とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ジョーダン・ピール



ジョーダン・ピール監督の映画「アス」を映画館で観た。

海辺の別荘で夏休みを過ごす一家の目の前に、自分たちと瓜二つの家族が現れ、死闘を繰り広げるホラー映画。


満足度 評価】:★★★★☆

怖かった&面白かった!

ドッペルゲンガーに襲われる夏休み!

彼らは何者で、どこからやってきたのか。

人の命を粗末にしていると、いつか神から天罰が下るという世紀末を感じた。そして助かりたいなら、まずは自分を殺せという試練が恐ろしい。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『アス』予告編 動画

(原題:Us)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年9月7日 映画館にて鑑賞。

・2019年9月30日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記の公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者

…(「ジャングル・ブック」(声の出演)など)

〇ウィンストン・デューク


〇ティム・ハイデッカー

〇シャハディ・ライト・ジョセフ

〇エバン・アレックス

〇カリ・シェルドン

〇ノエル・シェルドン


監督

ジョーダン・ピール
…(「ゲット・アウト」)


2019年製作 アメリカ映画



映画「アス」



あらすじ


夫のゲイブ(ウィンストン・デューク)、娘のゾーラ(シャハディ・ライト・ジョセフ)、息子のジェイソン(エバン・アレックス)と共に夏休みを過ごすために、生まれ故郷のカリフォルニア州サンタクルーズの別荘へやってきたアデレード(ルピタ・ニョンゴ)だったが、ビーチへ行くと、幼い頃の恐怖体験がフラッシュバックするようになってしまう…。

そして、その日の夜、アデレード一家の目の前に、彼らと瓜二つの一家が現れる。

その一家が誰で、何のために目の前に現れたのか分からないまま、アデレードたちは瓜二つの一家に襲われてしまい…。



映画「アス」ドッペルゲンガー




感想(ネタばれあり)


ドッペルゲンガーに襲われる夏休み


ビーチの近くにある別荘で楽しい夏休みを過ごすはずが、ドッペルゲンガーに襲われることになってしまった一家の物語。



ドッペルゲンガーとは、自分と全く瓜二つの人間のこと。

その昔、ドッペルゲンガーは死の前兆とされていたらしい。



アデレードたち一家の目の前に、ドッペルゲンガー一家が現れるが、彼らは何者で、一体何のために現れたの分からないまま襲われてしまう。



多くの人は「未知のことや人」に対して恐怖心を抱く。

それは例えば宇宙人だったり、幽霊だったり。

昔の日本人の多くが、黒船に乗ってやってきた外国人たちに恐怖心を抱いたのは、見たことがない人種だったから。



それを思うと、アデレード一家にとって、「見たことのない瓜二つの自分たち」を見ただけで恐怖心を抱くのは当然だ。

それは、彼らは一体何者で、どこから、何のためにやってきたのかが一切分からない、未知の存在だからだ。

(ただ一人、アデレードは違うことで恐怖を感じていたことが後々わかるけれど)



しかも、その分身たちはアデレードの分身のレッド以外、ろくに言葉も話さず、無表情で襲ってくる。

そのため、彼らはその分身たちと戦わなければならなくなった。



そこで、彼らには乗り越えるべき壁がやって来る。

もしも、目の前に自分と瓜二つの人間がいて、まるで鏡を見ているような時、その自分と瓜二つの人間を殺すことができるだろうか

そんな複雑な状況を考えるだけで、恐ろしくなるが、しばらく経って、彼らが恐怖の存在でしかないと分かった彼らは死闘を繰り広げ始める。



その上、彼らはめちゃくちゃ攻撃的で、お構いないしに襲ってくる。

薄気味悪い上に強い彼らは、それだけで恐ろしかった。



映画「アス」ルピタ・ニョンゴ



広大な地下で何が行われているのか…


それでは、彼らは一体何者なのか。



物語の後半、彼らは政府が地下で作っていたクローン人間だということが分かる。

技術が発達し、実験的に全く同じ人間を作りだすことに成功したが、その計画が途中で頓挫し、作った人間を地下に放置してしまう。



ところが、アデレードの分身は、幼い頃に地上で暮らすアデレードとの接触に成功し、本人とすり替わって、地上でアデレードとして暮らし始める。

そのため、地下で暮らすことになったアデレードは、自分の生活を取り戻すため、彼ら一家がサンタクルーズに戻ってくるのを首を長くして待っていた。

そして、アデレード一家が反逆したことをきっかけに、地下のクローンたちの逆襲が始まる。



まず、この映画が観客に対して投げかる疑問は「広大な地下で政府は何をしているのか誰も知らない」という謎だった。

そこで、「もしも、そこでクローンを作っていたら」という仮説を立てたのが、この映画の始まりだ。



ものごとには、何事にも表と裏、陰と陽がある。

私たちが知らないうちに、地下には知らない世界(裏・陰)が生まれていて、もしも、その世界が反逆を起こしたら。



果たして、私たちは政府が行っていることの全てを把握しているのだろうか…。

もしかして、私たちが知っているのは表側の日の当たる部分だけかもしれない…。

その地下でのできごとは、目の前にあることを当たり前と思わず、まず、疑うことも必要なのではないか…と問いかけている



映画「アス」エリザベス・モス



エレミヤ書とウサギが象徴する、政府の無策と人口増加


そして、アデレードがクローンたちと近づく時にキリストもどきのホームレスが掲げているのが、聖書の「エレミヤ書 第11章 11節」だ。

このエレミヤ書は、人類の破滅を示す預言書だ。

だから、彼らに災いを下す。それから逃げることはできない。あわれみを叫び求めても、わたしは耳を貸さない。



クローンを作って人を大量に増やしたことに対して、神を怒らせてしまい、神は人類に災いをくだす。

そのため、人類は自ら作ったクローン人間から襲われることになるのだが、神はそのことに対して、人類を救うことはないだろうと、この書は預言している。



そして、もう一つの象徴が「ウサギ」だ。

地下に大量に飼われているウサギが登場する。

ウサギは、多産で知られている動物であり、繁栄の象徴とされている。



そのウサギが象徴するは、世界的に進む人口爆発だ。



それでは、地下で増え続ける人々と、そのウサギは、何を訴えているのだろうか。



映画「アス」ルピタ・ニョンゴ2



命を軽視した政策は、いつしか国民を破滅に追い込む…


その地下組織は「現政府は国民に内緒でクローンを作っている」と告発しているものではない。

そうではなく、「政策の途中で放棄する政府の無策」を訴えているのだ。



それは例えば、「奴隷にするためにアフリカから運んできた黒人たち」について、連れてきたっきり放置したことだ。

その後、黒人たちが反発し奴隷解放を訴えると、それを政府は暴力で抑え込もうとする。

元々、連れてきたのは政府なのに。



そして、「自由な国」をアピールするアメリカは、移民歓迎を政策の一つとして掲げていた。

しかし、ウサギのごとく人口が増えていき、経済的に苦しくなってくると「移民は出て行け」と言い始める。



そこで、この映画では、「移民は出て行け」という政策に同意する上流階級の人たちの対して、「そんなことを言うのなら、まず自分を殺せ!」と言わんばかりに、彼らの目の前にドッペルゲンガーを登場させるのだ。

つまり、政府の無策で増えた移民たちのことは、上流階級の人たちにとっては「他人事」であり、自分たちの平和な生活を維持するためにも、出て行って当然だと思っている。

そこで、政府の無策で増えた人口をドッペルゲンガーとして登場させれば、「自分事」として考えるのではと思ったのではないか。



彼らは、瓜二つの自分に戸惑い、躊躇してしまう。

そして、上流階級の白人一家は、躊躇している間に殺されてしまうのだ。



ラストシーンでは、クローン人間たちが手をつないで壁になった先で、戦争のような争いが起きている場面で終わっている。

クローンを作ったのは政府なのに、反乱が起きると、またしても暴力でそれを抑え込もうとするのか。

そして、自分たちが守ってきた国で戦争が起きるまでになってしまうのだ。



つまり、国境に壁を作って貧しい人たちを追い出すような、人の命を軽視した政策を続けていると、いつしか神の怒りをかい、天罰がくだると、この映画は預言しているのだ。

現在、実際にアメリカの各地でテロ活動が増え続け、神は彼らを救おうとしない。



そして、移民たちが結束してテロを起こしたら、殺し合いになり、アメリカは破滅へ向かうだろう…と、この映画は預言しているのだ。



観る前は、死ぬか、生きるかのホラー映画なのかと思っていたら、とても情報量が多くて、「これは何を象徴しているんだろう…」と考えるのがとても面白い映画だった。

とはいえ、もう一度観てみたら、全く違う感想を持つかもしれない…そんな多面的な魅力のある作品だった。





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ジョーダン・ピール監督作の「ゲット・アウト」を映画館で観た。

人種差別をテーマに扱ったホラー映画。


満足度 評価】:★★★★★

「この先、こうなるだろうなぁ」という予想を完全に覆し、全く真逆の世界を見せる。

しかし、その「こうなるだろうなぁ」という予想は、観客の中にある差別意識が勝手に生み出したものである。

結局、この映画から思い起こす「人を虐げる差別」とは、それぞれの観客の頭の中に潜在的に植え付けられた意識の中にある

映画を観てから、この感想をお読みください

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ゲット・アウト」予告編 動画

(原題:Get Out)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月9日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年8月25日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

ダニエル・カルーヤ
…(「ボーダーライン」など)

〇アリソン・ウィリアムズ

ブラッドリー・ウィットフォード
…(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「アイ・ソー・ザ・ライト」など)

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
…(「バリー・シール/アメリカをはめた男」など)

キャサリン・キーナー

…(「アンクル・ドリュー」など)

監督・脚本・製作

〇ジョーダン・ピール


2017年製作 アメリカ映画



映画「ゲット・アウト」



あらすじ


付き合い始めてから4カ月たったクリス(ダニエル・カルーヤ)とローズ(アリソン・ウィリアムズ)は、ローズの実家で行われる親戚の集いに出席するため、クリスは初めてローズの両親と対面することになった。

しかし、ローズは白人のため、「両親に嫌われるのでは」という不安を抱えるクリスと、何も心配はいらないと言うローズ。

ローズの家に着くと、脳神経外科医の父ディーン(ブラッドリー・ウィットフォード)と、精神科医の母ミッシー(キャサリン・キーナー)に歓迎されたクリス。

裕福な彼女の家は豪邸で、黒人女性のお手伝いさんと、黒人男性の庭師がいるような大きな家だった。

そして、しばらくすると、そのお手伝いさんと庭師の様子がおかしいことにクリスが気付くのだが…。



映画「ゲット・アウト」



感想(ネタばれあり)


人種差別をテーマにしたホラー映画


この作品に私は見事にだまされた!!

できることなら、なるべく予備知識なしで見て欲しい。

そして、この感想も映画を観終わってから読んで欲しい。



私は常に、何も先入観がない状態で映画を楽しみたいので、映画を観る前にあまり予習はしない派である。

この映画も、事前に知っていたのは『人種差別』をテーマにしたホラー映画ということだけ。

しかし、そこからして既に私はこの映画のトラップにかかっていたということが、後で分かる。



物語は、黒人男性クリスと白人女性アリソンのカップルの物語。

クリスは彼女の自宅に招待され、初めて挨拶するのに、彼女はクリスが黒人だとは両親に言ってないと言うので、もしかして両親に「嫌われるのでは…」と思い、緊張している。

最近では、黒人男性と白人女性のカップルなんて、そんなに珍しくないイメージがある。

しかし、ただでさえ『彼女の両親に挨拶する』ことに緊張するのに、相手が裕福な白人家庭となると、そりゃあ誰だって緊張するんだろうなぁとクリスの気持ちを思いやった。



そして、彼女の実家に到着してみると、そこは豪邸であり、周囲には彼女の実家以外の家がないという素晴らしい景色。

さらに、黒人のお手伝いさんと、庭師までいる。

それからしばらくして、クリスは、その家のお手伝いさんと庭師の様子がおかしいことに気づく…



映画「ゲット・アウト」


「きっと黒人たちは虐げられ、奴隷にされているに違いない」と先の展開を推測


この映画の前半部分では、ほとんど事件が起きない。

冒頭で黒人男性が誰かにさらわれる映像があるのと、アリソンが運転する車で鹿を轢いてしまう事故があった。

この時、警察は運転していないクリスにまで運転免許証の提示を求めたので、この辺は人種差別的な土地柄なのでは…と思った



それ以降は、後半まで何も起きない。

しかし、アリソンの実家で働く黒人のお手伝いさんと庭師の様子がなんとなくおかしい

話したいことがあっても、話せないという雰囲気を匂わせている。



そこで私は彼らの様子を見て、「いくらアリソンの両親が差別意識はない」と言ったって、お手伝いさんと庭師を使ってるじゃないのと思う。

やっぱり、これが裕福な白人社会の現実なんだろうなぁと考える

きっと、このアリソン一家に酷い目にあっているから、様子がおかしいんだな。

彼らも虐げられているから、そのことを言い出せないんだな…と、この先の展開を想像していた



さらにその時、私の頭の中には、「これは『人種差別』をテーマにしたホラー映画なんだ」という予備知識があった

だから、きっとおとなしくしている黒人たちは、何か言ってはいけない驚くべき事情があるんだろうと考えた。



そう考えていると、彼ら裕福な白人家庭が集まる親戚同士の『懇親会』が開催された。

その中に、若い黒人男性アンドリューがひとり混じっている。

そのアンドリューが、白人男性のような話し方をすることにクリスは驚きつつも、その人がかつて会ったことがある人だということに気づく。



その時、クリスはそのことを親友のロッドに電話で話し、ロッドが調べた結果、そのアンドリューが行方不明者だということが分かる。

そして、その時、クリスも、クリスの親友のロッドも、私も「ここでは黒人が誘拐されて、人体実験されて、奴隷にされているんだ!!」と確信する。

だから、クリスはアリソンを連れて、そこから早く逃げなきゃ!!と思った。

ロッドの「性奴隷」はちょっと言い過ぎだとしても(笑)、彼の言っていることはほぼ間違いない!!と思った



映画「ゲット・アウト」


「白人たちは、黒人たちに憧れている」という差別


しかし、後半になって、それらは、私の『人種差別に対する思い込み』からきた空想であることが分かる。

実際にそこで起きていたことは、完全に真逆の出来事だった。



これは「黒人に憧れて、黒人になりたい人たちの話」なのである!!

同じ『人種差別』でも、私が思っていた『差別』とは、全く逆方向の差別が行われていた。



確かに、誰も「黒人は下等だ」なんて一言も言っていない。

むしろ、お父さんは「オバマ最高!もう一期あったら、確実にオバマに投票してた」と言っていたし、いきなり体を触ってくるおばさんもいた。

さらに、クリスの写真を見たことがあると言っていた男性は、クリスの写真の才能を絶賛していた。

彼らは、「黒人に憧れている」のだ。



それが分かった瞬間に、「えーーーーーっっっそっちーーーーーーーー!?」って思った。

完全にやられたと思った

「黒人だから奴隷にされている」とか、「黒人だから虐げられている」と考えたのは、私の頭の中にある『差別意識』と『黒人差別に対するステレオタイプ』が作り出した妄想である。

映画は、私が思うよりもずっと先を歩いている



優れた脳外科医の父は、黒人たちの素晴らしい身体と自分たちを融合させ、長生きする方法を考えた。

それが、脳移植だった。

だから、そこにいる黒人たちは、黒人なのに、白人のような話し方をして、白人のような振る舞いをする。



また、この中で、日本人が1人出てきて、白人のような話し方で、白人のような振る舞いをするが、あれは完全に「自分も白人の仲間だと思っている」日本人に対する皮肉である。



映画「ゲット・アウト」


虐げられるのも、崇められるのも差別であり、地獄


結局、この映画は、オープニングの映像から不穏な雰囲気を作り出し、親友のロッドを使って観客を誘導し、その目を欺いた上で、話を逆転させ、「黒人の身体を崇め、黒人になりたい人たち」を登場させる

黒人たちはこれまで「虐げるのをやめろ!」と訴え続けてきたが、そこで「崇め奉られることも地獄」であることを知る。

私たちは、虐げられ、なじられることが差別だと思い込み、この映画の中でもそれが起きていると錯覚するが、そのどんでん返しにより、「崇められ信奉されること」も差別であり、苦痛であることを知る。



映画の前半で「きっと、この先、黒人が洗脳されて、奴隷にされるんだろう」と思った世界は、私の頭の中にある『差別意識』が生み出した妄想

なぜ、私は、「黒人たちを捕まえて洗脳し、奴隷にしている」なんて考えたのか。

それは、私の頭の中にある黒人差別に対する偏見と思い込みが生み出した幻想である。

その人のことを知りもしないで、「あぁ、あの人は差別されているんだな、虐げられているんだな」と勝手に思うこと自体が、差別であり、偏見であることを思い知らされる



しかし、それにしても、こんなにトリッキーな映画は初めて見た。

私が映画を観て、予測した世界は、私の頭の中にある偏見が生み出しているものだったなんて。



アリソンは、黒人男性の身体を品定めするただの兵隊で、父の後をジェレミーが継ぎ、裕福な白人たちによる黒人男性たちの人身売買は、この後も続けられていくはずだった

なるほどなぁ。

結局のところ、虐げられても、崇められても地獄ということ

本当の差別の無い世界とは、上に見ることも、下に見ることもせず、何事も平等に扱うということ。



それは、女性蔑視の視点で考えて見れば良くわかる。

「あいつはブス」という差別もあれば、「あの人は美しすぎる」という差別もある。



こんな展開を予想していなかった??

それは、あなたの中の人種差別への思いが、ストーリーを勝手に作り上げただけだよね??

そんな風に映画から語りかけられている気がした。





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トム・ハンクス主演の映画「トイ・ストーリー4」を映画館で観た。

ボニーとおもちゃたちがサマーキャンプに向かう途中、新しい仲間フォーキーが脱走!

ウッディは、フォーキーをボニーの元へ連れ戻すための冒険の旅に出る。



満足度 評価】:★★★★★

仲間を救うためなら、どんなことでもしてしまうウッディに号泣し、その優しさと愛に救われた作品だった。

これは、これまでピクサーを支えたジョン・ラセターに安心して第二の人生を送ってもらうために製作されたラブレターだ。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


『トイ・ストーリー4』予告編 動画

(原題:Toy Story 4)




更新履歴・公開、販売情報

・2019年7月28日 映画館にて鑑賞。

・2019年8月8日 感想を掲載。

現在、公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「トイ・ストーリー4」ディズニー公式


「トイ・ストーリー4」ビジュアルガイド

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キャスト&スタッフ


出演者

トム・ハンクス



〇トニー・ヘイル


〇キーガン=マイケル・キー

…(「ゲット・アウト」など)



監督

〇ジョシュ・クーリー


2019年製作 アメリカ映画



トイ・ストーリー4




あらすじ


ウッディ(トム・ハンクス)たちおもちゃの新しい持ち主のボニーは、幼稚園でおもちゃフォークやモールでできたおもちゃ「フォーキー(トニー・ヘイル)」を作る。

それ以来、フォーキーは、ボニーの一番のお気に入りになり、ウッディたちの新しい仲間になるが、「自分はゴミだ」と思い込み、ウッディが目を離したすきにゴミ箱へ入ろうとする。

ある時、ボニー一家と共にサマーキャンプに向かっている途中、フォーキーが逃げ出したため、ウッディはフォーキーを探し出し、ボニーの元へ連れ帰る冒険の旅に出る。

そして、無事にフォーキーを見つけ出すのだが、ボニーの元へ帰る途中に寄ったアンティークショップで、ウッディは、昔仲間だったボー・ピープ(アニー・ポッツ)と再会する。



映画「トイ・ストーリー4」ウッディとフォーキー




感想(ネタばれあり)


「何があっても仲間を守り抜く」ウッディの生き様


このシリーズで一貫して描かれているのは、「仲間たちを大切にするウッディの思い」だ。



第1作目では、隣家の少年「シド」の地獄のような家から、新しい仲間のバズを救い出し、第2作では、おもちゃコレクターに誘拐されたウッディをバズと仲間たちが助けに向かった。

そして、第3作では、保育園に寄付された仲間たちをウッディが救いに行った。



そして、この第4作目では、ウッディが自分をゴミだと思い込んでいる新しい仲間「フォーキー」を助ける旅に出る。



なぜなら、フォーキーは「ボニーの一番のお気に入り」だからだ。

きっと誰だって、自分で作ったものは、既製品よりも愛着がわく。

持ち主である子供たちの幸せこそが、ウッディの幸せであり、そのために、フォーキーを常にボニーの側に置いとかなければいけない。



けれど、フォーキーはゴミ箱に捨てられていたフォークやモールで作られていたため、「自分はゴミだ」と思い込み、自らゴミ箱に入ろうとする。

そんなフォーキーにウッディは、「君はゴミじゃない。ボニーの一番のお気に入りだ」と言い続けるだが、ついに、フォーキーは走っているキャンピングカーから飛び出してしまうのだ。



そこから、ウッディは「何があっても、フォーキーを救ってボニーの元に送り届けること」が使命となった。



そして、その使命の通り、ウッディはフォーキーを、命がけで助けることになる。

ウッディが身を削ってギャビーギャビーに声を差し出す場面では、号泣してしまった。

そして私も、そんなウッディのように、人のために生きられる人になりたいと思った。



映画「トイ・ストーリー4」ウッディとバズ



人は出会いを繰り返して世界を広げていく


さらに、この第4作では、昔の仲間ボー・ピープと再会する。



かつては、アンディの妹の部屋にあったランプだったボー・ピープ。

しかし、その後、持ち主を転々とし、ウッディが立ち寄ったアンティークショップに落ち着いたのだ。



そのアンティークショップと、目の前にある移動遊園地には、ウッディの知らない「おもちゃの世界」があった。



ウッディは、これまでは「誰かの持ち物」になり、その持ち主を楽しませることが人生の目的だった。

しかし、このアンティークショップと移動遊園地には、たくさんの子供たちがいて、もっと広い世界で、たくさんの子供たちを喜ばせることができる。



そして、その移動遊園地と共に旅に出る決心をするボー・ピープを見て、ウッディはそこに自分の知らない広い世界があることを知るのだ。



これは、私たちの日常生活でもよくあることだ。

昔の友人に久しぶりに再会したら、その友達が自分とは全然違う仕事に就いていて、そこに、今まで知らなかった世界があることを知る。

そして、その世界に興味を持つ。



人はそうやって出会いを繰り返し、世界を広げていくのだ



一見、「悪人」に見えるギャビー・ギャビーにもウッディに意地悪をする「事情」がある。

そんなギャビーの事情を知って、ウッディはギャビーを救うのだ。

ウッディは、人を見た目で判断しないのだ。



映画「トイ・ストーリー4」ウッディとボー・ピープ



おもちゃが引退を決意する時


ボニーの元へ行くまで、ウッディはアンディの一番のお気に入りだった。

しかし、ボニーのおもちゃの中では「お気に入り」にすら入れなくなってしまう。

「今日はボニーに選ばれるかな…」とドキドキしながら待っていても、ボニーは女の子だから、ウッディではなく、ジェシーを選んでしまう。



それは、ウッディにとって「引退」の時期が来たことを意味している

おもちゃたちは、子供たちに選ばれ、楽しませることに「存在意義」がある。

けれど、選ばれなくなったら、「存在意義はない」のだ。



つまり、ウッディは、アンディと別れた時点でおもちゃとしての役割が終了したのだ。

そのことについて、ウッディは、毎日薄々と感じながら向き合ってこなかった。

けれど、「フォーキー」という圧倒的No.1がやってきたことで、ウッディの役割が終了したことは決定的になった。



その時に、ウッディはボー・ピープと再会して「自分の知らない世界」があることを知ったのだ。



そして、これまで子供を幸せにするために生きてきたウッディは、再会したボー・ピープと共に世界を旅するという「新たな人生」を生きる決意をする。

そうすることで、ウッディの人生は終わりではなく、「第二の人生」が始まったのだ。



「僕たちは大丈夫だ」というバズの泣ける一言によって、ウッディは心置きなく第二の人生を歩み始めることになった。



映画「トイ・ストーリー4」バズ



ウッディの結末に込められたジョン・ラセターへの思い


これまで、この「トイ・ストーリー」シリーズは、第3作が「完璧な完結編」と言われていた。

しかし、こうして、9年ぶりに新作が作られることになった。



なぜ、製作されることになったのか。



ストーリーはこれまでとほぼ一緒だ。

ウッディが危機に陥った仲間を助けるために冒険をする。



しかし、これまでとは結末が違う。



これまでは、仲間を救い「誰一人欠けることなく、みんなで一緒に生きて行こう」と言っていたウッディが、今回に限って「僕は旅に出る」と言うのだ。

もしかしたら、それは「ファンに対する裏切りだ」と思う人もいるかもしれない。

ウッディのこれまでの信念とは違っているからだ。



それでは、なぜ、そこまでして、この第4作を製作したのか。

私はそこで、これまでの「トイ・ストーリー」にはあって、この第4作にはない「ジョン・ラセター」のことを思った。



ジョン・ラセターは、この映画を製作しているピクサー社を立ち上げた人だ。

そのピクサー社で第一作目長編アニメーション作品として上映されたのが「トイ・ストーリー」だった。

つまり、このピクサー社は、ラセターが生み出した「トイ・ストーリー」と共に繁栄してきたと言える。



が、そのラセターは2017年にセクハラで訴えられ、その翌年、自ら退社する決意をする。



それは、あまりにも急なことであり、退社理由からも会社として正式に感謝を表明することもできない。



そこで、ピクサー社は、子供たちを楽しませることを一番に考え、誰よりも仲間を大切にしてきたウッディにラセターをなぞらえ、「ラセターがいなくても、その魂はピクサーが引き継ぐので、安心して第二の人生を送ってください」という感謝の気持ちをこめて、この映画を製作したのだと思った。



たとえば、なぜ、自分をゴミだと思うフォーキーというキャラクターを作ったのか

それは、ウッディが、この映画の中で「君はゴミじゃない。ゴミ箱に入ってはいけないよ」とフォーキーに言い続けたように、ラセターは社員が作ったキャラクターを社員が自信がなくてゴミ箱へ捨てそうになっても、「ゴミじゃないよ。捨ててはだめだ」と言って、拾ってくれる人だったのではと思った。

そんなラセターに対し、この映画でピクサーは「私たちが作ったキャラクターはあなたが作ったものに比べたらゴミのようなものですが、子供たちは気に入ってくれています」という謙遜の気持ちを込めてフォーキーを作ったのだろうと思った。



そして、ラセターに安心して第二の人生を送ってもらうために、ウッディに最高にカッコイイ花道を用意したのだろう。

そう思うと、ラストシーンで、「僕たちは大丈夫だよ」と言いいながらウッディにハグをするバズを思い出すと、それだけで泣けてしまうのだ。



もしかしたら、いつの日か、ラセターが、この業界に帰ってくることがあるかもしれない。

しかし、その時は、この映画のウッディのように、今までとは全く違う仲間と、違う世界観を見せる作品を作っているに違いない。



これは、誰よりも人々を楽しませることを生きがいとし、誰よりもピクサーを愛し、自分の身を削ることでピクサーを守り抜いたラセターへの感謝の気持ちを込めたラブレターなのだ。

Wikipediaによれば、ラセターは奥様と共に広大なブドウ園を経営しているそうだが、今頃は、そこで第二の人生を謳歌しているのでは…と思う。




この「トイ・ストーリー」シリーズには、何度も「生きていく上で大切なこと」を教えられた。

ラセターは確かに間違いを犯したかもしれないが、素晴らしい作品を数多く残した名監督・名プロデューサーだったことを忘れてはいけない。

そして、ラセターも自分が愛したウッディが第二の人生を歩む姿を喜びながら観ているに違いないと思う。




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