とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:チャン・ジュナン



キム・ユンソク主演の韓国映画「1987、ある闘いの真実」を映画館で観た。

1987年に韓国で起きた民主化運動の真相を描く。



満足度 評価】:★★★★★

歪んだ愛国心と権力で人々を操ろうとする人間の恐ろしさに震え、わずかに射す光を足がかりに自由を追い求める人々の勇気に泣く。

彼らは良心に従って行動しただけだが、やがて周りの人々も動かしていく。

その力強さに感動。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『1987、ある闘いの真実』予告編 動画

(原題:1987、英題:1987: When the Day Comes)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月8日 映画館にて鑑賞。

・2018年10月5日 感想を掲載。

・2019年9月4日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記、公式サイトをご参照ください。
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『1987、ある闘いの真実』公式サイト


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キャスト&スタッフ


出演者


ハ・ジョンウ
…(「トンネル 闇に鎖(とざ)された男」、「お嬢さん」、「群盗」、「テロ、ライブ」、「ラブ・フィクション」、「ベルリンファイル」、「チェイサー」など)


…(「お嬢さん」など)




…(「修羅の華」など)

〇ヨ・ジング


監督

〇チャン・ジュナン


2017年製作 韓国映画



韓国映画「1987、ある闘いの真実」



あらすじ


1987年1月。軍事政権下の韓国で、警察の対北朝鮮・打倒共産主義の部署で、大学生を拷問の末、殺してしまうという事件が起きる。

パク所長(キム・ユンソク)は、その学生を尋問している最中に心臓発作で死亡ということにし、すぐに火葬にして事件をもみ消そうと考えていた。

しかし、学生の死に疑問を感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は、司法解剖を命じる。

その警察と検事の動きから、同じく学生の死に疑問を感じた新聞記者のユン・サンサム(イ・ヒジュン)は、それを記事にし、市民の間で警察への不信感が広がっていく…。



韓国映画「1987、ある闘いの真実」キム・ユンソク





感想(ネタばれあり)


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。

1987、ある闘いの真実 (2017)


★★★★★ [100点] 「自由を求める闘いが強く胸を打つ」



人間の恐ろしさに泣き、真実を追い求める人々の勇気に感動して泣き、結局、泣きっぱなしの映画だった。



1987年に韓国で起きた民主化運動について、ある学生の死をきっかけに、自由を求めて水面下で動きはじめた人々を中心に描く。



当時の韓国政権は「打倒!共産主義」をスローガンに、警察の明らかに行きすぎた赤狩りにも目をつぶっていた。

その結局、対北の部署は「何をやっても許される」ならず者集団へと変化していく。

彼らは本来なら「打倒!共産主義」のはずなのに、やっていることは、まるで北朝鮮幹部の虐殺と同じという、ミイラ取りがミイラになったような集団だった。



キム・ユンソク演じる所長も最初からおかしな人間ではなかったはずだ。

彼個人の北朝鮮に対する思いと、その思いを利用する国から与えられた権力によって、歪んだ愛国心の塊になってしまったのだろう



そんな彼らを観ていると「真の愛国心とは、どのようなものなのか」と、考えさせられる。

たとえ、その行いが間違っていたとしても、大統領府のお気に召すように行動し、その考えを他人に押し付けるのが、本当の愛国心なのだろうか。



それよりも、国をより住みやすい国にするために意見を言い、反対意見があれば議論し、国や国民の明るい未来のために貢献するのが、本当の愛国心だろう。



この映画でいえば「愛国心」という大義名分の元、言論統制をする警察は本当の愛国心からは程遠く、拷問して殺された学生の真相を暴くために「真実の伝書鳩」をしていた人たちこそ、本当の愛国者だと思った



そんな真実を追い求める人々が、負け試合と分かっていても、その火の中に飛び込んでいく姿は、とても力強く勇敢で、涙なしでは観られなかった。

彼らは何も特別なことをしていない

検事は法に則って事件の捜査をし、記者は真実を報道し、刑務官は受刑者の秘密を守り、牧師は嘘をつかず真実を語っただけだ。



それぞれが、自分の良心に従って当たり前の行動をしただけなのだ。

しかし、彼らが生きていた時代は、そんな当たり前のことが許されず、とても勇気のいることだったのだ。

その一人一人の行動が、周りの人々を動かし、国をも動かしていく。



自分の良心に従って、当たり前の行動をすることが、周りの人を動かす。

これが、真実の物語だからこそ、その重みをズシリと感じる映画だった。


Posted by pharmacy_toe on 2018/09/11 with ぴあ映画生活


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ヨ・ジング主演の韓国映画「ファイ 悪魔に育てられた少年」をNetflixで観た。

5人の犯罪者に育てられた少年ファイが、悲劇的な運命に巻き込まれながら成長していく姿を描くサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★★☆

グイグイ引き込まれて面白かった!

酷い運命を背負った少年ファイの物語。

貧しさが人を荒ませ、妬みと憎しみを生み、そこに悲劇が起きる。

その背景には都市開発があり、豊かさから置き去りにされた人々の悲しみを観た


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ファイ 悪魔に育てられた少年』予告編 動画

(原題:화이 : 괴물을 삼킨 아이(怪物を飲み込んだ子供))



更新履歴・公開、販売情報

・2019年8月15日 Netflixにて鑑賞。

・2019年8月19日 感想を掲載。

現在、DVDを販売中。



DVDで観る:「ファイ 悪魔に育てられた少年」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇 ヨ・ジング
…(「1987、ある闘いの真実」など)



〇チャン・ヒョンソン



監督

チャン・ジュナン
…(「1987、ある闘いの真実」など)


2013年製作 韓国映画



韓国映画「ファイ悪魔に育てられた少年」



あらすじ


幼い頃に誘拐され、5人の犯罪者に育てられた少年ファイ(ヨ・ジング)は、大学に進学する年頃になった。

父親たちのような悪になれないファイは、犯罪を犯すことができず、そういう時に限って「怪物」を見て、恐怖に怯えるようになる。

自分たちとは違い優しく育ったファイに対し、父親たちは絵が好きな彼を海外の美術大学に入学させる準備を進めていた。

しかし、父親の内の一人であるソクテ(キム・ユンソク)は、ファイを窃盗の現場に連れて行き、鉢合わせてしまった家主(イ・ギョンヨン)を殺すようにファイに命令する。

それまで、人を殺すことができなかったファイだが、その時はソクテの命令に逆らうことができず家主を殺してしまう。

その時、その家で拾った写真に見覚えがあったファイは、その後、その家を再び訪れるのだが…。



韓国映画「ファイ」ヨ・ジング



感想(ネタばれあり)


はじまりは貧しい人たちによる「妬み」だった


なんとも救いようのない話だった。

社会の日の当たらない裏側に、もしかしたら、こんな家族がいるかもしれないと思える話であり、そう思ったらゾッとする話だった。



物語は、養護施設で出会い、そのまま大人になって犯罪者一家となった5人の犯罪者たちが、牧師夫婦から幼い少年を誘拐してきたことから始まる。

身代金を要求するも、夫妻が支払いをできなかったことから、犯罪者たちはその少年に「ファイ」という名前を付けて自分たちの子供として育て始める。



その少年ファイが17歳になり、美術大学への進学を決めたところで、父親の内の一人であるソテクがファイを犯罪に巻き込んだことで、彼らの相関図が大きく変化していく。



そもそも、なぜ、彼らは少年を誘拐したのか。

それは、養護施設で暮らす子供たちの「妬み」から始まっている

両親を知らず、貧しい生活を強いられた彼らにとって、施設に出入りしている神父は全ての人から愛され、何でも持っているように見えた。



そこで、子供たちは神父の幸せそうな生活をぶち壊したいと思うようになり、大人になって施設を出た彼らは、神父の子供を誘拐してしまう。

それが「ファイ」だった。



ファイはそんな裏事情を知らず、犯罪者である父親たちとは違い、絵を描くことが好きな優しい少年に育つ。

父親たちは、そんなファイを美術大学に入学させる準備をするが、最も極悪な父親であるソクテは、他の父親たちと違い、牧師一家を地獄に突き落とすシナリオを考えていた…。



韓国映画「ファイ」キム・ユンソク



内なる悪と戦い葛藤するファイ


親たちの思惑とは違い、何も知らないファイは優しい子供に育つ。

ところが、ソクテだけはファイの中に眠る「悪魔分子」を信じ、ファイが悪に目覚める舞台を用意する。



なぜ、ソクテはファイが悪に目覚めると信じていたのか。

それは、ファイが見る「怪物」にあった。



その「怪物」は、ファイが犯罪を犯さなければならない時に決まって彼の目の前に現れる。

ソクテもまた、幼い頃にその「怪物」に悩まされていたのだ。

だからきっと、ファイもソクテのように目覚める時が必ずやってくると信じて疑わなかったのだ。



ここで「怪物」が表しているものは、ファイの中に眠る「悪」だ。

自分の中で眠る邪悪な心が怪物としてファイの目の前に現れ、ファイは未知の自分に恐怖を抱き、怯えてしまう



目の前に怪物がいる間は、善良なファイと、邪悪なファイが戦い、葛藤している時なのだ。

なので、目の前に怪物がいる間は、心優しい善良なファイのままなのだが、怪物を倒した時、ファイそのものが怪物以上に邪悪になったことを表している



ソクテは、ただひたすらたに、ファイが怪物になる時を待ち、その舞台をセッティングしたのだ。



韓国映画「ファイ」ヨ・ジング、キム・ユンソク



憎しみを持ちづつけたソクテが書いたシナリオと誤算


この映画はサスペンスなのだが、その面白さは、ファイ少年の心の成長過程にある。

優しい少年が悲惨な出来ごとに直面し、内なる怪物と戦い、一人の大人の男性へと成長していく。

そして、ファイが衝撃の事実を知った時、その心の葛藤はピークを迎え、内なる「悪」が覚醒する



それは、「ファイが殺したのは、誘拐されるまで育ててくれた父だった」という事実だ。

さらに、ファイが実母を見つけた直後に、その実母も殺されてしまう。

その悲惨なできごとの後、ファイは「怪物」を飲み込み、悪に「覚醒」するのだ。



それこそが、ソクテが思い描いていた牧師の幸せをぶち壊すシナリオの結末だったに違いない。



ただ、牧師一家の幸せをぶち壊すだけなら、初めから全員を殺すこともできただろう。

それでは、なぜ、ソクテはファイを育てたのか。



ソクテはファイの母と再会し、彼女をレイプしたのは自分だと告白する。

さらにその時、彼女を助けに来た牧師の足も切断している。

その極悪非道な事実を彼女に聞かせた直後、ソクテはファイの母を殺してしまう。



つまり、ファイもソクテと同じく「怪物を見る」ということからも、ファイはソクテの実父ということなのか。

だからこそ、ファイを誘拐し、自分の手でファイを育てたのか。

他の父親たちは「パパ(아빠 アッパ)」と呼ばせ、ソクテだけが「お父さん(아버지 アボジ)」なのか。



そして、自分の息子であるファイの手により憎み続けていた牧師を殺すのだ。



さらに、ソクテの中では、自分を敬う悪魔のような息子を育てたかったに違いない。

けれど、ソクテの目論見から外れ、ファイは優しさを失わず、実母を殺された恨みを抱き、ソクテに牙をむいたのだ。

親を知らずに育ったソクテは、自分だけの息子を育てようとしたのだが、結局、その息子に仕返しをされることになってしまったのだ。



だが、優しさを失わずに育ったファイではあったが、平気で人を殺す悪魔としての部分も併せ持つ二面性がある人間へと育ってしまう。

それは、ファイは優しい母と、悪魔のようなソクテの間に生れた子供だということを表している。

その二面性がとても切ない作品だった。



韓国映画「ファイ」チョ・ジヌン



都市開発の裏で埋もれていく貧しい人々


ソクテが長年妬み続けた牧師夫婦は、再開発予定地に住んでいた。

ファイが帰ってくると信じていた夫婦は、そこに居座り続けていたのだ。

そのため、退去命令に従わない夫妻は、都市開発を進めたい市長からも妬まれていたのだ。



都市開発によって美しく変貌した町は、街の繁栄を象徴しているかのように見える。

ところが、その裏には貧しい人々が置き去りにされ、そこから、確実に悪の芽が育っているのだ。



そんな都市開発の表と裏を舞台にすることで、「政治は、貧乏人を追い出し、街の見た目を美しくすることに金をかけるより、貧しい人々を救い、犯罪を減らすことを優先するべきだ」と訴えているように見える。



最後にファイが市長を暗殺した場面が、その思いを象徴している。



ファイは、貧しい人々が幸せそうな人を妬んだ結果生まれた子供であり、その子供が犯罪者として育ち、市長を殺すのだ。

もしも、政治が都市開発よりも、格差社会に埋もれていく貧しい人々を救済することを優先していたら、ファイのような子供は生まれなかったはずだ。



ファイには何も罪がない。

しかし、大人たちの事情に巻き込まれ、悲運の人生を送ることになってしまった。

今回の悲劇の一員でもあった市長を殺した後、何も言わず黙々と片づけて立ち去っていくファイの姿が切なかった。



いつまでも優しさを失わない大人になって欲しいと願いながら、その背中を見つめてしまった。



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