とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ティモシー・スポール



コリン・ファース主演の映画「英国王のスピーチ」をWOWOWで観た。

現在の英国エリザベス女王の父にあたるジョージ6世は、幼い頃から吃音で悩まされていたが、オーストラリア出身でスピーチ矯正の専門家であるライオネルの助けをかりながら克服し、真の国王へと成長していく物語。

第83回(2010年)アカデミー賞 作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞 受賞作品。


英国王のスピーチ


満足度 評価】:★★★★☆

人は、心の底から信じてくれる人が1人でもいたら、恐怖や不安に立ち向かうことができるということを教えてくれる物語だった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「英国王のスピーチ」予告編 動画

(原題:THE KING'S SPEECH)



更新履歴・公開、販売情報

・2016年5月16日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年10月15日 「映画天国」での放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「英国王のスピーチ」は、現在U-NEXT で配信中

本ページの情報は2019年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

Amazonプライムで観る:「英国王のスピーチ」(字幕版)

英国王のスピーチ (字幕版)

新品価格
¥200から
(2019/10/15 00:44時点)



DVDで観る:「英国王のスピーチ」

英国王のスピーチ [DVD]

新品価格
¥955から
(2019/10/15 00:44時点)





キャスト&スタッフ


出演者

コリン・ファース
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「キングスマン:ゴールデンサークル」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「キングスマン」、「リピーテッド」、「マジック・イン・ムーンライト」、「デビルズ・ノット」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「真珠の耳飾りの少女」、「裏切りのサーカス」など)

ジェフリー・ラッシュ
…(「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」、「鑑定士と顔のない依頼人」、「やさしい本泥棒」、「シャイン」など)

ヘレナ・ボナム・カーター
…(「オーシャンズ8」、「未来を花束にして」、「レ・ミゼラブル」、「シンデレラ」、「天才スピヴェット」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」など)


ティモシー・スポール
…(「輝ける人生」、「否定と肯定」など)

〇デレク・ジャコビ

〇ジェニファー・イーリー

マイケル・ガンボン
…(「ヴィクトリア女王 最期の秘密」、「英国総督 最後の家」、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など)

監督

トム・フーパー
…(「リリーのすべて」、「レ・ミゼラブル」など)


2010年製作、イギリス、オーストラリア合作映画




あらすじ


英国王室の次男ジョージ(コリン・ファース)は、幼い頃から吃音に悩まされていた。

彼が公式行事に出席する機会が増えるにつれ、スピーチをする機会が増えるが、いつもうまく話すことができず、失意の中、行事を終える日々だった。

彼の助けになりたいと考えた妻(ヘレナ・ボナム・カーター)が、ジョージに紹介したのは、オーストラリアから来たスピーチ矯正の専門家ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)だったのだが…。



感想(ネタバレあり)


英国王もただの人


英国王は普通の人だった。

私たちと同じく自分の欠点に悩み、不安や恐怖に怯える人だった

それが、私にはとても衝撃的だった。



王族のように、幼い頃から人目にされされて生きている人は、人前で話すこと何でもないんだろうなぁと勝手に思っていた。

まさか、スピーチ原稿をもらって、絶望的な気分になっているなんて思ってもみなかった。

この映画はその「英国王もただの人だ」と描いたところが素晴らしく、また、彼が「吃音という欠点」を克服していく姿に勇気づけられる作品だった。



映画「英国王のスピーチ」



心と心の距離を近づけるのが治療法


ジョージ6世が幼い頃から悩んでいた「吃音」。

彼は、ライオネルと出会うことで、その悩みを克服していく。

それまで、どんな先生についても治らず、本人も諦めかけていたのに。



ではライオネルは、他の先生と何が違ったのか。

私が思ったのは、ジョージ6世(愛称:バーティ)とライオネルの心の距離近いというのが、吃音の克服を助けた理由なのではないかと思った。



ライオネルは、王族だろうと気にせずに彼をファーストネームで呼び、放送禁止用語を叫ばせ、バーティが心のありのままを吐き出すことにに注力する



そうして見えてきた、家族の中での権力闘争。

幼い頃に受けた乳母からの虐待。

父からの威圧的なプレッシャー。

それがいつの間にか、彼から自信と力を失わせていた。



バーティの心の奥底を見たライオネルは、バーティに自信を持たせるように導いていく



映画「英国王のスピーチ」



目の前に信じてくれる人がいれば、人は強くなれる


吃音を治すために技術的なことを強制するわけではなく(最初に出てきたビー玉の先生はひどかった(笑))、その心と心の距離を近づけていくこと、その過程が素晴らしいなぁと思った。

「宮殿で治療してくれ」という願いを聞かず、「ファーストネームで呼び合う」ことを押し通し、私的な会話は禁止なのにも関わらず「どんな家庭で育ったのか」にこだわる。



しかし、そうした荒療治があったからこそ、バーティは少しずつ心を開き、ライオネルを信頼し、少しずつ自信を取り戻していく。

目の前に信じてくれる人がいれば、人は強くなれる

心が少しでも強くなれば、きっと弱点も克服できる

そう思える映画だった。



映画「英国王のスピーチ」



出演者はコリン・ファースとジェフリー・ラッシュ


主人公のジョージ6世を演じたのは、コリン・ファース



一見落ち着いて見えるジョージも、実は癇癪持ちで心の奥底に様々な怒りを抱えて生きていたことが、話が進むにつれ明らかになる。

何よりもすごいのは、吃音をわざとらしくなく、自然に、本当に昔からそうだったように演じているところ



あの素晴らしさはなんなんだろう。

そして、その鈍感そうに見えて実は繊細、堂々としていそうに見えて、本当はガラスのハートの持ち主というジョージを本当に見事に演じていた。

この映画を見ているうちに、とても不器用なバーティを好きになってしまった。

どんな役を与えられても、その役になりきった上で、コリン・ファースらしさは失わない。

彼らしいジョージ6世だった。



英国王のスピーチ6



そして、バーティを助けるライオネルを演じたのは、ジェフリー・ラッシュ

「オーストラリアから来た田舎者」を本当にオーストラリアから来た俳優が演じるんだぁっていうのが、面白かった。



今回のジェフリー・ラッシュは、飄々としながら、スルッとバーティの心の中に入っていくライオネルがとても素敵だった。

ライオネルがいなかったら、バーティは、吃音を克服することができなかった。

そう思える人だった。



映画「英国王のスピーチ」



監督は「レ・ミゼラブル」「リリーのすべて」のトム・フーパー


監督はトム・フーパー

あらゆる人に等しく優しい。

今後も、どんな作品を作っていくのか、とても興味がわいてくる。



映画「英国王のスピーチ」



第二次大戦の開戦宣言が心温かく見えるマジック


ラストのスピーチは、まるで私がバーティの恋人になったかなのような気分で観ていた。

思わず手を握ってあげてしまいたくなる衝動が…(笑)



しかし、そのスピーチは、国王から国民へ「第二次世界大戦の開戦」を伝えるものだった。

決して心が温かくなるスピーチではないのに、なんだか、とても温かい気持ちになって、拍手したくなってしまうのが、この映画の素晴らしさのように思う



人を肩書きや、役職で判断せず、表面的な文字ずらに惑わされず、そこに描かれている心を見る。

長いスピーチを無事に終了させ、録音ルームから出てきたバーティは、見事に終えたからなのかドヤ顔で、いつもより少し胸がはっていて、自信に満ち溢れていた。



それは、誰よりも国民に愛される国王の誕生の瞬間だった。

人が心を割って話し合い、友情が生まれ、その友情が人を強くする。

私も、そんな人付き合いがしたい。

本当に素晴らしい映画に出会えたと思った。



見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「英国王のスピーチ」は、現在U-NEXT で配信中


本ページの情報は2019年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。





↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





Amazonプライムで観る:「英国王のスピーチ」(字幕版)

英国王のスピーチ (字幕版)

新品価格
¥200から
(2019/10/15 00:44時点)



DVDで観る:「英国王のスピーチ」

英国王のスピーチ [DVD]

新品価格
¥955から
(2019/10/15 00:44時点)


















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


イメルダ・スタウントン主演のイギリス映画「輝ける人生」を映画館で観た。

35年間連れ添った夫との離婚をきっかけに、第二の人生を切り開く主婦の姿を描く人間ドラマ。



満足度 評価】:★★★★☆

人生を楽しむのに年齢制限なし!という人生賛歌。

長年連れ添った夫と熟年離婚したサンドラの第2の人生。

いくつになっても新しい世界に恐れることなく自分を信じて飛び込め!という、彼女たちはキラキラと輝いて素敵。

私もあぁなりたい。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『輝ける人生』予告編 動画

(原題:Finding Your Feet)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月29日 映画館にて鑑賞。

・2018年9月18日 感想を掲載。

・2019年8月29日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「輝ける人生」は、現在U-NEXT で配信中

本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

Amazon Primeで観る:「輝ける人生」(字幕版)

輝ける人生(字幕版)

新品価格
¥2,000から
(2019/8/29 11:34時点)



DVDで観る:「輝ける人生」

輝ける人生 [DVD]

新品価格
¥3,388から
(2019/8/29 11:36時点)



オリジナルサウンドトラック「Finding Your Feet」

Ost: Finding Your Feet

新品価格
¥1,578から
(2018/9/18 14:52時点)






キャスト&スタッフ


出演者

〇イメルダ・スタウントン


〇セリア・イムリー

…(「英国総督 最後の家」など)

〇ジョン・セッションズ

〇ジョアンナ・ラムレイ


監督

リチャード・ロンクレイン
…(「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」など)


2017年製作 イギリス映画



映画「輝ける人生」



あらすじ

35年間連れ添った夫がナイトの称号を授与され、仕事を引退したその日に親友との不倫を知ってしまった主婦のサンドラ(イメルダ・スタウントン)。

その事実に激怒したサンドラは家を出て、ロンドンにいる姉 ビフ(セリア・イムリー)の元へ転がり込む。

豪邸で暮らしていたサンドラに比べ、ビフは安アパート暮らし。

生活が一変し、なかなかなじめないサンドラだったが、自由気ままに暮らすビフと共にダンス教室に通い始め…。



映画「輝ける人生」



感想


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


輝ける人生 (2017)


★★★★ [80点] 「新しい人生を信じて飛び込め!」


これまた泣いたり笑ったりの素敵な映画だった~。



熟年離婚から始まる新たな人生。

私たちは人生を楽しむために生きている!

だから胸を張って生きよう!

そんなメッセージを強く感じた人生賛歌だった。



35年間連れ添った夫が仕事を引退したお祝いの日に不倫が発覚。

激怒したサンドラは、豪邸を飛び出し、ロンドンで暮らす姉ビフの元へ。

ビフは安アパートで暮らしながらも、彼女なりの人生を謳歌していて…。



熟年離婚して、独身の姉ビフのアパートに転がり込んだサンドラの話なんだけど、この姉のビフがとっても良い。

自由気ままに独身生活を送りながら、ダンス教室に通ったり、近くの川で泳いだり、いろんな男性とデートしたり。

懐かしのヒッピー精神を感じさせるリベラルなビフ。



そんなビフとは対照的に、コチコチの堅物で保守的なのが妹のサンドラ。

でも、決してビフはサンドラを否定したりしない。

サンドラの意見を尊重しつつも、少しずつビフの世界へ彼女を誘い込んでいく。



そんなビフが、とてもたくさんの素敵な言葉をサンドラにかけるのだけど、一番印象的だったのは
「信じて飛び込め」という言葉




35年間、警察署長の妻をつとめてきたサンドラは、ハメを外すことなど決して許されなかった。

そのサンドラに対し、ビフは「夫と別れることは、夫の影から逃れる良いチャンス」と言い「新しい世界を怖がらずに、信じて飛び込むのよ」という。

そんなビフの言葉が、サンドラにとってどれだけ励みになったか。



サンドラは良き妻、良き母でいることを優先して、自分自身が楽しむことを忘れていたのだ。

それなのに、夫はサンドラを裏切って不倫していた。

ビフは、そんなサンドラを思って

もう、彼のために生きなくて良い。自由に生きて良いんだよ」と言う。

そして、サンドラはビフとの再会で、遠い昔に封印していたダンスへの情熱を思い出す。



原題の「Find Your Feet」とは、「自信がつく」とか「一本立ちする」とかいう意味を表す言葉。

この映画は、夫の支配から解放されたサンドラが、ようやく自分の人生を歩き始める姿を描いている



同じ人生を生きるなら、毎日楽しい気分で生きたい。

離婚して、新しい人生が始まるサンドラの姿に励まされる人も多いと思う。

私よりもずっと先輩の彼女たちが人生を楽しんでいる姿を見て、「人生は毎日が冒険!」だと思った。

失敗を恐れず、常に新しいことにチャレンジする人生を送りたいなと思った


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/31 with ぴあ映画生活


見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「輝ける人生」は、現在U-NEXT で配信中


本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。




Twitterでも、映画情報や海外ドラマの情報を発信しています~




Instagramでも映画のレビューを日々更新しています~









↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村



Amazon Primeで観る:「輝ける人生」(字幕版)

輝ける人生(字幕版)

新品価格
¥2,000から
(2019/8/29 11:34時点)



DVDで観る:「輝ける人生」

輝ける人生 [DVD]

新品価格
¥3,388から
(2019/8/29 11:36時点)



オリジナルサウンドトラック「Finding Your Feet」

Ost: Finding Your Feet

新品価格
¥1,578から
(2018/9/18 14:52時点)


















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


レイチェル・ワイズ主演の映画「否定と肯定」を映画館で観た。

「ホロコースト」はなかったという歴史学者がホロコーストを専門とする大学教授を訴え、教授側が「ホロコースト」の真相を証明することになった裁判の実話を映画化。


満足度 評価】:★★★★☆

とても素晴らしい映画だったので、多くの人に見て欲しい作品

特に、法定ものが好きな人におススメしたい。

「正義」とは、真実が導く場所にあると強く感じられる映画だった。



日本とイギリスの裁判制度の違いを楽しみつつ、フェイク・ニュースの時代をどう生きるかについて考えさせられる作品。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「否定と肯定」予告編 動画

(原題:Denial)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年12月29日 映画館で観た感想を掲載

・2019年1月27日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


ネット配信で観る:「否定と肯定」(字幕版)

否定と肯定 (字幕版)

新品価格
¥500から
(2018/10/14 15:17時点)



DVDで観る:「否定と肯定」

否定と肯定 [Blu-ray]

新品価格
¥4,027から
(2018/10/14 15:18時点)



原作本:「否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い」

否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)

新品価格
¥1,290から
(2017/12/29 17:09時点)




キャスト&スタッフ


出演者

レイチェル・ワイズ
…(「女王陛下のお気に入り」、「光をくれた人」、「グランド・フィナーレ」、「ロブスター」、「アレクサンドリア」、「ニューオーリンズ・トライアル」、「オズ はじまりの戦い」、「ナイロビの蜂」、「コンスタンティン」など)

トム・ウィルキンソン
…(「スノーデン」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」、「ゴーストライター」など)

…(「輝ける人生」、「英国王のスピーチ」など)

〇アンドリュー・スコット


監督

〇ミック・ジャクソン

2016年製作 アメリカ・イギリス合作映画



否定と肯定




あらすじ


1994年。「ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺(=ホロコースト)はなかった」と主張するデヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)について、ホロコーストを専門とする大学教授のデボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、「歴史を歪曲するエセ歴史学者」とだと批判。

すると、デヴィッド・アーヴィングが「名誉を傷つけられた」として、ロンドンの裁判所にデボラを訴える。

そこで、アメリカ人のデボラはロンドンで名誉棄損の裁判を専門としている弁護士・アンソニー・ジュリアス(アンドリュー・スコット)に相談し、アーヴィングと戦うことになったのだが、イギリスの裁判では訴えられた側に立証責任があることが分かる。

つまり、この裁判では訴えられたデボラが「ホロコーストは実際にあった」ことを証明することになり…。



否定と肯定2




感想(ネタバレあり)


イギリスだからこそ起きた裁判だった



「人気俳優○○、10年不倫発覚!!隠し子の存在が明らかに…!?」

なんていう見出しが電車の中刷り広告に踊っていると、それが事実どうかもわからないまま、「あの人、意外と女好きなんだな」と思ってしまう。

それが本当か嘘かよりも、ショッキングな見出しに心を奪われ、つい、鵜呑みにしてしまうからだ。

ショッキングな見出しと言うのは、それぐらい人を引き付ける魅力を持っている



そんな記事が書かれた俳優側は、もしもそれが嘘だった場合、「精神的ショックを受けたし、仕事も減ってしまった」として、記事を掲載した週刊誌を名誉棄損で訴えるだろう。

その場合、日本の裁判所では、訴えた側の俳優が「不倫をしていない」ことを示す証拠を提出しないといけない。

それが、訴えた俳優が負うべき「立証責任」である。



その「訴えた側が真実を明らかにする」という裁判の方法は、世界で見ても一般的だけれど、イギリスでは違っていて、訴えられた側に立証責任がある

そこが、この映画を面白くしている要素の一つだった。



主人公はアメリカ人でホロコーストを専門とする大学教授 デボラ・E・リップシュタット。

彼女は「ナチスドイツによる、ユダヤ人大虐殺(=ホロコースト)はなかった」というイギリス人の歴史学者のデヴィッド・アーヴィングの主張を全否定する。

すると、デヴィッド・アーヴィングが「名誉を傷つけられた」としてデボラを「イギリスで」訴えた



ということは、訴えられたデボラが「ホロコーストがあった証拠」を提出しなければならない

もしもデヴィッドがこの訴えをアメリカでおこしていたら、彼自身が「ホロコーストはなかった、ユダヤ人がねつ造したものだ」という証拠を提出しなければならない。

だからこそ、イギリスで裁判を起こしたんだなと思わずにはいられない。



というわけでデボラ側の弁護団が「ホロコーストの証拠」を集めることになったのだが、終戦間近のナチスドイツはホロコーストに関する多くの証拠を処分していて、証拠が残っていなかった

その中で、どうやって「ホロコーストが事実」を証明していくのかが、裁判の争点になっていった。



この、国が違えば裁判の方法も変わってくるっていうのは、とても面白かった

日本やアメリカでは、刑事事件で、訴えた側が十分に証拠を集められなかった場合には「証拠不十分により無罪(推定無罪)」となるけれど、イギリスの場合は、この「推定無罪」がないのだという。

イギリスでは、訴えられた側が十分な証拠を集められなければ敗訴になってしまう。



そのため、この映画の中では「証拠集め」について、デボラと弁護団がたびたび衝突することもあった。



否定と肯定3



一番恐れていたのは「嘘が人々の記憶の中で真実になる」こと



先ほどの例えで出てきた「不倫俳優」の場合、裁判になる頃には多くの人が記事のことをすっかり忘れていて、その人がテレビに出てくるたび「あぁ、この人は不倫した人だ」という目で見られることになる。

たとえ、その不倫記事がライバルのねつ造したものであって、事実とは異なっていたとしても。

その結果、その俳優は、それ以降ダーティな役ばかりがオファーされてしまうようになることにもなりかねない。

それがフェイク・ニュースの恐ろしさである。



デボラが、この裁判を受けるにあたって最も恐れていたことは、その「嘘の記事が真実だと思われること」だった

デヴィッドから訴えられた時に、デボラは多くのユダヤ人から「そんな奴は相手にすべきではない。示談にすべきだ」と言われた。



「示談にする」ということは、相手に謝罪して認めることになってしまい、「ホロコーストはユダヤ人がでっちあげたプロパガンダ」という彼の主張が「真実」になってしまう

デボラはそうして、人々の記憶の中から「ホロコーストが薄れていく」ことを一番恐れていたのだ。

それでは、デボラが生涯かけて研究してきたことが全てなし崩しになってしまう。



これは「誰も思いつかなかったようなショッキングなネタは、人の記憶に残りやすい」ということを示している。

表現の自由が認められている以上、何事も言ったもん勝ちなのだ。

きっと誰もが「ホロコーストはなかった。ユダヤ人のねつ造だ」などと言われると、一瞬、自分の中の常識を疑い、本当になかったのかな…と思い、信じてしまう人もいるだろう。

それぐらい、ショッキングな見出しには人を引き付ける魅力がある



否定と肯定4



真実を証明するのは感情論よりも動かぬ証拠



「ホロコーストはなかった」と聞いた時、私の頭の中に浮かんだのは、アンネ・フランクであり、ガス室に送り込まれた人々の体験談だった。

デボラもそれを思い、生還者たちに裁判で主張させることが一番の証拠だと考えた。



しかし、彼女の弁護団はそれを許さなかった。

デヴィッドによれば、ガス室に送り込まれた人々の腕に彫られた番号もユダヤ人の彫師が後から彫ったものだと主張していたからだった。

きっと、生還者たちを証言台に座らせたら、デヴィッドによって「世界の笑いものにされるに違いない」というのが弁護団の考えだった。



結局は、弁護団の考え方が正解だった。

その様子を見て思ったのは、ある出来事が「真実」か「嘘」かを証明しなければいけない時に必要なのは、「感情論」よりも「目に見える証拠」だということ。



裁判所でホロコーストからの生還者たちの悲しい体験談を聞いて心に訴えかけても、それは証拠にはならない。

たとえそれが真実だったとしても、「演技しているのでは」と言われたら、それで終了してしまう

むしろ、生還者たちが「笑いもの」になる可能性が高い

それよりも動かぬ証拠こそが、「そこで起きたこと」を証明することができる。



だからこそ、弁護団はアウシュビッツに行き、距離を測り、細かく写真を撮って「50年前にそこで起きたこと」を忠実に再現する。

むしろ、そこに「かわいそう」とか「気の毒」などという感情を入れると真実が曇ってしまう

考えるべきは、「50年前にその施設で何が行われたか」だった。



それにしても、50年経って多くの証拠が隠滅されても「大量に人を殺していた」という形跡が残っているアウシュビッツの恐ろしさ

見れば見るほど、「ホロコーストはなかった」と主張する歴史学者の頭の中を疑ってしまう。



否定と肯定5



大量に流出するフェイク・ニュースに惑わされないために



映画の中では、莫大な資料の中から「ヒトラーの言動」や、アウシュビッツの建物の構造や、その周辺の様子まですべて細かく調べて、一つ一つ丁寧に「ホロコーストはあった」という証明をしていく。

たとえ、デヴィッドがもっともらしい嘘をついていても「証拠」はその嘘を見破ってしまう。

デボラの弁護団の質問に、次第にしどろもどろになっていくデヴィッドを見ていると胸がスッとした。



そんな裁判を通して学んだのは、日頃からの「ニュースの読み方」だった。



この映画のデヴィッドのように強い調子で「ホロコーストはなかった」なんて言われると、そのショッキングな見出しに、一瞬でも自分の常識を疑ってしまう。

しかし、そこでいったん立ち止まって「証拠はどこにあるのか」を考える時間を作るべきなのである。



もしも、記事の中に書かれていることが全て「推測」なのだとしたら、それは「真実」ではない

インタビューの内容も、本人のものでなく「関係者の言葉」なのだとしたら、ますます怪しい。

そんな「証拠のない」記事はフェイク・ニュース認定して信じない



SNSが発達したことで、誰もが発言できる時代になり、はじめは小さな噂話が、後々立派なフェイク・ニュースになることだってある。

誰かを陥れたり、批判したりすることは誰にでもできるし、とても簡単なこと。

だからこそ、これからはそういうフェイクに惑わされない「記事を読む目」を養うことが必要なんだろうと思う。



それにしても、真実がデヴィッドを打ち負かしていく様子は、見ていてとても爽快だったし、胸がスッとした。

何よりも強いのは「証拠」である。

「証拠」だけが、真実を語ることができる


 ↓ デボラ・E・リップシュタット本人(右)とレイチェル・ワイズ(左)
否定と肯定6



Twitterでも映画や海外ドラマの情報を発信しています~







↓ 人気ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします

映画 ブログランキングへ

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村





ネット配信で観る:「否定と肯定」(字幕版)

否定と肯定 (字幕版)

新品価格
¥500から
(2018/10/14 15:17時点)



DVDで観る:「否定と肯定」

否定と肯定 [Blu-ray]

新品価格
¥4,027から
(2018/10/14 15:18時点)



原作本:「否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い」

否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)

新品価格
¥1,290から
(2017/12/29 17:09時点)




















このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック