ライアン・ゴズリング主演の「ブレードランナー 2049」をジャパンプレミアで観た。
前作「ブレードランナー」から30年たち、人間は絶滅の危機にあり、レプリカントに支配された世界を描く。
【満足度 評価】:★★★★☆
後半は、予想外に泣きながら観ていた。
美しいものを見て素晴らしいと思い、涙を流すという感情こそが人間の素晴らしさであることが、この映画を観ているとよく分かる。
そして、それを知ってさらに涙が溢れ出る。
この映画には、私たちがこの30年で失ってしまったものと、新しく作り出したもの、そして、そこから生まれる希望が描かれていた。
◆DVDで観る:「ブレードランナー 2049」(初回生産限定)
◆ネット配信で観る:「ブレードランナー 2049」 (字幕版)
◆シネマシンズ 「ブレードランナー 2049」 スピナー 6インチ ダイキャスト ビークル
◆The Art and Soul of Blade Runner 2049【洋書】
◆「ブレードランナー 2049」7インチ アクションフィギュア シリーズ1 2種セット
◆大特集「ブレードランナー2049」このカルトSF映画を観よ! FLIX special
…(「ファースト・マン」、「ナイスガイズ!」、「ラ・ラ・ランド」、「ドライヴ」、「きみに読む物語」など)
〇ハリソン・フォード
…(「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「アデライン、100年目の恋」、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「42 ~世界を変えた男~」、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」、「スター・ウォーズ/エピソード6 ジェダイの帰還」、「エアフォース・ワン」、「ブレードランナー」など)
〇アナ・デ・アルマス
…(「スクランブル」など)
〇シルヴィア・フークス
…(「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」、「鑑定士と顔のない依頼人」など)
〇ロビン・ライト
…(「ワンダーウーマン」、「フォレスト・ガンプ/一期一会」、「消されたヘッドライン」、「誰よりも狙われた男」、ドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など)
〇ジャレッド・レト
…(「スーサイド・スクワッド」など)
…(「メッセージ」、「ボーダーライン」、「プリズナーズ」など)
2017年製作 アメリカ映画

世界は人類絶滅の危機にあり、ウォレス(ジャレッド・レト)が開発した新型レプリカントに支配されようとししていた。
ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)は、旧型レプリカントを抹殺する仕事を請け負う中、ある一体のレプリカントが庭の土の中に埋めていた箱の中に、世界を覆すような秘密が隠されていたことが分かる。
その真相を知るため、僅かな手がかりを元に、Kは30年前のブレードランナー デッカード(ハリソン・フォード)の行方を追い始める…。

あらゆる無駄をそぎ落としていくと、本当に描きたいものだけが浮かび上がってくる。
セリフで説明しなくても、美しい景色と、役者の演技があればそれだけで伝えたい思いは十分伝わってくる。
この映画は、そういうタイプのとても洗練された作品だった。
そこに写されている映像を浴びるように堪能しながら、そこに込められた思いを受け取り、感じ取る。
そんな体験をした映画だった。
前作『ブレードランナー』から30年。
人間は絶滅の危機を迎えていた。
そんな中、ウォレス(ジャレッド・レト)が新型のレプリカントを開発し、世界はレプリカントに支配されようとしていた。
そこで、旧型のレプリカントが不要となり、ブレードランナーたちは旧型を抹殺する任務についていた。
主人公Kは、自身も新型レプリカントであり、ブレードランナーである。
仕事は、旧型レプリカントを探し出して始末すること。
しかし、彼は任務の途中でレプリカントと人間の関係を覆すような事実を知ってしまい、30年前に姿を消したブレードランナーのデッカードの行方を追い始める。
そこは、コンピューターの中の世界にとても似ている。
古いプログラムはパソコンの中に入れておいても不具合を起こすだけだから、一旦消去し、新しいバージョンをインストールする。
古いバージョンの方が機能が良かったのに…と思っても、もう古いバージョンには戻れない。
30年前にレプリカントが反乱を起こしたことで、全てのレプリカントは消去したはずだったのに、やはり、労働力が足りなくなったため、バージョンアップしたレプリカントを送り出す。
旧タイプレプリカントは、ウォレスでは制御できないため消去していく。
そして、新型レプリカントが世界を支配するようになると、彼らを生み出したウォレスは『自分こそが神』と勘違いするようになり、マッドサイエンティストと化していく。
その混沌とした世の中で、人間の素晴らしさを浮き彫りにしたのが、この『ブレードランナー 2049』だった。

世界を自分が生み出したレプリカントたちで満たし、神のような気分になっていたマッドサイエンティストのウォレスだったが、ここで大きく挫折する。
自分が作り出したレプリカントが、どうしても人間に近づけない機能があった。
しかし、30年以上も前に作られたレプリカントは、既に、その機能をクリアしていたことが分かる。
これは、古いものの中にも最新科学で表現できない素晴らしい機能があるという証である。
そこで考える。
旧バージョンが今の時代に合わず、不具合を起こすからといって、全て削除してしまうことは本当に正しいやり方なのか。
古いものの中にも新しいものよりも優れた部分があるのなら、古いものと新しいものを共存させることが進化への道なのではないか。
新型レプリカントたちは、誰かが作った記憶や感情、知識を植え付けられ、その範囲の中でしか物事を理解しない。
だから、過去に人間たちがこよなく愛した芸術に触れる機会もない。
廃墟となったラスベガス。
埃をかぶったルーレットにバカラやグランドピアノ。
誰も聞かなくなったプレスリーやマリリン・モンローにフランク・シナトラ。
レプリカントたちにとって不要となったものは、自然と廃れていってしまう。
それは、現代のデジタル世代に対する危機感でもある。
この映画の中で、デッカードがKに
「これは、俺の好きな曲だ」と言ったのは、プレスリーの「好きにならずにはいられない(Can't Help Falling in Love)」だった。
果たして、10代や20代の観客がそれを観て、どれだけの人が「あぁ。良い曲だよねぇ」と思うだろうか。
多くの人が、Kと同じように「ふーん。それ誰?」と思うだけなのではないだろうか。
この「ブレードランナー 2049」の中で起きていることは、決して未来の出来事ではない。
既に、私たちの身の回りで起きていることなのだ。
今の時代は、「保存」ではなく、「上書き」の時代である。
古き良きものを保存して後世に伝えるのではなく、古きものは削除して、新しいもので上書きをする。
そして、古い時代の良いものは少しずつ忘れ去られようとしている。
レプリカントよりも人間が優れているのは、芸術や自然の美しさを理解し、人間を愛したり憎んだりする感情である。
現代のデジタル時代は、その人間が持つ素晴らしい感情すらも捨て去ろうとしている。
2049年、今から30年後の未来は、デジタル世代の子供たちがこの世を支えることになる。
その時、私たちの周りにある素晴らしい芸術や自然のうちのどれだけが、この世に残されているのだろうか。
それは、果たして進化なのか衰退なのか…。

しかし、そんな人間にも未来への『希望』はある。
それは、デジタルと人間の『共存』である。
この映画の中では、アナ・ステラインが希望となる。
彼女は、デジタルとアナログが共存したニュータイプであり、幼い頃から多くの人たちに見守られ、感情豊かに育てられた。
大人になると、彼女の感情を生かし、「夢製造人」として働くことになる。
彼女を見て思うのは、子供たちを外敵から守り、自然の美しさや素晴らしさ、人間の感情の素晴らしさを教えて育てるべきということ。
人間が知るべき様々な感情を知った上で、デジタルを使いこなすべきであり、世の中にある素晴らしいものを知らないままデジタルの世界で生きると、レプリカントKのような絶望を味わうことになってしまう。
本来なら、全ての子供たちが両親にとって『特別な子』であり、『選ばれし子』である。
ところが、科学技術は自分の能力を過信させ、優れたスキルを持つ者は、『自分が特別な子』だと勘違いさせてしまう。
妻のジョイに「あなたは特別な人よ」と言われ続けたKは、自分が特別な人間だと勘違いするようになる。
しかし、それは、あらかじめジョイにプログラミングされていたものに過ぎなかった。
その事実はKを失望させる。
それが、レプリカントの限界なのだ。
そして、スキルや技術が優秀な者よりも、人を敬い、助ける者が素晴らしい人間であることをKは学ぶようになる。
世の中がデジタル世代になり、レプリカントのように人を簡単に殺す人間たちが出てくるのは、この「豊かな感情」欠けているからではないか。
彼らの創造主である、マッドサイエンティストのウォレス自身が、自分のことを神だと過信し、この「人を愛する・敬う」という感情が欠けているからこそ、彼が設計したレプリカントたちも、決定的な機能が欠落したまま生まれてくる。

そして、私たちは、前作の『ブレードランナー』から30年の間に何があったのかを知ることになる。
その間に世界には大停電が起き、全てがリセットされ、古き良きものは捨て去られ、新しいものが世界を満たしていく。
そうやって、バージョンアップを繰り返すうちに、古き良きものは忘れられていく。
それは今、私たちが生きている時代と変わらない。
私たちはこの30年の間に、どれだけの物を捨て、どれだけ新しいものを生み出しただろうか。
そして、その間にどれだけ素晴らしいものを失っただろうか。
世の中はデジタルになって便利になっても、人間の感情は衰退していくばかり。
かつて、デッカードの相棒だったガフが、30年間 折り紙を折り続けたように、私たちが後世に伝え続けるべきものがある。
映画・音楽・文学・芸術・自然。
私たちの希望は、それらの素晴らしいものたちと、デジタルを共存させていくところにある。
だから、この映画も、何年も語り継がれるべき映画なのである。
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◆ネット配信で観る:「ブレードランナー 2049」 (字幕版)
前作「ブレードランナー」から30年たち、人間は絶滅の危機にあり、レプリカントに支配された世界を描く。
【満足度 評価】:★★★★☆
後半は、予想外に泣きながら観ていた。
美しいものを見て素晴らしいと思い、涙を流すという感情こそが人間の素晴らしさであることが、この映画を観ているとよく分かる。
そして、それを知ってさらに涙が溢れ出る。
この映画には、私たちがこの30年で失ってしまったものと、新しく作り出したもの、そして、そこから生まれる希望が描かれていた。
「ブレードランナー 2049」予告編 動画
(原題:BLADE RUNNER 2049)更新履歴・販売情報
・2017 年10月27日 ジャパンプレミアで観た感想を掲載。
・2018年7月21日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。
現在、DVD、ネット配信、共に販売中。
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大特集「ブレードランナー2049」このカルトSF映画を観よ! FLIX special 新品価格 |

キャスト&スタッフ
出演者
〇ライアン・ゴズリング…(「ファースト・マン」、「ナイスガイズ!」、「ラ・ラ・ランド」、「ドライヴ」、「きみに読む物語」など)
〇ハリソン・フォード
…(「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「アデライン、100年目の恋」、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「42 ~世界を変えた男~」、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」、「スター・ウォーズ/エピソード6 ジェダイの帰還」、「エアフォース・ワン」、「ブレードランナー」など)
〇アナ・デ・アルマス
…(「スクランブル」など)
〇シルヴィア・フークス
…(「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」、「鑑定士と顔のない依頼人」など)
〇ロビン・ライト
…(「ワンダーウーマン」、「フォレスト・ガンプ/一期一会」、「消されたヘッドライン」、「誰よりも狙われた男」、ドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など)
〇ジャレッド・レト
…(「スーサイド・スクワッド」など)
監督
〇ドゥニ・ヴィルヌーヴ…(「メッセージ」、「ボーダーライン」、「プリズナーズ」など)
2017年製作 アメリカ映画

あらすじ
世界は人類絶滅の危機にあり、ウォレス(ジャレッド・レト)が開発した新型レプリカントに支配されようとししていた。
ブレードランナーのK(ライアン・ゴズリング)は、旧型レプリカントを抹殺する仕事を請け負う中、ある一体のレプリカントが庭の土の中に埋めていた箱の中に、世界を覆すような秘密が隠されていたことが分かる。
その真相を知るため、僅かな手がかりを元に、Kは30年前のブレードランナー デッカード(ハリソン・フォード)の行方を追い始める…。

感想(ネタばれあり)
古いもは全て消去し、バージョンアップしたものをインストールする時代
あらゆる無駄をそぎ落としていくと、本当に描きたいものだけが浮かび上がってくる。
セリフで説明しなくても、美しい景色と、役者の演技があればそれだけで伝えたい思いは十分伝わってくる。
この映画は、そういうタイプのとても洗練された作品だった。
そこに写されている映像を浴びるように堪能しながら、そこに込められた思いを受け取り、感じ取る。
そんな体験をした映画だった。
前作『ブレードランナー』から30年。
人間は絶滅の危機を迎えていた。
そんな中、ウォレス(ジャレッド・レト)が新型のレプリカントを開発し、世界はレプリカントに支配されようとしていた。
そこで、旧型のレプリカントが不要となり、ブレードランナーたちは旧型を抹殺する任務についていた。
主人公Kは、自身も新型レプリカントであり、ブレードランナーである。
仕事は、旧型レプリカントを探し出して始末すること。
しかし、彼は任務の途中でレプリカントと人間の関係を覆すような事実を知ってしまい、30年前に姿を消したブレードランナーのデッカードの行方を追い始める。
そこは、コンピューターの中の世界にとても似ている。
古いプログラムはパソコンの中に入れておいても不具合を起こすだけだから、一旦消去し、新しいバージョンをインストールする。
古いバージョンの方が機能が良かったのに…と思っても、もう古いバージョンには戻れない。
30年前にレプリカントが反乱を起こしたことで、全てのレプリカントは消去したはずだったのに、やはり、労働力が足りなくなったため、バージョンアップしたレプリカントを送り出す。
旧タイプレプリカントは、ウォレスでは制御できないため消去していく。
そして、新型レプリカントが世界を支配するようになると、彼らを生み出したウォレスは『自分こそが神』と勘違いするようになり、マッドサイエンティストと化していく。
その混沌とした世の中で、人間の素晴らしさを浮き彫りにしたのが、この『ブレードランナー 2049』だった。

デジタルが理解できない感情や美しさは衰退していく運命なのか
世界を自分が生み出したレプリカントたちで満たし、神のような気分になっていたマッドサイエンティストのウォレスだったが、ここで大きく挫折する。
自分が作り出したレプリカントが、どうしても人間に近づけない機能があった。
しかし、30年以上も前に作られたレプリカントは、既に、その機能をクリアしていたことが分かる。
これは、古いものの中にも最新科学で表現できない素晴らしい機能があるという証である。
そこで考える。
旧バージョンが今の時代に合わず、不具合を起こすからといって、全て削除してしまうことは本当に正しいやり方なのか。
古いものの中にも新しいものよりも優れた部分があるのなら、古いものと新しいものを共存させることが進化への道なのではないか。
新型レプリカントたちは、誰かが作った記憶や感情、知識を植え付けられ、その範囲の中でしか物事を理解しない。
だから、過去に人間たちがこよなく愛した芸術に触れる機会もない。
廃墟となったラスベガス。
埃をかぶったルーレットにバカラやグランドピアノ。
誰も聞かなくなったプレスリーやマリリン・モンローにフランク・シナトラ。
レプリカントたちにとって不要となったものは、自然と廃れていってしまう。
それは、現代のデジタル世代に対する危機感でもある。
この映画の中で、デッカードがKに
「これは、俺の好きな曲だ」と言ったのは、プレスリーの「好きにならずにはいられない(Can't Help Falling in Love)」だった。
果たして、10代や20代の観客がそれを観て、どれだけの人が「あぁ。良い曲だよねぇ」と思うだろうか。
多くの人が、Kと同じように「ふーん。それ誰?」と思うだけなのではないだろうか。
この「ブレードランナー 2049」の中で起きていることは、決して未来の出来事ではない。
既に、私たちの身の回りで起きていることなのだ。
今の時代は、「保存」ではなく、「上書き」の時代である。
古き良きものを保存して後世に伝えるのではなく、古きものは削除して、新しいもので上書きをする。
そして、古い時代の良いものは少しずつ忘れ去られようとしている。
レプリカントよりも人間が優れているのは、芸術や自然の美しさを理解し、人間を愛したり憎んだりする感情である。
現代のデジタル時代は、その人間が持つ素晴らしい感情すらも捨て去ろうとしている。
2049年、今から30年後の未来は、デジタル世代の子供たちがこの世を支えることになる。
その時、私たちの周りにある素晴らしい芸術や自然のうちのどれだけが、この世に残されているのだろうか。
それは、果たして進化なのか衰退なのか…。

豊かな感情があってこそ、科学技術は人間を進化させる
しかし、そんな人間にも未来への『希望』はある。
それは、デジタルと人間の『共存』である。
この映画の中では、アナ・ステラインが希望となる。
彼女は、デジタルとアナログが共存したニュータイプであり、幼い頃から多くの人たちに見守られ、感情豊かに育てられた。
大人になると、彼女の感情を生かし、「夢製造人」として働くことになる。
彼女を見て思うのは、子供たちを外敵から守り、自然の美しさや素晴らしさ、人間の感情の素晴らしさを教えて育てるべきということ。
人間が知るべき様々な感情を知った上で、デジタルを使いこなすべきであり、世の中にある素晴らしいものを知らないままデジタルの世界で生きると、レプリカントKのような絶望を味わうことになってしまう。
本来なら、全ての子供たちが両親にとって『特別な子』であり、『選ばれし子』である。
ところが、科学技術は自分の能力を過信させ、優れたスキルを持つ者は、『自分が特別な子』だと勘違いさせてしまう。
妻のジョイに「あなたは特別な人よ」と言われ続けたKは、自分が特別な人間だと勘違いするようになる。
しかし、それは、あらかじめジョイにプログラミングされていたものに過ぎなかった。
その事実はKを失望させる。
それが、レプリカントの限界なのだ。
そして、スキルや技術が優秀な者よりも、人を敬い、助ける者が素晴らしい人間であることをKは学ぶようになる。
世の中がデジタル世代になり、レプリカントのように人を簡単に殺す人間たちが出てくるのは、この「豊かな感情」欠けているからではないか。
彼らの創造主である、マッドサイエンティストのウォレス自身が、自分のことを神だと過信し、この「人を愛する・敬う」という感情が欠けているからこそ、彼が設計したレプリカントたちも、決定的な機能が欠落したまま生まれてくる。

私たちがこの30年で失ったものと、新たに生み出したもの。そして希望
そして、私たちは、前作の『ブレードランナー』から30年の間に何があったのかを知ることになる。
その間に世界には大停電が起き、全てがリセットされ、古き良きものは捨て去られ、新しいものが世界を満たしていく。
そうやって、バージョンアップを繰り返すうちに、古き良きものは忘れられていく。
それは今、私たちが生きている時代と変わらない。
私たちはこの30年の間に、どれだけの物を捨て、どれだけ新しいものを生み出しただろうか。
そして、その間にどれだけ素晴らしいものを失っただろうか。
世の中はデジタルになって便利になっても、人間の感情は衰退していくばかり。
かつて、デッカードの相棒だったガフが、30年間 折り紙を折り続けたように、私たちが後世に伝え続けるべきものがある。
映画・音楽・文学・芸術・自然。
私たちの希望は、それらの素晴らしいものたちと、デジタルを共存させていくところにある。
だから、この映画も、何年も語り継がれるべき映画なのである。
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toe@とにかく映画が好きなんです@pharmacy_toe
「ブレードランナー 2049」
2017/10/24 19:45:50
舞台挨拶
ヤバイ >_<
インディ・ジョーンズで、ハン・ソロでデッカードのハリソン・フォードにちょっと泣いた >_<
#ブレードランナー2049 https://t.co/reZVgDIKjv
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