とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ググ・ンバータ=ロー



ジェシカ・チャステイン主演の映画「女神の見えざる手」を映画館で観た。

政界で最も信頼されているロビイストのリズが銃規制法案の票集めのために、大手ロビー会社から小さな会社に移籍し奮闘する社会派ドラマ。


満足度 評価】:★★★★☆

ジェシカ・チャステイン演じるロビイスト、リズ・スローンの辣腕ぶりにグイグイと引き込まれながら観た!

正直、こんなに面白い映画だと思っていなかったので、ちょっとビックリした。

アメリカの銃社会を変えることは不可能。そう言われてきた。しかし、本当に不可能なのか。

一人の女性ロビイストが不可能を可能にする。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「女神の見えざる手」予告編 動画

(原題:MISS SLOANE)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年10月30日 映画館にて鑑賞した感想を掲載。

・2018年10月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。

映画『女神の見えざる手』公式サイト



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キャスト&スタッフ


出演者

ジェシカ・チャステイン
…(「モリーズ・ゲーム」、「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」、「オデッセイ」、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」、「インターステラー」、「MAMA」など)

マーク・ストロング
…(「シャザム!」、「キングスマン:ゴールデンサークル」、「キングスマン」、「記憶探偵と鍵のかかった少女」、「イミテーションゲーム」、「リピーテッド」、「ワールド・オブ・ライズ」、「シャーロック・ホームズ」、「裏切りのサーカス」、「キック・アス」など)

ググ・ンバータ=ロー
…(「砂上の法廷」、「幸せの教室」など)

〇アリソン・ピル

ジョン・リスゴー
…(「ザ・コンサルタント」、「インターステラー」、「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」、「シビル・アクション」など)



監督

ジョン・マッデン
…(「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「恋におちたシェイクスピア」、「マリー・ゴールドホテルで会いましょう」など)


2017年製作 フランス・アメリカ合作映画



女神の見えざる手




あらすじ


エリザベス(通称:リズ)・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、政界で最も信頼されているロビイストのひとり。

そんな彼女が勤務するロビー会社では、銃規制法案に反対票を集める仕事を請け負うことになった。

彼らの裏側にある銃器メーカーを考え、このロビー活動に成功すれば莫大な利益が会社に入ってくると幹部たちは計算し、リズのチームをその仕事に指名した。

しかし、リズ本人は銃規制法案に賛成派のため、その仕事を請け負うことができないと判断し、これまで勤務していた会社を辞め、銃規制法案に賛成派のロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)がCEOを務めるロビー会社へ転職することに。

そして、彼女はこれまで共に戦ってきたチームのメンバーのうち、リズの意見に賛同する者をシュミットの会社へ連れて行ってしまう。

だが、銃規制法案を可決させるのは、なかなか一筋縄ではいかず…。



女神の見えざる手2



感想(ネタばれあり)


ロビイストとは何をする仕事なのか


ロビイストと言われても、あまり日本ではピンとこない職業ではないだろうか。

東京オリンピックを誘致する時に、その職業を知ったという人もいるかもしれない。

私も、ロビイストという職業について名前を聞いたことはあっても、具体的にどんな風に仕事をしているのか、よく分かっていなかった。

しかし、Netflixで配信しているドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で、マハーシャラ・アリがロビイストを演じているのを見て、その仕事内容に興味を持つようになった。



ロビイストとは、「票を集めること」が仕事である。

例えば、国会で審議される経済政策について、政治家たちが賛成、または反対票を投じる時、顧客(企業)にとってより都合が良い方に票が集まように政治家たちに働きかける。

東京オリンピックの場合、東京都から雇われたロビイストたちは、投票権ある人たちに東京の良さをアピールし、一人でも多くの人が東京に投票するように説得する。

感動的な「おもてなし」のスピーチの裏で、そんなロビイストたちによる熱心なロビー活動が行われていたからこそ、東京はオリンピックを誘致できたのである。



この映画の主人公のリズ・スローンは、業界でも有名なロビイストであり、国会で審議予定である「銃規制法案」の賛成票を集めるためにロビー活動を行っていた。

銃廃止ではなく、銃規制。

現在のアメリカでは、成人なら誰でも普通にスーパーで銃が買えてしまうけど、今後は、「誰でも」ではなく、厳しい審査を通過した人だけが買える世の中にしようというのが、「銃規制法案」。



そうなると困るのが、銃の売り上げで生活している「銃器メーカー」や、銃をこよなく愛する「ライフル協会」の人たちと、彼らに支持されている政治家たち。

もしも、銃規制法案にYesと投票したら、支持母体を失ってしまい、政治家を続けられなくなってしまう政治家もいる。

アメリカで、その「銃器メーカー」や、「ライフル協会」の圧倒的な数を抑えて『銃規制法案』を通過させるのは、不可能に近いと言われている。

実際、現実のアメリカで何度も銃を規制しようという動きはあるものの、それが実施されることはない。



そんな中、リズ・スローンは「銃規制反対派」の保守的でマッチョな人たちに立ち向かうのだ。

大手ロビー会社を捨て、政治家たちに「銃規制 Yes!」と言わせるために闘い続ける

彼女にとっては、「勝ち目がないからこそ、やりがいのある仕事」だったんだろうと思う。



これを観ていると、ロビイストのがんばり一つで、アメリカに銃規制をさせることが可能なのでは…と思えてくるから面白い。



女神の見えざる手3



世論を動かすためには何でも利用するのが、ミス・スローン


そんなロビイストに最も大事なこととは何か。

予見すること。敵の動きを予測し、対策を考えること」だと、リズ・スローンは言う。

彼女は、敵 (この場合、「銃規制法案」に反対の人たち) を出し抜くためには、どんな手段も使う人だった。

それこそ、ゴキブリさえも。



この映画の面白さは、そのミス・スローンが「相手を言い負かす」ディベート力にある

とにかく、しゃべる。そして、決して負けない。

ディベートが苦手な日本人の代表のような私からすると、立て板に水のごとく、よどみなくしゃべり続けるミス・スローンが羨ましくて仕方がなかった。

相手の出方を予測しながらしゃべり続け、かつ、説得力を持たせながら、先手を打って相手を黙らせる。

そして、時には身内も引き込んで世間を驚かせる話題を提供する



本来なら、ディベートの上手さで世論を動かすのは政治家、もしくは弁護士の仕事だったはず。

しかし、「失言」を恐れた政治家たちはロビイストという代役を通じて世論を先導する時代がやってきたようだ。

ロビイストは政治家と違って合法的にお金を使えるという利点もある。



ということは、資産が豊富で弁が立つロビイストが1人いれば、この世の中を変えることができるということなのか。

さらに、これからの時代はマイノリティの意見を反映した方が世論の受けが良い

ここで言うマイノリティとは、女性、LGBTQ、有色人種たち。

リズが、テレビの討論会で部下のエズメ(黒人の女性)を利用したのは、もちろん、計算ずくのことである。



ミス・スローンは、現代のアメリカの政治を象徴しているような存在なのである。



女神の見えざる手5



信念がブレまくる政治家たちと、一貫して信念を曲げないロビイストの皮肉


そして、この映画を観ていて強く感じたのは、「右へ左へと揺れ動く政治家」たちの信念のなさだった。



この映画の中には、一枚のホワイトボードが登場する。

そのボードは、3つのエリアに分かれていて、

左端は「銃規制 賛成派」、右端は「銃規制 反対派」、真ん中は「どちらにしようか迷っている派」

分かりやすく左派、右派、中道派に分けて描いてくれているのがありがたい。



その3つのブロックの人たちは、何かあるごとに揺れ動き、その中の人数が変わっていく。

そこから分かってくるのは、政治家たちは、自身の信念に動かされているわけではなく、世論を見て動いているということ。



それに比べて、ミス・スローンは最初から最後まで一貫して、「銃規制に賛成」の信念を貫いている。

果たして、どちらが「政治家として」あるべき姿なのだろうか。

政治家たちは「銃規制法案」について審議しておきながら、「誰も真剣に銃が無くなった世の中のことを考えていない」のだ。

彼らは、少しでも長く国会に籍を置くことしか考えていない。



皮肉なことに、そのフラフラと揺れ動く政治家たちの様子を見て、先日、日本で行われた(2017年10月)衆議院選挙のことを思い出した。

あの選挙の時も、平気で信念を変え、「勝てそうな政党」に移った人たちがいた。

そして、選挙に負けると、自分が信念を変えたことに対する反省もなく、党首のせいにする。

いや、人のせいにする前に、君たちの信念はどこへ消えてしまったのかと聞きたい。

恐らく、これは世界中で見られる光景なのだろうと思う。



ミス・スローンの信念が1㎜もブレないからこそ、右へ左へとウロウロする政治家たちの姿が際立って見えてくる。

政治家たちに、ロビイストの姿勢を見習って欲しいと思ってしまうのは、なんとも皮肉な話だと思った。



女神の見えざる手4



政治とは一体誰のためのものなのか


そして、考える。

一体、「政治」とは誰のためのものなのか

ロビイストが金を集めるためのものなのか、政治家たちの職業を安定させるためにあるものなのか。



映画の前半部分でミス・スローンは、自動車免許の取得試験に失敗した過去を明かし、「車の運転をするよりも、政治の方が向いていると思った」と言っている。

その時は「では、なぜロビイストになったのか…」と思った。



しかし、映画を最後まで観終わって、なるほど と思った。

彼女の言う「政治」の意味するところが、「世論を正しい方向へ動かすこと」だとするなら、政治家になるよりもロビイストになった方が満足感を得られると考えたのではないだろうか。



だからこそ、ミス・スローンにとって、この「銃規制法案」のロビー活動が念願の機会だったのでないか。

自分がどんな窮地に立とうとも、結果、自爆することになろうとも、最後まで世論に訴えかける方法を用意していたのは、なんとしてでも、彼女の人生を賭けてでも、この法案を通したいと思ったから。



もちろん、「負け」を許さない性格もある。

本来なら、政治家が「政治生命を賭けてでも」取り組む問題のはずなのに、なぜか、ロビイストが自分の人生と引き換えに、その法案を通過させてしまった

一体、政治家の信念はどこへ行ってしまったのか



とにかくジェシカ・チャステインがカッコイイ!それだけでも一見の価値がある映画だったけれど、

ある1人の信念を持った女性の仕事への取り組み方、生き方を私たちに提示する作品でもあるし、政治の現状と希望を示した作品だった。

私は、彼女の活躍で世論が変わったことに希望があると信じたい。

そして、日本にも、信念のない政治家たちを振り落とすために、ミス・スローンが必要だと思われる。



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キアヌ・リーブス主演の映画「砂上の法廷」をWOWOWで観た。

父親殺しの容疑をかけられた少年の裁判。しかし、少年は弁護士に対し何一つ語ろうとせず…。

最後に結審するまで、その真相が語られない法廷ミステリー。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

細かいところで詰めが甘い部分があったものの、予想外に楽しめた作品。

最後のオチも、「おぉそう来たかぁ」と最後まで読めなかった。

(ということで、この感想はネタバレを含みます。映画を観てからお読みになることをおススメします。)

「砂上の法廷」予告編 動画

(原題:THE WHOLE TRUTH)




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キャスト&スタッフ


出演者

キアヌ・リーブス
…(「おとなの恋は、まわり道」、「ジョン・ウィック チャプター2」、「ネオン・デーモン」、「ジョン・ウィック」、「地球が静止する日」、「コンスタンティン」、「マトリックス」、「スピード」など)

レニー・ゼルウィガー
…(「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」、「ブリジット・ジョーンズの日記」、「ふたりの男とひとりの女」、「母の眠り」など)

〇ジム・ベルーシ

ググ・ンバータ=ロー
…(「女神の見えざる手」、「幸せの教室」など)

〇ガブリエル・バッソ

監督

〇コートニー・ハント

2016年製作 アメリカ映画

砂上の法廷



あらすじ


大物弁護士のブーン・ラシター(ジム・ベルーシ)が殺害される事件が起きた。

検事局は、逮捕された息子のマイク(ガブリエル・バッソ)を少年法ではなく第一級殺人として裁判に持ち込んだ。

マイクの母親・ロレッタ(レニー・ゼルウィガー)は、ラシター家と気心が知れた弁護士のリチャード・ラムゼイ(キアヌ・リーブス)をマイクの弁護士に選出。

しかし、事件以来マイクは一切口を閉ざしたままであり、状況証拠はマイクを犯人だと示していて、リチャードは完全に不利な立場に立たされていた。

砂上の法廷2



感想(ネタバレあり)


真相が二転三転し、最後まで飽きさせない展開


法廷サスペンス映画の面白さというのは、真相はどこにあるのかという謎解きの部分と、正義をかけて弁護士が闘うというヒーロー的なかっこ良さ、弁護士 vs 検事の緊迫感、その他にも陪審員たちの人間ドラマなどにある。

この映画でいえば、「第一級殺人の容疑をかけられた少年を弁護士が救うことができるのか」が、この映画の最大のテーマだった。

しかし、現場に残された状況証拠は完全に「少年が犯人」だと告げていた。

さらに、その当事者である少年は事件について一切語ろうとしない。

そのことが、「真相を闇」にしていた。

そして、その闇が二転三転し、最後まで観客を飽きさせない緊迫感のあるサスペンス映画となっていた。

砂上の法廷3



「母親が真犯人?」という、観客にしかけられたトラップ


この映画「砂上の法廷」を観始めた当初は、「母親が真犯人なのでは??」と疑いながら観ていた。

というのも、容疑者の父親ブーンが妻(容疑者の母)に対しDVやレイプをする場面が何度も差し込まれていたからだった。

観客の目線から観たら、明らかにブーンは酷い男であり、母は弱い立場の気の毒な女性だった。

だから、そこで私たちは「これって、お母さんをかばうために、マイクが『自分がやった』と言ったんじゃないの??」と思ってしまう。

それまでのマイクを観る限り、彼は非常におとなしく、賢い人間で、いかにも人を殺せないようなタイプの人間だったからだ。

しかし、それらは全て観客にそう思わせるための「目くらましの仕掛け」だった。

最後に「えぇ!まさか!!」と思わせるための仕掛け。

だから、ここは、まんまと騙された方が、この映画をより楽しめる仕掛けになっている。

砂上の法廷4



「陪審員制度」の穴を熟知した息子の証言


しかし、その「母親犯人説」が急展開する出来事が後半に起きる。

それまで「無言」を貫いていた容疑者の少年が、「証言台に上がる」と言い出したからだ。

それまでマイクとうまくコミュニケーションが取れていなかったリチャードは、ジョシュのジャネルを法廷に立たせ、リチャードの本音を引き出そうとしていた。

ジャネルは黒人の女性で、「陪審員の同情を買うに最も適している」と思ったからだ。

ところが、「陪審員の同情の買い方」を誰よりも熟知していたのは、容疑者のマイクだった。

マイクは証言台に上がるなり、いきなり「父に度々レイプされていた」とぶっちゃけ告白を始めた。

これは、リチャードも、ロレッタもジャネルも意図していなかった答えだった。

そして、見事にそのかわいそうな少年の気の毒な告白に陪審員は同情する。

ここでミソなのは、マイクはやり手弁護士ブーンの息子であり、幼い頃から裁判に興味があって、司法制度には大人顔負けの知識があるということ。

だから、「裁判で最後に勝つのは陪審員の同情を買った者であり、正義ではない」ことを熟知していた。

結局、彼は「母を救うために」自ら容疑者となり、最後には無罪放免になるまでを頭に描いていた。


砂上の法廷5



「正義とは何か」を問いかけたつもりが…


しかし、さらに物語は逆転する。

「ロレッタと不倫関係にあったリチャードがブーンを殺した」というのが、ことの真相だった。

「母親が真犯人」という目くらましにダマされ、最後の最後に逆転するというのが、この映画の最大の見せ場だった。

と同時に、「正義」を追求するはずの裁判において、「陪審員制度では、同情を買った者が勝ち」なのはいかがなものかと疑問をながかける作品にもなっている。

さらに、もしも、弁護士自身が犯人だった場合、偽の犯人を利用して、自分の罪を隠すことができるというトリックまで公開している。

「法廷とは、本当に正義を守るところなのか」と問題提起するはずの作品だったと思う。

しかし、残念ながら、その問題提起が心に刺さる程の作品にはなっていない。

それは「真犯人が誰か」のトリックに重点が置かれてしまったからだと思う。

観客は、「そうか、弁護士が犯人だったのかぁ。すっかりダマされたね。」という感想で終わってしまうに違いない。

なぜなら、殺されたブーンに誰も同情しないからだ。

犯人が弁護士だろうが、妻だろうが、息子だろうが、誰でもかまわない。

死んで当然の人が死んだまで。

となってしまうと、そこに深みは生まれない。

少しでもブーンに良いところがあったなら、もっと話が違っていたように思えてならない。





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