とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:サスペンス



アナ・ケンドリック主演、ブレイク・ライブリー共演の映画「シンプル・フェイバー」を映画館で観た。

ある日、突然、ママ友が失踪したことで、事件に巻き込まれていくサスペンス映画。


シンプル・フェイバー



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

先読みのできない面白さ!

仲良しのママ友みたいな生活を私もしたい!そんな欲望から生まれたサスペンス。

欲しいのは男か、金か、オシャレな家か。

彼女たちは男性たちに頼らず自分のセンスで道を切り開いているところも良い。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『シンプル・フェイバー』予告編 動画

(原題:A Simple Favor)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年3月13日 映画館にて鑑賞。

・2019年4月16日 感想を掲載。

・2020年1月31日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「シンプル・フェイバー」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者

アナ・ケンドリック

ブレイク・ライブリー

…(「クレイジー・リッチ!」など)


〇ジーン・スマート

〇ルパート・フレンド
…(「スターリンの葬送狂騒曲」など)


監督・製作

ポール・フェイグ
…(「ゴーストバスターズ」など)


2018年製作 アメリカ映画



あらすじ

シングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は、息子のクラスメイトのママ エミリー(ブレイク・ライブリー)とママ友になる。

夫が交通事故に遭い、夫が遺した保険金で暮らしているステファニーとは対照的に、作家の夫を持ち、華やかなファッション業界で働くエミリー。

しかし、ある時突然エミリーが失踪してしまう。

エミリーの行方が気になったステファニーは、エミリーの交友関係を調べ始めるのだが…。


シンプル・フェイバー2



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


シンプル・フェイバー (2019)



★★★☆ [70点]「男性を必要としない女性たちの戦い」


想定していた映画とは違っていたけど、それはそれで先の読めない映画で面白かった。

ママ友のエミリー(ブレイク・ライブリー)から、『ちょっとしたお願い(シンプル・フェイバー)』を頼まれたステファニー(アナ・ケンドリック)。

しかし、それは決して『ちょっとした』お願いではなかった…



映画を観る前は「ゴーン・ガール」みたいな映画かと思ってた。

が、観てみると、もっと軽くてポップな映画だった。



そしてその裏には、ママ友同士の腹の探り合いやら、意地や見栄の張り合いやらがあって、そこから、現在、女性たちは、どんな生活を求めているのかが見えくる

すごく私的に好感度が高かったのは、ステファニーもエミリーも、男性たちの手を借りずに、自分たちの力で、自分たちの望む生活を手に入れようとしているところ。



オシャレなファッション業界で働くエミリーも、ブロガーのステファニーも、自分たちの得意分野で自分らしく生きて、発信し、そこから収入を得ている。

その中で、エミリーはステファニーと同じものを手に入れたいと行動した結果、ある事件が起きてしまう。



この映画で描かれていることは、とても大掛かりなことだけど、そういう「他のママ友が持っているものを私も欲しい。あんな生活がしたい」と思うことは、誰にでも起きることだと思う。

しかし、そんな望むような生活が簡単に手に入ると思ったら大間違いなのだ



その上で、最後まで、どんな終わり方をするのかわからないところが面白かった



男性たちが、ただの脇役でしかないところも良い。

女性たちに「自分たちの望む生活を、自分たちの力で手に入れよう」という時代がやってきたことを感じさせる映画だった。


Posted by pharmacy_toe on 2019/04/16 with ぴあ映画生活






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ブログネタ
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宮沢りえ主演の映画「紙の月」をWOWOWで観た。

初めはちょっとしたはずみで横領してしまったお金が、どんどん増え続けてしまった女性銀行員の話。

怖い!お金横領スパイラル…。

その、ちょっとしたはずみから始まる横領スパイラルの仕組みを、すごく丁寧に描いているところが面白かった。

これは、誰もが心の奥底に持っている「リア充という名前の底なし沼」への誘いである。


紙の月



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「紙の月」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年5月14日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年11月28日 「午後のロードショー」での放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

〇宮沢りえ

池松壮亮
…(「斬、」「ぼくたちの家族」など)

〇大島優子

〇田辺誠一

〇近藤芳正

〇石橋蓮司

〇小林聡美

監督

〇吉田大八

2014年製作 日本映画




あらすじ


梅澤梨花(宮沢りえ)は、銀行員。

ご近所のお宅を回って、定期預金口座開設のお願いをしたり、お客様の入出金のお手伝いをしたり。

夫(田辺誠一)がいるが、子供はいない。

生活に不満はないが、たまたま知り合った大学生の光太(池松壮亮)と不倫の関係に陥ってしまう。

そして、お金に困る彼をを助けるつもりで、お客様のお金に手をつけてしまう・・・。




感想(ネタバレあり)


怖いのは、心の隙間を埋めた瞬間の快感


怖い映画だった!

日頃の満たされない生活から生まれる小さな心の隙間を見ているのが怖かった!



その隙間は誰もが持っているもので、そこから「あぁつまらないな」とか、「退屈だな」とか、「なんか楽しいことないかな・・」という言葉が生まれてくる。

そんな時は、テレビを見たり、人と会ったり、趣味に時間を割いたりして、小さな幸せで穴埋めをして満足感を味わう。



しかし、いつもとはちょっと違う方法でその隙間が埋まった時

例えば、ギャンブルで稼いだお金や、この映画の梨花のように会社のお金の横領したり、手を付けないようにしているお金で、今までとは違う自分になれた時

人は、その時の快感に浸り、もっともっとと、その満足感を充たそうとしてしまう



そして、その「快感」が全ての原動力になる

この映画の梨花が、すっぽりとこの横領スパイラルにハマってしまったのは、そのいつもと違う自分を発見してしまったのがきっかけだ。



最初は、彼の学費のため。

それが、次はプレゼント代になり、デート代になる。



でも、その心の隙間はいくら埋めても埋まらない底なし沼

いくらお金で埋めようとしても、アリ地獄のように底はどんどん深くなっていくだけだった



紙の月2



リア充になるつもりが、やり方を間違えて負のスパイラルへ


私は、梨花がどんどんとその底なし沼にズブズブとハマっていくのを見て、地獄へ落ちれば良いと思った

なんで人は、そんな小さな心の隙間を埋めようとするんだろう。

そもそも、それは「人への妬み・羨ましさ」から生まれてくる。



誰もが持っている心の隙間だけど、その隙間を、仕事へのやりがいやプライベートの充実で、日頃からうまく充たしている人がいる

人はそれを「リア充」と呼ぶ



日常生活に満足できず、隙間が深い人は、リア充生活をしている人の芝生が青いどころか、光り輝いて見える

だから、せっせと隙間を埋めて「リア充」を手に入れようとするが、やり方を間違える。

この映画の梨花のように。



残念ながら、その隙間は、若い男子でも、溢れるようなお金でも、別荘でも、高級車でも埋まらない

まずは、仕事や、プライベートも含めた自分の生活に満足しない限り、いつまで経ってもそこは深くなっていくだけなのだ。



そのことに気付かない限り、いつか満足して辞められると思い、貢ぎ始めた人は、常に貢ぎ続け、ギャンブルにハマっていく人は、いつまでもやめられない。

永遠に続く悲しみのスパイラル。



紙の月5



「リア充」ハンターは、お局の隅さん


この映画「紙の月」で非常に面白かったのは、小林聡美演じる銀行の同僚にしてお局の隅さんだ。

どうも面白いことに、「非リア充」の人たちは同じアンテナを持っていて、お互いに波長が合う瞬間がある



隅さんは、誰よりも真っ先に梨花のおかしさに気付く。

それは、「非リア充」ならではの触覚だと思った。



そりゃそうだ。

ついこの間まで、いつも沈んだ顔で出勤していた人が急に肌の色つやが良くなっている。

女なら誰だって「あの人、なんかあるな」って思うはずだ。



そこから、猛烈な梨花への追及が始まるワケだけど、隅さんは、隅さんで「梨花の秘密を暴く」ことで、心の隙間を埋め始める

それが隅さんの心の隙間を埋める「仕事のやりがい」になる。

だから隅さんは、梨花を追及して自分を満足させ、本店への異動もなくなり、支店に居残ることになるが、梨花の気持ちは誰よりもよく分かっている人だった。



紙の月4



梨花から隅さんへ地獄への誘い


そんな、隅さんと梨花のやり取りの中、私がこの映画で一番印象に残っているのは、ラスト、窓ガラスを割って逃げ出そうとする梨花が、それを止めようとする隅さんに「一緒に行きますか??」と誘うシーン。

これは、「非リア充」アンテナが共鳴した瞬間だった。

あぁぁぁ。これで二人がつながったと思った。



隅さんに散々追及された梨花だったが、隅さんも心の底では梨花の気持ちを理解していることに、梨花は最初から気付いていた

隅さんは、梨花を追い込んだことによる「満足感」が、共に地獄へ落ちることを踏みとどまらせる



そして、梨花はいつまでも、自分がやってきたことを正当化するまで走り続ける

そこに答えは無いのに…。



隅さんは、梨花を追求した満足感が消えた頃、再び心がさまよい始める

そして、「私も飛び込んでみようかな」と、時々考える。

しかし、残念ながら、そこに答えはないのだ…。



紙の月3



「充たされない思い」から始まるサスペンスとは、女性作家の原作ならでは


これは本当に面白い映画だった。

女性ならではの「充たされない思い」が、こんな風にサスペンスになるなんて、さすが、女性が書いた原作だなぁと感心した。



そして、宮沢りえと、小林聡美がすごく良い。

特に、二人が対立するラストは、名シーンだと思ったし、一番初めに梨花がお客様からの伝票を隠している時に、暗闇から「何しているの」って問いかける隅さんが怖すぎた(((( ;゚д゚)))



それにしても、あの「リア充反対運動」をしている隅さんがいる銀行は、いつまでも安泰だね。

しかし、若手の男性を窓口になんて置いたらダメだよ。

きっと、隅さんのアンテナが故障するから(笑)



まぁまぁ、そんなことを言いながら、私もいつか「非リア充」スパイラルに落ち込まないように、気をつけないといけないなと思った。





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クリント・イーストウッド主演の映画「ザ・シークレットサービス」をWOWOWで観た。

1993年の作品。かつてJFKを守れなかったことを悔やみ続けるシークレット・サービスが、かつてCIAで最高の暗殺者といわれた男が仕掛ける大統領暗殺計画を阻止ために奔走する物語。

映画「ザ・シークレット・サービス」


満足度 評価】:★★★★☆

良い映画は、何年経っても面白いんだなぁとつくづく思わされた作品。

なんと言っても、シークレットサービスと暗殺者の駆け引きが面白い!先の読めない展開にハラハラドキドキするサスペンス映画。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ザ・シークレット・サービス」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:In the Line of Fire)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年5月7日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年11月22日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。




スタッフ&キャスト


出演者

クリント・イーストウッド
…(<出演作>「運び屋」、「人生の特等席」、<監督作>「運び屋」、「アメリカン・スナイパー」、「ジャージーボーイズ」、「インビクタス/負けざる者たち」、「硫黄島からの手紙」、「父親たちの星条旗」、「ハドソン川の奇跡」、「ブラッド・ワーク」など)

ジョン・マルコヴィッチ
…(「マイル22」、「バーニング・オーシャン」、「マルコヴィッチの穴」、「コン・エアー」、「RED」など)

レネ・ルッソ
…(「マイ・インターン」、「ナイトクローラー」、「アウトブレイク」など)

ディラン・マクダーモット
…(「エンド・オブ・ホワイトハウス」、「サバイバー」など)

監督

〇ウォルフガング・ペーターゼン

1993年製作 アメリカ映画




あらすじ


ベテラン シークレット・サービスのフランク(クリント・イーストウッド)は、ホワイトハウスの敵となりうる人物の調査をしている最中に、怪しい人物(ジョン・マルコヴィッチ)が住んでいるというアパートのオーナーから通報を受ける。

その人物の部屋に入ってみると、かつてフランクが大統領の警護をしていた時の写真が壁貼ってあった。

それを観て、大統領への危険を感じたフランクは、周りの反対を押し切って、大統領の警護への復活を申し出るのだが…。





感想(ネタバレあり)


シークレット・サービス vs 元CIA暗殺者の対決が面白い!


久しぶりに観たーーー。いつぶりだろう。

久しぶり過ぎて、内容をすっかり忘れていて、新鮮な気持ちで観られた。

面白かったなぁ。



なんと言っても面白いのは、クリント・イーストウッド vs ジョン・マルコヴィッチの戦い

クリント・イーストウッド演じるフランクは、かつてJFKの警護をしていた程のエリートだけど、暗殺の時、そばにいながら警護できなかったことが心の傷になっている。



そして、ジョン・マルコヴィッチ演じるミッチはかつてCIAで最高の暗殺者と言われながら、冷戦が終わったことで仕事が減り、クビになってしまう。

その後、一般社会に適合できず、政府への復讐を考えるようになる。



この二人の戦いに緊張感があって、すごく面白かった。



映画「ザ・シークレット・サービス」クリント・イーストウッド



冷戦時代にピークを迎えた人たちのその後


そもそもの設定が面白い。


2人とも、仕事のピークを迎えたのが、冷戦時代。

その頃アメリカは、常に敵がいる状態で、ピリピリとした緊張状態にあり、大統領を警護するのも、スパイを暗殺するのも、命がけだった。



ところが冷戦が終わると、いわゆる「平和ボケ」的な状況になり、自分の「生きがい」とはなんだったのかと自問自答するようになる。



フランクとミッチはコインの表と裏のような存在だ。

正反対のところにいるように見えて、実は、彼らの心の中にはつながっているものがある

だから、電話で会話をしていても、ケンカをしているようで、心の底では分かり合えているのではないかと思えるところが非常に面白い。



映画「ザ・シークレット・サービス」クリント・イーストウッド



奥底では分かり合えている?2人の駆け引きが面白い


それを象徴する印象的なシーンがある。



街中でミッチを見つけたフランクが、彼を追いかける場面。

ひたすら走って、追い詰めたつもりが、うまくとなりのビルに飛び移ることができず、フランクはビルの屋上からぶら下がった状態になる。

そこへ、ミッチが手を差し伸べる。



そして、なんとフランクはミッチから命を助けられ、フランクの相棒はミッチに殺されてしまう。

これって、フランクにとっては、とても屈辱的なこと。



しかし、この時、二人は心の奥底で分かり合えているものがあるのかな?と思った。

そして、フランク vs ミッチの戦いは、ミッチが優位な立場になり、そこからフランクが必死になって形勢を逆転しようとるけど、空回りしてしまう。

命がけでトップに立ったことがある人間同士だからこその駆け引きが面白かった。



映画「ザ・シークレット・サービス」ジョン・マルコヴィッチ



出演者は、クリント・イーストウッドとジョン・マルコビッチ


フランクを演じるのは、クリント・イーストウッド

もう引退するような歳なのに、大統領の警護を担当して、ゼーゼーと息を切らせながら走っている姿が印象的。

最近では、映画に出演するよりも、監督するほうが多くなってしまったイーストウッド。

でも、やっぱり、こうして観ると、まだまだスクリーンで観たい俳優だ。



映画「ザ・シークレット・サービス」クリント・イーストウッド



フランクの敵、ミッチを演じるのは、ジョン・マルコヴィッチ

この映画に出演以降、しばらく悪役での映画出演が続いて、ジョン・マルコヴィッチと言えば怖い人のイメージがあった。

それは、彼の演技がうまいからこそ。



この映画に出演の後、「マルコヴィッチの穴」で演技派のイメージを確立して以降は、様々なを演じるようになる。



映画「ザ・シークレット・サービス」ジョン・マルコヴィッチ



最後に見せたミッチの意地


最後は、フランクとミッチの立場が逆転し、落ちそうになるミッチに手を差しのべるフランクだったけど、ミッチは、それを拒否。

ミッチのプライドを見せる。



その落ちていく姿を観て、そもそもミッチは死にたくてこの騒ぎを起こしたのかなと思った。

成功しても、失敗しても死ぬつもりだったのではないかと。

フランクの家の留守電に残されたメッセージは、そういう意味だったんじゃないかなと思う。



ちなみに、この映画「シークレット・サービス」はアメリカでテレビドラマシリーズ化される企画があるそうで。

それもちょっと気になるところ。





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ジョエル・エドガートン主演のサスペンス映画「イット・カムズ・アット・ナイト」を映画館で観た。

原因不明の疫病が蔓延する世界を舞台に、密室で暮らす2つの家族が、やがて互いを疑い始めることで精神が崩壊していく姿を描く心理サスペンス。


満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!6人の登場人物を追い詰める密室劇。

人は寛容さを求められれば求められる程、狭量になっていく。

本当に恐ろしいのは疫病ではなく人間の心に潜む暗闇。

それこそが人間の本質だと思うと恐ろしくも悲しい

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『イット・カムズ・アット・ナイト』予告編 動画

(原題: It Comes at Night)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月28日 映画館にて鑑賞。

・2018年12月14日 感想を掲載。

・2019年9月28日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『イット・カムズ・アット・ナイト』公式サイト

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キャスト&スタッフ


出演者

ジョエル・エドガートン

〇クリストファー・アボット


〇ケルビン・ハリソン・Jr


〇グリフィン・ロバート・フォークナー

監督

〇トレイ・エドワード・シュルツ


2017年製作 アメリカ映画



映画「イット・カムズ・アット・ナイト」



あらすじ


原因不明の疫病が蔓延する世界。

父 ポール(ジョエル・エドガートン)、母 サラ(カルメン・イジョゴ)、息子 トラヴィス(ケルビン・ハリソン・Jr)は、森の中の一軒家で感染に怯えながら暮らしていた。

彼らは、森につながる扉を「夜間は絶対に開けないこと」というルールを守って暮らしていた。

それは、深夜にやってくると信じていたからだ。

そんな彼らに対し、夜中にその扉を叩く者がやってくる。

ポールが完全防備をして扉を開けると、そこにいたのは一人の男性ウィル(クリストファー・アボット)だった。

ウィルは、「家族のために、水を分けて欲しい」と言うのだが…。



映画「イット・カムズ・アット・ナイト」ジョエル・エドガートン



感想(ネタばれあり)


「怖いもの見たさ」に負けてしまう意志の弱さ


誰の心にも「怖いもの見たさ」はある

それは、昔から童話や昔話でも描かれてきた。

「絶対開けてはいけませんよ」と言われていたのに、「怖いもの見たさ」の好奇心に負けて開けてしまう。

例えば、「鶴の恩返し」がそうだ。



「やってはいけません」と言われるとやりたくなるし、「見てはいけません」と言われると見たくなる

人間とは、そういう生き物だ。



ダイエットの時だって「食べてはいけない」と言われれば言われる程食べたくなるし、学生時代は試験の時ほど、テレビを観たくなるし、眠たくなってしまう。

そういう「やったらだめ」という制限に負けてしまう意志の弱い人間こそ太っていくし、試験に落ちるように、世の中はできているのだ。



この映画「イット・カムズ・アット・ナイト」は、そういう人間の心の奥底に潜む欲望を恐怖心に結びつけて描いている心理サスペンスだ。



舞台は、原因不明で死に至る疫病が蔓延するディストピアな近未来。

森の中に立つ一軒家で暮らす二つの家族。

その家の森へつながる扉は「夜間は絶対に開けてはいけません」と言われていた

その扉を通じて「それ」がやってきて感染すると信じられていたからだ。



果たして、彼らはその扉を開けることなく生き延びることができるのか。

それとも、意志の弱さが、その扉を開けてしまうのか…



そこから生まれる緊迫感が非常に恐ろしくて面白いサスペンス映画だった。







ふたつの家族の立場を決めるのは「水」


登場するのは二つの家族。



ポール、サラ、トラヴィスの一家には「水」があり、ウィル、キム、アンドリューの一家には「食糧」がある。

ウィルの家には水がなく、ポールの家に「水を分けて欲しい」と言って訪ねてきたことをきっかけに共同生活をするようになる。



ついこの間まで、日本では「水道民営化」について議論されていた。

将来的に、世界では水が不足し、人々は水を求めて争い合うことが予想されている。

その水を求める争いは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でも描かれている。



そんな未来を見越し、蛇口をひねれば飲み水が出てくる日本の「水資源」を輸出産業の一つにすることで経済効果を期待しているのも、民営化の理由の一つだと言われている。

遠くもない未来、「水」を持つ者が強い時代は確実にやってくるのだ。



この映画の主人公家族にも、その「水」が重要なキーワードとして登場する。



「水」を持つ家族と、「食糧」を持つ家族。

優位に立つのは「水」を持つ家族であり、「食糧」を持つ家族は「水」を持つ家族の言うことに従わなけれならない

食糧は作り出すことができるが、「水」はなければ生きていけないからだ。



しかし、共に暮らすうちに、自分たちの貴重な「水」が奪われるのでは…と警戒するようになり、やがて「水」の家族は、「食糧」の家族を疑うようになっていく…。

それほどまでに、「水」の存在が、彼らにとってとても重要なのだ。







ルールが破られた瞬間に噴出する疑いの気持ち


その緊迫感の中で、彼らの均衡を保っていたのは、その家で暮らしていくための「夜間はドアを開いてはいけない」というルールだった。

みんなが、同じルールを守って暮らしているうちは、心の底で何を思おうが平和を維持していくことができる。



しかし、ある時、その均衡は破られる。

何者かが夜中にドアを開けてしまったのだ。



その瞬間をきっかけに、それまでの疑いが堰を切ったように放出し、ポールはウィル一家を追い詰めていく。

本当は、一番最初にドアのことに気付いたのがトラヴィスだったのに、そのトラヴィスが「アンドリューだと思う」と言ってしまったからだ。



そこから一気にポールはアンドリューの感染を疑い、やがてそれは「感染したに違いない」という確信に変わっていく



その扉こそが、開けた瞬間に全てが終わってしまう「鶴の恩返し」の戸なのだ。

深夜に眠れないことに悩んでいたトラヴィスが、物音に気付き、愛犬が帰ってきたのではと確信。

我慢しきれずに扉を開けてしまったのに、何の罪もないアンドリューのせいにしてしまう



その結果、トラヴィスは感染してしまうのだ。







疑いの気持ちが暗闇に鬼を生む


これは「疑心暗鬼」についての物語なのだ。

「疑心暗鬼」について、詳しい意味を引用すると

疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえ。疑いの深さからあらぬ妄想にとらわれるたとえ。疑いの心をもっていると、いもしない暗闇くらやみの亡霊が目に浮かんでくる意から。
goo辞書」より



人は、疑いの心を持っていると、いもしない暗闇の亡霊が目に浮かんでくる生き物なのだ。

本当は、そこにゾンビがいるわけでも、疫病があるわけでもないのに「夜間に扉をあけてはいけません」というルールを決める。

そして、そのルールが破られた途端、心の均衡が崩壊し、全てのことが疑わしく思えてきてしまうのだ。



ポールは「アンドリューは感染している」と決めつけていたけれど、果たして、誰か血が噴き出るところを見たのか。

アンドリューが泣き叫び、ウィルもキムも、その家から出て行きたいと言っただけなのだ。



恐らく、ポールの疑いの目に耐えられなくなったのではと思う。

本来なら、時々水をもらいに来るぐらいの距離感が良かったのだろう。

しかし、共に暮らし始めたことでウィル一家は「水源を狙っている」という疑いをもたれ、さらに「扉を開けたに違いない」と決めつけられてしまう。



全ては、ポールの心にある「自分以外は誰も信じられない」という疑いの気持ちから生まれた「疑心暗鬼」であり、ウィル一家は、誰も感染していなかったかもしれないのだ。



本当に感染していたのは、トラヴィスだったからだ。



そして、物語のラストは、一つのテーブルに向かい合うポールとサラの姿で終了する。

その時、ポールの疑いの気持ちは、妻であるサラに向けられているのだ。



結局のところ、6人いたのが、最終的には2人になってしまった。



4人亡くなったうち、3人は死ななくてもよかった可能性がある。

なのに亡くなってしまったのは、心の奥底にある「疑心暗鬼」から生まれた鬼の仕業なのだ。

本当に恐ろしいのは、疫病でも、ゾンビでもなく、人間なのだ…。



これは、非常に面白い心理サスペンスだった。





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アンセル・エルゴートクロエ・グレース・モレッツ共演の映画「クリミナル・タウン」を映画館で観た。

友人を殺された高校生が事件の謎を探るクライム・サスペンス。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

「死」と向き合うことで子供から大人へ成長していく高校生を描いたサスペンスタッチの青春映画。

サスペンスというには鋭さが欠けるけど、人の死を受け入れられないのは子供で、受け入れられたら大人という描き方は面白かった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『クリミナル・タウン』予告編 動画

(原題:November Criminals)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月6日 映画館にて鑑賞。

・2018年9月20日 感想を掲載。

・2019年1月9日 DVD、ネット配信、共に販売開始。

・2019年7月27日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

作品情報はこちらから。
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「クリミナル・タウン」公式サイト

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原作本「クリミナル・タウン」

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キャスト&スタッフ


出演者



…(「リンカーン」など)



監督

〇サーシャ・ガバシ


2017年製作 アメリカ映画



映画「クリミナル・タウン」



あらすじ

ワシントンD.C.で暮らす高校生のアディソン(アンセル・エルゴート)は、友人のケビンが銃殺された事件にショックを受ける。

しかし、警察は「麻薬を売買しているグループの抗争に巻き込まれた事件」として、捜査を打ち切ってしまう。

ケビンが麻薬ディーラーの抗争に巻き込まれるはずがないと思ったアディソンは、ガールフレンドのフィービー(クロエ・グレース・モレッツ)と共に、独自に事件の捜査を開始する…。



映画「クリミナル・タウン」



感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


クリミナル・タウン (2017)


★★★☆ [70点]「「死」を受け入れて人は大人になる」


これ、割と評判の悪い映画で 「つまらないのかなぁ~」と心配しながら行ったら、そんなにつまらなくもなかった。

むしろ、それなりに楽しんで帰ってきた。



翌年、大学進学を控えた高校生のアディソン(アンセル・エルゴート)と、フィービー(クロエ・グレース・モレッツ)は、同級生のケビンが殺された事件を不審に思い、独自に聞き込みを始める…。



このアディソンとフィービーが迎えている高校最後の年の11月は、大学への進路を決める年

彼らは、願書を大学に送り、合否判定を待っている状態であり、年齢的にも子供から大人へ成長する思春期のど真ん中。

つまり、最も精神的に不安定な時期なのである。



その時に起きたのが、同級生ケビンの殺人事件だった。

大学からの合否待ちのアディソンは、まるでとりつかれたように、ケビン殺人犯探しに夢中になっていく。



そんなアディソンを観ながら、私は彼が「死」そのものを理解し、受け入れようとしているんだなと思った。

その事件のちょうど一年前、アディソンのお母さんが突然死している。

しかし、彼は、その母の死を受け入れられずにいるのだ。



そこへ、ケビンの事件が起きる。

アディソンは、ケビンの死の謎を解明すれば「死」というものを理解できる気がしているように見えた

彼は、その時まだ、大人への成長の過程にいたのだ。



そして、アディソンは「大人になるということは、とてもリスキーで痛みを伴うものだ」とわかったはずだ。



この映画は、デビッド・ボウイに捧げられている

それは、世界中の人々が彼の死を受け入れられずにいることを示している



ただ、非常に残念なのは、アンセルもクロエちゃんも、どんなに頑張っても、高校生には見えない。
クロエちゃんはまだしも、アンセルは厳しすぎる

キャスティングはもう少しがんばって欲しかったと思う。


Posted by pharmacy_toe on 2018/09/11 with ぴあ映画生活





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コリン・ファレル主演の映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」を試写会で観た。

心臓外科医のスティーブンは、ある日突然、息子・ボブの両足が動かなくなってしまう。

なぜ、ボブの足は動かなくなってしまったのか。その謎を描くサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

この映画を観て思い浮かんだ言葉は「目には目を」だった。

何かを奪われたら、対価としてそれ相応の物を差し出せという言葉だけれど、果たして、それで物事は解決するのかと言えば、あまりにも失われるものが多すぎる気がした。



この感想には「ネタバレ」が含まれます。映画をご覧になってからお読みください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」予告編 動画

(原題:The Killing of a Sacred Deer)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年3月1日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年5月22日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


ネット配信で観る:「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」(字幕版)

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DVDで観る:「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」

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キャスト&スタッフ


出演者

コリン・ファレル
…(「ダンボ」、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「マイノリティ・リポート」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「クレイジー・ハート」、「ロブスター」、「ヴェロニカ・ゲリン」、「ジャスティス」、「ニューヨーク 冬物語」など)

ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「LION/ライオン~25年目のただいま~」、「パディントン」、「シークレット・アイズ」、「パディントン」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」、「ファング一家の奇想天外な秘密」など)

〇バリー・コーガン
…(「ダンケルク」など)

〇ラフィー・キャシディ

〇サニー・スリッチ

〇アリシア・シルヴァーストーン


監督

ヨルゴス・ランティモス
…(「ロブスター」など)


2017年 イギリス・アイルランド合作映画



映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」



あらすじ


郊外の高級住宅地で暮らす心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、アナ(ニコール・キッドマン)と、娘のキム(ラフィー・キャシディ)、息子のボブ(サニー・スリッチ)の4人家族。

何不自由なく、平和な日々を送る彼らだったが、ある日突然、息子のボブの足が動かなくなってしまう。

実はそれは、スティーブンと交流のある少年マーティン(バリー・コーガン)が予言したことだった…。

そのマーティンの予言によれば、やがてボブは目から血を流し、死んでしまうという。

そして、その数日後、キムも足が動かなくなってしまい…。



映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」コリン・ファレル



感想(ネタバレあり)


「人の命」と「高級腕時計」


もしも、医療ミスで家族を失われたらどう思うだろうか。

その医療ミスが飲酒によるものだったら?

そして、ミスをした医師がそのことを「とても軽く思っている」と感じたら?

その医師に「同じ苦しみを味わって欲しい」と願うのは、遺族として当然だと思う。



私はこの映画を観て、人の命を預かるはずの医師が「命を軽く思っていること」への罪を感じた。

だからといって、その医師の家族の命を奪うことで「命を重さを知らしめる」ことができるのか。

「目には目を」という報復行動が本当に有効なのかと考えさせられる作品だった。



高校生の少年マーティンは、父親を心臓手術で亡くしてしまう

その時の執刀医が主人公のスティーブンだった。



その時、スティーブンは飲酒していたと、担当の麻酔医が証言している。



スティーブンはマーティンの父の死について「間違いはなかった」と認識しているが、飲酒していたことが負い目になる。

麻酔医には口封じをし、事実は隠された。

しかし、マーティンには「高級腕時計」をプレゼントしたことで、負い目を感じていたことは明らかだった



その「父の死」を「高級腕時計」で埋め合わせしたところに、スティーブンの命に対する考えが表れている

彼は医者なのにも関わらず、人の命を金で買えるとでも思っているのではないか。

いや、むしろ医者だから人の命も「高級腕時計程度」の重さしかないのか



当然、マーティンはそのスティーブンの行動に納得がいかず、スティーブン一家への復讐を考える



映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」コリン・ファレル、バリー・コーガン


マーティンがスティーブン一家に課した4つの呪い


マーティンがスティーブン一家に対して考えた「復讐」とは、「マーティンと同じ痛み」を味あわせることだった。

それは「父を返す」もしくは「家族の命を一つ奪って欲しい」という祈りだった。



そこでマーティンは、スティーブンを家に招き、母とマーティンと三人で食事をする。

しかし、その目的は「楽しい食事会」ではない

食事会の後、母はスティーブンを誘惑する。

マーティンが初めに望んだのは、スティーブンが「亡くなった父の代わりに父になる」ことだった。



ところが、そのマーティンの願いはスティーブンによって拒絶されてしまったため、プランBへと移行する

それは「家族から命を一つ奪うこと」だ。

そうして、マーティンはスティーブン一家に呪いをかける



1.足が動かなくなる

2.食事を食べられなくなる

3.目から血が流れる

4.死

それは、息子のボブ、娘のキム、妻のアナのうちの誰かが、この順番で亡くなっていくという「呪い」だった。



そしてそのマーティンの「呪い」どおり、ボブの足が動かなくなり、やがてキムも立ち上がれなくなり、やがてマーティンはスティーブン一家にとって「命を司る神」のように君臨するようになる。



それは、心臓病の家族を抱えた人にとっては「心臓外科医が神」となるように



映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」


迫られるスティーブンの『生贄』選別の決断


私がこの映画で最も恐ろしいと思ったのは、スティーブン一家のマーティンの「呪い」への反応だった。



はじめはスティーブンも医師だけに「科学的に解明できる」と思っていた

あらゆる検査をボブとキムに受けさせ、なんとか立たせようとする。



世の中には「科学では解明できないこと」があり、ボブとキムの足が動かなくなったことこそ「科学では解明できないこと」なのだ。

医師であるスティーブンにとって、それまで「医学が全て」だったが、「呪い」によりスティーブンの世界が崩壊し、「科学では解明できないことがある」ことを知る



そこからわかるのは、これまでスティーブンは「医学」に頼り過ぎていたということ。

一人一人の患者たちに家族がいて、それぞれが家族を失うことで「医学では解明できない苦しみ」を抱えることになるのだ。



スティーブンは医学に頼り過ぎたあまり、家族・遺族の苦しみを理解していなかったように思う。

だからこそ、「高級腕時計」で埋め合わせしようとしたのだ。

しかし、まだ高校生だった遺族のマーティンと関わったことで、その「科学では解明できない苦しみ」を味あわされることになる。



あらゆる検査をしてどうにもならないことが分かったスティーブンはボブにするか、キムにするかの「命の選別」を始める

それは、スティーブンにとって「マーティンに捧げる『生贄』探し」だったのだ。



学校へ行き、子供たちの成績を比べ「成績が優秀なのはどちらか」を選別。

妻のアンも自分が「『生贄』の対象」であることから「殺すならボブ」と言い切り、「まだ子供を埋める」と言いながらスティーブンが最も好きなスタイルで身体を差し出す。

そうして、彼らは静かに「誰を生贄として捧げるか」の選別をする



そんな彼らを見て、女性たちのたくましさを感じた。

高校生のキムは「神」であるマーティンに身体を差し出し(しかし、マーティンは、それをやんわり拒否という屈辱を味あわせる)、アナは「神」の足にキスをする

彼女たちはどんなことがあっても、「神」に仕える人間であることを示す一方で、キムは「殺すなら私を殺して」と家族思いの姿をアピールし、その裏にあるしたたかさを感じさせる。



その一方で男性たちはオロオロと日々を過ごす。

ボブはただひたすらその状況を受け入れ、されるがままに横たわり、スティーブンはスティーブンで強い決断をすることができない。



最後に行われたのは、全員で目隠しをし「ロシアンルーレット」方式に目隠しされたスティーブンが猟銃で誰かを殺すというものだったが、それは、スティーブンの中で「誰にするか決められた『生贄殺し』」だったのだ。



映画「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」


「命を奪われたら、別の命で埋め合わせ」が引き起こす「憎しみ」


スティーブンの決断を観た後、「もしも、これが自分の身に起きたらどうするか」と考える

家族に医師はいなくても、誰かが飲酒運転で死亡事故を起こしてしまったら、相手の家族にどうお詫びをするべきだろうか。



その相手にに呪いをかけられ、「家族の誰かを生贄に捧げて欲しいい」と言われたら、どうするだろうか。

そもそも「生贄」を自分たちで選ぶのか。

それともなすがままにしてしまうのか。



その時から「家族は生き抜く上での『ライバル』」になるのだ。

それはなんともゾッとする話だと思った。



スティーブンからしたら、酒を飲んでオペをするなんて、ちょっとした「気のゆるみ」なのかもしれない。

他の仕事だったら、「ちょっとしたミス」で済むかもしれないが、医師に「ちょっとしたミス」は許されない。

しかし、毎日、毎日、同じようなオペをしているうちに、手術がルーティワーク化し、次第に「命の重さ」も軽くなっていったのだろうか。



そんな命の重さを軽く考えているスティーブンだからこそ、「生贄を捧げること」になってしまったのだ



しかし、「生贄」を捧げたことでスティーブン一家とマーティンの関係は対等に戻ったけれど、両家の間には「憎しみ」というしこりが残ってしまった

マーティンを恋するまなざしで見つめていたキムも、儀式の後はにらみつける視線に代わってしまった。



マーティンからすれば、失われた命の対価としてスティーブン一家も同じ苦しみを味わって満足かもしれないが、彼らの間の「友好的な関係」は一切失われてしまう

それは、マーティンが本当に望んでいたものだったのだろうか

命に代わるものなどどこにもなく、報復から平和は生まれないのである



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ダイアン・クルーガー主演の映画「女は二度決断する」を舞台挨拶付き先行プレミア上映会で観た。

家族をテロリストによって殺害された女性が、犯人に報復するサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆

これは、現在、世界中で起きている「外国人排斥」の動きを描く素晴らしい作品だった。

主人公・カティヤの二度目の決断に胸を締め付けられ、恐ろしくなる作品だった。

世界中にカティヤのような被害者を出さないためにも、一人一人が、「人はみな平等である」ということを考えるべき作品である。



この感想には結末に関するネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「女は二度決断する」予告編 動画

(原題:Aus dem Nichts/英題:In The Fade)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年3月27日 プレミア上映会で観た感想を掲載。

・2019年5月19日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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オリジナルサウンドトラック「In The Fade」

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キャスト&スタッフ


出演者

ダイアン・クルーガー
…(「ラスト・ボディガード」、「7デイズ」、「不機嫌なままにメルシー!」、「バツイチは恋のはじまり」など)

〇デニス・モシット

〇ヌーマン・アチャル

〇ヨハネス・クリシュ

〇ウルリッヒ・トゥクール


監督・脚本・製作

〇ファティ・アキン


2017年製作 ドイツ映画

第70回 カンヌ国際映画祭(2017年)主演女優賞受賞作品


映画「女は二度決断する」



あらすじ


夫・ヌーリ(ヌーマン・アチャル)と息子と3人で幸せな日々を送っていたカティヤ(ダイアン・クルーガー)だったが、ある日、ヌーリと息子が爆弾テロで殺されてしまう。

捜査の結果、それは「外国人排斥」を主張する極右団体によって仕掛けられたテロだったことが分かる。

その後、裁判が行われるが、被告側弁護士 ハーバーベック(ヨハネス・クリシュ)により、麻薬使用歴があるカティヤの証言には、証拠能力に欠けると指摘され、カティヤが敗訴し、被告が野放しになる可能性が強くなっていく…。

何があっても犯人たちを許せないカティヤは、ある決断をする…。



映画「女は二度決断する」ダイアン・クルーガー class=



感想(ネタバレあり)


「外国人」を標的にしたテロで家族を失ったカティヤ



最近は多くの国で「移民は帰れ、外国人は帰れ」という動きが強くなっている

それならば、もしも、そう主張する人々が何かの理由で自国にいられなくなり、他国に行かなければならなくなった時には、もしくは、海外に旅行に行ったときには「外国人」になる。

そして、その人たちが、その彼らの忌み嫌う外国で助けられたとしたら、それでも彼らは「外国人は帰れ」という主張を曲げないのだろうか。



どの国で生まれても、どこで暮らしていても、「人はみな平等であるという当たり前の事実」が当たり前でなくなっている現代について考えさせられる素晴らしい作品だった。



主人公のカティヤに起きた悲劇について、この映画は三部構成で語られている。

第一部は「家族」の物語。

彼女の家族について描かれる。



カティアは、大学時代に夫のヌーリと知り合う。

ヌーリはトルコ系移民であり、かつて大麻を売っていたことで懲役を受け、獄中にいるときカティヤと結婚。

その後、出所して間もなく息子が産まれ、その後、家族3人で幸せな生活を送っていた。



しかし、その夫と息子が「ドイツで暮らす外国人」を標的にした極右団体による爆弾テロによって殺されてしまう



この物語は、そんな全てを失ったカティヤがネオナチの犯人たちに復讐するサスペンスである。



映画「女は二度決断する」ダイアン・クルーガー


法律が守ってくれなかったカティヤ



普通に考えて、家族がテロリストに殺され、犯人が逮捕されたら、次は裁判が行われる。

そこで犯人に極刑を願うのが、残された家族としては当然のことだろう。



第二部の舞台は「裁判所」に移り、カティヤは「合法的に」戦い始める。



その裁判の序盤では、カティヤの証言により犯人が逮捕され、彼らがどのような方法で爆弾を置き、それをどう爆破させたのかが判明する。

そのカティヤの証言は、明らかに「彼らが犯人である」ことを示していた



ところが、被告側のハーバーベック弁護士がカティヤに大麻やコカインの使用歴があることを暴露し、カティヤの証言には「証拠能力がない」と指摘したことで急に形勢が逆転し、被告側に有利に動いていく。

そのうえ、原告側の証拠はカティヤの証言しかなかったことから、「カティヤの証言能力が疑わしく、そのほかに決め手となる証拠がない」と言う理由で、犯人たちが無罪になってしまう



この裁判では、カメラはひたすらカティヤの表情を追っているのだが、その表情が怒りから絶望へと変わっていくのがよくわかった。

なぜ、彼らが犯人だと明らかなのに「無罪」になってしまうのか。

きっと、カティヤだけでなく、その様子を観ている多くの観客が納得がいかなかったはずだ。



私は、その判決に現在のドイツに吹きつつある右傾化の動きが現れているのではと思った。

実行部隊であるテロリストがいて、その後ろでそれを支援する団体がいて、優秀な弁護士がつき、「どうすれば自分たちに有利な判決を出せるか」を熟知している。



目に見えているのは実行部隊であるテロリストだけだが、彼らを支援している闇は私たちが思っている以上に深いのだ。

カティヤは、そもそも「勝ち目のない相手」を敵に回してしまったのではないのだろうか。

それは、あってはならないことだし、明らかにカティヤの主張が正しいけれど、「そう思わない人」が想像以上に多いのだ。



そしてその裁判では、そのネオナチがギリシャの極右団体と結託していることが分かり、その右傾化の動きがヨーロッパ全土に広がっていることを示していた

これは、ドイツだけで起きているできごとではないのだ。



映画「女は二度決断する」


なぜ、カティヤは一度目をやめ、二度目の決断をしたのか



第三部で、舞台は「海」へと移動する。

ドイツには海がないのに、なぜ海なのか。

そこは、ドイツではなく、ギリシャなのだ。



犯人たちは、裁判で無罪になったものの、マスコミや国民から叩かれ、国内にいられなくなってしまった。

そこで、裁判で助けてくれたギリシャの極右団体を頼って「国外逃亡」してきたのだ。



「外国人は帰れ」と言い、「帰らなければ殺す」とばかりにテロを起こした彼らも、そのギリシャの地では「外国人」なのである。

カティヤの夫を殺したテロ事件の裁判で彼らの主張が通り、無罪となったなら、「ギリシャにいる外国人」である彼らがテロで殺されたとしても、それは許されることなのではないか。

「ドイツにいる外国人は許されないけれど、自分たちは許される」はずがない。



その彼らの主張を通すために、カティヤは彼らを追ってギリシャにやってきたのだ。

そして、彼らが作ったのとまったく同じ爆弾を作り、トレーラーハウスに仕掛ける。

ジョギングに出た彼らが帰ってくるのを待って、爆破しようとしたのだが、一度はそれを中止する。



そして、二度目、彼女は「自爆テロ」となってトレーラーハウスに乗り込んでいく。

なぜなら、カティヤ自身も、そのギリシャの地では「外国人」だからだ。

彼らの主張の正しさを証明するためには、自分自身も死ななければならない



一度目の爆破で彼らが帰ってくるのを待ちながら、彼女は自分も外国人であることに気付き、「二度目の決断」をするために、カティヤは一度目を中止したのだ。



この二度目の爆破には、胸を締め付けられ、私まで絶望的な気分になってしまった

まさか、カティヤがそんな選択をすると思っていなかったからだ。

かなり過激なやり方だけど、はじめは合法的に解決しようとしても、それが法で裁かれなかったため、彼らの主張が間違っていることをカティヤが身をもって証明したのだ。



映画「女は二度決断する」ダイアン・クルーガー


「外国人排斥」は、ドイツだけで起きている問題ではない



監督のファティ・アキンは、両親がトルコ移民で、自身はトルコ系ドイツ人二世。

主演のダイアン・クルーガーは、25年前にドイツを出て、海外で仕事をしてきた。

彼らもまた、外国人なのだ。

だからこそ、この映画は強い意味を持ち、説得力があるのだ。



ドイツでは、この映画で描かれた事件と同じように、「外国人だから」という理由でテロに遭い、殺されてしまうという事件が連続して起きたことがあったという。

ダイアン・クルーガーは、その事件の遺族たちに話を聞いて役作りをし、演じている時には、何かが乗り移っていると思うようなこともあり、それ以来、とてもパーソナルな作品になったとインタビューで語っていた。

(参考:「女は二度決断する」公式サイト



映画で観ると「外国人だから」という理由で殺されるなんて、そんなバカなと思ってしまうけれど、これは現実なのだ。

どこの国で生まれ、どこの国で生活しようとも、人間はみな平等なはずなのに。

むしろ、多くの外国人に愛され、住みたいと思う国こそ、素晴らしい国なのではないだろうか。



これは、ドイツだけで起きている問題ではない、世界中で起きている問題である

そして、誰もが「外国人」になる可能性を持っている

「外国人を嫌う」前に、「もしも自分が他国の人から同じことを言われたら。同じことをされたら」と考えてみれば、そんなことは言えなくなるのではないかと思う。



自分が外国人よりも優れている。

自分は海外に行ったら、そんなことはしない。

と思い込んでいる人もいるようだけど、外国人からすれば、その他大勢に過ぎないし、母国の常識が他国の非常識になることもたくさんある。

その傲慢で思い上がった考え方を、この映画を観て改めるべきと思う。



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ジェレミー・レナー主演の映画「ウインド・リバー」を映画館で観た。

インディアン居留地「ウインド・リバー」で起きた殺人事件を通して、アメリカの抱える闇を描く。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

素晴らしい映画だった!

ただのサスペンス映画ではない。

果たしてインディアン居留地で何が起きたのか。

その絶望の地で暮らす人々の心の闇は深い。

けれど、ジェレミー・レナーの存在こそが未来を開くカギになる。

最後は涙が溢れた。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ウインド・リバー』予告編 動画

(原題:Wind River)



更新履歴・販売情報

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【映画パンフレット】ウインド リバー  テイラー・シェリダン  監督 ジェレミー・レナー, エリザベス・オルセン, ジョン・バーンサル, ジル・バーミンガム,

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キャスト&スタッフ


出演者

ジェレミー・レナー

ジョン・バーンサル

〇ギル・バーミンガム

〇ケイシー・アスビル

〇グレアム・グリーン


監督

〇テイラー・シェリダン


2017年製作 アメリカ映画



映画「ウインド・リバー」



あらすじ

ワイオミング州にあるインディアン居留地ウインド・リバーで狩りをするハンターのコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、若い女性の死体を発見する。

急遽、地元警察より連絡を受けたFBI捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)は、現地に向かうが、全く土地勘がないために、コリーに道案内を依頼し、周辺住民に聞き込み調査を開始するのだが…。



映画「ウインド・リバー」ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン




感想(ネタばれあり)


アメリカから見捨てられた土地「ウインド・リバー」とは…


これは殺人事件を追うサスペンス映画だけれど、その殺人事件を糸口にして、インディアン居留地で暮らすネイティブアメリカンの人たちが抱えてきた闇を描いた作品だった。

舞台は、ワイオミング州にあるインディアン居留地 ウインド・リバー。



アメリカの中でも、ワイオミング州は最も人口の少ない土地の一つだという。

なぜなら、切り立った山に囲まれたその土地は、特に石炭が取れるわけでも、石油が取れるわけでもないため、町が発展せず人が集まらなかったからだ。

逆に言えば、そこはアメリカの中で最も土地が余っている場所であり、アメリカ政府は、そこへネイティブアメリカンを強制的に住まわせ、インディアン居留地の「ウインド・リバー」と命名したのだ。



そこは町が発展していないため、近くに繁華街があるわけでもなく、いわば「見捨てられた土地」だった。

そこへ追いやられたネイティブアメリカンたちは、そこを「絶望の地」と呼んでいた



そこで生活している彼らをみて、「アメリカだけどアメリカではない」という印象を受けた。

地元警察には居留地「ウインド・リバー」で事件が起きても捜査する権利がなく、いちいちFBIを呼んで許可を取らなければならない

それはまるで、どこかの国の大使館の敷地内で殺人事件が起きたかのような扱いだ。

そこは、たとえ同じアメリカ人が住んでいる土地であっても、「取扱注意」が必要なのだ。



そのため、FBI捜査官のジェーンはラスベガスに出張していたところを呼ばれるわけなのだが、彼女がラスベガスから移動している間にどんどん証拠が消滅してしまう。

犯人だって州外に逃げようと思えば逃げられるのではないか。

そんな、あまりにも悠長な捜査の様子を見ていると、事件を解決する気がないのかな?と思えてしまう。



つまり、そのインディアン居留地で起きた殺人事件は、形式上FBIが事件の捜査はするけれど、その後の捜査は担当したFBI捜査官のやる気次第なのだ。

実際、この映画の中で、亡くなった女性の死因(「他殺ではない。寒さからくる窒息死」)ではFBIの応援を呼ぶことができず、急に呼ばれたジェーンが一人で事件を解決しなければいけなくなってしまう。

もしも、やる気がない捜査官だったら、「他殺ではない=殺人事件ではない=事件性がない」と判断され、捜査が終了していた可能性もある



インディアン居留地「ウインド・リバー」とは、そんな「アメリカ政府から見捨てられた土地」なのだ。



映画「ウインド・リバー」ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン



絶望の土地で暮らすことにどこまで耐えられるか

ネイティブアメリカンがインディアン居留地へ強制的に移住させられたのは、19世紀後半のことだった。

本来ならば、広い大地を転々としながら生活していた彼らが、その土地に入植してきた白人たちによって、その何もない絶望の土地に閉じ込められて生活するようになってから100年以上が経っている

それ以来、彼らはそこでまるで忘れられたかのように、ひっそりと暮らしていた。



そのウインド・リバーに石を切り出す小さな採掘場ができ、会社が雇った白人たちが仕事をするためにやってきた。

なんの娯楽もなく、四方は4,000m級の山に囲まれた土地に置かれたトレーラーハウスに閉じ込められた白人男性たち。

そこで起きるべくして起きたのが、殺人事件だったのだ。



ネイティブアメリカンは100年以上も絶望と闘いながら、ひっそりと暮らしてきたその土地で、白人たちは数ヶ月間だけでもそこにいることに耐えられず、フラストレーションが溜まり、欲望の塊となって若い女性を襲う

日頃から身近に娯楽がある彼らにとって、「ただ自然しかない」その場所は耐えることのできない「地獄」なのだ。



そこで起きたレイプ事件は、絶対あってはいけないことだ。

しかし、その何もない土地に閉じ込められ、頭がおかしくなってしまう気持ちは理解できる。

それが仕事なのは分かっているし、永遠にそこに住むわけではないのもわかっているけれど、私だったらその雪しかない場所の静けさから一刻も早く逃げ出してくなってしまうだろうと思った。



問題はそこではなく、ネイティブアメリカンたちも彼らと同じ気持ちでその場所に住んでいるということなのだ。

しかも、彼らの場合は、長い間、引っ越しをすることも許されず、そこで一生を終えることを強制させられていたのだ。

そこに彼らを閉じ込めることに決めた人たちは、ネイティブアメリカンだから、広大な自然さえあればいいと思っていたのではないだろうか。



彼らだって同じ人間で、遊びたくなる時だってあるし、羽目をはずしたくなるときもある。

そもそも、アメリカは彼らの土地だったのに、白人たちが彼らの住む場所を勝手に決めてしまったのだ。

この「ウインド・リバー」という映画は、ネイティブアメリカンの置かれている立場を白人と置き換えて、彼らが長い間耐えてきた「闇」を彼らに分かりやすく伝えているのだ。



映画「ウインド・リバー」ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン



ネイティブアメリカンを象徴する狼とバランスを保つコリー

そのインディアン居留地における、ネイティブアメリカンと白人の関係をとてもよく表しているのが、オープニングの「狼」である。



アメリカでは20世紀前半に家畜を守ることを理由に狼を絶滅させていた

しかし、ネイティブアメリカンにとって狼は神聖な生き物だった。

そのため、ネイティブアメリカンからの要望により、その後、アメリカ政府はカナダからアメリカへ狼を導入させていた。



ワイオミング州でも1995年に狼の導入をしたが、いまだに牧場主の反発は大きいのだという。


そこで、コリー(ジェレミー・レナー)のような役所に雇われたハンターが、牧場の家畜を襲わないように狼の頭数の調整をしているのだ。



つまり、コリーは「ウインド・リバー」の中で白人たちとネイティブアメリカンの間に立ち、バランスを保つ役割をしているのだ。

元妻も、息子もネイティブアメリカンというのも、その彼の立場をよく表している。

そこで暮らす白人たちがみな、コリーのようにネイティブアメリカンの生活を尊重し、彼らの声を聞き、助け合って生活するようになれば、その殺人事件は起きなかったのだ。



コリーは「ウインド・リバー」で暮らすネイティブアメリカンと白人をつなぐ通訳的な立場であり、その土地のネイティブアメリカンたちの希望なのである。




映画「ウインド・リバー」ジェレミー・レナー



ネイティブアメリカンの立場になって考えるための作品

この「ウインド・リバー」は、絶望という土地に強制的に追いやられ、その後、全く見放されてしまったネイティブアメリカンの生活を、白人の目を通して描かれたものである。

亡くなった女性は他殺ではなかったけれど、コリーに追い詰められた首謀者は「寒さによる窒息死」がどういうものなのか身をもって思い知ることになった。

長い距離を歩いて逃げていた彼女に比べ、白人男性は数分ともたなかった。



そんな我慢強い彼らの生活を案内するためのガイド役として、世界的に人気のあるMARVELコンビが主役に選ばれたのだろう。



多様性が叫ばれるこの時代に、いまだに忘れられ、目を背けられて暮らしている人たちがそこにはいるのだ。

本編の終わりには、インディアン居留地で行方不明になってしまった女性たちの数が描かれているが、そのほとんどが、捜査もされないまま終了してしまっているという。

なんとも胸が締め付けられる話だった。



白人たちは、彼らの土地を奪ってアメリカに住んでいることを忘れてしまったのではないだろうか。



この映画は低予算で製作され、小規模公開からスタートしたのだが、その後異例のヒットとなり拡大公開されている。

それだけでも、意義があったことのように思う。

私もこの映画を観て、思い知らされることが多かったし、1人でも多くの人がネイティブアメリカンたちの現状を考えるきっかけになれば良いと思う。




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ジェームズ・マカヴォイ主演の映画「スプリット」を一足早く試写会で観てきた。

女子高生3人が誘拐されてしまうが、犯人は23+1人の人格を持っていた。

解離性同一性障害(多重人格)について描くサスペンススリラー。


満足度 評価】:★★★★☆

緊張感が解けないまま、最初から最後まで一気に見終えた後、もう一回最初から見直したい作品。

ベストセラーノンフィクション「24人のビリー・ミリガン」に多少フィクションを交えて、エンターテインメントにしたような作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「スプリット」予告編 動画

(原題:SPLIT)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年4月14日 試写会にて観た感想を掲載。

・2019年2月10日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

ジェームズ・マカヴォイ
…(「ミスター・ガラス」、「アトミック・ブロンド」、「X-MEN:アポカリプス」など)


〇ベティ・バックリー

ヘイリー・ルー・リチャードソン
…(「スウィート17モンスター」など)



監督・脚本

M・ナイト・シャマラン
…(「ミスター・ガラス」、「シックス・センス」、「アンブレイカブル」、「サイン」など)


2017年制作 アメリカ映画

映画「スプリット」




あらすじ


ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)、クレア、マルシアの女子高生3人は、クレアの誕生日パーティーの後、ある男(ジェームズ・マカヴォイ)に誘拐されてしまう。

彼女たちは、その男の家の一室に監禁されてしまうが、しばらくして、衝撃の事実に気付く。

その男の人格は1人ではなく、複数に別れており、中には女性や子供になることもあり…。


映画「スプリット」アニヤ・テイラー=ジョイ




感想


まるで「動物園の檻にいるライオン」を見るように、彼の行動をジッと見入ってしまう


※このブログはネタバレブログですが、この映画の結末についてはお話しません。
是非、映画をご覧になって結末をご自身で観てください。




もう10年以上前のことだが、初めて「24人のビリー・ミリガン」を読んだ時の衝撃は忘れない。

ノンフィクション作品を読んでいるにも関わらず、その内容は空想の出来事のようであり、フィクションを読んでいるかのような錯覚を感じた。



それは、ビリー・ミリガンという精神疾患の患者についての話なのだが、彼には24人の人格があり、その中には子供もいるし、女性もいる。

中には、犯罪を好む悪い者もいれば、高度な知識を持っている者もいる。

彼らは全員、1人の人間の中に同居している。

そんな人が本当に実在するのか…。という衝撃は今でも忘れない。



だから、この映画を観た時、私の頭によみがえったのは、その懐かしいノンフィクション作品「24人のビリー・ミリガン」だった。


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ケビン(ジェームズ・マカヴォイ)という一人の人間の中に、ヘドウィグという9歳の子供、パトリシアという女性、バリーというデザイナー、そして、彼らのリーダーデニスが同居し、常に、その時に応じて入れ替わっている。

あの「ビリー・ミリガン」が、本の中からそのまま出てきたと思った。

なので、この映画は、そういった「解離性同一性障害」の症例についてかなりリサーチをしてできた作品なんだろうと思う。



実際にこういう人がいるんだと思うから怖いし、だからこそ、彼の行動に見入ってしまう。

まるで「動物園の檻の中にいるライオン」をジッと見てしまうように…。

彼も同じ人間なのに…。



映画「スプリット」ジェームズ・マカヴォイ



超能力者は解離性同一性障害!?


その精神疾患について「24人のビリー・ミリガン」を下地にしたうえで、この作品をエンターテインメントにしているのは、「超能力者は『解離性同一性障害』である」という説である。

それは、M・ナイト・シャマラン本人が立てた説なのか、それとも精神科の中でそういった説があるのかは分からない。



なぜ、この話の中で、そんな仮説が出てきたのかと言えば、彼らのような疾患を持った患者が、様々な人格に変化していく際、その中の人格の1つに「人間が認知している領域を遥かに超えた能力を持つもの」が存在するからなのだという。

人格が変わると同時に顔つきや肉体まで変化してしまう。

その際、多重人格者は健常者が持っている能力を遥かに超えた能力を発揮する場合があるのだという。



だから、これまで「超能力者」と言われた人たちは、「解離性同一性障害」なのではというのが、この映画の主張である。

そして、その場合、どういうことが起きるのかをM・ナイト・シャマラン監督は、この映画の中で証明していく。



なので、映画の中に登場するケビンの中に暮らす23人は、あくまでも前フリである。

彼らは、全て最後に登場するある1人の人格のために生きており、この映画が伝えたかったのは、その最後の人格の人間としての可能性である。



映画「スプリット」ジェームズ・マカヴォイ



24人のジェームズ・マカヴォイ


そして、この映画を支えているのは、ジェームズ・マカヴォイの確かな演技である。

彼は、よくある「多重人格モノ」のような「今から変化しまーす」という雰囲気丸出しのあからさまな演技はしない。



9歳のあどけない表情をしたヘドウィグがいるかと思えば、しとやかなパトリシアに変わり、いつの間にか冷静沈着なデニスがいる。

それが、ワンシーンの中の僅かな瞬間に万華鏡のようにコロコロと様変わりしていく。



正直な話、この映画を観た時の衝撃の多くはジェームズ・マカヴォイの演技に気を取られてしまい、若干、物語を追うのがおろそかになってしまったような気さえする。

彼の演技を観ていて怖いのは、彼のような人が街をあるいていても、その中にある凶暴性に誰も気づかないということ。

そのリアリティ。



恐らく、誰もがクレアのお父さんのように、彼に普通に話しかけてしまうだろということ。

これは怖い。

日常生活に潜む悪とは、「いかにも悪い顔をした人」に宿るのではなく、彼のような「普通の人」に宿っているのだ。



ジェームズ・マカヴォイのリアリティを感じさせる演技は、そんな日常生活に潜む悪を感じさせるものだった。



映画「スプリット」ジェームズ・マカヴォイ



人間に秘められた不思議な力と、それを引き出す悲しい出来事の二面性


この映画は、これまで、「シックス・センス」や「サイン」、「アンブレイカブル」などで、人間の能力を超えた力(例えば第六感など)をテーマにして描いてきたM・ナイト・シャマランならではの作品である。

人には生まれながらにして科学で証明できない不思議な能力を秘めている。

彼はその神秘をサスペンスやスリラーと組み合わせて多くの作品を生んできた。

これも、その一連の作品の1つである。



そして、この映画で彼が強く描くのは「幼児虐待が生み出す不幸」である。

「解離性同一性障害」になってしまったケビンも、誘拐された女子高生のケイシーも幼い頃に虐待を受けたという共通点を持つ。

そして、だからこそなのか、彼らは他の人には理解することができない部分で通じ合っている。



幼い頃から虐待され、体罰、暴行を受けつづけた彼ら。

ケビンはそこから逃げ出すために、新たな人格を形成してしまう。



彼はなりたくてなったわけではなく、親の愛情を感じることができずに違う人格を生み出していった。

だから、彼の中には女性的なパトリシアや、子供のあどけなさを残すヘドウィグがいるのかもしれない。



ということは、ケイシーもこれからケビンになるような可能性を秘めているということなのか。

ちなみに、M・ナイト・シャマランは劇中にワンシーンだけ登場している。

この辺には彼のヒッチコックに対するオマージュを感じる。



もしも、これからこの映画を観る人がいるとしたら、映画を観る前にM・ナイト・シャマランの過去の作品、中でも「シックス・センス」や「サイン」、「アンブレイカブル」などを観ておくと良いと思う。

そして、予備知識として「24人のビリー・ミリガン」も合わせて読むことをおススメする。








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ソル・ギョング主演の韓国映画「殺人者の記憶法」を試写会で観た。

かつて連続殺人犯、今は痴ほう症になってしまった初老の男性が、連続殺人犯と出会い、犯罪に巻き込まれていくサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆

痴ほう症の男性が主人公の映画だと聞いて、韓国映画らしく「暗くて重い」作品なのかと思っていたら、時折笑える場面もあって、予想外に楽しい「痴ほう症エンターテインメント」作品だった。

そして、なんといっても主役の痴ほう症の男性を演じたソル・ギョングの顔力に圧倒された。


この感想には、ラストシーンに関してのネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「殺人者の記憶法」予告編 動画

(原題:살인자의 기억법)




更新履歴・公開、販売情報

・2018年1月29日 試写会にて観た感想を掲載。

・2018年12月7日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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原作本:「殺人者の記憶法」

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キャスト&スタッフ


出演者

ソル・ギョング
…(「22年目の記憶」、「1987、ある闘いの真実」、「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」、「監視者たち」、「ソウォン/願い」、「ザ・スパイ シークレット・ライズ」など)

キム・ナムギル
…(「無頼漢 渇いた罪」、「パイレーツ」など)

〇キム・ソリョン(AOA)

オ・ダルス
…(「朝鮮名探偵3 鬼(トッケビ)の秘密」、「MASTER マスター」、「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「国際市場で逢いましょう」、「朝鮮名探偵2 失われた島の秘密」、「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」、「7番房の奇跡」など)



監督

ウォン・シニョン
…(「サスペクト 哀しき容疑者」など)

2017年製作 韓国映画



韓国映画「殺人者の記憶法」



あらすじ


60代で獣医のビョンス(ソル・ギョング)は、妻が失踪し、娘のウニ(キム・ソリョン)と二人暮らし。

しかし、彼は痴ほう症を患い、時折記憶が飛んでしまう。

そこで、ウニは「大切なことを忘れないために」と音声レコーダーを渡し、もらったビョンスは何かあるとレコーダーに話し記憶するようになった。

そんなビョンスがある日車を運転していると、前の車に衝突してしまう。

その車の運転手であるテジュ(キム・ナムギル)は、車に傷がついたにも関わらず「気にしなくて良い」と言いうのだが、ビョンスはその車のトランクから血が滴っていることに気付く。

それを見たビョンスは「テジュは殺人者だ」とレコーダーに残す。

なぜならば、ビョンスもまた、殺人者だったからだった…。



韓国映画「殺人者の記憶法」ソル・ギョング


感想(ネタバレあり)


凶悪な連続殺人犯は「痴ほう症」


これはサスペンス映画である。

主人公のビョンスは「気に食わない人間を見ると殺したくなる」という衝動を抑えられない凶悪な連続殺人犯である。

ここしばらくは殺人を犯していなかったのだが、若き連続殺人犯・テジュと出会うことで、ビョンスの中の「殺人者魂」がよみがえってくる。



どうやら、DNAに「殺人犯気質」が刷り込まれていたようだった。

ただし、彼には決定的な欠点がある。

それは、彼が「痴ほう症」を患っていることだった。



「痴ほう症」ということは、どういうことなのか。

つねに記憶があちこちに行ったり来たりする。

そのため、「目の前にいる人間を殺したい」と思った次の瞬間には、なぜ、そこにいるのかすら忘れてしまうこともある。

だから、観客は主人公の行動が読めず、先の展開が予想できない



さらに、私たちはお年寄りや「痴ほう症患者」に対して、つい同情してしまうところがある。

韓国では、日本以上に目上の人を敬う傾向にあるので(最近はそれも減少傾向にあると聞くけど)、その「同情心」がより強いのではと思う。

観客としては、主人公が凶悪な殺人者であると分かっているけど、痴ほう症を患っていることで「気の毒な人」に見えてしまい、次第に同情してしまう。

凶悪な連続殺人犯であるにも関わらずだ。



さらに、ビョンスはかわいい娘・ウニと二人暮らしであり、このウニがまたあり得ないぐらいに良い子なもんだから、ますます同情してしまう。

本来ならば、恐れるべき人なのに。



この「殺人者の記憶法」は、そんな痴ほう症の「記憶の危うさ」と「周りの人の同情心」をうまく逆手にとって、サスペンス映画に仕上げた驚くべき作品だった。

ただの殺人者だったら、ベテラン殺人者 VS 新米殺人者のサスペンスとなったところを、ベテラン殺人者が「痴ほう症」というエッセンスを加えたことで、切なさや同情心がわいてきて、「連続殺人犯も一人の人間だ」ということに気付かされるという、とても不思議な映画でもあった



韓国映画「殺人者の記憶法」ソル・ギョングとキム・ソリョン


タブーを乗り越えろ!笑って楽しめる痴ほう症エンターテインメント!


しかし、「痴ほう症が主人公の物語」と聞くと「重くて暗い映画」なのではと思ってしまう。

私も、映画を観る前は、ポスターに写るソル・ギョングの顔面から感じる暗いイメージもあって「きっと重い映画なんだろう」と思っていた。



ところが、これが意外なことに、時折笑えるところもあるエンターテインメント作品に仕上がっていたのには驚いた



たしかに、痴ほう症の老人たちの行動は不可思議で、笑えるところも多々あるけれど「笑っては失礼」「笑いにしてはいけない」という「暗黙のタブー」のようなものが私たちの中にはある

この映画は、あえてその「タブー」を逆手に取り、時折笑える「痴ほう症エンターテインメント」に仕上げているのだ!!

それはもう、見事なまでに。



そして、先ども書いたように「彼は痴ほう症です」と聞くと、「あぁ気の毒に」と条件反射のように同情心が湧いてきてしまう



しかし、恐ろしいのは、「痴ほう症」になったからといって、連続殺人犯だった自分を忘れてしまうわけではなく、「人の殺し方」を体が覚えているというところである。

それは、たとえば、若い頃に大勢人を殺した殺人鬼が、逮捕されずに逃げおおせることができたけど、歳をとって痴ほう症になった頃、また「人殺し」を再開する可能性があるということである。

同情なんてしている場合じゃないのだ。

これには、原作小説があるようだけど、よく考えたなぁと思う。



つまり、ビョンスには、「微笑ましい痴ほう症患者という殻」の中に「凶悪な殺人犯」という内面があって「殺人者もまた人であり、歳をとれば他の人と同じように痴ほう症になるのだ」ということが分かってくる。

そしてそんなビョンスを観ている観客は、「凶悪な殺人者に同情してしまう」という、複雑な心境になっていくのだ。



韓国映画「殺人者の記憶法」ソル・ギョング


「不幸な家庭環境」が生んだ二人の連続殺人犯


しかし、このビョンス、殺人者になったのも、痴ほう症になったのにも理由があった。



彼は、幼い頃に父親から酷い暴力(DV)を受けていた

そんな彼が最初に殺したは「父親」だった。

それ以来、彼の父親のように「社会にとって害悪」となるような人間を見ると許せなくなり、殺しては竹林に埋めるようになった。



そのまま逮捕されることなく大人になったビョンスは結婚し、娘のウニが生れる。

しかし、彼の妻は浮気性であり、毎晩帰りが遅い。

そのことで口論になると、妻は「ウニの父親がビョンスではない」と告白する。

その妻の不貞行為が許せなかったビョンスは妻を殺し、いつものように竹林に埋めてしまう



その帰り道、彼は交通事故に遭い、頭を怪我した結果、痴ほう症になってしまうのだ。



つまり彼が殺人者になったのも、痴ほう症になってしまったのも、すべて「不幸な家庭環境」が招いたものだったのだ。

それもまた、観客がビョンスに同情する要素の一つとなった。

だからといって、ビョンスの過去を許すと言うわけではなく、「不幸な家庭環境」は犯罪者の温床になっているということをこの映画は訴えている



それを証拠に、同じく劣悪な家庭環境で育ったテジュもまた、凶悪な連続殺人犯の一人だからだ。



殺韓国映画「殺人者の記憶法」ソル・ギョングとオ・ダルス


テジュとの対決は、ビョンスの「連続殺人者だった自分」との決別


ベテラン殺人者・ビョンスと若手殺人犯・テジュは、表裏一体、お互いに鏡を見ているような似た者同士の関係である。

共に親からDVを受けるという不幸な環境で育ち、その結果、連続殺人犯となる。



ビョンスはテジュに「痴ほう症になる前の若かりし頃の自分」を見て、テジュはビョンスに「将来の自分」を見たはずだ。

だからこそ、お互いの手の内、次の一手が手に取るようにわかるのだ。



特に、痴ほう症になって、殺人を辞めていたはずのビョンスからしたら、テジュはビョンスにとって「捨て去りたい過去」だったのではと思う。

娘のウニは、そんなテジュにどことなく「父の面影」を見て、恋に落ちたのだろう。



だから、ビョンスにとってテジュ(=過去の自分)との戦いは「殺人者である自分との決別」を意味している

「殺人者」としての過去の自分を捨て去り、ただの「痴ほう症患者」になるのだ。

それは、ウニに「殺人者である」と告白することであり、逮捕されるということでもある。



しかし、ラストシーン。

真っ暗なトンネルを抜けたビョンスが「テジュはまだ生きている」と言う。

この終わり方について、韓国では「テジュは最初から存在しなかったのでは…」という解釈が拡散したのだという。

あくまでも、テジュはビョンスが頭の中で作り出した空想の人間なのだということらしい。



私はそうは思わなかった

そうではなく、ビョンスは殺人者だった自分との決別のためにテジュと対決したのだが、結局、彼のDNAに刻まれた殺人犯としての記憶を消し去ることはできなかったということなのではと思う。



暗いトンネルは、過去を示している。

ウニに全てを告白し、殺人犯として逮捕されたことで過去の暗いトンネルから抜けることはできたけど、彼の中にはまだ「殺人者としての記憶が残っている」ということであり、彼はまだ、「人を殺す可能性がある」ということなのだと思った。

人はそう簡単に生まれ変わることはできないのだ。

脳は忘れても、体は憶えている…。



殺韓国映画「殺人者の記憶法」ソル・ギョングとキム・ナムギル



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