ブノワ・ポールヴ―ルド主演の映画「チャップリンからの贈り物」をWOWOWで観た。

1978年スイスで実際に起きたチャップリンの遺体盗難事件をコメディタッチで描く。

【満足度 評価】:★★★★☆

チャップリンが愛し、映画の中で描いてきた貧しく町の片隅で生きる市井の人々。

彼らが救われる姿に心が温かくなる映画だった。好きだなぁ。この映画。


出演:ブノワ・ポールヴ―ルド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ、ピーター・コヨーテ

監督:グザヴィエ・ボーヴォワ 2014年製作 フランス映画

「チャップリンからの贈り物」予告編 動画

(原題:LA RANCON DE LA GLOIRE / 英題:THE PRICE OF FAME)




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あらすじ


1978年のスイス。

出所したばかりのエディ(ブノワ・ポールヴ―ルド)を迎えに行ったのは親友のオスマン(ロシュディ・ゼム)。

エディは、オスマンの家に居候しているが、オスマンには小学生の子供がいて、妻は病気で入院している。

妻には手術を受けさせたいが、移民で保険に入っていないオスマンには手術費用が高すぎる。

その時、世界を騒がせたのは、喜劇王のチャップリンが亡くなったという悲しいお知らせだった。

チャップリンのご遺体は晩年を過ごしたスイスに埋葬されるという。

そこで、働かずにオスマンの家に居候していたエディが思いついたのは、とんでもない儲け話だった…。


チャップリンからの贈り物

感想(ネタバレあり) 主人公はちょっと残念な移民の二人組


主人公は2人の中年男。

1人はベルギーからスイスにやってきた移民のエディ。

彼は出所したばかりで、親友のオスマンを頼り、彼の家に居候しているが、どうやら働こうという意志が感じられない。

その親友のオスマンもアルジェリアからやってきた移民。

彼には妻と娘が1人いるが、妻は病気で入院している。

妻に手術を受けさせたいが、移民の彼らは保険に入っておらず、高額の手術代を払うことができない。

エディもオスマンも貧しさから抜け出せず、オスマンは毎日肉体労働をしながら暮らしている。


チャップリンからの贈り物2

どうしようもない彼らがどうにも憎めない


そこで、エディが思いついたのは「チャップリンのご遺体の誘拐」だった。

ちょっとご遺体をお借りして、お金持ちの遺族からお金をいただこうという話だった。

もう、ここまでくると、「こいつら(特にエディ)どうしようもないな」って思った。

そんなことに熱心になる時間があるんだったら、働きなよ!!そう思った。

そんなことして、オスマンが刑務所に行ったら奥さんや、娘はどうするの??

でも、そんなどうしようもない彼らがどうにも憎めない。

遺族たちと身代金の交渉するのも下手くそで、どう考えてもうまくいかないのに、絶対に成功すると信じて疑わない。

あぁやれやれだよ。

そんなエディとオスマンのやりとりに笑わされながら観ていた。

チャップリンからの贈り物3

チャップリンの遺族の反応にビックリ


ところがだ。

さすがに、世界の喜劇王チャップリンの遺族は、普通の人と考え方が遥かに違っていた。

穴だらけの「誘拐計画」ゆえに、身代金を得ることがないまま逮捕されてしまったエディとオスマン。

しかし、チャップリンの遺族たちは彼らを起訴しなかった。

それどころか、オスマンの奥さんの手術費用まで払ってくれたという。

(その後、オスマンは長い間をかけて返すと言っていたけど)

そのおかげで、エディとオスマンは刑務所に入らずに済んだのだ。

チャップリンからの贈り物4

もしもチャップリンが生きていたら、彼らに何んと声をかけただろうか


そして、ここでようやく気付く。

「このエディとオスマンこそが、チャップリンがこよなく愛し、映画のテーマにしてきた貧しくも良心的な市井の人々なんだ」と。

そんな人たちを訴え、賠償金を得ることなどできない。

むしろ、彼らを助けてあげなければいけない。

もしも、チャップリンが生きていたら、そう考えたのではないかという結末が最後に待っていた。

もう、私はこの結末にやられてしまった。

なんと人間愛に溢れ、心が温かくなる話なのかと。

さらに、サーカスを好きになり、「あなたもやってみない?」と言われたことがきっかけで道化をするようになったエディ。

ライムライトの音楽が流れながら、ステージの幕が開くラストシーンがとても印象的だった。

あぁ、なんて素晴らしい映画なんだろう。そう思った。



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