とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:オム・ジウォン



イ・ビョンホン主演の韓国映画「MASTER マスター」を映画館で観た。

マルチ金融で巨万の富を得て韓国の上層部を牛耳るカリスマと、「汚職まみれの上層部を一掃する!」と息巻く若手熱血刑事の対決を描くエンターテインメント作品。


【満足度 評価】:★★★★☆

全体的に話がとてもザックリとしていて詰めが甘いところが随所に見られるものの、エンターテインメントだと思えば、それも楽しめる作品だった。

何より「我が国は汚職まみれですよ!!はははっ!!」っていう自虐をネタに娯楽作品を作ってしまう韓国映画の強さを感じた


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「MASTER マスター」予告編 動画

(原題:마스터(Master



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月24日 映画館にて鑑賞した感想を掲載。

・2018年10月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。




DVDで観る:「MASTER/マスター」

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キャスト&スタッフ


出演者

イ・ビョンホン
…(「それだけが、僕の世界」、「エターナル」、「王になった男」、「マグニフィセント・セブン」、「インサイダーズ 内部者たち」、「メモリーズ 追憶の剣」、「ターミネーター/新起動:ジェネシス」、「甘い人生」など)

カン・ドンウォン
…(「ゴールデンスランバー」、「1987、ある闘いの真実」、「プリースト 悪魔を葬る者」、「群盗」など)

キム・ウビン
…(「技術者たち」、「二十歳」など)

オ・ダルス
…(「朝鮮名探偵3 鬼(トッケビ)の秘密」、「殺人者の記憶法」、「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「国際市場で逢いましょう」、「朝鮮名探偵2 失われた島の秘密」、「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」、「7番房の奇跡」など)

オム・ジウォン
…(「女は冷たい嘘をつく」、「リバイバル 妻は二度殺される」、「ソウォン/願い」など)

チン・ギョン
…(「監視者たち」など)



監督・脚本

チョ・ウィソク
…(「監視者たち」など)

2016年製作 韓国映画



MASTERマスター



あらすじ


「私どもにお金を預けていただければ、必ずあなたを幸せにします」という謳い文句のマルチ金融で巨万の富を得たチン会長(イ・ビョンホン)は、韓国の上層部を買収し牛耳っているため、その取引がどんなに違法であっても逮捕することができない。

一方で「汚職まみれの韓国を一掃し、クリーンな社会を作る!」と息巻く熱血若手刑事のキム・ジェミョン(カン・ドンウォン)は、チン会長を逮捕することで多くの汚職にまみれた役人を逮捕できると確信し、特別チームを作ってチン会長を追い続けてきた。

賄賂にまみれた大物官僚たちを逮捕するには、「金の流れ」と「交流関係」の証拠が必要だと考えたキム・ジェミョンは、チン会長の右腕であるプログラマー、パク・ジャングン(キム・ウビン)を味方に引き込もうとするのだが…。



MASTERマスター3



感想(ネタばれあり)


韓国国民は汚職まみれから救ってくれるヒーローを待っている


韓国では、必ずと言っていい程、大統領が任期を終えると逮捕される。

そして、その大統領に巨額の裏金を支払い続けた財閥や一流企業や政治家たちの名前が芋づる式に出てくる。

大統領の任期が終わるたびにそういう話が出てくるので、正直、「あぁまたか…」と思ってしまうし、元大統領が逮捕されても韓国から汚職はなくならない



韓国の歴史ドラマを見ていると、王様と王様に裏金を渡し続ける官僚たちの構図は朝鮮王朝の頃から出来上がっていたのが分かるので、韓国の汚職や賄賂は伝統文化のようなものだと思っている

だから、映画やドラマの中で、警察が裏金で操られている姿を見るたびに「待ってましたぁ」と言いたくなるぐらい、私の中ではお約束になっている。



しかし、そんな恩恵を受けるポジションにいない、日頃から真面目に働いている韓国国民からしたら、「もう、いい加減にしてくれよ」と言いたいところだろう。

その「いい加減にしてくれよ」という国民感情の中から生まれた理想のヒーローが、カン・ドンウォン演じる若手刑事キム・ジェミョンである



キム・ジェミョンは、刑事になるまでの試験は全て1位で通過し、コネも財力も使わずに刑事の地位を築き上げたスーパーエリートとして登場する。
(実際に、コネも財力も使わずに1位通過できるのかは不明…)

そのキム・ジェミョンを演じるカン・ドンウォンと言えば、韓国で最も人気のある俳優の一人として名前があがるぐらいの人気者。

そんな彼がこのキム・ジェミョンを演じるからこそ、「きっと彼だったら、この汚職まみれの国を救ってくれる」という説得力が生まれるのである。



そんなキム・ジェミョンが登場する場面が、いきなり自虐ネタでスタートしたもんだから、ちょっとのけ反った。

「イギリスでは、女王陛下の乗っている車が交通違反をしたことで違反切符を切られたため、公式行事に遅刻したことがあるそうです」

「お付きの人間は、行事に遅刻してしまうからと警察に言ったそうですが、『規則は規則だから』と言われ、聞き入れてもらえなかったそうです」

といった感じの「イギリス警察は女王陛下にも規則が厳しい」という話をキム・ジェミョンが自分が指揮するチームのメンバーにしたシーンだった。



そこでキム・ジェミョンが言いたかったのは、「韓国も大統領が運転する車が交通違反をしたら、違反切符を切る国であるべき」ということであり、部下たちに「刑事・警察官としての心構え」を説いていた場面だった。

それが、大統領だろうと、官僚だろうと、それがどんなに小さい交通違反だろうと、「違反」したものは罰せられる国であるべきだとキム・ジェミョンは訴える。

この冒頭のシーンは、キム・ジェミョンがどんな人間であり、この映画が何を目指しているのかを示している場面だった。



MASTERマスター2



チン会長 は 韓国の大統領 !?


そのエリート刑事キム・ジェミョンが刑事生命をかけて追い続けているのが、マルチ金融で巨万の富を得たチン会長である。



イ・ビョンホン演じるチン会長の行っているビジネスは、ネットワークビジネスのようなもの。

チン会長は「『ワン・ネットワーク』にお金を預けてくれれば、様々な投資を行って、皆さまに銀行よりも良い金利をつけてお返しする」と言って会員から金を集め、実際にはその多くを海外の口座に入金し、マネーロンダリングをして富を増やしている詐欺師。

さらに、そのお金で政界や財界、官僚のトップを買収し、困ったことがあれば、買収した人間の電話番号が書いてある帳簿を開いて「電話一本で」何事も解決できるようになっている。



そうして金も力も手に入れたチン会長は、自分が神になったと錯覚し、「逮捕されるわけがない」と思っている

この会長が「神になったと錯覚していく」様子は、先日観た韓国映画の「我は神なり」で、詐欺師が信者を前に大風呂敷を広げ、信者はその話を大絶賛し、持ちあげられた牧師は自分が神だと錯覚していく様子ととてもシンクロしていたのが面白かった。

この「MASTER マスター」では、プログラマーのパク・ジャングンが「資金洗浄してお金が回る仕組み」作りをし、会員からお金を集めるためにチン会長が『時には涙ながらに』この国の行く末を語り、それを絶賛した会員たちがどんどん『素晴らしい会長のために』お金を振り込んでいく。

これは「我は神なり」のカルト教団ができていく仕組みとほぼ一緒である。



普通の人なら「そんなに派手にやったら、詐欺容疑で逮捕されるだろう」と思われるところも、チン会長には無敵の『帳簿ホットライン』があるから、逮捕される心配もない。

そうしてチン会長は、自分が神だと錯覚するようになる。



この映画では、チン会長はいかにも怪しい詐欺師だけれど、そのチン会長の姿は韓国の大統領たちとダブルところが多い

大統領まで登りつめる人間とは、大勢の人を前に『涙ながらに』国民の行く末を語り、多くの信者(有権者)を集め、大統領の地位に登りつめるけれど、実際の姿は賄賂まみれ。

政界・財界・官僚に息のかかった人間たちがいて、「誰も逮捕することはできない」と思っているから、やりたい放題。

それはまるでチン会長と一緒ではないか。



なので、途中からこの映画は「大統領を巡る汚職」を皮肉る作品なんだなと思いながら観ていた。



MASTERマスター4



汚職まみれをネタにする自虐エンターテインメント


「韓国から汚職を一掃する」と息巻く若手熱血刑事のキム・ジェミョンが目を付けたのは、その「帳簿ホットライン」である。

手書きされたアナログの帳簿は、動かぬ証拠だからである。

チン会長がその大事な証拠を常に肌身離さず持ち歩いていたのは、最後には誰かが電話で助けてくれるという意味もあっただろうし、「俺が逮捕されたら、お前らも道連れ」という脅しも込められていたように思う。

その帳簿が警察の手に渡ったら、今の地位を失ってしまう人たちが大勢出てくるからだ。



そもそもキム・ジェミョンの目的はチン会長の逮捕によって、汚職を無くすことだった。

しかし、それよりも、この映画の見どころは「チン会長とキム・ジェミョンの腹の探り合い」へとシフトしていく。

ところが、キム・ジェミョンは韓国でチン会長の逮捕に失敗し、その後、チン会長はフィリピンへ逃亡してしまう。



キム・ジェミョンはそこまで一度もチン会長と会っていないため、直接会ってもバレないと思い、投資家のフリをしてフィリピンにいるチン会長に会いに行く。

ところが、チン会長は彼が投資家ではなくキム・ジェミョンであることを知っていたのだ…。

ここで物語は二転三転し、先の読めないエンターテイメントが展開する。



確かに、そのキム・ジェミョンとチン会長の対立はとても緊迫があって面白いエンターテインメントになっていた

しかし、それと同時に、当初、この映画が描きたかったはずの『汚職一掃』については、だいぶトーンダウンしてしまい、鋭さがなくなっていたのも事実

チン会長に立ち向かっているキム・ジェミョンの対立を描きながらも、韓国の汚職の背景について、もっと鋭く描けていたら最高傑作になれたのに…と思ったら、ちょっと残念だった。

本当だったら、マネーロンダリングの話とか、「ワン・ネットワーク」が儲かる仕組みをもっと詳しく描いてくれたらチン会長の恐ろしさや信ぴょう性も増したと思う。



そんな甘さもありつつ、チン会長に立ち向かっていく若手熱血刑事の構図は面白かったし、むしろ、何も考えずに観てても楽しめる作品になっていたように思う。

だから、私はこの映画は「韓国は汚職まみれ」という自虐のこもったエンターテインメント作品なんだなと思うようにした

でも、残念ながら大統領を逮捕しても韓国から汚職がなくならないように、チン会長を逮捕しただけでは韓国から汚職はなくならないのだ。

やっぱり、そこにメスを入れるのは映画であっても難しいんだなぁと思った。



MASTERマスター5



ベテラン俳優に挑む若手俳優二人の相乗効果が抜群


それに、ベテラン俳優 イ・ビョンホンに立ち向かって行く若手(中堅?)俳優のふたり、カン・ドンウォンキム・ウビンという構図は、チン会長に立ち向かう若手二人という絵面にうまいこと相乗効果を出していたと思う。


チン会長に叱られている時のパク・ジャングンは、明らかにビビっている様子が出ていて、「もしかしたら、これはキム・ウビンが本当にイ・ビョンホンにビビっているのでは??」と思うシーンがいくつかあった。



また、かつて四天王の一人と言われたイ・ビョンホンに対するのは、現在、韓国で最も勢いのある俳優カン・ドンウォン

そして、そのふたりの『直接対決の場面』を最後の最後まであえて作らずに出し惜しみするという贅沢さ。

その最後の最後に実現した『新旧対決』も画面にうまいこと緊張感をもたらしていた。



ということで、この映画はテンポの良い展開と、キャスティングの上手さを楽しむ映画だなと思った。



しかし、最後の最後で会員に金を返すというのは、なんとも絵空事の感じがして、なんとも甘さの残る作品ではあった。

韓国映画が得意とする社会派の鋭さと、観て楽しませるエンターテイメントを融合させるっていうのは、難しいものなのかもしれない。



MASTERマスター6






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オム・ジウォン主演の韓国映画「女は冷たい嘘をつく」をWOWOWで観た。

シングルマザー ジソンの娘ダウンが、ある時突然ベビーシッターのハンメと共に失踪。

ジソンが娘とハンメの行方を追うサスペンス映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★★☆

サスペンス映画ではあるけれども、ジソンとハンメという二人の女性を通して、韓国社会で低所得者や、虐げられた貧しい女性たちが1人で子供を育てていく難しさを描いた作品。

ハンメは、本来ならば悪役のはずなのに、彼女のあまりにも壮絶な人生に思わず同情して涙を流さずにはいられない。

また、そう思わせてしまうのは、彼女を演じたコン・ヒョジンの功績が非常に大きい。

これは劇場未公開作品であることがもったいないと思った作品だった。

「女は冷たい嘘をつく」予告編 動画

(原題:미씽: 사라진 여자.(Missing 消えた女)

 

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キャスト&スタッフ


出演者

オム・ジウォン
…(「MASTER マスター」、「リバイバル 妻は二度殺される」、「ソウォン/願い」など)

コン・ヒョジン
…(「エターナル」、「ブーメラン ファミリー」、「ラブ・フィクション」など)


〇パク・ヘジュン

監督・脚本

〇イ・オンヒ

2016年制作 韓国映画

女は冷たい嘘をつく



あらすじ


シングルマザーのジソン(オム・ジウォン)は、娘タウンの親権を巡って元夫と調停中である。

そんな彼女は1人でタウンを育てるため、住み込みのベビーシッター、ハンメ(コン・ヒョジン)にタウンの世話を任せ、朝から深夜まで仕事に追われる毎日だ。

しかし、ある日突然ハンメとタウンが姿を消してしまう。

心当たりを探し回るジソンだったが、どこにも見当たらない。

ハンメから渡された外国人登録証は偽造されたものであり、ハンメという名前も偽名だと分かる。

さらに調べていくうちに、ハンメの本当の姿が明らかになっていく…。

女は冷たい噓をつく2



感想(ネタバレあり)


少子化問題について考えさせられるサスペンス映画


娘がベビーシッターと失踪した話だと聞いて、先日WOWOWで観た「エミリー 悪魔のベビーシッター」と似たような話なのかと思った。



確かに、どちらもベビーシッターが他人の子供に執着する話という共通点があるけれども、描かれているバックグラウンドが全く違っていた。



エミリー 悪魔のベビーシッター」は、裕福でゆとりのある中流家庭を題材に描かれていたのに対し、この映画「女は冷たい嘘をつく」(残念ながら、この邦題はこの映画の良さを表していないと思う)は、社会で必死に生きているシングルマザーの家庭を舞台に描かれている。

その背景の違いだけで、全く違う作品に仕上がっていた。



エミリー 悪魔のベビーシッター」は、サイコパスのベビーシッターによるサスペンス色が強かったのに対し、「女は冷たい嘘をつく」は女性たちの育児の難しさを浮き彫りにしていて、どちらかと言えば社会派寄りのサスペンス映画だった。



この映画を観ていると、韓国で、シングルマザーや貧しい人たちが子供を育てていくことの難しさを痛切に感じる

そこには、韓国と同じく「少子化問題」について悩まされる日本でも、似たような問題があるのではと感じた。



シングルマザーや貧しい人たちが、子供を育てるのが非常に難しい環境で、どうやって子供を増やせというのか。

多くの映画ファンが好むサスペンス映画の中に、そういった社会問題を織り込んでくる韓国映画の上手さも感じる作品だった。



女は冷たい嘘をつく3



働くシングルマザーが子育てをする難しさ


主人公のジソン(オム・ジウォン)は、シングルマザーである。

元夫と親権を巡って調停中であり、娘のタウンを手放したくないジソンは朝から深夜まで必死に働いている。

そのため、まだ小さいタウンの世話は、住み込みのベビーシッターであるハンメ(コン・ヒョジン)に世話を任せている。



ところが、収入が少ないジソンは給料の大半をシッター代に費やしてしまう。

それが、医師である元夫にとって有利な材料となってしまい、結局、親権を奪われかねない状況になってしまっていた。



そんな風に、収入が少ないジソンにとっては、悪循環の生活が続いていたのだ。

その矢先に起きたタウンとハンメの失踪事件で、ジソンはすぐに疑われてしまう。



元夫と義母が、その「失踪」はタウンを奪われたくないジソンによる自作自演だと言い張った。

同じ女性として思うのは、なぜ、ジソンが寝る間もなく仕事をして、給料の大半をシッターに渡し、それでも親権を奪われるような状況になってしまうのかということ。



保育園に預けることはできないのか。

それとも、夜遅くまで預かってくれる保育園はないのか。

これは、まさに日本でも度々問題になる話である。



ということは、韓国でも日本と同じように保育園に預けようとすると、抽選で入れないことがあったりするのだろうか。

彼女が必死になっているのに、警察も元夫とその母も、彼女の味方であるはずの弁護士までもが、誰も彼女に同情の欠片も見せないのはどういうことなんだろうか。



落ち着いて考えれば、ジソンがタウンのために、毎日必死になっていることぐらいわかるはずだ。

男性たちのあまりにも冷め切った態度を、私はややイラつきながら観てしまった。



女は冷たい嘘をつく4



貧しいDV一家へ嫁に来た中国人女性 ハンメの悲しすぎる人生


そして、タウンを連れ去ったハンメ。

彼女は中国から嫁として連れてこられた女性だった。



彼女が嫁いだ家は、とても貧しい家庭で、夫も義母も彼女に無関心で暴力を振るう。

しかし、ハンメに子供ができた途端その暴力が収まる。



母親は韓国語が話せた方が良いからと、韓国語学校にも通わせてくれた。

しかし、娘が生まれてしばらくすると、その娘に肝機能障害があることが分かる。

すると、再び夫と義母は彼女と娘への関心を失くしてしまう。



もうこの辺から、ハンメの人生は涙なくしては見られない。

ハンメは娘を助けるために、身体を売るようになるが、それでも入院費用を賄えない。

さらに、中国人であるハンメには入院許可を出すことができず、夫の承認が必要だという。



結局、ハンメは臓器まで売るが、支払いに間に合わず、娘に治療が必要なのに、病院を追い出されてしまう。

その時、ハンメ母子を病院から追い出したのが、ジソンとその夫だったのだ。



この時の病院の非情な対応には、思わず唖然としてしまった。

肝機能障害の子供がいるのに、ベットが足りないから、入院費が払えないから追い出せと平気で言える神経。

この時、ジソンの夫がハンメの娘を助けていたら、タウンは連れ去られることもなかったかもしれないのに。



ハンメがジソンとその夫に恨みを抱くのも分かるような気がしてしまう。

ハンメのとった行動は決して良いことではないけれど、彼女も被害者であり、同情する余地は十分にある。

むしろ、タウンを殺すどころか、愛情をいっぱいかけて世話したところにハンメの素の良さがにじみ出ている。



また、このハンメを中国人の女優ではなく、あえて韓国人でしかも人気の女優コン・ヒョジンに演じさせたところに、ハンメを同情的に描こうとした意図が見えるように思う。

ハンメは悪くない。

彼女を追い込んだ社会に問題がある。



女は冷たい嘘をつく5



シングルマザーや貧しい人たちは子供を育ててはいけないのか


ジソンにしても、ハンメにしても思うのは、

この状況でどうやって子供を育てろというのか」だ



日本と韓国の出生率は世界でも最低レベルだ。

この映画を観ても分かる通り、育てる環境が厳しいと子供を増やすことも難しい。



どう考えても、ジソンはお金持ちと再婚でもしない限り2人目を持つことはとても考えられないし、ハンメは、貧しいから、治療費を払えないからという理由で、我が子の救える命を落としてしまった。

日本では最近、シッターが普及してきたものの、まだまだ敷居が高いイメージがある。



では、例えばジソンのような人が日本でタウンを育てようと思ったら、どうすれば良いのか。

昼間は保育園に預け、仕事が終わったら迎えに行く。

しかし、ジソンのように引き続き自宅でも仕事をしているような人は、自宅で誰がタウンの面倒を見てくれるのか。



家に帰ってからシッターを呼ぶとなると、保育園代に加えてシッター代もかかってしまう。

そう考えると、日本でも、韓国でも、仕事を抱えた女性が子供を育てるのがとても難しいという状況が見えてくる。



日本でハンメのような女性がいた場合、もしもハンメが国民健康保険に入っていなかったら、娘は治療してもらえるのか。

そうやって考えただけでも、子を持つ女性たち(特にシングルマザーや貧しい人たち)が置かれた環境はとても過酷である。

そこに「出生率を上げる」ことの難しさを強く感じる映画だった。







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ソン・ヒョンジュ主演の韓国映画「リバイバル 妻は二度殺される」をWOWOWで観た。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。

ちょうど一年前に強盗に殺されて死んだはずの妻から電話がかかってきた…!!そして、それは、まさに事件の直前妻だった…!!

満足度 評価】:★★★★☆

多少ツッコミどころはあるにしても、先が読めないストーリー展開にドキドキしながら観てしまった。この映画はジャパンプレミア史上、かなり上位にくる面白さだった。

この映画、アメリカでリメイクされてもおかしくないレベルの作品だと思う。

出演:ソン・ヒョンジュ、オム・ジウォン、ノ・ジョンイ

監督:キム・ボンジュ 2015年製作 韓国映画

「リバイバル 妻は二度殺される」予告編 動画(英語字幕付き・日本語字幕なし)

(原題:더 폰(The Phone))




「リバイバル 妻は二度殺される」DVD

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あらすじ


2014年5月14日、弁護士のコ・ドンホ(ソン・ヒョンジュ(「ありふれた悪事」など))は妻ヨンス(オム・ジウォン(「MASTER マスター」、「女は冷たい噓をつく」))が強盗に殺されてしまう。

その後、証拠がなく犯人も捕まらず、一年が過ぎてしまう。

そして、2015年5月14日。

事件から、ちょうど一年経ったその日、死んだはずの妻から電話がかかってきた…。


妻は二度殺される

感想(ネタバレあり) できることならあの時に戻りたい願望


きっと誰もが、「あぁ、あの時、ああすれば良かった」「こうすれば良かった」と後悔することは、きっと誰もが経験することだろう。

そして歳を重ね、後悔することが嫌で、毎日、一生懸命生きるようになるが、それでも、つい気が緩むと、また「あぁまたあの時、ああしておけば…」が始まってしまう。

この映画は、そんな「あの時、ああしておけば良かった」と思った1人の男の夢が叶ったサスペンススリラーである。

ストーリーが奇想天外で先が読めず、食い入るように観てしまった

大変、面白い映画だった。


妻は二度殺される5

弁護士ドンホの場合「殺された妻を救えたかもしれない」


主人公のドンホは40代の弁護士で、医者の妻ヨンスとの間に、バイオリンの勉強をしている一人娘のギョンリムがいる。

しかし、毎日の仕事が忙しく、家庭を顧みない日々のため、弁護士事務所を辞め、製薬会社へ転職を決めていた。

その日、妻との約束を破って、送別会に参加したドンホが夜中に家に帰ると、妻は強盗に殺されていた…。

そして、彼は激しく後悔する。

「あの時、妻との約束を守って、家に帰っていれば…」

それは、いつも家族よりも仕事を優先してきた彼への報いだったのか…

結局、決定的な証拠が見つからず、犯人が捕まることはなかった…。

妻は二度殺される4

太陽のいたずらで、現実と1年前がクロスする


それからちょうど一年。

亡くなった妻から電話がかかってくる。

のではなく、2015年にいるドンホが、2014年にいる妻ヨンスと会話をしているのだ…。

これ、面白いなぁと思った。

その日は、「太陽でフレアが起きて電波に影響を及ぼしている」ため、そんなことがたまたま起きたのだという。

かなりリアルなサスペンス映画なのに、小さじ一杯ファンタジーを足したら、いつもと風味が違いますよ。

是非、お試しあれ。

そんな映画だった。

あり得な過ぎてしらける程のファンタジーではなく、ちょっと隠し味程度に挟みこむ。

すると、2014年のヨンスと、2015年のドンホが同時進行で進みながら、時折クロスする。

これが、絶妙な隠し味だった。

妻は二度殺される3


ヨンスとの電話で景色が変わっていく現実


「あの時、もしかしたら妻を救えたかもしれない」と、同僚と飲みに行ったことを日々悔やんでいたドンホにとって、その2014年のヨンスからの電話は、千載一遇のチャンスだった。

「今度こそヨンスを自分の手で救いたい」と願う彼は必死になる。

そして、ドンホは必死でヨンスを説得し、家から出るように言うが、信じてもらえず、やはりヨンスは強盗に遭ってしまう。

ここからの展開がまた面白いのは、ドンホが電話でヨンスと話すたびに、周りの景色がドンドン変わっていくことだ。

さっきまであった家具がいきなり目の前からなくなったり、メモしておいたその日の記録が全部消えてしまったり、挙句の果てには、ドンホ本人が容疑者になってしまう…。

その様子を見ていると、2015年のドンホの行動が、2014年のヨンスの運命を変えているということがよく分かって面白い


妻は二度殺される2

現実に「あの時」に戻れることはない


この映画は、「できることなら、あの時に戻って人生をやり直したい」と思う人の願望を叶える映画だ。

その「きっと誰もが一度は思うこと」を題材にサスペンスに仕上げ、さらにファンタジーを足しているところが非常に面白い。

ここ数年、サスペンス映画の中では、韓国映画が世界の中でもトップクラスで面白い。

この映画は、そのサスペンスにファンタジーを足して、エンターテインメント作品に仕上げたことで、さらに新しいジャンルを開いたように思う。

でも残念ながら、「あの時、ああしておけば」を叶えてくれるのは映画だけ

現実は、毎日が失敗と後悔の繰り返しだ。

しかし、人生は一度きり。

あの時に戻れることはない。

だから、毎日、本当に大切な人といられる時間を大切にするべきなのだ。





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ソル・ギョング、オム・ジウォン主演の映画「ソウォン/願い」をWOWOWで観た

韓国で実際にあった幼女暴行事件を元に映画化した作品。

暴行事件に遭った少女とその家族が、深い悲しみから立ち直っていくまでを描く。

もぉぉぉぉぉぉぉぉ泣いたぁぁぁぁぁぁぁぁ。

最初から最後まで泣き続けた。

目を背けたくなるシーンもあるし、辛いこともあるけど、是非全ての人に観て欲しい一本

「ソウォン/願い」予告編 動画

(原題:소원)



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キャスト&スタッフ


出演者

ソル・ギョング


〇イ・レ



監督

イ・ジュニク
…(「王の運命(さだめ) 歴史を変えた八日間」など)


2013年製作 韓国映画



あらすじ

小学生のソウォンは、朝、登校している最中に、学校の近くで暴行されてしまう

警察から連絡を受けた父ドンフン(ソル・ギョング(「1987、ある闘いの真実」「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」「殺人者の記憶法」など))と、母ミヒ(オム・ジウォン(「MASTER マスター」など))が病院へ向かうと、ソウォンは血だらけの姿でベットの上でぐったりとしていた

その後の緊急手術で一命をとりとめたソウォンだったが、心の病からか、一言も言葉を発さないようになってしまう

その事態を重く見た母ミヒは、心理療法士の先生(キム・ヘスク)に心のケアをお願いすることに・・・

ソウォン



感想(ネタバレあり)


絶望の淵にいる少女の心を救ったのは、笑うことだった


薄汚い中年男の吐き気がするような欲望の果てに、一人の少女の傷つくことで、彼女はもちろんのこと、その周りにいるどれだけたくさんの人が辛い思いをして、地獄のような日々を送らなければならないのか

残念なことに、裁判所は彼らの味方をするどころが、さらに心をえぐるような判決を出す

それでは、どのようにして彼らはその地獄のような日々から抜け出すことができたのか

一番の力は、「笑うこと」だった

ソウォンが大好きなアニメのキャラクターの着ぐるみが踊っているのを見て笑った

それが、ソウォンの復活の兆しとなる

そして、その笑っているソウォンを観て、両親も心が救われていく

「笑い」が悲しみを癒し、心を救う一番薬だということに気付かされる場面だった

ソウォン2



事件から広がる心の傷は、思いのほか広く深い

ソウォンに起きた事件で、心が深く気付付けられたのは、家族だけではない

両親の友人たちや、ソウォンの同級生までもが、彼女を救えなかったことを悔やむ日々を過ごしている

小学生の男の子が、「どうして僕はソウォンを救ってあげられなかったんだろう」とワンワン泣く姿には、強く心を打たれた。

こんな小さい子までもが、罪悪感にさいなまれている

しかし、彼らもソウォンが元気になっていく姿を見て、徐々に心が救われていく

ソウォン3



納得のいかない判決に怒り

最後まで納得がいかないのは、この暴行事件の犯人が懲役12年だったということ

たったの12年

12年なんてあっという間、8歳のソウォンにとっては、12年後は20歳

彼女は、一番美しい時を出所した犯人に怯えながら生きていかなければならないのか・・・

判決を受けて、お父さんが犯人を殺しに行こうとした瞬間、それを止めるソウォンがあまりにも切なく悲しい

しかし、あそこでソウォンが止めなければ、誰も止めなかったのではなか

それぐらい、あまりにもむごい判決だった


ソウォン4



それでも前向きに生きようとする家族に救われる

そんなことがあっても、家族に新しい命を迎え、笑顔で生きていこうとする彼らの姿に心が救われる

映画の一番最後に画面に流れた一文が、いつまでも心に残る

「本当に辛いことがあった人が笑顔でいるのは、周りの人たちに辛い思いをして欲しくないためです」

この一文が、この映画の全てを表している

何よりも、ソウォンの笑顔が、彼ら一家を救う力の源だった

この映画は、実際にあった出来事を元に制作されたらしいけど、被害に遭った女性が、今でも毎日元気で幸せに生きていることを心から願う

是非、一人でも多くの人に観て欲しい作品だ





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