とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:トム・ウィルキンソン



クリスチャン・ベール主演の映画「バットマン ビギンズ」をU-NEXT で観た。

ゴッサムシティの富豪ウェイン家の息子ブルースがバットマンになるまでを描く。

「ジョーカー」の公開を前に、久しぶりに、この「ダークナイト」シリーズを観たくなった。


満足度 評価】:★★★★☆

‪ 「ジョーカー」は単独映画で、バットマン とは関係ないと聞いたけど、それでも観ておきたくなった。

ブルース・ウェイン少年が両親を殺されたトラウマを克服してバットマンになるまでの成長と心理的葛藤が面白かった‬。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『バットマン ビギンズ』予告編 動画

(原題:Batman Begins)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年9月24日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年9月25日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者



マイケル・ケイン

リーアム・ニーソン

〇ケイティ・ホームズ
…(「ローガン・ラッキー」など)






渡辺謙
…(「怒り」、「インセプション」、「硫黄島からの手紙」など)



監督

クリストファー・ノーラン
…(「ダンケルク」、「インターステラー」、「インセプション」など)


2005年製作 アメリカ映画



映画「バットマン ビギンズ」



あらすじ


ゴッサムシティの富豪ウェイン家の息子ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、腐敗した社会が嫌になり放浪の旅に出る。

それから4年間放浪してたどり着いたチベットで盗みをして逮捕され刑務所に入れられてしまう。

そんなブルースに目をつけたラーズ・アル・グール(渡辺謙)とデュカード(リーアム・ニーソン)は、ブルースを仲間にいれてゴッサムシティの悪を一掃しようと目論む。

しかし、「悪人を全て殺す」という過激なやり方についていけなくなったブルースは、彼らのアジトである寺院を放火して脱走し、迎えに来たアルフレッド(マイケル・ケイン)と共に帰国する。

そして、ゴッサムシティに帰ったブルースは、市民を幸せにするために、彼なりのやり方で悪を一掃しようと思うようになる。



映画「バットマン ビギンズ」クリスチャン・ベール



感想(ネタばれあり)


少年ブルース・ウェインがバットマンになるまで


この「バットマン ビギンズ」は、「少年ブルース・ウェインがバットマン(闇の騎士(ダーク・ナイト))になるまで」が描かれている。



少年ブルースは、目の前で両親を強盗に殺されてしまう。

その犯人について、「法による裁きを」と願っていたが、司法取引によって釈放されてしまう。

それならば、自分の手で犯人に復讐をするしかないと思ったブルースだったが、闇組織のリーダー ファルコー二の手によって、ブルースの目の前で犯人は殺されてしまう。



両親が殺されたのも、その犯人が殺されたもの、腐敗した社会に問題があると思うようになったブルースは、ゴッサムシティの住民を幸せにしたいと思うようになる。

それは、つまり、悪人が法によって処罰され、真面目に働いた人が報われる当たり前の社会だ。



そして、ブルースは、悪人に恐怖を感じさせるため、自分にとって恐怖の象徴であるコウモリの姿になって、悪人と戦うようになる。

そんなブルースを、人は「バットマン(コウモリ男)」と呼ぶようになるのだ。



映画「バットマン ビギンズ」ケイティ・ホームズ



バットマンとアイアンマンの共通点


そうして、ブルース・ウェインはバットマンとなるのだが、彼は、特殊な能力を持っているわけでもなく、宇宙人でもなければ、神でもない。

普通に育った人間である彼は、スーパーヒーロー界では、かなりレアなケースだ。



しかし、ブルース・ウェインと同じように、普通の人間がスーパーヒーローになった人がもう一人いる。

それは「アイアンマン」だ。



私は、この映画を観ながら「アイアンマン」のことを思い、比較しながら観ていた。

というのも、バットマンとアイアンマンの間には、とても共通点が多いからだ。

ブルース・ウェインも、トニー・スタークも、富豪であり、NY(ゴッサムシティ)にビルを持っている。



彼らは二人とも両親を殺された過去があり、それがトラウマとなっている。

そして、そのトラウマを克服するためにも、街の悪を一掃したいと思うようになり、自費でスーツを作り、自ら悪を倒すようになる。



そこまでは一緒だ。

しかし、性格は正反対だ。

トニーは、アイアンマンになった後、どんどん表に出て自己PRするわ、どんどん仲間を増やしていくわで、社交的で宣伝上手なタイプ。



それに対して、ブルースはとても内向的だ。

なんといっても、地下深い暗闇に秘密基地を作って、コウモリと共に暮らしながら、秘密兵器を開発したり、作戦を練ったりしているのだから、トニーとは正反対だ。

(そんなブルースの一日をパロディにしているのが「レゴバットマン ザ・ムービー」)



「恐怖とは何か」について、幼い頃のトラウマと向き合ったり、地下に突き落とされるたびに、「なぜ、突き落とされるのか。それは、這い上がるためだ」と、自分を鼓舞したり、そうやって、常に自分の内面と向き合い戦っているのが、ブルース・ウェインであり、バットマンなんだなということが、この映画を観ていてよく分かった。



見た目にしても、アイアンマンは赤なのに対して、バットマンは黒だし、「富豪だけど、中身は普通の人間」という共通項以外は対照的な二人を比べてみると、バットマンの特徴が浮き彫りになってくる映画だった。



どちらが良いか悪いかは、観た人の趣味次第として、DCにしても、MARVELにしても、そこには、ブルースやトニーのような富豪たちに、街を良くするために立ち上がって欲しいという願いがあるんだろうなぁという思った。

(たとえば、トランプさんみたいに(笑))



そんな願いは同じでも、生まれたヒーローは、まるで真逆というのが面白いなと思った。



映画「バットマン ビギンズ」バットマン



失敗しても、失敗しても這い上がるバットマンの成長物語


トニー・スタークはマサチューセッツ工科大学出身で、科学の天才だから、スーツも最先端の科学を駆使して製作している。



しかし、ブルース・ウェインは、普通の人だ。

彼が本当に心を許して頼りにしているのも、執事のアルフレッドと、ウェイン社の社員のルシアスだけ。

そこで、ウェインはルシアスと共に、兵器を開発していく。



その過程が、とても普通の人っぽくていい。

つまり、ブルースはトニー・スタークと比べて、ずっと庶民的であり、「もしかしたら自分も身体を鍛えたらバットマンになれるかも」という点が魅力の一つなのだ。



1つ1つ失敗を繰り返しながら、それでも、悪を倒すことを諦めず、開発に開発を重ねて、真のバットマンになていく。
これは、ブルース・ウェインがバットマンになるまでの成長物語でもあるのだ。

そして、私たちは、彼がいかにして学習して真のスーパーヒーローになるのかを目撃するのだ。



最後には、その手を広げて空を飛ぶまでになり、「あぁ、彼はバットマンになったんだなぁ」と思ったところで、話は終わる。

だから、これはバットマンの始まりの物語なのだ。

最後に手を広げた場面は、感動的ですらあった。



映画「バットマン ビギンズ」モーガン・フリーマン



バットマンの原点はここにある


そういった「内面的な葛藤や成長」を描いている作品であるため、ヒーロー作品にしてはアクションシーンが少なめになっている。

その少ないアクションシーンでも、やっぱりクリスチャン・ベールのバットマンは最高にカッコイイことが伝わってくる。



両親が殺された少年が、コウモリに対するトラウマを克服しつつ、様々な葛藤を抱えながら、悪を倒すヒーローへと成長していく。

その成長の過程を観るのが、とても面白い映画だった。



そして、この作品は、これから先作られるバットマンの原点となるだろうと思う。

「なぜ、バットマンはここで葛藤するのか…」と考えた時、その内面の原点はここにあるからだ。



最高に人間臭くて、最高にかっこいいバットマンだと思った。


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レイチェル・ワイズ主演の映画「否定と肯定」を映画館で観た。

「ホロコースト」はなかったという歴史学者がホロコーストを専門とする大学教授を訴え、教授側が「ホロコースト」の真相を証明することになった裁判の実話を映画化。


満足度 評価】:★★★★☆

とても素晴らしい映画だったので、多くの人に見て欲しい作品

特に、法定ものが好きな人におススメしたい。

「正義」とは、真実が導く場所にあると強く感じられる映画だった。



日本とイギリスの裁判制度の違いを楽しみつつ、フェイク・ニュースの時代をどう生きるかについて考えさせられる作品。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「否定と肯定」予告編 動画

(原題:Denial)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年12月29日 映画館で観た感想を掲載

・2019年1月27日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

レイチェル・ワイズ
…(「女王陛下のお気に入り」、「光をくれた人」、「グランド・フィナーレ」、「ロブスター」、「アレクサンドリア」、「ニューオーリンズ・トライアル」、「オズ はじまりの戦い」、「ナイロビの蜂」、「コンスタンティン」など)

トム・ウィルキンソン
…(「スノーデン」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」、「ゴーストライター」など)

…(「輝ける人生」、「英国王のスピーチ」など)

〇アンドリュー・スコット


監督

〇ミック・ジャクソン

2016年製作 アメリカ・イギリス合作映画



否定と肯定




あらすじ


1994年。「ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺(=ホロコースト)はなかった」と主張するデヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)について、ホロコーストを専門とする大学教授のデボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、「歴史を歪曲するエセ歴史学者」とだと批判。

すると、デヴィッド・アーヴィングが「名誉を傷つけられた」として、ロンドンの裁判所にデボラを訴える。

そこで、アメリカ人のデボラはロンドンで名誉棄損の裁判を専門としている弁護士・アンソニー・ジュリアス(アンドリュー・スコット)に相談し、アーヴィングと戦うことになったのだが、イギリスの裁判では訴えられた側に立証責任があることが分かる。

つまり、この裁判では訴えられたデボラが「ホロコーストは実際にあった」ことを証明することになり…。



否定と肯定2




感想(ネタバレあり)


イギリスだからこそ起きた裁判だった



「人気俳優○○、10年不倫発覚!!隠し子の存在が明らかに…!?」

なんていう見出しが電車の中刷り広告に踊っていると、それが事実どうかもわからないまま、「あの人、意外と女好きなんだな」と思ってしまう。

それが本当か嘘かよりも、ショッキングな見出しに心を奪われ、つい、鵜呑みにしてしまうからだ。

ショッキングな見出しと言うのは、それぐらい人を引き付ける魅力を持っている



そんな記事が書かれた俳優側は、もしもそれが嘘だった場合、「精神的ショックを受けたし、仕事も減ってしまった」として、記事を掲載した週刊誌を名誉棄損で訴えるだろう。

その場合、日本の裁判所では、訴えた側の俳優が「不倫をしていない」ことを示す証拠を提出しないといけない。

それが、訴えた俳優が負うべき「立証責任」である。



その「訴えた側が真実を明らかにする」という裁判の方法は、世界で見ても一般的だけれど、イギリスでは違っていて、訴えられた側に立証責任がある

そこが、この映画を面白くしている要素の一つだった。



主人公はアメリカ人でホロコーストを専門とする大学教授 デボラ・E・リップシュタット。

彼女は「ナチスドイツによる、ユダヤ人大虐殺(=ホロコースト)はなかった」というイギリス人の歴史学者のデヴィッド・アーヴィングの主張を全否定する。

すると、デヴィッド・アーヴィングが「名誉を傷つけられた」としてデボラを「イギリスで」訴えた



ということは、訴えられたデボラが「ホロコーストがあった証拠」を提出しなければならない

もしもデヴィッドがこの訴えをアメリカでおこしていたら、彼自身が「ホロコーストはなかった、ユダヤ人がねつ造したものだ」という証拠を提出しなければならない。

だからこそ、イギリスで裁判を起こしたんだなと思わずにはいられない。



というわけでデボラ側の弁護団が「ホロコーストの証拠」を集めることになったのだが、終戦間近のナチスドイツはホロコーストに関する多くの証拠を処分していて、証拠が残っていなかった

その中で、どうやって「ホロコーストが事実」を証明していくのかが、裁判の争点になっていった。



この、国が違えば裁判の方法も変わってくるっていうのは、とても面白かった

日本やアメリカでは、刑事事件で、訴えた側が十分に証拠を集められなかった場合には「証拠不十分により無罪(推定無罪)」となるけれど、イギリスの場合は、この「推定無罪」がないのだという。

イギリスでは、訴えられた側が十分な証拠を集められなければ敗訴になってしまう。



そのため、この映画の中では「証拠集め」について、デボラと弁護団がたびたび衝突することもあった。



否定と肯定3



一番恐れていたのは「嘘が人々の記憶の中で真実になる」こと



先ほどの例えで出てきた「不倫俳優」の場合、裁判になる頃には多くの人が記事のことをすっかり忘れていて、その人がテレビに出てくるたび「あぁ、この人は不倫した人だ」という目で見られることになる。

たとえ、その不倫記事がライバルのねつ造したものであって、事実とは異なっていたとしても。

その結果、その俳優は、それ以降ダーティな役ばかりがオファーされてしまうようになることにもなりかねない。

それがフェイク・ニュースの恐ろしさである。



デボラが、この裁判を受けるにあたって最も恐れていたことは、その「嘘の記事が真実だと思われること」だった

デヴィッドから訴えられた時に、デボラは多くのユダヤ人から「そんな奴は相手にすべきではない。示談にすべきだ」と言われた。



「示談にする」ということは、相手に謝罪して認めることになってしまい、「ホロコーストはユダヤ人がでっちあげたプロパガンダ」という彼の主張が「真実」になってしまう

デボラはそうして、人々の記憶の中から「ホロコーストが薄れていく」ことを一番恐れていたのだ。

それでは、デボラが生涯かけて研究してきたことが全てなし崩しになってしまう。



これは「誰も思いつかなかったようなショッキングなネタは、人の記憶に残りやすい」ということを示している。

表現の自由が認められている以上、何事も言ったもん勝ちなのだ。

きっと誰もが「ホロコーストはなかった。ユダヤ人のねつ造だ」などと言われると、一瞬、自分の中の常識を疑い、本当になかったのかな…と思い、信じてしまう人もいるだろう。

それぐらい、ショッキングな見出しには人を引き付ける魅力がある



否定と肯定4



真実を証明するのは感情論よりも動かぬ証拠



「ホロコーストはなかった」と聞いた時、私の頭の中に浮かんだのは、アンネ・フランクであり、ガス室に送り込まれた人々の体験談だった。

デボラもそれを思い、生還者たちに裁判で主張させることが一番の証拠だと考えた。



しかし、彼女の弁護団はそれを許さなかった。

デヴィッドによれば、ガス室に送り込まれた人々の腕に彫られた番号もユダヤ人の彫師が後から彫ったものだと主張していたからだった。

きっと、生還者たちを証言台に座らせたら、デヴィッドによって「世界の笑いものにされるに違いない」というのが弁護団の考えだった。



結局は、弁護団の考え方が正解だった。

その様子を見て思ったのは、ある出来事が「真実」か「嘘」かを証明しなければいけない時に必要なのは、「感情論」よりも「目に見える証拠」だということ。



裁判所でホロコーストからの生還者たちの悲しい体験談を聞いて心に訴えかけても、それは証拠にはならない。

たとえそれが真実だったとしても、「演技しているのでは」と言われたら、それで終了してしまう

むしろ、生還者たちが「笑いもの」になる可能性が高い

それよりも動かぬ証拠こそが、「そこで起きたこと」を証明することができる。



だからこそ、弁護団はアウシュビッツに行き、距離を測り、細かく写真を撮って「50年前にそこで起きたこと」を忠実に再現する。

むしろ、そこに「かわいそう」とか「気の毒」などという感情を入れると真実が曇ってしまう

考えるべきは、「50年前にその施設で何が行われたか」だった。



それにしても、50年経って多くの証拠が隠滅されても「大量に人を殺していた」という形跡が残っているアウシュビッツの恐ろしさ

見れば見るほど、「ホロコーストはなかった」と主張する歴史学者の頭の中を疑ってしまう。



否定と肯定5



大量に流出するフェイク・ニュースに惑わされないために



映画の中では、莫大な資料の中から「ヒトラーの言動」や、アウシュビッツの建物の構造や、その周辺の様子まですべて細かく調べて、一つ一つ丁寧に「ホロコーストはあった」という証明をしていく。

たとえ、デヴィッドがもっともらしい嘘をついていても「証拠」はその嘘を見破ってしまう。

デボラの弁護団の質問に、次第にしどろもどろになっていくデヴィッドを見ていると胸がスッとした。



そんな裁判を通して学んだのは、日頃からの「ニュースの読み方」だった。



この映画のデヴィッドのように強い調子で「ホロコーストはなかった」なんて言われると、そのショッキングな見出しに、一瞬でも自分の常識を疑ってしまう。

しかし、そこでいったん立ち止まって「証拠はどこにあるのか」を考える時間を作るべきなのである。



もしも、記事の中に書かれていることが全て「推測」なのだとしたら、それは「真実」ではない

インタビューの内容も、本人のものでなく「関係者の言葉」なのだとしたら、ますます怪しい。

そんな「証拠のない」記事はフェイク・ニュース認定して信じない



SNSが発達したことで、誰もが発言できる時代になり、はじめは小さな噂話が、後々立派なフェイク・ニュースになることだってある。

誰かを陥れたり、批判したりすることは誰にでもできるし、とても簡単なこと。

だからこそ、これからはそういうフェイクに惑わされない「記事を読む目」を養うことが必要なんだろうと思う。



それにしても、真実がデヴィッドを打ち負かしていく様子は、見ていてとても爽快だったし、胸がスッとした。

何よりも強いのは「証拠」である。

「証拠」だけが、真実を語ることができる


 ↓ デボラ・E・リップシュタット本人(右)とレイチェル・ワイズ(左)
否定と肯定6



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ジェームズ・フランコ主演の映画「パーフェクト・プラン」をWOWOWで観た。

アメリカのシカゴからロンドンへ移り住んだ夫婦が、ある出来事からマフィアに追われるようになってしまうクライムサスペンス。


満足度 評価】:★★★☆☆

つまらなかったわけではないけど、とても都合が良すぎるラストにちょっと納得がいかず、しらけちゃった。


「パーフェクト・プラン」予告編 動画

(原題:GOOD PEOPLE)




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キャスト&スタッフ


出演者


ケイト・ハドソン
…(「バーニング・オーシャン」、「ミッシング・ポイント」、「あの頃ペニーレインと」など)



〇サム・スプルエル

〇アンナ・フリエル


監督

〇 ヘンリク・ルーベン・ゲンツ


2013年製作 アメリカ、イギリス、デンマーク、スウェーデン 合作映画



あらすじ


トム(ジェームズ・フランコ)と、アナ(ケイト・ハドソン)の夫婦は、シカゴで事業に失敗し、心機一転ロンドンでやりなおそうと、新生活を始めたばかり。

しかし、家を買って、トムがリフォームをするつもりが、ローンが払えず、リフォームも遅々として進まない。

そんな時、アパートの階下に住むベンが大金を隠し持ったまま死んでいることに気付く。

警察も家宅捜索で気付かず、誰も取りに来る様子のないその大金をトムはローンの支払いに使ってしまう。

しかし、その「大金」は、ベンが仲間のジャックと共にナイトクラブを襲撃して盗んだものであり、その経営者であるカーン(オマール・シー)と、ジャックに娘を殺されたホールデン警部補(トム・ウィルキンソン)が血眼になって探しているものだった…。



パーフェクト・プラン



感想(ネタバレあり)


人間「金」が絡むと人が変わる


「どんなに親しい間柄でも、金の貸し借りはしてはいけないよ」と、両親に言われて育ってきた。

それは、人は、金、特に「大金」が絡むと、人が変わってしまい、どんなに親しい間柄でも、そこに亀裂が入ってしまうからで、それでも、もし金を貸すようなことがあれば、その時は金を捨てたものだと思えと言われてきた。

この映画「パーフェクト・プラン」では、とても人なんて殺せそうにもない、普通の人々、トムとアナの夫妻の元にマフィアの大金が転がり込んできたことで、自衛のために人を殺すことさえもいとわない人間になっていく姿を描いている。

そもそも、トムとアナがベンの金を見つけた時に、素直に「お金を見つけました」と警部補に話していれば、マフィアの抗争に巻きこまれることもなかったわけで、正に「金が人を変えた」話なんだなぁ。

もちろん、私がお金を見つけたら、そのまま持っていても罪悪感で死にそうなので、「持ち主が現れませんように~」と思いながら、警察に届けるな。



パーフェクト・プラン2



「黒い金」に群がる人々


まぁ、まぁ、もちろん、それでは物語にならないので、トムとアナは使いこんじゃうんだな。

すると、その「金」に群がってくる人たちが怖い。

ベンと共にナイトクラブを襲撃したジャック。

その「金」がジャックのものだと知っていて、ジャックに娘を殺された復讐のために利用したい警部補。

ジャックが襲ったナイトクラブを経営する富豪のフランス人カーン。

とまぁ、みんなそれぞれ、その金にいろいろな思いがあるわけで。

しかしだ。

私が思うに、その金はドラッグを売って儲けた黒い金だと分かっちゃいるけど、基本的にカーンのものだよねぇ??

だから、みんな、カーンに返すべきだよねぇ。

それなのに、カーンは蚊帳の外っていうのは、どういうことなんだろうねぇ。



パーフェクト・プラン3



どうにもトムとアナに都合の良過ぎる終わり方


今では、いろんな国の人間が出入りするロンドンでは、若い人たちをドラッグ中毒にさせて金を巻き上げるようなマフィアが横行しているってことが言いたいんだろうけど、それは問題提起っていうほど訴えかけてくるものはない。

しかしも、主人公のトムと、その奥さんのアナは、人の金を盗んで使いこんだ挙句、死闘が繰り広げられたにも関わらず大したケガもせず、しまいには、残りの金をいただいてしまうっていうのは、どういうことなんだろう。

そもそも、事業に失敗してロンドンに来たんだよねぇ。

トムは心機一転がんばると言ったわりに、就職もしないし、営業もしないで、仕事がくるのを待っているよねぇ。

さらには、棚からぼたもちとか、どんだけ都合いいのよ(笑)

その、主人公が無傷で生き残った上に、美味しい思いをするっていうのが、どうにもハリウッド的でがっかりしちゃったんだよね。

「とても良い人たち」が「大金」を手にして、人が変わってしまったなら、それなりの報いを受けるべきと思うの~。

結末が、どうにも能天気すぎて残念だ~。



パーフェクト・プラン4



素晴らしい俳優たちの共演作なのに…


主人公のトムを演じるのは、ジェームズ・フランコ

トムがちょっと頼りない感じがするのが、ジェームズ・フランコ的で良かったかな。

ジェームズ・フランコは、とても期待している俳優さんなので、もっと頑張って欲しい。

彼の中で一番有名なのは、「スパイダーマン」のハリー役。



トムの妻アナには、ケイト・ハドソン

私の思うケイト・ハドソンの良さというのは、突き抜けるような明るさだと思うんだけど、どうも、最近のケイト・ハドソンには、そこが感じられない。

本人としては、いつまでもロマコメ女優をやっていたくないという思いもあるのかもしれないけど、このアナという役はケイト・ハドソンじゃなくても良かった。

むしろ、もっと上手くやれる女優さんがいたんじゃないかと思ってしまうんだなぁ。

これ、例えばジェニファー・ローレンスが演じたりしたら、もっと面白かったかもとすら思ってしまう。

昔の、キラキラ輝くケイト・ハドソンに戻ってきて欲しいから、ちょっと辛めのコメントで。



そして、ロンドンが舞台だけにイギリスを代表して、警部補役にはトム・ウィルキンソン

この映画で一番安心して観られたベテラン俳優。



最後に、ナイトクラブを経営するフランス人の富豪カーンに、オマール・シー

いいね。彼は表情がとても良い。

ずっと観ていたい俳優さん。



パーフェクト・プラン5



んーー。ジェームズ・フランコケイト・ハドソンも好きな女優さんだからこそ観たんだけど、どうにも適当な終わり方にがっかり。

アメリカ映画ではよくある終わり方だねどね。

もう少し、シャープで切れ味のある映画を希望する!!





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ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の映画「スノーデン」を映画館で観た。

愛国者だった青年スノーデンが、ずば抜けたプログラミングのスキルを活かし、CIAやNSAで勤務するようになるが、そこでアメリカが世界中を監視している事実を知ってしまう。

実話の映画化。

満足度 評価】:★★★★☆

私が勉強不足のせいもあり、この映画の中で描かれてているスノーデンが私が知っているスノーデンとは全然違う人だったので、その事実の違いに驚きながら観ていた。

スノーデンの「普通じゃない」人生に最後まで引き込まれ、前のめりで見入ってしまった。

「スノーデン」予告編 動画

(原題:SNOWDEN)




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キャスト&スタッフ


出演者

ジョセフ・ゴードン=レヴィット
…(「インセプション」、「ザ・ウォーク」、「(500)日のサマー」、「リンカーン」など)

シェイリーン・ウッドリー
…(「ダイバージェント」、「きっと星のせいじゃない」など)

リス・エヴァンス
…(「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」「パイレーツ・ロック」、「ヒューマン・ネイチュア」)

ザカリー・クイント
…(「スター・トレック イントゥ・ダークネス」、「スター・トレック」など)

メリッサ・レオ
…(「ザ・ファイター」、「バーン・カントリー」など)

トム・ウィルキンソン
…(「否定と肯定」、「ゴーストライター」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」など)

スコット・イーストウッド
…(「スクランブル」、「スーサイド・スクワッド」、「デンジャラス・プラン 裏切りの国境線」)

ニコラス・ケイジ
…(「スパイダーマン:スパイダーバース」(声の出演)、「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」、「キック・アス」、「コンテンダー」、「ロード・オブ・ウォー」、「バーディ」など)

監督

〇オリバー・ストーン
…(「プラトーン」、「ウォール街」など)


スノーデン

あらすじ


エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、典型的な愛国者で、アメリカを守るために特殊部隊へ入隊を希望する程だった。

しかし、ケガをしたことでその夢も破れてしまう。

それでも、アメリカを守るために働きたいという気持ちに変わりはなく、CIAでの勤務を希望する。

すると、他の人よりもプログラミングの技術が遥かに優れていることが分かり、機密情報を扱う部署に赴任することになる。

そこで彼は、アメリカが世界中のEメール、通話記録、SNSを監視しているという事実を知ってしまう…。

スノーデン3


感想(ネタバレあり)


私の記憶の中では「ただのハッカー」だったスノーデン


以前、スノーデンという人がアメリカから追われているという話をニュースで見た記憶がある。

米国CIAの機密情報を持ち逃げしたスノーデンというハッカーが、その情報の一部を外部に公表してしまったため、米国から追われているという話だったと記憶している。

どちらかと言えば、映画「フィフス・エステート」で描かれていたウィキ・リークスのジュリアン・アサンジのようなイメージに近い。



そんな、スノーデンと言えばハッカーという、私の怪し気な記憶と共にこの映画を見始めた

はじまりは、ザカリー・クイント演じるガーディアン紙の記者がスノーデンにインタビューをする場面からだった。

フィフス・エステート」のアサンジも、やはり一番最初に情報をリークしたのがガーディアン紙だったので、さらに二人のイメージが被ってしまい、そうか、やっぱりスノーデンもアサンジと同じような人なんだなという思いが私の中で強くなっていた

ところが、映画を見続けていくと、スノーデンはハッカーではないし、アサンジとは明らかに違う人だということが徐々に分かっていった



かつてアサンジがガーディアン紙にリークした件があったから、スノーデンはガーディアン紙を信用し、情報をリークしたんだろう。

共通点はそこだけだった。

映画の後半部分では、なぜ私はスノーデンのことを元CIAのハッカーだと勘違いしたのか、その理由も明らかになっていった。



スノーデン4



極右の愛国者が左側へとスライドさせていったワケ


その後、スノーデン本人のことが分かってくるにつれビックリしたのは、もともとはスノーデンが愛国者だったことだった

それも、特殊部隊に入隊を希望する程の極右

スノーデン=米国の裏切り者というイメージが強かったから、これには驚きだった



では、そんな彼がなぜ、国を裏切るような人物へと変わっていったのか。

そんな彼の変貌には、恋人のリンゼイの存在がとても大きかったように思う。



二人が出会った時は、信条がスノーデンと正反対に位置するリベラルだったリンゼイ。

彼女から「国の行動に疑いを持つ」話を聞かされていたスノーデン

その彼女の存在が、彼を少しずつ左へとずらしていった。



そして、かつては極右だったスノーデンが、徐々に左へとスライドし、冷静かつ第三者的な立場になった時、国が行っている監視システムがおかしいということに気付き始める

もしも、「『Eメール、通話記録、SNS』の全てを監視している」と言われたら、それはどう考えてもおかしいよと思うかもしれない。



しかし、どんなことでもそうだけど、少し離れたところから見ている傍観者と、内側の人が見た景色は違って見えるもの。

外から見た人間が「あのシステムおかしいよ」と思っていることが、中の人からしたら、それがおかしく見えないということは多々あること。

そのシステムの中の人は、その「おかしい部分」が当たり前の常識だと信じて疑わず、なかなか外側から冷静な視点で立って考えることができないのだ。



スノーデンは、彼の立場から遠く離れた反対側にいるリンゼイに「傍観者」の位置にまで引っ張られていく。

そうして彼は全世界監視システム(PRISM)に疑問を持つようになり、世界にこれを暴露しようと考える。

(参考:その米国の監視システムについての詳しい説明はこちら → Wikipedia PRISM(監視プログラム)について



スノーデン2



「スノーデン容疑者」についてアメリカ政府がついた嘘


そして、スノーデンはガーディアン紙に情報をリークすることになった。

私はこの時、「このスノーデンの話だけを一方的に聞いていいのか?」と思った。

スノーデンの話だけでなく、政府側の言い訳も聞くべきではないかと思った。



人間の記憶は、自分の都合の良いように改ざんするようにできている

だから、スノーデンも自分を正しく見せるために、ちょっと大げさに言っていることもあるんじゃないのか?と思った。



そんな疑問が私の中で大きくなっていた時、とても調度良いタイミングで、当時の大統領だったオバマのホワイトハウスでのインタビューが流れた

エドワード・スノーデンは、CIAの情報を海外に持ち逃げしたハッカーである

と、オバマ元大統領が話している動画だった。



それは、私の記憶に刷り込まれたスノーデン像そのものだった

この時の発言については、後日、「ハッカー」だと言ったことは間違えだったとオバマ本人が認めている



私が知っているスノーデンは、アメリカ政府が自分たちに都合の良いように作り上げた「ハッカー」のスノーデンだった

元人権派の弁護士だったオバマ元大統領がスノーデンについて嘘をついている。

国を愛し、国を守るために働いてきたスノーデンを、ハッカーだと言っている…。



その政府の対応を見ると、自分たちに都合の悪いことが世界に知られることを1人の天才ハッカーのせいにして、もみ消そうとしているようにしか見えない…

すると、やはりスノーデンが言っていたことが正しかったのか…と思わざるを得なかった



スノーデン5



ドラマがドキュメンタリーかと錯覚する時


そして、映画の最後にはオリバー・ストーン監督なりの答えを用意していた。

「この話は、本当に全部本当なのか…」「映画だから、どこかフィクションの部分もあるんじゃないか…」という観客の疑問に答えるように、最後の最後にスノーデン本人が登場する

すると、彼本人の登場により、ここで映画はドラマだったものが、ドキュメンタリー映画のような雰囲気を帯びてくる



そして、スノーデン本人が、生の声で観客に語りかける。

そうすることで、「これは、スノーデン本人が観客に語りかけた真実である」とオリバー・ストーンは訴えたかったのだろう。



この時私は、スノーデンを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットが凄いなと思った。

映画の最初で彼がスノーデンを演じて登場してきた時に、「いつもと話し方が違うな」と思った。



恐らく、ちょうど1年前に見た彼の映画「ザ・ウォーク」がフランスなまりの英語だったから、余計にそう思ったのかもしれない。

その思いは、最後のシーンで納得した。

最後にジョセフ・ゴードン=レヴィットからスノーデンに入れ変わった時に、観客に違和感がないように最初から話し方をスノーデンに似せていたのだった。



これは凄いなと思った。

彼の演技が凄いからこそ、観客はこのドラマがまるでドキュメンタリーだったかのような錯覚をする。

オリバー・ストーンは、彼にそんな演技をさせてまで、この映画が真実であるということを訴えたかったんだろうなという熱い思いを感じた。






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ユアン・マクレガー主演の映画「ゴーストライター」をWOWOWで観た。

イギリス元首相の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライターが、元首相に関する疑惑について秘密を知ってしまい陰謀に巻き込まれていくサスペンス。


満足度 評価】:★★★★☆

予想とは全く違う展開をしたサスペンス映画だった。

しかし、その一つ一つをよくよく考えると、全てが結末に向かって収束していて、「アメリカ=悪」の構図が見えてくる。

それは、ロマン・ポランスキー監督だからこそ描ける世界だった。


「ゴーストライター」予告編 動画

(原題:The Ghost Writer)




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キャスト&スタッフ


出演者

ユアン・マクレガー
…(「プーと大人になった僕」、「T2 トレインスポッティング」、「美女と野獣」、「われらが背きし者」、「8月の家族たち」、「天使と悪魔」、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「スター・ウォーズ/エピソード2 クローンの攻撃」、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの逆襲」、「トレインスポッティング」など)

ピアース・ブロスナン
…(「さよなら、僕のマンハッタン」、「サバイバー」、「クーデター」、「幸せになるための5秒間」、「おとなのワケあり恋愛講座」、「スパイ・レジェンド」)

トム・ウィルキンソン
…(「否定と肯定」、「スノーデン」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」など)

〇キム・キャトラル

ティモシー・ハットン
…(「ゲティ家の身代金」、「将軍の娘/エリザベス・キャンベル」、ドラマシリーズ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」など)

ジョン・バーンサル
…(「ウインド・リバー」、「ベイビー・ドライバー」、「ザ・コンサルタント」、「We Are Your Friends ウィー アー ユア フレンズ」、「 ボーダーライン」、「ぼくと彼女とアールのさよなら」、「フューリー」、「リベンジ・マッチ」、ドラマシリーズ「デアデビル」、「パニッシャー」など)

〇オリヴィア・ウィリアムズ

監督・脚本

ロマン・ポランスキー
…(「告白小説、その結末」、「戦場のピアニスト」など)


2010年製作 フランス、イギリス、ドイツ合作映画



ゴーストライター



あらすじ


イギリスの元首相アラム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝を執筆するため、アメリカ東部の小さな島に滞在することになったゴーストライター(ユアン・マクレガー)。

元々は、ラングの側近がゴーストライターとして執筆していたが、泥酔して島へ向かうフェリーから転落して亡くなったのだという。

ラングが一時的に滞在している建物が仕事場となり、気難しいラングの妻・ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)や、秘書のアメリア(キム・キャトラル)が共に生活していた。

始めは気乗りがしなかったものの、締め切りが迫っていたため、仕事を始めたゴーストライターだったが、ラングの過去を調べているうちに、様々な謎が浮かび上がってくる…。



ゴーストライター2



感想(ネタばれあり)


先の展開が読めない、良く練られたサスペンス映画



ユアン・マクレガーが出てて、ロマン・ポランスキーが監督しているサスペンス映画か。

なにやら、面白そうだなぁという軽い気持ちで、この映画を観始めた。

しかし、映画を観進めていくと、先が読めず、最後には、思いもしない光景が広がっていた。

それぞれのシーンに、うまいこと伏線が引かれていて、少しずつそれを回収し、最後に全てがつながっていく。

思わず、うーーんと唸ってしまうサスペンス映画だった。



そして、後からよくよく考えてみれば、主人公がゴーストライターなのも、元首相と奥さんの出会いから、秘書の役割、側近たちがゴーストライターとして彼をスカウトした思惑まで、全てにキチンと意味がある。

しかし、それを、よくよく考えて観ていかないと、見落としてしまうし、この映画の面白さが分からない。

そんな、観客を試すような作りがニクイ作品でもあった。



最近のサスペンス映画は単純で物足りないと思う人にこそ、おススメの作品である。

そして、できれば、この感想は映画を観終わってから読んで欲しい



ゴーストライター3


アメリカは悪であるという大前提



最初から、元首相のラングという人は不思議な人だった。

イギリスの元首相なのに、アメリカで暮らしている

側近たちが言うには、「彼はアメリカで基金を設立していて、そのための活動をアメリカで行っているから」という理由だった。



その「なぜ、イギリスの元首相がアメリカに?」という疑問から物語はスタートし、

その後、「テロとの戦いで逮捕した容疑者を、首相の一存でCIAに引き渡し、拷問させた」という疑いがかけられ、ますますイギリスとアメリカの関係に疑いを持つようになる。



そこから見えてくるのは、アメリカは悪であるという大前提

もしも、アメリカが正しい行いをしていて、身柄の引き渡しをしていたなら、そんなに大騒ぎにならないはず。

ところが、国民感情として、「人権侵害をしているアメリカ」という大前提があるから、ラングは『殺人者』だと言われる羽目になる。

そもそも、なぜ、アメリカで起きている事件の容疑者を、イギリスがそんなに簡単に引き渡すのか。

容疑者の尋問は、イギリスでするべきだという国民たちの思い。



結局、ラングは国民のことよりも、アメリカの方が大事なんじゃないかと国民は疑うようになる



ゴーストライター4


アメリカの操り人形のつくり方



そのアメリカとイギリスの関係から見えてくるのは、『アメリカの操り人形と化しているイギリスの実態』である。

それは、ポランスキー監督によるイギリス批判である。

「911同時多発テロ」の捜査に協力し、英国軍をアフガニスタンに送り、容疑者は簡単にアメリカに引き渡し、その一方でイギリス国内で起きているテロは放置。

一体、イギリスはどこへ向いているのか

結局、イギリスはアメリカの操り人形なんじゃないかというのが、ポランスキーの考えなのだと思った。



では、「どのようにしてアメリカはイギリスを手なづけているのか

ここでは、アメリカがその「操り人形」をじっくりと育てている実態が徐々に明らかになっていく

CIAがラングの妻・ルースに近づいたのは、ルースが学生時代の頃だった。

そのルースはラングに目をつけ、彼を政党に誘い込む。

そして、彼を首相にするまで育て上げる。



ラングの何が良かったか。

それは演劇を学んでいた彼の「演説の上手さ」だった。

イデオロギーではなく、彼の演技の上手さが、彼を首相にした

というゴーストライターのセリフが映画の中にもあった。



アメリカの操り人形に考える脳は必要ない

大事なのは、国民をだませる説得力である。

そして、アメリカはラングを使えるだけ使って、いらなくなったら見事に切り捨てる

それが、アメリカのやり方だとポランスキー監督は主張する



ゴーストライター5


いつ消されても大丈夫なゴーストライター



そして、この物語の語り部として必要なのが、『ゴーストライター』だった

そもそも、ゴーストライターとはいないはずのものであり、表に出てきてはいけないもの。

首相の自叙伝を書いたのだとしたら、首相の影武者のような存在である。



つまり、その人の作家としての経歴があるとすれば、自叙伝が1万部売れようが、100万部売れようが、その経歴の中にゴーストライターとして書いた作品が著作として出てくることはない。

ということは、彼が不慮の事故で亡くなった場合、その事故の記事が新聞に載ったところで、「フリーライター死亡」と書かれ、彼の特に売れていない作品が代表作として掲載されるだけで、「首相の自叙伝」は一切出てこない。

誰も、彼と政府の関係を疑う者はいない



彼は、「もしも、不測の事態があった時に殺しても大丈夫な人材」であり、独身で、家族がいないということも幸いしていた。

関係者以外、彼が元首相のゴーストライターをやっていたことを知る者はいない。



スカウトマンたちは、そこまで綿密に計算した上でゴーストライターを雇っていたのだ。

しかも、そのことについて、妻のルースも、秘書のアメリアも全て承知している上で、出版記念パーティにゴーストライターを招待している

本当だったら、そこにいてはいけない人なのに、ゴーストライターも招待されて良い気になって出席している。



この物語の最初から最後まで、全てアメリカの仕組んだできごとだとしたら…。

なんとも恐ろしい話である。

そこには、アメリカやCIAに対する不信感がにじみ出ている



それもそのはず、ポランスキー監督はアメリカで淫行疑惑をかけられ現在も逃亡中で、アメリカに入国できないという彼自身の問題を抱えている

(参考:Wikipedia ロマン・ポランスキー

それゆえ、この作品には、彼自身のアメリカに対する恨みが随所に込められている。

ということで、この映画にはロマン・ポランスキーのかなり斜めから見たアメリカ批判や私怨が込められているけれども、上手く練られた陰謀を描いたサスペンス映画としても面白い作品だった。





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ローラ・リニー主演の映画「エミリー・ローズ」をWOWOWで観た。

悪魔に憑りつかれた大学生エミリー・ローズに悪魔祓いをした神父の実話を映画化。

満足度 評価】:★★★★☆

この映画が好きで、WOWOWでやっていたのを久しぶりに観た。

久しぶりに観てもやっぱり面白く、悪や悪魔についてじっくりと考えた作品だった。


「エミリー・ローズ」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:THE EXORCISM OF EMILY ROSE)



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キャスト&スタッフ


出演者

ローラ・リニー
…(「ハドソン川の奇跡」、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」、「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」、「エミリー・ローズ」、「ボビー・フィッシャーを探して」、ドラマシリーズ「オザークへようこそ」など)

トム・ウィルキンソン
…(「否定と肯定」、「ゴーストライター」、「スノーデン」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」など)

キャンベル・スコット
…(「リトル・ランナー」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ)

〇ジェニファー・カーペンター

監督

スコット・デリクソン
…(「ドクター・ストレンジ」、「NY心霊捜査官」、「地球が静止する日」など)

2005年製作 アメリカ映画


あらすじ


弁護士のエリン・ブルナー(ローラ・リニー)は、「悪魔祓いをして少女エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)を死なせた神父は有罪か」という事件を担当することになった。

早速、依頼人であるムーア神父(トム・ウィルキンソン)に接見し、悪魔に憑りつかれたエミリーの話を聞くが俄に信じられない。

一方で、対する検事側では医者に証人尋問し、「エミリー・ローズは悪魔に憑りつかれたのではなく、神経系統の病気だ」という路線で優位な立場となっていた。

しかし、事件を担当してしばらくすると、エリンの周りでも不思議なことが起こり始め…。

エミリー・ローズ


感想(ネタバレあり)


実際にあった「悪魔祓い」を映画化


1970年代のドイツ。

悪魔に憑りつかれた女子大生に悪魔祓いをし、その後、彼女が亡くなってしまった事件が実際にあったという。

この映画は、その実話を元に作られている。

とはいえ、この映画は悪魔払いよりも、儀式を行った神父の裁判に焦点をあてたものである。

私は、この悪魔祓いとか、悪魔が出てくる映画にすごく興味があって、この映画を観るのも何度目か…。

しかも、この映画は「実話」というのが、さらに興味深い。

エミリー・ローズの話には、どう考えても理解できない。想像もつかないような出来事が続く。

でも、だからこそ、悪魔の仕業なのかと思わずにはいられない。

その、「悪魔はやっぱりいるのか…」と思えてしまうところが、この映画の面白さなんだと思う。

しかし、この映画の良いところは、その人々の興味をひく「悪魔祓い」を話のメインにするのではなく、あった出来事を1つずつ冷静に分析するために、「裁判」を通して物語を語っているところだ。

そのおかげで、この「悪魔祓い」に関して、多方面からの視点で考えることができた。

エミリー・ローズ2


誰よりも入りやすい体をしていたエミリー・ローズ


それでは、なぜ、エミリー・ローズは悪魔に憑りつかれてしまったのか。

この映画の中で、精神世界の専門家は「彼女は多感症だ」と言っていた。

その時、感受性が強いということなのかなと思った。

普通に日常生活を送っていても、他の人より多くの情報を受信してしまう人。

だから、普通の人よりも悪魔が入りやすい体質をしていたのか。

そして、さらにエミリー・ローズ本人は、マリア様に助けを求めた際に

「あなたの体に悪魔を憑依させることで、より多くの人たちに悪魔の存在を知らせることになる。

あなたはそういう運命なのです」と言われたと言っていた。

実際、彼女のその預言は的中し、東の果ての日本に住んでいる私たちも、彼女の存在を知ることとなった。

エミリー・ローズ3


ヨーロッパとアジアの共通点


なるほどなぁ。

アジアでいえば、巫女さんなどのような立場の人は、それこそ、誰よりも感受性の鋭い人たちだったはず。

エミリー・ローズは誰よりも入りやすい人で、人々に悪の存在を知らしめるために、神はその行いを黙認していた…。

そう思うと、なんだか、ゾゾゾゾと背筋が寒くなるお話なのだ…。

また、アジアとの共通点で考えると、エミリー・ローズや弁護士のエリン、神父たちを悪魔が訪ねてきた時間が午前3時ピッタリ。

それも、日本でいう丑三つ時の時間と一致している…。

これは偶然なのか、それとも、やはり、リアルにその時間に彼らは私たちを訪ねてくるのか…。

これもまた、ちょっとドキドキする瞬間だった。

エミリー・ローズ4


神父が釈放されても、気分は釈然としない…


結局、悪魔祓いを行った神父は、有罪判決を受けるが刑期満了で、その場で自由の身となっていた。

「悪魔との闘いを裁判所で審判することはできない」

と、控訴も行わなかったという。

その裏にあるのは、もっと大きな悪だ。ということなのか。

私は時々、人間の常識を遥かに超えた事件が起きた時(例えば連続殺人犯や、大量虐殺など)、それは、人間の姿を借りた悪魔の仕業なのでは…と考えることがある。

そう考えた方が心が楽になるからなのか、そう信じたいだけなのか…自分でも分からない。

しかし、エミリー・ローズが名乗った悪魔の1人は「ヒトラー」と名乗ったという。

それならば、彼らの存在がなくならないのであれば、常に悪魔は私たちの近くで悪事をはたらく機会を待っているということなのかもしれない。

と思うと、最後に神父が釈放されたとしても、気分はなんだか釈然としない…。

いつまでも、悪も、悪事も、悲しい出来事もなくならないものなのか…。





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ジョージ・クルーニ主演の映画「フィクサー」を観た。

大手弁護士事務所で、もみ消し屋(フィクサー)として働く男を描く。

満足度 評価】:★★★★☆

以前にも観た映画だったけど、NHKのBSプレミアムで放送していたのを久しぶりに観てみた。

久しぶりに観ても、面白い映画だったなぁ~。

主人公がダメ男でその生き方について、考えながら見ていた。

法廷ものでありながら、そんな風に一人の男の生き方を通して観るという描き方が面白い映画だった。

「フィクサー」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:MICHAEL CLAYTON)




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あらすじ


大手弁護士事務所で勤続15年のマイケル(ジョージ・クルーニ)は、最近の仕事がもっぱらもみ消し屋(フィクサー)であることに焦りを感じていた。

ある時、同僚で大手企業の集団訴訟を担当していたアーサー(トム・ウィルキンソン)の奇行が発覚し、マイケルはアーサーの元へ向かうが・・・。

フィクサー

感想(ネタバレあり) 人生がうまいくかないのは、環境のせいではない。自分自身の問題。


人生がうまくいかない時って、つい周りの環境のせいにしていまうことがある。

会社が悪いとか、上司が悪いとか、家族が悪いとか。

でもたいてい、人生がうまくいかないのは、環境ではなく自分自身に問題がある。

酷い会社に勤めているのも、悪い上司の言いなりになっているのも、家族に足を引っ張られるのも、それを断ち切れない自分自身に責任がある。

この映画「フィクサー」を観て、そんなことを思った。

マイケルの人生がうまくいないのは、自分自身の仕事への姿勢の問題なんだ。

フィクサー5

何のために、その職業を選び、働いているのか。


マイケルは、大手法律事務所に所属する弁護士であり、勤続15年でありながら「もみ消し屋」としての仕事しか与えられていないことに、嫌気がさしているし、焦りもある。

そんな彼にとって、同僚のアーサーはパートナーという立場であり、大手企業の訴訟の担当もしていて、まさに理想の弁護士だ。

そこでマイケルは、なぜアーサーがそれ程の地位を築けたのかを考えず、自分の周りの環境が悪いと考える。

離婚するわ、弟に金をせびられるわ、会社には認められないと考えるわ。

しかし、同じ環境で育ちながら、立派に家庭も築いて、立派に刑事として働いているもう一人の弟がいる。

そう、環境が悪いのは、人生がうまくいかないことの言い訳にはならない。

問題は、マイケル自身の仕事への姿勢にあった。

フィクサー4

自分の人生の誤りに気付き、修正をする


この映画で、最も印象に残るシーンは、ラストで、ティルダ・スウィントン演じるカレンと、マイケルがホールで出くわすシーン。

マイケルがようやく自分の人生の誤りに気付き、修正をするシーンだ。

もう、いかにもテンパりまくったカレンと、余裕しゃくしゃくのマイケルの対比に緊迫感があって、見応えのあるシーンになっている。

出世街道を突き進むことしか頭に無かったカレンと、仕事を常に適当に考えていたマイケルの立場がここで見事に逆転する。

ちょっと、余裕のある微笑みを見せるマイケルがお見事だった。

初めて、仕事に対してガッツリと向き合ったマイケルは、頭を空っぽにするようにタクシーに乗り込む。

でも、きっと初めて仕事で充実感を感じた瞬間だったのではないだろうか。

そもそも、この映画の原題は「MICHAEL CLAYTON」であって、「フィクサー」ではない。

大手法律事務所のフィクサーではなく、マイケル・クライトンという人物を描く話である。

フィクサー3

アカデミー賞助演女優賞受賞作品


マイケルを演じるのはジョージ・クルーニ。

ミケランジェロ・プロジェクト」「ゼロ・グラビティ」「オーシャンズ」シリーズ等々。

この人は、ERの頃から、ちょっと情けないような人が良く似合う(笑)

今回も、お金にだらしない感じが良く似合っていた(笑)

そして、いきなり奇行に走る会社の同僚にはトム・ウィルキンソン。

否定と肯定」、「ゴーストライター」、「スノーデン」「グランド・ブタペスト・ホテル」「ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル」「ワルキューレ

いや、確かに、あんなにたくさんフランスパンを買うのは、奇行だと思う(笑)

そして、この作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得したのは、ティルダ・スウィントン。

あの脇汗から始まり、最後のテンパりまくった姿まで、確かにお見事。

オクジャ okja」「ドクター・ストレンジ」「コンスタンティン」など

監督は「ボーン・レガシー」のトニー・ギルロイ

それまで「ボーン・アイデンティティ」シリーズの脚本を書いていて、この映画が初監督作品。

初監督作品が評価が高かったからか、その後は名前をあまり聞かないけど、「フィクサー」はとにかく良かったので、今後に期待。

フィクサー2

誰にも間違えはある。そこからいかに修正するか


人って、道を間違えている時は、「あれ?間違ったかな??」と思いつつ、とりあえず、そのまま進んでしまうことがある。

間違えに気付いたなら、まずは、一旦立ち止まることが大切。

そこから元に戻って、スタートからやり直すことも大切だけど、もしも、正しい道へ出る近道があるのであれば、そっちへ進んだ方が良いこともあるよね。

私も、最近何かに迷った時は、最終地点を考えてから行動するようにしている。

マイケル・クライトンも、立ち止まって、考えて、多くの原告を救う道を選択する。

彼にとっては、それが、修正の第一歩。

きっと、その先の進むべき道が見えたんじゃないかなと思う。

フィクサー6



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トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」をWOWOWで観た


【満足度】:★★★☆☆

本当は「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」の予習で観ようと思って録画していたら、順番が逆転して復習になっちゃった(笑)

こちらも、とにかくアクションが楽しく、ストーリーも分かりやすくて、見やすい作品だった

「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」予告編 動画




「ミッション:インポッシブル」シリーズは、現在U-NEXT で配信中


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あらすじ

イーサン・ハント(トム・クルーズ「バリー・シール/アメリカをはめた男」、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」)率いるIMFチームがロシアのクレムリンで任務についている最中、爆発に遭遇

ロシア当局、アメリカ当局からイーサンたちIMFチームが爆破犯だと疑われ、IMFは解体

チームを存続させるためには、真の爆破犯である過激派のヘンドリクスを逮捕すること

そして、彼がクレムリンから盗んでいったロシア核爆弾の発射コードを奪い返さなければならなくなった

チームに、ベンジー(サイモン・ペッグ「しあわせはどこにある」「ミラクル・ニール」)とジェーン(ポーラ・パットン)に加え、ブラント(ジェレミー・レナー「ウインド・リバー」「メッセージ」「アベンジャーズ」「ザ・タウン」)が仲間入りし、ヘンドリクスがいるドバイへと向かうが・・・

映画「ミッションイン・ポッシブル ゴーストプロトコル」


感想(ネタバレあり)


トム・クルーズすげ~なぁ~って言ってたら、あっという間に終了の2時間


相変わらず、アクション満載が楽しいミッション:インポッシブル

「うわぁ~。トム・クルーズってスゲーなー」って言ってるうちに、2時間があっという間!

この人は、アスリートさんですかね?どうやったら、そんなアクションができるんですかね??(笑)

今回のミッションは「核戦争を阻止せよ」

まぁ、なんて分かりやすい(笑)

使い古されているし、冷戦が終わって、あまり信憑性のないネタになってしまったけど、もしも、過激派テロ組織がそのコードを手に入れたら・・・って切り口にしたら、まだイケるんだなぁと思いながら観てた

映画「ミッションイン・ポッシブル ゴーストプロトコル」トム・クルーズ


ドバイにて、超高層ビルよじ登りの、上からダイビングからの中東名物砂嵐


とはいえ、なんと言っても、目玉は世界中の観光都市で繰り広げられるアクションシーンの数々

中でも、私の心に一番印象に残っているシーンは、ドバイの超高層ビルでジャンプからの砂嵐までのアクションシーン

ビルの警報とか、監視システムを解除するために地上130階にあるサーバールームに ”外から” 侵入しなきゃいけなくなったイーサン
(そもそも、常に室温を低温に保たなきゃいけないサーバールームを直射日光の当たる130階に置くっておかしいけどww)

入る時はガラス張りのビルを外からよじ登り&帰る時は消火ホースを体に巻き付けてジャンピング Σ( ̄ロ ̄|||)

ジャンプした瞬間に、「もうやめてーーーー」って言っちゃったよねww

さらに、その後は、中東名物の砂嵐に襲われるという怒涛のアクションの連発

ドバイの景色も美しかったし、ここのシーンが一番楽しかったなぁ

映画「ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル」


そういえば、イーサン結婚してたよね&新メンバー ブラント加入


そして、今回は、前回「m:i:Ⅲ」でイーサンが結婚した奥さんジュリア(ミシェル・モナハン(「パトリオット・デイ」「イーグル・アイ」))と別れなければいけなくなった事情と、ブラントが新規加入したいきさつも描かれている

やっぱりさぁ、イーサン・ハントは独身じゃないとダメだよねぇ(笑)

派手なスパイアクションには、お色気が鉄板

愛し合いながらも、分かれることになって正解だね(笑)

そして、この後の「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」でも活躍するブラントが加入した理由が明らかに

私はローグネイションの方を先に観てしまったので、ブラントが何者なのかイマイチ分かって無かったけど、今回のことでイロイロ納得

ここの部分だけは、ローグネイションよりも、先にゴースト・プロトコルを観ておけば良かったと後悔

しかし、この「ミッション:インポッシブル シリーズ」を初めて観た人でも、そんなメンバーたちの事情を知らなくても、楽しめるっていうのが、この映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の良いところだね

映画「ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル」トム・クルーズ、ジェレミー・レナー


監督はピクサーアニメの人だってことにビックリ


意外なのが、この「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を監督したのが、「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」のブラット・バードだったこと

それまで、アニメの監督しかしてなかった人が異例の大抜擢

この「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の後に、「トゥモローランド」を監督

実写もアニメも両方こなせる人ってなかなかいないので、面白い

映画「ミッション・インポッシブル ゴーストプロトコル」トム・クルーズ


細かいところを気にせず、思い切りアクションを楽しめちゃうのが、この映画の良いところ

「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」を観た人も、そうでない人も、細かいことは気にせず楽しんで観て欲しい一本


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グランド・ブタペスト・ホテル 面白かったなぁ~

ある富豪の老婦人が亡くなって、彼女と親しくしていたホテルのコンシェルジュが彼女の殺人犯と疑われ

その疑惑を解きながら、警察から追われる身になるお話

【満足度】:★★★★☆

というと、サスペンスみたいに聞こえるけど、サスペンスではなく、コメディ

「グランド・ブダペスト・ホテル」予告編 動画

(原題:The Grand Budapest Hotel)



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感想(ネタバレあり)全てのシーンが絵のように美しい


これ、何がステキかというと、まず、映像がものすごく綺麗

ワンシーン、ワンシーンが絵本から飛び出してきたみたいに綺麗なの

車の色が、黄色、ピンク、水色ですごくかわいかったり

ロープウェイが、白と水色のツートンカラーですごくかわいかったり

映像を見ていて飽きない

グランド・ブタペスト・ホテル

隅から隅までキャスティングがすごく豪華


次に、キャスティングがすごく豪華

レイフ・ファインズ(「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(声の出演))、ジュード・ロウ、エドワード・ノートン、ウィレム・デフォー、エイドリアン・ブロディ(「心霊ドクターと消された記憶」)、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ハーベイ・カイテル(「贖罪の街」「リオ、アイラブユー」「グランド・フィナーレ」)・・・

みんな、一人で主役の映画を一本撮れる人ばっかり

そんな人たちが、次から次へと出てきて、楽しいお芝居やってくれるから、

途中から、ストーリーがどうでもよくなってきて(笑)

サスペンスのはずなのに、ほんわかとした雰囲気が楽しい


ストーリーがどうでもよくなってきたころ、

お話がまぁるく収まってきたから、もういいかなぁって思ったりして

それでも、時には、物事の本質をつくようなことが起きたり

残酷なことが起きたりしても、それでも、世の中、これで良いのかなぁ~

って思ってしまうから、とても不思議


ただし、残念ながら、その豪華俳優陣の顔ぶれと、その良さにピンと来ない人は、

この映画には向いていないかも

楽しさも半減しちゃいます

ハーベイ・カイテルが、ちょっと年をとっても体が入れ墨だらけだったり

ウィレム・デフォーが、そこにいるだけで怖かったり

F・マーリー・エイブラハムが、まるでアマデウスのことを語るようにグスタブのことを語る姿を見て

うわーーーすげーなーって思えないと楽しくないかも

でも、逆に、それすげーなーって思える人には楽しい映画なんです

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