とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ジョン・ボイエガ



人気シリーズ 第8作 映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を映画館で観た。

反乱軍の戦士レイがファーストオーダーとの戦いのために、伝説のジェダイ ルーク・スカイウォーカーを探し当て、そこから新たな冒険が始まる。


映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」


満足度 評価】:★★★★★

私は、この「最後のジェダイ」が大好きである。

どんなに批判が多くても、私のその思いは変わらない。

それはなぜなのか。

その理由を書いてみた。

この記事の中にはネタバレがあります。映画をご覧になってからお読みください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」予告編 動画

(原題:Star Wars:The Last Jedi)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年12月22日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年11月24日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

・2019年12月20日 金曜ロードSHOW!での放送に合わせて加筆・修正。





キャスト&スタッフ



出演者

デイジー・リドリー
…(「ピーターラビット」(声の出演)、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」など)

ジョン・ボイエガ
…(「デトロイト」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」など)

アダム・ドライヴァー
…(「ブラック・クランズマン」、「ローガン・ラッキー」、「パターソン」、「沈黙-サイレンス-」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「あなたを見送る7日間」など)

オスカー・アイザック
…(「サバービコン 仮面を被った街」、「The Promise/君への誓い」、「X-MEN:アポカリプス」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「ドライヴ」、「インサイド・ルーウィン・デイビス 名もなき男の歌」、「ワールド・オブ・ライズ」、「アレクサンドリア」、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」、「極悪の流儀」など)

マーク・ハミル
…(「ブリグズビー・ベア」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」、「スター・ウォーズ/エピソード6 ジェダイの帰還」など)

キャリー・フィッシャー
…(「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」、「スター・ウォーズ/エピソード6 ジェダイの帰還」など)

アンディ・サーキス
…(「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、<監督のみ>「ブレス しあわせの呼吸」など)

ドーナル・グリーソン
…(「グッバイ・クリストファー・ロビン」、「ピーターラビット」、「バリー・シール/アメリカをはめた男」、「レヴェナント/蘇りし者」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」、「FRANK-フランク-」、「不屈の男 アンブロークン」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「ブルックリン」など)

ローラ・ダーン
…(「ドリーム・ホーム 99%を操る男たち」「遠い空の向こうに」、「私に会うまでの1600キロ」、「きっと星のせいじゃない」、「ジュラシック・パーク」シリーズなど)

ベニチオ・デル・トロ
…(「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」、「ロープ 戦場の生命線」、「ボーダーライン」、「ガーディアンス・オブ・ギャラクシー」など)

〇ケリー・マリー・トラン



監督・脚本

ライアン・ジョンソン
…(ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」(第5シーズン)など)


2017年製作 アメリカ映画




あらすじ


スノーク最高指導者(アンディ・サーキス)率いるファーストオーダーに追い詰められつつある反乱軍は、伝説のジェダイの騎士 ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の助けを求め、レイア指揮官(キャリー・フィッシャー)は戦士レイ(デイジー・リドリー)をルークの元へと向かわせる。

その間、反乱軍は少ない兵力でファーストオーダーに立ち向かうが、まるで歯が立たず、逃げようにも追跡されてしまう。

そこで、ファーストオーダーの追跡装置を破壊しようと考えたフィン(ジョン・ボイエガ)は、整備士のローズ(ケリー・マリー・トラン)と共に、ファーストオーダーの戦艦に侵入する計画を立てるが、そのためには侵入コードを突破できるコードブレイカーが必要であることが分かり…。



映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」デイジー・リドリー



感想(ネタバレあり)


賛否両論別れた「最後のジェダイ」。私は絶賛派。


2回観た。この映画が大好きだと思った



いきなり始まったオープニングの戦闘シーンで、ポーがBB8と共にX-ウィングで戦う姿を観ると、その昔、R2-D2を乗せてXウィングで帝国軍に向かっていったルークのことを思い出し、

そのR2とルークの初めての出会いを思い出させるホログラムや、ヨーダが登場するサプライズもあり、すっかりポンコツになってしまったファルコン号が、今でもカッコ良く空を突き抜ける姿には胸が躍る。

それらのシーンには、様々な懐かしさも含め、これまでの「スター・ウォーズ」に対するオマージュを感じ、あぁやっぱりスター・ウォーズは良いなぁと感じる。



ところが公開後のファンの様子を見ると、その評価は賛否が真っ二つに割れていた

なぜなら、そうやってこれまでの「スター・ウォーズ」を受け継いだ部分よりも、今までの「常識」をぶち破った「見たことのないスター・ウォーズ」を描いた部分が多かったからだった

それはまさに、CMのナレーションにある通り「誰も知らないスター・ウォーズがここにある」の言葉通りなのだが、結果としてそれが多くのファンの反発を買うことになってしまった。



しかし、私はまさにそんな「新生スター・ウォーズ」の部分が大好きで、新しい時代と、これまでの伝統が融合しているからこそ、この映画は面白いのだと感じた。



「スター・ウォーズ」は世相に流されない永遠の神話であり続けるべき。

という長年のファンの気持ちもわからなくもないけれど、あらゆる物事が変化していく時代の激流の中で、何も変わらずに踏みとどまることができるのか。

いつか時代に押し出される時がくるのなら、これまで時代を引っ張ってきた「スター・ウォーズ」だからこそ、率先して新しい世界観を見せていくべきではないのか。



そして、ここから新しい時代が幕を開ける。

それはとても素晴らしい幕開けだった



この感想文は、「私の『最後のジェダイ』が大好きな理由」である。



映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」マーク・ハミル



スカイウォーカー家の終焉にみる時代の流れ


この長い歴史を持つ「スター・ウォーズ」をこれまで支えていたのは、スカイウォーカー家の物語だった。

将来有望だったジェダイの騎士 アナキン・スカイウォーカーが暗黒面に落ちてダースベイダーとなり、代わりにその息子ルーク・スカイウォーカーがジェダイを引き継ぎ、娘レイアは姫として君臨する。



ところが、レイアの息子であり、ルークの甥であるカイロ・レンとスノークが率いるファーストオーダーにより、再び宇宙は暗黒面に支配されようとしていた。

カイロ・レンの師匠だったルークはカイロが暗黒面に落ちて以来、姿を消してしまう。

そこで、この『最後のジェダイ』では、その後姿を消してしまったルークを反乱軍に連れ戻し、宇宙に平和を取り戻そうとしていた。



この映画が公開されるまで、多くのファンが期待していたのは『レイはルークの娘説』だった。

カイロ・レンがダークサイドに落ちても、きっとレイがスカイウォーカー家の一員としてジェダイを復活させるに違いないと多くの人が希望を期待していた。



しかし、そんな妄想は見事に打ち破られる。

レイはスカイウォーカー家となんの縁もゆかりもない『ただの人』だったのだ。



一方で、カイロ・レンはレジェンドと言われる両親を持ち、「二世」という重圧に苦しみもがき、スノークにその苦しみを見透かされ、暗黒面へと落ちていく

そのことを自分の中で処理できずに、それを師匠であるルークのせいにして反抗を続け、「スカイウォーカー家の一員である」という呪縛から逃れるように、伝説の英雄である父・ハン・ソロを殺してしてしまう。



それで呪縛から逃れられたと思いきや、そうもいかず、「父を殺した」という思いが、その後も心を悩ませ続けている。

『最後のジェダイ』のカイロ・レンは憂鬱に囚われていた。



新たなフォースの使い手であるレイの登場により、心を乱されたカイロは、師匠であったスノークを殺し、レイと共にファーストオーダーでもジェダイでもない「新しい何か」を作り出そうとしていた。

ところが、そのレイにも突き放されてしまう。



そして、カイロのかつての師匠 ルークは、カイロをジェダイに育てられなかったことを後悔し続け、最後の仕事としてカイロと対決、反乱軍の生き残りたちの命を救い、姿を消してしまう。

ルークがカイロに最後に見せたかったのは「救うべき命の大切さ」である



ジェダイ界のエリートだったはずのカイロは、悪にもなり切れずジェダイにも戻れない

レジスタンスの希望だった伝説の騎士ルークは、その一生を終えてしまう。



ライトサイドにいて、最もジェダイとしての強いフォースを持っているのは「雑草出身」のレイのみとなった

これは、「スカイウォーカー家の崩壊」を示している



フォースとは、スカイウォーカー家だけが持つものではないのだ。

血統も何も関係のない奴隷の人たちにも備わっている。

それが示すのは、エリート制度の崩壊である。



素晴らしい血統や、学歴がなくても、たとえ貧しい家の出身でも、本人のやる気さえあれば、トップの座を勝ち取ることができる



かつてアメリカでは、ロイヤルファミリーといったらケネディ一家だった。

ケネディ一家の子供たちが何をするにも大騒ぎだった時期があった。



しかし現代では、ある特定の血統や一族が優遇されるようなことがあれば、批判の対象になってしまう。

トランプファミリーが批判されているのを見ればよくわかる。



アメリカからロイヤルファミリーが姿を消していくように、「スター・ウォーズ」からもスカイウォーカー家の血統が消えようとしていくのは自然な流れのように思う。



また、スカイウォーカー家の物語は、ジョージ・ルーカスと父の関係を表していると言われている。

その意味でも、このシリーズはジョージ・ルーカスの世界から脱却し、新たなフェーズに入ったのだと言える。

ジョージ・ルーカスの命に限りがあるように、永遠に続くものなど、どこにもないのだ。



映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」アダム・ドライバー



新しい時代を切り開く女性たち


「新生スター・ウォーズ」で、新しい時代を切り開いていくのは、元奴隷の子供たちと女性たちだった。

それもまた、私の心を熱くした。



前回のエピソード7でフォースが覚醒したレイは「ルークの娘だ」と言う大方の予想を裏切り「酒代のかわりに」捨てられ、奴隷として育てられた悲しい過去があったことが明らかになった



かつて、アナキン・スカイウォーカーも子供の頃は奴隷だった。

スカイウォーカー家の終焉と共に登場してきたレイは、ジェダイの遺志を継ぐものであり、新たな時代の希望となる。



そして、「最後のジェダイ」の新キャラクターとして登場するのが、整備士のローズだった。

彼女もまた、姉と共に幼い頃から鉱山でファーストオーダーに奴隷として働かされていた。

姉と共に反乱軍で働くことを夢見ながら、初めてフィンに会った時は「真のヒーローに会えた」と大喜びをする。



ローズにそんな過去があったからこそ、カジノ惑星カント・バイトで出会った少年テミリ・ブラックの気持ちがよくわかるのである。

テミリ・ブラックにとっては、ローズと出会ったことが希望となり、それが奴隷の子供たちへと広がっていく。



アジア系である彼女の起用が批判の元になっているが、私は彼女のキャラクターが大好きだった。

真面目で賢く優しい彼女は、とても愛らしいキャラクターだった。



ファーストオーダーと戦う反乱軍を指揮するのも女性たちだった。

レイア・オーガナに英雄・ホルド提督(ローラ・ダーン)。

ホルド提督が指揮官として最後まで反乱軍を守る姿は、何度見ても泣いてしまう



また、レイアも思った以上に活躍してくれて、どのシーンも涙出てしまう。

キャリー・フィッシャーが亡くなってしまったことで、これが最後のレイアになるかもしれないが、どの場面も風格が感じられ、ルークとの再会は特に、涙なくして観られない。



また、ファーストオーダーでストームトルーパーを指揮するキャプテン・ファズマも女性だった。



それぞれが自分自身と戦い、常にベストを尽くし、観る者を感動させる

まさに、新しい時代の幕開けを感じさせる活躍だった



これに対して、ポリティカル・コレクトネス(参照:Wikipedia ポリティカル・コレクトネス)に配慮しすぎだという反論も聞こえてくる。

そうだろうか。



2017年の映画界は女性たちの活躍が目立った年だった。

ワンダーウーマン」や「アトミック・ブロンド」などの、女性が主役のアクション映画や、「ドリーム」のように黒人女性たちの苦悩が描かれた作品が高く評価された。

それらのできごとに触発され、ハリウッドで活躍する女性たちが「男性たちから受けた性被害」について勇気を持って告発し、これまで権力者たちが多くの女性たちにパワハラ、セクハラを行っていたことが明らかになる。

それが一大ムーブメントとなって世界中に広がった年でもある。



その革命的な2017年に公開されたこの映画で、女性たちの活躍が描かれなかったら「時代遅れのスター・ウォーズ」として多くの人たちから批判されたに違いない

人種に関しても同じで、フィンやローズの活躍がなかったら「ホワイトウォッシュなスターウォーズ」だと言われることは目に見えている。



これは、今までのコアなファンだけを喜ばせる作品ではなく、「より多くの人々に愛される」作品を目指した結果だと言える。

それは、常に先頭に立って走らなければならない映画だからこその「改革」なのだ。

どの映画よりも「あるべき姿」を見せてこそ、常にトップを走っている映画なのだと言える。



映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」ケリー・マリー・トランとジョン・ボイエガ


40年の流れの中で変わっていく戦争のカタチ


そして、この「最後のジェダイ」の中で、最も感動し、最も印象的で心を打たれたのは戦争への考え方が変わったことだった。



一番最初にこの映画「スター・ウォーズ」が作られたのは1978年だった。

その頃、世界は冷戦にあり、民主主義と共産主義で真っ二つに割れていた。

「スターウォーズ」も時代を反映し、明らかに共産主義を意識した帝国軍(=悪)と、それに対抗する民主主義の反乱軍(=善)の対立はとてもわかりやすかった。



しかし、40年も経つと時代は変わり、ベルリンの壁は崩壊し、善悪の境界線も変わっていく。

アメリカでは911のテロが起こり、その後も欧米の各地でテロが発生。

「悪をなすテロリストは国内にいる」時代へと突入する。



この「最後のジェダイ」では、その構図を反映し「身内からの反乱」を描く

反乱軍では、オスカー・アイザック演じる「血の気の多い」戦闘員のボーが、ホルド提督に反乱を起こす。

さらに、ファーストオーダーではスノークの忠実な部下、カイロ・レンがクーデターを起こす。



その中で、ボーの反乱に対しホルド提督とレイアが「まったく、やんちゃで困っちゃうわね」ぐらいでおさめ、彼の失敗に対して「寛容さ」を示しているところがとても良かった。

体制に対して反旗を翻したり、抗議を行った人たちに対して寛容であるべきだというのが、そこから伝わってくるからだった。

多くの人たちからの「ボーの今回の行動は、稚拙すぎる」という批判を聞くけれど、彼の行動にはそれなりの意義があったと私は思う。



そして、今回、最も印象に残っているのは、ローズの「大事なことは、敵を憎むことよりも、愛する人を守ること」というセリフだった

これは何度聞いても涙があふれてしまう。



ボーやフィンの無謀な行動は、これまでのスター・ウォーズの戦い方を踏襲したものであり、今までの考え方からするとアリなのだろうと思う。



しかし、時代は変わった。

ひとりの無謀で命知らずのヒーローが生れることよりも、その無謀な作戦の結果、多くの犠牲を出してしまうことを嘆くべきなのである



欧米がこれまで多くの敵国を攻撃してきた結果、そこで暮らしていた国民たちが欧米各国を憎むようになり、「反乱分子のテロリスト」となって、各地に潜みテロを起こす時代になってしまった。

そこから学ぶべきは、思想の違う相手を憎んで攻撃することよりも、自分の仲間たちを愛し助けることなのである



正直、「スター・ウォーズ」がそんなメッセージを発信するとは思っていなかったので、かなりビックリした。



だからこそ、これは「誰も知らないスター・ウォーズ」なのだ

今までと180度方向転換していると言っても過言ではない。

しかし、10年後にこの「最後のジェダイ」を見返せば、きっと、「あれは自然な流れだったね」と思われる作品になっていると確信している



いつか世の中の流れにさからえない時がやってくるなら、自ら先頭を切って方向転換をしていく

たとえ、それが多くのコアなファンを失うような痛みを伴う結果になってしまっても

それが、トップを走り続ける「スター・ウォーズ」の役目であると自覚しているような作品だと思った



本当に最高だった。

私は、この方向転換を大歓迎したい



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「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を映画館で観た。

久しぶりの「スター・ウォーズ」を映画館で観られるだけで、大興奮だった!


スター・ウォーズ


満足度 評価】:★★★★★

「スター・ウォーズ」は、私にとっては、映画というよりも神話のようなもので、この世界にじっくりと浸らせてくれるクリエイターの皆様に感謝したい。

※この感想は、ネタバレを多く含みます。まだ映画をご覧になっていない方は、ご注意ください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」予告編 動画

(原題:STAR WARS:THE FORCE AWAKENS)

 


更新履歴

・2015年12月30日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年12月13日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

デイジー・リドリー





…(「アス」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、「ジャングル・ブック」(声の出演)など)





監督

J・J・エイブラムス


2015年製作 アメリカ映画



あらすじ


銀河はファースト・オーダーという帝国軍の残党による悪に支配されようとしており、それに対抗するため、反乱軍(レジスタンス)は行方不明になっているルーク・スカイウォーカーの居場所を探していた。

レジスタンスの将軍・レイア姫(キャリー・フィッシャー)は、ルークの居場所を示した地図があるという情報を聞きつけると、もっとも優秀で信頼のおけるレジスタンスのパイロット、ポー(オスカー・アイザック)に地図を手に入れるように命じる。

そして、無事地図を手に入れたポーだったが、ファースト・オーダーに地図のことを知られてしまい、追われる身となってしまったため、地図の保管を相棒のドロイドBB-8に託し、自身はファースト・オーダーの囚われの身となる。

ファースト・オーダーの囚われの身となってしまったポーだったが、ストーム・トルーパーの一員で、洗脳されることなく良心を残したフィンによって助けられ、ファースト・オーダーの基地から抜け出すことに成功する。

一方、BB-8は取り残された砂漠の星でジャンク屋に解体されそうになっていたところを、レン(デイジー・リドリー)に助けられる。

そして、ポーはフィンと共にBB-8の元へ向かうのだが…。





感想(ネタバレあり)


ファルコン号が飛んでいる!!それだけで泣けた!!!


※この感想には多くのネタバレを含みます。まだご覧になっていない方はご注意ください。

 エピソード7がついに始まった!!



ここで正直に告白しますが、レンが砂漠の街でファルコン号を見つけ、フィンとBB-8を連れて星を脱出した後、ハン・ソロが乗り込んでくるシーンは嬉しさのあまり泣いてしまった!!

「あぁ、ファルコン号が飛んでいる」

「あぁ、ハン・ソロとチューイだっ!!!(T―T)」



それだけで、嬉しくて、思わず泣いてしまった。



スター・ウォーズ8



歴史は繰り返す


さて、スター・ウォーズ、最後の三部作の序章は「歴史は繰り返す」といったところ。



かつて、オビワンとヨーダの弟子だったアナキンがダースベーダになったように、そのアナキンの孫であり、ルークの弟子だったベンがダークサイドへ落ち、カイロ・レンと名乗るようになり、スノークの手先となってしまったところからスタート。



彼が「なぜ」ダークサイドへ落ちたかについての説明は特に無い。

それは、今後描かれることと思うけど、やはり、レイア姫とハン・ソロというレジェンドを両親に持つと、息子はそれだけでも辛いはずだ。



映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」



レイの両親は?なぜ、彼女はフォースの使い手なのか?


そして、そのカイロ・レンに対し果敢に対抗して向かっていくのが、「レイ」だ。

彼女は自分の内側に秘めたフォースの存在に気付く。



あのルークでさえ、ヨーダの教育なしではフォースをうまく使いこなすことができなかったのに、彼女は自分でフォースの存在に気付いてカイロ・レンと互角に戦うんだから、それなりの血筋の持ち主と思われる。

では、「レイ」の両親は誰なのか、本当に「誰でもない」ただの「レイ」なのか。



話の流れからして、レイアがルークを迎える使者としてレイを送り、「フォースと共にあらんことを」と彼女に告げたとなると、これは「レイはルークの娘なのか???」と思わずにはいられない。



映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」



心優しきフィンは、なぜダークサイドに洗脳されないのか…?


さらに、もう一人。謎の新キャラとして「フィン」に注目したい。



スノークやカイロ・レンといった悪のフォースの使い手たちが支配するストームトルーパーたちの中で、「なぜ、彼だけが悪に洗脳されなかった」のか

ここは、非常に興味深いところだ。

やはり、彼も「フォースの使い手」なのか…。



そして、フィンはレイと恋に落ちるのか…。

非常に気になるところだ。



映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」



40年前の作品と違和感のない作りに感動


毎回のことだけど、私たちをこんなにどっぷりとスター・ウォーズの世界に浸らせてくれるのは、素晴らしい美術セットのおかげ。

一番最初にこのシリーズが作られたのは、1977年に公開されたエピソード4で、それから40年経ってている。



この40年の間に技術は大躍進したし、かけられる製作費も全然違うから、現在、当時のエピソード4を見ると、このセットはちょっとチープだなって思ってしまう部分もある。

でも、ファンとしては、そのチープさも含めての「スター・ウォーズ」なのだ。



今回の「エピソード7」では、そのチープさもしっかりと残した美術セットになっていることに驚いた!



とくに、ファースト・オーダーの基地の中のチープ具合とか、わざと40年前のテイストを残して作っている。

だから、エピソード4から続けてエピソード7を見ても、違和感ない感じに仕上がっている。



その細部へのこだわりっぷりにも感動してしまった。

本当にすごい!



映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」



見せるべきところは最先端の技術で


ただし、戦闘シーンの仕上がりは、最先端になっている。

3Dで制作されているから尚更かもしれないけど、ロックしてからミサイルが飛ぶときの飛び具合とか、Xウィングの飛び具合とか、立体感がハンパない。

そこも、さすが、ルーカス・フィルムだっと思ってビックリした。



そして嬉しいのが、ドロイドの進歩だった。

C3-POと、R2D2に再会できたのは、すごく嬉しいけど、彼らの弟(?)的立場の新キャラBB-8がめちゃくちゃかわいい。

是非、彼をペットにしたいと本気で思い始めている(笑)



映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

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次は3年後・・・??


言いたいことはだいたい語り尽くせただろうか。



今回の「エピソード7」は、「まずは登場人物」の紹介といった感じがした。

恐らく、次回には、「カイロ・レンがなぜダークサイドへ落ちてしまったか」や「レンの両親は?なぜ、幼い頃に一人置き去りにされたのか」などの謎について描かれていくことと思う。



それにしても、相方を失ったチューイが可愛そうだった…。



次の「エピソード8」は3年後かなぁ…。

もっと早く観たいなぁ…。待ちきれないよ…。

それまでエピソード7を何度も見て、次の展開を妄想しながら待っていよう…





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エピソード2
「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」アナキンの心に芽生える悲しみ・怒り・孤独が闇へとつながり悪の帝王〔ダースベーダー〕を生み出す土壌に【感想】

エピソード3
「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」ダース・ベイダー誕生。新興宗教に心酔する優秀な若者のごとく闇に落ちていくアナキン。人気映画シリーズ中必見の一本【感想】

エピソード4
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」『ローグ・ワン』の続き。ダース・ベイダーに見るアナキンの心の乱れ。ルーク、レイア、ハン・ソロ、オビ=ワンの出会い【感想】

エピソード5
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キャスリン・ビグロー監督の映画「デトロイト」を試写会で観た。

1967年にアメリカで起きたデトロイト暴動の実話を映画化。



満足度 評価】:★★★★★

衝撃だった。

1967年にアメリカのデトロイトで起きた暴動の実話。

そこで行われたのは白人警官による黒人たちへの不当な拷問だった。

しかし、私たちはそこから目を背けずに、「この事実」があったことを知るべきなのだと思った。



以下の感想の中にはネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「デトロイト」予告編 動画

(原題:Detroit)




更新履歴・公開、販売情報

・2018年1月13日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年1月6日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

ジョン・ボイエガ
…(「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」など)

ウィル・ポールター
…(「メイズ・ランナー 最期の迷宮」、「レヴェナント:蘇りし者」、「メイズ・ランナー」、「なんちゃって家族」など)

ジャック・レイナー
…(「フリー・ファイヤー」、「シング・ストリート 未来へのうた」、「人生、サイコー!」、「リチャードの秘密」など)

〇ベン・オトゥール

〇オースティン・エベール


〇アンジー・スミス

アンソニー・マッキー
…(「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「トリプル9 裏切りのコード」、「アントマン」、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」、「フィフス・エステート/世界から狙われた男」、「崖っぷちの男」、「アジャストメント」、「イーグル・アイ」など)



監督

〇キャスリン・ビグロー


2017年製作 アメリカ映画



映画「デトロイト」

あらすじ


1967年のアメリカ デトロイトでは、法律的には黒人に対する差別が撤回されたが、黒人用の居住区があるなど、生活レベルでの差別はまだまだ続いていた。

そんな中、ある黒人居住区のナイトクラブで「酒類販売許可」を所有しないまま販売していた店の摘発があり、そこでパーティをしていた多くの黒人たちが警察に移送されるという事態が発生する。

本来ならば裏口の人目のつかないところで行われるはずが、そのビルは裏口が開かなかったため、大通りの人目がつくところで行われ、それを見ていた黒人たちが「これは、白人よる黒人差別だ!!」として暴動をはじめる。

たちまち、街中は騒乱状態になり、白人警官たちは沈静化を図るが、暴動はますます激しくなる。

そんな中、黒人居住区にあるモーテルで銃声がしたため、警官のクラウス(ウィル・ポールター)や近くで警備員をしているディスミュークス(ジョン・ボイエガ)は、銃声がしたモーテルへと向かう…。



映画「デトロイト」


感想(ネタバレあり)


「ちょっとした悪ふざけ」だったのに…



夏休みに友達と旅行に行ったら、泊まっていたホテルに警察官たちが押し寄せてきて、

「お前は今、銃を撃っただろう。今すぐに銃を出せ!!」と言われた上に、殴られたり服を破られたりしたら、どんな思いがするだろうか。

そして、もしも、その時一緒にいた友人のうちの一人が「黄色人種だから」という理由で、何も悪いことはしていないのに目の前で殴られて撃たれて殺されたら、どんなに恐ろしいだろうか。



まさか、そんなことは起きないだろうと思うかもしれないが、そんな理不尽なことが実際にアメリカで起きたのである。

それが、この映画で描かれている「デトロイト暴動」である。

彼らはただ、分別のつかない若者らしくモーテルの一室でふざけていただけだった

そして、楽しかったはずの夜が一転、地獄の一夜になってしまった



きっかけは「違法酒類販売の摘発」だった。

刑事が酒類の販売許可のないナイトクラブを摘発し、そこで酒を飲み、パーティをしていた黒人の若者たちが大勢警察へと送り込まれることになった。

その店の周辺で、次々と逮捕される彼らを見ていた黒人たちが「これは、黒人への差別である」として抗議をすると、その中には近隣の店へ火を放つ者もあらわれ、抗議が暴動へと発展していく



しかし、それはただの始まりに過ぎなかった

その暴動が過激化し、町中が騒乱状態へと発展し、警官隊がバリケードを組み、軍隊が沈静化を図るようになり、緊迫感が張り詰め、劇場でコンサートを楽しんでいた人たちは途中で打ち切られ、「すぐに家に帰るように」主催者側が謝罪するという事態になる。



その緊張した状態の中で、黒人居住区にあるモーテルでは、黒人の青年たちが悪ふざけで「レース用のピストル」を外にめがけて数発撃ったところ、その音を聞いただけで、警官たちは「銃撃された」と誤認しモーテルへと押し寄せる

そこで、警官による「銃撃犯探し」の尋問が始まるのである。



映画「デトロイト」ウィル・ポールター


同じ国民同士なのに、まるで戦場のような悲惨さ



この時モーテルで、たとえ空砲であってもピストルを撃った黒人青年に対しては、「なんてバカなことをしたんだろう」と正直思った

その時、外には白人警官だけでなく、米軍や警備員たちも銃を持って構えていて、一触即発の状態にあったからだった

その状態で、ピストルの音が数発鳴り響いたら、実弾を撃ち返されても仕方がないような気がした。

それぐらい、その場は緊張状態にあったからだ。



問題は、その後の尋問だ

ピストルを発砲した音がしたからといって、誰も被害者が出ていないし、銃が見つかっていない中、容疑者を殺していいという理由にはならない

にもかかわらず、「その場から逃げ出そうとした」という理由で、一人撃ち殺している。

その撃ち殺された人こそ、「悪ふざけをした」当人であったため、その後に残された人々は誰も犯人だとして名乗りを上げることができない。



それでも、証拠が出てこないため、警察官たちは「銃を撃ったものは正直に言え」と言い、一人ずつ尋問を始める。

それ以前に、そもそもそこには銃はなかったし、だれも実弾など撃っていないのだ。

そこにいた若者たちは、「銃など誰も持っていないし、誰も撃っていない」と主張するが、警官たちはその主張を信じようとせず、尋問を続け、時には殴り、そしてまた一人殺される…。



この映画の大半を占めるのは、この尋問の場面であり、これが本当に恐ろしくて、それを観ていた私も体が硬直してしまった。

それは、まるで戦争映画の拷問の場面を観ているようだった



その中で、最も恐ろしいと思ったのは、白人警官たちが黒人たちを「人間として見ていない」ことだった。

差別主義的な白人警官たちは、まるで森にハンティングに行って鹿やウサギでも狩るような雰囲気で、簡単に黒人たちを撃ち殺す

そして「あぁ、死んじゃったよ。しかたない、ナイフで襲われたことにしとくか」という雰囲気で、撃ち殺された青年のそばにナイフを置き、次のターゲットを探しに行く。



恐らく、それはかつてナチスドイツがユダヤ人を平気で殺していたのと似たような感覚なのではと思う。

その人の思想の中に歴然とした「人種差別」があって、差別の対象(この場合は黒人)は「人間ではない」と本気で思い込んでいる

だから、平気で殺せるし、殺した後も平然としていられるのだ。



そして、衝撃なのは、これが事実であるということ。

この時の真相はこれまで隠ぺいされてきたのだが、その当時現場にいた人たちに話を聞いて、この映画が作られていったのだという。

これがフィクションではなく、事実だということは、本当に人間はどこまでも恐ろしくなれるものなんだなと思った。



映画「デトロイト」アンソニー・マッキー


白人の中にも善人はいるし、黒人の中にも悪人はいる



しかし、その中で救いだったのは、この映画がステレオタイプに「白人=悪」、「黒人=善」とは描いていないところだった。

白人警官や軍人たちの中にも良い人たちは確実にいた

モーテルの中からこっそり逃がしてくれた人もいたし、血だらけになって逃げているところを「誰にこんなにひどい目に遭わされたんだ」と言って助けてくれた人もいた。



その一方で、黒人たちのなかにも、ひどい人たちはいた

暴動が始まれば店に火をつけたり、商店のガラスを割って商品を略奪したり、モーテルで空砲を撃ったのも、決して良い行為とは言えない。

彼らは、確かに逮捕されるべき者たちであり、決して良くないことだし、そんな彼らが騒ぎを大きくしていったのは間違えない



しかし、それまで日常的に行われていた人種差別が、黒人の若者たちをそんな状況に追い込んでいたのも事実



白人も黒人も、その状況で「良い行い」をするか、「悪い行い」をするかは、本人次第なのだ。

この映画の素晴らしいところは、あくまでも、その一人一人の行動を人間として描いているところであり、「白人 VS 黒人」の図式を助長してはいないところだった。



ウィル・ポールターが演じた警官クラウスは、明らかに差別主義者の凶悪な殺人犯であるが、全ての白人が彼のように差別主義者だったわけではない。

それとは対照的に、ジョン・ボイエガ演じる警備員のディスミュークスは、白人たちに友好的で穏やかな人間だけれども、黒人たちがみな、彼のように友好的なわけではない。

むしろ、彼は黒人たちからも「アンクル・トム」(白人寄りの黒人だということのたとえ)と呼ばれてからかわれるような立場だった。



また、警察がクラウスに対して「黒人たちをなんとかしろ」と言っていたわけでもない。

むしろ、クラウスの上司は無実の黒人を背中から撃つような彼に対して、日頃から手を焼いていて、処分を考えていたぐらいだった。



つまり、この映画はあくまでも「個人の倫理観」に問いかける作品になっていたのが良かったと思った。

これは戦争ではなく、国内で起きた暴動の問題なのだ。

どんなに差別主義者がたくさんいる地域であっても、正しい倫理観や、人としての良心を持った人は必ずいる

随所でそう思えることが救いだった



映画「デトロイト」ジョン・ボイエガ


「差別を受ける側」の人間として知っておくべきこと



そして、その「地獄の尋問」から数か月後、このモーテルでの件が裁判にかけられる。

あぁ、これで助かった…と思ってはいけない

衝撃はまだまだ続くのだ。

なんと、モーテルで若者たちを殺した警官は「無罪」になってしまう。



なぜ、こんなにも世の中は理不尽なのか

それは、裁判所が「アメリカには『正義がない』」と宣言した瞬間だった。

そして、その後もアメリカでは人種問題が続いている。



周りを海に囲まれた日本で暮らしていると、日本人がマジョリティ(多数派)であり、海外で暮らさない限り差別を受けることもない。

だからこそ、この映画を観るべきだと思った。

この映画を観れば、これまでアメリカでは黒人たちがどんな仕打ちを受けてきたのかが分かる



そして、現在もニュース見れば白人警官によって殴られている黒人たちの映像が流れている。

あの時、裁判所が「無罪」を言い渡した結果、不当な仕打ちを受けた黒人たちの名誉は回復せず、警官たちに対する不信感は消えないまま、50年の月日が流れてしまった。

そして、差別は今も続いているのだ。



そんな彼らを見れば、「人種差別の問題に対して、ちょっと鈍感になっている」日本人だって、「アメリカで何が起きているのか」を理解することができるだろう。

そして、いまだに白人警官におびえて生活している黒人たちがいることを知るはずだ。

そういう境遇にいる人を一人でも減らすために、私たちは映画を通じて「人権の大切さ」を知るのである



もしも、日本人がアメリカで暮らせば、いまだに地域によっては「イエロージャップ」と言われて「差別を受ける側」の立場になる。

そうなれば、この映画のように不当な尋問を受けることだってあるかもしれない。

だからこそ、もっとたくさんの人に「人権」について理解してもらうことが必要だし、海外で暮らす機会がなかったとしても、彼らが経験した理不尽な拷問の実態を知っておくべきである。



そのうえで、アメリカで暮らす黒人たちの今があるのである。

「人種差別」は、決して他人事ではない。

私たちも「差別される側」の人間なのだから。




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何がすごいって豪華キャスト!!

ハリソン・フォードだって、キャリー・フィッシャーだっているんだから!!

ジミー・ファロンwith The Roots  トゥナイト・ショウ「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」キャストが歌うテーマソング





このアカペラは、ジミー・ファロン(「2番目のキス」)が司会をしているトゥナイト・ショウの企画。

この番組の歌のコーナーでは、たびたびヒップホップグループの TheRootsと共にアカペラで歌を紹介する企画をしているらしく、この「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」もその企画の1つ。

この動画は12月に公開されたものらしいんだけど知らなかったなぁ~。


 ↓ 上段左から:チューバッカ、BB-8、C3PO
   中段左から:ジミー・ファロン、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー
   下段左から:ジョン・ボイエガ、デイジー・リドリー、オスカー・アイザック
スターウォーズアカペラ


ほらほら、豪華なキャスティングでしょう~。

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