ドイツ映画「ありがとう、トニ・エルドマン」を試写会で観た。
父と娘の交流を通して、人生の喜びとは何かを描くヒューマンコメディ。
アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。
【満足度 評価】:★★★★☆
たくさん笑って、最後にホロッとしてしまうコメディ。
娘にとって心配性のお父さんはウザい存在だけど、困った時は誰よりも甘やかしてくれる。
ダサくて迷惑な存在でも、やっぱりお父さんが大好き。
◆DVDで観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」
◆ネット配信で観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」(字幕版)
〇サンドラ・フラー
2016年制作 ドイツ・オーストリア合作映画

キャリアウーマンのイネス(サンドラ・フラー)はルーマニアのブカレストで石油会社向けのコンサルタントをする企業に勤めていた。
そんなイネスの元にドイツから父親のヴィンフリート(ペーター・シモニスチェク)が訪ねてきた。
突然の訪問に戸惑いながらも、取引先とのパーティに父を連れて行くイネス。
その一方でヴィンフリートは、父親が訪ねてきたのに常に仕事のことしか頭にないイネスが心配でしかたがない。
忙しそうにするイネスを置いてドイツへ帰ったヴィンフリート。
のはずだったが、その翌日、ヴィンフリートはイネスが出席するパーティに「ドイツ大使のトニ・エルドマン」と嘘をついて現れる。

娘にとって、心配性のお父さんはなかなかウザいもの。
そして、歳をとると、デリカシーがなかったり、空気を読んでないことを平気で言ったり、部屋を散らかしたりするのがまたまたウザくて、服装や髪型を気にしないのがダサくて嫌になってくる。
だから、つい冷たく当たったりしてしまう。
でも、困った時に助けてくれるのもお父さん。
お母さんにガミガミ叱られても、「まぁいいじゃないか」と言ってくれるのもお父さん。
そんな時は、ダサくてかっこ悪いなんて思っちゃってゴメンねなんて思っちゃう。
つまり、娘にとってお父さんっていうのは、世界で一番愛してくれる異性なのだ。
この映画の主人公イネスの場合、ルーマニアのブカレストに単身赴任しているところへ、お父さんが電撃訪問。
最初は、そんな突撃お父さんを「マジ、ウザッ」と思っていたのに、そのうち、その温かさがしみるようになってくる。

イネスの毎日はとても忙しい。
お得意さんをパーティで接待したり、休みの日は買い物に付き合ったり、家に帰ってもPCを開けて書類を読んだり、仕事の電話をしたり。
そうしているうちに人間らしさを忘れ、彼氏に酷いことを言ったり、自暴自棄になってドラッグに手を出したりしてしまう。
私もかつて「睡眠時間4時間」で一年中働きづめだったことがある。
だから、イネスの気持ちが良くわかる。
ぼんやりしている間も何かしていないと不安なのだ。
メールを読んだり、電話をしている間に一日が終了してしまう。
私はそんな生活をしているうちに、結局、身体を壊して仕事を辞めてしまった。
イネスもそんな身体を壊す一歩手前の状況のようだ。
だから、お父さんはイネスのことが心配になって、嘘をついてまで再び現れたのだ。
もう一度、イネスに子供の頃のような笑顔を取り戻して欲しい。
親だったらそう思うのも当然。
ダサくたって、カッコ悪かったって、ひたすらイネスを笑わせるためにそこにいる。

そんな父親からの愛をシャワーのように浴びたイネス。
それでも、なかなか「親の心子知らず」であって、やっぱりお父さんに会うと冷たくしてしまう。
お父さんの存在は有難いと思っているけど、でもちょっとウザい。
「誰にも頼らないで生きていく、誇りを捨てずに自分を信じて生きていく
とても素晴らしい愛があることに気付いたから…」
そして、全てがどうでも良くなってしまったイネスは、ヌーディストパーティを開催!!(笑)
ここで、「やっぱりドイツ人は世界で一番ヌードが好きな国民なんだなぁ」ということをしみじみと感じた(笑)
あれはやっぱり「ありのままの自分を解放する!」というイネスの宣言なんだろう。
そこへブルガリア伝統の悪魔祓いの被り物を着て登場したお父さん。
ドラッグを使ったイネスを心配してのことなんだろう。
なんとか、イネスと元に戻したいと思っての悪魔祓い。
しかし、本人はヌードで登場(笑)
お父さんが心配する程でもなかったみたい。

お父さんの生きる目的は、娘が幸せになること。
道を間違ったら、正しい道へと導いてあげること。
心を失ったら、失った心を取り戻してあげる。
それがお父さんの偉大なる無償の愛。
新しい人生を歩むことになった。
ここまで深く愛してくれて、気遣ってくれるお父さんがいるってすごく素敵なこと。
だからといって、トニ・エルドマンみたいなお父さんが欲しいかって言われたら、ちょっと考えちゃうけど(笑)
でも、その「ウザッ」って思われるぐらいの距離が調度良いんだろうな。
世の中には子供たちに無関心な親だってたくさんいるし、他界してしまっているお父さんだってたくさんいる。
元気に生きてていて、心配してくれるなんて、それだけでもなんて素敵なことなのか。
「ウザい」なんて言ってしまってごめんなさい。
でもね。やっぱりちょっと暑苦しいんだよね(笑)
いつもありがとう。
大好きだよ。
↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村
◆DVDで観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」
◆ネット配信で観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」(字幕版)
父と娘の交流を通して、人生の喜びとは何かを描くヒューマンコメディ。
アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。
【満足度 評価】:★★★★☆
たくさん笑って、最後にホロッとしてしまうコメディ。
娘にとって心配性のお父さんはウザい存在だけど、困った時は誰よりも甘やかしてくれる。
ダサくて迷惑な存在でも、やっぱりお父さんが大好き。
目次
「ありがとう、トニ・エルドマン」予告編 動画
(原題:Toni Erdmann)更新履歴・公開、販売情報
・2017年6月16日 試写会で観た感想を掲載。
・2018年8月29日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
現在、DVD、ネット配信、共に販売中。
◆DVDで観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」
![]() |
新品価格 |

![]() |
新品価格 |

キャスト&スタッフ
出演者
〇ペーター・シモニスチェク〇サンドラ・フラー
監督
〇マーレン・アーデ2016年制作 ドイツ・オーストリア合作映画

あらすじ
キャリアウーマンのイネス(サンドラ・フラー)はルーマニアのブカレストで石油会社向けのコンサルタントをする企業に勤めていた。
そんなイネスの元にドイツから父親のヴィンフリート(ペーター・シモニスチェク)が訪ねてきた。
突然の訪問に戸惑いながらも、取引先とのパーティに父を連れて行くイネス。
その一方でヴィンフリートは、父親が訪ねてきたのに常に仕事のことしか頭にないイネスが心配でしかたがない。
忙しそうにするイネスを置いてドイツへ帰ったヴィンフリート。
のはずだったが、その翌日、ヴィンフリートはイネスが出席するパーティに「ドイツ大使のトニ・エルドマン」と嘘をついて現れる。

感想(ネタバレあり)
娘にとってお父さんは世界で一番愛してくれる異性
娘にとって、心配性のお父さんはなかなかウザいもの。
私の経験からすると、若い頃は楽しみにしていた海外旅行がお父さんの横やりでボツになってしまったなんてこともあった。
そして、歳をとると、デリカシーがなかったり、空気を読んでないことを平気で言ったり、部屋を散らかしたりするのがまたまたウザくて、服装や髪型を気にしないのがダサくて嫌になってくる。
だから、つい冷たく当たったりしてしまう。
でも、困った時に助けてくれるのもお父さん。
お母さんにガミガミ叱られても、「まぁいいじゃないか」と言ってくれるのもお父さん。
そんな時は、ダサくてかっこ悪いなんて思っちゃってゴメンねなんて思っちゃう。
つまり、娘にとってお父さんっていうのは、世界で一番愛してくれる異性なのだ。
この映画の主人公イネスの場合、ルーマニアのブカレストに単身赴任しているところへ、お父さんが電撃訪問。
最初は、そんな突撃お父さんを「マジ、ウザッ」と思っていたのに、そのうち、その温かさがしみるようになってくる。
この映画は、そんなイネスとお父さんのお話。

仕事に心を奪われた娘を心配する父
イネスの毎日はとても忙しい。
お得意さんをパーティで接待したり、休みの日は買い物に付き合ったり、家に帰ってもPCを開けて書類を読んだり、仕事の電話をしたり。
寝ている時間以外は休みがない。
そうしているうちに人間らしさを忘れ、彼氏に酷いことを言ったり、自暴自棄になってドラッグに手を出したりしてしまう。
私もかつて「睡眠時間4時間」で一年中働きづめだったことがある。
だから、イネスの気持ちが良くわかる。
ぼんやりしている間も何かしていないと不安なのだ。
メールを読んだり、電話をしている間に一日が終了してしまう。
私はそんな生活をしているうちに、結局、身体を壊して仕事を辞めてしまった。
イネスもそんな身体を壊す一歩手前の状況のようだ。
だから、お父さんはイネスのことが心配になって、嘘をついてまで再び現れたのだ。
もう一度、イネスに子供の頃のような笑顔を取り戻して欲しい。
親だったらそう思うのも当然。
ダサくたって、カッコ悪かったって、ひたすらイネスを笑わせるためにそこにいる。
それこそが、父の娘に対する無償の愛なのだ。

「Greatest Love of All」が教えてくれたこと
そんな父親からの愛をシャワーのように浴びたイネス。
それでも、なかなか「親の心子知らず」であって、やっぱりお父さんに会うと冷たくしてしまう。
お父さんの存在は有難いと思っているけど、でもちょっとウザい。
しかし、あるパーティに出席した時に、父がピアノの伴奏をしてホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love of All」を歌った時
「誰にも頼らないで生きていく、誇りを捨てずに自分を信じて生きていく
とても素晴らしい愛があることに気付いたから…」
とイネスは歌いながら(これが思った以上にイネスの歌がうまい!!)、父の愛の大きさに改めて気付かされてしまう。
そして、全てがどうでも良くなってしまったイネスは、ヌーディストパーティを開催!!(笑)
ここで、「やっぱりドイツ人は世界で一番ヌードが好きな国民なんだなぁ」ということをしみじみと感じた(笑)
あれはやっぱり「ありのままの自分を解放する!」というイネスの宣言なんだろう。
そこへブルガリア伝統の悪魔祓いの被り物を着て登場したお父さん。
ドラッグを使ったイネスを心配してのことなんだろう。
なんとか、イネスと元に戻したいと思っての悪魔祓い。
しかし、本人はヌードで登場(笑)
お父さんが心配する程でもなかったみたい。
しかし、イネスからの「ありがとう」の一言は、悪魔祓いの甲斐があったのかも。

娘が幸せになるように導く。それが父の無償の愛
お父さんの生きる目的は、娘が幸せになること。
道を間違ったら、正しい道へと導いてあげること。
心を失ったら、失った心を取り戻してあげる。
それがお父さんの偉大なる無償の愛。
イネスは、お父さんの愛の大きさに気付き、仕事は転職。
新しい人生を歩むことになった。
ここまで深く愛してくれて、気遣ってくれるお父さんがいるってすごく素敵なこと。
だからといって、トニ・エルドマンみたいなお父さんが欲しいかって言われたら、ちょっと考えちゃうけど(笑)
でも、その「ウザッ」って思われるぐらいの距離が調度良いんだろうな。
世の中には子供たちに無関心な親だってたくさんいるし、他界してしまっているお父さんだってたくさんいる。
元気に生きてていて、心配してくれるなんて、それだけでもなんて素敵なことなのか。
「ウザい」なんて言ってしまってごめんなさい。
でもね。やっぱりちょっと暑苦しいんだよね(笑)
いつもありがとう。
大好きだよ。
↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村

◆DVDで観る:「ありがとう、トニ・エルドマン」
![]() |
新品価格 |

![]() |
新品価格 |






