夫と子供のいる女性が、脚本家志望の若い男性と不倫関係になるひと夏の恋を描くコメディ映画。
【満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)
女と男の修羅場を笑いに変える名人ウディ・アレン。
この映画を観ながら思い出したのは、この当時ヒットした映画「欲望という名の電車」だった。
しかし、そんな名作もウディ・アレンの手にかかれば、電車は観覧車に、悲劇は喜劇へと変わっていく…。
目次
「女と男の観覧車」予告編 動画
(原題: Wonder Wheel)更新履歴・公開、販売情報
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キャスト&スタッフ
出演
〇ケイト・ウィンスレット…(「トリプル9 裏切りのコード」、「ダイバージェントNEO」、「ヴェルサイユの宮廷庭師」、「とらわれて夏」、「スティーブ・ジョブズ」、「コンテイジョン」、「ダイバージェント」、「ネバーランド」など)
〇ジャスティン・ティンバーレイク
…(「人生の特等席」、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」、「ソーシャル・ネットワーク」など)
〇ジム・ベルーシ
〇ジュノー・テンプル
〇ジャック・ゴア
〇デヴィッド・クラムホルツ
〇マックス・カセラ
監督・脚本
〇ウディ・アレン…(<監督のみ>「カフェ・ソサエティ」、「マジック・イン・ムーンライト」、「ブルージャスミン」、<出演のみ>「ジゴロ・イン・ニューヨーク」など)
2017年製作 アメリカ映画

あらすじ
1950年代、コニーアイランドにある遊園地。
その中にあるレストランでウェイトレスをしているジニー(ケイト・ウィンスレット)は、夫 ハンプティと、息子 リッチー(ジャック・ゴア)がいるにも関わらず、海岸で監視員をしている青年 ミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と不倫の関係に。
ジニーは、ミッキーが満たされない日々を救ってくれる救世主だと希望を持つが、ハンプティの前妻との娘 キャロライナ(ジュノー・テンプル)がマフィアに追われて彼らの家に転がり込んできたことで、彼らの関係が変わっていく…。

感想(ネタバレあり)
夢の街 遊園地を舞台に描かれる恋の修羅場
ここで描かれるのは、4人の男女の修羅場。
遊園地にあるレストランで毎日必死になって働くジニー。
夫のハンプティは、同じ遊園地で回転木馬の操縦をしている。
しかし、ジニーは海岸で監視員のバイトをしている脚本家志望の大学生ミッキーと不倫関係になる。
かつて女優志望だったジニーにとって、ミッキーはハンプティと違って戯曲や小説の話で盛り上がれる相手であり、満たされない日々から救ってくれるという希望を感じさせてくれる人だった。
その彼らの関係に予想外に乗り込んできたのが、ハンプティの前妻との娘、キャロラインだった。
キャロラインは勢いで結婚したマフィアの元から逃げてきたのだけど、マフィアから追われる身になってしまう。
そんなキャロラインと出会ったミッキーは、彼女に恋してしまう…。
そうやって、彼らの恋は観覧車のように次から次へと回り続ける。
そして、夢の街・遊園地はたちまち修羅場に。
しかし、そんな彼らがカオスになればなるほど笑ってしまう…というコメディ映画なのである。

ウディ・アレン流 欲望という名の観覧車
コメディではあるけれど、若くて魅力的なミッキーに恋をして、彼との未来に夢と希望を抱きつつも、キャロラインに奪われ、精神が崩壊していくジニーを思うと、同じ女性として笑えないところもあった。
私が、そんなジニーを見ながら思い出したのは、「欲望という名の電車」だった。
「欲望という名の電車」は夫を亡くし、妹を頼って身を寄せた主人公のブランチが、新しい恋に希望を持つが、それが破れると彼女の精神が崩壊していく話である。
「欲望という名の電車」もこの映画の舞台である1950年代に人気を博した作品で、ジニーが恋するミッキーは脚本家志望ということもあって、ジニーはブランチみたいだなぁと思いながら観ていた。
「欲望という名の電車」では、ブランチの妹ステラは窓から電車が見える部屋に住んでいる。
この映画では、ジニーは観覧車の見える部屋に住んでいる。
この映画はウディ・アレン流コメディ風にアレンジした「欲望という名の電車」といったところ。
電車は観覧車になり、悲劇は喜劇になる。
そして、何より女性が強くたくましい。
ウディ・アレンは男性にすがる女性など描かないのだ。
だから、どうしても結末が変わってくる。
「欲望という名の電車」では、女性は男性にすがっていたが、こちらでは、ジニーは精神を崩壊させつつも強く踏みとどまり、ハンプティがジニーに「お前しかいない」と言ってすがるのだ。
脚本家志望のミッキーは、この映画の中で様々な戯曲を引用するけれど、ウディ・アレンからみた男女の世界は、もっと違って見えるようだ。
ストレートに映画化するのではなく、自分なりのアレンジをして違う作品にしてしまうところが、なんともウディ・アレンなのだ。
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ジニーをめぐる不幸には笑えないところも…
この恋の四つ巴の結末を観て思うのは「恋なんて観覧車(Wonder Wheel)のようなもの」だった。
初めはジニーとハンプティの2人で乗っていた観覧車に、後からミッキーやキャロラインが乗ってくる。
上り始めて頂点にいる時には、素晴らしい景色をジニーとミッキーの二人だけで独占することもできたけれど、そこから後は下っていくだけ。
一周回ってみれば地に足のついた元さやに収まるのである。
それを、ウディ・アレンは皮肉のこもったコメディ仕立てに描いた。
しかし、私としてはジニーがミッキーを満たされない世界から救ってくれる救世主だと思って、彼にすがりたくなる気持ちがすごくよくわかる。
世間の人からしたらそれが笑っちゃうようなありえないことでも、うだつの上がらない旦那と違って、知識が豊富でイケメンなミッキーと出会って「彼こそが運命の人だ」と思い込んでしまう気持ち。
そんなジニーの気持ちがすごくよくわかる。
きっと多くの中年女性が、ジニーの気持ちに共感することだと思う。
だから、ミッキーが若くて美しいキャロラインに奪われていくことには、すごく胸が痛んだし、ジニーがしてしまったこともわかる気がする。
しかも、そのキャロラインが絵にかいたようなステレオタイプの白人金髪女性なものだから、なんともいたたまれない気持ちになってしまう。
その上、ジニーの息子には「放火癖」があり、精神科のカウンセリングもまるで効き目なしとくると、ジニーの人生は、ますますカオスになっていく。
ジニーの精神状態が不安定になればなるほど、息子の放火癖はより過激になる。
それは、なんとも痛ましくて笑えない。
これを、ウディ・アレンは「人生喜劇」として描いているけれど、後半部分は笑えないところが多かった。

人間関係はドロドロでも映像は美しく
そんな、「笑えない喜劇」をカメラで演出するのは映画ファンが大好きなカメラマン ヴィットリオ・ストラーロである。
舞台である「遊園地」を色鮮やかに、コニーアイランドの海岸をより美しく、彼らの修羅場を長回しで追い続ける。
そこで描かれている修羅場はとてもドロドロとしたものなのに、そんな彼らを映し出す映像は、とても華やかで美しいのは、ウディ・アレン流の皮肉なんだろうと思う。
せめて映像ぐらいは美しくといったところか。
そして、彼のカメラが長回しで追いかけたからこそ、それがまるで舞台の芝居を見ているような感覚になり、「欲望という名の電車」を思い出したのである。
個人的には、笑えないところもあったし、女性の描き方がいささかステレオタイプだなと思うところもあったけど、美しいカメラで演出されたスター共演のお芝居を楽しむつもりで観たらいいんじゃないかなと思う。
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映画 『女と男の観覧車』| ★3.5 | https://t.co/3MTBCblsjg |【恋なんて観覧車のようなもの】ウッディ・アレンお得意の人生喜劇
2018/04/22 17:02:40
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