とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:クリムト



ヘレン・ミレン主演の映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」をWOWOWで観た。

画家クリムトの傑作「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」がナチスに奪われてから50年。

アメリカに住む遺族がその絵を取り戻すまでを描いた実話の映画化。

満足度 評価】:★★★★☆

多くの人々に愛されている名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」。

その裏側にある、ナチスによって引き裂かれたある家族の物語を知る。

そして、描かれたアデーレの憂いに満ちた表情の裏側にあった理由を思うと、今まで観ていた「黄金のアデーレ」とは違った作品に観えてきた。

素晴らしい作品なので、多くの人に観て欲しい作品。

「黄金のアデーレ 名画の帰還」予告編 動画

(原題:WOMAN IN GOLD)




「黄金のアデーレ 名画の帰還」 DVD

黄金のアデーレ 名画の帰還 [DVD]

新品価格
¥2,800から
(2016/12/8 16:25時点)



キャスト&スタッフ


出演者

ヘレン・ミレン
…(「ロング、ロング・バケーション」、「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」、「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」、「マダム・マロリーと魔法のスパイス」、「消されたヘッドライン」、「クイーン」など)

ライアン・レイノルズ
…(「デッドプール2」、「ライフ」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「デッドプール」、「ワイルド・ギャンブル」、「あなたは私の婿になる」など)

ダニエル・ブリュール
…(「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」、「ヒトラーへの285枚の葉書」、「コロニア」、「二つ星の料理人」、「フィフス・エステート/世界から狙われた男」、「誰よりも狙われた男」「ラッシュ/プライドと友情」など)

〇ケイティ・ホームズ

監督

…(「グッバイ・クリストファー・ロビン」、「マリリン 7日間の恋」など)

2015年製作 アメリカ・イギリス合作映画

黄金のアデーレ名画の帰還

あらすじ


1998年のロサンゼルス。

独立したもののうまくいかず、大手法律事務所に再就職したばかりの弁護士ランディ・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)の元に、母の友人であるマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)から、ある相談を持ち掛けられる。

それは、クリムトの名作「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を家族の元に取り戻せないかというものだった。

絵のモデルとなったアデーレは、マリアの叔母にあたり、第二次大戦まではマリアの家族が所有していた。

しかし、その絵はユダヤ人だったマリアの家からナチスによって奪われ、家族はそれぞれアメリカやスイスに逃亡し離散。

終戦後、その絵はドイツから戻されるが、オーストリアの美術館が所蔵していた。

マリアは、その絵の所有権は自分と家族にあると主張し、自分の手に取り戻すことを希望していた。

しかし、その話を聞いたランディは、取り戻せる可能性は低いと感じ、マリアにもそう告げるのだが…。

黄金のアデーレ名画の帰還4

感想(ネタバレあり)


国に奪われた家族の肖像画を取り戻す戦いのはじまり


映画を観る前にこの映画のストーリーを聞いた時、クリムトの絵は世界の宝だから、オーストリアの美術館が所蔵していても良いんじゃないかと思っていた。

その方が、個人所有よりも多くの人の目に触れることができるから良いと思った。

だから、映画を面白く観ても、最後の最後で主人公のマリアの思いには共感できない部分もあるんだろうなと推測しながら観始めた。

ところが、その裏側にある長い物語と、マリアに対するオーストリア政府の人でなし感を観て、考えが180度変わってしまった。

戦時中のナチスも、戦後のオーストリアも、弁護を担当したランディでさえも、初めの内はその絵画を「1億ドルの価値があるお宝」ぐらいにしか考えてなく、誰も、所有権がマリアの家族にあるなんて考えようともしなかった。

その外野たちの対応を観て、あのアデーレの肖像画はマリアの元に返すべきだと思った。

もしも最初の面談で、オーストリアの美術館がマリアの所有権を認め、誠意ある対応をしていたら、意見は違ったと思う。

ところが、彼らはそのクリムトの名作をただの「客寄せパンダ」程度にしか考えてなく、遺族にはびた一文も渡すべからずといった対応をした時に、肖像画はマリアの元に取り戻すべきと思った。


黄金のアデーレ名画の帰還5

ナチスに奪われた人生を取り戻す戦い


そして話が進むにつれ、絵を取り戻すことは、マリアにとって人生を取り戻す作業のように見えてきた。

まだ若く、新婚だったマリア。

本当だったら、これから輝く未来が待っていた頃だったのに、ユダヤ人だという理由でナチスから迫害を受けてしまう。

そして、追われるように着の身着のままでオーストリアからスイスへ脱出。

未来へ希望を持つためにアメリカへと逃げるが、無事アメリカに着いた頃、オーストリアに残してきた父の死を知らされる。

そんなマリアにとって、あの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」は、家族が平和に暮らしていた頃の象徴だ。

マリア一家と、叔母(アデーレ)夫婦が共に平和に暮らしていた頃、家のリビングに飾られていた「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」。

しかし、その肖像画のアデーレが物憂げな表情を浮かべているのは、その時既にオーストリアに立ち込めていた暗雲を感じ、将来を憂いていたから。

きっと、アデーレはその後一家離散してしまう家族のことを思ったのだろう。

その当時、まだ幼かったマリアは、その絵を見るたびに平和な家族を思い出し、みんなが戻ってくるような気がするに違いない。

国ががナチスに加担したために家族が奪われてしまった。

次は、国から家族を取り戻すという思いがそこにあったのではないだろうか。

黄金のアデーレ名画の帰還3

弁護士としての地位の確立と自分のルーツを知る戦い


その物語の中で、私が惹かれたのは、ライアン・レイノルズ演じる若手弁護士ランディが、最後まで諦めずに戦い抜く姿だった。

初め、マリアから話を聞いた時は、自分には全く縁のない話だと思っていた。

しかし、ランディの家族もマリアと同じくオーストリアで暮らし、命がけで国から脱出してきたことを知り、アデーレを取り戻すことが、自分にとっても家族を取り戻す行為だということに気付く。

それまで、特にこれといった勝ち星も上げていなかったランディが、アメリカの最高裁まで行き、オーストリア相手に調停を起こす。

それは、第二次大戦終結から50年経ってからの自由を求める戦いだった。

最後の調停に至るまで、もうダメだ。絶対に負けると思われた状況が何度もあった。

それでも、ランディは最後まで諦めずに進み続けた。

それは、彼の側に、常に毅然として、ユダヤ人としての誇りや家族の思いを持ち続けたマリアが側にいたからに違いない。

きっと、他にもマリアのように奪われた絵画を取り戻す裁判を起こそうとした人はたくさんいたに違いない。

しかし、彼らにとってのランディがいなかったために、途中で諦めてしまったケースはいくらでもあったに違いないと思った。

マリアが家族を取り戻すことができたのは、最初は頼りなかったけど、次第に成長し、最後まで闘いつづけたランディがいたからに違いない。

黄金のアデーレ名画の帰還2

絵画に込められた思いを知ることで、その作品の奥行きを知る


この映画を観るまで、もちろんクリムトの絵はいくつか知っていたし、画集やポストカードで観ていた。

そして、この映画を観ることで、クリムトがいた時代の背景を知り、その絵に奥行きが出てきたように思う。

もしも、いつかNYに行ける機会があった、この「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を生で観たいと思う。

この絵の裏側で、国を追われてしまった家族がいたことを思い出すために。

そして、その国から絵を取り戻すために戦った人たちがいたことを思い出すために。

素晴らしい絵画を見るということは、それぞれに込められた思いを知り、感じることなんだなと改めて思った。

そして、その素晴らしい絵の数々が、二度と戦争の犠牲になりませんように。



↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





「黄金のアデーレ 名画の帰還」 DVD

黄金のアデーレ 名画の帰還 [DVD]

新品価格
¥2,800から
(2016/12/8 16:25時点)




















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


ブログネタ
映画の適当な感想 に参加中!
ヘレン・ミレン主演、11月27日公開予定の映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」の予告編を観た。

クリムトが描いた名画「アデーレの肖像」の所有権を主張し、オーストリア政府を相手に訴訟を起こしたアデーレの姪を描いた物語。

主役のアデーレの姪を演じたヘレン・ミレンは、私が名前を聞いただけで出演作を見たくなる女優さんの筆頭。

この映画では、ヘレン・ミレンの自分の主張を絶対に曲げない芯の強さのようなものが観られそうな気がして、とても期待大なんだなぁ~

***********

〇 「黄金のアデーレ 名画の帰還」観ました!!

映画の感想はこちらから →「黄金のアデーレ 名画の帰還」クリムトの代表作の裏側に隠された実話の映画化。ナチスによって引き裂かれた家族を取り戻す戦いを描く。ヘレン・ミレン主演映画【感想】

***********

「黄金のアデーレ 名画の帰還」予告編 動画

(原題:WOMAN IN GOLD)



クリムトの肖像画「黄金のアデーレ」が欲しくなったら

世界の名画・クリムト アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像複製画 F3号豪華額装品

新品価格
¥10,800から
(2015/9/21 10:09時点)



正直、クリムトは良く知らないけど・・・時代背景がとても気になる・・・


正直な話をしてしまえば、私がクリムトと聞いて思い浮かべるのは、あの有名な作品「接吻」であり、その「接吻」でさえ、いつの時代に書かれたものなのかも良く知らない・・・


 ↓ クリムトと言えば・・・この「接吻」
黄金のアデーレ2


そんな私が予告編を観てとても興味を引かれたのは、クリムトの絵画「黄金のアデーレ」が描かれた時代背景を映し出したシーン

特に、「黄金のアデーレ」がナチに没収されてしまう場面だ

その時に、初めてこの絵「黄金のアデーレ」が第二次大戦当時に描かれたものだと知った私は、その先の物語をもっと詳しく観たいなぁと思った

ただ、私としては、その裏側にどんな理由があったとしても、名画と言われるものは、美術館が所有して一人でも多くの人の目に触れた方が、描いた側も、その絵を好きな人も幸せなことだと思っているので、その所有権をめぐる裁判の争点もとても気になるところ

黄金のアデーレ

ベテラン女優と、売れっ子俳優たちの共演

「黄金のアデーレ」の所有権を主張する主人公マリアを演じるのは、「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」「クイーン」「消されたヘッドライン」のヘレン・ミレン

予告編しか見てないけれど、彼女の素晴らしい演技力を感じさせてくれそうなシーンがありそうで、とても楽しみ

共演は「ライフ」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「白い沈黙」、「デッドプール」、「あなたは私の婿になる」のライアン・レイノルズと、「ヒトラーへの285枚の葉書」「ラッシュ/プライドと友情」「誰よりも狙われた男」のダニエル・ブリュール

最近、ハリウッド映画では、ドイツ語なまりの英語が話せる俳優として、必ずと言っていいほど、ダニエル・ブリュールの名前が挙がるんだなぁと思っちゃうぐらいの活躍っぷり

あぁぁぁぁ。観たいなぁ。この「黄金のアデーレ 名画の帰還」

11月27日公開予定

「東京国際映画祭」で公開、ヘレン・ミレン来日が決定(10/9 追記)


この映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」が東京国際映画祭で公開され、合わせてヘレン・ミレンも来日するとのニュースが入ってきた。

それは、もしかして、生でヘレン・、ミレンが見られるということですか・・・??

あぁ~、生のヘレン・ミレン見たいなぁ~

↓ 詳しくは、こちらから



***********

〇 「黄金のアデーレ 名画の帰還」観ました!!

映画の感想はこちらから →「黄金のアデーレ 名画の帰還」クリムトの代表作の裏側に隠された実話の映画化。ナチスによって引き裂かれた家族を取り戻す戦いを描く。ヘレン・ミレン主演映画【感想】

***********

↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村




クリムトの肖像画「黄金のアデーレ」が欲しくなったら

世界の名画・クリムト アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像複製画 F3号豪華額装品

新品価格
¥10,800から
(2015/9/21 10:09時点)












↓ 古本、CD、DVD、ゲーム買取のもったいない本舗





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック