マーク・ストロング主演の映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」をWOWOWで観た。
人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、ある問題を抱えた少女の記憶に入り込む話。
【満足度】:★★★★☆
いや~、面白かったなぁ。私、こういう映画好き。
◆「記憶探偵と鍵のかかった少女 ブルーレイ&DVDセット 【初回限定生産/2枚組】」
アメリカのマインドスケープ社は、他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ人間を使い、未解決事件や、人々が抱える問題について謎を解き明かす『記憶探偵』の仕事を行っている。
ジョン(マーク・ストロング)は、その特殊能力を持つ探偵の一人であり、妻を亡くし、しばらく休職していたが、生活費が必要になり、仕事へ復帰することに。
その復帰第一弾の仕事が、両親の言うことを聞かず、食事を一切口にしようとしない16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)だった。
アナの記憶を探り、彼女が食事をするようになれば、それで仕事は終了のはずだったのだが…。

懐かしい友人たちと集まって、昔話に花が咲いた時、ある出来事の話をしているうちに、全員の記憶が曖昧なため、ところどころ記憶のピースが埋まらないことがある。
それは、各自が自分の主観で記憶をしている上に、自分にとって都合の良いところが妙に美化されていたり、逆に辛い思い出は記憶が欠けていたりするために、そんなことが起きてしまう。
例えば誰かの恥ずかしい思い出は、当人にとっては消したい出来事だから覚えていない部分が多く、その周りで観ていた人にとっては、それが楽しい笑い話で色鮮やかな思い出だったりする。
だから、そんな二人の記憶を貼り合わせようと思っても、どうしてもねじれや、欠損、歪みが出てしまう。
友人たちと思い出話をしていて、「え?そうだっけ??」と、皆で話が一致しないのは、たいていそういう「歪み」の部分だ。
だから、本当に人の記憶だけで、その出来事を再現しようと思うのなら、一人の記憶だけでなく、複数の記憶、できるだけ多くの記憶を多方面から埋めていく必要がある。

この映画の主人公・ジョンは、そんな「人の記憶のいい加減さ」に、嫌というほど気付かされることになる。
何よりジョンのつまずきは、「アナだけ」の記憶をさかのぼったことにある。
なぜ、アナの幼少期に問題があると分かった時に、同時に両親の記憶を見なかったのか、なぜ、学校時代に問題があると分かって、アナの同級生を訪ねておきながら、彼女の記憶を見なかったのか。
そこが、つまずいた先に浮かび上がった敗因であり、「事実を知ろうとせずに、思い込みで突き進んでしまったところ」だった。
とはいえ、ジョンの気持ちがよく分かるなぁとしみじみと思う。
人は、「これは正しい。これは好き」と思ったことに対して、都合の良いように解釈しようとする癖がある。
ジョンは、一番最初に見たアナの「虐待された記憶」から、彼女は「かわいそうな少女」であり、「救うべき存在」だから、周りにいる人は、「全員アナの敵」だと解釈するようになる。
それは、ジョンが過去に「愛する妻を救えなかった後悔」に起因している。
今度こそ、「アナを自分が救うんだ」と思い込み、周りが見えなくなってしまった。
本当はそうではない。アナはジョンの奥さんではないのだから。
ただの断食を辞めさせれば、それで終了だったはず。
アナを記憶から誘導するつもりが、実は適当な記憶を使って誘導されていたのはジョンだった。
まさに、ミイラ取りがミイラになっていたというお話だったのだ。
いや~、この展開は面白かったなぁ。

主人公の探偵、ジョンを演じるのはマーク・ストロング。
「ワールド・オブ・ライズ」に出演しているマーク・ストロングがすごく良い!と思ったばかりだったのに、今日は、この俳優誰だっけ??って思ってる(笑)
本当に、人の記憶っていうのはいい加減なんだな(笑)
他の出演作に「キングスマン:ゴールデンサークル」「女神の見えざる手」「キック・アス」「リピーテッド」「イミテーションゲーム」「裏切りのサーカス」など
そして、アナを演じるのは、新星タイッサ・ファーミガ。
この映画に出演して注目を集めたばかりの新人女優。
なんと、「ジャッジ 裁かれる判事」のヴェラ・ファーミガの21歳違いの妹だって。
確かに、似てるかもぉ~。しかし、かわいいなぁ~。今後の活躍に期待したい。
監督はスペイン人のホルヘ・ドラド。
この作品が長編デビュー作。
ほぉぉぉぉ。今後、どんな作品を作るのか非常に楽しみ。

まぁ、結局のところ、ジョンはかわいいアナにころりと騙されてしまった訳で。
でも、騙されて良かったんじゃないかと思う。
アナは悪意があってジョンを騙したのではなく、自分を解放したかっただけ。
それが、最後の薔薇と最新の新聞を持った生存確認の写真に現れている。
ジョンも、奥さんの思い出が詰まった家を売ることで、ようやく過去と決別。
新しい人生を積極的に歩み始める。
この映画は、ジョンは奥さんとの思い出、アナは家に閉じ込めようとする家族という、二人にとっての辛い過去との決別の物語だった。
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◆「記憶探偵と鍵のかかった少女 ブルーレイ&DVDセット 【初回限定生産/2枚組】」
人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、ある問題を抱えた少女の記憶に入り込む話。
【満足度】:★★★★☆
いや~、面白かったなぁ。私、こういう映画好き。
「記憶探偵と鍵のかかった少女」予告編 動画
(原題:MINDSCAPE/ANNA)◆「記憶探偵と鍵のかかった少女 ブルーレイ&DVDセット 【初回限定生産/2枚組】」
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あらすじ
アメリカのマインドスケープ社は、他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ人間を使い、未解決事件や、人々が抱える問題について謎を解き明かす『記憶探偵』の仕事を行っている。
ジョン(マーク・ストロング)は、その特殊能力を持つ探偵の一人であり、妻を亡くし、しばらく休職していたが、生活費が必要になり、仕事へ復帰することに。
その復帰第一弾の仕事が、両親の言うことを聞かず、食事を一切口にしようとしない16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)だった。
アナの記憶を探り、彼女が食事をするようになれば、それで仕事は終了のはずだったのだが…。

感想(ネタバレあり) 人の記憶なんていい加減なもの
懐かしい友人たちと集まって、昔話に花が咲いた時、ある出来事の話をしているうちに、全員の記憶が曖昧なため、ところどころ記憶のピースが埋まらないことがある。
それは、各自が自分の主観で記憶をしている上に、自分にとって都合の良いところが妙に美化されていたり、逆に辛い思い出は記憶が欠けていたりするために、そんなことが起きてしまう。
例えば誰かの恥ずかしい思い出は、当人にとっては消したい出来事だから覚えていない部分が多く、その周りで観ていた人にとっては、それが楽しい笑い話で色鮮やかな思い出だったりする。
だから、そんな二人の記憶を貼り合わせようと思っても、どうしてもねじれや、欠損、歪みが出てしまう。
友人たちと思い出話をしていて、「え?そうだっけ??」と、皆で話が一致しないのは、たいていそういう「歪み」の部分だ。
だから、本当に人の記憶だけで、その出来事を再現しようと思うのなら、一人の記憶だけでなく、複数の記憶、できるだけ多くの記憶を多方面から埋めていく必要がある。

アナを記憶から誘導するはずが、いつの間に誘導され…
この映画の主人公・ジョンは、そんな「人の記憶のいい加減さ」に、嫌というほど気付かされることになる。
何よりジョンのつまずきは、「アナだけ」の記憶をさかのぼったことにある。
なぜ、アナの幼少期に問題があると分かった時に、同時に両親の記憶を見なかったのか、なぜ、学校時代に問題があると分かって、アナの同級生を訪ねておきながら、彼女の記憶を見なかったのか。
そこが、つまずいた先に浮かび上がった敗因であり、「事実を知ろうとせずに、思い込みで突き進んでしまったところ」だった。
とはいえ、ジョンの気持ちがよく分かるなぁとしみじみと思う。
人は、「これは正しい。これは好き」と思ったことに対して、都合の良いように解釈しようとする癖がある。
ジョンは、一番最初に見たアナの「虐待された記憶」から、彼女は「かわいそうな少女」であり、「救うべき存在」だから、周りにいる人は、「全員アナの敵」だと解釈するようになる。
それは、ジョンが過去に「愛する妻を救えなかった後悔」に起因している。
今度こそ、「アナを自分が救うんだ」と思い込み、周りが見えなくなってしまった。
本当はそうではない。アナはジョンの奥さんではないのだから。
ただの断食を辞めさせれば、それで終了だったはず。
アナを記憶から誘導するつもりが、実は適当な記憶を使って誘導されていたのはジョンだった。
まさに、ミイラ取りがミイラになっていたというお話だったのだ。
いや~、この展開は面白かったなぁ。

フレッシュなキャスティングとスタッフ
主人公の探偵、ジョンを演じるのはマーク・ストロング。
「ワールド・オブ・ライズ」に出演しているマーク・ストロングがすごく良い!と思ったばかりだったのに、今日は、この俳優誰だっけ??って思ってる(笑)
本当に、人の記憶っていうのはいい加減なんだな(笑)
他の出演作に「キングスマン:ゴールデンサークル」「女神の見えざる手」「キック・アス」「リピーテッド」「イミテーションゲーム」「裏切りのサーカス」など
そして、アナを演じるのは、新星タイッサ・ファーミガ。
この映画に出演して注目を集めたばかりの新人女優。
なんと、「ジャッジ 裁かれる判事」のヴェラ・ファーミガの21歳違いの妹だって。
確かに、似てるかもぉ~。しかし、かわいいなぁ~。今後の活躍に期待したい。
監督はスペイン人のホルヘ・ドラド。
この作品が長編デビュー作。
ほぉぉぉぉ。今後、どんな作品を作るのか非常に楽しみ。

過去と決別して、自分を解放するとき
まぁ、結局のところ、ジョンはかわいいアナにころりと騙されてしまった訳で。
でも、騙されて良かったんじゃないかと思う。
アナは悪意があってジョンを騙したのではなく、自分を解放したかっただけ。
それが、最後の薔薇と最新の新聞を持った生存確認の写真に現れている。
ジョンも、奥さんの思い出が詰まった家を売ることで、ようやく過去と決別。
新しい人生を積極的に歩み始める。
この映画は、ジョンは奥さんとの思い出、アナは家に閉じ込めようとする家族という、二人にとっての辛い過去との決別の物語だった。
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