とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ジェイク・ギレンホール



エイミー・アダムス主演の映画「ノクターナル・アニマルズ」を映画館で観た。

20年前に別れた夫から届いた一冊の小説。そこに綴られていたのは、自分が捨てたはずの過去だった。

映画は観たのだけど、ブログにレビューを書けなかったので、「ぴあ映画」さんに書いたレビューを紹介します。



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

サスペンスや社会派などの様々な側面がある中で、最も引きつけられたのは元夫の小説を巡る謎解き。

若い頃に封印したはずの過ちが小説に形を変えて元妻に復讐をする。

言葉の暴力が与える痛みの描き方には胸が苦しくなる



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. 感想


「ノクターナル・アニマルズ」予告編 動画

(原題: Nocturnal Animals)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月23日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年9月29日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者


マイケル・シャノン


〇アイラ・フィッシャー

〇エリー・バンバー

〇カール・グルスマン

アーミー・ハマー

ローラ・リニー


監督

〇トム・フォード


2016年製作 アメリカ映画



映画「ノクターナル・アニマルズ」



感想


以下の感想は私が「ぴあ映画生活」さんに書いたものです。


ノクターナル・アニマルズ (2016)


★★★★☆ [90点]「忘れたはずの過去に復讐される」

これはかなりの衝撃作で、映画を観終わった後に、息が苦しくなって、自分の気持ちをなだめるのに必死だった。



人生経験のない若さから生まれる無邪気さは、それはそれで素晴らしいけれど、時には恐ろしい残酷さをはらみ、自分が犯した罪に気付かないまま大人になる。

いや、気付きながらも、それを心の奥底に封印し「何もなかった」かのように人生を歩む。



そしていつの日か、自分がもっとも嫌っていた人種へと成長していることに気づく。



これは、自分が過去に手放した幸せからの逆襲である。



キッチリと蓋をして、封印したつもりでも、人は過去に犯した罪から思わぬ方法で復讐される。

そして、その罪を背負い、一生眠れない夜を過ごすことになる。



目の前にいる人の財力や地位を取り除いたら、一体何が残るのか。

じっくりと考えたい映画だった。

それにしても、衝撃作だった


Posted by pharmacy_toe on 2017/11/12 with ぴあ映画生活






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トム・ホランド主演の映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を映画館で観た。

人気シリーズ第2弾。夏休みに学校のヨーロッパ旅行に参加したピーターが、事件に巻き込まれてしまうアクション映画。


満足度 評価】:★★★★☆

めちゃくちゃ面白かった!

スパイダーマンもピーター・パーカーも、守ってくれる我が家を離れ、真のスーパーヒーローかつ、大人の男性へと成長する。

アクションは最高だし、笑いも満載で楽しかった

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』予告編 動画

(原題:Spider-Man: Far From Home)




更新履歴・公開、販売情報

・2019年7月15日 映画館にて鑑賞。

・2019年7月23日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓


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キャスト&スタッフ


出演者

トム・ホランド






…(「ナイスガイズ!」など)

〇コビー・スマルダース

〇ジェイコブ・バタロン


監督

ジョン・ワッツ
…(「COP CAR/コップ・カー」、「クラウン」など)


2019年製作 アメリカ映画



スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム



あらすじ


サノスとの戦い終結後、ピーター・パーカー(スパイダーマン)(トム・ホランド)にとって初めての夏休みがやってきた。

学校のクラブでヨーロッパ旅行に行くことになったピーターは、高校生らしく「大好きなMJ(ゼンデイヤ)に告白する」ことを目的にヴェニスへ向かう。

すると、そこで今で見たことのない怪物の襲撃に遭遇してしまう。

スパイダースーツをホテルに置いてきたピーターだったが、その場を助けてくれたのはミステリオ(ジェイク・ギレンホール)という名前のヒーローだった。

ミステリオによれば、サノスの襲撃により、マルチバース(多元宇宙)の入り口が開いてしまい、ミステリオがいたもう一つの地球を破壊した怪物たちがこの地球へやってきたのだと言う。

アベンジャーズが解散してしまった今、地球を救えるのはスパイダーマンだけであり、ミステリオと協力して怪物たちを倒すことになったのだが…。



映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」



感想(ネタばれあり)


居心地の良いホームを離れ旅立つピーターとスパイダーマン


スパイダーマンがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に登場してから2作目の本作。

今回のタイトルは「ファー・フロム・ホーム」(ホームから遠く離れて)である。



ピーター・パーカーにとっての「ホーム」とは、メイおばさんのいる我が家のことであり、スパイダーマンにとっての「ホーム」とは、師匠であるアイアンマンのいるアベンジャーズである。

しかし、ピーターはヨーロッパ旅行へ行って好きな女の子に告白をし、スパイダーマンはアイアンマンを失った状態で異次元からやってきた怪物に襲われてしまう。



つまり、この第2弾では、ピーターもスパイダーマンも、これまで困ったことがあれば助けてくれていた「ホーム」から離れ、一人の男性としても、また、真のスーパーヒーローとしても、成長する姿が描かれているのである。

これは、ピーターとスパイダーマンにとって「旅立ち」の物語なのだ。



映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」トム・ホランド



「親切な隣人」が「真のスーパーヒーロー」へ



「真のヒーロー」であり「一人前の男性」になるためには、様々な試練を乗り越えなければならない。



そこへ登場したのが「ミステリオ」である。

私も、このミステリオが登場した時は、いよいよ実写版スパイダーマンもマルチバースなのか!と思って、しばらく騙されていた。

(「スパイダーマン:スパイダーバース」がマルチバースの話だったから。)



ピーターは、そのミステリオに初めて会ったにもかかわらず、どんな人間なのかも分からないまま、すっかり信用してしまい、その挙句、いいように操られてしまう。

そこには、ニック・フューリーという強い味方がいたからなのだが。



そこでピーターは「本物を見抜く力」を試されるのだ。

ピーターがミステリオを信じ、やりたい放題させてしまったために、多くの被害者を出し、大切な友人たちを命の危険にさらしてしまう羽目になってしまう。



前作でも同じようなことがあり、その時はトニー・スターク(アイアンマン)が助けてくれた。

しかし、今はもうトニーはいない。

そこでピーターは自ら立ち上がり、なんとしてでもミステリオの暴走を阻止し、仲間たちを助けようと必死になるのだ。



その必死さがスパイダーマンを「真のスーパーヒーロー」へと導くのだ。



また、「MJに告白したいピーター」も、恋のライバルが現れ、スパイダーマンとしての仕事もあり、なかなかうまくいかない。

けれど、スパイダーマンとして真のスーパーヒーローになることが、人間としてもピーターを成長させていくのだ。



それは、社会人になったばかりの人が、責任ある仕事を任され、失敗したり、怒られたりしながらこなしていくうちに、人として成長していく姿に似ている。

ピーターはもう、街をパトロールするだけの「親切な隣人」には戻れないところまできているのだ。



映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」サミュエル・L・ジャクソン



自信を持って覚悟を決めれば、自ずと道は開ける


「真のスーパーヒーロー」や「一人前の男性」になるために必要なのは、「覚悟」である

ピーターは、あまりにも偉大過ぎるトニーを思い、「自分はトニーにはなれない」と思い込んでいた。



しかし、誰もピーターにトニーになって欲しいとは思っていないのだ。

ピーターがミステリオのサポートに回るのではなく、もっと自分に自信を持って、「自分が敵を倒すんだ」という覚悟を持って戦えば、自ずと「真のスーパーヒーロー」への道は開けていくのだ。



が、実のところ、「スパイダーマンはただの『親切な隣人』であって、『真のスーパーヒーロー』にはなれない」と思っていたのは、ピーターだけだったのだ。

トニーもピーターを信用しているからこそ眼鏡を託したんだし、ハッピーだって、大丈夫だと思っているから一人でヨーロッパに行かせたんだし、ニック・フューリーだって、ピーターは一人でも問題ないと思ったから影武者に任せて休暇を取っていたのだ。



大好きなMJにスパイダーマンだとばれてしまったことも精神的な支えになっている。

「好きな子が自分を尊敬してくれている」という気持ちは、ピーターにとって大きな支えになっている。

MJにばれてしまったからこそ、「もうやるしかない」という気持ちになったはずだ。



映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」ゼンデイヤ



ミステリオがピーターに与えた試練


もしもそこに「真の魔術師」であるドクター・ストレンジがいたら、すぐにミステリオの化けの皮がはがれ、話は秒で終わっていたかもしれない。

しかし、それではピーターは何もしないことになってしまい、「ファー・フロム・ホーム」の意味がない。

このミステリオは、ピーターを真のスーパーヒーローにするために与えらえれた試練なのだ。



共にヨーロッパへ旅行していた大切な仲間たちと、大好きなMJを助けるために、ピーターは覚悟を決め、自分の直感(ムズムズ)を信じてミステリオに向かって行く。



私は、そのピーターが成長していく姿を見て「スター・ウォーズ」でルークが自分のフォースを信じてヨーダの元から旅立っていく姿を思い浮かべた。

それでこそ、ピーターは「選ばれし者」であり、トニーがいなくても戦えるからこそ、真のスーパーヒーローなのだ。



「目に見えない敵」だったミステリを倒し、精神的な支えとなるMJの愛も手に入れたこのヨーロッパ旅行は、トニーにとって大人へ成長するための旅となった。

私には、そんなピーターの姿が頼もしく見えた。

もうアベンジャーズのメンバーには「あのガキ」とは言わせない!ぐらい成長したけれど、そう呼んでくれる彼らには会えないのかと思うと、それはそれで寂しい。



エンドロールの最中に流れる映像で、新聞社の編集長がスパイダーマンの暴露動画を紹介している場面が流れるけれど、あの編集長(J・K・シモンズ)は、トビー・マグワイア版初代スパイダーマンで、新聞社に勤務するピーターの上司である。

ということは、もし、第3弾が製作されることになったら(2019年7月23日現在、まだ正式には発表されていない)、ピーターは新聞社で働くことになるんだろうか…と思った。

いや、それとも、あんな暴露動画を流す新聞社では働かないか…。



いずれにせよ、次回(製作すると信じている)、真のスーパーヒーローになったスパイダーマンの活躍がとても楽しみだ。




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ジェイク・ギレンホール主演の映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」を映画館で観た。

2013年に起きたボストンマラソン爆破テロ事件で被害に遭い、両足の膝から下を失ってしまったジェフ・ボーマンが再起するまでを描く。実話の映画化。



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

最初から最後まで、ほぼ泣きながら観ていた。

両足を失って絶望の淵にいたジェフを救ったのは、同じ絶望を観ている人たちだった。

懸命に生きる姿は誰かを励まし、相手の痛みを知ることでジェフは強くなれたのだ。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」予告編 動画

(原題: Stronger)




更新履歴・公開情報


2018年5月16日 映画館で「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」を鑑賞。

2018年5月29日 感想を掲載。

2019年4月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者


〇タチアナ・マスラニー

〇ミランダ・リチャードソン

〇クランシー・ブラウン



監督

〇デヴィッド・ゴードン・グリーン


2017年製作 アメリカ映画



映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」




あらすじ


2013年4月 ボストンで暮らすジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)は、元カノのエリン(タチアナ・マスラニー)が、ボストンマラソンに挑戦することを知り、ゴールで応援して待っていると約束する。

そして、4月15日 ボストンマラソン当日。

ジェフはエリンを応援するボードを掲げて、彼女がゴールするのを待っていた。

しかし、その時、ジェフがいた場所の近くで大爆発が起きる。

ジェフは近くにいた人に応急手当をされ、病院に搬送されるが、両足の膝から下を失ってしまう…。



映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」ジェイク・ギレンホール



感想(ネタバレあり)


2013年4月 愛国者の日 ボストンマラソンの観客を狙った爆破テロ事件が発生


2013年4月15日、その日はアメリカ愛国者の日だった。

ボストンでは、毎年マラソン大会が開催され、その日も多くの観客がランナーたちにエールを送るためにゴール付近に集まっていた。

そして、トップのランナーがゴールしてから数分後、最も観客がにぎわっているゴール付近で爆破テロが起きる

その事件の詳しい状況については、マーク・ウォルバーグ主演の「パトリオット・デイ」を観るとよくわかる。



この映画の主人公 ジェフ・ボーマンは、その時、ランナーとして参加している元カノのエリーを応援するために、ゴール付近で応援ボードを掲げながら彼女が来るのを待っていた

その時、まさにそのジェフが立っている場所のすぐそばで、その爆破事件が起きる

そして、ジェフは両足の膝から下を失ってしまう…。



この映画は、そこからジェフが再起していくまで描いたものであり、テロについてはあまり詳しく描かれていない。

そのため、もしも、ボストンマラソンについてあまり知らない人は、先に「パトリオット・デイ」を見ておくことをおススメする。

知らなくても理解できるが、観ておいた方が、ジェフの心情についてより深く理解できると思う。



そして、両足を失ったジェフは、その日から車いすでの生活が始まる



映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」ジェイク・ギレンホール




苦しんでいるのは自分だけではないと知ることで強くなる


ジェフはどこにでもいる若者だ

スーパーストア コストコで商品管理の仕事をし、夜は友人たちとバーへ飲みに行く。

多くのボストン市民がそうであるように、野球チーム「ボストン レッドソックス」を愛し、バーでビールを飲みながらレッドソックスを応援する。



それが、ある日突然両足の膝から下を失ってしまう

まだまだやりたいことがあっただろうし、夢や希望を持っていたはずだ。

それなのに、いきなり奈落の底へと落とされてしまったのだ。



私は、そんなジェフの姿は涙なくしては見られなかった



その時、傷ついていたのはジェフだけではない

ボストン市もまた、そのテロ事件によって心が傷ついていた

亡くなった人もいたし、ジェフのように足を失った人たちが他にもいて、そんな地獄絵図を目の前で目撃してひどく落ち込む人もいた。

また、「テロとの戦い」で戦地に行った家族を失った人たちも大勢いた。



そんなボストン市民は、足を失ったジェフを「ボストン復帰の象徴」として見た

そもそも、爆破テロ犯捜査の際に突破口となったのが、ジェフの目撃情報であり、彼は犯人逮捕のヒーローの一人とされた



しかし、ジェフ自身はそんな「英雄扱い」を重荷に感じていて、酒に頼り、思考は後ろ向きで、「悲劇のヒーロー」となってエリーに当たるようになる

そんなジェフに嫌気がさしたエリーは、ジェフの元を去ってしまう。



エリーを失ってから徐々に正気を取り戻したジェフは、再び前を向き始め、大好きな「レッドソックス」の始球式に登場する。

この時、多くの人たちが家族を失ったり、テロの現場で惨劇を目撃して精神的に傷ついたりしたことでうまく社会復帰できていないことを知る

苦しんでいるのは自分だけではないと気付いたのだ。



なにも、品行方正で完ぺきなヒーローである必要はないのだ。

時には自暴自棄になりながらも、それでも希望を捨てずに生き続け、その姿を見せることが誰かの支えになるのだ。

そしてジェフ自身も、人の痛みを知り、「辛い思いをして生きているのは自分だけではない」ことに気付いて強くなるのだ。



きっと誰もがそうだろう。

立ち直れないぐらい辛いことがあった時、自分が世界の悲しみを背負っているという気分になってしまう。

しかし、そうではない。

世界には、もっと悲しい思いをしながら、必死で生きている人たちがたくさんいる。

自分が辛い時には、そういう人たちの存在を知ることで、「その人たちのためにも頑張ろう」と思えるのだ。



映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」ジェイク・ギレンホール




ヒーローではない、ダメな自分を理解してくれる人がいて強くなれる


ある日突然車いすでの生活を強いられ、周りからの期待に応えられず、自暴自棄になっていたジェフ

酒に溺れ、ネガティブな発言を繰り返し、恋人のエリーに八つ当たりをしていた。

そんなジェフが、前向きに生きるようになるきっかけは、エリーだ。



もしも、酒に溺れたジェフをそのまま甘やかし、ネガティブな発言や八つ当たりを許していたら、きっと今もジェフは酒に溺れた生活をしていただろう。

そんな自堕落なジェフについていけないと思ったエリーはジェフの元を去ってしまう。

それで、ジェフは目が覚めるのだ。



それまでエリーはとても献身的にしていた。

仕事を辞め、身の回りの世話から下の世話までして、落ち込んだ時は励まし、車の運転から車いすを運ぶのだって全部エリーがしていた。

それなのに、ジェフがいつまでも後ろ向きになっていたのでは、二人の未来はない

そう、エリーは思ったに違いない。



エリーを失ったジェフが気付いたのは「本当の自分を理解してくれる存在の大切さ」だったはずだ。

ジェフとエリーは、ボストンマラソンまで何度も付き合ったり別れたりを繰り返していた。

ボストンマラソンの時は別れていたのに、事件後、足を失ったジェフを看護するうちに寄りを戻していた。

だから、事件が起きる前も、起きた後も、ジェフの良いところも悪いところも、誰よりも知っているのがエリーだったのだ。



ジェフはエリーを失って初めて、エリーの存在の大きさに気付くのだ。

人は一人では生きてはいけない

だからこそ、本当の自分を理解してくれる人が必要なのだ。



そして、ジェフはエリーに必死に生きている自分を見せるために、義足で歩く練習を始める。

ジェフが義足をつけて歩く練習をする姿は、テロによって傷ついた誰かの支えとなっているが、そんなジェフにとっては、エリーが生きる支えになっているのだ。



映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」ジェイク・ギレンホール



災難に遭っても、必死に生きている姿は誰かの力になる



2011年3月11日に日本で東日本大震災が起きた後、私たちは壊滅的な被害を受けた東北の街が元気になることを願っていた。

東北にある野球チームの「楽天イーグルス」を応援することで、彼らを復帰の象徴とした。

そして、家族や家を失った人たちが元気でがんばっている姿を見て、「私もがんばらなきゃ」と思ったものだった。



それと同じことが、この映画にも言える。

多くのアメリカ国民が、ボストンで起きたテロを観て「Boston Strong(ボストン、がんばれ!)」と言って励ました

地元の野球チーム「ボストン レッドソックス」を市民が一丸となって応援することで、彼らを復帰の象徴とした。

そして、犯人逮捕に向けて有力な情報を提供した英雄のジェフが頑張って生きている姿を見て、人々は励まされ「私も頑張ろう」と思うのだ。



この映画を観ると、そう思われた当人は、時にプレッシャーに押しつぶされながら、自暴自棄になったり、後ろ向きになったりして、もがき苦しみながら生きているのだということを知る。

誰もが初めから英雄ではないのだ。

テロや災害で失ったことを受け入れるのはとても難しいことなのだ。

それでも、苦しみに負けることなく生き続けることは、きっと誰かの力となる

そして、同じく苦しみを抱えながら生きている人と出会い、互いの痛みを共有し、他人の痛みを知ることで人はより強くなるのだ。




この映画はきれいごとばかりでなく、ジェフの汚いところも、人間的に成長できていないところも全部見せてしまうところが魅力だ。

私たちも、いつ災難に遭い、ジェフのような人になるとも限らないからだ。

私たちが完ぺきな人間でないように、ジェフもまた普通の人なのだ。

だからこそ、私はこの映画に共感するのだ。

悲しみのどん底にいて、辛い思いをしている人にこそ、観て欲しい作品だった。



 ↓ ジェフ・ボーマン本人(左)と彼を演じたジェイク・ギレンホール(右)
映画「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」ジェフ・ボーマン本人(左)と彼を演じたジェイク・ギレンホール(右)



関連記事


〇2013年4月15日 ボストンで何が起こったのか。ボストンマラソンテロ事件の映画化









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ジェイク・ギレンホールの映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」を試写会で観た。

ある日突然、妻を交通事故で亡くした男が、喪失感と向き合い、心を含めた全てを破壊し、再生していく物語。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

心が壊れた時は、全てを分解してもう一度組み立て直せば良いという考え方が面白いと思った。

悲しみの感じ方は人それぞれ。悲しみからの立ち直り方も人それぞれで良い。

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」予告編 動画

(原題:Demolition)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジェイク・ギレンホール
…(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」)

ナオミ・ワッツ
…(「チャック~”ロッキー”になった男~」、「ヴィンセントが教えてくれたこと」、「追憶の森」、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「21g」、「キング・コング」)

クリス・クーパー
…(「カーズ/クロスロード」(声の出演)、「夜に生きる」、「8月の家族たち」、「ザ・タウン」、「シービスケット」、「遠い空の向こうに」など)

監督

ジャン=マルク・ヴァレ
…(「私に会うまでの1600キロ」、「ダラス・バイヤーズクラブ」など)

2015年製作 アメリカ映画



雨の日は会えない、晴れた日は君を想う



あらすじ


金融会社の会社員デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、交通事故で妻を亡くしてしまう。

しかし、そのことに対して悲しみを感じないデイヴィスは「妻を愛していなかったんだ」と思うようになる。

そんなデイヴィスを不審に思った義父フィル(クリス・クーパー)は彼に対し、

「お前は心が故障している。機械が故障したら全てを分解して組み立て直す。心も機械と同じだ。心が故障した時は、一度全てを分解して組み立て直す必要がある」と語りかける。

それ以来、デイヴィスは周りにある物を、次から次へと分解し始めるのだが…。



雨の日は会えない、晴れた日は君を想う3



感想(ネタバレあり)


「悲しい時は、涙を流して悲しむべき」と言うのは悲しみの押し売りだ


悲しみの押し売りが嫌いだ。

例えば、ある「感動作」に対し、「この映画を観て泣かない奴は人間じゃない」とか「人として欠陥がある」と言い切る人がいる。

余計なお世話だと思う。



悲しみの感じ方は人それぞれで、瞬間湯沸かし器のように急激に涙に襲われる時もあるし、しばらく時間が経ってからジワジワくる悲しみもあるし、口にできない悲しみもある。

それを、自分と同じように感じないからダメ人間と言い切ってしまう、その感覚が私には分からない。

そういう「悲しみの押し売り」をする人たちからすると、この映画の主人公デイヴィスは、明らかにダメ人間であり、欠陥人間である。



デイヴィスは、妻を交通事故で亡くしてしまう。

しかし、その事実を聞いても、涙が出てくるワケではない。

葬式だって、いつもと変わらない日常だった。

そんなデイヴィスを気に入らない義父は、彼に対し「お前の心は壊れている。一度、分解して組み立て直す必要がある。」と言う。



彼こそが、人をそっとしておくという配慮ができない「悲しみの押し売り屋」だ。

ところが、そんな彼のデリカシーのない一言は、デイヴィスが悲しみと向き合うきっかけになった。



雨の日は会えない、晴れた日は君を想う4



心が故障した時は、全てを壊してもう一回組み立て直せば良い


私は、妻を亡くした悲しみと向き合えないデイヴィスの姿を観て、

「この人は心に大きな壁ができている人だな」と思った。

たとえ、夫婦間の愛情が冷めていたとしても、毎日言葉を交わし、顔を合わせていた人がいなくなって悲しくないはずがない。

ただ、その「亡くなったこと」が受け入れられていないだけだと思った。



彼の本当の悲しみは、心にできた大きな壁の向こうにあるんだけど、そのことに本人が気付いていない

ベルリンの壁が崩壊したように、いつか適切な時期が来て、その壁が崩壊するのを待つしかないなと思った。



しかし、その壁を壊す瞬間が思ったよりも早く来たのは、義父の「心を分解して組み立て直せ」と言った一言があったからだった。

デイヴィスは、妻との思い出の品を次から次へと壊し始め、心の壁を少しずつ薄くしていった。

そして、なんと最後は家までも…。もうここまでくると笑いがこみ上げてくる。



雨の日は会えない、晴れた日は君を想う5



仕事も家族も一切絡まない友人は癒しの存在


全ての思い出を壊した後に必要なのは、それを組み立て直し、再生していく作業だ。

そのお手伝いをしたのが、シングルマザーのカレンと息子のクリスだ。



彼らの何が良いって、仕事もプライベートも一切絡みがないところ。

心の整理をして再出発する時に、こんなに都合の良い知り合いは他にいない



自分の両親にも、妻の両親にも、会社の同僚にも息が詰まるし、ストレスになるだけ。

でも、一切関係のないカレンとクリスは、デイヴィスが書いた苦情の手紙の内容だけで、素性の分からない彼を認めてくれ、気遣ってくれる。

これ、すごく良く分かる。



私も仕事で辛い時は、仕事も家族も一切絡まないプライベートの友達がすごく癒しになるし、彼らと会っている間は嫌なことを忘れられる。

だから、そういう友人関係は大切にしないといけないなと思う。

デイヴィスにとって、カレンとクリスの存在は、すごく癒しの存在だったんだろうなぁというのが、良く分かる。



雨の日は会えない、晴れた日は君を想う2



ふとした瞬間にやって来る悲しみのダムの決壊


そして、デイヴィスが全てを破壊して、心が整い始めた時、彼の目に妻の付箋紙が目に入る。

それが、心の壁が決壊する瞬間だ。



「雨の日は会えない、晴れの日は思い出す」

そして、いつも気付いたことは付箋にメモして貼っていた妻の癖を思い出し、自然と涙が溢れだす。

ようやく、彼は新しい人生をスタートすることができた。



2人の思い出が詰まったメリーゴーランドを組み立て直し、新たな人生を歩み始める。

悲しいことが起きた時、実感がわかなくて涙も出ない時がある

でも、しばらくして1人になった時、堰を切ったように涙が溢れだす瞬間がある

この映画が描いているのは、そんな瞬間だ。



その時は、悲しみを感じていないのではない

悲しみに気付いていないだけだ。

そんな時は、1つずつ思い出をたどり、心を分解してみると良い。

すると、心の壁の向こうにしまった悲しみに出会えるから。







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ジェイク・ギレンホールの映画「ライフ」を映画館で観た。

宇宙ステーションが地球外生命体によってパニックに陥るSF映画。


満足度 評価】:★★★★☆

タイトルの通り、「生命の神秘」に溢れたSF映画だった。

行動が予測不能な地球外生命体の動きが面白かった。

この自然界を全て人間が支配していると思ったら大間違いで、人間が勝手に寝た子を起こしたのなら、その傲慢な行いが報いを受けるのも当然なんだろう。


「ライフ」予告編 動画

(原題:LIFE)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジェイク・ギレンホール

レベッカ・ファーガソン
…(「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「愛の亡命」、「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」など)

ライアン・レイノルズ
…(「デッドプール2」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「デッドプール」、「黄金のアデーレ 名画の帰還」、「ワイルド・ギャンブル」、「あなたは私の婿になる」など)

真田広之
…(「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」、「レイルウェイ 運命の旅路」など)

〇アリヨン・バカレ

〇オルガ・ディホヴィチナヤ


監督

ダニエル・エスピノーサ
…(「チャイルド44」など)


2017年製作 アメリカ映画

ライフ

あらすじ


宇宙ステーションが火星探査機に採取させた砂を調査したところ、生物と思われる細胞を発見する。

しかし、その細胞が冬眠状態にあったため、科学者のヒュー(アリヨン・バカレ)は、気体を地球に生命が生まれた頃の状況と同じに設定し、ブドウ糖を与えたところ、細胞が動き出しみるみる成長するようになった。

地球では、「世紀の発見」だと言われ、その細胞にはカルビンという名前が付けられる。

ところが、そのカルビンの学習能力が高く、人間を襲うようになってしまい…。


ライフ2

感想(ネタバレあり)


人間が「自然の摂理」を超えた時


科学者の「飽くなき探求心」が、自然界で超えてはいけない「一線」を越え、罰としてその報いを受ける時



似たような話で言えば、「ジュラシック・パーク」、「ジュラシックワールド」シリーズ。

研究者が「本物の恐竜が見たい」という夢を叶えるため、琥珀の中で化石になった蚊の血液からDNAを採取し、足りない部分を爬虫類(カエルなど)のDNAで穴埋めし、恐竜のクローンを生み出すことで「一線」を超えてしまった。

「恐竜は絶滅した」のが自然の摂理にも関わらず、人間の「本物が見たい」という傲慢な欲望がその摂理を書き換えてしまった。

それを許さなかった自然は、作り出した恐竜を通じて人間に襲いかかっていく。



この映画「ライフ」では、火星で何億光年も昔に絶滅し、冬眠状態となっていたカルビン。

その眠っていた細胞を発見し、「世紀の大発見だ!!」と喜んでいた人間たちは、その細胞に命を吹き込み、「一線」を超えてしまう。

自然界はカルビンを通じて、「一線」を超えた人間たちに罰を与えることとなる



この映画はタイトルの通り、そんな「生命の神秘」に溢れた作品だった



ライフ3



人間にとって未知の研究でも、相手にとって人間は「ただの餌」


きっかけは、先程も書いた通り「寝た子を起こした」ことに始まる。

科学者のヒューは、手塩にかけて、地球外生命体 カルビンの面倒をみていた。

それは彼の科学者としての探求心から来るものだっただろう。



宇宙ステーションで研究するような世界でもトップクラスの科学者なら、その世紀の大発見に飛びついて当然だし、誰よりも熱心に研究して当たり前だ。



それに、ヒューがカルビンの研究に熱意を燃やすのは、それだけが理由ではなかった。

彼は両足が不自由で、地球上では車椅子なしで移動することができない

万能細胞であるカルビンを研究すれば、彼のように手足が不自由な人の助けになるかもしれない



もっと言えば、自分も普通の人と同様に歩けるようになるかもしれない。

そう思ったからこそ、彼はカルビンの研究により熱心に取り組んでいた。



しかし、愛は盲目であり、視界を曇らせる。

そのヒューの熱に浮かれた慢心は、カルビンをつけ上がらせるだけだった。

そこから、カルビンは人間を「餌」だと思うようになる



ライフ4



宇宙で争ったら「地球のルール」は通じない


出会ったばかりの頃は、天使のように愛らしかったカルビンだったが、大きくなるにつれ力を増し、人間に襲いかかるようになる

その豹変ぶりは、クリオネのそれと全く同じである。



誰が、その変貌を予測しただろうか。

そもそも、「火星に生命はいない」と思い込んでいたことが慢心を招き、「人間が制御できる」のだと勝手に推測したのではないか。

残念ながら、人間は地球上にいる細菌や生物、癌細胞やエイズウィルスだって完全に制御することができていない



にも関わらず、地球外生命体であるカルビンを制御できると思ったら大間違いなのではないか。



こう言ってはなんだけど、私は自分の家にでたゴキブリ(以下G)でさえ、この映画のクルーと同じぐらい大騒ぎし、命がけで向かって行く(笑)

ところが、あのGはどこへ向かって行くのか、完全に予測不能である。

「ここには入れないだろう」という小さな穴に入っていき、完全に人間の目をくらまして逃げてしまう。

それは、人間の予測に反し、Gの奴らは自分たちの体を伸縮させて体の大きさを変えることができるからだ。



このカルビンだって同じだろう。

人間が想像する以上の力を持ち、変幻自在に体の大きさを変えて小さな穴に入っていく。

そして、見事に匂いをかぎ分けて人間の血の匂いに吸い寄せられていく。



その、とことん人間の予測とは違う動きをするカルビンがとても面白かった

ライアン・レイノルズ演じるローリーは「焼き払ってやる!!」と言っていたが、「火に弱い」なんていうのは人間の思い込みで、むしろ、「火が大好物」の生物なのかもしれないのだ。

カルビンからしたら、「どうもありがとう」と思っているかもしれない。



何事も、「地球のルール」でカルビンを考えようとするところに問題があったのだ。

それこそが、「生命の神秘」であり、そのカルビンを起こしたことが「越えてはいけない一線を越えた罪」に値するのだ。



自然を、壮大な宇宙をなめんなよ。

自分たちだけが高等な生物だと思ってんじゃねーよ。

そんな声が宇宙から聞こえてきそうな映画だった。



ライフ5



自然界に「人間が予測できること」など1つもない


結局、宇宙ステーションのクルーたちと、地球にいる人間たちの「人間以外の生物」に対する「探求心」が「寝た子を起こした」ことになり、自然の摂理に沿わなかった人間は罰として報いを受けることになる

映画のラストで、救助艇Aと救助艇Bに別れたデビッド(ジェイク・ギレンホール)とミランダ(レベッカ・ファーガソン)。



宇宙ステーションから脱出したのは良いけれど、そこで、破壊された宇宙ステーションの欠片が飛んでくるなど、誰が想像したのだろうか

ところが、そのこと自体が人間の慢心なのだ


自然災害を始め、地球も宇宙も「人間の予測通り」に動くものなど、この世に1つもない

大震災クラスの地震が、何月何日何時何分に来るなど正確に予測することはできないし、台風の進路だって大きく外れることもある。



デビッドとミランダがカルビンを地球から遠ざけるために、救助艇に乗る時、デビッドはミランダに「君は操縦しなくて良い。君はそのままにしていれば軌道に乗る」「僕は操縦して地球から離れるよ」と言った。

そう言われて安心しきったミランダは、本当に操縦をしなかったため、宇宙ステーションの欠片にはじかれて軌道を大きく外れることになってしまった。



一方でデビッドは彼に張り付いたカルビンによって、操縦することができなくなってしまった。

なんという神のイタズラ。

これは、「世紀の大発見だ!!」と大喜びした人間に対する、神様からのプレゼントなんだろう。

そして、国民全体が、「自然界の一線を越えた罪」に対する報いを受けることになった

これも、必然なんだろう







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Netflixオリジナル映画「オクジャ okja」を試写会で観た。

スーパーピッグのオクジャと飼い主ミジャの冒険物語。


満足度 評価】:★★★★★

最後の方は泣きっぱなし。

「嫌だ、お願いだからオクジャをミジャの元に返してあげて!!」と願いながら、引き裂かれてしまう巨大動物ミジャとオクジャの愛情に完全に感情移入していた。

自分たちの食欲のために、多くの動物を犠牲にしている人間はつくづく傲慢だなと思うけど、その反面、食べることが大好きな自分もいて、じゃぁ、動物のために肉食を辞めることできるのかと言われれば、それもできず、なんとも言えない気持ちになる映画だった。

その「なんとも言えない気持ち」で今の飽食の時代をどう見るのか。

私たちは本当に贅沢すぎる生活をしていないのか…。なかなか身につまされる作品だった。

「オクジャ okja」予告編 動画

(原題:okja)





キャスト&スタッフ


出演者

ティルダ・スウィントン
…(「サスペリア」、「ドクター・ストレンジ」、「ヘイル・シーザー!」、「フィクサー」、「コンスタンティン」など)

ポール・ダノ
…(「グランド・フィナーレ」など)

〇アン・ソヒョン

〇リリー・コリンズ

ユン・ジェムン
…(「22年目の記憶」、「少女は悪魔を待ちわびて」、「海にかかる霧」、「ブーメランファミリー」、「私は公務員だ」など)

〇ピョン・ヒボン

〇チェ・ウシク

ジャンカルロ・エスポジート
…(「メイズ・ランナー 最期の迷宮」、「ポーカーナイト 監禁脱出」、ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」など)

ジェイク・ギレンホール
…(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」)

監督

〇ポン・ジュノ

製作総指揮

ブラッド・ピット
…(<出演>「マネー・ショート」、「フューリー」、「ワールド・ウォー・z」、「イングロリアス・バスターズ」、<製作>「ビューティフル・ボーイ」、<製作総指揮>「ムーンライト」など)


2017年制作 アメリカ、韓国合作映画

オクジャokja

あらすじ


韓国の山奥でひっそりと暮らしていたミジャ(アン・ソヒョン)とスーパーピッグのオクジャ。

しかし、ある時ルーシー・ミランド(ティルダ・スウィントン)が経営するミランド・コーポレーションがオクジャをNYへ連れ去ってしまう。

スーパーピッグはミランド社がより安く、より美味しい食肉を消費者に提供するために遺伝子組み換えをして作り出された動物だった。

世界中の農場で育てられたスーパーピッグの中でも、最も理想的な成長をしたオクジャをアメリカで「世界一のスーパーピッグ」として表彰し、宣伝に利用しようと思ったためだった。

幼い時からオクジャと共に姉妹のように過ごしてきたミジャは、オクジャを取り戻すためにNYへと向かうのだが…。


オクジャokja2

感想(ネタバレあり)


より安くておいしい肉を追及して生まれたスーパーピッグ


この映画の見どころは、スーパーピッグの「オクジャ」と家族のように暮らす飼い主の少女ミジャの胸が締め付けられる愛情物語である。

巨大動物?スーパーピッグ??と言われると、イマイチ、ピンと来ないかもしれないが、共に姉妹のように育ったペットと少女の関係のようなものだと考えると分かりやすい。

毎日共に遊び、助け合いながら育ち、言葉を交わさなくても分かり合える。

そんな彼らの観ているだけで心が温まるような愛情関係が、人間の強欲によって引き離されてしまう。

そこから、私たちは人間の愚かさや、自己中心的な生き方を教えられるのである。

それでは、そのスーパーピッグとは一体何なのか??

その名の通り、「ただの大きな豚」である。

アメリカの大手食肉製造会社のミランダ社が「より安く、より安全でおいしい食肉を、より多くの人に提供するため」に遺伝子組み換えして製造した豚である。

しかし、「遺伝子組み換え」と言うと消費者が寄り付かないので、表向きは南米のチリで発見された「奇跡の豚」だということにしている。

遺伝子組み換えによって生まれたスーパーピッグは世界26か国の農場で飼育され、最も優秀な豚は10年後にアメリカの本社で表彰されることになっていた。

そして、スーパービッグ誕生から10年後、その「最も優秀な豚」にオクジャが選ばれ、NYへと連れて行かれることになってしまった。

国産牛で例えるなら、最も優秀な松坂牛が品評会で表彰されるようなものか。

店先に「〇〇の品評会で優秀賞をもらいました」と賞状が飾られ、それが店の宣伝になるように、オクジャはミランダ社にとっての「看板豚」だったのだ。


オクジャokja3


人間にとって豚はただの家畜なのか、それとも家族なのか


オクジャはミジャにとっては家族でも、ミジャの保護者であるおじいちゃんにとっては、初めから売り飛ばすための家畜だった。

そのことをミジャに隠していたから、話がこじれてしまう。

ミジャは大切な妹を悪者たちに奪われたと思い、おじいちゃんお制止を振り切り、オクジャ奪還のために行動を開始する。

おじいちゃんからすれば、ミジャがペットの豚のためにそこまでするとは思わず、「ソウルに連れて行かれた」と言えば諦めると思ったのだ。

ところが、ミジャは決して諦めなかった。

このミジャの意思の強さは、この映画の魅力の1つである。

ミジャの目の前にあるのが強化ガラスだろうと、言葉の通じないアメリカだろうと、電流の通った有刺鉄線だろうと、その向こう側にオクジャがいるのであれば、そんなものが彼女を止めることはできない。

何があってもオクジャを韓国の家に連れて帰る。

その目的に向かって猪突猛進な彼女の姿に心が打たれる。

彼らの間にある愛情は、男女の愛情や、親子の愛情を超えるかもしれないと思えるぐらい、強い絆で結ばれていた。


オクジャokja4

企業 VS 動物愛護団体 「食肉」を巡る消費者不在の争い


しかし、ミジャは所詮子供だ。

結局、彼らは利益優先を促進しようとする食肉産業の思惑と、それを阻止しようとする動物愛護団体との争いに巻き込まれていく。

それはオクジャとミジャには何の関係もないにも関わらずだ。

彼らは共に暮らしたいだけで、家畜になった気もなければ、動物愛護を訴えるつもりもない。

ただただ、見事に「大人の事情」に踊らされていく。

さらには、食肉産業と動物愛護団体の戦いには、肝心の「消費者」が不在である。

食肉産業は会社の利益ばかりを重視し、消費者は「安ければ何でも買う」と言って見下している。

動物愛護団体は「どんな動物も殺してはいけない」という自分のエゴを貫き通し、食肉を必要としている多くの消費者を無視している。

消費者は遺伝子組み換えを望んではいないが、できれば安くて美味しい食肉を食べたいのだ。

オクジャとミジャは、その狭間で見事に翻弄されていたのだ。

オクジャというスーパーピッグは本来、誰のために作られたものだったのか。

消費者のためでもなく、ましてや貧しい人たちのためでもない。

ただ、自分たちの利益のために作られたクリーチャーだったのだ。


オクジャokja5

それが傲慢だと分かっていながらも自分の中でモヤモヤする矛盾


そんな薄汚い人間の愚かな争いの中で翻弄されるオクジャとミジャの純愛から、私たちは人間の傲慢さや自己中心的なものの考え方を教えられたように思う。

しかし、そこで自己矛盾が生まれる。

例えば、焼き肉を食べに行った時に、高級なカルビと安いサムギョプサルがあったら、迷わず安いサムギョプサルをたくさん注文してお腹を満たしていないだろうか。

ちょっと生活費が大変な時は、安いハンバーガーで済ませる時だってあるのではないか。

その私たちの「安い物嗜好」が、食肉産業の「より安くて、美味しい食肉の開発」につながっていく。

その中で、オクジャのような被害者が生まれるのである。

オクジャとミジャの愛情に涙を流し、「お願いだから引き離さないでくれ」と言ったところで、その責任の一端は自分自身にある。

このなんとも言えない皮肉さが、この映画のすごいところである。

「オクジャを助けてくれと言うなら、明日から豚肉を食べるな」と言われたら、私だったら「ごめんなさい」と言ってしまいそうだ。

だから、私たちにできることは、「より安い物をお腹いっぱい食べる」ことではなく、なるべくなら、より体に良い食べ物を適度に選ぶことなのだ。

うーーん。すごく難しい。

しかし、そう意識をしていかないと、いつか本当にオクジャのような犠牲がでるかも(いや、もう既にどこかでそんな犠牲が出ているかも)しれない。



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ジェイク・ギレンホール主演の映画「ムーンライト・マイル」をWOWOWで観た。

婚約者を亡くした青年が、彼女の家族と過ごすうちに迷いの中から本当の自分を見出し、大人へと成長していく物語。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

若いうちはいろいろ迷うし悩むし、本当にやりたいことなんて分からないよね。

それは良く分かるけど、かといって、ガツンと心に残るものもない作品だった。


出演ジェイク・ギレンホールダスティン・ホフマンスーザン・サランドン、エレン・ポンピオ、ホリー・ハンター

監督・脚本:ブラッド・シルバーリング 2002年製作 アメリカ映画

「ムーンライト・マイル」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:MOONLIGHT MILE)




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あらすじ


ジョー(ジェイク・ギレンホール)の婚約者であるダイアナは、近所のファミリーレストランで起きた銃撃事件の流れ弾に当たって亡くなってしまう。

彼は、彼女の葬式に参列し、それ以来ずっと彼女の家族と共に暮らしている。

不動産業を営むダイアナの父ベン(ダスティン・ホフマン)は、以前よりダイアナとしていた「ジョーがベンの仕事を手伝う」という約束を守り、葬式の翌日からジョーを連れて歩くようになっていた。

文筆業をしているダイアナの母ジョージョー(スーザン・サランドン(「ニューヨーク、愛を探して」など))は、ダイアナの死から立ち直ることができず、まだタイプライターを打つことができずにいた。

ムーンライト・マイル

感想(ネタバレあり) 若い頃は、きっと誰もが意志が弱く悩んでいた


まだ20代の頃、「あなたのやりたいことは何ですか」と聞かれると、「うーーーん」と悩みこみ、頭を抱え、やりたいことがあっても、キチンと自分の口で説明することができない。

たとえ何かを言ったとしても、「なぜ?」と聞かれると、「なんとなく…」と答えてしまう。

私にも、そんな意志の弱い時代があった。

今はやりたいことがたくさんあって困っているのに(笑)

この映画「ムーンライト・マイル」を観ていて思い出したのは、そんな若い頃の意志の弱かった私だった。

それから随分月日が経ち、今になれば、当時の私が、なぜすぐに「うーーーーん」となっていたのかが良く分かる。

それは、どれもがやりたいことであり、同時にどれもがやりたくないことだったからだ。

あれもいいけど、これもいい。こっちもやってみたいけど、いろいろ面倒くさい。

それは、まるでこの映画「ムーンライト・マイル」の主人公ジョーと全く一緒だった。

婚約者のダイアナを亡くしたばかりのジョーは、彼女の葬式が終わってからも、彼女の家族と一緒に暮らしていた。

それは、以前から、「結婚したらダイアナのお父さんと一緒に仕事をする」と約束していたからだ。

しかし、実は、ダイアナが亡くなる直前に婚約は破棄していた。

そのことをジョーは「なんとなく」言い出せずにいたため、お父さんのベンとやりたくない仕事をやらされる羽目になっていた。


ムーンライト・マイル2

「臆病な自分」から脱皮する時


若いジョーは、「自分のやりたいことをつき通せば、きっと周りを傷つける」と思い、ダイアナとの婚約を破棄することも伝えるのが遅れ、その結果、ダイアナがベンに伝えるのが遅くなってしまう。

そして悲劇の事件が起きてしまう。

しかし、その「これを言ったら周りを傷つけてしまう」というのは、若者特有の言い訳にすぎない。

そうではない、なんとなく日々に流され、人と対立することを恐れ、臆病になり、その結果、後手に回ってしまっただけに過ぎない。

ただ自分の意志が弱くて言い出せなかったことに対し、「周りを傷つけてしまう」と言い訳しているだけだ。

自分の言動に責任を持ち、発言、行動をするのが大人ならば、ジョーはまだまだ大人になっていない状態だったのだろう。

人に気を使っているつもりで言わなかったことが、結局、後々になってより多くの人を傷つけることになるから、言いたいことは早めにわなければいけない。

ジョーはその時、そのことを学んでいる最中だった。


ムーンライト・マイル3

そして、責任のある大人へ


そんな幼さの残る彼を変えたのは、近所に住む女性バーディだった。

親友と市か思えなかったダイアナに対し、バーディは、本当の女性であり、恋をした相手だった。

ジョーはバーディとの新し人生を切り開くために自分の気持ちに素直になり、全てのことを打ち明けようと決心する。

この、女性に恋をして成長していくところが、なんとも男性らしくて微笑ましい。

女性は、男性と別れて成長する女性が多いのに(笑)

この違いは何なんだろうね(笑)

そして、自分の発言と行動に責任を持ってようやく、自分の気持ちに素直になり、全てを打ち明けることが最善の道で、周りの人たちも幸せにするということを知る。

しかし、ジョーが告白をしてからすぐに、ダイアナの両親が手のひらを返したようにスッキリと前を向き出したのは、ちょっと早急すぎる気もした。

ジョーの告白に対する怒りや葛藤はないのかな??

それはちょっと、あまりにも聞き訳が良過ぎる気もした。

ムーンライト・マイル4

目玉は大物俳優のキャスティング


とはいえ、この映画の目玉は、なんといっても、ダスティン・ホフマン(「ネバーランド」など)、スーザン・サランドンジェイク・ギレンホールの3人の共演だろう。

ちょっと神経質だがアクティブで働き者のお父さんをダスティン・ホフマンが、サバサバとして、ちょっと男っぽく、人に媚びないお母さんをスーザン・サランドン(「ニューヨーク、愛を探して」など)

そして、意志が弱く、何事も迷ってばかりの青年をジェイク・ギレンホール(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」など)が演じている。

またこれが、この3人に合わせて脚本を書いたのか??と思えるぐらい、それぞれにピッタリの演技を見せてくれる。

そして、海外ドラマ「グレイズ・アナトミー」のエレン・ポンピオがジェイク・ギレンホールを大人に変えていく女性の役で登場する。

彼女が映画に出ているのはとても珍しいが、とても印象的で良い役だったと思う。

 ↓ 「グレイズ・アナトミー」のエレン・ポンピオが珍しく映画に出演している
ムーンライト・マイル5

本当はもっと葛藤があるのでは…


きっと誰もが若い時には、迷い、悩み、ハッキリと物が言えない時期を過ごしたことだろう。

そうしているうちに、いつの間にか人を傷つけ、自分がまだまだ子供だったことを、大人になってから知る。

この映画「ムーンライト・マイル」はその成長の過程を描いている。

とはいえ、ダイアナの家族の立ち直りの速さには、ちょっとアメリカ映画特有のご都合主義が見えなくもない。

もっと怒って、その怒りをジョーにぶつけて、発散し、それを受けたジョーも、自分がやった過ちに気付いて共に成長するっていう話だったら、もっと感動したのかもしれない。

自分の子供を失った親の喪失感は、もっと深くて辛いものではないかと思う。



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ジェイク・ギレンホール主演、アントワーン・フークワ監督の映画「サウスポー」を試写会で観た。

全てを失った元世界チャンピオンのボクサーが、どん底からはい上がって再生していく話。

満足度 評価】:★★★★☆

泣いた~。

前半は、愛する人を亡くした悲しさから、後半は、どん底からはい上がっていく成長物語に感動して、二段重ねで泣かされ、最初から最後まで、泣きっぱなしだった。

「サウスポー」予告編 動画

(原題:SOUTHPAW)





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あらすじ


ボクシング世界ライト・ヘビー級チャンピオン ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、無敗の王者に君臨していた。

両親がいない彼は、幼い頃に養護施設で育つが、彼と同じく施設で育ったモーリーン(レイチェル・マクアダムス)と結婚し、二人三脚でチャンピオンの地位を築いてきた。

しかし、怒りを抑えられない彼はモーリーンの注意を聞かずに、ライバルとのケンカを引き起こし、そこで彼女を亡くしてしまう。

ボクシング以外のことの全てをモーリーンに頼っていた彼は、失意の中、家も、お金も、そして娘までも失ってしまう。

もう、どうにもならなくなった彼が頼ったのは、街にある小さなジムのトレーナー、ティック(フォレスト・ウィテカー)だった。


サウスポー

感想(ネタバレあり)人生の頂点からどん底へ突き落とされた男の話


オープニングは、ビリーの世界チャンピオン防衛戦から始まる。

NYのマジソン・スクエアガーデンで大観衆の中、見事に防衛を決める姿は、人生の頂点を極めた男の姿そのものだった。

また、彼の横には美人妻モーリーンが支える姿があった。

私は、「誰かに支えられるよりも、誰かを支えていることが好き」なタイプの人間。

なので、しっかりと寄り添い、ビリーの心の支えになっているモーリーンを羨望のまなざしで見つめ、「あぁ、私もあんな風に誰かを支える人になりたい」と思いながら観ていた。

オープニングから人生の頂点を極めるっていうことは、ここから挫折を味わうんだろうなぁなんて思っていたら、モーリーンが亡くなってしまった。

挫折なんてもんじゃない。失意のどん底だった。

それまでに描かれていた二人の心の絆の強さを観ていたから、ビリーはモーリーンを失ってもキチンと生きていけるんだろうかと、心配になってしまった。

サウスポー4

「仕事以外は何もできません」という男の悲劇


すると当然のごとく、ビリーの生活は破綻してしまう。

彼は、ボクシングの以外の全てを、お金の管理も、マネージメントも、スケジュール管理も、その全てをモーリーンに頼って生きてきたために、何もできなくなってしまう。

私は、こういう「仕事以外のことは何もできません」っていう男性がとても好き。

なんでもやってあげたくなっちゃうし、「あなたは仕事だけしていてくれれば良い」って言ってあげたくなってしまう。

だからなのか、余計にモーリーンに共感するし、その後のビリーが心配でしょうがなかった。

ちゃんと、ご飯は食べられるのか、娘とはちゃんと向き合えるのか、これからどうやって生きていくのか…。

サウスポー6

ジェダイマスターのごとく登場するトレーナーのティック


そこで登場するのが、フォレスト・ウィテカー演じるボクシングのトレーナーのティック。

彼はビリーに対し、ボクシングだけでなく、日常生活から、言葉遣い、人としての考え方までサポートしていく。

父を知らずに育ったビリーにとって、ティックは父親のような存在だっただろうか。

ティックに会うまでは、誰よりも自分がNo.1であり、モーリーンを亡くして不幸な自分のことしか考えられなかったビリーが、彼と出会うことで、精神面を鍛えられ、心に余裕ができ、周りの人たちに目がいくようになる。

同じジムで練習する少年ホッピーの面倒を見るようになったり、娘に対しても、彼女が自分に何を求めているのかを考えるようになる。

そのビリーの精神面の成長が、ボクサーとしても強くなっていく。

私にはティックがジェダイマスターのオビワンに見えた(笑)

よくありがちなスポ根ドラマのように、毎日、血反吐を吐くような練習をして強くなるわワケではなく、「人としての成長」にスポットをあてて、ビリーを再生させるところにとても共感した。

「人間的に成長してこそ、真のチャンピオンなり」っていう姿勢がすごく良かった。

サウスポー3

出演は、ジェイク・ギレンホール、レイチェル・マクアダムス、フォレスト・ウィテカー


主役のビリーを演じるのは、ジェイク・ギレンホール

この役は、昨夏公開された「ナイトクローラー」の後に撮影したらしい。

ナイトクローラー」ではガリガリの役(気持ち悪い程に!!)を演じた彼が、そこから6か月かけてこのビリーの体を作ったそう。

好きなんだなぁ。ジェイク・ギレンホール

毎回、ジェイク・ギレンホールなりの解釈で、キチンと役になりきっているところが好き。

今回は、カッとなったら止まらないビリー。

生きていくことに不器用で、モーリーンがいなければ何もできないボクサー。

なんとも頼りない感じにとても惹かれてしまった。

他の出演作には、「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「遠い空の向こうに」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「ブロークバック・マウンテン」など


サウスポー2



ビリーの妻、モーリーンを演じるのはレイチェル・マクアダムス

最近、もっとも売れている女優の一人。

ラブコメから、サスペンス、政治的な作品までバランスよく出演している。

今回のレイチェル・マクアダムスかわいかったなぁ。

もっと長い時間観ていたいぐらい、ファッションも可愛かったし、素敵だった。

他の出演作には、「ドクター・ストレンジ」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「誰よりも狙われた男」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」、「消されたヘッドライン」、「きみに読む物語

サウスポー5


どん底のビリーを立ち直らせるトレーナー、ティックを演じるのは、フォレスト・ウィテカー

さっきも書いたけど、ジェダイマスターみたいだったなぁ。

もう、トレーナーというより、お坊さんみたい。徳がある感じ。

そんな彼も普通の人間らしいところがあって、ホッピーの死に取り乱すところにはグッときてしまった。

そんなジェダイマスターのようなフォレスト・ウィテカーも、今年は「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」が12/16に公開待機中。

本当にジェダイマスターの役だったりして(笑)

他の出演作には「メッセージ」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「96時間/レクイエム」、「ファーナス/訣別の朝」、「ケープタウン」、「贖罪の街」、「クリスマスの贈り物」など

サウスポー8

監督は男臭い映画が得意なアントワーン・フークワ


そして、監督はアントワーン・フークワ

この監督さんは、非常に男性の心理描写が上手な方で、男臭いイメージ。

これまでの作品には、「マグニフィセント・セブン」、「トレーニング・デイ」、「クロッシング」、「イコライザー」など

サウスポー7

チャンピオンになった時、彼は大人になった


この映画の中で最も印象的なシーンは、ラストシーンだった。

チャンピオンベルトをそっとティックに差しだすビリー。

とてもベタだけど、それこそが「自よりも他を優先する」大人になった証だった。

気づけばいつもの定位置にモーリーンはいない。

でも、彼には何より大切な娘がいる。

きっと、これからは、娘がビリーの面倒をみるんだろうなぁ(笑)

ご飯とか、掃除、洗濯とか(笑)

でも、絶望で終わらずに、二人の明るい未来が見えるような終わり方になっていて良かった。

これからも、前を見て歩くんだよ。ビリー。



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グウィネス・パルトロウ主演、アンソニー・ホプキンスジェイク・ギレンホール共演の映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」をWOWOWで観た。

偉大な数学者を父に持つ娘が、病の父の介護と父の名を超える苦悩を描く。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」

満足度 評価】:★★★★☆

父と娘、、姉と妹、新しい恋人と自分など、それぞれの関係を通じて自分とは何者かを証明していく映画。

じっくりと、俳優たちの演技を楽しめる映画だった。

「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」予告編 動画

(原題:PROOF)





キャスト&スタッフ


出演者

グウィネス・パルトロウ
…(「アイアンマン」、「コンテイジョン」、「恋におちたシェイクスピア」など)

アンソニー・ホプキンス
…(「ハイネケン誘拐の代償」、「羊たちの沈黙」、「アミスタッド」、「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」、「9デイズ」、「ノア 約束の舟」など)

ジェイク・ギレンホール
…(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、「プリズナーズ」、「エヴェレスト3D」、「ミッション:8ミニッツ」、「サウスポー」、「ムーンライト・マイル」、「遠い空の向こうに」、「ブロークバック・マウンテン」)

ホープ・デイヴィス
…(「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」、「ディス/コネクト」など)

監督

ジョン・マッデン
…(「恋におちたシェイクスピア」、「マリー・ゴールドホテルで会いましょう」など)


2005年制作 アメリカ映画



あらすじ


シカゴで暮らす27歳のキャサリン(グウィネス・パルトロウ)は、最近偉大なる数学者の父親(アンソニー・ホプキンス)を亡くしたばかり。

自宅の父の書斎には、父の弟子である数学者のハル(ジェイク・ギレンホール)が入り浸って父の研究を漁っている。

NYに住む姉のクレア(ホープ・デイヴィス)は、父の葬儀のため帰宅し、キャサリンと目が合えば小言が絶えず、ケンカばかり。

そんな中、キャサリンは、父や彼女のことを気遣ってくれるハルに心が惹かれ始める…。




感想(ネタバレあり)


親の老いは悲しく切ない


親の老いを目の当たりにするっていうのは、悲しいものだよね。

それは、子供のとても勝手な言い分だとは分かっているけど、とても偉大だった親が老いていくのはすごく寂しい。

主人公のキャサリンは27歳。

とても偉大な数学者を父に持つ。

父に似て数学が好きな彼女は、大学で数学を学び始める。

ある時、彼女は自分が証明した定理について、父に意見を聞こうとした時、もう父は、彼女の書いた理論について、1行も理解できない状態になっていた…。

これは、切ないよなぁ。

27歳の娘としては、まだまだ親に褒めて欲しい時だったのだと思う。

しかし、現実は彼女に対して、とても冷たかった。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス



ひねくれ、こじらせ、もがきながら親の殻を破る娘


彼女が証明した定理は、父に検証してもらうことなく埋もれていくところで、恋人のハルがそれを見つけ出す。

この時、キャサリンは父以外の人間に認めてもらう瞬間だった。

なのに、彼女は素直に喜ばない。

それは、キャサリンの証明を、父のものだと勘違いしたためだった。

もしも、この時、少し素直になって彼女が証明したものだと、キチンと説明すれば良かった。

しかし、そうではなく、ひねくれてしまったために、話をこじらせてしまった。

「あぁもったいない。素直に喜べばいいのに」と思うのは、すっかり大人になって、人生の中で物事の進め方を学んでしまったから。

キャサリンは、27歳とはいえ、まだまだ子供で、父親の庇護が欲しい年頃だった。

その庇護という殻を一生懸命破ろうとし、話をこじらせてしまった。

それは、本人も良く分かっている。

だからこそ、一旦、シカゴを出てNYへ行くという提案を受け入れ、空港へ向かうタクシーの窓を開け、ハルの投げたノートを受け入れたんだ。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ホープ・デイヴィス、ジェイク・ギレンホール



全ての殻を破った時、「本当にやりたいこと」が見えてくる


そして、ほんの少し心の扉を開けたキャサリンは、そこから「本当に自分がやりたいこと」に気付く。

これは、本当にハルの力が大きい。

「君が見つけたことを証明しよう」と言ってくれたハル。

彼の力がなければ、父の殻を破って外に出ることはできなかったと思う。

この映画の良いところは、こんなにひねくれちゃったキャサリンにも、すごく優しく温かく接しているところだ。

人はみんな素直にすくすく成長できるわけではない。

時には、深く傷つき、そのせいでひねくれる時もあるし、言ってはいけないことを言ったりもする。

でも、そんな時だからこそ、優しく手を差し伸べたら、またすくすくと成長する生き物なのだ。

その彼女の成長の過程を観るのが、深く考えさせられ、また清々しい映画だった。

映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ホープ・デイヴィス、ジェイク・ギレンホール



豪華な出演者の演技を観ているのが楽しい映画


主人公のキャサリンを演じるのは、グウィネス・パルトロウ

彼女は、とてもクールなイメージだけど(例えば「アイアンマン」シリーズのペッパー)、こうやって喜怒哀楽が激しい役もやるんだなぁと思った。

また、その喜怒哀楽の激しさがとても良かった。

何かに行き詰ったり、傷ついたりした時は、こうやって落ち込んで、怒って、泣くことで、ネガティブな感情を全部吐き出すことも必要だよなぁと思った。

また、それが成長するということでもあるんだよね。

とても将来が気になる数学者、キャサリンだった。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ


キャサリンの父で偉大なる数学者には、アンソニー・ホプキンス

さすがに、彼は出てきただけで数学者に見えるんだなぁ。不思議なことに。

ただ、うつ病患者には見えなかったし、彼がどれだけ偉大な数学者だったのかというのも、ちょっと伝わりづらかった。

ちょっと彼については説明不足のところがあったかなぁと思った。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、アンソニー・ホプキンス


キャサリンの父の弟子であり、キャサリンの恋人になるハルに、ジェイク・ギレンホール

本当に、いつも、ジェイク・ギレンホールは優しい彼氏だよね。

そこは裏切らない。

今回も、キャサリンの良いところも、悪いところも理解して側にいてくれる優しい彼氏。

で、彼はそれをちゃんと自然に表現するから良い。

安心して観ていられる。


映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」ジェイク・ギレンホール


監督は、「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン

グウィネス・パルトロウとは2作目。

視線がね、優しくて良いんですよ。この監督は。



映画「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」グウィネス・パルトロウ、ジェイク・ギレンホール



「一緒にがんばろう」と言ってくれる人のありがたさ


この映画を見てて思ったのは、自分が精神的に追い詰められた状況にある時って、「君が正しいよ。だから、一緒にがんばろう」って言ってくれる人の存在って、本当に大きいなぁと思った。

世間を騒がせたSTAP細胞の話も、同じように「力になるから、一緒に証明しよう」っていう人がいたら、少しでも状況が変わったのかもしれないなと思った。

だれかが手をつないでくれたり、背中を押したりしてくれるだけで、その目の前に広がる世界が変わってくる。

だから、そんなことがあった瞬間は、絶対にひねくれたり、そっぽを向いたりしてはいけない。

しっかりと、相手と見つめ合って、本気かどうかを確かめた上で、一緒に前に進むことが大切なことなんだと思う。







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ジェイク・ギレンホール主演、6月公開予定の新作映画「サウスポー」の予告編を観た。

ストイックな雰囲気あふれるジェイク・ギレンホールが良い!!

レイチェル・マクアダムス、フォレスト・ウィテカーも共演。

バックに流れるエミネムの曲もかっこいい!公開が楽しみだぁ~。

【観たい度】:★★★★☆


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〇 「サウスポー」観てきました!!

映画の感想はこちらから →「サウスポー」号泣した!!人生のどん底に突き落とされた世界チャンピオンのボクサーが再生する物語。ジェイク・ギレンホール主演映画【感想】

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「サウスポー」予告編 動画

(原題:SOUTHPAW)




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何より気になる豪華なキャスティング


うぉぉぉぉぉ。面白そうではないの~。

「サウスポー」公式サイトによれば、「全てを失ったボクサーが、家族のために自分を変えて再びリングに上がる。」という人間ドラマだそう。

ふむふむなるほど。

それだけ聞くと、なんだかありがちな感じもしなくもないけど、この映画、なんと言ってもキャスティングが良い!!


サウスポー



主人公のボクシング・チャンピオンにジェイク・ギレンホール(「ライフ」「オクジャ okja」「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」「ナイト・クローラー」「ミッション:8ミニッツ」「エヴェレスト3D」「プリズナーズ」「遠い空の向こうに」「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」)。

ジェイク・ギレンホールって、ストイックな役がすごく似あうよねぇ。

前作の「ナイト・クローラー」とは、ガラリと変わって、筋肉ムキムキになってるし (^^;)

サウスポー2


そして、彼の再生の鍵を握る男にフォレスト・ウィテカー

いや~、いいね。すごく厳しそうで、でも、「再生したい」という思いにとことん付き合ってくれそう。

ジェイク・ギレンホールとの演技合戦もじっくり観たい感じ。

他の出演作には、「メッセージ」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「ファーナス/訣別の朝」「贖罪の街」「クリスマスの贈り物」「ケープタウン」「96時間/レクイエム」など

サウスポー3

そして、ジェイク・ギレンホールの妻役に、レイチェル・マクアダムス

予告編を見る限り、良妻賢母的な雰囲気がするけれども、奥さん殺されちゃうんだよねぇ??

こんなにかわいい奥さんが殺されちゃうなんて、それだけで胸が痛むけど、彼はそこから立ち直れるんだろうか。

他の出演作には、「ドクター・ストレンジ」「スポットライト 世紀のスクープ」「アバウト・タイム」「消されたヘッドライン」「誰よりも狙われた男」など

サウスポー4


他の出演者には、50セントなど。

そして、主題歌はエミネムが担当。

そもそも、この映画は、エミネムの実体験を元に作られているそうで。

となると、「8マイル」を思いだすよねぇ。あれも良い映画だったなぁ。

監督は、「イコライザー」、「トレーニングデイ」、「クロッシング」のアントワーン・フークワ

と聞くと、渋い作風になりそう。

いろいろ楽しみだなぁ。

そもそも、アメリカでは昨年の7月に公開されたこの映画、なぜか、日本では今年の6月に公開予定。

なんで、そんなに遅れちゃったんだろう。

なにはともあれ、劇場公開されることになって良かった。楽しみだなぁ

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〇 「サウスポー」観てきました!!

映画の感想はこちらから →「サウスポー」号泣した!!人生のどん底に突き落とされた世界チャンピオンのボクサーが再生する物語。ジェイク・ギレンホール主演映画【感想】

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