ホアキン・フェニックス主演の映画「ビューティフル・デイ」のジャパンプレミアに行ってきた。

家出人捜索のプロが、ある議員の娘の捜索を依頼されたことで事件に巻き込まれていく。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

これは素晴らしい映画だった~。

大人たちの力や言葉による暴力が、どれだけ子供たちに影響し、どれだけ長い間苦しめるのか。

とても胸が締め付けられ苦しくなる映画だけど、そこに希望があったのが救いだった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「ビューティフル・デイ」予告編 動画

(原題:You Were Never Really Here)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月22日 ジャパンプレミアで観た感想を掲載。

・2019年5月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演

ホアキン・フェニックス
…(「ドント・ウォーリー」、「裏切り者」、「炎のメモリアル」、「her/世界で一つの彼女」など)

〇ジュディス・ロバーツ

〇エカテリーナ・サムソノフ

〇ジョン・ドーマン

〇アレックス・マネット

〇アレッサンドロ・ニヴォラ


監督・脚本

〇リン・ラムジー


2017年製作 イギリス映画


第70回 カンヌ国際映画祭 脚本賞(リン・ラムジー)、主演男優賞(ホアキン・フェニックス)受賞作品



映画「ビューティフル・デイ」



あらすじ


家出人捜索のプロであるジョー(ホアキン・フェニックス)は、NYで母親(ジュディス・ロバーツ)と二人暮らし。

ある時、彼の元に「家出した政治家の娘・ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を探して欲しい」という依頼を受ける。

ニーナが出したメールなどから居場所を追跡し、ある売春組織から彼女を保護するが、その時、ニーナの父がビルから飛び降り自殺したというニュースがテレビで流れていて…



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス



感想(ネタバレあり)


毒親問題は昔からある普遍的な問題


「映画は社会を映す鏡」という。

私も映画を通して社会を知ったり考えたりするので、その通りだと思う。



その中で、最近増えてきたのが「毒親」をテーマとした作品である。

「毒親」とは、力や言葉による暴力で子供を支配し、操ろうとする親のことをいう。



昨年から今年にかけて印象に残るのは、クリス・エヴァンス主演の映画「gifted/ギフテッド」。

あの作品では、母親が、子供のためを思って英才教育を強制したことで、子供が不幸になっていく様子を描いている。



この映画「ビューティフル・デイ」もまた、毒親をテーマにした作品であり、毒親に育てられた子供たちによる大人への復讐と、その支配からの解放が描かれる



しかし、私も先ほど、この「毒親」をテーマにした作品が増えていると言ったけど、この親子関係の問題が、最近になって急激に増えているわけではないということが、この映画を観ているとよくわかる。

その証明に語られるのが「サイコ」である。

1960年に製作されたヒッチコック監督の映画「サイコ」は、支配的な母親に育てられた息子がサイコパスの殺人鬼になってしまうホラー映画で、今思えば「毒親映画の代表作」である。

この映画は、その「サイコ」を映画の冒頭で紹介し、この問題が普遍的なものであることを示している

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最近、映画のテーマとして注目をあびるようになった「毒親問題」だが、昔から多くの人々を悩ませ、苦しませてきた問題なのである。

では、そんな暴力的な親の支配から逃れるために、子供たちはどうすればいいのか。

それが、この映画の中では描かれている。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス


暴力的な面と優しさが同居する家出人捜索のプロ ジョー


主人公のジョーは、暴力的な父親の支配におびえながら子供時代を過ごしていた。

大人になり、彼を支配していた父親はいなくなるが、ジョーの頭の中にいる父親は、その後も彼を支配し悩ませ続ける

カッとしてキレてしまうと、相手を殺してしまうまで殴ってしまうような彼の暴力的な性格は、そんな父親の支配から生まれている。



その反面、子供たちには真逆の優しさを見せる

ジョーに仕事を依頼する仲介人の子供に、ジョーの「殺し屋」としての一面を見られた瞬間に、子供への悪影響と将来を考え、その仲介人とは縁を切る徹底ぶりである。

そこには「暴力的な親から育った自分のような人間が、これ以上、増えてはいけない」というジョーの痛切な思いが感じられる。



そんな暴力的な部分と、子供思いな部分の二面性を持つジョーが請け負っている仕事が「家出人捜索」である。

大人のせいで不幸になってしまった子供たちを救いたいというジョーの思いが、彼を優秀な捜索人にしているのだ。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス


家出少女ニーナを命がけで救いたいと思った理由


ジョーの運命を変えたのは「ニーナ」との出会いだった。

初めは、政治家の娘であるニーナを探しだせば終わる依頼だった。

しかし、次第に、その父親が自分の出世のためにニーナを性の道具として利用していることがわかり、さらに、その父親が何者かによって殺されてしまう。



そこから、ジョーはニーナを取り巻く事件に巻き込まれていく。

やがて、ニーナの父親が出世のために差し出していた相手が州知事だとわかる。

ニーナが家出をした理由は、父親と州知事から逃れるためだったのだ。



ニーナもまた毒親の被害者だとわかったジョーは、ニーナを救いに向かう。

ジョーにとって、毒親の被害者であるニーナを救うことは、彼の中でいまだに怯え続ける幼い頃の自分を救うことにもなるのだ。



これまで、ジョーが父親の支配に長い長い間苦しめられてきたからこそ、ニーナには、同じよう思いをさせてはいけないと思ったに違いないし、共に暮らしてきた母の死があったからこそ余計に、ジョーの「暴力から人を救いたい」という思いは、ニーナへと向かっていったのだと感じた。



映画「ビューティフル・デイ」ホアキン・フェニックス、エカテリーナ・サムソノフ


死んだように生きていたジョーの人生に射す一筋の光


ジョーの時間は父親と過ごした子供時代の頃から止まっている

いまだに母親と共に暮らし、ソングリストは70年代ポップスのまま。



母親を殺した暗殺者を殺した後、ジョーが歌うのは1977年にヒットしたシャーリーンの「愛はかげろう(I've never been to me)」である。

この歌は、それなりに裕福な生活を手に入れた女性が、誰からも愛されず、その満たされない生活には自分自身がないことを嘆いている。



それは、夫のDVに苦しめられ不幸な生活を送っていた母親の心境を表したものだが、ジョーもまた父親の支配から逃れられず、自分自身がない生活を送っている

生きてはいるけど、子供時代から死んだように生きているのだ。



その状態のジョーを、この映画の原題「You Were Never Really Here(あなたは本当にそこにはいなかった)」は示している。

それが過去形になっているのは、ジョーがニーナがを救ったことで再びジョーの時計が動き始め、生き返ったからだ。



そして、ジョーはこれまでの自分自身を殺し、ニーナと共に歩み始める

ジョーは毒親である父親の支配から逃れるために、ニーナを救い、自分自身を殺したのだ。



子供たちが毒親の支配から逃れるのに、どれだけ時間がかかるのか

この映画を観ていると、毒親の影響によって、子供たちの心に芽生える闇に暗澹たる気持ちになってしまう。



また、その支配から逃れるには、子供たちの頭の中からその存在を完全に消し去らなければならないと感じる。

ジョーのように「完全消去」のために、長い長い年月を必要とする人もいるのだ。



だとすれば、ジョーとニーナの出会いは運命的なものだったし、同じ苦しみを背負う彼らは、その苦しみから解放されるために、出会うべくして出会ったのだ。

ふたりが出会えたことこそが、この苦しみの映画に射す一筋の希望の光だったのだろう。








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