コン・リー主演、チャン・イーモウ監督作品、中国映画「妻への家路」をWOWOWで観た。

中国の文化大革命で引き裂かれてしまった、ある家族の愛の物語。

満足度 評価】:★★★★☆

人を深く強く愛し続けるその姿にいろいろと考えさせれる作品だった。

出演:コン・リー、チェン・ダオミン、チャン・ホエウェン

監督:チャン・イーモウ


「妻への家路」予告編 動画

(原題:歸来/英題:COMING HOME)




「妻への家路」DVD

妻への家路 [DVD]

新品価格
¥3,172から
(2016/7/8 16:17時点)



あらすじ


文化大革命が終了した中国。

右派の思想犯として投獄されていた父ルー・イエンシー(チェン・ダオミン)が釈放され、20年ぶりに家族の元へ帰ることに。

しかし、家へ帰ってみると、妻フォン・ワンイー(コン・リー)は精神的なショックにより記憶障害を起こし、夫が誰かも分からず、娘は母と仲たがいをして、職場の寮で暮らしていた…。


妻への家路


「妻への家路」感想 川柳

引き裂かれ 忘れられても 側にいたい


感想(ネタバレあり)20年ぶりの再会。妻から夫の記憶が消えていた…

「人はどれ程までに、誰かを深く愛し続けることができるのか」と、しばらく考え込んでしまった映画だった。

主人公の父、イエンシーは、文化大革命当時、右派の思想犯として20年間、投獄されていた。

その間、一回脱獄し、家族の元へ帰るが、娘の密告により再び捕らえられ、結局触れあうこともできず、言葉も交わせないまま20年間が過ぎていた。

しかし、その「父の知らない20年」の間に、家族の姿は、全く違うものとなってしまっていた。

妻は心因性の記憶障害で、帰ってきた夫のことが夫だと分からなくなってしまっていた

また、娘は父のことを密告したことで母と仲たがいをし、別々に暮らしていた。

妻への家路2

夫の想い

お父さんは、20年間、家族の元へ帰ることをどれだけ待ち望んでいただろうか。

家族と温かい食事をすることを、どれだけ楽しみにしていただろうか。

しかし、妻は夫の顔を忘れてしまっていた。

そして、父は妻が何かショックがあって記憶をなくしてしまったこと、娘は密告のせいで家族がバラバラになってしまったことをいつまで悔いている、その状況をようやく理解する。

もし、私がこのお父さんの立場だったら、どうするだろうか…。

泣き叫ぶだろうか。

しばらく、呆然とするだろうか…。

何を言っても、自分が誰だか分かってくれない妻。

それでも父は、何か一つでも思い出すようにと、昔の写真を見せたり、昔よく弾いていたピアノを弾いたり、手紙を読んで聞かせるようになる

親切な近所の人として…。


妻への家路3

記憶はなくても心はつながる


ここからが非常に切ない。

本当は、妻が帰りを待ち望んでいる夫なのに、彼女は自分のことが分かららず。

それでも、夫は妻を愛し続け、それまで一人にしてしまったことを詫びるように、あれこれと世話を焼き続ける。

お父さんが悪いわけではないのに。悪いのは文化大革命なのに…。

そして、ようやく思いが通じたのか、父が体調を崩した日、「手紙を読んでくれる人」が来ないことを心配した妻は、彼の元へ温かいご飯を届ける

彼は、あくまでも、「手紙を読んでくれる人」だけど。

それでも、私は、そのシーンを見ながら、「思いが届く」というのは、こういうことなのかなと思った。

「いつもありがとう」の一言が無くても、温かいご飯一つでつながる思い。

いつまでも脳は彼のことを思い出さなくても、彼女の心は彼へとつながっているのではないかと思いたいシーンだった


妻への家路4

いつまでも待ち続ける妻と夫の姿が切ない

しかし、その夫が毎日通った甲斐もなく、最後まで、妻が記憶を取り戻すことはなかった。

これは、文化大革命に妻が殺されたようなものだった。

いや、もしかすると、妻からしたら、文化大革命によって、夫が殺されたようなものだったのかもしれない。

そして優等生の娘は、学校の言う「正しいことを」してしまったがために、一生、心に傷を背負って生きることになってしまった。

この映画では、文化大革命が一つの家族に残した大きな傷跡について描かれている。

しかし、文化大革命を戦争に置き換えても、全く同じことが起きる。

政府の国民を置き去りにした政変によって、犠牲になるのは、良心的な小市民であり、小さな家族たちだ。

ラストシーン、いつまでも帰らない夫を待ち続ける妻と、いつまで思い出してもらえない夫の姿が私の心に焼き付いて離れない。

その夫の姿を見ながら、「どうしてあなたは、それでも妻の隣にい続けることができるのですか」と詰め寄りたい気持ちで、切なくなってしまった。



↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村