とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ジャパンプレミア



キム・ムヨル主演の韓国映画「7人の追跡者」をWOWOWで観た。

ギャンブルのアガリを巡って様々なひとが奪い合うコメディアクション映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

どうしても金が欲しい人たちが、大金を巡って浅ましい争いを繰り広げるクライムコメディ!

思わず爆笑してしまうところもあって、テンポよく楽しめた それだけでなく、その「金」を通して社会を風刺する皮肉にあふれたブラックな面も面白かった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『7人の追撃者』予告編 動画

(原題:머니백(マネー・バック)英題:Snatch up)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年8月13日 WOWOWにて鑑賞。

・2019年8月16日 感想を掲載。




キャスト&スタッフ


出演者

…(「ウンギョ 青い蜜」など)



〇チョン・グァンリョル



監督

〇ホ・ジュンヒョン


2018年製作 韓国映画



韓国映画「7人の追撃者」



あらすじ

フリーターのミンジェ(キム・ムヨル)は、お母さんが病気で入院してしまい、手術が必要になるが、手術代が払えない。

何としてでもお母さんに手術を受けさせたいミンジュは、違法ギャンブルへ。

そこで、大金を当てたミンジュだったが、借金をしていた高利貸しに全額奪われてしまう。

一方で、ギャンブル好きのチェ刑事(パク・ヒスン)は、支給されている拳銃を担保にギャンブルをするが負けてしまい、ペク社長(イム・ウォニ)に奪われてしまう…。

また、ムン議員(チョン・グァンリョル)は票を金で買って選挙に勝つために、その資金をペク社長に出させようとするのだが…。



映画「7人の追撃者」キム・ムヨル



感想(ネタばれあり)


大金を巡る狂騒曲。果たして金は誰の手に!?


お金が必要な人たちによる、ギャンブルで当てた大金をめぐる狂騒曲。



お母さんの手術代が必要なフリーター ミンジェ。

拳銃を担保にギャンブルで賭けをして、負けてしまい、なんとしてでも拳銃を取り戻したいチェ刑事。

仕事がなく、生活のために金が欲しい殺し屋。

選挙で勝つために、票を金で買いたい人気のない政治家 ムン議員。

違法ギャンブルの経営を続けていくために、政治家に渡す賄賂が必要なペク社長。



彼らは、主人公のミンジェがギャンブルで当てた大金を奪い合う。

果たして、大金は一体誰の手に!?



貧乏人も金持ちも、みんな金が必要

そこで彼らは「一攫千金」を狙って浅ましい戦いを繰り広げる

そこから見えてくるのは、「金」がないと何もできない社会の構図



この映画は、その「金の流れ」を通して「社会」を風刺するブラックコメディだった。



映画「7人の追撃者」パク・ヒスン



ここから見えてくる「金」>「命」の社会構造


きっかけは、主人公のミンジェにお母さんの手術代が必要になったことだった。

公務員を目指してコンビニでアルバイトをしながら勉強していたミンジェだが、収入が少なく、滞納と借金が貯まり、当然、お母さんの手術代が払えない。



ここで、ビックリしたのは韓国の社会事情。

日本だったら、先に必要な手術をして、その手術代をどうするか、分割にするか、一括にするかは、その後、病院と相談して決めること。



ところが、韓国はそうではなく、「手術代を払えなければ手術はしません」というのが病院のスタンス

それならば、例えば、救急搬送された場合は、家族がいきなり「手術代を至急支払ってくれ」と言われるということだろうか。

ということは、「金」>「命」ということになる。



金持ちは長生きして、貧乏人は金が払えず死んでいくということなのか。

そこからも、韓国の格差社会が見えてくる



資本主義だから、金があれば何でもできるが、金がなければ何もできないのは基本だと思うけれど、社会福祉は別に考えて欲しいところ。

国民皆保険制度の日本は幸せなことなんだなと改めて思う。

アメリカの医療制度も韓国と同じようなものだし、むしろ日本のようなケースが珍しいのかもしれない。



映画「7人の追撃者」イム・ウォニ



人は大金を目の前にすると浅ましくなる…


人によって金の使い途は様々だ。

お母さんの手術代が欲しいミンジェ、拳銃を奪い返したいチェ刑事、票を金で買いたいムン議員…。

貧しい者も富める者も、みんな「金」が欲しい



なぜなら、この社会は「金」がないと何もできないからだ。

そんな「金」中心の社会を、住みやすい社会にするのが政治の役割のはずだ。



ところが、公務員である刑事が違法ギャンブルに入り浸り、政治家が票を金で買おうとしている。

それで社会が良くなるはずがない



彼らの様子を見て、庶民の味方はどこにいるのか…と考えた時、残念ながら、どこにもいない。

むしろ、金欲しさに、人を殺すことだっていとわなくなってしまう…

目の前に金があると、人はドンドン浅ましくなっていくことが、この映画を観ているとよく分かる。



刑事も政治家も倫理観などなく、闇金も違法ギャンブのル社長も、みんな同じ穴のムジナなのだ。



映画「7人の追撃者」チョン・グァンリョル



この世に美味しい話はない


そりゃもちろん、誰だって金が欲しい。

宝くじが当たれば良いなと思うし、一攫千金を狙いたい。

しかし、その先に待っているのは、お先真っ暗の「落とし穴」なのだ。



そこから得た教訓は「この世に美味しい話などない」



いや、もちろん、天文学的な確率で宝くじの1等が当たることもあるだろう。

しかし、日常的に生きていて「美味しいこと」に出会えることなどないのだ。



が、コツコツ真面目に働いていれば、豊かな生活ができるのか…と言えば、そうでもないのが、悲しいところだ。

ミンジェが真面目にコンビニでバイトしていてもお母さんの手術代すらも払えず、ムン議員が美辞麗句を並べても選挙に負けてしまうように、コツコツ生きていても報われないから、人々は「一獲千金」の夢を見るのだ。



もしかしたら、この金はミンジェのお母さんの手術代のための金であり、支払いが終わったミンジェは用済みっていうことなのかもしれない…。
(支払いが終わっていると信じたい…)

一獲千金もダメで、コツコツ働いてもダメなら、どうやって生きて行けばいいのか…。

見終わった後は、なんだか暗澹たる気持ちになった作品だった。




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ナタリー・バイ主演の映画「復讐のセクレタリー」をWOWOWで観た。

劇場未公開の映画を、WOWOWがどこよりも早く放送するジャパンプレミアの一本。

息子を交通事故で亡くした母親が、9年後に、復讐のために立ち上がる話。



満足度 評価】:★★★★☆

事故で息子を亡くしたとても気の毒な母親の物語のはずが、彼女に全く同情できない程の悪女っぷりが凄まじい

最初から最後まで一貫した緊張感と恐怖感が面白い映画だった。


「復讐のセクレタリー」予告編 動画(日本語字幕なし・英語字幕あり)

(原題:La volante/英題:The Assistant)




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キャスト&スタッフ


出演者

ナタリー・バイ

〇マリック・ジディ

〇ヨハン・レイセン

〇サブリナ・セブク

監督

〇クリストフ・アリ

〇ニコラ・ボニラウリ


2015年製作 フランス、ベルギー、ルクセンブルク合作映画



あらすじ


マリー=フランス(ナタリー・バイ)は、ある日突然、交通事故で息子のセバスチャンを失ってしまう。

それから9年後、その時の犯人であるトマ(マリック・ジディ)の秘書として働き始める。

マリー=フランスの目的はセバスチャンの復讐であり、もちろん、トマはそのことに気付いていない。

その日から、マリー=フランスは少しずつ、着実にトマに近づいていく…。



復讐のセクレタリー



感想(ネタバレあり)


「次の手が読めない」面白さ


息子を殺された母親の復讐の物語。

この母親がとても怖い。

すごく頭が良くて、「復讐」という目標に全神経を集中させていて、次の手が読めない。

全ての行動が謎。

いきなり刺してくるかもしれないし、そう見せて、すごく優しくしてくるかもしれない。

その「次の手が読めない感」がすごく面白い映画だった。

「えぇ、次は何するの??その笑顔は、なんか企んでるわけ??」と思いながら観ていた。



復讐のセクレタリー2



女は「悪い女の匂い」をかぎ分ける


この映画の中で、一番面白かったのが、「女は女の悪の匂いをかぎ分ける」ところ。

彼女を秘書として雇ったトマは、彼女が自分の家族を狙っていることなんか全く疑うどころか、信頼しきって父親に紹介してしまう。

しかし、彼女の妻は、たった一度会っただけで、「あの女は頭がおかしいから気をつけろ」とトマに言う。

残念ながらトマは、妻のそんな言葉に耳を貸さない。

これねぇ、こういうこと、よくあるんだよね。

「この女は、絶対やめた方が良い」って私たちが思う女に限って男性には大人気で、その罠にはまった男子は、案の定、自爆していく。

「だから言ったじゃん」と言っても、「自分は違うと思った」と訳の分からない言い訳を言う(笑)

かわいそうに。

「あの女はやめろ」と忠告した奥さんは、夫が話を聞いてくれなかったために、消す順位No.1にランク付けされてしまった。



復讐のセクレタリー3



レオはセバスチャンの生まれ変わり?


本当だったら、「交通事故で最愛の息子を亡くしてしまったお母さん」は、すごく気の毒で、同情すべき人なのに、この人は、あまりにも一方的に復讐に走るもんだから、観ている側に同情する隙を与えない。

まさに、「同情するなら、息子を返せ!!」的な、人を突き放した感じ。

ただ、ラストはちょっと気の毒になってしまった。

事故で最愛の息子セバスチャンが亡くなったその日、トマの息子レオが生まれる。

マリー=フランスにとって、レオはセバスチャンの生まれ変わりだったのではないだろうか。

レオの周りの人間を全て殺し、レオを手に入れ逃亡生活を送ろうとする。

しかし、最後の最後で彼女も報いを受け、復讐の相手だったはずのトマは命が助かる。

この人生の皮肉な感じが、なんともリアルでフランス映画っぽいラストだった。



復讐のセクレタリー4



出演者はフランスを代表するベテラン女優


今回、復讐の鬼となるマリー=フランスを演じるのは、フランスのベテラン女優ナタリー・バイ

この人、本当に怖くて。

笑っても怖い、しゃべっても怖い

いつ、何をしだすかわからなくて怖い。

本当に怖い人だった。



復讐のセクレタリー5



悪気のない事故の復讐をしても心は救われない


やっぱりさぁ、事故は事故なんだよね。

トマも一瞬よそ見をしていたかもしれないけど、セバスチャンも急に飛び出してきたのも事実だし。

そこで、復讐だといって命を狙っても空しいだけなんだよねぇ。

それは、私が事故で大切な人を亡くした経験がないから言えるのかもしれないけど、復讐を果たしたところで心が救われるとは思えないなぁ。

なんてことをしみじみと考えた映画だった。






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チョン・ヘイン主演の韓国映画「逆謀~反乱の時代~」をWOWOWで観た。

朝鮮李王朝 英祖(ヨンジョ)王の時代に、謀反を企てたイ・インジャとその計画を阻もうとする若き捕卒(ホジョル)との戦いを描く。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

これはなかなか面白いアクション映画だった。

英祖時代に謀反を企てたイ・インジャとそれを阻止しようとする若き捕卒の戦いを描いたアクション映画。

ただ、ちょっと説明不足な感じがしたので、もうすこし人間ドラマに力を入れてくれたら、もっと面白くなったのに…と思うと残念な気がした。


「逆謀~反乱の時代~」予告編 動画

(原題:역모 - 반란의 시대(逆謀ー反乱の時代))




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キャスト&スタッフ


出演者

…(「王様の事件手帖」など)

〇キム・ジフン

チョ・ジェユン
…(「犯罪都市」、「監獄の首領」など)

〇イ・ウォンジョン

監督・脚本

〇キム・ホンソン


2017年製作 韓国映画



韓国映画「逆謀~反乱の時代~」


あらすじ


朝鮮李王朝 英祖(ヨンジェ)王の時代、謀反を企てようとしたイ・インジャ(キム・ジフン)は、義禁府に捕まり、投獄されてしまう。

しかし、宮中で英祖に反発する派閥は、イ・インジャを脱獄させ、彼に再び謀反を起こさせるため、最強の集団「御営庁5人衆」を義禁府に送り込む。

その時、かって王の護衛を務めていたキム・ホ(チョン・ヘイン)は、捕盗庁の門番を務めていて…。



韓国映画「逆謀~反乱の時代~」チョ・ジェユン、チョン・ヘイン



感想(ネタバレあり)


背景にあるのは陰謀渦巻く英祖王時代の宮中


韓国映画や韓国ドラマが好きで、よく見ていのだけど、これが英祖(ヨンジェ)王の時代の話だと分かった時には、「あぁ、また英祖王の時代かぁ…」と思ってしまった。

それぐらい、韓国の時代劇はこの時代を舞台にした作品がとても多い



この当時の朝鮮王朝は、少論(ソロン)派と老論(ノロン)派に分かれて対立していた。

そして、英祖王が若き王妃を迎えて以降、王妃は老論派を裏で操り、英祖王を引きずり降ろして国を自分の天下にしようとしていた。

その争いに巻き込まれたのが英祖王の息子であり、「米櫃(ひつ)王子」と呼ばれるサド世子である。



サド世子は、王様に対して謀反を起こした罪で米櫃に入れられてしまい、その中で衰弱死していくという悲劇の王子である。

それを裏で画策していたのが王妃なのだが、王様自身は王妃に惚れ込んでいて、そのことに気付かないまま王子を死なせてしまった。



この時代が何度も映画化されるのは、そのまるでシェイクスピアのようなドラマチックな時代性にある

それは、たとえば、日本でいえば織田信長の時代や、明治維新が何度も映画化されるのと同じであり、中央権力で謀反が起きたり、転覆されたりすることに人々はロマンを感じるのである。



私が、この時代について初めて知ったのは、韓国ドラマ「イ・サン」だった。

「イ・サン」では、英祖(ヨンジョ)王の孫であり、サド世子の息子であるイ・サンが、何度も暗殺の危機に遭いながらも、その陰謀渦巻く王朝を正していく話だった。

もし、この時代に興味を持ったなら、「イ・サン」を観ることをおススメする。

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しかし、ドラマはちょっと長すぎるわ…と思ったら、ソン・ガンホ主演の映画「王の運命(さだめ)歴史を変えた八日間」では、英祖王とサド世子の関係が描かれているし、ヒョンビン主演の映画「王の涙 イ・サンの決断」では、英祖の孫イ・サンの戦いが描かれている。

その2本の映画を観ただけでも、この時代のことが十分理解できるように思う。



なぜ、これほどまでに、この時代の説明をしているかといえば、この映画ではその時代背景を詳しく説明されていないので、予備知識として、この時代に関する知識が必要だからである。

恐らく、韓国では何度も描かれた有名な話だからあえて説明しなかったのだろう。

なので、その時代を知らない日本人にとっては、ちょっとわかりにくい作品になってしまっている



韓国映画「逆謀~反乱の時代~」チョン・ヘイン



王朝に謀反を企てた実在の人物 イ・インジャ



その時代の中で、この映画は謀反人イ・インジャにスポットを当てて描かれている

イ・インジャとは実在した人物である。

イ・インジャは少論派の役人だったのだが、王の反対派としてクビになってしまう。

そこで、イ・インジャは反乱を起こし、王の息子を担いで王座に座らせる画策をする



チャン・グンソク主演の韓国ドラマ「テバク」では、そのイ・インジャの謀反が描かれ、チャン・グンソクは、そのイ・インジャの謀反を阻止しようと戦う姿が描かれている。

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この映画では、謀反に失敗したイ・インジャが投獄されている捕盗庁を脱獄し、宮中を裏で操る王妃と手を組んで再び謀反を起こす様子が描かれている

そのイ・インジャの謀反を阻止すべく戦うのが、若き捕卒キム・ホなのだ。



イ・インジャ本人について、その死に方に諸説あるため、この映画ができたのだろう。

そのため、最後に王様が「この件は、誰にも明かしてはいけない」と言うセリフが出てくるのだ。

イ・インジャは実在する人物だけど、この物語はあくまでも架空の話なのだ。



韓国映画「逆謀~反乱の時代~」チョ・ジェユン、キム・ジフン



見せ場は迫力あるアクションシーン


とはいえ、そういった込み入った説明を一切省いて描いたのは、これはあくまでもアクション映画だからだ。

そんなドラマチックな時代を背景にして、実在の人物を登場させ、この映画が撮りたかったのはアクション映画なのだ。



この謀反は夜中に起きるため、全てが夜のシーンで画面が暗く、アクションが見づらくなってしまっているのがとても残念だけど、アクションシーンは迫力あるものばかりだった。

主人公の捕卒キム・ホのアクションには「ブルース・リーか??」思わせる部分もあり、真ん中に吹き抜けがある捕盗庁でのアクションシーンは香港映画のアクションの影響を強く感じたし、相変わらず身体能力の高い韓国アクションを楽しめる。



そして、場面を宮中に移すと、個性あふれる5人衆が登場して、それぞれの特技を発揮するアクションも面白かった。

ハンマーなんて、当時の韓国にあったのか??と突っ込みつつ、そんな映画らしい脚色を楽しんだ。



さらに、夜中の宮中で、白黒の画面の中を太鼓のBGMが流れるあたりは、黒沢映画の影響も感じた。



人物設定や、ドラマパートを端折るぐらいなら、最初から全部フィクションにすればいいのに…と思わなくもないけれど、きっと、あの時代の「宮中は王の敵ばかり」というドラマチックな部分を取り入れたかったのだろうと思う



韓国映画「逆謀~反乱の時代~」イ・ウォンジョン



最後に裏切るのは、やっぱりあの人!!


そして、いよいよ王を討つ時がやってきた!

という時に、最後の最後で裏切るのが王妃である。



この王妃の行動について、先述した予備知識がないと理解できないのではと思う。

しかし、知っている者としては「あぁ、やっぱりやりやがった」と思う場面である。



恐らく、監督としても「知っていること」が前提として、脚本を書いたのだろうし、そこの説明に力を入れるよりも、アクションシーンに力を入れて描きたかったのだろうと思う。

しかし、それにしても、もう少し人間ドラマに力を入れて描いてくれていたら、もっと面白い映画になっただろうにと思うとちょっと残念だった。



でも、私としては、これまであまり印象がなかったイ・インジャについて、英祖時代の重要なキャラクターの一つになったので、それはそれで良かったかなと思った。







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ブライアン・クランストン主演の映画「アイ’ム ホーム 覗く男」をWOWOWで観た。

いつも乗っている電車が停電になってしまったことで、帰りが遅くなってしまった男が、帰るに帰れずガレージの二階から家族の様子を覗きながら躊躇しているうちに、そのままガレージの2階で暮らし始めるという人間ドラマ。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★☆☆

詰めが甘いなと思うところもあったけど、それなりに楽しめた作品だった。

社会からドロップアウトして全てを放棄したつもりが、捨てられていたのは自分自身だった…。

人が生きていくために「一番必要なことはなにか」を考えさせられた。


「アイ’ム ホーム 覗く男」予告編 動画

(原題:Wakefield)




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キャスト&スタッフ


出演者

ブライアン・クランストン
…(「30年後の同窓会」、「犬ヶ島」、「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」、「幸せの教室」、「ドライヴ」、「コンテイジョン」、ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」など)

ジェニファー・ガーナー
…(「ドラフト・デイ」、「Dearダニー 君へのうた」、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」など)

〇ベヴァリー・ダンジェロ

ジェイソン・オマラ
…(「ラブ&マネー」など)

〇イアン・アンソニー・デール

監督

ロビン・スウィコード
…(「ジェイン・オースティンの読書会」など)


2016年製作 アメリカ映画



アイ’ムホーム覗く男



あらすじ


弁護士のハワード(ブライアン・クランストン)は、いつも乗っている電車が停電し、帰りが遅くなってしまう。

そのとき「もしかしたら浮気を疑われるかもしれない」と思ったハワードは、家のガレージの2階にあるカウチに座り、そこから家族の様子を眺めながら「どうやって帰ればいいのか」と考えていた。

すると、そのまま寝てしまい気付くと朝になっていて、妻のダイアナ(ジェニファー・ガーナー)が会社や警察に電話をしており、出るに出られなくなってしまう。

そうして、ハワードは出るに出られないまま、その日からガレージの2階で家族の様子を覗きながら生活を始めてしまう…。



アイ’ムホーム覗く男5



感想(ネタバレあり)


家族の生活を覗き続ける男



会社の仕事にうんざりし、かといって、家に帰るのも面倒な時、電車に乗りながら「あぁ、このまま誰も知っている人がいないところへ行きたい」と思うことはないだろうか。

私には、そんな経験が何度もある。

しかし、そういう時に私を思いとどまらせるのは、「会社や家族に迷惑がかかる」という思いだ。



その日の業務を思い浮かべ、締め切りの作業を思い出し、顧客に迷惑がかかることを思うと、いきなりいなくなるなんてことができなくなってしまう。

それに、たとえ家族に腹が立つことがあったとしても、「帰って寝るベッドがある」と思うと、最終的には家に帰るのだ。



この映画の主人公のハワードは、「停電」をきっかけに生活の全てを放棄し、家族や職場から姿を消してしまう。

そこまでは、割とよくある話である。

この映画がユニークなのは、姿を消したはずのハワードが、悪態をつきつつガレージの2階からひっそりと家族のことを覗いているというところである。



ドロップアウトした男が、家族と「一定の距離」を保ちつつ、陰湿にも家族の生活を覗き続ける。

一体、この時のハワードの心理状態とはいかがなものなのか

その心の底を探りながら、「覗くハワードの心境」を「観客が覗く」

そこに、この映画の面白さがあるのである。



アイ’ムホーム覗く男4


「ブレイキング・バッド」のブライアンが再びドロップアウトして金を放棄する



ドロップアウトする弁護士・ハワードを演じるのは、ブライアン・クランストンである。

ブライアンは、ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」で、高校教師という仕事をドロップアウトし、ドラッグ製造ビジネスを始め、ドラッグ業界のキングにまで登りつめる男 ウォルターを演じてメジャー俳優の仲間入りをした。

そのブライアンが、このハワードを演じるところに面白さがある



きっと、ブレイキング・バッド」ファンなら誰もが、このハワードとウォルターの「ドロップアウト」っぷりを比べながら観るに違いないからだ。



たとえば、高校教師だったウォルターが、なぜドロップアウトしてドラッグビジネスに足を突っ込んだのかといえば、その時ステージ4の肺がんにかかっていて、治療にお金がかかるため、お金が欲しかったからだ。

そうして、はじめはよくある普通の高校教師だったウォルターはドラッグビジネス業界で頭角を現し、金の亡者へと変貌していく。



この映画のハワードは、そんなウォルターとは対照的である。

元々、裕福な暮らしをする弁護士だったハワードは、社会からドロップアウトしたことで、むしろ「お金のしがらみをすべて放棄」してしまう

一切金を使わず、食べ物は近所のごみ箱を漁って拾い、洗濯や風呂は近所の海(川?)で済ませてしまう。



同じドロップアウトでも、ウォルターとハワードでは、向いている方向が正反対だった。

そんな風に、ブレイキング・バッド」とは、似ているようで似ていないブライアン・クランストンを味わえるところに、この映画の面白さはあるのである。



アイ’ムホーム覗く男2


「私がいなくなって家族は困るだろう」というのは傲慢な思い込み



NYの弁護士事務所で働くハワードは、それまで一家の大黒柱として働いていた。

美しい妻と、二人のかわいい娘のためにNYの郊外にある高級住宅街に家を建て、それなりに裕福な生活を送っていた。

恐らく、そんな彼からしたら「私がいなくなったら、家族も事務所も大変な思いをするはず」だと思っていたに違いない

だからこそ、社会からドロップアウトしても、家族のことを観察し続けたのである。



しかし、そんなハワードに対し、現実はとても残酷だと思った。

いなくなった当初は、妻のダイアナも取り乱し、会社や警察に電話をかけ、「もしかしたら、どこかで事故に遭っているかもしれない」ぐらいの気持ちで必死に探していた。

ところが、妻も娘も涙を流すこともなく、数日も経てば「いつもと変わらない日常」を取り戻し、ハワードのことを探し続けるどころか、「夫・父のいない日常」をエンジョイするようになる。



ハワードからしたら「私がいなくなって困っているだろう。しめしめ」ぐらいの気持ちでいたかもしれないけれど、むしろ、どんどん家族から忘れ去られる存在になっているのは、ハワード自身だったのだ。

ということは、私も家出したいと思ったときに「職場や家族に迷惑がかかる」と思って思いとどめるのは勝手な思い込みであって、職場も家族も、それほど心配していないということなのだ。

もちろん、それは家族や職場にもよるけれど、家族の様子を目の前で知ってしまうハワードには、かなり残酷な話だなと思った。



アイ’ムホーム覗く男3


生きていくために不要なものと必要なもの



そんな「残酷な現実」を知ってしまってから、ドロップアウトしたハワードを支えていたのは「意地」である。

「夫なし」でも、夏はいつも通りバカンスに出かけ、ハロウィンパーティを楽しみ、クリスマスの準備をする家族に対し、「勝手にしろ」と思っていた。

そんなハワードを目覚めさせたのは「風邪」だった。



高熱を出し、寝込んでしまったハワードを助けたのは、お隣のダウン症の子供たちだった。

もしも、彼らが助けてくれなかったら、そのまま死んでいたかもしれない。

ハワードは、それを「神の恵み(Mercy)」だと確信する。



そうしてようやく「一人では生きていけない」ことを悟るのである。



これは、これまで裕福で贅沢な生活をしてきたハワードが、全てを失い、無一文の生活をすることで、「最も大切なこと」に気付く物語なのだ。

彼はガレージ暮らしを通じて、お金が無くても、贅沢な食事がなくても、美味しいワインがなくても生活していけることを知る。

そこは高級住宅街だけに、ごみ箱はまだまだ食べられる食べ物にあふれ、食うに困ることもない。

しかし、助けてくれる「人の愛情」がないと生きていけないのだ。



だからこそ、彼はこのドロップアウト生活を「神に与えられた慈悲」と考えたのだ。

今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなく、愛情を一度手放してしまうと、どんどん忘れ去られてしまう。

そのことを学ぶため、神は彼に試練を与え、ダウン症の子供たちを通してハワードの命を助ける。

そんな「神の意志」を理解したハワードは、神に感謝しながら、家族の元へと帰っていくのである。



私たちが日頃から「当たり前」だと思っていることに、「当たり前」なことは何一つない

全てが、感謝すべきことなのである。

大きな家で暮らせることも、NYの法律事務所で仕事をできることも、贅沢な食事を食べられることも、口うるさい家族も、全てが感謝すべきことなのだ。



ただ、私としては、最後に「その時の家族の反応」が観たかった

そして、「生きていることの素晴らしさ」を知ったハワードの生活はどう変わっていったのかを知りたかった。

そこが全く描かれなかったのは残念だけど、ハワードは再び家族に迎えられ、「弱者に優しい弁護士」になったと思っている。






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「ロマン・デュリスの偶然の殺し屋」をWOWOWで観た。

たまたま引き受けた仕事が「殺し屋」だったという失業中の男によるちょっと変わった職探しの顛末を描くコメディ映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。



満足度 評価】:★★★☆☆

失業中で、生活のために仕事をしたいけれど、やりたい仕事が見つからない。

そんな時は、向いている向いていないに関わらず、誰もやりたがらないような仕事をしてみたら、意外と成果があって、次につながっていくことがあるかもしれない。

そんな「仕事」に対して、前向きなパワーを感じる作品で、軽く楽しめる作品だった。



「ロマン・デュリスの偶然の殺し屋」予告編 動画

(原題:Un petit boulot/英題:Odd Job)




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キャスト&スタッフ


出演者

ロマン・デュリス
…(「パパは奮闘中!」、「ゲティ家の身代金」、「彼は秘密の女ともだち」、「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」、「ロシアン・ドールズ」、「スパニッシュ・アパートメント」など)

〇ミシェル・ブラン

〇アリス・ベレイディ

〇ギュスタヴ・ケルヴェン

〇シャーリー・デュポン


監督

パスカル・ショメイユ
…(「幸せになるための5秒間」、「バツイチは恋のはじまり」など)


2016年製作 フランス・ベルギー合作映画



ロマン・デュリスの偶然の殺し屋



あらすじ


フランスのある田舎町。

工場が閉鎖してしまったため、ジャック(ロマン・デュリス)は失業してしまう。

暇を持て余すジャックに、知人のガルドー(ミシェル・ブラン)が「妻を殺して欲しい」と殺人の依頼をする。

お金が欲しかったジャックは、ガルドーの話を引き受け、彼の妻を殺すと、次の殺人の依頼が舞い込み…。



ロマン・デュリスの偶然の殺し屋2



感想(ネタバレあり)


失業対策が殺し屋!?



現在のフランスでは失業率の高さに悩まされているという。

この映画が製作された2016年のフランスの失業率は10.04%であり、10人に一人が失業中である。

同じく2016年の日本の失業率が3.12%であり、日本の約3倍という数字を見れば、フランスにおける失業率の高さがよくわかる。

(参考:世界経済のネタ帳 フランス、日本、失業率の推移



そんなフランスの「失業事情」が、この映画のベースにある

主人公のジャックの場合は、それまで働いていた工場が経費削減によって閉鎖になってしまう。

その「町にあった大きな工場が閉鎖して失業者が大量にあふれる」という田舎町の風景は、フランスに限らず、世界中のどこの国でもよく見られる話だ。

この映画では、そんな失業中に人たちに「一風変わった解決方法」を提示している。



ジャックはそれまで工場で働く日々を「単調でつまらない」と思っていたけれど、実際に仕事を失ってみると、生活していけなくなり、やはり、仕事が必要だと思うようになるのだが、だからといって田舎町には工場で働いていた全ての人を受け入れる程の仕事がない。



では、失業者はこれからどうやって生きていけばいいのか。

その失業者問題について描いているのが、この「ロマン・デュリスの偶然の殺し屋」であり、その解決策の一つとして、ジャックが引き受けるのが「殺し屋」なのである



「殺し屋」というのは、発想がちょっと突飛だけれども、それが示すのは「誰もがやりたがらない汚れ仕事」である。

つまり、失業中の男が「誰もがやりたがらない汚れ仕事」を引き受けることで、彼自身の生活が変わっていくことをこの映画は描いているのである。



そう思ってこの映画を観ていると、「仕事をする」ということに対して前向きになり、「単調でつまらない日々」がどれだけ恵まれていることなのかがわかるようになってくるのである。



ロマン・デュリスの偶然の殺し屋4


「殺し屋」になってめぐってきた運



ジャックが殺し屋を引き受けたのは、はじめはお金のためだった。

お金が欲しくて知人ガルドーからの「妻を殺して欲しい」という依頼を引き受けてしまう。



そして、それがうまくいくと、ガルドーから次々と「暗殺依頼」が舞い込むようになる。



そうして、ガルドーの依頼を次々とこなしているうちに、ジャック自身の運が開けてくるようになる

仕事を受けた時は失業者だったジャックだったが、受けた直後に友達トムの紹介でガソリンスタンドの職が決まる。

そして、さらに仕事を重ねていくと、殺人容疑で疑われた時に行った警察でアニタと出会い、やがて恋人同士になる。



また、トムと一緒に働いていたガソリンスタンドは、トムと共同で買収することになり、ジャックはトムと共に経営者になる。

そうしてジャックは、かつて工場で働いていた時のように「単調な日々」を送り始めるようになる。

しかし、同じ単調な日々でも、工場で働いていた時はつまらなかった日々なのに、ガソリンスタンドを買収した現在は充実した日々になっているのである。



アニタと出会ったのも「殺人」の仕事を引き受けたことで活動の幅が広がったからだし、トムと共にガソリンスタンドを買収したのも、「殺人」の仕事で稼いだ金が元手になったからである。

どちらも、「殺人」の仕事を引き受けたからこそめぐってきた運なのである。

だからこそ、人生はいつ何が起きるかわからないのである。


ロマン・デュリスの偶然の殺し屋5


「どんなことも断らない」というオープンマインドが運を開く



そもそも、なぜ、ジャックにはそんな風に運が舞い込んでくるんだろうか。



それはジャックの「オープンマインド」にあると思った。

とにかく「来るものは拒まず」で、どんな仕事も受けてしまう

ドイツだろうが、スペインだろうが、仕事があれば出向く。

ときには、計画通りにいかず、予想通りの結果にならないこともあるけれど、それでも、めげずに次へと進む。



私は、そんなジャックの「断らないノリ」を観ていて楽しかった。

普通なら、なんだかんだと文句を言ってやりたくないアピールをするような仕事も、あまり深く考えずに「まぁ、なんとかなるだろう。とりあえずやってみるか」ぐらいに思っている。

それが、たとえ「殺人」という仕事であってもだ。



そんなジャックが、どんどん汚れ仕事を引き受けていくうちに、生活の活動範囲が広がり、運が開けていくのを観て「オープンマインド」っていうのは、幸運を呼び込むものなんだなぁと思うようになった。



ロマン・デュリスの偶然の殺し屋3


殺し屋とは、誰もやりたがらない汚れ仕事



私もこれまで様々な仕事をしながら生きてきたけど、どの仕事が自分に一番向いていたのかなんて、いまだによくわかっていない。

しかし、この映画を観ていると、仕事とは、自分が向いている向いていないを考えて選ぶものではなく、もしも、仕事がないのなら、たとえそれがどんな汚れ仕事であっても、「とりあえずやってみる」ということがあってもいいのではないかと思った。



この映画は、そのなかで「殺人」を推奨しているわけではなく、それは「だれもやりたがらない汚れ仕事」の比喩であって、その「だれもやりたがらない仕事」をしている中で、次第に本当にやりたいことが見えてくることもあるし、恋人に出会う可能性だってある

とにかく動いたらいいのではと提案している。



失業中だからといって、家の中に閉じこもって腐っていても、人生は何も動かないのだ

外へ出て、人と会い、会話をする中で、時には仕事の依頼を受けることもあるし、それが向いている向いていないに関わらず受けてみれば、思わぬ成果があって、それが次の仕事を呼び込み、やがて運が開けてくる。



本気で失業に悩んでいる人からしたら、ちょっと能天気な話のようだけど、「何もやらないよりはまし」ということだってある

時間があるなら、外へ出て人と会うだけでもいい。

家の中でじっとしていても、仕事が勝手にやってきてドアをノックしてくれるわけではない。



また、ジャックを演じているロマン・デュリスには、のらりくらりとした感じが良く似合う。

彼の「なんとなくうまくいっちゃった感」がとても良かった。



この映画は、コメディタッチでフランスの失業事情を描きつつ、ちょっとした自己啓発ものだった。

そこに、フランスの地方の田舎を感じることもできたし、ちょっとした拾い物だった。






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レベッカ・ファーガソン主演の映画「レッド・エージェント 愛の亡命」をWOWOWで観た。

1959年 冷戦下にあったソ連で、恋に落ちたスパイの女性と外交官秘書の行く末を描くサスペンス映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★★☆

雪の降るモスクワを舞台にした女性スパイものだけど、よくあるスパイもののようなアクション映画ではなく、切なくなる作品だった。

その降り続ける雪が切なさを演出していた。



この感想には結末に関するネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。


「愛の亡命」予告編 動画

(原題:Despite The Falling Snow)



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キャスト&スタッフ


出演者

レベッカ・ファーガソン
…(「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、「ライフ」、「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」など)

〇サム・リード

チャールズ・ダンス
…(「高慢と偏見とゾンビ」、「世界一キライなあなたに」など)

〇アンチュ・トラウェ

〇オリヴァー・ジャクソン=コーエン

〇アンソニー・ヘッド

監督・脚本

〇シャミム・サリフ


2017年製作 イギリス・カナダ合作映画



映画「レッド・エージェント 愛の亡命」


あらすじ


1962年のニューヨーク。ソ連の使節団でアメリカを訪れたサーシャ(サム・リード)は、会合を抜け出し亡命する。

1992年になり、姪で芸術家のローレン(レベッカ・ファーガソン)は、冷戦終結後のモスクワで展示会をするためにロシアへ行くと言う。

その話を聞いたサーシャ(チャールズ・ダンス)は、1959年に出会った女スパイ カティア(レベッカ・ファーガソン(二役))のことを思い出す…。



映画「レッド・エージェント 愛の亡命」レベッカ・ファーガソン



感想(ネタバレあり)


プロポーズした相手はスパイだった


この映画では、二つの時代が同時進行している

1959年のソ連と、1992年のロシア。

冷戦時代のソ連と冷戦終結後のロシア



場所は同じモスクワなのに、取り巻いている環境はまるで違う

その時代の激動に翻弄されてしまった人々を描いた作品だった。



1959年 冷戦時代のソ連。

外交官の秘書をしているサーシャは、学校の事務員をしているカティアと恋に落ちる。

出会ったばかりの2人は、よくある恋人同士のように幸せな日々を過ごし、やがてサーシャはカティアにプロポーズする。



しかし、結婚式の直前になって、カティアは自分がスパイだと告白する。



カティアは、本当は外交官の情報が欲しくてサーシャに近づいたが、本気で好きになってしまったことを正直に告白する。

彼女がまだ幼い頃、両親がスターリンを信奉していたという理由だけでソ連当局に殺されてしまい、当局に対し恨みを持ち続け、CIAのスパイになる。

しかし、カティアの秘密をサーシャが知ってしまった以上、サーシャの命が危うくなってしまったので、サーシャがソ連の使節団としてアメリカを訪問する際に、現地の諜報員がサーシャを亡命させるという。



その話を聞いたサーシャは動揺しつつも、カティアが一緒にアメリカへ行かなければ亡命しないと言っていたのだが、カティアは「私は、必ず後から行くから、先に行っていて欲しい」とサーシャを説得する。

そうして、サーシャは予定通りアメリカへ亡命する。

サーシャの「外交官の秘書」というのは、CIAでも強いカードだったのだ。



カティアは、その後、アメリカへ向かうはずだったのだが、共通の友人 ミーシャがKGBに寝返り、カティアの行く手を阻んでいた。

そのミーシャの心変わりを知らないサーシャは、いつまでもカティアがアメリカへやってくるのを待ち続けていた。



映画「レッド・エージェント 愛の亡命」レベッカ・ファーガソン



冷戦は終結しても、過去に縛られる人たち


そのカティアとサーシャの話と並行して描かれるのが、1992年の冷戦終結後のロシア

アメリカ人はロシアに入国できるようになる



芸術家であるサーシャの姪ローレン(正確にはカティアの姪)は、モスクワで展示会を開く。

モスクワ入りしたローレンは、自分の叔父や叔母(サーシャとカティア)の間に何があったのかを探り始める。



その中でローレンは記者のマリアと出会い、マリアはサーシャとカティアの足跡をたどる手助けをする。

2人で調査しているうちに、ローレンとマリアは恋に落ちるのだが、これはソ連時代には許されなかった同性愛が、冷戦が終結したことで、許されるようになったことを示している。



しかし、そのローレンに好意的なマリアは、実はサーシャがソ連時代に仕えていた外交官の娘であり、サーシャが亡命したことで両親は殺されてしまったのだ。

そのため、マリアは両親の恨みを晴らすためにローレンに近づき、サーシャをロシアに呼び寄せる。

けれど、マリアがローレンに惹かれていることも事実だった。



カティアは情報を得るためにサーシャに近づいたもののサーシャを本当に好きになってしまい、

マリアは個人的な恨みを晴らすためにローレンに近づいたもののローレンのことを好きになってしまう。

いつの時代も、人の心というのは、そう簡単に割り切れるものではないのだ。

衝動に駆られて予想外に好きになってしまうからこそ、人間なのだ。



映画「レッド・エージェント 愛の亡命」レベッカ・ファーガソン



誰一人として幸せになれなかった時代



結局、サーシャとカティアの間に起きたことのすべてが明らかになるまで30年間かかってしまった



それは全て「自由であること」を許さなかったソ連の共産主義と、それを守るために長い間続いていた冷戦のせいだった。



ローレンがサーシャのモスクワ時代の友人ミーシャを見つけ出した時のセリフが印象的だった。

サーシャはミーシャのことを親友だと思っていたのに、その「親友」はサーシャの妻・カティアをアメリカに行かせまいと殺害したのだ。

その上、ミーシャはそれを悪いと思うどころか「サーシャは、自由を得たんだからいいじゃないか」と言ったのだ。

そのサーシャは、30年間ずっとカティアのことを待ち続けたというのに。



つまり、サーシャもミーシャもカティアも、誰一人として、この30年間を幸せに暮らした人などいなかったのだ。

そして、彼らの次の世代である、ローレンとマリアも、親たちが背負った恨みが呪縛となり、もがき苦しんでいた



本来ならば、悪いのは「ソ連」という国の共産主義であり、その共産主義と資本主義の間に起きていた「冷戦」のはず

それが人々を苦しめることになったのだ。



サーシャもミーシャもカティアも、その時、必死に生きていた

サーシャはカティアを生かすために亡命し、カティアはサーシャを生かすために必死だった。

ミーシャもまた、自分の命を守るので必死だったのだ。



この時、もしも「共産主義」も「冷戦」もなければ、彼らは自由に恋をして、住みたいところに住んでいたのに、ソ連に生まれてしまったために、不幸な人生を歩むことになってしまった。



映画「レッド・エージェント 愛の亡命」レベッカ・ファーガソン



雪解けを迎えても、人々の心に残り続ける「雪」


この映画の原題は「Despite The Falling Snow(雪が降っているにもかかわらず)」

「冷戦の終結」が「雪解け」とすれば、この「雪」とは冷戦時代を表している

つまり、「冷戦時代なのにも関わらず出会ったしまった二人の悲しい恋の行方」がこの映画のテーマだった。



だからか、1959年当時のシーンでは、常に雪が降っていたのだが、1992年の場面になると雪はやみ、空は晴れている。

しかし、完全に雪解けとはならず、少し雪が残っているのは、登場人物たちそれぞれの心に、まだ「冷戦で傷ついた気持ち」が残っているからだ。



サーシャは30年かけてカティアからの手紙を受け取り、ミーシャはそれをサーシャに届けることで「雪解け」を迎える。

ローレンとマリアも、30年前に起きたことを知ることで新し時代を歩み始める。



この映画の希望と願いはローレンとマリアが、その後幸せな人生を送ることだ。

政府による思想の一方的な押し付けは、国民を幸せにするどころか、不幸にするだけだ

その「自由な世界」で、愛する人と共にいられることが何よりも幸せなことだということを改めて感じる作品だった。


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ユ・ジテ主演の韓国映画「パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン」をWOWOWで観た。

かつて人気のスタープロボウラーだったチョルジョンが、自閉症でありながらボウリングの天才ヨンフンと出会うことで、ボウリングへの情熱と自分自身を取り戻していく。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。



満足度 評価

心がほのぼのする作品だった。

過去に過ちを犯した主人公のチョルジョンと、自閉症でありながらボウリングの天才というヨンフンの二人の関係がとてもいい。

二人のホンワカした関係を見ながら、「人は、どうしたら酷い悲しみから立ち直ることができるのか」と考える。


この感想にはネタバレが含まれます。映画をご覧になってからお読みください。

「パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン」予告編 動画

(原題:스플릿 (SPLIT))




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キャスト&スタッフ


出演者

…(スウィンダラーズ」など

〇イ・ダウィット

〇イ・ジョンヒョン

〇チョン・ソンファ

〇クォン・ヘヨ

監督・脚本

〇チェ・グッキ


2016年製作 韓国映画



パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン



あらすじ


チョルジョン(ユ・ジテ)は、20年前にはテレビで人気のプロボウラーだった。

しかし、交通事故で足をケガして以来、テレビから姿を消し、現在は賭けボウリングをしながら細々と暮らしていた。

ところが、相棒が「ここ一番」の勝負に弱いため、新しい相棒を探していたところ、ちょっとフォームがおかしいけれど、ストライクを連発しているヨンフン(イ・ダウィット)を見つける。

そのフォームのおかしなヨンフンに興味を持ったチョルジョンは、彼に話しかけるが、ヨンフンは叫び出してしまう。

ヨンフンは自閉症であり、名前を呼ばれると発狂してしまう習性があった…。



パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン2




感想(ネタバレあり)


人との出会いが悲しみのどん底から復活させる



人は取り返しのつかないような失敗をして世界のどん底にいるとき、どうしたら再び前を向いて歩きだせるだろうか

私は、そんな時こそ、外に出て人と接することが大切だと思う。

それは、昨年公開された傑作映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でも描かれていたけれど、人と接し、その人を守ったり助けたりすることで、自分が救われることもあるからだ。



この映画でも、主人公のチョルジョンが自閉症の青年ヨンフンと出会うことで、過去の失敗と向き合い、再び前を向いて歩き始める姿が描かれていた

20年前、プロボウラーだった彼は交通事故を起こし、当時妊娠中だった妻を亡くしてしまい、チョルジョン自身も片足をケガをして、不自由な体になってしまった。

それ以来、ボウリングの表舞台から姿を消していたのだが、ボウリングが大好きな自閉症の青年「ヨンフン」と出会い、「純粋にボウリングを愛する気持ち」を思い出す。



自閉症のため周りの人たちと距離を取りたがるヨンフンなのだが、ボウリングの天才であり、ストライクを連発する。

自閉症の人たちが何かに特化した才能を発揮する(たとえば絵を描くのが上手だったり、ジグソーパズルが特異だったり)のは、これまでも映画の中で描かれてきた。

ベン・アフレック主演の「ザ・コンサルタント」では、ベン・アフレックが自閉症の会計士であり天才スナイパーである主人公を演じていた。

ヨンフンの場合は、それが「ボウリング」だったのだ。



そんな彼に興味を持ったチョルジョンは、ヨンフンと組んで「賭けボウリング」を始める

すると「無敵な二人」は向かうところ敵なしで連勝を続ける

そうすると、そんな二人をよく思わない人たちも接してくるし、逆に金儲けに利用しようとする人も現れる。

その中で、チョルジョンは自然とヨンフンを守りたいと思うようになり、そこからチョルジョン自身も自分と向き合い成長していく。



パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン4


一緒に戦えば無敵!ちょっと離れた距離がちょうどいい「スプリット」な2人



この映画の原題は「스플릿 (SPLIT)」である。

それは、ボウリングで、レーンの端と端にピンを1本ずつ残した状態のことであり、それはスペアを取るのがとても難しい位置である。



そのスプリットとというのは、チョルジョンとヨンフンの「ちょうどいい距離」を表していると思った。

自閉症のため、人を寄せ付けたがらないヨンフンには「スプリットの距離」が必要であり、他の人たちが彼らを倒そうと思ったら、とても難しい技術が必要になるということでもある。

「スプリット」というタイトルは、程よい距離を保った二人が手を組んだら、彼らを同時に倒すのは難しいという「無敵な二人」を表している



それでは、なぜ、チョルジョンはヨンフンがペアでプレイすることが難しいにも関わらず、彼にこだわり続けたのか。

もちろん、ヨンフンの腕がいいのもあるが、もっといいプレイヤーも探せたはず。

それなのにヨンフンにこだわったのは、彼には「ボウリング以外何もない」からだった。



ヨンフンにボウリングを教えたおばあちゃんは亡くなってしまい、両親には捨てられる。

純粋にボウリングだけを愛し、ひたすらボウリングを続けるヨンフンを見て、かつて純粋にボウリングを愛していた頃の自分を思い出したのではと思った。



それに、ヨンフンは事故当時にチョルジョンの妻のお腹の中にいた子供とあまり年が変わらない。

なのでチョルジョンからしたら、自分の子供と重ね合わせていた部分もあったに違いない



だからこそ、ヨンフンが義父に虐待されている様子に胸を痛め、おばあちゃんを恋しがる姿を見て、「ヨンフンを引き取りたい、一緒に暮らしたい」と思ったのだろう



パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン5


過去の悲しみから立ち直るには、同じ過ちを繰り返さないこと



そうして「純粋に」ボウリングばかりをしているヨンフンを見たチョルジョンは、かつてボウリングを愛し、プロボウラーとしてお金を稼いで幸せな家庭を築こうと思っていた自分と重ね合わせる

そうして、ヨンフンから刺激を受けて再びプロボウラーとして前を向き始めたチョルジョンは、20年経ってようやく「過去の傷」と向き合うようになる。



長い間チョルジョンを苦しめていたのは「八百長」だった

一度は引き受けた八百長を無視して勝ってしまったチョルジョンは、暴力団から逃げている最中に事故に遭ってしまった。



そして、20年後に再び「八百長」を持ち掛けられる

しかし、常に真剣にボウリングと向き合っているヨンフンを見て、チョルジョンは八百長ができなくなってしまう。

常に全力で戦っているヨンフンに悲しい思いをさせたくないからだ。

そうなると当然、「報復」があるわけで。



20年前に、妻とお腹の中の子供を失ってしまったことと同じ過ちを繰り返すわけにいかないチョルジョンは、ヨンフンを守るために身体を張る。

その結果、チョルジョンは、足の感覚を失ってしまうけど、ヨンフンを守り抜いたことで、ようやく「過去の過ち」という呪縛から抜け出すことができた

マンチェスター・バイ・ザ・シー」でもそうだったけれど、人は「誰かを守りたい」と思った時に強くなり、前を向くことができるのだ。



実は、20年前、まだ幼かったヨンフンはチョルジョンが出ていたボウリング番組を見ていたのだ。

彼のパーフェクトボウリングを見て、「いつか自分もパーフェクトボウリングがしたい」という夢を見続けてきたのだ。



チョルジョンはヨンフンと出会って過去の悲しみから立ち直り、ヨンフンはチョルジョンと出会ったことで子供の時からの夢をかなえた

チョルジョンとヨンフンは偶然出会ったのではなく、出会うべくして出会った運命の2人だったのだ。



パーフェクト・ボウル運命を賭けたピン3


2人がお互いにちょっとずつ欠けているからちょうどいい



自閉症を患っていると言われると、なんだか「はれ物に触る」ような扱いをしてしまいがちだ

絵がうまければ天才だと言って神童のような扱いをするような。

そうではなく、それ以前に自閉症の人も他の人と変わらない人間であるはずだ。



この映画は、そんな自閉症のヨンフンの描き方が良かった。

ボウリングをさせたら天才だけど、ジャージャー麺はキュウリがのっていないと食べないし、名前を呼ばれると発狂する。

そんなヨンフンのちょっと面倒くさい一面も描きつつ、彼のような人たちが家族から虐待を受けたり、周りの「金儲け好きの人たち」が、「彼を見世物にして金儲けしよう」とするところまで描いていたところにとても好感が持てた。

ヨンフンが、そんな境遇で生活しているからこそ、チョルジョンはヨンフンを受け入れようと思ったのだ。



全てを失い、足を引きずって歩くチョルジョンだからこそ、同じく不完全なヨンフンがピッタリと合ったのだ。



そして、そこから彼らの関係は「疑似親子」のような関係になる

スプリットのように二人の間には距離があるけれど、その距離こそがちょうどいい。



人は誰しも失敗をしてしまうことがある

その中には、いつまでも心の片隅に居座って、なかなか立ち直れないという失敗もある



しかし、夜明けの来ない朝はない

どんな失敗をして、もう立ち直れないような後悔をしたとしても、再び前を向ける機会は必ずやってくる



ほのぼのとした軽めのコメディタッチで描かれていて、心がほっこりする作品だった

これは、スプリットな間柄の「無敵な二人」を主人公にしたバディムービーである



ほんわかするコメディ作品が好きな人は、きっと気に入るはず。

劇場未公開作品なのが、とても残念。






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イギリス・フランス合作映画「ヒッチハイク・キラー」をWOWOWで観た。

フランスをヒッチハイクで旅行していたイギリスの青年が、連続殺人事件に巻き込まれるサスペンス映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★☆☆☆

とにかく退屈な映画だったーー。

不自然な設定が多すぎて、ツッコミどころ満載過ぎて、なんとも楽しめなかった…。


この感想にはエンディングに関するネタバレが含まれます。映画をご覧になってからお読みください

「ヒッチハイク・キラー」予告編 動画

(原題:Road Games)




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キャスト&スタッフ


出演者

〇アンドリュー・シンプソン


〇フレデリック・ピエロ

〇バーバラ・クランプトン


監督・脚本・編集

〇アブナー・パストール


2015年製作 イギリス・フランス合作映画



ヒッチハイク・キラー



あらすじ


イギリス人のジャック(アンドリュー・シンプソン)は、フランス旅行中に盗難に遭い、ヒッチハイクでイギリスを目指していた。

その道中で、やはりヒッチハイクをしているフランス人女性 ベロニク(ジョセフィーヌ・ドゥ・ラ・ボーム)と出会う。

ベロニクによれば、最近、その地方でヒッチハイカーを狙った連続殺人事件が起きているという。

その話を聞きながらもベロニクと共にヒッチハイクを続けたジャックは、彼らの声をかけてきたグリザードという中年男性の車に乗車する。

そして「今日中には港に着かないから、我が家に泊まっていきなさい」と言われ、その言葉に甘えるのだが…。



ヒッチハイク・キラー2



感想(ネタバレあり)


怖さがないサスペンスには退屈してしまう



「サスペンス」とか「スリラー」というジャンル映画であるからには、ある程度「怖い」ことを期待して観る

すごく怖いけど「犯人は誰だろう…」とか、「なぜ犯人はこんなことをするんだろう」と謎解きをしながら進んでいくのがベスト。



その点、この映画の問題点は、途中までが「目の青いイギリス男子 ジャックと金髪フランス女子 ベロニクのラブロマンスもの」だったこと。

殺人事件が起こるまでの前置きがなんとも長くて「連続殺人犯はいつ出てくるんだろう」とか、思いつつ、その二人の青春話に付き合わされる。



もしも、これが「ラブロマンス」と言われてみたのなら、後半のどんでん返しにびっくりしただろう。

しかし、この映画を観る前に既に「これは連続殺人犯についてのサスペンス」と言われて観ているので、自然と「怖さ期待度数」が上がってしまう。



しかし、その割に中盤まで何も起きないから、次第に退屈し「なんなのこれ、ちっとも怖くないじゃん」と思ってしまう

いや、もしかしたら、これは「サスペンス」でも「ラブロマンス」でもない、「ロードムービー」なのかもしれないな。

途中で変な女の子を拾っちゃった「ロードムービー」

そう思って観れば、もう少し面白く観られたかもしれない。



「ロードムービー」にしては、ちょっと異色で変わっているけど、「サスペンス」にしては怖くないし退屈。

そんな映画だったな。



ヒッチハイク・キラー3


「犯人疑い」の人たちのキャラの弱さ



ヒッチハイクの途中、ジャックは出会ったばかりのベロニクから「最近、このあたりでヒッチハイカーを狙った連続殺人犯が多発してるの」という話を聞かされる。

そう言われても、お金を盗まれヒッチハイクするしか当てのないジャックはベロニクと共にヒッチハイクを続ける。



そうやって「連続殺人犯がいる」と言われれば、観客としては「犯人は誰か」という推理を始める

すると、はじめは親切だと思っていたグリザードとメアリー夫妻がだんだんと怪しいと思うようになる。

しかし、それはジャックも同じように考えて、命からがらグリザードの屋敷から抜け出し、近所にあった狩猟小屋へと逃げ込む。



すると、その狩猟小屋の主人も怪しくて…。



しかし残念なことに、グリザードも狩猟小屋の主人も怪しい風に描いているけど、実際は「普通の人」でちっとも怖くない

「怪しい」と思わせたいなら、もっとクレイジーでいて欲しいし、怖い人であって欲しい。



その上、この狩猟小屋の主人というのが、何のために出てきたのやら…と思わせるキャラクターで。

どう考えても、最後の「どんでん返し」につなげるための「観客の目くらまし」として登場させたのだろうけど、全て観終わってから考えると「え、じゃああの人は何だったの??」ってなる

それでは何とも適当過ぎやしないだろうか。



ヒッチハイク・キラー4



不自然な設定が多すぎる



それに気になったのは、あまりにも不自然な設定が多すぎること。



なぜ、ジャックは「手ぶら」でヒッチハイクしているのか

イギリスの青年がフランスを旅しているのに手ぶら??

で、話を聞けば「途中で盗難に遭ったから」だとか。

いや、それならイギリス大使館に行きましょうよ。



さらに不自然だったのは「今時の若者なのに、誰も携帯電話を持っていない」こと。

ジャックもベロニクも携帯電話を持たず、ジャックは盗難に遭ったから仕方ないとしても、それなら「盗難に遭って困っているんだ。携帯電話貸してくれないかな」とかっていうセリフは出てこないのか。

その時の反応で「この子はちょっとおかしいな」とか、どこもおかしくないことを装うベロニクとか、見せ方があるだろう。



それに、せっかくイギリス人とフランス人のカップルを主人公にしているのだから、二人の間にある文化の違いとか、彼らを通して見せる両国間の問題点とかあっても良かったんじゃないかと思う。

フランス人は紅茶ばっかり飲んでるイギリス人をバカにするとか。

それじゃぁ、あまりにもステレオタイプ的すぎるけど、たとえ話として。

そういう「合作だからこそ描ける文化摩擦」ってのがあったと思うのに、それが無かったのはとても残念。



ヒッチハイク・キラー5



最後のどうでもいいどんでん返し



結局のところ、「ゲーム感覚」で人殺しを楽しんでいる若者の「心の闇」みたいなものを描きたかったんだろうと思う。

それにしても、これもまた不自然で、どうも幼い頃からベロニクは人殺しを楽しんでいたようだけど、なぜ、親は後始末ばかりして病院に入院させないのか。

そのことで、夫婦間でもめていたようだけど、もっと早く気付けたはず。

早く精神科病院に入院させましょう。



恐らく、映画としては「この子はこんなにかわいいのに連続殺人犯なんだよぉ~」「えぇ~びっくり~」みたいな「どんでん返し」のサプライズを期待したんだろうけど、私としては「はぁそう。だから何」って感じだった。

そこに至るまでに、どのキャラクターにも愛着がわかず、正直言って「犯人は誰でもいい」という心境だった。

このエンディングの後、長く長く続く道が描かれるけど、それは二人の長い未来を示していて、この先、いつかジャックがベロニクに飽きて別れ話を切り出したとしたら、ジャックはベロニクに殺されちゃうんだろうけど、別に構いません。好きにしてください。って感じだった。



この映画のWOWOWの紹介ページを見ると「ジョセフィーヌ・ドゥ・ラ・ボームの脱ぎっぷりの良さも男性にとってはお楽しみだ」と書いてあって

「まぁ、結局のところ、そういう映画なんだね」と思った。

(参考)WOWOWの「ヒッチハイク・キラー」紹介ページ




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リーヴ・シュレイバー主演の映画「チャック~“ロッキー”になった男~」をWOWOWで観た。

映画「ロッキー」のモデルとなったボクサー チャック・ウェプナーの実話を映画化。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放映する「WOWOWジャンパンプレミア」のうちの一本。


満足度 評価】:★★★☆☆

「ロッキー」のモデルになったと言われると、とても華やかな印象を受けるけれど、実際のチャックはとても荒んだ生活を送っていて、その姿は映画の中の「ロッキー」とは、明と暗ほどに違った人生を送っていたのがとても印象的だった。

やはり、映画のような人生は理想でしかないのか。


「チャック~”ロッキー”になった男~」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:The Bleeder(Chuck))




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キャスト&スタッフ


出演者

リーヴ・シュレイバー
…(「スパイダーマン:スパイダーバース」(声の出演)、「犬ヶ島」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「ディファイアンス」「ジゴロ・イン・ニューヨーク」「フィフス・ウェイブ」「ソルト」など)

エリザベス・モス
…(「ザ・スクエア 思いやりの聖域」など)

ナオミ・ワッツ
…(「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」「ヴィンセントが教えてくれたこと」、「追憶の森」、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「21g」、「キング・コング」)

ロン・パールマン
…(「ポーカーナイト 監禁脱出」など)

〇マイケル・ラパポート


監督

フィリップ・ファラルドー
…(「グッド・ライ~一番優しい嘘~」など)



2016年製作 アメリカ映画



チャック_ロッキーになった男



あらすじ


ヘビー級のボクサー チャック・ウェプナー(リーヴ・シュレイバー)は、ある日世界チャンピオンになったモハメッド・アリから「防衛戦の相手」として指名される。

モハメッド・アリは白人の対戦相手を探していて、その当時はチャックが白人の中で一番上位にいたのだ。

喜んでその指名を受けたチャックは「すぐにKOされる」という大方の予想を裏切り、15R戦い抜き惜しくもTKOで負けてしまう。

しかし、チャックが最後まで戦い抜いたという健闘は話題になり、ハリウッドのシルベスター・スタローンがチャックをモデルに脚本を書いたと言われ…。



チャック_ロッキーになった男5



感想(ネタバレあり)


モハメッド・アリと対戦し、一躍、時の人となったチャック・ウェプナー



映画「ロッキー」が製作されたのは1976年

私が一番最初に見たのは中学生ぐらいだったと思う。

リアルタイムで観た記憶はなく、テレビで放送していたのか、レンタルビデオで借りてきたのかだったと思う。



試合を終えたロッキーのあの有名な「エイドリアーーーン!」のセリフに感動し、私もエイドリアンのように「誰かを支える人になりたい」と中学生の私は思ったものだった。

しかし、理想と現実はかけ離れたもので、大人になった私はエイドリアンとは程遠い生活をしている(笑)



その「ロッキー」には、モデルとなった人がいたという。

それは、この映画を観て初めて知った。

もしくは、そう聞いたことがあるかもしれないけど、忘れてしまっただけかもしれない。



そのモデルとなった人物は、チャック・ウェプナー

彼はベビー級のボクサーである。



それほど有名な選手ではなかったのだが、ある時、世界チャンピオンになったモハメド・アリから「対戦相手に」とオファーがくる

モハメド・アリはチャンピオン防衛戦として、白人のボクサーを考えていた

その中で、チャックは当時白人の中でランキングトップにいたため、アリからオファーを受けることになったのだ。



チャックは、そのオファーを受けた時「どうせ、すぐにKOされる」と言われながら、第9Rではダウンを奪い、15Rフルで戦うも、TKOで負けてしまう

しかし、最後まで戦い抜いたことが高く評価されて話題になり、その試合をテレビで観ていたスタローンが「ロッキー」という脚本を書く

当時、チャックはボクシングだけでは妻子を養うことができないので、酒造メーカーの営業をしながらの生活だった。

そして、スタローンも当時は無名の俳優で、映画のオーディションを受けるも落ちまくる日々だったことから、チャックの姿に時分を重ね合わせ、脚本を書き上げたのだという。

(詳しくは → Wikipedia「ロッキー(映画)」



チャック_ロッキーになった男4


「ロッキー」とは真逆の人生をたどるチャック



無名の俳優だったスタローンが主演だったにも関わらず、「ロッキー」は大ヒット。

作品の評価も高く、アカデミー賞 作品賞、監督賞を受賞する。

スタローンはその成功によりスターの仲間入りを果たし、現在に至る



その「ロッキー」の成功により、チャックもまた注目を浴びる

パーティ三昧に明け暮れ、家族とも疎遠になった末、ドラッグに手を出してしまう。

ボクシングからも遠ざかり、クマと対戦するような「見世物」へとなり下がる。



その時、意外にもチャックに手を差し伸べたのはスタローンだった

「ロッキー」によって成功したスタローンは、チャックに「ロッキー2」に出演して欲しいとオファーする。

ところが、チャック本人がオーディションに大幅に遅刻し、ろくに演技もできず、スタローンからのサポートがあったにもかかわらず、その話はご破算になってしまう。



残念ながら、チャックは「ロッキー」によってつかんだ栄光とチャンスを「ドラッグ」によって簡単に手放してしまったのである。

そして、警察のおとり捜査に引っかかったチャックは、ドラッグディーラーとして逮捕され、刑務所に入れられてしまう。



ハリウッド映画に描かれている「ロッキー」は、世界チャンピオンのアポロと戦ったことで栄光の階段を上り始めるが、そのモデルのチャックは、真逆の人生をたどり、そこから転落していったのだった。



チャック_ロッキーになった男3


転落のきっかけは自分自身を見失ったこと



チャックも決してチャンスがなかったわけでない

「モハメド・アリからダウンを取った」ことに自信を持って練習に励めば、ボクサーとしてさらに活躍できるチャンスが広がったかもしれない。

スタローンだって、それまで面識がなかったチャックをハリウッドに呼んでオーディションまでセッティングしている。

(この映画を観ていると、スタローンはすごくいい人だとわかる)



それらのチャンスを失ってしまったのは「自分はスターだ」という過信からだった。

確かに、「ロッキー」が大ヒットした時は多くの人たちがチャックに注目して、みんなが「チャックは実はすごいボクサーだった」んだと思った。

けれど、そうやってチヤホヤされているうちに、自分を見失ってしまう

自分がボクサーであることを忘れ、家族がいることすら忘れてしまう。



チャックから大切なものを奪っていったのは「ドラッグ」だった

「ドラッグ」をやめることができない意志の弱さが、チャックの人生を転落させていった。



そんなチャックの目を覚ませる唯一の存在が、ナオミ・ワッツ演じるリンダだった。

彼女はチャックをスター扱いせず、チャックのダメなところも見抜いていた。

そんな彼女に会って、ようやくドラッグをやめようと思った矢先に逮捕されてしまったのだ。



チャックにとってのエイドリアンは妻のフィルではなく、リンダだったと思う。

そうして、ボクシングも家族も栄光もすべて失ってしまったチャックは、リンダと新しい人生を歩み始めるのだ。



チャック_ロッキーになった男2


「運命の瞬間」を確実に次につなげていくために



映画には、たくさんの夢がつまっている

そこに描かれる様々な人生を見ながら、「あんな風になれたらいいな」とか、「あんな人生を送りたいな」と思い、明日への糧にし、再び前を向いて歩き始める。

だから、私は明日の自分のために毎日のように映画を観るのだ。



しかし、現実は映画のようにはうまくいかないものなのだ。

順風満帆に成功できる人などいない

時には足をふみはずし、間違いを起こし、失敗しながら前へと進む。



この映画のチャックと映画の中のロッキーとの違いを見れば、その理想と現実の違いがよくわかる

世界チャンピオンと戦って、彼の強い思いが国民に勇気を与えたところまではロッキーもチャックも一緒だった。

しかし、そこから成功するか転落するかの分岐点にあったのは「本人の意志の弱さ」だった。

「ドラッグをちょっと試してみたかった」という気のゆるみが、2回、3回と続いてしまう。



その「弱さ」が、のちのち全てを失ってしまうことになる。



そのチャックの挫折から私たちが学ぶべきことは、目の前にあることを一つずつ誠意を持って全力でこなすということ。

仕事にしても、家族や周りの人たちに対しても。

目の前にあることに誠意を失った瞬間、全てが壊れ去ってしまう。



チャックとは対照的に「ロッキー」の成功で大スターの仲間入りをし、いまだにスタローンが現役でいられるのは、その「誠実さ」にあったように思う。

「ロッキー」の成功を自分だけのものと思わず、チャックにも声をかけ、「ロッキー2」に出演して欲しいと言い、チャックが刑務所に入ったと聞くと、「ロック・アップ」の役作りと称して刑務所を訪問する。

もしも、「スター」という名声におぼれ目の前にあることに誠意を失っていたら、チャックを気にかけるようなことはしないだろうし、今の成功もなかったかもしれない。



「モハメッド・アリ VS チャック・ウェプナー」の一戦の日から、共に底辺でくすぶっていたスタローンとチャックの人生が動き出し、彼らの明暗を分けたというところに、この映画の面白さがあったと思う。

これはきっと、チャックだけの話ではなく、誰もがその「運命の瞬間」を持っていて、「そこからどう動くのか」が明暗を分けるのだと感じた。

常日頃から、周りの人たちに誠実に行動することが、成功の秘訣だと思った。



↓ Instagramでも映画のレビューを書いています(ときには映画以外の話もあります)







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フランス映画「150ミリグラム ある女医の告白」をWOWOWで観た。

ある薬を服用した患者たちの多くが弁膜症を発症していることに気付いた一人の女医が、製薬会社を告発したという実話の映画化。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放映する「WOWOWジャンパンプレミア」のうちの一本。


満足度 評価】:★★★★☆

これは普通に劇場公開して良いレベルの作品だった。

主人公の女医は1人で戦ったわけではなく、家族も含めて周りの人たちを巻き込みながら、徐々にその輪を広げていく。

その「巻き込まれた人たち」の反応に男女差があったのがとても印象的だった。

そして、その中で、誰よりも強くて勇ましいのが、主人公の女医イレーネだった。



「150ミリグラム ある女医の告白」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:La Fille de Brest)







キャスト&スタッフ


出演者

〇シセ・バベット・クヌッセン

ブノワ・マジメル
…(「ファスト・コンボイ」、「スズメバチ」など)

〇シャルロット・レンメル

〇ララ・ニューマン

〇パトリック・リガルデ

監督・脚本

〇エマニュエル・ベルコ


2016年製作 フランス映画



150ミリグラムある女医の告発



あらすじ


2009年、フランスの地方にあるブレスト大学病院の呼吸器科の医師 イレーネ(シセ・バベット・クヌッセン)は、患者が原因不明の心臓弁膜症で亡くなったことを不思議に思い、詳しく調査を行うと、製薬会社セルヴィエ社の「メディアトール」を服用している患者の多くが心臓弁膜症で亡くなっていることに気付く。

「メディアトール」は、元々、糖尿病患者のために薬だったが、その後「やせ薬」として多くの患者に処方されていた薬だった。

そこでイレーネは、メディアトールが弁膜症を引き起こす割合について、薬害の調査研究が専門のアントワーヌ(ブノワ・マジメル)に詳しい数値について調査を依頼し、それが尋常ではない数値であることが分かると、セルヴィエ社を告発する活動を始めるが、嫌がらせや妨害工作に遭い…。



150ミリグラムある女医の告発2



感想(ネタバレあり)


人の命をあまりにも軽く見ている製薬会社の深い闇



ひどい高熱に悩まされ、市販の薬を飲んでも症状が良くならない時、私たちは病院へ行く。

病院へ行くと『インフルエンザ』だと診断され、医者に薬を処方してもらう。

そして、私たちは「このしんどさを早く何とかして欲しい」という思いで、処方された薬を言われた通りに飲む。

インフルエンザのようなウイルス性の病気は、市販の薬では治すことができず、医者に処方された薬を言われた通りに飲むしか病気を治す方法がない



しかし、もしも、その薬に「死亡するリスク」があり、そのことを患者である私たちに知らされていなかったらどうだろうか。

医者も薬剤師も信じ切っている私たちは、知らず知らずのうちに「死亡するリスクを高めている」ことになる

それは、本来なら「命を救うこと」が仕事のはずの製薬会社が、患者たちを見殺しにしていたことになる



この映画は、その「死亡のリスク」に気付いた一人の医師が、製薬会社に警告するも改善してもらえず、社会に訴える方法を選んだという実話を映画化したものである。



この映画を観ながら、真っ先に思い出したのはレイチェル・ワイズ主演の映画「ナイロビの蜂」だった。

「ナイロビの蜂」は、アフリカの人々を実験台にして新薬を開発している製薬会社の実態を告発しようとしていたジャーナリストの女性が殺されてしまうというサスペンス映画だった。



どちらの映画も、製薬会社を告発するというところで共通している。

ただ、「ナイロビの蜂」はフィクションなのに対し、この「150ミリグラム ある女医の告発」は実話である



この「150ミリグラム ある女医の告発」を観て、やっぱり「ナイロビの蜂」のような事件は本当にあるんだろうなと再認識することになった。

それぐらい、製薬会社の闇は大きく深いと思ったからだった。

製薬会社は人の命を救うのが仕事のはずなのに、あまりにも人の命を軽く見ていると思った。

製薬会社としては、巨額の開発費や販売費用が絡んでいるために「イチ地方都市の医者の訴え」に対応していられなかったのだろうけど、そこには「人間の命の尊さ」についての考えが完全に欠落している。



もしも、イレーネがいなかったら、この後も患者が増え続けたのかもしれないと思うとぞっとする。



この映画を観て、「製薬会社を告発する」という話に興味を持った人は、ぜひ、「ナイロビの蜂」も合わせて観て欲しい。

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150ミリグラムある女医の告発3


田舎から出てきた女医の言うことなど誰も信じない



この映画の主人公 イレーネが告発する薬は『メディアトール』という。

元々は、糖尿病患者のために製造された薬であるが、その後、やせ薬として広く処方されるようになる。

イレーネは呼吸器科の医師であるが、彼女の患者の中でも肥満体質の人などは、その『メディアトール』を服用していた。

その後、イレーネはメディアトールを使用していた彼女の患者の複数の人が、心臓弁膜症という病気で亡くなっていることに気付く



それが、『メディアトール』を調べ始めたきっかけとなった。



そして、彼女が勤務する大学病院の調査部と協力して調べていくと、メディアトールを服用している患者のうち、約7割が心臓弁膜症になっている可能性があるという恐るべき数値が発覚する

これにはゾッとしてしまった。



しかし、イレーネがそれを必死になって訴えようとしても製造元の製薬会社セルヴィエ社が圧力をかける。

イレーネが上げた証拠を否定したり、権威ある医者に「サンプルの取り方が間違っている」とか、「田舎町(ブレスト)の呼吸器科の医師の言うことに信ぴょう性がない」…などと言わせ、イレーネの告発をもみ消そうとし、患者たちに出ている副作用は薬とは一切関係ないように見せかける



その言葉の通り、イレーネはフランスの地方都市ブレストの医師であり、心臓外科医ではなく呼吸器科の医師だったため、はじめはイレーネの話を聞いても、誰も信じようとしなかった。



150ミリグラムある女医の告発4


「戦いかた」について男女に違い



しかし、そんな逆風の中でも、少しずつイレーネの訴えに協力的な人たちが現れる。

この映画でとても感動的なのは、その、彼女の周りで手を挙げて協力してくれる人々の存在だ



はじめは良い顔をしなかった調査部のアントワーヌは彼女の熱意におされて、調査を開始する。

そして、7割という数字を見て本格的に調査を進める。

しかし、彼もまた「田舎の医師のくせに」と言われ、そのサンプルの取り方にクレームが入り、そのプレッシャーに押しつぶされてしまう。



しかし、それでもイレーネが告発を続けたことで、徐々に協力者が増えていく。



アントワーヌの下で働くことを希望していた学生は、イレーネの調査をテーマに卒論を書き、「推定で500人以上の患者が亡くなっている」という調査結果を出す。

さらにイレーネはそれまでの研究を一冊の本にまとめる。

イレーネの本を読んだフィガロ紙の記者は、彼女と共にメディアトールのリスクを告発する



これまでは「田舎の女医のざれ言」だった告発も、フィガロ紙が取り上げることで全国区になり、テレビがイレーネの告発を取り上げるようになる。

これで、それまでの逆風が一気に追い風になり、イレーネの告発が優位になった。



ここで面白かったのは、告発したイレーネも含め、彼女に積極的に協力し製薬会社と正面から戦ったのが、みな女性だったこと

男性の協力者たちは、協力はするけれど「消極的」だった

顔を隠し「こっそりと」協力したり(イレーネのサンタクロース)、アントワーヌのように途中で降りてしまう者もいた。

男性たちは製薬会社の圧力に押しつぶされるが、女性たちは「圧力があるからこそ」戦うのだ

その違いが非常に面白かった



彼女たちは圧力なんかよりも「患者たちの命を救いたい」という思いで必死だったのだ。

それにイレーネの場合は、幼い子供たちも含めて家族が彼女に協力的だったからこそ、負けずに戦えたとだと思う。

そんなイレーネの「熱意」が引力となって、他の協力者たちを集めていったように思った。



最後はイレーネだけでなく、みんなで勝ち取った勝利だった。

イレーネも男性たちの立場をよく理解していて、離脱したからといって、けなしたり、非難したりしない

この「メディアトール騒動」に疲れ、カナダへ引っ越すことにしたアントワーヌを最後まで見送ったのは、イレーネだったことを観てもよくわかる。

むしろ、イレーネとしては、彼らをこの騒動に巻き込んでしまったことに対し申し訳ない気持ちがあったように思う。



それぐらい、医師が製薬会社と対立すると言うのは、それだけで大きなリスクを伴うことなのだ。

アントワーヌとしては、これ以上、フランスで研究を続けられないと感じたのかもしれない。

正しいのは、告発をした側なのにも関わらず。



殺されずに済んだだけでもましと考えるべきなのか。



150ミリグラムある女医の告発5


自分よりはるかに巨大な力と戦う時に必要なのは「最後まで諦めない気持ち」



そんなパワフルなイレーネを観ていると、「圧力に屈せず諦めない姿勢」はいつか日の目を見る時がくるんだと思える

そんな彼女の勇ましさは、日頃から、巨大なものに立ち向かって戦っている人たちに勇気を与えることだろうと思う。



しかしそれにしても、一人でも副作用で亡くなったら大変なことなのに、大勢亡くなっていても知らぬ存ぜぬを貫き通す製薬会社の恐ろしさを感じた。

最終的には「フランス全土で500~1000人の死者がいる可能性」という数字まで出ていた。

そこには「肥満症だから、心臓に負担がかかったのでは」と思われてしまうことも、「メディアトール」にとって、良い隠れ蓑になっていたのではと思う。



それでも、「何かがおかしい」と思い、逆風にも負けず調査を続けたイレーネの強さに感動する話だった

これは実話であり、現在もイレーネはフランスで戦いを続けているという。

失われてしまった命は帰って来ないのだ。

製薬会社も、医者も「処方された薬をただ飲むことしかできない」患者の気持ちを少しでも考えて欲しいものである。



いつも、巨大な何かと戦っている人に、ぜひ観て欲しい作品。






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