愛国者だった青年スノーデンが、ずば抜けたプログラミングのスキルを活かし、CIAやNSAで勤務するようになるが、そこでアメリカが世界中を監視している事実を知ってしまう。
実話の映画化。
【満足度 評価】:★★★★☆
私が勉強不足のせいもあり、この映画の中で描かれてているスノーデンが私が知っているスノーデンとは全然違う人だったので、その事実の違いに驚きながら観ていた。
スノーデンの「普通じゃない」人生に最後まで引き込まれ、前のめりで見入ってしまった。
「スノーデン」予告編 動画
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キャスト&スタッフ
出演者
〇ジョセフ・ゴードン=レヴィット…(「インセプション」、「ザ・ウォーク」、「(500)日のサマー」、「リンカーン」など)
〇シェイリーン・ウッドリー
…(「ダイバージェント」、「きっと星のせいじゃない」など)
〇リス・エヴァンス
…(「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」「パイレーツ・ロック」、「ヒューマン・ネイチュア」)
〇ザカリー・クイント
…(「スター・トレック イントゥ・ダークネス」、「スター・トレック」など)
〇メリッサ・レオ
…(「ザ・ファイター」、「バーン・カントリー」など)
〇トム・ウィルキンソン
…(「否定と肯定」、「ゴーストライター」、「エミリー・ローズ」、「パーフェクト・プラン」、「フィクサー」、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」、「グランド・ブダペスト・ホテル」など)
〇スコット・イーストウッド
…(「スクランブル」、「スーサイド・スクワッド」、「デンジャラス・プラン 裏切りの国境線」)
〇ニコラス・ケイジ
…(「スパイダーマン:スパイダーバース」(声の出演)、「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」、「キック・アス」、「コンテンダー」、「ロード・オブ・ウォー」、「バーディ」など)
監督
〇オリバー・ストーン…(「プラトーン」、「ウォール街」など)

あらすじ
エドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、典型的な愛国者で、アメリカを守るために特殊部隊へ入隊を希望する程だった。
しかし、ケガをしたことでその夢も破れてしまう。
それでも、アメリカを守るために働きたいという気持ちに変わりはなく、CIAでの勤務を希望する。
すると、他の人よりもプログラミングの技術が遥かに優れていることが分かり、機密情報を扱う部署に赴任することになる。
そこで彼は、アメリカが世界中のEメール、通話記録、SNSを監視しているという事実を知ってしまう…。

感想(ネタバレあり)
私の記憶の中では「ただのハッカー」だったスノーデン
以前、スノーデンという人がアメリカから追われているという話をニュースで見た記憶がある。
米国CIAの機密情報を持ち逃げしたスノーデンというハッカーが、その情報の一部を外部に公表してしまったため、米国から追われているという話だったと記憶している。
どちらかと言えば、映画「フィフス・エステート」で描かれていたウィキ・リークスのジュリアン・アサンジのようなイメージに近い。
そんな、スノーデンと言えばハッカーという、私の怪し気な記憶と共にこの映画を見始めた。
はじまりは、ザカリー・クイント演じるガーディアン紙の記者がスノーデンにインタビューをする場面からだった。
「フィフス・エステート」のアサンジも、やはり一番最初に情報をリークしたのがガーディアン紙だったので、さらに二人のイメージが被ってしまい、そうか、やっぱりスノーデンもアサンジと同じような人なんだなという思いが私の中で強くなっていた。
ところが、映画を見続けていくと、スノーデンはハッカーではないし、アサンジとは明らかに違う人だということが徐々に分かっていった。
かつてアサンジがガーディアン紙にリークした件があったから、スノーデンはガーディアン紙を信用し、情報をリークしたんだろう。
共通点はそこだけだった。
映画の後半部分では、なぜ私はスノーデンのことを元CIAのハッカーだと勘違いしたのか、その理由も明らかになっていった。

極右の愛国者が左側へとスライドさせていったワケ
その後、スノーデン本人のことが分かってくるにつれビックリしたのは、もともとはスノーデンが愛国者だったことだった。
それも、特殊部隊に入隊を希望する程の極右。
スノーデン=米国の裏切り者というイメージが強かったから、これには驚きだった。
では、そんな彼がなぜ、国を裏切るような人物へと変わっていったのか。
そんな彼の変貌には、恋人のリンゼイの存在がとても大きかったように思う。
二人が出会った時は、信条がスノーデンと正反対に位置するリベラルだったリンゼイ。
彼女から「国の行動に疑いを持つ」話を聞かされていたスノーデン。
その彼女の存在が、彼を少しずつ左へとずらしていった。
そして、かつては極右だったスノーデンが、徐々に左へとスライドし、冷静かつ第三者的な立場になった時、国が行っている監視システムがおかしいということに気付き始める。
もしも、「『Eメール、通話記録、SNS』の全てを監視している」と言われたら、それはどう考えてもおかしいよと思うかもしれない。
しかし、どんなことでもそうだけど、少し離れたところから見ている傍観者と、内側の人が見た景色は違って見えるもの。
外から見た人間が「あのシステムおかしいよ」と思っていることが、中の人からしたら、それがおかしく見えないということは多々あること。
そのシステムの中の人は、その「おかしい部分」が当たり前の常識だと信じて疑わず、なかなか外側から冷静な視点で立って考えることができないのだ。
スノーデンは、彼の立場から遠く離れた反対側にいるリンゼイに「傍観者」の位置にまで引っ張られていく。
そうして彼は全世界監視システム(PRISM)に疑問を持つようになり、世界にこれを暴露しようと考える。
(参考:その米国の監視システムについての詳しい説明はこちら → Wikipedia PRISM(監視プログラム)について)

「スノーデン容疑者」についてアメリカ政府がついた嘘
そして、スノーデンはガーディアン紙に情報をリークすることになった。
私はこの時、「このスノーデンの話だけを一方的に聞いていいのか?」と思った。
スノーデンの話だけでなく、政府側の言い訳も聞くべきではないかと思った。
人間の記憶は、自分の都合の良いように改ざんするようにできている。
だから、スノーデンも自分を正しく見せるために、ちょっと大げさに言っていることもあるんじゃないのか?と思った。
そんな疑問が私の中で大きくなっていた時、とても調度良いタイミングで、当時の大統領だったオバマのホワイトハウスでのインタビューが流れた
「エドワード・スノーデンは、CIAの情報を海外に持ち逃げしたハッカーである」
と、オバマ元大統領が話している動画だった。
それは、私の記憶に刷り込まれたスノーデン像そのものだった。
この時の発言については、後日、「ハッカー」だと言ったことは間違えだったとオバマ本人が認めている。
私が知っているスノーデンは、アメリカ政府が自分たちに都合の良いように作り上げた「ハッカー」のスノーデンだった。
元人権派の弁護士だったオバマ元大統領がスノーデンについて嘘をついている。
国を愛し、国を守るために働いてきたスノーデンを、ハッカーだと言っている…。
その政府の対応を見ると、自分たちに都合の悪いことが世界に知られることを1人の天才ハッカーのせいにして、もみ消そうとしているようにしか見えない…。
すると、やはりスノーデンが言っていたことが正しかったのか…と思わざるを得なかった。

ドラマがドキュメンタリーかと錯覚する時
そして、映画の最後にはオリバー・ストーン監督なりの答えを用意していた。
「この話は、本当に全部本当なのか…」「映画だから、どこかフィクションの部分もあるんじゃないか…」という観客の疑問に答えるように、最後の最後にスノーデン本人が登場する。
すると、彼本人の登場により、ここで映画はドラマだったものが、ドキュメンタリー映画のような雰囲気を帯びてくる。
そして、スノーデン本人が、生の声で観客に語りかける。
そうすることで、「これは、スノーデン本人が観客に語りかけた真実である」とオリバー・ストーンは訴えたかったのだろう。
この時私は、スノーデンを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットが凄いなと思った。
映画の最初で彼がスノーデンを演じて登場してきた時に、「いつもと話し方が違うな」と思った。
恐らく、ちょうど1年前に見た彼の映画「ザ・ウォーク」がフランスなまりの英語だったから、余計にそう思ったのかもしれない。
その思いは、最後のシーンで納得した。
最後にジョセフ・ゴードン=レヴィットからスノーデンに入れ変わった時に、観客に違和感がないように最初から話し方をスノーデンに似せていたのだった。
これは凄いなと思った。
彼の演技が凄いからこそ、観客はこのドラマがまるでドキュメンタリーだったかのような錯覚をする。
オリバー・ストーンは、彼にそんな演技をさせてまで、この映画が真実であるということを訴えたかったんだろうなという熱い思いを感じた。
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