とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:ペ・ソンウ



ヒョンビン主演の韓国映画「スウィンダラーズ」を映画館で観た。

詐欺師だけをだます詐欺師が検事と手を組んで、大物詐欺師を捕まえる!?どんでん返しあり!のアクション・エンターテインメント作品。


満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!!

詐欺師と検事が手を組んだ大捕り物。

数々の悪行をなした者には必ずその報いがあるという因果応報。

しかし、恨みつらみでドロドロせずにスカッと爽快なのは、ヒョンビンだから!

私も、このコンゲームにすっかり騙されて楽しんだ。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「スウィンダラーズ」予告編 動画

(原題:꾼/英題:THE SWINDLERS)



更新履歴・公開情報

・2018年7月9日 映画館にて鑑賞。

・2018年8月12日 感想を掲載。

・2019年8月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。詳しい作品情報は、下記公式サイトより。
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キャスト&スタッフ


出演者




パク・ソンウン

〇ナナ(AFTER SCHOOL)

アン・セハ




監督

〇チャン・チャンウォン

2017年製作 韓国映画



韓国映画「スウィンダラーズ」




あらすじ


有名な詐欺師のドゥチルが死亡したというニュースが国中を騒がせるが、ファン・ジソン(ヒョンビン)は、まだ死亡していないと確信。

ジソンはドゥチルを追っている検事のパク・ヒス(ユ・ジテ)に接触し、ドゥチルを捕らえるための詐欺を提案する。

そこにヒスが裏で使っている詐欺師たちコ・ソクトン(ペ・ソンウ)、キム課長(アン・セハ)、チュンジャ(ナナ)も合流し、チームを組んでドゥチルの側近クァク・スンゴンに接近するのだが…。



韓国映画「スウィンダラーズ」ペ・ソンウ、ユ・ジテ、ヒョンビン




感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載した感想をご紹介します。


スウィンダラーズ (2017)


★★★★ [80点]「騙されれば騙されるほど楽しい!」


これ、面白かった!!

詐欺師しか騙さないという詐欺師(
ヒョンビン)と、野心溢れる検事(ユ・ジテ)。

彼らは共通の敵を倒すために出会い、その敵を捉えるための大捕物を思いつく。



この映画は、何を言ってもネタバレになってしまうので、あまり多くは語れないけれど、

物語の前半には、様々な伏線が散りばめられ、後半には、それらが非常に美しく回収されていく。

数々の悪業を成した人は、その数だけ人の恨みを買い、それがいつか、きっちりと返ってくるという
因果応報を描いたエンターテイメントだった!



とはいえ、ドロドロとした恨みツラミはなく、スカッと爽やかに楽しめるのは、ひとえにヒョンビンを主役にした効果だろう。

その上、その
ヒョンビンと手を組む検事を「オールド・ボーイ」のユ・ジテに演じさせているところは、映画ファンへのプレゼントなのでは



私は、彼らが演じるコンゲームにすっかり騙されてしまい、最後の種明かしでは、思わず「うわぁ-」と口に出してしまった。

こういう映画は、騙された時ほど楽しいものはない。

日頃のイライラをスカッと吹き飛ばす爽快な作品になっているので、ぜひ、映画好きの人たちに観ていただきたい一本!!


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/12 with ぴあ映画生活


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チョ・インソン主演の映画「ザ・キング」を映画館で観た。

1980年代から2010年までの韓国激動の時代を背景に、地方の不良少年が検事になって成り上がっていく様を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

これは面白かった!!

田舎町のチンピラが、ソウルで頂点に登りつめるまで。

これは、韓国が舞台になっているけれど、なぜ、官僚はあれほどまでに政治家にすり寄るのか、その理由がよくわかるドラマになっている。

そして、検事局とマフィアが並行して描かれることで「検事もマフィアも似たり寄ったり」だったのが面白かった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ザ・キング」予告編 動画

(原題:더 킹(The King))



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月5日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年4月14日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇チョ・インソン

チョン・ウソン
…(「アシュラ」、「監視者たち」など)

ペ・ソンウ
…(スウィンダラーズ」、大好きだから」、「奴隷の島、消えた人々」、「造られた殺人」など)

リュ・ジュンヨル
…(「沈黙、愛」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「奴隷の島、消えた人々」など)

キム・ウィソン
…(「ゴールデンスランバー」、「新感染 ファイナル・エクスプレス」、「プリースト 悪魔を葬る者」、「造られた殺人」、「国選弁護人 ユン・ジンウォン」など)

〇キム・アジュン

〇キム・ソジン


監督・製作・脚本

ハン・ジェリム
…(「観相師-かんそうし-」など)


2017年製作 韓国映画



韓国映画「ザ・キング」



あらすじ


1980年代の木浦(もっぽ)で暮らす不良高校生のパク・テス(チョ・インソン)は、窃盗を繰り返す父が検事に土下座する姿を見て、「検事になったら、世界を手に入れることができる」と思い、心機一転ソウル大学法学部を目指す。

必死になって勉強した結果、ソウル大学法学部にめでたく合格し、夢に見た検事局に合格する。

検事局に入ったばかりの頃は、権力のある人間が優遇される世界に納得がいかない日々を過ごしていた。

ソウル大学の先輩で検事局のエリート集団 戦略部に所属するヤン・ドンチョル(ペ・ソンウ)から声をかけられ、戦略部に入ることが決まると、そこは、ハン・ガンシク部長(チョン・ウソン)を頂点とした欲にまみれた世界だった…。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとチョン・ウソン



感想(ネタバレあり)


時代を読んで権力にすり寄ることこそ、出世までの最短距離


これは面白かった!

1980年代から、2010年までの韓国の激動の時代を背景に、木浦で暮らすチンピラ高校生のパク・テス(チョ・インソン)が、心機一転エリート検事にまで登りつめるさまを描く。



そういうと、割とありがちな感じに聞こえてしまうけれど、この映画が面白いのは彼らエリート検事とマフィア「野犬派」を並行して描くことで、「検事とマフィア、似たり寄ったり」の世界を作り出しているところだった。



マフィアが金を稼いで上納する先が政治家であるように、検事も「より検事局に有利に働いてくれる」政治家にすり寄っていく。

そして、どちらの政治家も、その上にいるのは「大統領」である。

つまり、マフィアも検事も大統領につながる政治家たちのために働く忠実な犬なのである。



本来ならば「国の良心」であるべき検事局が、「のし上がる」ために政治家たちにすり寄り、有力者のために忖度をする

そして、時には「国民から目をそらすために」スキャンダルを流して情報操作もする。



時には、「次期大統領が誰になるか(=選挙前に誰に便宜を図るべきか)」を知るために、占い師に「誰が大統領選で当選するか」を占ってもらい、その占いの結果を信じて先回りして名前を売り込み、当日は固唾をのんで選挙速報を見守ることだってあった。

彼らにとって、大統領選挙はギャンブルのようなものなのだ。

そうやって、常に「時代」を読みながら、次の手を考え、「その時に最も権力を持つ人間」にすり寄っていくことが、「頂点(=検事局長)」にたどり着く最短距離なのだ。



主人公のパク・テスは、その「出世街道の歩み方」を、上司であり、戦略部部長のハン・ガンシクに叩き込まれ、頭角を現していくのだ。



この映画は韓国を舞台にして描かれた作品であるはあるが、これを観ていると「なぜ、官僚が政治家にすり寄るのか」がよくわかる作品になっている

あの森友事件の裏にある事情は一体何だったのか。

それを想像しながら、この映画を観ていると、とても面白い。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとチョン・ウソンとペ・ソンウ


検事とマフィアはコインの裏と表、表裏一体


ここで描かれる検事とマフィアは、コインの表と裏、表裏一体である。



もしも、検事局にとって「目障りな人間」が出た場合、その処理をするのがマフィア「野犬派」である。

マフィアにとって「何か」が起きた時に「刑を軽く」できる検事は貴重な存在だし、検事にとっても「汚れ仕事」を率先してしてくれるマフィアはなくてはならない存在である。



本来ならば、検事とマフィアは全く正反対の位置にいて、むしろ敵同士でいるべきなのに、実質「検事もマフィアもやっていることに大差ない」のが、なんとも面白い。

共に、頂点を「大統領」にして動いていて、利害関係が一致しているからこそ、表裏一体で動けるのだ。



そうやって、検事とマフィアが裏で手をつなぎながら、人を犬扱いし、彼らの行く手を邪魔する者は蹴落とし、大統領にとって最も有利に動けたものが頂点(検察庁長官)に立つことができる

マフィアにとっても、その時便宜を働いてくれた検事がトップに立てば、彼らにとって安泰なのだ。



ところが、主人公のパク・テスは、その「出世街道」の中で、頂点を目指しているハン・ガンシクにとって「目の上のたんこぶ」となってしまった。

それまで順調に生きてきたはずが、あまりに派手な動きをして他の真面目な検事たち(=監察部)に目をつけられ、その上、浮気がばれて妻には逃げらられ、地方の検事局に送り込まれる。

そうして、パク・テスは「とかげの尻尾切り」をされる側の人間になってしまったのだ。

それは、パク・テスにとって「死」を意味することだった。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとペ・ソンウ


利用できなくなったら簡単に「とかげの尻尾切り」される側に


パク・テスは、ハン・ガンシクに「殺される」と悟る

その頃、検察庁の長官にまで登りつめていたハン・ガンシクにとって、パク・テスがいなくなれば監察部からの追及も止まると考えた。

それを知った野犬派の親友ドゥイルは命がけでパク・テスを守るが、逆にドゥイルはボスから殺されてしまう。



それまで、パク・テスはハン・ガンシクのために働いてきたのに、邪魔になったらあっさりと尻尾のトカゲ切りをされる。

それこそ、まるで森友事件の「トカゲの尻尾切り」と一緒ではないか。

なんと非情なと思うけれど、それをあっさりとやってのける人間だけが頂点に立つことができるのだ。



そうして、パク・テスは窮地に追い込まれるが、彼はハン・ガンシクの教えを忠実に守る。

それが「やられたらやり返す」だった。

その時、彼の中で眠っていた木浦のチンピラ魂がよみがえったのだ。



親友を殺された恨みを「暴露」という形で晴らしていく

検事局を退職し、彼がこれまで行ってきた悪事をさらし、ハン・ガンシクを糾弾したのだ。



そして、パク・テスは政界への転身を発表する。



韓国映画「ザ・キング」チョ・インソンとリュ・ジュンヨル


出世をしたいなら、時代を読み「誰に仕えるか」を見極めろ!


では「暴露」をしたパク・テスは本当に心を入れ替えたのか

そうではないと思った。



彼はそれまで、大統領をトップとする組織の中での帝王学をハン・ガンシクから学んでいた。

そして、時代は変わったのだ

よりクリーンさが求められる時代になり、大統領が退任すると同時に訴追されるような時代になると、彼らのような生き方は通じなくなっていき、だからこそ、彼は検事から政治家へと転身したのだ。



その中で、パク・テスはハン・ガンシクよりも時代を読み、「どんな人間がより生き残っていけるのか」を誰よりも考えていたのだ。

そうして、慎重に計画を練り、最後の邪魔者ハン・ガンシクを逮捕に追い込む。



最後の結果は、観た者の考えに委ねられたけれど、私は、最後はパク・テスが政治家になっただろうと思う。

なぜなら、彼こそが周りにいるすべての邪魔者を蹴落とし、全てを牛耳る「キング」になったからだ。



出世をしたいなら、「誰を味方につけるのか」を常に読み取らなければならない。

その相手を間違えると、足場が一気に崩れ落ちてしまう。



パク・テスにとっては、時代の変化と共に仕える相手をハン・ガンシクから監察部に乗り越えた時が、「キング」へと登りつめる瞬間だったのだ。



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チャ・テヒョン主演の韓国映画「大好きだから」を映画館で観た。

恋人へのプロポーズを目前にした男性が交通事故に遭い、目覚めたら女子高校生になっていた!?

様々な人を渡り歩き、恋のキューピットをする『幽体離脱』恋愛コメディ。


満足度 評価】:★★★☆☆

主人公の男が様々な人の間を渡り歩く幽体離脱コメディ!!

情けなくて、ツイてない!!そんな男を演じるチャ・テヒョンがピッタリ。

なーーんにも考えたくなくて、思い切り笑いたい時におススメの作品。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「大好きだから」予告編 動画

(原題:사랑하기 때문에)





更新履歴・販売情報

・2017年11月14日 映画館で観た感想を掲載。

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大好きだから




キャスト&スタッフ


出演者

チャ・テヒョン
…(「風と共に去りぬ!?」など)

キム・ユジョン
…(「殺人の輪廻」など)

ソン・ドンイル
…(「黄泉がえる復讐」、「リアル」、「ミッドナイト・ランナー」、「殺人の輪廻」、「特別捜査 ある死刑囚の慟哭」、「怪しい彼女」、「ミスターGO」、「風と共に去りぬ!?」など)

ソ・ヒョンジン
…(「グッバイ・シングル」など)

ペ・ソンウ
…(スウィンダラーズ」、ザ・キング」、「奴隷の島、消えた人々」、「造られた殺人」など)

〇イム・ジュファン

監督

〇チュ・ジホン


2017年製作 韓国映画



大好きだから




あらすじ


恋人・ヒョンギョン(ソ・ヒョンジン)にプロポーズをしようとして日に交通事故に遭ってしまった音楽プロデューサーのイヒョン(チャ・テヒョン)。

彼が目覚めた時、そこには見慣れない光景が広がり、セーラー服を着ていた!?

なんと、イヒョンは身体が意識を失くしている間に、他の誰かの身体に乗り移るという特殊能力を身に着けていた。

そのイヒョンの秘密を知ってしまった女子高生のスカリー(キム・ユジョン)と共に、「なぜ、他の人の身体に乗り移っているのか」その秘密を探ろうとするのだが…。



大好きだから2



感想(ネタばれあり)


交通事故に遭った男が、様々な身体を渡り歩く『幽体離脱コメディ』映画



中年に差し掛かったおっさん(主人公・イヒョン(チャ・テヒョン))が交通事故に遭い、目覚めると女子高生だった!?

という、ありがちな話でスタートしたので、これはてっきり「君の名は。」のような男女中身入れ替えコメディなのかと思った。



しかし、しばらく見続けていると、イヒョンは女子高生の身体にとどまらず、

女子高生 → 刑事 → 高校教師 → おばあちゃん → イヒョンの同僚

と、様々な身体を渡り歩くようになる。



そこが、この映画が他の「男女入れ替わりコメディ」と違う面白さであり、一風変わった「幽体離脱コメディ」になっている

イヒョンは、様々な人の身体を渡り歩く間に、それぞれの人生と愛の形を知ることになる。

それは、主人公のイヒョンがプロポーズをする前の「最後の試練」でもあって、様々人たちの恋愛事情を知って、自分の恋がとても恵まれていることを知る話でもある。



大好きだから5



他人の身体を抜け出す方法…「その人のキューピットになること」



見知らぬ人の身体に乗り移り、その人の人生を目いっぱい生きるイヒョンだけれど、もちろん、早く自分の身体に戻りたいという気持ちは常にある。

その途中で、彼は「なぜ、その人の身体に乗り移るのか」について、ある一定の法則があることに気付く



それは、身体の持ち主の『恋のキューピット』になること

好きな人に秘密を打ち明けられない女子高生。

妻と家庭内別居が続く刑事。

「自分なんか無理に決まってる」と思い込んでる中年の高校教師。

長い間連れ添った夫が病気だと知る痴ほう症のおばあちゃん。

そして、婚約者の悩みと夢に気付いていなかったイヒョン自身。



そして、もう一つの共通点は、彼らは全員、イヒョンの交通事故の現場にいて、その事故を目撃していたという点。

そこでイヒョンは、プロポーズを目前にして、彼ら全員の問題を解決したら元に戻れるというミッションをこなしていく

そのうちに、見ず知らずの他人の恋の悩みを解決することで、自分自身の問題点にも気付くという話だった。



私としては、年齢的にも立場的にも、ペ・ソンウが演じる高校教師と、その後輩の恋に共感したかなぁ。

ぽっちゃりしてて、内向的な高校教師は自分に自信が持てなくて、可愛い後輩に親しくされても、今一歩手が出せないでいる。

こんなに可愛い彼女が自分のことなんか好きになるはずがない…と思っていたけれど、彼女は心優しい先輩のことをとても尊敬していて、見た目のことなんか気にしていなかった。

そんなもどかしい二人の恋の間に入ったイヒョンは、彼の背中を押す助っ人になる。



本人は「絶対にうまくいかない」と思い込んでいても、少し離れたところから客観的に観ると、「あと一歩なのにぃ」と思える恋愛はたくさんある。

そんな時に、誰かがポンっと背名を押してくれれば、みんながハッピーになれる

そして、他人の恋を経験することで、自分にもこれまで『見えていなかった相手の姿』が見えるようになる



大好きだから3



ツイてない男、情けない男がよく似合う…チャ・テヒョンのコミカル演技



しかし、この映画の面白さを支えているのは、イヒョンを演じるチャ・テヒョンのコミカルな演技である。

チャ・テヒョンと言ったら、あの、一大韓流映画ブームを巻き起こした『猟奇的な彼女』が有名すぎるぐらい有名だけれど、やっぱりチャ・テヒョンには、情けない男、ツイてない男がよく似合う

今回も、様々な身体に乗り移って、いろんな演技を見せてくれるけれど、セーラー服を着た女子高生の姿とか、頭に花を挿したおばあちゃんの姿とか、妻の尻に敷かれてている刑事の姿とか、そういう時のチャ・テヒョンの「勘弁してよぉ~」的な演技は何回見ても楽しい



また、彼の『幽体離脱の秘密』を知ってしまったがために、最初から最後までイヒョンのお手伝いをする羽目になった女子高生のスカリーを演じたキム・ユジョンとの掛け合いも、また楽しい

キム・ユジョンの姿を観ていると、名子役がうまいこと女優へと成長してくれてホッとする。

(中には消えてしまう子たちもいるので)

この映画では、チャ・テヒョンとの掛け合いで(漫才みたいだ(笑))、コミカルな面も見せてくれたので、今後はシリアスもコミカルもいける女優として頑張って欲しいなぁ。



その他にも、ソン・ドンイルや、ペ・ソンウといった韓国映画でお馴染みの中堅俳優の他にも、チャン・ヒョクが『インチキ占い師』としてワンシーン登場する。

そんな韓国映画ファンなら楽しいスターたちの共演も楽しめる映画になっている。



大好きだから4



その人を最も輝かせることができる人が、恋人として最もふさわしい人



そうやって、様々な人たちの身体を渡り歩き、最後は婚約者にたどり着き、彼女の『部隊恐怖症』という悩みを解決する。

それが、2人の愛を深めることになる。

やっぱり、ここが一番ジーンとくるところ。



その最後のイヒョンとヒョンギョンの恋に限らず、誰もがやっぱり『愛する人の輝く姿を見ていたい』と思うもの

愛する人を最も輝かせることができる人が、その人にとって最もふさわしい人であり、イヒョンは、そのことに気付くための旅をしてきた

そして、ヒョンギョンの舞台恐怖症を克服させたところで旅は終了する。



私が韓国映画の好きなところは、エンターテインメントの中に社会情勢を盛り込まれているところであり、「映画を観ているだけで韓国の社会情勢を知れるところ」

しかし、この映画にはイヒョンが様々な身体を渡り歩く間に、様々な経済格差を感じることがなく、あくまでもコメディに徹していたのが、ちょっと物足りなかったところ。



本当だったら、成功している音楽プロデューサーのイヒョンからしたら、「刑事の生活ってこんななの??」とか、「教師の給料ってこれだけ??」みたいなリアルな実情もあったと思うけど、あえてそこを描かなかったのは、現実とは切り離したエンターテインメントにするためだと思った。

しかし、そこは私としては物足りなかったところだった。

どうしても、韓国映画には『突き刺さる社会風刺』を期待してしまう。

でもまぁ、つらい現実を忘れ、思い切り笑いたい時には、こういうコメディ映画も良いと思う





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韓国映画「奴隷の島、消えた人々」をWOWOWで観た。

小さな島の塩田で起きた連続殺人事件の謎を追ったサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

映像が妙にリアルなので、実話なのかと思ったら、半分実話、半分フィクションというサスペンス映画だった。

ここに半分フィクションを入れ込んだことで、この映画から現在の韓国社会の問題点が浮き彫りになった。

本当の悪は誰なのか、問題点はどこにあるのか…。

この事件が起きた理由について考えてみた。

「奴隷の島、消えた人々」予告編 動画

(原題:섬. 사라진 사람들.)




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キャスト&スタッフ


出演者

〇パク・ヒョジュ

ペ・ソンウ
…(スウィンダラーズ」、ザ・キング」、「大好きだから」、「造られた殺人」など)

〇イ・ヒョヌク

リュ・ジュンヨル
…(「沈黙、愛」、「タクシー運転手 約束は海を越えて」、「ザ・キング」など)

〇チェ・イルファ


監督・脚本

〇イ・ジスン

2015年製作 韓国映画



奴隷の島、消えた人々



あらすじ


ある島へ、障がい者たちを人身売買して強制労働させている塩田があるという噂を聞きつけ、取材に向かったTV局の報道記者・ヘリ(パク・ヒョジュ)とカメラマン(イ・ヒョヌク)だったが、その後、その島で複数の死体が発見され、ヘリは意識不明の重体で発見される。

その時、その島で何があったのか…。

警察は彼らが撮影したビデオテープを調査し始めるが…。



奴隷の島、消えた人々2



感想(ネタばれあり)


半分実話、半分フィクションという面白さ



手持ちカメラで撮影された画面(POV)があまりにもリアルだったので、実話ではないかと思った作品だった。

この映画が面白いのは、全てが完全なフィクションではなく、半分が実話を参考にして作られ、そこへサスペンス要素を追加するという形で作られているところ。

だから、妙にリアルで生々しいところがあり、それでいてゾッとする話でもある



実際にあった事件とは、2014年にあった「新安塩田奴隷労働事件」(しなん えんでん どれいろうどうじけん)。

多くの知的障がい者がブローカーによって人身売買され、新安にある小さな島にある塩田に送り込まれ、劣悪な環境の中、ただ働きをさせられていたことが発覚。

(参考:Wikipedia 新安塩田奴隷労働事件

韓国で新安の塩といえばブランド品で、高級な天然塩として知られていたらしい。



この映画でいえば、賃金をもらわず、暖房もないような薄汚い小屋に住まわされ、履く靴下もないような生活をさせられている障がい者たち。

彼らの生活は、その事件を参考にしたのだと思われる。

主人公のジャーナリスト ヘリが、彼ら障がい者を取材するために島を訪れ、そのことについて近隣の農家や漁師たちにコメントを求めると、彼らは一切口をつぐんでしまう。

島民たちも、塩田の社長から口止めされていて、もしも脱走したら知らせるように言われていたのも、実際の事件と同じように作られている



その島で、彼らが取材している最中に殺人事件が起きてしまう。

この連続殺人事件は、後から足したフィクションの部分である



しかし、この殺人事件がなぜ起きたのかを考えてみると、島の人々の暮らしや、韓国社会の中に潜む問題点などが浮き彫りになってくる



奴隷の島、消えた人々3



警察との癒着、島民の「見て見ぬふり」が事態を悪化させる



塩田での雇用問題は、実際にあった出来事を元にしているだけあって、貧困層の底辺にいる人たちの生活を如実に表している



殺人事件が起きる前までは、最も悪いのは事業主だった。

彼はブローカーを使って障がい者たちを買い、塩田で不当にただ働きさせていた

そもそも、これが実話だというんだから恐ろしい。

しかし、この「障がい者」をただ働きさせるというやり方は、どの国にも起きそうな問題であり、普通なら、障がい者の家族が気付いたり、近所の人たちの通報で発覚する。



ところが、この事業主にとって最も都合が良かったのは、その塩田が海に浮かぶ「小さな島」にあるということ。

定期船もなく、そこへは漁船を使って行くしかない。

そのため、その島にはブランド塩で儲けた事業主を頂点とする王国が出来上がってしまった

当然、格差社会が問題視される韓国において、塩田以外の漁師や農家の人たちが、自分たちよりも高い地位にいる彼らを告発するなんてことはできない。



なぜなら、警察も事業主とグルになっているからだ。

彼らが間違っていると告発したところで、警察に、その事実をもみ消されてしまう

となると、告発をして島を追い出されるぐらいなら、「見て見ぬふり」をすることが最善だと思うようになる。



その「警察と事業主の癒着」も、実際の塩田労働事件であった話である。

結局、一番悪いのは事業主だけれど、警察がその発覚を遅らせ、「見て見ぬふり」をした島民が事態を悪化させてしまった。



奴隷の島、消えた人々4



行き過ぎたマスコミが最悪の悲劇を生んでしまう



そして、この事態をさらに悪化させたのは、マスコミだった

そもそも、ヘリの目的は塩田で強制労働させられている障がい者たちの取材だった。

そのことについて、サンホに話を聞き、その様子を録画したところで、一旦取材を終わらせればよかった。



ところが、そこからさらに奥へと突き進むのが、いかにも韓国のマスコミだという感じがした。

韓国のニュース映像を見ていると、芸能人が入院すれば病室まで行ったり、逮捕されたとなれば、警察の中まで押し寄せて本人から直接話を聞き出そうとしたり、明らかに行き過ぎで、容赦がない。



この事件が起きたのは、ヘリがサンホのIDを知り合いの刑事に問い合わせ、それが行方不明者のものだったことから起きている。

ヘリが、これまで「サンホ」という殻の中で生きていた殺人鬼を揺さぶり起こしてしまったのだ。

むしろ、へりはそれが良いことだと思っていたし、「これでサンホが救われる」と思っていただろうと思う。

しかし、事業主の家に不法侵入して得たIDは、カメラマンの死という思わぬ悲劇を生むことになる。



ここには、現在の韓国での行き過ぎたマスコミの取材への批判が込められているのではと感じた。

時には、やり過ぎた取材がパンドラの箱を開けてしまうこともある。

取材とは、もっと慎重であるべきなのだ。

もしも、もっと慎重にサンホに近づいていたら、誰も被害に遭うことなくサンホを逮捕できたのかもしれない。



奴隷の島、消えた人々5



地域住民、格差社会、マスコミ、ネチズン…この事件を悪化させた人たち



ここで、ヘリが意識不明の重体になってしまったことで、さらにネチズン(韓国のネット市民)が事態を悪化させる

関係者は全員死んでしまい、サンホは行方不明になってしまったことで、ヘリ以外、誰も事件の真相を知らないからだ。

そこで、ネチズンは勝手に予想を始める。

その『勝手な予想』が韓国内に拡散され、最終的には『美しすぎる殺人鬼』として、ヘリが連続殺人犯だという噂に落ち着いてしまう



その「ネチズンが世論を勝手に誘導する」というところも、現在の韓国の一面を感じさせる。

日本以上に『熱しやすく冷めやすい』と言われるネチズンたちは、1つの出来事に熱中して炎上させ、中にはそれがきっかけで自殺者が出てしまうこともある。



現在、韓国で一番問題視されている格差社会の中で、底辺ともいえる障がい者たちを不当に強制労働させていた事業主がいて、そこと癒着している警察官と近隣住民が「見て見ぬふり」をし、事態を悪化させる。

さらに、そこで明らかに行き過ぎた取材をしたジャーナリストがパンドラの箱を開け、連続殺人事件が起きる。

そして、そこから間違った情報がネチズンによって独り歩きする…。



ここで起きた問題の全てが、現在の韓国の社会問題とつながっている。

格差社会も、過熱報道するマスコミも、熱狂するネチズンたちも、全てが問題を悪化させることになった

そして、何よりここまで問題を悪化させてしまったのは、「見て見ぬふり」をした地域住民である



この映画を通してわかるのは、犯人はサンホだけではなく、事業主だけでもない。

この構造を作り出した社会そのものに問題があって、目撃した人も、それを伝えるマスコミも、勝手に噂を拡散させるネチズンにも責任があるということ。

だから私は、この事件が『起きるべくして起きた事件』なんだと思った。



何か悪事が起きていたら、どんな理由があっても通報するべきだし、警察が癒着していると知っているなら、他の機関に通報すれば良い。

島民にとって、『島の生活が世界の全て』になってしまったことが、この不幸の始まりである。





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チョ・ジョンソク主演の映画「造られた殺人」をWOWOWで観た。

テレビ局の過熱報道が、事件をねつ造していく様子を描くサスペンス映画。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

今一つパンチが足りない映画ではあったけど、テレビ局が十分に裏を取らないまま事件を報道し、それが思わぬ方向へと発展してしまう様子が非常に面白かった。

実際に、テレビの報道一つで「罪のない善良な市民」が「悪人」に仕立てられてしまうことは度々あることで、多少誇張されている部分はあるにしても、この映画が描こうとしていることは的外れではないと思った。

「造られた殺人」予告編 動画

(原題:특종: 량첸살인기(特ダネ:リャンチェン殺人記))




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キャスト&スタッフ


出演者

チョ・ジョンソク
…(「王の涙 イ・サンの決断」、「観相師」など)

〇イ・ミスク

〇イ・ハナ

…(「ゴールデンスランバー」など)

ペ・ソンウ
…(スウィンダラーズ」、ザ・キング」、「大好きだから」、「奴隷の島、消えた人々」など)

監督・脚本

〇ノ・ドク

2015年製作 韓国映画


造られた殺人


あらすじ


テレビ局に勤務する記者のムヒョク(チョ・ジョンソク)は、局の大口スポンサーである財閥の事件をニュースにしたことで、財閥の反発を買い、スポンサーを失うという事態に発展、長期謹慎処分を言い渡されてしまう。

家庭を顧みず、仕事に熱中していた結果、妻のスジン(イ・ハナ)とは別居中。

妻は、妊娠6か月の身重であるにも関わらず、ムヒョクと別れることを既に決意していた。

このままでは、仕事も家庭も失ってしまう危機に直面したムヒョクは、一般視聴者からの情報を元に、世間を騒がせている連続殺人事件の犯人だと思われる人物の家へと向かう。

その家には、さまざまな凶器や、連続殺人事件の記事の切り抜き、血痕などがあり、ムヒョクはその家の持ち主が犯人だと断定して上司に報告する。

すると、スクープを待ち望んでいたテレビ局は、ムヒョクのネタを警察に確認しないまま報道してしまい…。

造られた殺人2


感想(ネタバレあり)


「視聴率至上主義」のテレビ局で起きる「殺人犯捏造」事件


テレビを中心としたマスコミの過熱報道はたびたび問題になる。

例えば、芸能人や政治家の「不祥事」(不倫問題や金銭関係の問題)が起きた場合、平日の朝から夕方まで放送されるワイドショーでは繰り返し報道され、それまでとても良い人だったイメージの人でも、一日にして悪人に様変わりしてしまう。

それも、「事実関係を正しく」報道されたなら仕方がないけれど、その多くが記者会見を「悪意ある」編集で悪者に仕立てられてしまう場合が多い。

それはひとえに、「より過激でショッキングな情報」を求める視聴者のために番組を演出しているからに他ならない。

番組を作るスタッフたちも、「視聴率」を上げて、より高額なスポンサーを得るために必死なのだ。

また、その問題は日本だけで起きているものではない、お隣の韓国でも、それは深刻な問題なようだ。

この映画「造られた殺人」では、テレビ局の過熱報道によって、見事に殺人事件がねつ造されていく様子を描いている。

主人公はテレビ局の記者・ムヒョク。

仕事もプライベートも最悪の状況になってしまった彼は、視聴者からの情報提供に飛びついて、「連続殺人犯」だと思われる人物の家へ向かう。

そして、彼はたまたま留守だった容疑者の家に侵入し、「この家の家主が犯人ではないか?」と思われる証拠の数々を見つける。

さらに、その家から「殺人の独白」のような手書きのメモを持って帰ってしまう。

そのことをテレビ局の上司に報告すると、上司は警察に確認せず、裏も取らないまま、朝のニュースで「犯人と思われる人物の手書きのメモを入手」と報道、それが大反響を呼び、テレビ局のサーバーがダウンする程、視聴者が殺到する事態になってしまう。

そして、この初動で裏を取らなかったことが、後々、ドンドン話が大きくなっていくきっかけになった。

彼がつかんだネタが独り歩きし、ムヒョクは犯人ではない人を犯人だと勘違いしていることに気付く。

しかし、それは後の祭りで、視聴者はその時既に、より過激な情報を求めるようになっていた…。


造られた殺人3

「視聴率至上主義」が、より過激なネタをテレビに要求する


普通に考えて恐ろしくなるのは、テレビ局が「正確な情報」よりも、「過激な情報」を「誰よりも早く」求めているというところにある。

韓国の映画やドラマを観ていて面白いなぁと思うのは、テレビや新聞の記者たちは、警察署に寝泊まりして情報を入手している。

だから、もしも、テレビ局が警察にメモを持ち込み、「これは容疑者のものですか?」などと確認しようものなら、他のメディアにも知られてしまう。

だから、他者を出し抜くということができない。

日本だったら、それを防ぐために「捜査妨害をしないための」報道規制がある。

「これは出しても良いよ」と警察が認めたものだけを報道することができる。

捜査中の情報をテレビに流したことで、自分が容疑者だと気付いた犯人が逃げないようにするためのものだったり、それが誘拐事件だったりしたら、犯人が焦って人質を殺してしまうかもしれない。

しかし、どうも韓国はその辺の規制が日本よりも緩いように思う。

もしも、このメモが本当に犯人のものだったら、テレビを観て、自分が容疑者だと知った犯人は逃げてしまう可能性が高い。

テレビ局は、そんな「警察の事情」よりも、自分たちの「視聴率」のために番組作りをしてるのだ。

だから、常に他者よりも過激なネタを、より早く報道したがっている。

恐らく、ムヒョクが財閥のネタをニュースにしたのも、その「視聴率至上主義」のためのものだっただろう。

「特ダネ」を取れば、社内の待遇が良くなるのだ。

だから、仕事もプライベートも崖っぷちのムヒョクは迷うことなく、一発逆転のために、この「特ダネ」に飛びついたのだ。


造られた殺人4

テレビ局によるねつ造で、誰かが犠牲になるべきだったのかも…


ところが、彼が取り上げた容疑者は、ニセモノというより、彼が「容疑者だ」と早合点しただけだった。

ムヒョクがそのことに気付いた時には、国民の全てが「殺人者のメモ」だと信じて疑わず、「逮捕される」という「続報」を待っていた。

ムヒョクも引くに引けない状況に追い込まれてしまっていた。

落ち着いて考えてみてば、あの家にあった血痕だって、「ただの血のり」だっていうことに気付いたはず。

そんな冷静な判断を失ってしまうぐらい、そのときのムヒョクは追い詰められていたのだ。

同じく冷静な判断を失っていたのは、警察だった。

それまで地道に捜査をしていたのは警察なのに、マスコミの情報に振り回され、国民からは「早く逮捕しろ」とせっつかれ、テレビ局が出した嘘の情報に対して余計な捜査に時間を取られ、犯人を絞り込めないことに焦りの色を見せる。

国民も、警察も、たった一枚の「殺人メモ」に気を取られてしまったのだ。

これは、まさに木を見て森を見ずの状況だった。

より過激でショッキングな情報に心を奪われてしまい、全体像を見ようとしない。

本当に大事な情報は、「犯人はどんな人をこれまでターゲットにしてきたか」なのだ。

肝心な犯人は、嘘の情報を捏造したムヒョクのおかげで、偽の犯人を隠れ蓑にすることができた。

結局、真犯人はムヒョクによって殺されることになるが、その後、テレビの報道によって「ヒーロー扱い」されることになったのは、とても皮肉な話だ。

これでは、殺された人たちが報われない。

ムヒョクが真相を話さない限り、殺人犯不詳のまま事件は結末を迎え、以後、この連続殺人犯によって誰かが殺されることはない。

そして、国民は「次の過激な事件」へと関心が移っていく。

この話が非常にラッキーだったのは、ムヒョクが犯人像を勝手に作り上げたことで、誰かが犠牲にならなかったことだ。

もう少しムヒョクの到着が遅かったら、誰かが殺されていたのかのしれない。

私が思うに、もしかしたら、この映画はムヒョクのせいで、誰かが犠牲になるところを描いても良かったのかもしれない。

そしたら、「テレビ局が負うべき責任」について問える作品になったし、現在の過熱報道に対する警笛にもなった。

そこまでしなかったのが、この映画の優しさであり、物足りなさだったように思う。


造られた殺人5

大事なのは「ショッキングな出来事」よりも、「何が起きているか」という真実


最後、とても印象的だったのは、ムヒョクの「父親鑑定」である。

妻のスジンは、ムヒョクが家庭を顧みず仕事ばかりしていた時に浮気をして妊娠していた。

それでも、スジンは「ムヒョクが父親だ」と言い切っていた。

そこで、生まれた娘がDNA的に自分の娘なのかどうかを、ムヒョクは検査に出していた。

しかし、彼はその結果を見ないまま、書類を燃やしてしまう。

それは、彼にとって「DNAが示す真実」よりも、「娘の父親であること」が大切だと考えた結果だった。

それは、この一連の事件の中で、「殺人メモ」という些末なことに気を取られ、事件の本質が全く見えていなかったことへの反省から来ているのかと思った。

問題は、「人をゾッとさせるようなショッキングなネタ」ではなく、「そこでは実際に何が起きているのか」なのだ。

これまで、「特ダネ」ばかりを追いかけてきたことで、家族を失いかけたムヒョク。

これからは、「特ダネ」よりも、一歩引いた立場で「今そこにある事実」を優先するよう改心したのかもしれない。

しかし、この映画のぬるさでは、今の過熱報道に釘をさすような作品にはなり得ない。

それが、とても残念なところだ。

あと一歩、激烈なパンチが欲しいところだった。





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