とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ケヴィン・クライン



エマ・ワトソン主演の映画「美女と野獣」【2D字幕版】を映画館で観てきた。

1991年に制作されたディズニーアニメーション「美女と野獣」の実写版。


満足度 評価】:★★★★☆

キャスティングも、衣装も美術も音楽もとても豪華で贅沢なミュージカル映画を楽しんだ。

お話の内容や次の展開を知っていても、想像を超える豪華さが目を楽しませてくれた。

「美女と野獣」予告編 動画

(原題:Beauty and The Beast)




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キャスト&スタッフ


出演者

エマ・ワトソン
…(「ハリー・ポッターと賢者の石」、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)

ダン・スティーヴンス
…(「クリミナル・ミッション」、「誘拐の掟」、「靴職人と魔法のミシン」、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」など)

ルーク・エヴァンス
…(「ワイルド・スピード ICE BREAK」、「ドラキュラZERO」、「ワイルド・スピード ユーロミッション」など)

ケヴィン・クライン
…(「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~」、「パリ3区の遺産相続人」、「幸せをつかむ歌」、「海辺の家」など)

ユアン・マクレガー
…(「プーと大人になった僕」、「ゴーストライター」、「T2 トレインスポッティング」、「われらが背きし者」、「8月の家族たち」、「天使と悪魔」、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「スター・ウォーズ/エピソード2 クローンの攻撃」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」、「トレインスポッティング」など)

イアン・マッケラン
…(「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「X-MEN」シリーズなど)

エマ・トンプソン
…(「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「ロング・トレイル!」、「二つ星の料理人」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「パイレーツ・ロック」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など)

ジョシュ・ギャッド
…(「僕のワンダフル・ライフ」(声のみ)など)

スタンリー・トゥッチ
…(「スポットライト 世紀のスクープ」、「プラダを着た悪魔」、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」、「ハンガーゲーム」シリーズ、「ジュリー&ジュリア」、「バーレスク」など)

監督

ビル・コンドン
…(「フィフス・エステート/世界から狙われた男」など)

2017年制作 アメリカ映画

美女と野獣

あらすじ


読書好きでよく働くベル(エマ・ワトソン)は、小さな田舎の村ででお父さん(ケヴィン・クライン)と2人暮らしをしている。

お父さんが作ったオルゴールを町で売って生活している二人だったが、ある夜、お父さんは町からの帰りに道に迷ってしまい、森の奥にあるお城にたどり着く。

そのお城で見事なバラの花を見つけたお父さんはベルへプレゼントしようと思い、バラの花を摘もうとした瞬間、見るも恐ろしい野獣(ダン・スティーヴンス)に捕らえられてしまう。

家でお父さんの帰りを待っていたベルだったが、馬だけが先に帰ってきてしまう。

お父さんを探すために、馬に道案内をさせると、たどり着いたのは野獣が暮らすお城だった…。


美女と野獣5


感想(ネタバレあり)


250年かけて語り継がれるフランスでは定番の恋物語


森の奥深くでひっそりと暮らす孤独な野獣。

人を見た目で判断しない心優しいベルは次第に彼の賢さと心の奥にある優しさに気付き始める。



誰もが知る「美女と野獣」の物語。

そもそもの原作は、1740年にフランスで書かれた童話である。

その後、1946年にフランスのジャン・コクトー監督が映画化し、1991年にはディズニーアニメーションで映画化された。

そのアニメーションが大ヒットし、この物語が世界中に知れ渡ることとなる。



この映画「美女と野獣」は、その時のディズニーアニメーションを実写化したものである。

その他にも2014年には、本国フランスでレア・セドゥヴァンサン・カッセル共演版の「美女と野獣」が制作されている。



フランス版の「美女と野獣」と、このアメリカ版を見比べてみると、アメリカ版の方がよりファンタジー色が濃く、よりおとぎ話的な要素が詰まった夢物語になっている。

決定的な違いは、フランス版では「貧しい国民たちを尻目に贅沢三昧だった国王」が呪いにかけられるが、アメリカ版では「愛を知らない国王」が呪いにかけられてしまう。

その部分だけみても、このアメリカ版は田舎町に埋もれた美女と呪いにかけられた野獣の恋に焦点をあてて描かれているということがよくわかる。



美女と野獣3



「野獣の心優しい内面を理解できるのは私だけ」その思いが母性本能に火をつける


なぜ、この「美女と野獣」の物語は250年以上もかけて語り継がれているのだろうか。

私はこの映画を観て、物語の中に世界中の女子が胸を焦がすシチュエーションが巧みに盛り込まれているからではないかと感じた。



まず冒頭の「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」が出てきただけで、自然とワクワクしてしまう

私たちがそこにワクワクするのには、それなりの理由がある。



私たちは幼い頃から「眠れる森の美女」や「シンデレラ」、「白雪姫」などの童話を読んだり聞かされたり、アニメで見たりして育ってきた。

そして、そこには必ずと言っていいほど「森の奥にあるお城」があり、そこには運命のお姫様を探す王子様が住んでいた。

それを繰り返し聞かされてきた幼い頃の私たちの脳は「森の奥にあるお城」と言われると、「姫を探す王子様」のイメージが浮かぶように洗脳されてきたのである。



だから、私たちは大人になっても「森の奥にある魔法をかけられた謎の城」と聞いただけで、脳にスイッチが入り、「お姫様を探す素敵な王子様がいるに違いない」と期待してしまう



それだけで私たち心はワクワクしているのに、さらに追い打ちをかけるように次の決定打が撃ち込まれる。

それは、「見た目は怖くても、本当は心が優しいあなたの内面を理解できるのは私だけ」というシチュエーションだ。

この一撃が女子たちの母性本能に火をつけ、「私がなんとかしなくては」という気分になってしまう



森の奥のお城でひっそりと暮らす王様が、魔法をかけられ、こんな姿になってしまった。

本人は反省しているみたいだし、私がなんとかしてあげなくちゃ…。



特に女子の心をくすぐるのは、「理解できるのは私だけ」という部分である。

野獣がガストンや村人たちに痛めつけられればつけられるほど、ベルの野獣への気持ちがどんどん強くなっていくのは、この「私だけ」の要素が強くなっていくからである。

おバカなガストンによって、ベルの恋心に火がつけられたと言っても過言ではない。



そしてそんなベルの恋心に感情移入し、呪われた野獣を不憫に思う心優しい観客の女子たちは、野獣がベルと心を通わせた瞬間に「あぁ良かった。これで王様も幸せになれる」とホッとして胸をなでおろし、ようやく成就した恋に心が揺さぶられ、涙を流すこととなる。

この物語は最初から最後まで「女子の大好きなシチュエーションの波状攻撃」のようなお話なのである。

そこが、250年間もこの物語が愛され続けた理由である。



美女と野獣4



変わり者の私を理解してくれるのはあなたただけ


「あの人を理解できるのは私だけ」、「私がなんとかしなきゃ」という女子たちの乙女心の裏側には、変わり者のの私を理解して欲しいという願望がある。



そもそも、魔法にかけられる前に王様とベルが出会っていたら、2人は恋に落ちていただろうか。

きっと、着飾ることよりも読書や働くことに熱心だったベルは「みすぼらしい田舎娘」だと王様に思われていたはず。



王様に会う前、ベルはガストンにそのことを指摘され、いつもなら言い返すところが、その時は何も言えなくなってしまっていた。

ベルはベルなりに、野獣と同じく「誰かに本当の私を理解して欲しい」という願望があったのだ。



化粧が薄くても、服装がみすぼらしくても、何よりも本を読むことが大好きで「変わり者」と言われてしまう私を理解してくれる人がどこかにいるはず…。

それがベルの密かに願う「白馬の王子様」だった。



だから、変わり者同志、野獣の「誰かに理解して欲しい」という願いがベルにも伝わったのである。

そこもまた、世界中の女子たちの「共感ポイント」になっている。



いつもモテるのはクラスの中心にいる「キラキラ女子」だけで、クラスの隅っこにいるような私は誰も理解してくれない。

でも、いつかきっと本当の私を理解してくれる王子様が現れるはず



そう思って日々暮らしている女子たちは皆、「変わり者」と言われ、肩身が狭い思いをしているベルに共感し、そんなベルを理解してくれる野獣との出会いに自分を重ね、「あぁやっぱりいつか王子様が現れるんだ」と、自分の考えが間違っていなかったことに安堵する

真面目で飾らない主人公のベルは、世の中の若い女子たちを見事に体現した女性像なのである。



美女と野獣2



豪華で贅沢なミュージカルを楽しんでいると2時間があっという間


原作が描かれてから250年も愛され続け、何度も映画化されたのは、世の中の若い女子たちの代表のようなベルが彼女たちの夢をそのまま叶えているところに理由があったのだ。

またアニメ版の世界を忠実に再現するために作られた豪華なセット、衣装、美術のどれもが素晴らしい。



そして、思った以上にしっかりとしたミュージカル映画になっていて、音楽やダンスも存分に楽しめた。

特にキャスティングがとても豪華で、その中でもガストンを演じたルーク・エヴァンス、ルミエールを演じたユアン・マクレガー、ミセスポットを演じたエマ・トンプソンがとても印象的だった。

エマ・トンプソンの歌声は初めて聞いたような気がするけど、彼女の歌う「美女と野獣」がとても温かくて、素晴らし過ぎて泣きそうになった。



それに、歌うのは初挑戦だというエマ・ワトソンも彼女の歌声の中にベルの几帳面さや真面目さ、爽やかさがあってとても良かったと思う。

よくよく考えたら、本好きで真面目な変わり者っていう設定はハーマイオニーとあまり変わらないので、エマ・ワトソンにとっては演じやすかった役なのではないかと思う。



その中でもミュージカルのシーンで一番印象に残っているのは、ルーク・エヴァンスかな。

ガストンの迫力満点な力強さは、さすがイギリスの舞台で鍛えた俳優さんだなと思ってしまう素晴らしさだった。

そんな豪華なミュージカルを楽しみながら観ていると、あっという間に2時間が過ぎてしまうとても楽しい映画だった。





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ケヴィン・クライン主演の映画「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~」をWOWOWで観た。

1930年代に「ロビン・フッド」俳優として活躍したアクションスター、エロール・フリンの最後の恋を描く。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャンパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

どこへ行っても大スターだと言われながらも、出演作が次第に減っていく寂しさ、それと同時に酒とドラッグで身を持ち崩してしまう哀しさ。

そんなエロール・フリンの前に現れたビバリーという天使。

ハリウッドが世に送り出した大スターの栄光と衰退、最後に彼が抱いた細々と光る希望を観た。

私は彼の気持ちが分かるような気がする。


「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:The Last of Robin Hood)




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キャスト&スタッフ


出演者

ケヴィン・クライン
…(「美女と野獣」、「パリ3区の遺産相続人」、「幸せをつかむ歌」、「海辺の家」など)

スーザン・サランドン
…(「ムーンライト・マイル」、「デッドマン・ウォーキング」、「タミー/Tammy」など)

ダコタ・ファニング
…(「500ページの夢の束」、「リチャード・ギア/人生の特効薬」、「I am Sam アイ・アム・サム」、「宇宙戦争」など)

監督・脚本

〇リチャード・グラツァー

〇ワッシュ・ウェストモアランド


2013年制作 アメリカ映画

ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~



あらすじ


1950年代後半、かつて「ロビン・フッド」に出演した人気アクションスターのエロール・フリン(ケヴィン・クライン)は、ハリウッドでオーディションを受けていたビバリー・アードランド(ダコタ・ファニング)と出会う。

オーディションと称してビバリーを自宅に招くようになり、2人は恋愛関係に発展していく。

しかし、エロールの付き人がビバリーの高校の先輩だったことから、彼女が未成年であることが発覚。

エロールはビバリーの母(スーザン・サランドン)を自宅に招き、世間の目をごまかすために、なるべくエロールとビバリーとビバリーの母との3人で会うようにするのだが…。

ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~4


感想(ネタバレあり)


ハリウッドスターにのしかかるプレッシャー、孤独、悲しみ


ハリウッドスターの栄枯盛衰。

主人公のエロール・フリンは1930年代、40年代に活躍した人気俳優である。

オーストラリア出身の彼は、1938年29歳の時にハリウッド映画「ロビン・フッド」に出演すると、たちまち人気スターになるが、私生活はスキャンダルが絶えなかった。

その後、彼は酒とドラッグで身を持ち崩すようになり、出演作も激減。

この映画は、そんな彼の1950年代、40代後半から50歳に死去するまでに起きたスキャンダルが描かれている。

エロール・フリンが活躍していた時代から80年経っても、私たちはハリウッドスターのスキャンダルを聞かない日はなく、彼のように酒やドラッグで身を持ち崩してしまうスターたちの悲しい話もよく耳にする。

そんな話を聞くたびに、「なんで、あんなに素敵な俳優がこんなことに…」と思うのだが、この映画を観ていると、そんなスターたちにかかる重圧、寂しさや悲しみが分かるような気がした。

つい、私たちも忘れがちなのだが、スターたちも人間であり、間違いを起こすこともある。

私はこの映画を観て、ハリウッドで成功した人たちの「孤独と悲しみ」を感じた。

ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~3

破天荒で自堕落だからこそ大スター


エロール・フリンは、20代から30代前半にかけて、大人気のアクションスターだった。

しかし、その後、酒とドラッグに溺れ、スキャンダルが絶えない生活を送っていた。

→(参考)Wikipedia「エロール・フリン」

このWikipediaのページを読むと、彼がどれだけ酒と女性にだらしない性格だったのかが良くわかる。

この映画の中では、48歳から50歳までのエロール・フリンが描かれているが、その中に印象的なセリフがある。

「酒とドラッグを辞めないと、もうすぐ死ぬと言われてから10年。私はまだ元気に生きている」

ということは、エロール・フリンは、38歳にして既に酒とドラッグで身体がボロボロになっていたと思われる。

でも、だからこそ、ハリウッドスターだなと思ってしまうのは私だけだろうか。

ヒット作に恵まれないプレッシャー、毎日のように開かれるパーティ、かわいくてきれいな女性が世界中から集まってきて彼を誘惑し、酒やドラッグは手を伸ばせばどこにでもある。

そんな誘惑に心を動かされない人も中にはいるんだろうけど、破天荒で自堕落だからこそ大スターなんだなと思ってしまう。

ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~2


大スターが純粋無垢な少女に求める「癒しの力」


そんな大スター、エロール・フリンの目の前に現れたのは、何も知らない純粋な少女ビバリーだった。

彼は彼女をウッジー(森の妖精)と呼び、常に側に置いておく様子を見ていると、ウッジーがまるで犬や猫のようなペットのように見えてくる。

つまりウッジーは彼にとって、仕事について根掘り葉掘り聞かず、寂しい時には話を聞いてくれ、常に彼のやることを肯定してくれる上に、性的欲求まで満たしてくれる、そんな都合の良いペットだったのではと思う。

ペットだなんて言うと、悪い印象を受けてしまうかもしれないが、私はエロール・フリンの気持ちが分かるような気がするのだ。

1人で寝る寂しい夜に、側にいて欲しいのは自堕落な生活にダメ出しをしてくる人ではない。

ただ、側にいて話を聞いてくれるだけで良いのだ。

彼の仕事への余計なアドバイスもいらないし、彼のネームバリューを売名に利用しようとするしたたかさも鬱陶しいだけだ。

だから、純粋で何も知らないウッジーが良いのだ。

映画の中で、エロール・フリンはウッジーが未成年だと知って驚くフリをするシーンがある。

それは嘘だ。

明らかに、社会のことを全く知らないウッジーだからこそ、側に置いておきたかったのだ。

何も知らない少女に「あなたは最高よ。あなたは素敵よ」と常に言って欲しかっただけなのだ。

ウッジーは未成年だったとはいえ、今の時代で言ったら、50歳を超えた大スターたち、ブルース・ウィリスやトム・クルーズが自分の半分ぐらいの年の恋人を連れて歩いているのとあまり変わらない気がする。

一般の人では想像つかないような巨大なプレッシャーの中で生きている彼らのハートはボロボロに砕かれおり、せめて私生活ぐらいは純粋無垢な妖精の放つオーラに包まれて癒されたいのだろう。


ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~5

世間から忘れ去られたスキャンダル俳優


この映画の舞台となっている1950年代は、冷戦の時代だった。

そんな中、エロール・フリンはキューバに行き、ビバリーを主役にして映画を撮っている。

映画の中では「カストロに共感して」と言っていた。

もしも、当時売れっ子の俳優がそんなことをしたら真っ先に「赤狩り」の対象とされ、国を追われた事態になっていたかもしれない。

しかし、映画の中での様子を見ていると、糾弾されている様子も見られず、話題にすらなっていない。

そこから、エロール・フリンは再び薬に溺れ始める。

ということは、彼は再びスポットライトを浴びるために、命がけで「キューバ行き」を決意したのかもしれない。

ところが、ハリウッドは彼の行動に興味を持たなかった。

つまり、ビバリーと出会った頃のエロール・フリンは、既に「ハリウッドから忘れられた存在」だったのではと思う。

起死回生のごとく、「キューバに行く」という一世一代の大芝居を打ったところで、彼に関心を示す人はほとんどいなかったのだろう。

その後、アメリカに戻り急死すると、ビバリーが未成年だったことが最大のスキャンダルとして取り上げられたのは、とても皮肉な話だ。

世間の人たちは、人にレッテルを貼って仕分けすることが好きである。

エロール・フリンは「酒と女が大好きなスキャンダル俳優」であり、「キューバ革命を支援する俳優」ではないのだ。

そのレッテルを必死になってはがそうとしても、なかなかこびりついて離れないのが、現実の悲しさなのである。



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ケヴィン・クライン主演の映画「パリ3区の遺産相続人」を観た。

一文無しのニューヨーカーが、パリにある父親の遺産であるアパートへ相続するために訪ねると、そこには92歳のおばあさんが暮らしており、フランスの住宅制度「ビアジェ」が邪魔をして簡単に相続できないことが分かり…。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

正直言って、コメディタッチのもっとお気軽な作品かと思っていたら、結構、内容の重い作品だった。

好き勝手生きるのは自由だけど、そのせいでパートナーや子供たちを巻きこんで、大切な人たちに与える心の傷は他人が思うより深いなと思った。

「パリ3区の遺産相続人」予告編 動画

(原題:MY OLD LADY)




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キャスト&スタッフ


出演者

〇ケヴィン・クライン
…(「美女と野獣」、「幸せをつかむ歌」、「海辺の家」など)

〇マギー・スミス
…(「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)

〇クリスティン・スコット・トーマス
…(「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」、「フランス組曲」、「海辺の家」など)

〇ドミニク・ピノン
…(「天才スピヴェット」、「アメリ」など)

監督・脚本

〇イスラエル・ホロヴィッツ

2014年製作 アメリカ、イギリス、フランス合作映画

パリ3区の遺産相続人


あらすじ


一文無しのマティアス・ゴールド(ケヴィン・クライン)は、亡くなった父の遺産を相続するためにパリを訪れていた。

父が彼に遺したのは一軒の古い庭付きのアパート。

彼はそれを売却してしまおうと思っていたのだが、そこには92歳になるマティルド・ジラール(マギー・スミス)が住んでいた。

そのアパートはそもそも彼女のものであり、フランスの法律「ビアジェ」に則って、マティアスの父が買った物だった。

「ビアジェ」によれば、そのマティアスはマティルドが亡くなるまで年金を払い続けなければならず、マティルドが亡くなった時、ようやく彼のものになると知り唖然としてしまう…。

パリ3区の遺産相続人4


感想(ネタバレあり)


フランスで高齢者の居住空間を保証する制度「ビアジェ」


フランス映画の素晴らしいところって、映画が社会を反映する鏡になっているところ。

社会背景として、その当時に起きている社会問題を描かれている作品がとても多い。

だからフランス映画を観ていると、フランスで今問題になっていることが良く分かる。

最近でいえば、最も多く取り上げられているのが移民問題だった。

そして、その次に増えているのが、パリを中心に起きている高齢化社会。

今年観たフランス映画「92歳のパリジェンヌ」も、パリの高齢化社会で起きる尊厳死について考えさせる作品になっていた。

そして、この「パリ3区の遺産相続人」もまた、パリの高齢化社会を扱っている作品だった。

まず、この映画を見始めてつまづくのが、パリの住宅制度「ビアジェ」だ。

「ビアジェ」とは、70歳以上の高齢者が家を売却する場合、家を購入した人間は、その持ち主の高齢者に対し、毎月年金を払わなければならず、また、その高齢者は、その家に住み続けることができる。

買主は、売主が亡くなってはじめて、その家を手に入れることができる。というもの。

これまではコストが高くつくために、買主はビアジェの家を敬遠してきたが、近年の高齢化社会に伴い、ビアジェが注目されているという。

その制度を理解するまでちょっと時間がかかったけど、70歳以上の高齢者は、死ぬまで住む場所が保証される制度なんだね。

パリ3区の遺産相続人3

57歳にして初めて知る「父のセカンドハウス」


その「ビアジェ」という制度を使って、マティアスの父は92歳の老婆・マティルドのアパートを買っていた。

マティルドが暮らすアパートを相続したマティアスは、彼女に対し、彼女が亡くなるまで年金を払い続けることとなった。

遺産を受け取って売り払うつもりが、逆に年金を払い続けるコストが必要になった。

そして、さらに、マティアスは、マティルドと父のかつてのただならぬ関係を知ってしまう。

父が家族よりもパリを愛していて、常にアメリカからパリへ通っていたのは、パリに家族よりも愛する人がいたためだった。

その愛する人を一生守り抜くために、マティアスの父はマティルドの家を「ビアジェ」で購入し、その家をわざわざマティアスに遺産として遺していた。

これは、マティアスに父とマティルドの関係を知らせるためだったのか…。

マティアスは、父の人生の全ても遺産として引き継ぐこととなった。


パリ3区の遺産相続人2

父の身勝手な愛が妻と息子の心につけた傷


しかし、マティアスは父が思っている以上にマティルドのことで心を痛めていた。

マティアスは父との関係がうまくいってなかった。

その理由がマティルドにあったんだと57歳にして初めて知る。

マティアスと母は父に愛されてないと思い続け、母は拳銃自殺、マティアスも自殺を図る。

父はマティアスを愛しているつもりでも、その心がパリにあったことをマティアスは感じ取っていた。

そして、その思いはマティアスと母を深く傷つけていた。

これ、57歳になって知るっていうのは、なかなか重い話だよね。

まさか、こんなところに第2の家があったとは…。

しかも、自分の心の傷の元となっているマティルドに対し、これからも年金を払い続けないといけないとは…。


パリ3区の遺産相続人5


何も言わぬ父からの遺言と託された母娘


しかし、57歳だからこそ受け入れられた問題だとも言える。

当時のマティルドとの関係を理解し、マティルドの娘であるクロエの心の痛みを知って受け入れる。

互いに愛し合い、新しい家族となる。

そのマティルド、マティアス、クロエの新しい関係こそが、マティアスの父が望んでいたことのように思う。

今までマティアス苦労させたのは、この素晴らしい母娘のためだったんだと、父から告白されたような思い。

その遺産は、マティアスへのお詫びだったのか…。

しかし、マティアスの父とマティルダの間に何があったのかを、全てマティルダに語らせるなんて、それはちょっとマティアスの父の無責任さを感じるな。

かつて、こんなことがあったけど、ごめん、母と娘をよろしくな。

そんなぶっきらぼうな男の人の不器用さを感じる話だった。

結局、マティアスがクロエに惹かれてしまうのも、父を許した結果であり、その母娘に惹かれる理由が分かってこそなんだと思った。

しかしなぁ。もっとジタバタして、俺の人生を返してくれって、もっと言ってもよかったようにも思う。

その辺が57歳という大人の反応なんだろうなぁ。





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