とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:マイケル・シャノン



エイミー・アダムス主演の映画「ノクターナル・アニマルズ」を映画館で観た。

20年前に別れた夫から届いた一冊の小説。そこに綴られていたのは、自分が捨てたはずの過去だった。

映画は観たのだけど、ブログにレビューを書けなかったので、「ぴあ映画」さんに書いたレビューを紹介します。



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

サスペンスや社会派などの様々な側面がある中で、最も引きつけられたのは元夫の小説を巡る謎解き。

若い頃に封印したはずの過ちが小説に形を変えて元妻に復讐をする。

言葉の暴力が与える痛みの描き方には胸が苦しくなる



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. 感想


「ノクターナル・アニマルズ」予告編 動画

(原題: Nocturnal Animals)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月23日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年9月29日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者


マイケル・シャノン


〇アイラ・フィッシャー

〇エリー・バンバー

〇カール・グルスマン

アーミー・ハマー

ローラ・リニー


監督

〇トム・フォード


2016年製作 アメリカ映画



映画「ノクターナル・アニマルズ」



感想


以下の感想は私が「ぴあ映画生活」さんに書いたものです。


ノクターナル・アニマルズ (2016)


★★★★☆ [90点]「忘れたはずの過去に復讐される」

これはかなりの衝撃作で、映画を観終わった後に、息が苦しくなって、自分の気持ちをなだめるのに必死だった。



人生経験のない若さから生まれる無邪気さは、それはそれで素晴らしいけれど、時には恐ろしい残酷さをはらみ、自分が犯した罪に気付かないまま大人になる。

いや、気付きながらも、それを心の奥底に封印し「何もなかった」かのように人生を歩む。



そしていつの日か、自分がもっとも嫌っていた人種へと成長していることに気づく。



これは、自分が過去に手放した幸せからの逆襲である。



キッチリと蓋をして、封印したつもりでも、人は過去に犯した罪から思わぬ方法で復讐される。

そして、その罪を背負い、一生眠れない夜を過ごすことになる。



目の前にいる人の財力や地位を取り除いたら、一体何が残るのか。

じっくりと考えたい映画だった。

それにしても、衝撃作だった


Posted by pharmacy_toe on 2017/11/12 with ぴあ映画生活






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クリス・ヘムズワース主演「ホース・ソルジャー」を試写会で観た。

2001年に起きた『9.11 同時多発テロ』の翌日、アルカイダ掃討のためにアフガニスタンへ向かった12人の陸軍特殊部隊の実話を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

戦闘シーンは迫力満点で見応えがあり、彼らの戦いはズシンと重みが残り、思いのほか感動した映画だった。

いつの時代も、誰にも知られることなく命がけで戦っている人たちがいるんだと改めて思い知らされる実話の映画化。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「ホース・ソルジャー」予告編 動画

(原題:12 Strong)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月15日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年4月7日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演

クリス・ヘムズワース
…(「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「マイティ・ソー バトルロイヤル」、「ラッシュ/プライドと友情」、「白鯨との闘い」、「ゴーストバスターズ」、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、「パーフェクト・ゲッタウェイ」、「アベンジャーズ」など)

マイケル・シャノン
…(「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ノクターナル・アニマルズ」、「ラビング 愛という名前のふたり」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マッド・マザー 生贄の少年」など)

マイケル・ペーニャ
…(「運び屋」、「アントマン&ワスプ」、「素晴らしきかな、人生」、「アントマン」、「大いなる陰謀」、「フューリー」など)

トレヴァンテ・ローズ
…(「ザ・プレデター」、「ムーンライト」など)

…(「アメリカン・アサシン」など)

〇エルサ・バタキー

〇ウィリアム・フィクナー


監督

〇ニコライ・フルシー


2018年製作 アメリカ映画



映画「ホース・ソルジャー」



あらすじ


2001年9月11日 アメリカで同時多発テロが起きる。

その時、陸軍大尉のミッチ・ネルソン(クリス・ヘムズワース)は、現場から退いて管理職に異動したばかりだった。

しかし、居てもたってもいられなくなったミッチは、自分の特殊部隊のチーム 12人を招集し、アルカイダが潜伏していると言われているアフガニスタンへと向かうことを志願する。

翌日には許可が下りたミッチたちチームは、隣国のウズベキスタンへと向かう…。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



感想(ネタバレあり)


9.11 同時多発テロ直後に起きた実話の映画化


近年で、時代の流れを変えた事件というのが2つあると思っている。

1つは1989年に起きた「ベルリンの壁」の崩壊。

この時を境に 資本主義 VS 共産主義 の戦いである冷戦が終了した。



もう1つは、2001年9月11日にアメリカで起きた「同時多発テロ」。

この時を境に、世界で起きている戦争が「国 VS 国」から、「国 VS テロ組織」という形へと変化していく。

たとえば、この映画のような「米軍 VS アルカイダ」や、「国連軍 VS ISIS」など。



それぐらい「9.11 同時多発テロ」というのは世界に衝撃を与えた事件だった

この映画は、その「世界の歴史を変えた事件」の中で、テロ組織「アルカイダ」を追い詰めていった米軍特殊部隊の実話を描いている。

彼らが戦っていたのはアフガニスタンではなく、そこに潜伏するテロ組織であり、これまでの戦争とは明らかに戦い方が違っている。

ただ、アフガニスタンに降り立ってテロ組織を潰せばいいというわけではない。



その彼らが、「どう戦っていくのか」という戦略の立て方、山岳地帯での戦い方の難しさ、リーダーの人間性などを見ているのがとても興味深く面白い映画だった



そして、この戦いは極秘の中で行われたため、しばらく人に知られることがなく、長い時間を経ての映画化となった。



映画「ホース・ソルジャー」マイケル・ペーニャ、マイケル・シャノン、クリス・ヘムズワース


アルカイダの敵対組織「北部同盟」を利用する米軍


いくら特殊な訓練を受けた有能な戦士たちだからといって、12人の兵士では、5万人いるといわれるアルカイダと戦えるはずがない

そこで陸軍の参謀が考えた戦略が、現地でアルカイダと敵対している組織 北部同盟と手を組むことだった。



私は、その戦略には複雑な気持ちになった。

なぜなら、そうやって、米軍が現地の組織に金と武器を与え、利用できるだけ利用し、利用価値が無くなったところでポイ捨てした結果、捨てられた組織の中からアメリカを恨み、テロリストが生れていくケースが多いからだった。



そんな私の心配を見越したからだろうか、ミッチ率いる部隊がアフガニスタン入りした頃、アルカイダが現地の女性や子供たちにどれだけ酷いことをしていたのかを映し出す。

その蛮行の残酷さだけでも目をそらしたくなるものであり、「アルカイダを全滅させる」という彼らの目的を正当化するのに十分、説得力を持ったものだった。



これは、これまで行ってきた朝鮮半島やベトナムのように、北と南の間で線が引かれ、国が北部と南部に分かれて戦うのではなく、アフガニスタンに潜伏するテロ組織「アルカイダ」と、彼らに家族を殺された者たちからなる「北部同盟」との対立を利用して、米軍が北部同盟を支援しながら「アルカイダ」を掃討しようする作戦なのである。

「北部同盟」は、ミッチ率いる米軍にとって、アルカイダの潜伏先へ案内するガイドであり、共に手を組んで戦う同士でもあるのだ。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



勝利へと導く「馬」と「リーダー」


その戦いの中で、彼らを勝利に導く立役者となったのが、「馬」と「頼りになるリーダー」だった。



それは、この映画の邦題からもわかるけれど、なぜ「馬」だったのか

米軍が手を組んだ北部同盟がそれほど予算を持っていない組織だということもあるけれど、アフガニスタンという国は山岳地帯であり、大きな道路はアルカイダに支配され、彼らに気付かれないように近づくには、その崖の中を行かなければならない

そのための「馬」だった。



今どきの戦いで馬!?と思うけれど、実際に映画を観てみると、なるほど、確かに馬でなければ通れないようなところばかりで、馬がいなければこの作戦は成功しなかっただろうと思える。



そして、現地の土地勘もなく、言葉が通じない組織と手を組み、生まれてからこれまで乗ったこともない馬に乗ることになってしまった兵士たちのモチベーションを上げ、チームを導いていったのがリーダーのミッチだった。

ミッチは、陸軍の参謀が「6週間かかる」と言ったところを「3週間で終わらせる」と言って、その役を得た経緯があった。

だから、彼には「急がなければいけない」理由があり、本部からしばしば「成果を出せ」とせっつかれていた



それでも、彼はメンバーの健康状態を気遣い、一人もかけることなくアメリカへ帰ることを約束し、自分のチームだけでなく、北部同盟のメンバーたちのことも気遣う。

さらに、戦闘状態になれば誰よりも先頭に立って部隊を率いる姿は、「憧れるリーダー像」の全てを兼ね備えていた



ミッチが最後まで「全員でアメリカに帰る」と言い続けたからこそ、部下たちは彼を信じてついて行ったのだと思ったし、作戦を成功させることができたのだと思った。



映画「ホース・ソルジャー」クリス・ヘムズワース



「愛国心」や「正義」を押し売りしない戦争映画


よくある戦争映画でうんざりしてしまうのは、「威圧感たっぷり」の上官が出てきて「愛国心」だの「正義とはなんぞや」と講釈をのたまうことで、そういう場面を見るたびに「あぁアメリカって…」と思ってしまう。

しかし、この映画に好感を持ったのは、そういう「愛国心と正義の押し売り」がなかったところ



「9.11 同時多発テロ」のテレビ中継を見て、事件を引き起こしたテロ組織に腹を立て、その報復のためにアフガニスタンに降り立った彼らだけど、いざ戦闘となれば「早くこんなことを終わらせて家に帰ること」が彼らの目標となる。

そして、彼らにとっての最優先事項は、愛国心でも正義でもなく、目の前にいる仲間たちを守りたいという思いだった。

そんな彼らの姿が、とてもリアルで等身大のような気がして良かった



敵を目の前にした彼らが、一番大事なのは「生きるか死ぬか」であり、「仲間と一緒に国に帰ること」であり、「お国のため」ではない

それこそが、現場で戦っているひとたちの思いなんだろうし、だからこそ、必死になって戦っているのだというところに私はとても感動した。



もちろん、優秀な彼らの頭や心の中には「9.11で犠牲になった人たちのために」という思いも当然あっただろうけど、いざ、現地について戦うとなった時に、頭に出てくるのは国で待ってくれている家族のことだろうし、早く帰りたいという思いだろうと思う。



映画の後半は、本当に目の前でミサイルが飛んでいるかのような迫力満点の戦闘場面が続き、それだけでも圧倒される。

そこには「どんなことをしてでも、全員が国へ帰るんだ」という思いを抱えたリーダーが先頭に立って向かっていったからこそ、あの場面は生れるのだし、感動するのだと思った。



どんな状況下でも、彼らのように「世の中に知られることなく」命がけで戦っている人たちが世界には大勢いるのだと思える作品になっている。



最後に、米軍のリーダーミッチと、北部同盟のリーダー ドスタム将軍は、いまだに親友関係が続いているという字幕が流れてホッとした。

それは、北部同盟は「アメリカに利用されるだけ利用されて捨てられた人たち」ではないことを示すメッセージだと思ったからだった。

ということは、あの少年兵たちもテロリストにならず立派な大人になったんだろうと思いたい…。




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ギレルモ・デル・トロ監督の映画「シェイプ・オブ・ウォーター」を東京国際映画祭で観た。

1962年冷戦時代のアメリカで発見された半魚人と心を通わせる女性のSFファンタジー作品。


満足度 評価】:★★★★☆

愛に溢れ、心温まる優しい映画だった。

ここにあるのは、海の中の王様と、口のきけないお姫様の運命の恋。

なぜ、彼らは出会い、愛し合うことになったのか。

ギレルモ・デル・トロ監督が描く、「多様性の時代」にあるべき愛の姿。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「シェイプ・オブ・ウォーター」予告編 動画

(原題:The Shape of Water)



更新履歴・公開、販売情報

・2017年11月11日 東京国際映画祭で観た感想を掲載。

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キャスト&スタッフ


出演者

サリー・ホーキンス
…(「パディントン2」、「僕と世界の方程式」、「パディントン」、「ブルージャスミン」など)

マイケル・シャノン
…(「ホース・ソルジャー」、「ラビング 愛という名前のふたり」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マン・オブ・スティール」、「マッド・マザー 生贄の少年」など)

リチャード・ジェンキンス
…(「LBJ ケネディの意志を継いだ男」、「アウトロー」、「扉をたたく人」など)

オクタヴィア・スペンサー
…(「gifted/ギフテッド」、「ドリーム」、「ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常」など)

〇ダグ・ジョーンズ

マイケル・スタールバーグ
…(「君の名前で僕を呼んで」など)



監督・脚本・製作・原案

ギレルモ・デル・トロ
…(「パンズ・ラビリンス」、<製作総指揮のみ>:「MAMA」、「永遠のこどもたち」)


2017年製作 アメリカ映画



映画「シェイプ・オブ・ウォーター」



あらすじ


1962年、冷戦時代のアメリカでは、科学技術の分野でアメリカとソ連が競い合っていた。

そんな中、アメリカの調査隊はアマゾンの山奥で「神」と崇められている半魚人(ダグ・ジョーンズ)を発見する。

その半魚人が収容されている研究所で掃除の仕事をしているイライザ(サリー・ホーキンス)は、研究所で恐れられている半魚人に興味を持ち始め、手話でその思いを伝え始める…。



映画「シェイプ・オブ・ウォーター」サリー・ホーキンス



感想(ネタばれあり)


『異質なもの』に対して不寛容だった時代に出会ったイライザと半魚人


物語の舞台は1962年のアメリカ。

その当時は冷戦時代で、アメリカとソ連は科学技術力を競い合っていた。

その頃のアメリカは、今と比べて同性愛者、有色人種、障がい者への差別・偏見がまだまだ強かった時代だった。



主人公のイライザは、幼い頃に声帯を切られた状態で発見され、孤児として育つ。

人とのコミュニケーションは手話で行い、隣人の独身男性ジャイルズと助け合いながら生活していた。

そのジャイルズは同性愛者なのだが、当時は同性愛者に対する周囲の理解がなく、そのそぶりを見せようものなら、異常者扱いをされてしまっていた。

イライザは、夜間、研究所で掃除の仕事をして働いていたが、同僚のゼルダは黒人で、彼女もまた偏見の目にさらされながら生活していた。



そんな時、イライザとゼルダが働く研究所に半魚人がやってきた。

幼い頃から『異質の存在』として好奇の目にさらされてきたイライザにとって、その半魚人は『同類』であり、出会った瞬間から気持ちが分かり合えるような気がして、半魚人が威嚇してきても、臆することなく近づくことができた。

そして、そこから半魚人とイライザの心の交流が始まる。



映画「シェイプ・オブ・ウォーター」サリー・ホーキンス、リチャード・ジェンキンス



未知のものを恐れる人たちと、受け入れようとする人たち


ここに登場する人々は、当時のアメリカがその存在を認めなかった人たちである。

障がい者のイライザ、黒人女性のゼルダ、ゲイのジャイルズ、そして半魚人。

マイケル・シャノン演じるストリックランドや、ジャイルズが通うパイ屋さんの店員は、当時の典型的なアメリカ人を体現したものである。



なぜ、彼らはそれ程までにマイノリティの人たち嫌い、差別的な態度をとっていたのか

それは、彼らが「自分たちとは異なるもの」だからこそである。

人は、未知のものと出会った時、相手の行動が読めず、恐れを抱くようになる。

当時のアメリカにとって理想的なものは、ノーマンロックウェルが描くような世界であり、そこには、黒人や障がい者や、ゲイや半魚人は出てこない。

彼らは、「自分たちとは異なる」未知のものを恐れ、威圧し、時には暴力を使って彼らを服従させていた



半魚人は、そんな時代のマイノリティを象徴している存在であるが、だからこそ、同じくマイノリティのイライザは半魚人に興味を持ち、彼の言葉を理解しようとし、心を通わせようとした。

それは、ギレルモ・デル・トロ監督がこれまで一貫して描いてきた「人と異なることは素晴らしいこと」がここにも通じていて、彼らへの愛情に満ち溢れた作品となっている



映画「シェイプ・オブ・ウォーター」サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、オクタヴィア・スペンサー



言葉がつうじなくても、身振り手振りで分かり合える…それが、多様性の時代のコミュニケーション能力


やがて、イライザと半魚人は愛し合うようになるが、そのイライザと半魚人の恋を通じて描かれるのは、「言葉がなくても分かり合える世界」である。



観光地でよく見かける光景の一つとして、「外国人に話しかけられて、逃げてしまう日本人の姿」がある。

それは、「自分が英語を話せないから」という英語コンプレックスからくるものだけど、実際は、英語を話せなくても、身振り手振りと、知っている単語だけでなんとかなることがほとんど。

そこには、英語コンプレックスに加えて『外国人』という未知のものに対する恐れもある。

それは、島国で育った日本人が、どうしても異文化とのコミュニケーションがうまくなれない原因の一つである。



声を発することができないイライザにとっては、彼女以外の全ての人たちが『言葉の通じない人たち』である

相手が、白人だろうと、黒人だろうと、ゲイだろうと、半魚人だろうと、誰であっても『ゼロからコミュニケーションをスタート』させることに違いはないし、常に、『相手の表情を読む』ことでコミュニケーションを成立させてきた。

だから、イライザはいつも通り半魚人と初めて出会った時に、相手に恐れを抱くよりも、まず表情を読んだのだろう

そして、彼に好意を抱くようになる。



半魚人にとって、そんなイライザは『他の人間』と明らかに違っていて、初めて心を開く相手になった。

イライザが幼い頃から口がきけなかったからこそ、これは海の中の王様と、口のきけないお姫様の運命の恋の物語なのである。



これは冷戦時代の話であるが、現在のような『多様性の時代』だからこそ、イライザのように「言葉がなくても相手と通じ合えるコミュニケーション能力」が必要であることを、2人の恋は示している

他の人と見た目や話す言葉が違っていても、見つめ合えば分かり合えることがある

そして、そこから恋に発展することだってある。

相手を恐れるよりも、まずは理解しようとする気持ちが大切だと、ギレルモ・デル・トロ監督は訴えたかったのだと思った。



映画「シェイプ・オブ・ウォーター」



大人になった「パンズ・ラビリンス」


私たちが水の中に潜った時、周りを水に覆われて全く音の無い状態になる。

それは、イライザと半魚人にとって言葉のいらない、愛に覆われた世界である。

外でどんなに恐ろしいことが起きたとしても、水の中にいる彼らの世界は幸せな世界

だからこそ、この映画のタイトルは「The Shape Of Water」なのであり、それが彼らの愛の形なのである。



しかし、「外の世界で何が起きようとも、プリンセスには幸せな世界が待っている」という、おとぎ話の世界観は、ギレルモ・デル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」とどうしてもダブってしまう。

パンズ・ラビリンス」は第二次大戦の話で、こちらは冷戦の話だし、「パンズ・ラビリンス」は少女の話で、こちらは大人の恋愛の話だけれど、どうしても既視感があって新鮮味を感じなかった。



これまでアメリカが描いてきたノーマン・ロックウェル的な『理想の家庭』の時代は終わり、これからは多様性の時代であることを示唆する愛に溢れた世界観は素晴らしいけれど、どうしても、「パンズ・ラビリンス」を思い浮かべてしまい、私としては絶賛という気持ちにまではなれなかった。

むしろ、私としては「パンズ・ラビリンス」と出会った時の衝撃が強く、この「シェイプ・オブ・ウォーター」はそれを越えられなかった。

監督としては、「パンズ・ラビリンス」の少女が成長して、ここでは洗練された愛の形を示したんだろうけど、もっと違う形の結末を見せて欲しかったなと思った。





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ジョエル・エドガートン主演の映画「ラビング 愛という名前のふたり」を試写会で観た。

アメリカで異人種間の結婚が許されなかった時代に、愛し合って結婚した白人男性と黒人女性の夫婦の姿を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

多くを語らない夫婦の静けさの中にある愛が心に沁みる映画だった。

「ラビング 愛という名前のふたり」予告編 動画

(原題:LOVING)





掲載履歴・DVD販売情報

この感想は、試写会で鑑賞後、2017年2月23日に掲載したものです。

2018年5月25日 WOWOWでの放送(21時より)に合わせて加筆・修正いたしました。

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キャスト&スタッフ


出演者

ジョエル・エドガートン
…(「イット・カムズ・アット・ナイト」、「レッド・スパロー」、「ブラック・スキャンダル」、「ディーン、君がいた瞬間」、「ウォーリアー」<兼 監督作>「ある少年の告白」、「ザ・ギフト」など)

〇ルース・ネッガ

マイケル・シャノン
…(「ホース・ソルジャー」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マン・オブ・スティール」、「マッド・マザー 生贄の少年」など)

監督・脚本

〇ジェフ・ニコルズ

2016年製作 アメリカ映画

ラビング愛という名前のふたり

あらすじ


白人男性のリチャード(ジョエル・エドガートン)と黒人女性のミルドレッド(ルース・ネッガ)はそれまで同棲していたが、ミルドレッドの妊娠を機に結婚を決意する。

しかし、彼らが住んでいるバージニア州では異人種間の結婚が認められていないため、特別に許されているワシントンDCで結婚届を提出する。

そして、そこから2人の結婚生活がスタートするのだが、結婚して間もなく「一緒に生活している」という理由でリチャードとミルドレッドは警察に逮捕されてしまう…。



ラビング愛という名前のふたり2



感想(ネタバレあり)


「見つめ合えば分かり合える愛」が心に沁みる


昔は、「愛してるよーーー!!」と世界の中心で愛を叫ぶような恋愛に憧れた。

それも、ちょっとやそっとの叫び方でなく、愛に溺れちゃうような、かなりしつこいぐらいの激し目のものが好みだった。

それが最近は、「見つめ合えば分かり合える愛」がとても心に沁みるようになった

歳をとったってことなのかな(笑)



一緒にいて居心地がよくて、話をしていて楽しくて、目を見れば言葉を口にしなくてもお互いの気持ちが分かる。

そんな長年付き合った落ち着いたカップルのような落ち着いた愛が良い

この映画の主人公であるリチャードとミルドレッドは、まさにそんな落ち着いたカップルだった。



若い頃からずっと一緒にいて、多くを語らなくてもお互いのことは分かり過ぎる程に分かり合っている。

そんな二人の静かな愛の姿がとても心に沁みた

たとえ法律であっても、強く結ばれた彼らの絆を引き裂くことはできない



ラビング愛という名前のふたり3



何も悪いことをしていないのに、なぜ逮捕されるのか


これは、彼らの裁判がきっかけで、異人種間の結婚について法整備化されたという実話に基づいて映画化されたものだ。

と言われると、「どんな風に裁判で戦ったのか」とか、「どれ程酷い差別を受けたんだろうか」など、社会派的な側面が描かれるんだろうと思ってしまう。

実際、私もこの映画を観るまでは、そういう映画なんだと思っていた。



しかし、この映画にとって、その裁判の話はただのサイドストーリーにしか過ぎない

メインで描かれるのは、あくまでも「彼らが愛し合った記録」だ。



一組の男女が出会い、愛し合い、妊娠が発覚して結婚。

彼らの願いは「互いの家族や友人たちが多く住む故郷で一緒に暮らしたい」という思いだけ。

そんな日常生活にフォーカスを当てている。



彼らは何も悪いことはしていない

普通の人たちが思うように、家族や友人たちと毎日楽しく過ごす生活が欲しいだけだった。

そんな彼らの姿を見て、私たちは「なんで、彼らは逮捕されなければいけないのか」と考えさせられる。



ラビング愛という名前のふたり4



「異質なもの」は排除しようとする人々


今でこそ、白人と黒人のカップルは「特別なこと」ではない。

日本でも、異人種間の国際結婚はそんなに珍しいことでもなくなった。

しかし当時は、彼らが一緒にいるだけで「普通ではない異質な人たち」だった。



彼らが「逮捕されなければならない理由」として、バージニア州判事の言い訳がひどかった。

「神は私たちをお作りになった時、白人、黒人、黄色人種など、それぞれの人種が混じらないよう、それぞれに大陸を分け与えた。

だから、異人種間が交わるなんてことは神がお許しにならない」

といった感じの判決理由だった。



その時に、「えーーだったら、アメリカ大陸はネイティブ・アメリカンのものだから、白人はアメリカから出て行きなよ」と思ったし、「アフリカからアメリカ大陸へ勝手に黒人を連れてきたのは白人でしょ」と思った。

その白人優位主義的な判決内容に思わずのけ反ってしまった



しかし、それが何年も昔の話だと笑ってもいられない。

未だに世界では同姓婚が認められない地域が多く、移民などのマイノリティを追い出そうという動きも起きている。

そんな現代だからこそ、彼らの純粋で美しい愛を観て、それぞれが何かを感じ取ることが必要なのだ。



ラビング愛という名前のふたり5



法律では愛し合う2人を引き裂くことはできない


そして、私がこの映画の中で一番泣いてしまったのは、ラストに出てくる妻ミルドレッドが2008年に語ったという言葉だった。

私はリチャードのことがとても恋しいです。彼はいつも私のことを守ってくれました

この一言に号泣だった。



リチャードは、いつも寡黙で無骨で多くを語らない。

わりと九州男児のような男らしいタイプの男性。

そんな不愛想な彼だけど、いつもミルドレッドと家族のことを第一に考えていた。



彼女ために土地を買い、家族のために家を建てる。

いつも厳しいのかと思いきや、テレビを観ている時は彼女に甘える姿を見せる

(この時のLIFE誌の写真が最高だった)



そんな寡黙なリチャードを演じているジョエル・エドガートンも本当に素晴らしかった。

彼は、映画に出るたびに表情からガラリと変えてくるけど、今回もこれまでの彼とは別人かと思うぐらい今までとは違う人で登場したことに驚かされてしまった。

ミルドレッドはそんなリチャードが家庭を守っていてくれたからこそ、安心して生活することができた



そんな二人の「言葉にしない愛情」が、この映画の全てに染み渡る作品だった

この当時は異人種間の結婚だったけれども、現在ではそれが同姓間の結婚へとシフトチェンジしている。



それが異人種だろうと同姓間だろうと一緒

心の奥底で愛し合っている二人は、法律で引き裂こうとしても引き裂くことはできない

それがたとえ神様であっても。

本当に素敵な映画だった。






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サマンサ・モートン主演の映画「マッド・マザー 生贄の少年」をWOWOWで観た。

病弱で寝たきりの少年と彼を狂気で支配する母親、彼らの近所に引っ越してきた少女が見た恐怖の実態を描くサスペンス映画。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

最近流行りの毒親ものかと思いきや、後半になって予想していなかった展開になるサスペンス。

母親の勝手なエゴが子供たちを不幸にする。

この感想にはネタバレが含まれています。映画を観てから感想をお読みください


「マッド・マザー 生贄の少年」予告編 動画

(原題:The Harvest)







キャスト&スタッフ


出演者

サマンサ・モートン
…(「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、「マイノリティ・リポート」など)

マイケル・シャノン
…(「ホース・ソルジャー」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ノクターナル・アニマルズ」、「ラビング 愛という名前のふたり」、「ドリームホーム 99%を操る男たち」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マン・オブ・スティール」など)

ピーター・フォンダ
…(「あしたの家族のつくり方」など)

〇ナターシャ・カリス

〇チャーリー・ターハン

監督

〇ジョン・マクノートン


2013年製作 アメリカ映画



マッド・マザー生贄の少年



あらすじ


両親を亡くし、祖父母と暮らすために引っ越してきたマリアン(ナターシャ・カリス)。

転校してきたばかりの彼女には遊びに行く友達もいなかったが、近所の家で寝たきりの生活をしているアンディ(チャーリー・ターハン)を見つけ、彼の部屋でテレビゲームをしたりして遊ぶようになる。

病弱のアンディは病気になりやすいため、アンディの母で医師のキャサリン(サマンサ・モートン)はマリアンがアンディの部屋に出入りすることを嫌がり「もう来ないで欲しい」とマリアンに告げるが、それでもマリアンはアンディの部屋に通い続ける。

キャサリンとは対照的に、アンディの父・リチャード(マイケル・シャノン)はマリアンに好意的なのだが、キャサリンは怒りを爆発させ…。



マッド・マザー生贄の少年2




感想(ネタバレあり)


病弱で寝たきりのアンディと、両親を亡くしたばかりのマリアンの出会い



友達のいないアンディとマリアンが、お互いの寂しさから生まれる引力で引き寄せあうように出会う。



アンディは幼い頃から病弱であり、寝たきりで過ごしていた。

いつも部屋で一人でテレビゲームをするか、窓から眺められるトウモロコシの成長を見守るか。

それが毎日の日課。

足を動かすことができず、家の中は車いすで移動し、もしも、外に出ようとすればママに酷く怒られてしまう



マリアンは両親を亡くし、祖父母と暮らすことになるが、その結果、仲良かった友達とは離ればなれになって、新しい学校になじめない。



引っ越してきたばかりのマリアンが近所を探検するように歩いていていた時に、林の中にある一軒家を見つける。

そして、その家の一階の部屋のベットで寝ているアンディを見つける。

はじめは驚いたマリアンも、アンディが同世代だったことから、外から窓を叩いて話しかけ、そこから二人は友達になる。

お互い寂しい者同士、すぐに親しくなっていく。



しかし、二人が仲良くなることをアンディのママで医者のキャサリンはよく思っていなかった。

アンディがマリアンと一緒にいるところがキャサリンに見つかれば、すぐ帰されてしまうようになる



マッド・マザー生贄の少年3


キャサリンは典型的な毒親だと思った前半部分



アンディとマリアンが出会ったころから、母キャサリンの狂気が際立っていく。



これまでアンディには友達ができず、マリアンという友達が初めてできたのに、それを拒絶する。

外に行きたいという願いも叶えられず、当然、アンディの野球をしたいという願いも拒否。

それはすべて、「外に出たら病気になるから」という理由によるもの



前半のキャサリンのそんな様子を見いていて、「これは最近の映画界で流行りの『毒親』を描く映画なんだな」と思った。

後から考えれば、それは短絡的な考え方だったかもしれないけど、「病弱な子供のことを思って、あれこれ支配したがる毒親」は確実にいる。



アンディ本人が望んでいる友達まで排除してしまうのは、やり過ぎだろうと思ったけど、それは母親と息子の間にありがちな『嫉妬』なんだろうと思った。

やはり、息子にとってNo.1の女性は、母親であって欲しい。

だから、息子に近づく虫はできる限り遠ざける。

そんな反応だったのだろうと思った。



アンディに対して過干渉であり、なんでもかんでも支配したがり、女友達に嫉妬を感じて排除する

もう、これは毒親以外のなにものでもない



マッド・マザー生贄の少年4


アンディが外に出られない驚愕の理由



しかし、「知りたがり」のマリアンが地下室に『もう一人の寝たきりの少年』を見つけたことで、事態は急展開する。

一体、あの少年は誰なのか。



そこから、物語の中心は「毒親の狂気」から「『本当の息子はどっち?』という謎解き」へとシフトしていく。



その時、マリアンは一枚のレントゲン写真を見つける。

家に帰って、写真に書かれていた名前を検索したら、それが行方不明の少年の名前と一致してしまう。

ということは、地下で機械につながれて寝ている少年は「誘拐された子供」なのか…



しかし、そこで疑問がわいてくる。

彼らが「寝たきりの少年をわざわざ誘拐する理由は何か」と。



そうではないのだ。

アンディと言われていた少年こそが、誘拐された少年で、地下で眠っている少年が本当の息子だった。

彼らの息子は、生まれた時から心臓が弱かった。

しかし、幼過ぎて病弱なうえ、移植をする体力もない。



それならば、もう一人同じ年頃の少年を誘拐し、息子の栄養素として育てることを考える。

共に育てて、大きくなるに従って、少しずつ血液や、息子の弱った臓器を移植し、最終的には心臓をもらって偽アンディの役割は終了する。



そのまま移植手術が成功したら、しれっとアンディとすり替えて息子として生きていく予定だったのだろう。

だからこそ、アンディは外に出て人目に触れてはいけないし、友達などいていはいけないのだ。

やがてくるはずの未来予想図を思い、キャサリンはマリアンに激怒したのだ。



この映画の原題は「Harvest(収穫)」であるが、それは移植のための「機が熟した」ことを意味している

ようやくアンディの臓器を移植する時がやってきた

そういう意味だった。



しかし、キャサリンの想定外にマリアンというアンディの味方が現れ、未来予想図が少しずつ崩れていってしまう



マッド・マザー生贄の少年5


見ず知らずの子でも、毎日暮らしていたら情がわくのでは…?



キャサリンは医者であることよりも『母親としてのエゴ』が勝ってしまい、息子の臓器を育てるために子供を誘拐・監禁してしまう

しかし、中にはキャサリンの気持ちが分かる人もいるのではと思う。

生れてきた子供が不治の病で、名医でも治療することができないなら、どんなこともでしてあげたいと思ってしまう母心。



キャサリンは、日々、多くの子供たちの命を助けながらも、よりによって自分の息子は救えないという境遇にいた。

健康な臓器を持つ少年を誘拐した時には、自分の息子以外のことが見えていなかったのだろう。



しかしそうなると、疑問に思うのは「キャサリンがアンディに対して何の愛情も持たなかったのか」ということ。

一時魔が差して、自分の息子のために、健康な子供を誘拐したとしても、その後、何年間も毎日「ママ」と言われながら生活をしていて、本当に1㎜も情がわかなかったのだろうか



彼女とは対照的に、夫のリチャードはアンディに情が移ってしまい、自由にしてあげようと思っていたのに、母性本能を持っている母親のキャサリンがアンディに何の愛情も持たなかったのは、ちょっと疑問だった。

手術をしようとして、アンディと過ごした日々のことを思い出し、思いとどまるっていう流れだったら、もっと納得がいったかもしれない。

最後が、ホラーっぽくなってしまったので、ちょっともったいない気がした。





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アンドリュー・ガーフィールド主演の映画「ドリームホーム 99%を操る男たち」をWOWOWで観た。

サブプライム住宅ローンによって住宅を買ったものの、その後のリーマンショックによりローンを返済できなくなり、住宅は銀行に差し押さえられてしまった家庭から、その住宅を取り上げてしまう不動産屋の姿を描く。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

彼らのやっていることのどこまでが合法で、どこからが違法なのかがピンとこないところがあり、全てを理解したとは言えないけど、「いかに汚いことをして富裕層の人間になるか」ということはよく分かった作品だった。

「ドリームホーム 99%を操る男たち」予告編 動画

(原題:99 HOMES)




「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」 DVD

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キャスト&スタッフ


出演者

アンドリュー・ガーフィールド
…(「アンダー・ザ・シルバーレイク」、「ブレス しあわせの呼吸」、「ハクソー・リッジ」、「沈黙-サイレンス-」、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「ソーシャル・ネットワーク」、「大いなる陰謀」など)

マイケル・シャノン
…(「ホース・ソルジャー」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ラビング 愛という名前のふたり」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「マン・オブ・スティール」、「マッド・マザー 生贄の少年」など)

ローラ・ダーン
…(「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、「遠い空の向こうに」、「私に会うまでの1600キロ」、「きっと星のせいじゃない」、「ジュラシック・パーク」シリーズなど)

監督

〇ラミン・バーラニ

2014年製作 アメリカ映画

ドリームホーム99%を操る男たち

あらすじ


デニス・ナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)は、小学生の息子コナーと母(ローラ・ダーン)の3人暮らし。

デニスは大工仕事をしながら家族の生活費と3人で暮らす家の住宅ローンを支払っている。

しかし、その頃起きたリーマンショックにより、住宅の建築が中断し、それまでの施工費が支払えないなどの事態が頻発。

デニスにも給料が支払われないという状況になり、住宅ローンが支払えない状態が続いていた。

そして、ついにデニスの家は銀行に差し押さえられ、不動産仲介業者のリック・カーバー(マイケル・シャノン)から「この家は銀行のものだから、今すぐ退去しろ」と言われてしまう…。

ドリームホーム99%を操る男たち5

感想(ネタバレあり)


1%の富裕層と99%の貧困層


2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・スティグリッツの言葉

世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である

が、この映画のネタ元になっている。

元ネタ「世界の99%を貧困にする経済」

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映画のタイトルである「99 HOMES(原題)」や「99%を操る男たち」にある99とは、その言葉に基づいた貧困層のことを示している。

主人公のデニスは大工の仕事をしていた。

しかし、2008年に起きたリーマンショックにより経済が悪化。

銀行へ住宅ローンが支払えない状況になると、家を差し押さえられ、その後、家は不動産屋のリック・カーバーに立ち退くよう言われてしまう。

なんとしてでも、長年住んだ家を取り戻そうとしたデニスは、彼から家を奪いに来たリックの下で働くようになる。

そこでデニスは、リックに「勝者になるには1%の中に入らなければならない」と教えられ、合法と違法の狭間のギリギリのところで、荒稼ぎをすることを覚えるようになる。

この映画では、ジョセフ・E・スティグリッツの言う「1%の富裕層」になるためには、リックを例にして、「どれだけ他人の不幸に無関心でいられるか」が必要であるかが描かれている。

ドリームホーム99%を操る男たち2

裁判所も警察も貧困層の味方にならない現実


この映画で描かれているのはアメリカの法律での話。

なので、どこまでが合法で、どこからが違法なのかがちょっと理解できず。

しかし、ローンが焦げ付いた家を回る不動産屋リック・カーバーの姿は、日本でも1980年代に問題になった「地上げ屋」と良く似ていた。

地上げ屋の場合は、土地の持ち主が借金を返済できなくなったワケでなく、ただ高価な土地が欲しかっただけという違いはあるものの、何も分かっていない弱者に対し、高圧的な態度で家や土地を取り上げていく様子は非常によく似ている。

さらに、この映画でとても不思議だったのは、「市民の味方」のはずの警察官が不動産屋と一緒になって退去命令を行使していたところ。

ローンを払えなくなった人が家を追いだされてしまうのは当然としても、その人たちを路上にさらし、路上から追いだされた家を呆然と観ている人たちをそのまま放置し、それが当たり前だと思っているその態度がとても不思議だった。

家を追われた人たちの救済よりも、むしろ、家から人々を追い出す不動産屋のバックアップをしている。

そんな雰囲気に見えた警察官たちの人でなし感に唖然としてしまった。

きっと、騒ぎにならないように、退去がスムーズにいくようにと警察官がいるんだろうけど、「さっさと追いだして仕事を終わらせようぜ~」って感じがして、見ていて気分が悪かった。

家を追いだされた人たちは、明日から住むところがなくなってしまうというのに。

その警察官たちの態度から、現実の厳しさをヒシヒシと感じることになった。

ドリームホーム99%を操る男たち3

富裕層になるためには、良心を捨てるべきなのか…


その後、リック・カーバーは強制退去させた家をきれいにして、再び売れる状態にしていく。

そこでデニスの大工としての腕が役に立ち、彼はカーバー不動産でNo.2にまでのし上がっていく。

さらには、強制退去させる役目もデニスが担うようになる。

しかし、その時、デニスは現実と立ち向かうようになる。

自分と同じく家を追われた人々を、長年住んだ家から追い出すという良心の呵責。

「裁判所命令があるから」という理由で、苦労して買ったマイホームから即刻退去させるという暴挙。

ここで、この映画は、デニスの選択について、観客に問いかける。

「他人の不幸に痛みを感じない」人は1%の富裕層。

その時、「ごめんなさい。私が違法なことをして強制退去させているんです」と正直に打ち明けたら、残りの99%。

あなたなら、どっち??

いや、私はむしろ、最初からこんな「不動産仲介業」なんて仕事はできないから、文句なしで残りの99%だけど(笑)

実際、過去にそんな「不動産仲介業」の知り合いがいたけども、ガツガツし過ぎてて、私にはついていけない世界だったことを思い出した。

そして、デニスの選択も99%の貧困層。

もしかしたら、リック・カーバーも共に引きずり込む程の選択をする。

正気や家族を失ってまで、1%の富裕層になるべきなのか…。

そう、この映画は問いかけている。

ドリームホーム99%を操る男たち4

これからも富裕層による貧困層からの搾取は続く…


とはいっても、アメリカの不動産関係の法律について、所々??と思うところがあり、この「不動産搾取」の現実の全ては理解できていないのかもしれない。

しかし、この映画が2014年に製作されたとなると、この不動産不況はアメリカでまだまだ続いているということなのか。

しかも、来年からアメリカでトランプ大統領が生まれるとなると、「強い者が生き残る経済」は益々加速するように思う。

何せ、不動産王のトランプなんだから、この辺の締め付けはさらに厳しくなるのではないかと思ってしまう…。

1%の富裕層にいるトランプには、99%の貧困層の気持ちが理解できると思えないしね…。

99%の人の暮らしを思いながら政治をするとも思えないし…。

なんてことを考えながら観た映画だった。



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アンドリュー・ガーフィールド主演の映画「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」の予告編を観た。

第73回 ゴールデングローブ賞 助演男優賞(マイケル・シャノン)ノミネート作品。

リーマンショック後のアメリカで、家を奪われてしまった家族を描く。

【観たい度】:★★★★☆

観たいなぁ。この映画。

リーマンショックの時に、家を買った人たちはどうなったのか、すごく気になっていたんだよね。

この映画は、そんな私の疑問に答えてくれそうな気がする。


***********

〇 「ドリームホーム 99%を操る男たち」観ました!!

映画の感想はこちらから →「ドリームホーム 99%を操る男たち」リーマンショック後に家を奪われた人々と奪う人々。生き抜くためにすべきこととは何か。アンドリュー・ガーフィールド主演映画【感想】

***********

「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」予告編 動画

(原題:99 HOMES)




世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である


この映画のベースになっている(原作ではない)と言われるのが、ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者ジョセフ・E・スティグリッツのこの本「世界の99%を貧困にする経済

◆「世界の99%を貧困にする経済

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私は、経済は全くよく分からず、ノーベル賞受賞の経済学者と言われても、「初めて聞いた名前!!」と思ったぐらいなので、内容については全く語れないけれども、

その経済学者さんが、この本の中で唱えているのが、

世界中の富の4分の1をたった1%の最富裕層が所有しており、残り99%は貧困である

という説なんだとか。

なるほど。

ここで言う貧困って、どの程度の生活のことを言っているのか私にはよく分から無いけれども、人間が100人集まれば、その中に1人ぐらいの割合でお金持ちがいるっていうのは、なんとなく分かる気がするな。

その考え方をベースにして、リーマンショック後のアメリカの経済を考えたのが、この映画で。

先程も言ったけど、私は経済に全く詳しくないので、適当なことを言うかもしれないけど、リーマンショックの私のイメージは、「ローンを払いきる能力がない人にまでローンを組ませて家を買わせた」経済政策で、案の定、ローンを組んだ人たちはお金を払えず。

となると、銀行はお金を回収できず、結局、経済崩壊。そんなイメージだけど、良いのかな??

ドリームホーム

富裕層はマスマス金持ちに、貧困層はマスマス貧乏に


そして、この映画の予告編を観てみると、主人公のデニス(「アメージング スパイダーマン」シリーズ、「沈黙-サイレンス-」、「ハクソー・リッジ」のアンドリュー・ガーフィールド)はお金を払えず、家族と住んでいた家を追いだされてしまうところからスタート。

なるほど、そのジョセフ・E・スティグリッツさんの言うところの彼は「貧困層」だね。

そこへ登場するのが、スーパーマンのゾッド将軍(マイケル・シャノン(「シェイプ・オブ・ウォーター」))。

彼は、日本で言う地上げ屋だね。

金の払えない人たちを、家から追い出すのが仕事。

富裕層」だけど、ヤクザみたいなもんだなぁ。

しかし、デニスは家を取り戻すことに必死なあまり、自分から家を取り上げたゾッド将軍と手を組んでしまう。

おぉーーーなんてこと (((( ;゚д゚)))

まさに、スーパーヒーローと悪者が手を組んじゃうんだな(笑)

デニスはゾッド将軍と一緒に、ローンを返済できない家を追いだす仕事をするようになると、今度は、ウホウホとお金が入ってくるようになる。

しかし、そのお金の出所を知った家族(ローラ・ダーン(母親かな?)(ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ「ジュラシック・パーク」シリーズ))は、デニスに猛反発する…

というところで、予告編は終わっているけれども、結論はどうなるんだろう??

その先が気になるじゃんか―――(笑)


 ↓ 「銀行家を殺せ!」の血文字 (((( ;゚д゚)))
ドリームホーム2


この先は想像になってしまうけど、つまり、「富裕層」とは、「貧困層」から金をむしり取って生活している人たちであり、富めるものは、ますます富み、貧しいものは、ますます貧しくなっていくのが、そのリーマンショック後のアメリカの姿だと、この映画は言いたいんだろうね。

これでは、毎日真面目に働いている人間がバカをみる。

そんな思いをしてまで、「富裕層」になりたいかって話。

いや、それでも金持ちになりたいよっていうハイエナみたいな人もいるよねぇ。

早く、この映画が観たいなぁ。

3月に公開される「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、この話とは逆の方向を向いていて、同じくリーマンショックの時に、一攫千金した銀行マンたちの話。

きっと、合わせて観たらリーマンショックは何だったのかってことに詳しくなれるような気がする~。

この映画「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」は、1月30日から公開の予定。



***********

〇 「ドリームホーム 99%を操る男たち」観ました!!

映画の感想はこちらから →「ドリームホーム 99%を操る男たち」リーマンショック後に家を奪われた人々と奪う人々。生き抜くためにすべきこととは何か。アンドリュー・ガーフィールド主演映画【感想】

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