とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:フィリップ・ファラルドー



リーヴ・シュレイバー主演の映画「チャック~“ロッキー”になった男~」をWOWOWで観た。

映画「ロッキー」のモデルとなったボクサー チャック・ウェプナーの実話を映画化。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放映する「WOWOWジャンパンプレミア」のうちの一本。


満足度 評価】:★★★☆☆

「ロッキー」のモデルになったと言われると、とても華やかな印象を受けるけれど、実際のチャックはとても荒んだ生活を送っていて、その姿は映画の中の「ロッキー」とは、明と暗ほどに違った人生を送っていたのがとても印象的だった。

やはり、映画のような人生は理想でしかないのか。


「チャック~”ロッキー”になった男~」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:The Bleeder(Chuck))




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キャスト&スタッフ


出演者

リーヴ・シュレイバー
…(「スパイダーマン:スパイダーバース」(声の出演)、「犬ヶ島」、「スポットライト 世紀のスクープ」、「ディファイアンス」「ジゴロ・イン・ニューヨーク」「フィフス・ウェイブ」「ソルト」など)

エリザベス・モス
…(「ザ・スクエア 思いやりの聖域」など)

ナオミ・ワッツ
…(「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」「ヴィンセントが教えてくれたこと」、「追憶の森」、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「21g」、「キング・コング」)

ロン・パールマン
…(「ポーカーナイト 監禁脱出」など)

〇マイケル・ラパポート


監督

フィリップ・ファラルドー
…(「グッド・ライ~一番優しい嘘~」など)



2016年製作 アメリカ映画



チャック_ロッキーになった男



あらすじ


ヘビー級のボクサー チャック・ウェプナー(リーヴ・シュレイバー)は、ある日世界チャンピオンになったモハメッド・アリから「防衛戦の相手」として指名される。

モハメッド・アリは白人の対戦相手を探していて、その当時はチャックが白人の中で一番上位にいたのだ。

喜んでその指名を受けたチャックは「すぐにKOされる」という大方の予想を裏切り、15R戦い抜き惜しくもTKOで負けてしまう。

しかし、チャックが最後まで戦い抜いたという健闘は話題になり、ハリウッドのシルベスター・スタローンがチャックをモデルに脚本を書いたと言われ…。



チャック_ロッキーになった男5



感想(ネタバレあり)


モハメッド・アリと対戦し、一躍、時の人となったチャック・ウェプナー



映画「ロッキー」が製作されたのは1976年

私が一番最初に見たのは中学生ぐらいだったと思う。

リアルタイムで観た記憶はなく、テレビで放送していたのか、レンタルビデオで借りてきたのかだったと思う。



試合を終えたロッキーのあの有名な「エイドリアーーーン!」のセリフに感動し、私もエイドリアンのように「誰かを支える人になりたい」と中学生の私は思ったものだった。

しかし、理想と現実はかけ離れたもので、大人になった私はエイドリアンとは程遠い生活をしている(笑)



その「ロッキー」には、モデルとなった人がいたという。

それは、この映画を観て初めて知った。

もしくは、そう聞いたことがあるかもしれないけど、忘れてしまっただけかもしれない。



そのモデルとなった人物は、チャック・ウェプナー

彼はベビー級のボクサーである。



それほど有名な選手ではなかったのだが、ある時、世界チャンピオンになったモハメド・アリから「対戦相手に」とオファーがくる

モハメド・アリはチャンピオン防衛戦として、白人のボクサーを考えていた

その中で、チャックは当時白人の中でランキングトップにいたため、アリからオファーを受けることになったのだ。



チャックは、そのオファーを受けた時「どうせ、すぐにKOされる」と言われながら、第9Rではダウンを奪い、15Rフルで戦うも、TKOで負けてしまう

しかし、最後まで戦い抜いたことが高く評価されて話題になり、その試合をテレビで観ていたスタローンが「ロッキー」という脚本を書く

当時、チャックはボクシングだけでは妻子を養うことができないので、酒造メーカーの営業をしながらの生活だった。

そして、スタローンも当時は無名の俳優で、映画のオーディションを受けるも落ちまくる日々だったことから、チャックの姿に時分を重ね合わせ、脚本を書き上げたのだという。

(詳しくは → Wikipedia「ロッキー(映画)」



チャック_ロッキーになった男4


「ロッキー」とは真逆の人生をたどるチャック



無名の俳優だったスタローンが主演だったにも関わらず、「ロッキー」は大ヒット。

作品の評価も高く、アカデミー賞 作品賞、監督賞を受賞する。

スタローンはその成功によりスターの仲間入りを果たし、現在に至る



その「ロッキー」の成功により、チャックもまた注目を浴びる

パーティ三昧に明け暮れ、家族とも疎遠になった末、ドラッグに手を出してしまう。

ボクシングからも遠ざかり、クマと対戦するような「見世物」へとなり下がる。



その時、意外にもチャックに手を差し伸べたのはスタローンだった

「ロッキー」によって成功したスタローンは、チャックに「ロッキー2」に出演して欲しいとオファーする。

ところが、チャック本人がオーディションに大幅に遅刻し、ろくに演技もできず、スタローンからのサポートがあったにもかかわらず、その話はご破算になってしまう。



残念ながら、チャックは「ロッキー」によってつかんだ栄光とチャンスを「ドラッグ」によって簡単に手放してしまったのである。

そして、警察のおとり捜査に引っかかったチャックは、ドラッグディーラーとして逮捕され、刑務所に入れられてしまう。



ハリウッド映画に描かれている「ロッキー」は、世界チャンピオンのアポロと戦ったことで栄光の階段を上り始めるが、そのモデルのチャックは、真逆の人生をたどり、そこから転落していったのだった。



チャック_ロッキーになった男3


転落のきっかけは自分自身を見失ったこと



チャックも決してチャンスがなかったわけでない

「モハメド・アリからダウンを取った」ことに自信を持って練習に励めば、ボクサーとしてさらに活躍できるチャンスが広がったかもしれない。

スタローンだって、それまで面識がなかったチャックをハリウッドに呼んでオーディションまでセッティングしている。

(この映画を観ていると、スタローンはすごくいい人だとわかる)



それらのチャンスを失ってしまったのは「自分はスターだ」という過信からだった。

確かに、「ロッキー」が大ヒットした時は多くの人たちがチャックに注目して、みんなが「チャックは実はすごいボクサーだった」んだと思った。

けれど、そうやってチヤホヤされているうちに、自分を見失ってしまう

自分がボクサーであることを忘れ、家族がいることすら忘れてしまう。



チャックから大切なものを奪っていったのは「ドラッグ」だった

「ドラッグ」をやめることができない意志の弱さが、チャックの人生を転落させていった。



そんなチャックの目を覚ませる唯一の存在が、ナオミ・ワッツ演じるリンダだった。

彼女はチャックをスター扱いせず、チャックのダメなところも見抜いていた。

そんな彼女に会って、ようやくドラッグをやめようと思った矢先に逮捕されてしまったのだ。



チャックにとってのエイドリアンは妻のフィルではなく、リンダだったと思う。

そうして、ボクシングも家族も栄光もすべて失ってしまったチャックは、リンダと新しい人生を歩み始めるのだ。



チャック_ロッキーになった男2


「運命の瞬間」を確実に次につなげていくために



映画には、たくさんの夢がつまっている

そこに描かれる様々な人生を見ながら、「あんな風になれたらいいな」とか、「あんな人生を送りたいな」と思い、明日への糧にし、再び前を向いて歩き始める。

だから、私は明日の自分のために毎日のように映画を観るのだ。



しかし、現実は映画のようにはうまくいかないものなのだ。

順風満帆に成功できる人などいない

時には足をふみはずし、間違いを起こし、失敗しながら前へと進む。



この映画のチャックと映画の中のロッキーとの違いを見れば、その理想と現実の違いがよくわかる

世界チャンピオンと戦って、彼の強い思いが国民に勇気を与えたところまではロッキーもチャックも一緒だった。

しかし、そこから成功するか転落するかの分岐点にあったのは「本人の意志の弱さ」だった。

「ドラッグをちょっと試してみたかった」という気のゆるみが、2回、3回と続いてしまう。



その「弱さ」が、のちのち全てを失ってしまうことになる。



そのチャックの挫折から私たちが学ぶべきことは、目の前にあることを一つずつ誠意を持って全力でこなすということ。

仕事にしても、家族や周りの人たちに対しても。

目の前にあることに誠意を失った瞬間、全てが壊れ去ってしまう。



チャックとは対照的に「ロッキー」の成功で大スターの仲間入りをし、いまだにスタローンが現役でいられるのは、その「誠実さ」にあったように思う。

「ロッキー」の成功を自分だけのものと思わず、チャックにも声をかけ、「ロッキー2」に出演して欲しいと言い、チャックが刑務所に入ったと聞くと、「ロック・アップ」の役作りと称して刑務所を訪問する。

もしも、「スター」という名声におぼれ目の前にあることに誠意を失っていたら、チャックを気にかけるようなことはしないだろうし、今の成功もなかったかもしれない。



「モハメッド・アリ VS チャック・ウェプナー」の一戦の日から、共に底辺でくすぶっていたスタローンとチャックの人生が動き出し、彼らの明暗を分けたというところに、この映画の面白さがあったと思う。

これはきっと、チャックだけの話ではなく、誰もがその「運命の瞬間」を持っていて、「そこからどう動くのか」が明暗を分けるのだと感じた。

常日頃から、周りの人たちに誠実に行動することが、成功の秘訣だと思った。



↓ Instagramでも映画のレビューを書いています(ときには映画以外の話もあります)







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リース・ウィザースプーン主演の映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」をWOWOWで観た。

スーダンの内戦で難民となった人たちが移民としてアメリカに渡り、社会に溶け込んでいく様子を描く。

【満足度】:★★★★☆

素晴らしい映画だった。

観て良かった!!!

毎日、ご飯を食べて、ぐっすり眠れることが、どれだけ幸せなことかとしみじみ実感した映画。


「グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~」予告編 動画

(原題:THE GOOD LIE)





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スーダン内戦のロストボーイズの物語

空から火の玉が・・・ (南スーダンのロストボーイズ 1987 - 2001)



あらすじ


アメリカのカンザスシティの職業安定所で働くキャリー(リース・ウィザースプーン)は、空港へアフリカから来た青年、マメール、ジェレマイア、ポールの3人を引き取りに行く。

キャリーの仕事は、彼らに仕事を紹介すること。

しかし、彼らは仕事をした経験もなく、電話すら知らない人たちだった…。


グッド・ライ

感想(ネタバレあり) 幸せな毎日に感謝


これ、本当に素晴らしい映画だったんだよね。

毎日、寝る場所があって、おいしくご飯を食べられるということがどれだけ幸せなことか。

それを実感できただけでも、感謝したい映画だった。

グッド・ライ5


内戦の戦火の中、逃げ惑う子供たちに胸が痛くなる


ここに登場するのは、3人の男の子。

彼らはスーダンの内戦で、命からがら難民キャンプへ逃げ、そこからアメリカへ渡ってきた移民たち。

この映画の前半、1時間ぐらいは、彼らがアフリカでどのように戦火の中難民キャンプまで運よく逃げることができたのかが描かれている。

これが、なかなか衝撃で。

頭の中で分かってはいるけど、実際に、小さな子供たちが逃げ惑う姿を見ていると心が痛くなるよね。

できることなら、テレビから彼らの前へ手を入れて、「いいから、こっちへおいで」って、こっちの世界へ引きこみたくなる。

いっぱい美味しいご飯を作ってあげて、お風呂に入れてあげて、ぐっすり眠らせてあげたい。

今、偶然、我が家には空き部屋があるので、そこを使えるんじゃないかとか、考えたよね。

しかし、そんな私の妄想をよそに、彼らは無事難民キャンプへと逃げ込むわけだけど、残念ながら、そこはゴールではない

難民キャンプへ無事にたどり着いてから、13年後、彼らはめでたくアメリカへ移民として渡れることになる。

グッド・ライ4

自分を犠牲にして彼らを思う気持ちに感動


この映画で、最も感動するのはアメリカへ渡ってからのこと。

もちろん、世の中いろんな人がいて、それぞれに理由がある。

だから、彼らに好意的ではない人たちもいる。

しかし、彼ら移民に対してともて親切な人たちの温かい心に、すごく感動した

本当は、すごく親切で優しいことをしているのに、それがまるで当たり前のことかのように振る舞うキャリーや、困っている彼らを察知して、その心に直接手を差し伸べるジャック。

アメリカという社会になかなか溶け込めない彼らに対し、親切な言葉をかけたり、優しくしてあげることは、誰でもできること。

彼らが本当に望んでいることを聞きだし、彼らのために、自分の生活すらも犠牲にすることができるのが、本当の優しさ

結局は、自宅すら彼らのために明け渡すことになったキャリーの深い優しさに心が温かくなった。

グッド・ライ6

出演者はオスカー女優のリース・ウィザースプーン


キャリーを演じるのは、リース・ウィザースプーン

あまり社会派のイメージが無い、元ロマコメの女王のキャスティングは、良い意味で私たちの期待を裏切り、しっかりと、田舎の普通のおばちゃんしてた。

しかし、意志が強く、頑固な感じは、いつものリース・ウィザースプーン健在。

さっきも書いたけど、すごく大変なことを、当たり前のようにするキャリーがすごく良かったねぇ。

他の出演作には、「デビルズ・ノット」、「わたしに会うまでの1600キロ」「ウォーク・ザ・ライン」、「キューティ・ブロンド」など

グッド・ライ2

実際にあったことを寄せ集めてできた物語


アメリカに「失われた子たち(ロストボーイズ)」と言われたスーダン内戦孤児のことを知った脚本家が、アメリカ国内を回って、1000人以上の孤児の話を聞いて、この映画の脚本ができあがったという。

ということは、この映画の中に、1000人以上の孤児たちの人生についての様々なエッセンスが詰め込まれている。

彼らが常に家族を思いやることも、アメリカの文化になかなか適応できないことも事実なら、親切なアメリカ人たちがいたことも、そうではない人たちがいたことも事実。

そんな様々な経験を乗り超えた人たちだから、最後にマメールのような立場になったら「良い嘘をついて、自分を犠牲にして人を助けるに違いない」そう思わせてくれる映画だった。

私も、いつか機会があれば、彼らのような境遇の人を助けるようなことがしたいなぁ。



グッド・ライ3



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スーダン内戦のロストボーイズの物語

空から火の玉が・・・ (南スーダンのロストボーイズ 1987 - 2001)





















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