ミス・ペレグリンと特殊能力を持った子供たちが暮らす屋敷を訪れたジェイクの冒険を描く。
【満足度 評価】:★★★★☆
「人と違うことは素晴らしいこと」という、この映画からあふれ出るメッセージが良い
私も自分で気付いていないところに人とは違う特殊な才能があるんじゃないか??と勝手に妄想し、なんだか奇妙なこどもたちの仲間になった気分でワクワクしながら観た。
「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」予告編 動画
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キャスト&スタッフ
出演者
〇エヴァ・グリーン…(「ダンボ」、「告白小説、その結末」、「キングダム・オブ・ヘブン」など)
〇エイサ・バターフィールド
…(「僕と世界の方程式」、「エンダーのゲーム」など)
〇サミュエル・L・ジャクソン
…(「ヘイトフル・エイト」、「キングスマン」、「ビッグ・ゲーム」、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、「キャプテン・アメリカ ウインター・ソルジャー」、「ロボコップ」、「ダウト・ゲーム」、「ターザン:REBORN」、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」など)
〇エラ・パーネル
〇ジュディ・デンチ
…(「ヴィクトリア女王 最期の秘密」、「チューリップ・フィーバー」、「素敵なウソの恋まじない」、「007 スカイフォール」、「プライドと偏見」、「あなたを抱きしめる日まで」など)
〇ルパート・エヴェレット
…(「ベスト・フレンズ・ウェディング」など)
〇テレンス・スタンプ
…(「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」、「アジャストメント」、「ワルキューレ」、「プリシラ」など)
監督
〇ティム・バートン…(「ダンボ」 など)
2016年製作 アメリカ映画

あらすじ
フロリダに住む高校生のジェイク(エイサ・バターフィールド)は、おじいちゃんのエイブ(テレンス・スタンプ)が何者かによって殺された現場に遭遇してしまう。
ショッキングな現場を目撃してしまったジェイクは精神科医からエイブに昔から聞かされていた場所へ行ってみることを勧められる。
そこは、ミス・ペレグリンと特殊な能力を持った子供たちが暮らす館で、ウェールズ地方にあるという…。

感想(ネタバレあり)
永遠に1943年を生きる特殊な能力を持った子供たち
人とはちょっと違った特殊な能力を持った子供たちのちょっとダークなファンタジー映画。
彼らは風船みたいに空中に浮かぶことができたり、触ったものに火をつけることができたり、人形に命を吹き込むことができたり、怪力の持ち主だったりする。
しかし、世間の人たちからは「異能者」として気味悪がられたために、1943年のウェールズにあるミス・ペレグリンの館で普通の人たちとは違う次元で生活していた。
彼らの世界は、永遠に1943年のミス・ペレグリンの館にあった。
永遠に同じ時間の同じ場所で生き続けるって発想が面白い。
ところが、彼らの命を狙う悪者のため、その永遠の1943年も終わりを迎えようとしていた…。
それは、彼ら異能者たちの目玉を食べると永遠の命を得ることができると信じているバロンだった。
バロンが引き連れる怪物のホローは、異能者たちには見えない。
だから気付かぬうちにホローに襲われ、目玉を取られてしまう。
主人公のジェイクの特殊能力はそのホローが見えることだった。
それは、彼がおじいちゃんから受け継いだものだった。
果たして、ジェイクはその能力で、ミス・ペレグリンと子供たちを救うことができるのか。
それが、この物語である。

特殊な能力はあっても、内向的で繊細な子供たち
最初、この映画を観始めた時に思ったのは「X-MEN」だった。
「X-MEN」もまた、プロフェッサーXと特殊能力を持った子どもたちの物語だ。
人間たちと暮らすと気味悪がられてしまう子供たちをプロフェッサーXが学園で保護しているというところまで似ている。
しかし、X-MENは人類を悪から救うために闘っているが、ミス・ペレグリンの子供たちはそんなことはしない。
もっと内向的で繊細で控えめだ。
人目に触れないようにひっそりと暮らし、自分たちだけの空間でのびのびと平和に暮らしている。
人類を救おうなんて大それたことは考えていない。
そのちょっと暗めでダークな雰囲気が、まさにティム・バートンの世界観だなと思った。
ティム・バートンの監督作「シザー・ハンズ」の中で、人気者になったシザー・ハンズが、その頂点で急に周りの人たちから気味悪がられてしまい、自分の居場所がなくなり、元いた屋敷に帰っていったように、この子供たちも「自分の居場所」を心得ている。
普通の人たちには理解してもらえないから、自分たちだけでひっそりと助け合って暮らしていこう。
そんな、ちょっと自虐的で繊細なところがこの映画の切なさであり、魅力でもある。

人と違うところを誇りにする生き方
しかし、そんな「内向的な」彼らだからこそ、見ていて楽しくなる映画だった。
いかにも薄気味悪いバロンとその仲間たちから、力を合わせて身を守ろうとする姿は自然と応援したくなる。
「X-MEN」は応援するというよりも、こちらが守ってほしくなる存在。
この子たちは、逆に守ってあげたくなる存在だ。
また、彼らの仲の良さ、日々の楽しさがなんだか羨ましかった。
私もジェイクのように人とは違う特殊な能力があって、いつか気付く時が来て、彼らの仲間になれるんじゃないかと思った。
そして、そう思ったらちょっとワクワクした。
「きっと誰にでも人と違う才能があり、それはとても素晴らしいことなんだ」とティム・バートンは言いたかったんだと思う。
人よりちょっと手が長過ぎるとか、口が大きすぎたり、鼻が小さすぎたりすることがその人のコンプレックスになりがちだけれども、むしろそれはその人だけが持つチャームポイント。
そんなティム・バートンの視線は、いつも優しくて温かい。
それこそが、子供の頃はいつもクラスの片隅で絵を描いて暮らしていた根暗なオタクのティム・バートンだけが持つ、特有の優しさなんだと思う。
ティム・バートンもまた奇妙な子供たちだったんだろうなと思う。

「異質な者」も同じ空間で生きられるのが理想的な世界
なぜ、舞台が1943年なんだろう。
この頃の世界は第二次大戦中であり、ナチスによるユダヤ人への迫害が起きていた時代だ。
どんなに素晴らしい才能があっても、ユダヤ人というだけで殺されてしまった人たちがたくさんいた時代。
奇しくも、ミス・ペレグリンの館を破壊したのもドイツ軍の爆弾だった。
この映画で「人とは違うこと」とは、マイノリティのことを象徴している。
LGBTや人種やセクシャリティなどの「異質な者(マイノリティ)」に対して寛容ではない人々が増えている現代だからこそ、彼らを通して人とは違うことの素晴らしさを訴えかけている。
ナチスドイツがヨーロッパを支配しようとしていた頃、多くのユダヤ人やロマ族の人々、ゲイの人々が虐殺されていた。
それはヨーロッパで最も不寛容な時代だった。
ところが現在のヨーロッパ。
今度は、移民を排斥しようとしている動きが起きている。
1943年という舞台設定は、この時代へと逆行しようとしている現代の風潮を皮肉っているのかもしれない。
ティム・バートンは、彼ら一人一人の持つユニークな才能にもっと気付いて欲しいと訴える。
そして「あなたにもきっと、人とは違う素晴らしい才能があるに違いない」と語りかける。
「自分たちとは違うから」という理由で才能ある人を排除するということは、その国から貴重な人材がなくなっていくことに等しい。
この映画の最後で、「自分が唯一無二の存在であること」に気付いたジェイクが、様々なループを乗り越え、エマの元へと走っていった姿に思わず感動し、涙が溢れてしまった。
むしろそんなことをしなくても、「異質な人」もそうでない人も同じ空間で共存できることが最も望ましい姿であり、それが、現代に求められる多様性(ダイバーシティ)の世界なのである。
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