていた男に、ある日突然降りかかる「中年の危機」を描く。


韓国映画「エターナル」


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

ポスターのコピーにあるようなラストに衝撃を受けるサスペンス映画だとは思わなかったけど、これはそうではなく、「中年の危機」を迎えた仕事中毒の男性の悲哀を描いた映画として観た。

そして、観終わった後には、しみじみと切なさが心に残る作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想



「エターナル」予告編 動画

(原題:싱글라이더(A Single Rider))



更新履歴・公開、販売情報

・2018年3月18日 映画館にて観た感想を掲載。

・2018年12月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。





キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「密偵」、「MASTER マスター」、「王になった男」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」など)

コン・ヒョジン
…(「女は冷たい嘘をつく」、「ブーメラン ファミリー」、「ラブ・フィクション」など)

アン・ソヒ
…(「新感染 ファイナル・エクスプレス」など)



監督・脚本

〇イ・ジェヨン


2016年製作 韓国映画




あらすじ


証券会社の支店長を務めるカン・ジェフン(イ・ビョンホン)は、会社でトップの成績を上げるために私財をはたいてまで売り上げを伸ばすが、その会社は倒産してしまう。

息子の語学留学のために、妻 スジン(コン・ヒョジン)と息子はオーストラリアにいるため、家に帰っても一人きりのジェフンはインターネットのストリートビューで妻と息子の住所を検索すると、そこには妻の姿があった。

そこで、ジェフンは妻に連絡せずに、一人オーストラリアへと向かう。

ところが、スジンにはジェフンの知らない生活があった…。



韓国映画「エターナル」



感想(ネタバレあり)


ある日突然襲ってくる「中年の危機」


この映画の予告編には「最高ラブ・サスペンス」とあり、ポスターには「映画史上に残る衝撃のラスト」というコピーが躍っているけれど、私は、この映画はそういうラストに衝撃を受けるようなサスペンス映画ではないと思った。

これは、家庭をかえりみず、仕事の夢中になってきた男に突然やってくる「中年の危機」を描いた作品であって、観終わった後にはしみじみとした切なさが残る作品だった。



映画の本編が始まる前に、一編の詩が紹介される。

「下る時には見えた。

上る時には見えなかった花が」(うろ覚え)

私は、この詩がこの映画の主人公であるジェフンの心情を全て表していると思った。



ジェフンは「証券会社でトップの成績」という「頂点」を目指し、周りの景色も気にせず必死で登り続けるが、いざ、その「頂点」に立った時には、「周りに誰もいない」という孤独を味わう。

さらに、その足元にあった「会社」という山が見事に崩れ落ちていく。

そうしてジェフンは、そこから真っ逆さまに落ちていくのだが、その時、ようやく途中で家族を置き去りにしてきたことに気付くのである。



それでは、ジェフンは、一体何のために仕事に尽くしてきたのか。

この映画は、そのジェフンの「孤独」と「置き去りにしてきた家族への愛」を描いた作品である。

サスペンスだと思って期待して観ると、全く違う作品だったとガッカリしかねない作品である。



韓国映画「エターナル」イ・ビョンホン



家庭よりも仕事が生活の中心にあるジェフン


この映画の中で描かれる韓国ならではの光景が「妻と息子を語学留学させるために必死で働く父の姿」である。

日本以上に大卒就職率が低い韓国では、「語学に堪能」であることが就職に有利であるとされ、父親が一流企業に勤務し、経済的に余裕がある家庭では、息子がまだ小学生ぐらいのうちから留学させ、ネイティブの英語を身に着けさせることが珍しくない。

幼い息子を一人で行かせるわけにはいかないので、息子に妻を同行させるのである。



この映画のジェフンも妻と息子をオーストラリアへ留学させる。

そこには、「証券会社のトップ」としての見栄のようなものもあっただろうし、妻はあまり乗り気でなかったにも関わらず、オーストラリアに行かせた様子を見ると、「家族サービスよりも仕事に集中したいから」厄介払いしたような印象さえ受ける。

つまり、彼は家族に対しても「仕事ありき」で考えるような「仕事中毒」の男なのだ。



彼らをオーストラリアへ行かせたのは、「息子の将来」のためなのか、それとも「自分の仕事」のためなのか。

それは、ジェフンだけに限らず、韓国の多くの家庭で見られることであり、日本でも語学留学とはいかなくても、家庭をかえりみずに仕事中毒に陥っている人たちはたくさんいる。

この映画は、そんな「仕事中毒の中年男性」に向けて描かれた作品なのだ。



韓国映画「エターナル」イ・ビョンホン



妻と息子の楽しそうな姿が夫を孤独な気持ちにさせる


そうしてジェフンは、仕事に対して必死になって生きてきたのだが、肝心の会社が倒産してしまう。

そうして、彼に中年の危機がやってくると、彼は家族に会うために、妻子のいるオーストラリアへ向かうのだ。

しかし、妻には何も告げずに。



本当は妻子に会いに行ったはずなのに、さらにジェフンは孤独になってしまう

なぜなら、妻子にはジェフンの知らない生活があったのだ。

ジェフンにとっては異国の地、オーストラリアの生活にすっかりなじみ、英語を話し、ご近所づきあいをして楽しそうにしている。

そんな妻子の楽しそうな姿を見ると、ジェフンは彼らに会いづらくなってしまう。

さらに、かつてバイオリニストだった妻・スジンは、韓国では弾かなかったバイオリンを再び始め、オーストラリアに永住することも考えていた。



ジェフンが家族をかえりみずに仕事ばかりしていた間に、彼らは彼らの充実した生活を送っていたのだ。

そこでスジンは、夫の仕送りに頼らずに、そのままオーストラリアで暮らせるようにバイオリンで生計を立てようとしていたのだ。



さらに、スジンにはオーストラリアにいる間に好きな人ができ、その彼の存在も、スジンをオーストラリアに永住させようとする理由の一つだった。

しかし、かといって、そんなスジンのことをジェフンが責められるかと言ったら、そうではないだろう。

遠く離れた地で、スジンのことなど気にかけていなかった夫よりも、近くにいて、いろいろ不安だったスジン一家がオーストラリアになじむようにいろいろ世話してくれた隣人を好きになってしまうのも、仕方ないのではないか。



そんな妻子の姿を見て、孤独を感じるジェフンは、はっきり言って自業自得なのだ。



韓国映画「エターナル」コン・ヒョジン



「家族に会いたい」という魂が海を越えた「孤独な旅人(A Single Rider)」


そうして、彼らのオーストラリアでの生活のすべてが分かると、「孤独な旅人」ジェフンは、自分が既に死んでいることに気付く

彼は、会社が倒産した時に酒と共に睡眠薬を大量に摂取して亡くなっていたのだ。

この世に「家族に会いたい」という思いを残し、成仏できない魂が、「孤独な旅人」となってオーストラリアへ向かったのだ。



この映画の原題はA Single Rider(単身の乗客)である。

それは、孤独な彼の魂を表現している。

なぜ、邦題が「エターナル」になってしまったのか。

残念でならない。



とはいえ、私はそこで「衝撃の事実」とはならなかった。

彼が荷物にも持たずに、スーツでオーストラリアに降り立った時に、あぁこの人は亡くなったんだなと思った。

だから、「既に亡くなっているということに本人がいつ気付くのか」という視点で、この映画を観ていた。



その「いつ」とは、妻子がジェフンがいなくてもオーストラリアで幸せな生活を送っていると知った瞬間だった

ジェフンが家族をオーストラリアに厄介払いしたようだったけれど、家族に見捨てられたのはジェフンの方だったのだ。

ジェフンは人生が終わって初めてそのことに気付くのだが、それでは遅いのだ。



そこで、映画のオープニングに紹介された詩を再掲する。

「下る時には見えた。

上る時には見えなかった花が」

必死になって仕事をしていたときは、家族をかえりみる余裕すらもなかったけれど、全てを失って振り返ったみると、家族こそが大切にすべきものだったことに気付くという男の話なのだ。



そうして、ジェフンは息子が「パパと一緒に観たかった」と言っていたタスマニアの美しい景色を一人で見に行く場面で物語は終了している。

そこで、彼の「孤独な旅」は終了する



この映画の前に、特別映像として、イ・ビョンホン本人からのメッセージが流れた。

その中でイ・ビョンホンは「この映画を撮っている時に、日本のみなさんのことを思いました。多くの日本の方に観ていただきたい作品です」(うろ覚え)と言っていた。

それは、日本に仕事中毒の人たちが多いことを思ってのことなのだろうと、映画を観終わってから気付いた。



家庭もかえりみず、仕事に夢中になっていると、家族が夫に側にいて欲しいと願っている時に一緒にいることができない。

そして、そんな仕事中毒の人間に中年の危機が訪れ、自分が家族を必要だと思った時には、家族は側にいないということになる。

その時になって、「あぁもっと優しくしておけば良かった」と思っても遅いのだ。

上を目指しながら向かっている時も、時には立ち止まって周りを見渡し、景色の美しさを楽しむようなゆとりがあってこそ、人生は充実したものになるのだと、この映画は訴えているのだ



人生は、仕事ももちろん大切だけど、仕事がすべてではない

家族や愛情があってこそ、充実したものになるのだ。

家族がいるにも関わらず、「孤独な旅人」では、なんだか悲しすぎる

そんな切ない映画だった。







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イ・ビョンホン主演の韓国映画「MASTER マスター」を映画館で観た。

マルチ金融で巨万の富を得て韓国の上層部を牛耳るカリスマと、「汚職まみれの上層部を一掃する!」と息巻く若手熱血刑事の対決を描くエンターテインメント作品。


【満足度 評価】:★★★★☆

全体的に話がとてもザックリとしていて詰めが甘いところが随所に見られるものの、エンターテインメントだと思えば、それも楽しめる作品だった。

何より「我が国は汚職まみれですよ!!はははっ!!」っていう自虐をネタに娯楽作品を作ってしまう韓国映画の強さを感じた


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「MASTER マスター」予告編 動画

(原題:마스터(Master



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月24日 映画館にて鑑賞した感想を掲載。

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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「エターナル」、「王になった男」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「甘い人生」など)

カン・ドンウォン
…(「ゴールデンスランバー」、「1987、ある闘いの真実」、「プリースト 悪魔を葬る者」、「群盗」など)

キム・ウビン
…(「技術者たち」、「二十歳」など)

オ・ダルス
…(「朝鮮名探偵3 鬼(トッケビ)の秘密」、「殺人者の記憶法」、「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「国際市場で逢いましょう」、「朝鮮名探偵2 失われた島の秘密」、「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」、「7番房の奇跡」など)

オム・ジウォン
…(「女は冷たい嘘をつく」、「リバイバル 妻は二度殺される」、「ソウォン/願い」など)

チン・ギョン
…(「監視者たち」など)



監督・脚本

チョ・ウィソク
…(「監視者たち」など)

2016年製作 韓国映画



MASTERマスター



あらすじ


「私どもにお金を預けていただければ、必ずあなたを幸せにします」という謳い文句のマルチ金融で巨万の富を得たチン会長(イ・ビョンホン)は、韓国の上層部を買収し牛耳っているため、その取引がどんなに違法であっても逮捕することができない。

一方で「汚職まみれの韓国を一掃し、クリーンな社会を作る!」と息巻く熱血若手刑事のキム・ジェミョン(カン・ドンウォン)は、チン会長を逮捕することで多くの汚職にまみれた役人を逮捕できると確信し、特別チームを作ってチン会長を追い続けてきた。

賄賂にまみれた大物官僚たちを逮捕するには、「金の流れ」と「交流関係」の証拠が必要だと考えたキム・ジェミョンは、チン会長の右腕であるプログラマー、パク・ジャングン(キム・ウビン)を味方に引き込もうとするのだが…。



MASTERマスター3



感想(ネタばれあり)


韓国国民は汚職まみれから救ってくれるヒーローを待っている


韓国では、必ずと言っていい程、大統領が任期を終えると逮捕される。

そして、その大統領に巨額の裏金を支払い続けた財閥や一流企業や政治家たちの名前が芋づる式に出てくる。

大統領の任期が終わるたびにそういう話が出てくるので、正直、「あぁまたか…」と思ってしまうし、元大統領が逮捕されても韓国から汚職はなくならない



韓国の歴史ドラマを見ていると、王様と王様に裏金を渡し続ける官僚たちの構図は朝鮮王朝の頃から出来上がっていたのが分かるので、韓国の汚職や賄賂は伝統文化のようなものだと思っている

だから、映画やドラマの中で、警察が裏金で操られている姿を見るたびに「待ってましたぁ」と言いたくなるぐらい、私の中ではお約束になっている。



しかし、そんな恩恵を受けるポジションにいない、日頃から真面目に働いている韓国国民からしたら、「もう、いい加減にしてくれよ」と言いたいところだろう。

その「いい加減にしてくれよ」という国民感情の中から生まれた理想のヒーローが、カン・ドンウォン演じる若手刑事キム・ジェミョンである



キム・ジェミョンは、刑事になるまでの試験は全て1位で通過し、コネも財力も使わずに刑事の地位を築き上げたスーパーエリートとして登場する。
(実際に、コネも財力も使わずに1位通過できるのかは不明…)

そのキム・ジェミョンを演じるカン・ドンウォンと言えば、韓国で最も人気のある俳優の一人として名前があがるぐらいの人気者。

そんな彼がこのキム・ジェミョンを演じるからこそ、「きっと彼だったら、この汚職まみれの国を救ってくれる」という説得力が生まれるのである。



そんなキム・ジェミョンが登場する場面が、いきなり自虐ネタでスタートしたもんだから、ちょっとのけ反った。

「イギリスでは、女王陛下の乗っている車が交通違反をしたことで違反切符を切られたため、公式行事に遅刻したことがあるそうです」

「お付きの人間は、行事に遅刻してしまうからと警察に言ったそうですが、『規則は規則だから』と言われ、聞き入れてもらえなかったそうです」

といった感じの「イギリス警察は女王陛下にも規則が厳しい」という話をキム・ジェミョンが自分が指揮するチームのメンバーにしたシーンだった。



そこでキム・ジェミョンが言いたかったのは、「韓国も大統領が運転する車が交通違反をしたら、違反切符を切る国であるべき」ということであり、部下たちに「刑事・警察官としての心構え」を説いていた場面だった。

それが、大統領だろうと、官僚だろうと、それがどんなに小さい交通違反だろうと、「違反」したものは罰せられる国であるべきだとキム・ジェミョンは訴える。

この冒頭のシーンは、キム・ジェミョンがどんな人間であり、この映画が何を目指しているのかを示している場面だった。



MASTERマスター2



チン会長 は 韓国の大統領 !?


そのエリート刑事キム・ジェミョンが刑事生命をかけて追い続けているのが、マルチ金融で巨万の富を得たチン会長である。



イ・ビョンホン演じるチン会長の行っているビジネスは、ネットワークビジネスのようなもの。

チン会長は「『ワン・ネットワーク』にお金を預けてくれれば、様々な投資を行って、皆さまに銀行よりも良い金利をつけてお返しする」と言って会員から金を集め、実際にはその多くを海外の口座に入金し、マネーロンダリングをして富を増やしている詐欺師。

さらに、そのお金で政界や財界、官僚のトップを買収し、困ったことがあれば、買収した人間の電話番号が書いてある帳簿を開いて「電話一本で」何事も解決できるようになっている。



そうして金も力も手に入れたチン会長は、自分が神になったと錯覚し、「逮捕されるわけがない」と思っている

この会長が「神になったと錯覚していく」様子は、先日観た韓国映画の「我は神なり」で、詐欺師が信者を前に大風呂敷を広げ、信者はその話を大絶賛し、持ちあげられた牧師は自分が神だと錯覚していく様子ととてもシンクロしていたのが面白かった。

この「MASTER マスター」では、プログラマーのパク・ジャングンが「資金洗浄してお金が回る仕組み」作りをし、会員からお金を集めるためにチン会長が『時には涙ながらに』この国の行く末を語り、それを絶賛した会員たちがどんどん『素晴らしい会長のために』お金を振り込んでいく。

これは「我は神なり」のカルト教団ができていく仕組みとほぼ一緒である。



普通の人なら「そんなに派手にやったら、詐欺容疑で逮捕されるだろう」と思われるところも、チン会長には無敵の『帳簿ホットライン』があるから、逮捕される心配もない。

そうしてチン会長は、自分が神だと錯覚するようになる。



この映画では、チン会長はいかにも怪しい詐欺師だけれど、そのチン会長の姿は韓国の大統領たちとダブルところが多い

大統領まで登りつめる人間とは、大勢の人を前に『涙ながらに』国民の行く末を語り、多くの信者(有権者)を集め、大統領の地位に登りつめるけれど、実際の姿は賄賂まみれ。

政界・財界・官僚に息のかかった人間たちがいて、「誰も逮捕することはできない」と思っているから、やりたい放題。

それはまるでチン会長と一緒ではないか。



なので、途中からこの映画は「大統領を巡る汚職」を皮肉る作品なんだなと思いながら観ていた。



MASTERマスター4



汚職まみれをネタにする自虐エンターテインメント


「韓国から汚職を一掃する」と息巻く若手熱血刑事のキム・ジェミョンが目を付けたのは、その「帳簿ホットライン」である。

手書きされたアナログの帳簿は、動かぬ証拠だからである。

チン会長がその大事な証拠を常に肌身離さず持ち歩いていたのは、最後には誰かが電話で助けてくれるという意味もあっただろうし、「俺が逮捕されたら、お前らも道連れ」という脅しも込められていたように思う。

その帳簿が警察の手に渡ったら、今の地位を失ってしまう人たちが大勢出てくるからだ。



そもそもキム・ジェミョンの目的はチン会長の逮捕によって、汚職を無くすことだった。

しかし、それよりも、この映画の見どころは「チン会長とキム・ジェミョンの腹の探り合い」へとシフトしていく。

ところが、キム・ジェミョンは韓国でチン会長の逮捕に失敗し、その後、チン会長はフィリピンへ逃亡してしまう。



キム・ジェミョンはそこまで一度もチン会長と会っていないため、直接会ってもバレないと思い、投資家のフリをしてフィリピンにいるチン会長に会いに行く。

ところが、チン会長は彼が投資家ではなくキム・ジェミョンであることを知っていたのだ…。

ここで物語は二転三転し、先の読めないエンターテイメントが展開する。



確かに、そのキム・ジェミョンとチン会長の対立はとても緊迫があって面白いエンターテインメントになっていた

しかし、それと同時に、当初、この映画が描きたかったはずの『汚職一掃』については、だいぶトーンダウンしてしまい、鋭さがなくなっていたのも事実

チン会長に立ち向かっているキム・ジェミョンの対立を描きながらも、韓国の汚職の背景について、もっと鋭く描けていたら最高傑作になれたのに…と思ったら、ちょっと残念だった。

本当だったら、マネーロンダリングの話とか、「ワン・ネットワーク」が儲かる仕組みをもっと詳しく描いてくれたらチン会長の恐ろしさや信ぴょう性も増したと思う。



そんな甘さもありつつ、チン会長に立ち向かっていく若手熱血刑事の構図は面白かったし、むしろ、何も考えずに観てても楽しめる作品になっていたように思う。

だから、私はこの映画は「韓国は汚職まみれ」という自虐のこもったエンターテインメント作品なんだなと思うようにした

でも、残念ながら大統領を逮捕しても韓国から汚職がなくならないように、チン会長を逮捕しただけでは韓国から汚職はなくならないのだ。

やっぱり、そこにメスを入れるのは映画であっても難しいんだなぁと思った。



MASTERマスター5



ベテラン俳優に挑む若手俳優二人の相乗効果が抜群


それに、ベテラン俳優 イ・ビョンホンに立ち向かって行く若手(中堅?)俳優のふたり、カン・ドンウォンキム・ウビンという構図は、チン会長に立ち向かう若手二人という絵面にうまいこと相乗効果を出していたと思う。


チン会長に叱られている時のパク・ジャングンは、明らかにビビっている様子が出ていて、「もしかしたら、これはキム・ウビンが本当にイ・ビョンホンにビビっているのでは??」と思うシーンがいくつかあった。



また、かつて四天王の一人と言われたイ・ビョンホンに対するのは、現在、韓国で最も勢いのある俳優カン・ドンウォン

そして、そのふたりの『直接対決の場面』を最後の最後まであえて作らずに出し惜しみするという贅沢さ。

その最後の最後に実現した『新旧対決』も画面にうまいこと緊張感をもたらしていた。



ということで、この映画はテンポの良い展開と、キャスティングの上手さを楽しむ映画だなと思った。



しかし、最後の最後で会員に金を返すというのは、なんとも絵空事の感じがして、なんとも甘さの残る作品ではあった。

韓国映画が得意とする社会派の鋭さと、観て楽しませるエンターテイメントを融合させるっていうのは、難しいものなのかもしれない。



MASTERマスター6






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ソン・ガンホ主演、キム・ジウン監督の韓国映画「密偵」を映画館で観た。

1920年代、日本の統治下にあった朝鮮半島で独立のために戦った義烈団と、それを防ごうとする親日派の警察との対立を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

最初から最後までハラハラドキドキして緊張感がとけない面白い映画だった。

ソン・ガンホコン・ユイ・ビョンホンという大スターたちの共演も楽しみながら、常に分断され続ける朝鮮半島の悲しい運命を感じさせる作品だった。


「密偵」予告編 動画

(原題:밀정(密偵)/ 英題:The Age of Shadows




更新履歴・販売情報

・2017年11月27日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年7月26日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正

現在、DVD・ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

ソン・ガンホ
…(「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「王の運命(さだめ)歴史を変えた八日間」、「観相師-かんそうし-」、「シュリ」、「殺人の追憶」、「スノーピアサー」など)

コン・ユ
…(「新感染 ファイナル・エクスプレス」、「男と女」、「サスペクト 哀しき容疑者」、「トガニ 幼き瞳の告発」など)

ハン・ジミン
…(「それだけが、僕の世界」、「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」、「王の涙 イ・サンの決断」など)

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「MASTER マスター」、「王になった男」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「王になった男」、「甘い人生」など)

…(「日日是好日」など)

オム・テグ
…(「コインロッカーの女」など)

監督

〇キム・ジウン


2016年製作 韓国映画



密偵



あらすじ


1920年代、日本統治下の朝鮮半島。

日本の警察に勤務するイ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)は、東部長(鶴見辰吾)から「義烈団を逮捕せよ」との特命を受け、パートナーとして、ハシモト(オム・テグ)と手を組むように命令される。

そこで、ジョンチュルは骨董品屋を経営する義烈団 隊長のキム・ウジン(コン・ユ)のところへニセモノの壺を持って訪ねウジンに探りを入れる。

その様子を知った義烈団・団長チョン・チェサン(イ・ビョンホン)は、同じ朝鮮同胞としてジョンチュルを抱き込み、義烈団のスパイにしようとウジンに提案する…。



密偵4



感想(ネタバレあり)


朝鮮半島の独立を目指す義烈団と、それを阻止したい警察の対立



舞台は1920年代、日本の統治下にあった朝鮮半島

第一次世界大戦の直後で大正時代の頃。



その当時の朝鮮民族の人たちは、親日派と反日派に分かれていた。

日々を生活をしていくために、日本と仲良くしていた方が儲かったり、仕事に就けたりする人たちは自然と親日派になる。

しかし、日本と仲良くすることで特に恩恵を受けないような一般の人たちは、当然のように朝鮮半島の独立を願うようになる。

そこから独立運動を起こす人たちが結束し、中でも、義烈団は日本から『武装テロ組織』として目を付けられる人々だった。



鶴見辰吾演じる東部長は、朝鮮半島の警察隊を指揮しているが、彼の目標は『義烈団の壊滅』だった。

そこで、彼は朝鮮の内情に詳しい人間2人を義烈団の捜査に当たらせる。

1人は、主人公のソン・ガンホ演じるイ・ジョンチュルであり、もう1人は、オム・テグ演じるハシモトである。



ハシモトは、東部長の忠実な部下であり、朝鮮語も日本語も話すことができる。

しかし、イ・ジョンチュルは朝鮮人であるが、『朝鮮半島の独立など夢物語だ』と思っていて、『生きていくために』親日派の警察官として勤務しているような人物である。

親日派であるべき警察の中でも、それぞれの思いに温度差があるところから、この物語はスタートする。



密偵2



親日派だからと責めない団長の大らかさが、緊迫した心を解きほぐす



「朝鮮半島が独立できるなんて、本気で思っているのか」と吐き捨てるように言っていたイ・ジョンチュルだったが、義烈団のメンバーと接触していく中で、その思いに変化が生じてくる。

始めに接触した相手は、コン・ユ演じる古物商のキム・ウジンだった。



キム・ウジンは義烈団の中で実行部隊を率いる隊長であり、彼らの活動を探るためにジョンチュルはウジンに近づいていく。

いわば、ジョンチュルは警察が義烈団に送りこんだスパイである。

ウジンはウジンで、ジョンチュルの身の上を知った上で警戒心を持って接していた。



その2人をつないだのが、イ・ビョンホン演じる義烈団 団長のチョン・チェサンだった。

ジョンチュルも同じ朝鮮人なら、同胞として感じ合えることがあるはず

と確信し、ジョンチュルを仲間に引き込むことを決め、上海でジョンチュル、ウジン、チョン・チェサン団長の3人が対面する場をセッティングする。



このセッティングは、あまりにも大胆でちょっとビックリした。

もしかしたら、その場でジョンチュルが拳銃を抜いて二人を撃ったら、義烈団は2人の重要人物を失うことになってしまう。



しかし、この場面こそが、この映画の演出の肝の1つであり、この時、チョン・チェサン団長は

「義烈団は、たとえあなたが親日派であろうと広い心で迎え入れます」

というセリフが出てきそうな大らかな態度でジョンチュルを迎え入れる



ジョンチュルとしては、ウジンと仲良くなり始めた頃で、こんなに早く団長に会えると思っていなかった。

その上、歓待されたら、日本の警察の下で働いている自分を責めるよりもむしろ、歓迎してくれている

と感じたはずだ。



その引き合わせた時の団長の笑顔が、ジョンチュルの心を解きほぐしたのだと思った。

イ・ビョンホンは出番が少ないながら、この時、とても強烈な印象を残すが、それはキム・ジウン監督の演出の上手さが光っていたからこそだと思った。

突然、団長と面会することになった警察官が、緊迫した面持ちで挑むと、その団長は予想外に満面の笑みで登場し、酒を出され歓待されたら、誰だって心を許してしまうだろう。



そこから、ジョンチュルは警察が義烈団に送り込んだスパイでありながら、義烈団が警察に送りこんだ二重スパイへと変貌していく



密偵5



朝鮮人同士のつながりや絆の大切さが、ジョンチュルの心を目覚めさせる



初めは「本気で独立できると思ってるのか」と言い、「そんなの夢物語だ」と思い、のらりくらりと生きていたジョンチュル。

その彼が、義烈団と出会い、ジウンと会っているうちに、警察であることよりも義烈団へ心が動いていく。

この映画は、親日派だったジョンチュルが、朝鮮人としての誇りに目覚めていくまでを描いた物語でもある。



ジョンチュルが目覚めたきっかけは、義烈団メンバーへの仲間意識だった。

警察の中では、東部長やハシモトとうまくコミュニケーションがとれないが、義烈団のウジンはジョンチュルのことを「ヒョン」と言って慕ってくれる。

明らかに義烈団の方が居心地が良かった

その居心地の良さこそが、ジョンチュルの心を動かしたものだと思った。



もしも、ハシモトがジョンチュルのことを「ヒョン」と呼んで、もっと敬意を表していたら、警察への忠誠心が解けなかったかもしれない。

団長のチョン・チェサンは、その「朝鮮人同士のつながり」こそがジョンチュルの狙いどころだと思い、笑顔で歓待して「朝鮮人の同胞」であることをウリにしたんだろう思う。



義烈団は「反日的な言動」を連発し、「日本憎し」で行動してるわけではない。
(もちろん、そういう部分もあっただろうけど、ここではあえて描いていない)

それよりも、朝鮮人同士のつながりや絆の大切さを描いた作品である。

彼らの「仲間を助けたい・守りたい」という気持ちが貫かれている作品だった。

だから、日本人の私から観ても、彼らの「仲間を思う気持ち」に共感しつつ、最初から最後までハラハラドキドキしながら観ることができるのだ



ジョンチュルは、最初はのらりくらりと『生きるために』適当に生きていて、次第に朝鮮人としての自覚を持ち、仲間を思う気持ちに目覚めていくという役であり、

それは、これまでソン・ガンホが演じてきたキャラクーたちと共通するものを感じ、とてもソン・ガンホらしい役だと思った。

むしろ、ソン・ガンホ以外には、考えられないキャラクターだった。

そして、最後には「やっぱり韓国俳優No.1のソン・ガンホ」と思える場面で終わっている。



密偵3



同じ民族が真っ二つに分かれて争い合う…現在の朝鮮半島に通じる思い


ジョンチュルは、朝鮮人が親日派と反日派に分かれて争い合っている姿に愕然とする。

義烈団の中に裏切り者がいて、その結果、彼らに危機が訪れる。

それは、同じ民族なのに、なぜ、ここまでして殺し合う…と思わせ、「戦争は同じ民族さえも引き裂くことになる」という思いが伝わってくる。



しかし、その同じ民族が2つに別れて対立しあう姿は、今の朝鮮半島でも起きている

北と南に別れていながら、「朝鮮半島の統一は夢物語」と思う人もいれば、「絶対統一」を掲げる人たちもいる。

その姿は、この映画で描かれている1920年代の状況と通じるものがある。



義烈団の願いは、その後も叶わず、朝鮮半島の独立はちょっと先の未来の話になってしまうが、結局、その直後に朝鮮戦争が起きて、朝鮮人は再び分断されてしまう。



その先の未来に起きることを考えながらこの映画を観ていると、結局、戦争によって引き裂かれてしまう朝鮮半島の悲しい運命を感じた

同じ民族でありながら争い合うという、現状の悲しさを痛切に感じた作品だった。





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イ・ビョンホン主演の韓国映画「王になった男」をキネカ大森で開催していた韓国映画夏祭りで観た。

1616年。暴君と言われた第15代朝鮮王 光海君の影武者として生きることになってしまった道化ハソンが、王室を巡る陰謀に巻き込まれていく姿を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

主人公が影武者というのが、よくある時代劇と一味違っていて面白い。

さらに、その影武者が道化師だけに笑える部分もたくさんあって、前半は彼の道化っぷりにたくさん笑わされた。

後半は、その道化が王としての自覚を持ち始めていく姿にグイグイと引き込まれていくし、「政治とは誰のためのものなのか」について、ハッとさせられるところも多々あって面白かった。


「王になった男」予告編 動画

(原題:광해, 욍이 된 남자




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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「MASTER マスター」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「甘い人生」など)

リュ・スンリョン
…(「ソウル・ステーション パンデミック」(声のみ)、「ポイント・ブランク~標的にされた男~」、「7番房の奇跡」など)

ハン・ヒョジュ
…(「ゴールデンスランバー」、「ビューティー・インサイド」、「愛を歌う花」、「監視者たち」、「ファイアー・ブラスト 恋に落ちた消防士」など)

シム・ウンギョン
…(「操作された都市」、「少女は悪魔を待ちわびて」、「怪しい彼女」、「サニー 永遠の仲間たち」など)

監督

〇チュ・チャンミン

2012年制作 韓国映画

王になった男

あらすじ


1616年、朝鮮第15代王光海君(イ・ビョンホン)は暗殺を恐れる日々だった。

そのため、もしもの時のために光海君と瓜二つの人間を探していた。

そして、探し当てたのは、妓生宿で余興をしている道化のハソン(イ・ビョンホン(二役))だった。

ハソンを見て気に行った光海君は、自分の身に危険が及びそうな時はハソンを代役に立てようと考えていた。

しかし、その直後、光海君は愛人宅で麻薬が混入した飲み物が出され、その中毒症状により意識不明となってしまう。

運よく、王が意識を失ったことを知っている人間は身内だけだったため、側近たちは王の意識が戻るまでハソンを玉座に座らせるのだが…。


王になった男3

感想(ネタバレあり)


道化師ハソンが「王」になったことで、私たちに伝えたかったこと


「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

とは、ドイツの政治家ビスマルクの言葉。

私たちが映画やドラマで時代劇を観るのは、なぜだろうか。

それは、歴史上の人物たちのこれまで知らなかった一面を知ったり、本だけでしか知り得なかった世界を映像化されることの楽しさや、教科書では学べない実話を知ったりすることにある。

時代劇を見た私たちは、過去に起きた出来事を知り、そこから「現代にも通じることや、歴史上の成功や失敗が生み出す教訓」を得るようになる。

という風に、長い間の歴史の中で、世界中の賢者たちが歴史から学んでいたら、世界はもっと平和で素晴らしいものになっていたに違いない。

しかし残念ながら、人間はそんなに簡単に進化しないようだ。

この映画「王になった男」を見ると良くわかる。

主人公は、今からちょうど400年前の1616年、朝鮮王朝 第15代王 光海君である。

彼は、暴君王で国民を恐れさせた人物として知られた王だった。

そんな彼と共に政治を取り仕切る王朝の役人たちの腐り具合は、ニュースで見る朴槿恵政権の腐り具合とよく似ている。

この映画を観ながら、「おぉ、こんなことは今でも起きそうだよな」、「こんな政治家は今でもいそうだよな」と思ったことが何度もあった。

そんな腐り切った役人たちの中に、自分の意思とは全く関係なく放り投げられたのが、政治の素人であり道化(今でいうお笑い芸人のようなもの)の影武者ハソンだった。

そのハソンが『王と瓜二つ』という理由で無理矢理玉座に座らされるが、徐々に王としての自覚が芽生え、彼が腐り切った王宮を変えようとする姿を見ていくうちに、自然と「現代の私たちが政治に必要としているもの」を考えるようになる。

これは、まさに歴史というフィルターを通して、現代の政治について考えさせられる映画だった。

ちなみに、この話、どっかで観たことあるわぁ~と、しばらく考えて、出てきた答えはチャップリンの「独裁者」だった。

あれは、ユダヤ人の目から見たヒトラーを批判した映画で、1940年に制作された作品だから、ヒトラーがまだ生きている時に作られた作品だった。


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王になった男2


道化だからこそ短期間で成し遂げられた「王」の代役


始めはただ、お金が欲しいだけだった。

ある日突然玉座に座らされ、ただ「うなずけば良い」と言われ、側近たちの操り人形に徹した道化師ハソン。

最初の数日間は、言われたままにしていた。

むしろ、言われた通りにしていないと、何を話し、どう行動したら良いのか分からないからだ。

しかし、毎日、同じことを繰り返していく中で、仕事に慣れていくと気持ちに余裕が生まれるようになる。

すると、面白いもので、彼の中では「自分は王である」という自意識が芽生え始める。

道化師である自分の存在を忘れてしまい、もしかしたら、自分は本当に王様なのかもしれないと勘違いし始める。

この映画は、ハソンが「自分は王であると」うっすら自覚し始めたところから急激に面白くなる。

まずは、周りのお付きの者に優しく接するようになる。

食事を運ぶ侍女がまだ若い少女なら、なぜそんな仕事をしているのか心配になるし、美しい王妃に優しくしてあげたいと思うようになる。

さらには、政治を学ぶようになり、役人が推し進めようとしている法律が全く国民のことを考えていないことを知る。

そして、もっと国民の生活に目を向けるようにと役人たちを叱咤するようになる。

その様子を見て、あぁ「役が人を育てる」とは、こういうことなのかと思った。

たとえ才能がなくても、役を与えられれば、人間はその役に合うように自分を変えていくようになる。

政治のことを知らなけば、知っている人から教えてもらうし、会いたい人がいれば、止められても自分から会いに行ってしまう。

特に、ハソンの場合はその場に応じて臨機応変に演じ分ける「道化」という職業だったからこそ、普通の人以上に「王様」という役を演じきってしまった。

王になった男4


国民のためでなく、自分たちのために法を作り、執行する役人たち


ここで役人たちがハソンを驚かせたのは、役人たちが自分たちの私利私欲のために私腹を肥やすことばかり考えていて、全く国民のことを考えていないことだった。

それもそのはず、彼らは国民がどんな生活をしているかなんて知らない。

ただ、自分の税金が増えることなんて耐えられない。

だから、国民の生活を苦しめて、自分たちの税金を減らすような政策を考える。

そのことに腹を立てたハソンは、「ただうなずいていれば良い」と言われたイエスマンを辞めて、自分の意見を言うようになる。

そこから、「王になった男(ハソン)」が始動し始める。

ハソンは、「もっと国民の生活を考えた法律を作るように」と、役人たちを叱咤する。

面白いのは、当時の朝鮮王朝が置かれた状況をよく分かっていない私が見ても、「王になったハソン」が言っていることが至極まっとうであることが分かるということ。

つまり、裏金やら賄賂やらで、私利私欲で私腹を肥やした政治家よりも、

昨日、今日政治を勉強したにわか素人の道化が政治をした方がまだマシだということ。

それでは、そんな素人に負けるような役人たちは、これまで何のために政治を志してきたのか。

ただ、その役職にしがみつくためだけなのか。

それとも、裏金や賄賂で儲かるためだけなのか。

いや、もっと大事なことを彼らは忘れている。

ハソンは国民の生活を知っている。

ハソンは国民が大変な生活を強いられていることを知っているが、役人たちはそれを知ろうとしない。

ただそれだけの違いだけれども、その違いがあまりにも大きすぎたのだ。


王になった男5

400年前と現代。変わらない韓国政治


そして、さらに、この映画が面白いのは、その裏金と賄賂にまみれた役人たちの行動が、現代の韓国の政治を彷彿とさせるということ。

たとえば、現代の韓国でトップにいるのが大統領なので、大統領と王と置き換えた時、朴槿恵大統領政権の青瓦台を巡る献金疑惑を考えるととても分かりやすい。

常に優位に立ちたい人間が青瓦台に大金を持参し、トップにいる役人たちはそのお金によって忖度し、裏から手を回す。

散々、日本のニュースでも解説された彼らの行動は、400年前の王宮にいる人々と何ら変わりがないように思える。

もちろん、これ程酷くないとはいえ、日本だって献金によって政治家たちが忖度する話は、よく聞く話だ。

結局のところ、500年前も現在も、政治家たちは「本当に国民が求めているもの」を知らないまま、政治を行っている。

いや、それ以前に知ろうとしないのではないか。

私は、影武者の道化師ハソンが王宮にもたらした変化を見ながら、そんなことを思った。

もう、いっそのこと、政治家はみんな辞めてもらって、一度全員素人ばかりで政治をした方がもっとマシなんじゃないのか。

そんなことを考えた映画だった。



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イ・ビョンホン主演の韓国映画「インサイダーズ 内部者たち」をWOWOWで観た。

青瓦台(大統領府)に入ることが確実視された大物政治家を巡り、彼を裏で操るフィクサー、フィクサーへの復讐心を燃やすチンピラ、その大物政治家を告発しようと目論む若手検事の戦いを描く。


満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!!

多くの人が思うように、ここに描かれている話とパク・クネ大統領の話がどうしてもダブってしまう上で、韓国の政治の腐敗っぷりをより深く知り、アクションやコメディで楽しませるエンターテインメント的な部分もありつつ、その腐敗した政治をどうやって変えていくべきかの提案もキチンと描かれているところが良かった。


「インサイダーズ」予告編 動画

(原題:내부자들(内部者たち))




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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「MASTER マスター」、「マグニフィセント・セブン」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「王になった男」、「甘い人生」など)

〇チョ・スンウ
…(「マラソン」、「ラブストーリー」など)

ペク・ユンシク
…(「観相師-かんそうし-」など)

イ・ギョンヨン
…(「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」、「国選弁護人 ユン・ジンウォン」、「メモリーズ 追憶の剣」、「パイレーツ」、「提報者~ES細胞捏造事件」、「群盗」、「テロ,ライブ」など)

監督・脚本

〇ウ・ミンホ

2015年制作 韓国映画


インサイダーズ

あらすじ


韓国の次期大統領選挙まであと2年となる中、最も次期大統領に近いと言われている政治家・チャン・ピル(イ・ギョンヨン)への大手自動車産業からの裏金を暴く証拠を手に入れたチンピラのアン・サング(イ・ビョンホン)。

彼はその資料を、日頃から兄貴と慕うジャーナリストのイ・ガンヒ(ペク・ユンシク)に託すが、その後、何もかに襲われ資料のコピーの在りかを巡って拷問されてしまう。

それから2年が経ち、アン・サングはチャン・ピルとイ・ガンヒへの復讐心をたぎらせ、彼らを失墜させるチャンスをうかがっていた。

その一方で、チャン・ピルは当初の予定通り大統領選挙で有利な立場にいたが、彼の不正を怪しみ告発する機会を狙っていた若き野心家の検事、ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)は、アン・サングの存在に気付き…。


インサイダーズ3

感想(ネタバレあり)


韓国映画は顔が良い


韓国映画って、いつも思うことなんだけれども、顔が良いよね。

若手俳優が美しいとかそういうことじゃなく(いや、多少はそういう部分もあるけど)、悪い人はものすごく悪い顔をしているし、本当に良い人は人柄がにじみ出た表情をする。

その役柄の人生も含めた表情をするところが、いつも素晴らしいなと思うのだけど、この映画では、イ・ビョンホンのその「顔の演技」が本当に素晴らしいと思った。

ただのカンペ(チンピラ)だった頃、復讐心を燃やしていた頃、少しは真っ当な人間になろうと思った頃、その時々に合わせた表情を見せた上で、さらに悪魔的な部分と良心的な部分、コミカルな面まで使い分けていて、本当に凄いと思った。

これから観る人は、是非、そんなイ・ビョンホンの表情の変化も見て欲しいと思う。

インサイダーズ2

腐り切った世の中の希望はどこにあるのか


さて、日本のお隣の韓国では、連日パク・クネ大統領の弾劾裁判で国中が荒れている。

その結果、日本でもパク・クネ大統領の賄賂問題について、連日、ニュースで特集が組まれている。

そして、私たちは大統領という人が、想像以上に広い範囲で「賄賂(わいろ)」によってつながっている事実を知ってしまった。

政治家・財閥・検察・芸能界まで。

その報道と観ているだけで、世の中は腐敗しきっていて、韓国で成功したいなら、「賄賂」や、少なくとも権力者につながるコネが必要不可欠だと思い知らされる。

それを、海を隔てた隣の国で見ている私たちは、「うわぁ。韓国も大変だなぁ」と他人事のように客観視できるが、韓国に住んで生活して、税金を払っている国民はたまったもんじゃないだろう。

必死でがんばっても、結局、のし上がるのは財閥のような金持ちかそれにつながるコネ持ちのみ。

汗水流して働いた血税は、見事に腹黒い権力者の元へと吸い取られていく。

それを思うと、韓国の国民がデモをしたくなる気持ちも分からなくもない。

「この国の希望はどこにあるのか」

それが、この映画の原点。

そして、それは日々ニュースで報道される腐り切った世の中を憂いたところから始まったのではと思う。

インサイダーズ5

まるでマフィアのような政治家たちの世界


政治の世界は、「権力と人脈をフル活用した」生き残りゲームである。

これは世界中共通した話である。

韓国だけでなく、アメリカも日本だって、政治の頂点に立つのは、「立派な政策を提案した人間」ではない。

政界だけでなく、財界や、メディアなど、幅広く顔がきき、人脈を集めたものが権力を握り、勝ち抜いていく。

しかし、韓国では、その「人脈集め」に古くから多額の「賄賂」を使うことを習慣としてきた。

もちろん、日本やアメリカでも未だに「裏金」が動くことがあるが、韓国の賄賂は古来からの伝統であり、忖度して当たり前の習慣がある。

本来ならば、その実態を暴くはずのメディアまでもが「金」によって口封じされ、取り締まるはずの検事や警察までも賄賂によって権力者に操られる。

その結果、金がない人間は一生のし上がれないが、逆に権力者に近ければ近い程、どんな業界でものし上がれるという泥沼の悪循環が、習慣化されている。

この映画でも、その韓国の腐り切った「悪しき習慣」が背景として描かれている。

次期大統領選で有力候補の大物政治家と、彼を裏で操るフィクサーのジャーナリストは毎晩のように接待を繰り返し、金をばらまき、権力を高めつつ、裏切ろうものなら、口封じの制裁を下す。

それは、まるで「ゴッド・ファーザー」で描かれているマフィアの世界のようだが、主人公はマフィアではなく、政治家である。


インサイダーズ4


「権力者」vs「コネなし庶民」の戦い。勝ちたいのなら、相手の弱点を見極めろ


それでは、その大物政治家の傘下に入れない庶民には、この世を良くしようとするチャンスは巡ってこないのか…。

キム・スンウ演じる若手検事ジャンフンは野心があるが、賄賂を嫌う良心的な人間だ。

将来のため、日々コツコツと成果を上げていくが、「コネがないなら上に上がれない」と上司に諭されてしまう。

それならば、大物政治家を挙げればのし上がることができるのかと思い、最も大統領に近い男とされたチャン・ピル候補に照準を当てる。

そして、チャン・ピルを追う中で彼が目を付けたのがカンペ(チンピラ)のサングである。

この映画では、そんな権力者に牙をむく若手検事とチンピラの「コネなし庶民」コンビを中心に描くことで、その腐り切った世の中に風穴を開ける突破口を描こうとしている。

多くの観客はジャンフンやサングのようにコネがなく、それでもなんとか出世したいと思いながら生きている。

そんな一般庶民の観客たちは、彼らの活躍を観ているうちに、自然と彼らコンビを応援するようになっていく。

そして私たちはこの「生き残りゲーム」の中で、「メディアを最も上手に利用した者」が最後に勝ち残ることを知る。

初めはチンピラのサングが「大統領候補への裏金」について告発をする。

しかし、それはジャーナリストのイ・ガンヒによって打ち消されてしまう。

チンピラの言うことなんて、誰が信じるのか。

たとえ、そこにあるのが事実だったとしても、「だれもチンピラの言うことなんか信じない」という人間の見た目に対する偏見をうまく利用し、逆にサングを窮地に追い込んでしまう。

ここでは、メディア操作が得意なイ・ガンヒが勝ってしまう。

そこで、「コネなし庶民たち」は、彼らの逆手をとり、ジャンフンを権力者たちの中に送り込む。

そうして、自らの立場を捨ててチャン・ピル大統領候補とイ・ガンヒの「ワイセツ動画」の撮影に成功する。

結局、それが足がかりとなって「権力者たち」は総崩れになっていく。

なんだかんだ言って、権力者たちも「検事」という肩書に惑わされるのだ。

そこに彼らの隙があることを、散々犬として働かされたサングはよく分かっていた。

インサイダーズ6


「腐敗した世界を変える」のに必要なのは、市民たちの「監視の目」である


そんな彼ら、「権力者」 vs 「庶民たち」の争いを見ていると、これからの時代は「どれだけメディアの前で好印象でいられるか」が肝になってくることが分かる。

日本で言えば、「文春砲」のようなスキャンダラスな記事があっという間に一人の政治家の命を終わらせてしまうのと一緒である。

特に韓国は日本よりもネットが発達しているので、いかにネットをうまく利用するかがカギになってくる。

これからの政治家にとって大切なのは、「政策」ではなく、「クリーンに見える生活(とくに異性関係)」である。

日本にとっては、それが当たり前のことでも、韓国では、彼らの懐に入り込むことすらできないし、決められた人しか近づけないのだから、スクープ動画を撮るのは至難の業だ。

そこで、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とばかりに、若手検事ジャンフンが「権力者たち」の信頼を獲得し、彼らの群れに紛れ込んだ後のどんでん返しが非常に痛快だった!!

この時、ジャンフンのフィクサーとなったのは、イ・ガンヒの弟子サングである。

散々、イ・ガンヒの犬をやってきたサングは、その日々の中でイ・ガンヒのやり口を学んでいた。

そして、見事にイ・ガンヒの弱点を突き、一発逆転の場外ホームランを放ち、権力者たちはものの見事に崩れ去っていった。

しかし、そうやって自分たちの人生を賭けてまで権力者たちを失墜させたものの、「コネなし庶民」たちに良い生活が待っている訳ではない。

それもまた、現実。

その代わり、彼らが得たのは「世の中を変えた」という満足感と、この先にある「希望」である。

そうやって、誰かが犠牲になってでも、内側を暴いていくことで世の中は少しずつ良くなるに違いない。

今の時代は、検事じゃなくても、一般市民だって、「おかしい」と思ったことは写真や動画に撮って暴露するこができる。

もちろん、行き過ぎた行為はダメだけど。

この映画が、今の韓国の腐敗した世の中に期待するのは、そんな「コネなし庶民」の政治家たちに対する「監視の目」なのではないだろうか。



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デンゼル・ワシントン主演の映画「マグニフィセント・セブン」を映画館で観た。

「七人の侍」、「荒野の七人」のリブート版。
(リブートとリメイクの違いについてはこちらから → 映画の「リブート」と「リメイク」の違いは何?【映画マメ知識】

悪者に街を占拠された村人が、七人の男たちを雇って悪者を追い出そうとするのだが…。


満足度 評価】★★★☆☆(3.5)

迫力満点のアクションと素晴らしい映像美は、西部劇の中で最高峰に素晴らしいと思う。

光の1つ1つが全て計算されつくされていて、凄い映像を撮るなぁと思った。

しかし、リブート版といえど、「七人の侍」好きの私としては、かの名作とどうしても比べてみてしまうワケで、ちょっと点数も辛くなってしまった。

「マグニフィセント・セブン」予告編 動画

(原題:THE MAGNIFICENT SEVEN)




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キャスト&スタッフ


出演者

デンゼル・ワシントン
…(「フェンス」(兼監督)、「イコライザー」、「マイ・ボディガード」、「タイタンズを忘れない」、「トレーニングデイ」、「ボーン・コレクター」、など)

クリス・プラット
…(「ジュラシック・ワールド/炎の王国」、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ジュラシック・ワールド」、「her/世界でひとつの彼女」、「人生、サイコー!」など)

イーサン・ホーク
…(「マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-」、「ドローン・オブ・ウォー」、「プリデスティネーション」、「ゲッタウェイ スーパースネイク」、「クロッシング」など)

イ・ビョンホン

ピーター・サースガード
…(「完全なるチェックメイト」、「ブルージャスミン」、「ブラック・スキャンダル」など)

ヴィンセント・ドノフリオ
…(「デス・ウィッシュ」、「ジュラシック・ワールド」など)

〇マヌエル・ガルシア・ルルフォ

〇マーティン・センズメアー

ヘイリー・ベネット
…(「イコライザー」など)

監督

アントワーン・フークワ
…(「サウスポー」、「クロッシング」「イコライザー」など)


2016年製作 アメリカ映画


マグニフィセント・セブン

あらすじ


平和だった小さな村が悪者ボーグ(ピーター・サースガード)に占拠されてしまい、村で暮らすエマ(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を金で雇い、ボーグたちを村から追いだして欲しいと懇願する。

その後、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)や元軍人のスナイパー(イーサン・ホーク)、暗殺者(イ・ビョンホン)など、ワケありのプロたちを7人を雇う。

しかし、ボーグが引き連れている軍勢があまりにも人数が多すぎて…。


マグニフィセント・セブン2

感想(ネタバレあり)


「七人の侍」「荒野の七人」を受け継ぐ、現代リブート版


黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクが、ユル・ブリンナー主演の映画「荒野の七人」

そして、それらの作品のエッセンスを受け継いだリブート版が、この映画「マグニフィセント・セブン」である。

観るまでは、リメイク版だと思って観始めていたら、話は似ていて、でも、ちょっと違っていることに途中で気付き。

「あぁ、これは、リブート版なんだな」と思った。

これまでの作品は、七人の戦士たちが小さな村で暮らす善良な人たちを巨大な悪から守るという使命を背負い、村人たちとコミュニケーションをとりながら、共に戦ってきた。

その辺が、このリブート版は明らかに違っている。

7人がそれぞれに、様々な出自と過去を背負い、ワケあって金のために村にやって来る。

そして、それぞれが背負う個人的な思いを抱えながら悪に立ち向かっている。

7人のそれぞれの多様性と個性を尊重する作品に仕上がっている。

心を合わせて一致団結の団体戦というよりも、個人技勝負の作品だったなぁと思う。

その辺が、現代のアメリカを反映している部分でもあり、現代版「マグニフィセント・セブン」なんだなと思った。


マグニフィセント・セブン3

とはいえ、「七人の侍」が好き


とはいえ、私としては、「七人の侍」が好きで、そのリメイクだと思って観に行っているワケで。

どうしても比較して観てしまう。

私が「七人の侍」が好きなところは、初めは、雇われてやってきたお侍さんたちに助けてもらおうと思っていた。

むしろ、「あの人たちで大丈夫なんだろうか」と思っていた。

しかし、侍たちと交流しながら、自分たちも戦うことを教えられつつ、

「自分たちの村は自分たちで守らなきゃいけない」と目覚め始める。

そして、志村喬をリーダーにして村人たちが一致団結して悪に挑んでいく。

私は、その弱かった村人たちが目覚めていく過程がとても好きで。

しかし、今回のリブート版では、その辺がバッサリと省略されていた。

共に戦うことを教えられるシーンはあるけど、心の交流とか、村人たちが闘いに目覚めていく場面なんかは一切無い。

むしろ、そんなセンチメンタリズムは必要なく、もっと骨太に男らしい、酒とタバコの匂いがプンプンしそうなアントワーン・フークワ版の「マグニフィセント・セブン」に仕上がっていた。

しかしその辺が、私としては世知辛いというか、現代版の寂しいところなんだなぁと思った。

なので、戦いが始まるまでの前半部分は、ちょっと退屈に思ったりもしていた。

マグニフィセント・セブン4

銃撃戦は稀に見る迫力と美しさ満点


しかし、後半から始まるボーグ軍との戦いは、映像はとてつもなく美しいし、迫力は満点。

西部劇史上でも、稀に見る美しさと迫力だった。

ここの部分だけでも、観る価値がある作品に仕上がっている。

しかも、7人の戦士たちの1人1人に、それぞれが得意な技を付け、それぞれがちゃんと見せ場を作れるように配置。

闘いが始まってからの怒涛のアクションの凄まじさは、観るものを圧倒する。

さらに映像の美しさで言うと、銃弾が開けた1つ1つの穴、そこから漏れる光の美しさ。

砂ぼこりが舞う西部劇だからこそ、そこへ差し込む光の美しさが際立っていて、人がバンバン死んでいく横で、「あぁなんて美しいんだ」と思えるシーンがいくつもあった。

この銃撃戦のシーンだけは、何度も繰り返し観たいと思った。

それぐらい凄かった。

マグニフィセント・セブン5

個性あふれるマイノリティの集合体だからこそ弱者を守れるのがアメリカの強みのはずが…


その個性際立つ7人の兵士たち。

1人ずつの個性がバラバラなら、人種も様々。

リーダーは黒人のサムだし、アジア人、ヒスパニック系、ネイティブ・アメリカン、もちろん、白人もいる。

対するボーグ軍はほぼほぼ白人で構成されている。
(中には、ネイティブアメリカンもいるけど)

マイノリティ(=社会的少数派)によって構成された7人が、それぞれの個性を生かしてチームを作っているからこそ強く、だからこそ、弱者を守れる者になる。

だから、アメリカは強いんだとアントワーン・フークワは、この映画を通して言いたかったのかなと思った。

そのために「荒野の七人」をベースにして、彼なりの最強の7人を作ったんだと思った。

というのも、監督のアントワーン・フークワこそ、アフリカ系アメリカ人だから。

それで、この映画ができたんだなと思った。

しかし、この映画がアメリカで公開された半年後には、トランプ政権が誕生して、このメッセージとは逆行した世の中になってしまったけど。

そんな彼のメッセージも、今となっては皮肉でしかない。



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イ・ビョンホン主演の映画「メモリーズ 追憶の剣」をWOWOWで観た。

共に王と戦うことを誓った3人の剣士だったが、1人が裏切ったために憎しみ合い、殺し合うことになってしまった彼らの運命を描く歴史ドラマ。

満足度 評価】:★★★☆☆

映像はとても美しいけれど、内容の薄っぺらさが非常に残念な作品だった。

もっと細部を丁寧に描けば重厚な作品にも成り得た気がした。

「メモリーズ 追憶の剣」予告編 動画

(原題:협녀:칼의 기억




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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「天命の城」、「エターナル」、「MASTER マスター」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「王になった男」、「甘い人生」など)

チョン・ドヨン
…(「男と女」、「無頼漢 乾いた罪」、「ユア・マイ・サンシャイン」など)

キム・ゴウン
…(「コインロッカーの女」、「ウンギョ 青い蜜」など)

ジュノ(2PM)
…(「二十歳」、「監視者たち」など)

〇ペ・スビン

監督・脚本

〇パク・フンシク

2015年製作 韓国映画

メモリーズ追憶の剣



あらすじ


高麗王朝末期、最強として恐れられた3人の剣士、ドッキ(イ・ビョンホン)、ソルラン(チョン・ドヨン)、プンチョン(ペ・スビン)は王朝と戦っていたが、ドッキは権力に屈して王朝に寝返ってしまう。

そのドッキを殺そうとしたプンチョンはソルランによって殺され、生き残ったプンチョンの娘はドッキの剣により背中を切られてしまう。

その後、ドッキは王朝で将軍にまで登りつめ、最後の玉座を虎視眈々と狙い、ソルランはプンチョンが遺した娘ホンイ(キム・ゴウン)を一人前の剣士に育て、ドッキに復讐する機会を狙っていた…。

メモリーズ追憶の剣2



感想(ネタバレあり)


時系列が分かりづらいのが難点…


「この世の中を変えたい」という志を持った同士3人・ドッキ、ソルラン、プンチョン。

彼らは切磋琢磨して共に戦ったものの、最後の最後で、その仲間のうちの1人・ドッキが権力に屈して裏切ってしまう。

さらには、そのドッキへの愛が捨てきれずに、ソルランはプンチョンを殺してしまう。

しかし、ソルランは裏切り者を愛したことと、プンチョンを殺してしまったことへの良心の呵責から、ドッキへの復讐を誓い、自分自身は盲目となり、残されたプンチョンの娘ホンイを一人前の剣士に育て上げる。

ところが、実はプンチョンの娘ホンイはドッキに切られた時に死んでおり、その後、ソルランとドッキの間に生まれた娘をホンイとして育てていた。

娘は、その全ての事実を知りながらも、母に教えられた「復讐」を果たすため、腕を磨いていた。

というお話なんだけれども、どうにもこの全貌が伝わりにくい映画だった。

ストーリーは、ドッキが将軍となったところから始まり、過去のことはその間に回想シーンとして差し込まれていくが、時代劇ということもあって時系列が分かりづらく、この回想シーンはいつのものかと推理しながら先に進まないとならず、観客に対し不親切で雑な編集をしているなという印象を受けてしまった。


メモリーズ追憶の剣3



一つ一つのストーリーやキャラクター設定が薄い


最初から、最後まで、「この回想はいつの頃のものかな」…なんて、考えながら観ていったにも関わらず、内容はその割にとても薄っぺらい印象だった。

最強と言われた3人の剣士、ドッキ、ソルラン、プンチョンが登場するが、彼はなぜ、何のために王朝と戦っていたのか。

その理由が語られていない。

きっと王政が悪政だったんだろうということは想像がついても、どれ程までに酷い仕打ちを受けたから彼らは立ち上がったのか。

その理由が知りたかった。

そして、戦い抜き王の目の前まで来て、なぜドッキは仲間を裏切ったのか。

権力が欲しかったから?それとも王朝に入ったら、中から王政を覆せると思ったから??そこもまた、野心なんだろうなぁと推測するしかない。

そういう一つ一つのことの理由と、その心情背景が描かれないまま話が進んでいくために、物語はどんどん薄っぺらくなっていく。

その後、ドッキの忠実な部下として登場するユルについては、キャラクター設定さえも曖昧で、何か意味がありそうな役割を匂わせたまま、結局、あまり重要性を感じないまま終了してしまう。

もう少し、それぞれのキャラクターの持つ意味や、彼らの持つ「愛」や「憎しみ」の感情をもっと丁寧に描いていれば、もっと良い作品になっただろうなぁと思うと、とても残念だった。


メモリーズ追憶の剣4



内容よりも映像美に力を入れた感あり


その内容が薄くなった分、映像の美しさにはとても力を入れて描かれていた。

だからきっと、すごく美しい童話だと思って観ればいいのかなと思ったんだけど、その割に内容が「愛憎劇」だったので、そうもいかなくなってしまった。

ひまわりや、白い花が咲き誇る草原。

深い緑の竹林や、雨や雪のシーンもすごく効果的だった。

あぁ美しいなぁと思って見とれるシーンもいくつかあった。

それに、殺陣のシーンは、さすがの韓国クオリティで迫力満点だった。

しかし、あまり、ワイヤーを使って飛んだりしてしまうと、「足技」が見せ場の韓国カラーがちょっと薄れてしまって残念。

チョン・ドヨンやキム・ゴウンのような、あまりアクションシーンを演じてこなかった女優たちを使ったために投入したワイヤーなんだろうけど、「韓国だからこそ」の飛び蹴りやまわし蹴りを楽しみにしているファンも多いはず。

でも、まぁ、映像の美しさの力の入れようを見ると、内容の奥行きよりも、映像の美しさを重視したんだなという印象だった。


メモリーズ追憶の剣5



演技の上手さでも脚本の薄さはカバーできない


きっと、その分、イ・ビョンホンチョン・ドヨンキム・ゴウンといった新旧の演技派たちを集めて、演技の重厚さで内容の薄さをカバーしようと考えたのかなと思った。

しかし、残念ながらいくらうまい演技を見せられたところで、脚本の内容の薄さはカバーしきれない。

最後にホンイが念願の復讐を果たしたものの、「で、どうしたの??」っていうのが、私の率直な感想だった。

肝心なのは、「ホンイが復讐を果たして何を思ったか」だと思ったんだけど、そこについては何も語られず。

ということは、結局は、ソルランが自分の娘を巻きこんで復讐を果たしたかっただけの自分本位な物語だったのか。

ソルランは、ホンイに復讐を託したものの、未来は託していなかったのか。

彼らは、この世の中をよくするために生きていはいなかったのか…。

結局、復讐を果たして、「愛する人と死ぬまで一緒」という願いを叶えたかっただけの物語だったのか…。

なんだか、心に残るものもなく、残念な物語だった。



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アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「ターミネーター:新起動/ジェネシス」をWOWOWで観た。

人気シリーズ第5作。2029年。核戦争後の世界。人類の救世主ジョン・コナーの父となるカイル・リースがサラ・コナーを守るため、1984年に送られるが…。


映画「ターミネーター:新起動ジェネシス」


満足度 評価】:★★☆☆☆

退屈だった。これは無いなーーーと思いながら観ていた。

結局のところ、最後まで何をしたかったのか良くわからない映画だった。

「ターミネーター:新起動/ジェネシス」予告編 動画

(原題:TERMINATOR: GENISYS)





キャスト&スタッフ


出演者





J・K・シモンズ



監督

〇アラン・テイラー


2015年制作 アメリカ映画




あらすじ


2029年、人間対マシンによる核戦争後の世界。

人類の救世主となるジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)は、彼の母であるサラ・コナー(エミリア・クラーク)を守るため、仲間であるカイル・リース(ジェイ・コートニー)を1984年へ送る。

カイルには、彼の知らないミッションとして、ジョンの父親になるという使命も含まれていた。

そして、1984年に降り立ったカイル・リースだったが、そこはジョンも想定していない世界が待っていた。





感想(ネタバレあり)


どんでん返し?どこが??


↑ ここに貼ってあるポスターによれば、このシリーズの元ネタである「ターミネーター」と「ターミネーター2」を監督したジェームズ・キャメロンは

期待を遥かに超える大どんでん返し。必見の作品だ!!

というコメントを残しているらしい。

はぁ??どこにどんでん返しがありました??どこが必見ですか??

っていう気分で、「けっ」っと言いながら、このポスターを観た。

私は、この「ターミネーター」シリーズは、全作観ていて、その中でも、面白いのは「ターミネーター」と「ターミネーター2」だけだと思っている。

そんな私からしたら、この第5作が、その前作2つの全てをひっくり返し、今まであったことは全て無かったことにした時点で、「なんだこれ。ターミネーターの意味がないな」と思った。

さらに、今の時代に合わせサイバーダイン社もバージョンアップさせたあたりで、「そんなことするんだったら、全く違う映画にするか、完全なリブートにすれば良かったのに」と思った。


映画「ターミネーター:新起動ジェネシス」アーノルド・シュワルツェネッガー


敵がバージョンアップしたつもりが弱くなってる気がするーーー


これは、作品が迷走しているようにしか見えない。

私は、なぜキャメロンが上記のようなコメントを残したか、全く想像がつかないが、この第5作では、これまでの作品から何を残し、何を再構築したかったのかが全く見えなかった

結局、何をしたかったんだろうか

まず、サイバーダイン社はこれまで精密機械の会社で、将来的には軍事産業で人工知能を使い、人間を脅かす存在になるはずだったが、この第5作では、世界中で10億人が使用する端末のOS(ジェネシス)の制作会社に変わっている。

そのOS(ジェネシス)にウイルスとして人工知能を仕込み、人工知能は端末を手放せない人間を支配するようになる

なるほど。ってことは、私たちは数年後、携帯のSiriに支配されるんだね(笑)

Siriはウイルスではないけどね(笑)

ロボットの方が目に見える形で具体的だし分かりやすく、観客を納得させやすかったのに、なんでいきなりOSにしちゃったんだろう。

そのせいなのか、そのおかげなのか、人間vsマシンの戦いは、人間がサイバーダイン社のサーバーセンターを破壊すればそれで終了というとてもイージーな戦いになってしまった。

世界中に売られている軍事用ロボットの一つ一つ、宇宙を飛んでる衛星の一つ一つに人工知能が仕込んであって、それぞれが、それぞれに反乱を起こすから、誰も止められなかったんじゃないの??

なんか、しょぼいよね。アニメとかテレビゲーム観てるみたいだと思った


映画「ターミネーター:新起動ジェネシス」アーノルド・シュワルツェネッガーとエミリア・クラークとジェイ・コートニー


それで、ジョン・コナーはどうなるの??サラにターミネーターを送ったのは誰??


そん中、「ターミネーター」、「ターミネーター2」の頃から変わらないものは、シュワルツェネッガーのターミネーターと、サラ・コナーの運命の人はカイル・リースということだけ。

ジョンは、結局マシンに支配されてしまったし、1984年から2017年に勝手にタイムスリップしてしまったサラ・コナー。

そうなると、ジョンが生まれたとしても、年齢は変わってしまうし、それでも、ジョンは人類の救世主なのか??

それとも、絶対に核戦争は起きないのか??

そうなるとさぁ、やっぱり、もう「ターミネーター」っていう映画のコンセプトからずれるんだよね。

さらに、7歳のサラ・コナーにターミネーターを送ったのは、結局誰だったんだ??

伏線を作るんだったら、最後にちゃんと収拾しましょうね。

はぁ。なんだか、先を決めずに「これはインパクトがあるだろう」とか、「こうした方が衝撃的だろう」っていうその場しのぎの展開が続いて、とても残念だった。


映画「ターミネーター:新起動ジェネシス」アーノルド・シュワルツェネッガー


主演はアーノルド・シュワルツェネッガーと新星女優エミリア・クラーク


主演は、LA州知事の仕事を終え映画界に戻ってきたアーノルド・シュワルツェネッガー

古い機種のターミネーターだからなのか?走らない、動きが遅い、感度が鈍い。

ターミネーター役にも限界なのかなーーと思う。

そろそろ、新しい人でリブートする時期なんじゃないかな??



そして、もう1人の主役、サラ・コナーを演じたのはエミリア・クラーク

決して、このサラ・コナー役がはまり役だったとは思わないが、彼女自身は、現在注目されている女優の一人。

彼女は、TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気女優となる。

そして、「ターミネーター:新起動/ジェネシス」を経て、現在、アメリカで公開されている新作映画「Me Before You」に出演。

それが、下半身不随の実業家男性と介護人の恋という地味な作品に関わらず、「X-MEN:アポカリプス」や「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」などの大作が並ぶ中、それらに負けないスマッシュヒットの興行成績を上げている。

まさに、これからが楽しみな女優の一人。


映画「ターミネーター:新起動ジェネシス」エミリア・クラーク



今後のお願い


結局のところ、もしも、今後、この「ターミネーター」の新たなシリーズを作るのだったら、キャスティングを一新して、ストーリーを組み直してリブート作品を作って欲しい

もう、ここまで崩されちゃうと、元ネタも破片しか残っていないけど(涙)

これ以上、こねくり回したら、破片すらもなくなってしまう気が…。

あの素晴らしかった「ターミネーター」「ターミネーター2」の素敵な思い出を壊さないでくれ!!

ファンからのお願いです…。





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