とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ケン・ローチ



ケン・ローチ監督の映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」を映画館で観た。

心臓病を患いながら一人暮らしを送るダニエルの生活を通して、イギリスの生活困窮者に対する行政の厳しさを訴える。


満足度 評価】:★★★★★

人が人らしく生きる権利はどこにあるのか。

あまりにも理不尽なできごとの繰り返しに、何度も泣いて、何度も腹を立てながら観た作品だった。

観終わった後は、エンドクレジットが終わってもしばらく涙が止まらなかった…。


「わたしは、ダニエル・ブレイク」予告編 動画

(原題:I, DANIEL BLAKE)




見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、現在U-NEXT で配信中


Amazon Primeで観る:「わたしは、ダニエル・ブレイク」(字幕版)

わたしは、ダニエル・ブレイク (字幕版)

新品価格
¥500から
(2018/5/13 15:39時点)



DVDで観る:「わたしは、ダニエル・ブレイク」

わたしは、ダニエル・ブレイク [Blu-ray]

新品価格
¥3,819から
(2017/7/22 15:28時点)



「わたしは、ダニエル・ブレイク」公式本【Kindle版】

I, Daniel Blake (English Edition)



キャスト&スタッフ


出演者

〇デイヴ・ジョーンズ

〇ヘイリー・スクワイアーズ

監督

ケン・ローチ
…(「この自由な世界で」、「ジミー、野を駆ける伝説」、「麦の穂を揺らす風」など)


2016年制作 イギリス、フランス、ベルギー合作映画

映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」

あらすじ


大工のダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は、心臓発作を起こして以来、医者から仕事をすることを止められている。

そのため、生活保護を受給しようと役所に行くが、審査の結果「仕事を探せ」と言われてしまう。

その審査に対し不服申し立てを行おうとするが、役人はパソコンを持っていない彼に対し、「申請はネットでしろ」の一点張り。

途方に暮れてしまう彼だったが、彼と同じく生活に苦しむシングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)とその子供たちの一家と知り合い、互いに支え合うようになる。


映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」


感想(ネタバレあり)


予算削減のための政策が生活困窮者をさらに苦しめる


主人公のダニエル・ブレイクは生活困窮者である。

心臓発作を起こして倒れた後は、医者に「仕事を辞めなさい」と言われ、仕事ができないならと生活保護を受けようとしても、国には「仕事をしろ。仕事を探せ」と言われてしまう



そんなダニエルの生活を見つめるこの映画の中で、聞き慣れない言葉があった。

それは、「寝室税」である。



映画の中で、ダニエルが「『寝室税』だって払っているのに、なんでこんな仕打ちを受けなきゃいけないんだ」と言うセリフがある。

あまりにも聞き慣れない言葉であり、どんな税金なのか想像もつかないので調べてみた

簡単に説明すると、こんなことらしい ↓

bedroom tax(寝室税)とは2013年4月にイギリスで導入された制度で、使われていない寝室の数に対し、低所得者向け住宅手当の支給額を削減する制度

 tax(税)の名称をとりながらも実際は金品を徴収するものではなく、手当を減額するシステムである。

財政支出削減の政策として行ったが、貧困層からの反発が強かったうえに裁判所による違法判決も出された。

eigonary より

つまり、財政難の国が低所得者層に対する給付金の予算を減らすためにひねり出した法案のよう。

なんとも理不尽で、急場しのぎの法案であり、貧しい人々の生活をより苦しめる法案であることは目に見えている。



この映画のダニエルのように、妻を亡くして一人暮らしをしている人は、妻と共に住んでいた家で暮らしていると、自動的に寝室が1つ多いと判断され、給付金が減らされてしまい、より生活が苦しくなる

ここで描かれる苦しみの全ての発端は、この訳の分からない「寝室税」にあり、国民の実情を考えずに法案を作った結果、余計に貧しい人たちを負のスパイラルに追い込んでしまったということが良く分かる。



映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」



日本でも起こり得る役所の理不尽な申請カット


ただでさえ、その「寝室税」で追い込まれていた主人公のダニエル・ブレイクは、生活保護受給申請でさらに追い込まれてしまう。



心臓発作を起こし、医者から「仕事はするな」と止められたにも関わらず、生活保護の申請を出すと「仕事をしろ」と言われる。

その件で不服申し立てをすると、「申請はネットで」と言われる。

そこで、パソコンを持っていないダニエルは図書館へ行って申請しようとするも、入力のしかたが分からず「エラー」が出てしまう…。



この堂々巡りは、まるでダニエルに対し、「生活保護を受けられるものなら受けてみろ!!」という国からの挑戦としか思えない



常にネットがそばにある私からしたら、「あらゆる申請をネットでできるようにして欲しい」と思うし、その方がありがたいとも思うけど、使えない人には使えない人用の申請方法があってしかるべきで、ハラスメントの1つに他ならない

それでも、私はそんなダニエルの様子を観ながら、「まさか日本ではこんな風に医者に仕事を止められた人まで働かせる自治体はないだろう」「イギリスは大変だ」などと思いつつ、ちょっと他人事のような感じで観ていた。



しかし、そうでもないらしい。

私が、この映画を映画館で観た時は、たまたま人権派弁護士の宇都宮健児氏のトークショー付きの回だった。



なので、直接彼から日本の現状について聞くことができたのだが、宇都宮氏によれば「日本でも同じようなケース(病気なのに働けと言われ生活保護を受けられなかった)が数件ある」ということだった。

そして、いずれも餓死したり、役所にたらい回しされたことが苦になって自殺したりなど、「死」まで追い込まれてしまったらしい。



私はそのトークショーを聞いて、今も日本のどこかに、ダニエル・ブレイクがいるかもしれないという現実を突きつけられた。



映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」



ちょっとしたミスさえも許されないお役所仕事が生活困窮者を追い詰める


ダニエル・ブレイクは、その堂々巡りの申請を行っている最中に、同じく生活困窮者でシングルマザーのケイティと知り合う。

ケイティはロンドンで生活保護を受けていたものの、2人の子供ともう少し広いところで暮らしたいと思い、郊外にあるダニエルが暮らす街へ引っ越してきた。



ダニエルはそんなケイティ一家と知り合い、ケイティが仕事探しをしている間、ダニエルが子供の面倒をみたり、それに対し、ケイティがダニエルに食事を作るなどして、互いに助け合うようになる。

「遠くの親戚よりも近くの隣人」そんな関係だろうか。



私がこの映画の中で、最も心に残ったのは、ケイティとダニエルがフードバンク(生活困窮者に対し、食料を提供する施設)へ行くシーンだった。

係りの人に言われた通りに食料を手にしていたケイティが、おもむろに缶詰を手に取り、一心不乱にむさぼりつく。



「あまりにもお腹が空いてしまって」と泣きながらへたり込むケイティ

あのケイティの一心不乱な姿は、あまりにも衝撃的だった。



仕事がないまま二人の子供を育て、生活保護を受けに行こうとすると、引っ越したばかりで道に迷い、ようやくたどり着いたかと思えば「遅刻した人は審査を受けられません」とはじき出される。

役所の人たちも「規則を破った時の責任」を問われることを恐れ、「これは規則だから」の一点張り。

そんな社会がケイティを追い詰める。



そこに彼女の気持ちが分かるダニエルがいて、「君は間違っていないよ」と言ってくれたから、まだ心が救われた。

もし、ケイティが1人だったら、きっと心が折れてしまっていたに違いない。



映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」



国が福祉の予算を削るたびに、貧しい人たちも国から削られていく


そもそも、法律や国の予算は国民一人一人が人間らしく生きるためのものである。

しかし、財政が悪化していく中、予算を削っていくと、それと同時に貧しい人たちの生活もまた削られていく。



彼らが求めているのは、生活困窮者に対する施しではない。

仕事をしたい人が仕事をして、仕事ができない人は仕事ができるようになるまで保護を受ける

そういう、当たり前の生活なのだ。



全ての人がトップランナーを目指さなくても良い

ただ、全ての人が最低限の生活ができるようになるボトムアップの政策が必要なんだと思った。

それが、人間らしい生活であり、生きる権利なのだと思う。

予算を削れば良いというものではない。



私だって、いつ生活困窮者になるのか分からない。

そうなった時、私にはダニエルとケイティのように頼れる友人はいるだろうか…。

いつか来るかもしれないそんな時を想像すると、なんだか背筋がゾッとするような恐怖を感じる

常に、社会の底辺で生きる人たちにスポットライトを当ててきたケン・ローチの傑作映画だと思った。


見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、現在U-NEXT で配信中






↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





Amazon Primeで観る:「わたしは、ダニエル・ブレイク」(字幕版)

わたしは、ダニエル・ブレイク (字幕版)

新品価格
¥500から
(2018/5/13 15:39時点)



DVDで観る:「わたしは、ダニエル・ブレイク」

わたしは、ダニエル・ブレイク [Blu-ray]

新品価格
¥3,819から
(2017/7/22 15:28時点)



「わたしは、ダニエル・ブレイク」公式本【Kindle版】

I, Daniel Blake (English Edition)


















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


ケン・ローチ監督の映画「ジミー、野を駆ける伝説」をWOWOWで観た。

アイルランドで、裁判もなく国外追放となった実在の人物ジミーの物語。

【満足度】:★★★☆☆(3.5)

すごく面白かったわけではないけど、知らなかったアイルランドの歴史を知ることもできたし、大好きなアイリッシュダンスも見ることができた。

「ジミー、野を駆ける伝説」予告編 動画

(原題:JIMMY'S HALL)





「ジミー、野を駆ける伝説」DVD

ジミー、野を駆ける伝説 [DVD]

新品価格
¥3,809から
(2016/3/9 00:28時点)



あらすじ


1932年のアイルランド。

10年前の内戦当時、活動家だったジミー・グラルトン(バリー・ウォード)は、アメリカから故郷へ帰郷する。

久しぶりの故郷は、静けさを取り戻すように見えたため、住民たちからの強い要望もあったことから、当時集会所として使用していた「ホール」を再開する。

そして、彼らは音楽や、ダンス、芸術をそこで学び始める。

しかし、地域の教会の神父はそのことをよく思っていなかった…。

ジミー野を駆ける伝説

感想(ネタバレあり) 伝説の男ジミーとは??


アイルランドの田舎町に、ジミーという人がいた。

彼は、他の人よりもちょっと進んだ考え方を持っていて、地域住民が集まることができるホールを作った。

そして、そこで何も娯楽のない農民たちが、音楽やダンスや絵画を学べるようにした。

農家の人たちが通えるカルチャースクールのような感じかなぁ。

しかし、彼はキリスト教に所属していなかったために、、危険分子のリーダーとして、目をつけられてしまった。

そこで、逮捕され、投獄されることを恐れたジミーはほとぼりが冷めるまでアメリカへ逃亡。

10年後、アイルランドへ帰郷するが、結局同じことの繰り返しになってしまい、最終的には裁判にもかけられることなく、強制的に国外追放にされてしまった。

その後、アイルランドの地元では、伝説の男として語り継がれるようになったというお話。

このジミーという人は、実在していたんだなぁ。

でも、国外追放になってしまったから、アイルランドの歴史には残っていないらしい。

ジミー野を駆ける伝説2

言論弾圧の先頭に立っていたのは神父だった


私がこの映画を観ていて、一番意外だったのは、IRAの人たちはアイルランドの人たちの代表であって、国民の味方だと思っていたのに、この映画の中では、教会や警察と結託して、積極的に赤狩りをしていたこと。

それには、ちょっとビックリした。

私の中では、IRAは虐げられたアイランドの代表、すなわち「善」だったので、それが「悪」だと認識するまで、ちょっと混乱してしまった。

で、この部分はアイルランドの人たちにとっては、当たり前のことのようで、特にこれといった説明も無かったから、それは、この地域だけのことなのか、国全体がこうだったのかとか、理解するのに時間がかかってしまった。

まぁ、そもそもおかしいのが、神父が先頭に立って言論を弾圧しちゃってるところ。

ここの部分も事実だとしたら、恥を知れって感じだよね。

神父は弾圧する方じゃなくて、市民をかくまっても守る方だろう。

結局、まるで クー・クラックス・クラン(kkk)のような神父の一声で、ジミーは国外追放に。

あぁ、お母さんがかわいそう。

ジミー野を駆ける伝説3

アイルランドが生んだ芸術。アイリッシュダンス


しかし、この映画を観て、私が嬉しかったのは、大好きなアイリッシュダンスを観られたこと。

私、かつてリバーダンスが大好きで、劇場に見に行ったんだよねえ。

今日は、この映画を観ながら、昔大好きだったリバーダンスを思い出したよ~。

市民がホールに集まると、あの素晴らしい音楽が聴こえてきて、みんながダンスを踊り始めるっていうのが良かった。

あのダンスと音楽は、本当にあの土地から生まれたものなんだなと確信した。

素晴らしきリバーダンスをご存じない方は、こちらから
▼  ▼  ▼



市民の味方のケン・ローチ


監督は、イギリスを代表するケン・ローチ

常に一貫しているのは、ケン・ローチは「市民の味方」であるということ。

この映画の神父とは大違いだね。

特に、真面目に生きている貧しい市民にすごく同情的な視線を持っているのが、ケン・ローチの特色。

その常にぶれないクオリティが、この人が世界中から信頼され、常に各地の映画祭から呼ばれる理由なんだなぁ。

私も、ケン・ローチの映画を見る時は、ちょっと辛い思いをする覚悟をしてから見るもんね(笑)

この映画に限っては、そんなに辛い思いもしなかったけど。

他の監督作品には、「麦の穂をゆらす風」、「この自由な世界で


ジミー野を駆ける伝説4


当たり前のようで、当たり前ではないこと


この映画では、アイルランドの赤狩りが描かれている。

当時は、アイルランドだけでなく、イギリスもアメリカも発言の自由はなかった時代の話。

当時を思うと、毎日、こうしてブログを自由に書けるだけでも、とてもありがたいこと。

言論の自由も、娯楽を楽しむ自由も、今では当たり前のことだけど、その当たり前のことを手に入れるために、戦った人たちもいたんだなということを、胸に刻んでおくべし。

決して、当たり前のことではないのだね。

しかし、アイルランドの緑が素晴らしく美しかった。

いつか実際に行って観てみたい美しさだった。



↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村



「ジミー、野を駆ける伝説」DVD

ジミー、野を駆ける伝説 [DVD]

新品価格
¥3,809から
(2016/3/9 00:28時点)






















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


ケン・ローチ監督、キリアン・マーフィ主演の映画「麦の穂をゆらす風」をWOWOWで観た。

第59回カンヌ国際映画祭(2006年)パルム・ドール(最高賞)受賞作品。

1920年から、アイルランドで始まったイングランドからの独立を求める運動を描く。

満足度 評価】:★★★★☆

当時、イングランドから自由を求めていた若者たちを、とても力強く描いた作品。

だけど、私はなんだかとっても空しかったなぁ。


「麦の穂をゆらす風」予告編 動画

(原題:THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY)





DVDで観る:「麦の穂をゆらす風 」

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD]

新品価格
¥4,740から
(2016/2/12 01:35時点)



ネット配信で観る:Amazonプライム「麦の穂をゆらす風」(字幕版)

麦の穂をゆらす風 (字幕版)

新品価格
¥300から
(2017/7/21 11:30時点)



キャスト&スタッフ


出演者

キリアン・マーフィー
…(「ダンケルク」、「フリー・ファイヤー」、「真珠の耳飾りの少女」、「白鯨との闘い」、「トランセンデンス」、「インセプション」など)

〇ボードリック・ディレーニー

〇リーアム・カニンガム

監督

ケン・ローチ
…(「わたしは、ダニエル・ブレイク」、「この自由な世界で」、「ジミー、野を駆ける伝説」など)


2006年製作 アイルランド映画


あらすじ


1920年のアイルランド。

医者になったばかりのデミアン(キリアン・マーフィー)はロンドンでNo.1の病院で働けることとなり、意気揚々としていた。

しかし、ちょうどその頃から英軍が集会を禁止したり、英語を話さない人間をリンチの末に殺したり、力でねじ伏せようとし始める。

その様子を見たデミアンは、ロンドン行を中止し、兄・テディが所属していた義勇軍に入り、ロンドンからの自由を求める運動に参加するようになる…。


麦の穂をゆらす風


感想(ネタバレあり) 独立戦争から内戦へと発展していく空しい時代


この映画を観終わった後、しばらく、ぼんやりと空しさを感じていた。

ここで描かれるのは、1920年当時のアイルランド独立戦争。

やっぱり、こういうの観てしまうと、「暴力では何も解決しない」と思うんだよね。

しかし、このアイルランドとイングランドの関係性は、そんな生易しいものではない。

主人公のデミアンは、何よりも、イングランドからの解放を目指していた。

一方で、デミアンの兄、テディは、途中までデミアン同様イングランドからの100%独立を目指していたが、途中から軟化路線へと変更し、「イングランド支配下での自由」を認めるようになる。

後半は、このデミアンとテディの兄弟の対立を中心に描かれる。

イングランドを「完全拒否」するか、それとも「一部受け入れ」するのか。

同じ「解放」を夢見て、共に戦ってきた兄弟でさえ、意見が割れ、対立し、殺し合うようになる。

彼ら兄弟は、独立戦争の末に自由を得たが、イギリス配下であることに納得のいかない国民を中心にアイルランド軍との内戦へと発展していった当時を象徴するように描かれている。

身内で互いを殺し合っている。

実際に、こういう兄弟もいたんだろうな。


麦の穂をゆらす風2

「貧困」は戦争では解決しない


本来、彼らにとって、最も解決しなければいけない問題は「貧困」だった。

イギリスのせいで「貧困」と考えるか、「貧困」をイギリスに助けてもらうと考えるか。

でも、結局どの道を選んでも、最終的には互いに殺し合う道を選んでしまう。

なんでだろう。

人間には「生きる」か「死ぬか」しかないんだろうか。

互いに、意見を交わして、受け入れらる部分は受け入れるっていう考え方は無かったんだろうか。

もう、その「何をやってもどうにもならない」感が切なくて、切なくて。

ちょっとしたことで、「人を殺してしまう」道を選んでしまう、その安易さが悲しい話だった。

そうだよな。

この映画は戦争を描いているんだ。

空しくて当然なんだ。

麦の穂をゆらす風3

キリアン・マーフィ X ケン・ローチ


主役のデミアンを演じるのは、キリアン・マーフィ

いつも、脇でしっかりと物語を固める役が多い、キリアン・マーフィ。

この映画では、優しくて賢く、自分の考えを最後まで貫き通すデミアンを作り上げていた。

真摯な姿勢のデミアンが良かったなぁ。

キリアン・マーフィの他の出演作には、「フリー・ファイヤー」、「真珠の耳飾りの少女」、「白鯨との闘い」、「トランセンデンス」、「インセプション」など

監督は、イギリスのケン・ローチ

イギリスの労働者階級の人たちの作品を得意分野としている監督。

この映画も、WOWOWのケン・ローチ特集の一本だったような…。

他の監督作品には、「この自由な世界で」、「ジミー、野を駆ける伝説」など


麦の穂をゆらす風4

せめて、デミアンたちの死が無駄にならないように


最近では、イギリスとアイルランドの関係も落ち着いているよう。

隣り同士なんだから、仲良くしなよと思うけど、兄弟が対立するように、近いからこそケンカしてしまう事情もあるんでしょう。

でも、今が平和なら尚更、この頃のデミアンのような自由のために戦った人たちの死を無駄にすることなく、これからも平和な道を進んで欲しい。

今さらだけど、この映画の景色がすごく綺麗だったので、アイルランドに旅行へ行きたいなぁと思ったよ(笑)



↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村



DVDで観る:「麦の穂をゆらす風 」

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション [DVD]

新品価格
¥4,740から
(2016/2/12 01:35時点)



ネット配信で観る:Amazonプライム「麦の穂をゆらす風」(字幕版)

麦の穂をゆらす風 (字幕版)

新品価格
¥300から
(2017/7/21 11:30時点)













WOWOW_新規申込 はこちらから







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


ブログネタ
映画の適当な感想 に参加中!
イギリスのケン・ローチ監督作品「この自由な世界で」をWOWOWで観た。

WOWOWのケン・ローチ特集の一本。

イギリスで33歳のシングルマザーが、会社を興し、運営していく姿を描く。

話は、イギリスでの移民問題にまで広がり、女性であること、働くこと、移民問題などいろいろ考えさせられる映画だった。

でも、今のタイミングで観て良かったなぁって思える作品だった。

「この自由な世界で」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:IT'S A FREE WORLD...)





「この自由な世界で」DVD

この自由な世界で [DVD]

新品価格
¥8,578から
(2015/11/8 00:12時点)



あらすじ


アンジー(カーストン・ウェアリング)は、飲み会で上司からセクハラを受け、その上司に対しコップの水をかけてしまう。

すると、その翌日にはクビを言い渡される。

そんなこともあって、バカな上司の下で働くことが嫌になったアンジーは、それまで勤めていた会社でやっていた人材派遣の業務経験を生かし、会社を立ち上げることに。

親友のローズに手伝ってもらいながら、事業をスタートさせるのだが・・・


この自由な世界で

感想(ネタバレあり) 自分を重ねてみている部分もあり・・・


私も、半年前まである会社で働いていて、そこでは、朝の10時から夜中の12時まで働いた上に、仕事の内容に対して、上司から酷いことを毎日言われるようなパワハラも受けていた。

結局、全てが嫌になって、逃げ出すように辞めてしまったけれど、今となっては、辞めて良かったと心底思っている。

そのせいか、セクハラに苦情を言ったらクビになってしまったアンジーの姿は自分と重なる部分もあって、なんだか人ごととは思えない映画だった。

この自由な世界で2

「働きたい人」が「相応の対価」をもらって「自由な生活を得る」のが当たり前なのに・・・


なんかさぁ、「働く」ってことは、もっとシンプルにはならないのかな。

働きたい人が働いて、その分の報酬はしっかりともらって、何不自由のない毎日を送る。

そんなシンプルなことが、なんでもっと簡単にできないんだろう。

イギリスの場合は、日本と比べるともっと複雑だ。

そこには、この映画にあるような、EU加盟国による労働移動があるからだ。

分かりやすく言えば、EUに加盟している東欧諸国からの移民たちの問題がある。

イギリス人と比べ、安い給料で働く彼らを雇いたい人たちはたくさんいるけれど、裏には、堅気ではない人たちがいて、彼らに賃金を搾取されてしまうこともある。

最近、日本でも移民の問題が話題に上がるようになったけど、

もしも、日本で移民の流入がもっと盛んになったら、こんな風になるのかなと考えながら見ていた。

昔は、上野公園に行けば、仕事を探しているイラン人が大勢集まっていた。

今ではそんな風景は見かけないけど、これからの日本では、また、公園や路地裏で、移民の人たちが仕事を待って集まっている。

そんな光景が目につくような時代が来るんだろうか・・・。

この自由な世界で3

印象的だったイランから逃げてきた本屋さん一家


働きたいのはEU加盟国の人たちだけでない。

「働きたい真面目な不法移民たち」もいる。

私にとって、この映画で最も印象的だったのは、イランから来た本屋さん一家。

本国では、「反体制的な本を売った罪」で罰せられるところをイギリスまで逃げてきたが、イギリスでは亡命申請を拒否され、本国には帰れず、寒くて日の当たらない倉庫のようなところで、隠れるように夫婦と子供2人の4人家族は身を寄せ合って暮らしている。

911以降、イランの移民の受け入れはやめているのだろうか・・・。

こんな姿を見ているだけで、こちらは心が痛くなるが、子供たちは、家族と一緒にいることが嬉しそうに無邪気な笑顔を浮かべている。

そんな笑顔に、ますます心が痛い。

これもまた、「働きたいのにそれなりの対価がもらえない」人たちの例だ。

この自由な世界で4

女性という壁が阻むもの


また、アンジーが女性だということも大きな壁となる。

会社を興したいと言えば、「前の会社に目をつけられたらろくなことが無いからやめておけ」と言われ、

両親にはそんな仕事を辞めて母親になれと言われ、

学校からは仕事が忙しくて子供の面倒が見られるのかと問い詰められ、

給料をもらえなかった労働者からは子供を誘拐されてしまう。

もしも、アンジーだ男性だったら、同じことが起きただろうか。

それでも、いつも胸を張り、ダメなものはダメとハッキリと言い、小切手が不渡りを起こせばとことん問い詰め、泣き言も言わずに前に進み続ける。

そんなアンジーの姿は、とても堂々としていて逞しく見えた。

ただし、人を使う仕事の人は、もう少し人に優しくして欲しいと思ったけど。

この自由な世界で5

イギリスの現在がとても気になる


個人的に、ケン・ローチの映画を観るのは、とても久しぶりだったので、すごく暗いんじゃないかとか、寝ちゃうんじゃないかとか、心配しながら見始めた。

ところが、全くそんな心配をする必要は無かった。

この映画が制作されたのが2007年で、ハンガリーやルーマニアがEUに加盟したばかりの頃だったので、労働力の移動が問題になった時期でもあったんだろう。

現在のイギリスの労働環境や、移民問題はどうなのか分からないけど、この頃よりは改善されているんだろうか。

本当に、「この自由な世界で」働きたい人が、働き、それなりの対価を手にするというシンプルな問題が、どの国でも解決すると良いなと思う。



↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





↓ ケン・ローチ特集「この自由な世界で」は、WOWOW_新規申込





買取ならもったいない本舗




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック