とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:リリー・フランキー



篠原涼子主演の映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」を映画館で観た。

韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」をリメイク。高校時代の同級生たちが20年という歳月を経て再開する。



満足度 評価】:★★★☆☆

元ネタの韓国版が大好きな結果、つい比べちゃった作品。

民主化運動という激動の時代を乗り越えて再会したからこそ感動的で号泣だった韓国版に比べ、日本版は能天気過ぎた。

けど、その能天気さも日本らしさなのかも。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


『SUNNY 強い気持ち・強い愛』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月28日 映画館にて鑑賞。

・2018年10月15日 感想を掲載。

・2019年7月15日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

…(「人魚の眠る家」など)

広瀬すず
…(「三度目の殺人」、「怒り」、「海街diary」など)

〇小池栄子

〇ともさかりえ

〇渡辺直美

…(「ルームロンダリング」など)

〇山本舞香

〇野田美桜

〇田辺桃子

〇富田望生


…(「万引き家族」、「凶悪」、「バクマン。」など)

〇板谷由夏


監督・脚本

大根仁
…(「バクマン。」など)


2018年製作 日本映画



日本映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」



あらすじ

主婦の奈美(篠原涼子)はケガをした母親の見舞いで訪れた病院で、偶然、高校時代の友達 芹香(板谷由夏 )が入院していることを知る。

芹香は末期がんで余命わずかであり、「死ぬまでにSUNNYのメンバーに会いたい」という。

そこで奈美は探偵(リリー・フランキー)を使って、高校時代の友人 SUNNYの居所を探し始めるのだが…。



日本映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」篠原涼子、板谷由夏



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。

SUNNY 強い気持ち・強い愛 (2018)


★★★ [60点]「どうしても韓国版と比べてしまう」


んーーー

つまらなくはなかったけど、元ネタの韓国版で号泣した身としては、正直「薄い」と思ってしまった。



母親の見舞いで病院を訪れた奈美(
篠原涼子)は、偶然、同級生の芹香(板谷由夏)が、末期ガンで入院していることを知ってしまう

そして、その芹香は高校時代の友人たちに会いたがっているとわかり…。



学生時代の友達って良いよね!と私も思う



私にとっての SUNNY は、大学時代の友人たちだけど、この映画のSUNNY にすごく共感したのは
「なんで、私たち、毎日あんなに笑ってたんだろね」って言うセリフ。

確かに、高校時代も大学時代も、なぜかわからないけど、毎日が楽しくていつも笑ってた



カラオケ行って騒いだりー、居酒屋行って騒いだりー。

毎日がSUNNY みたいにお祭り騒ぎだった。



ただ、韓国版のサニーの高校時代は民主化運動の時代で、彼女たちは、自由が制限されていたからこそ、洋楽に憧れていたり、遊びに行けばデモに遭遇していた

その制限の中でも、楽しみを見つけていた彼女たちが、激動の時代を乗り越え、それぞれが、それぞれの人生を送って再会したからこその感動があった



それに比べたら、やっぱり、この日本版はどうしても味が薄いと思ってしまうし、能天気過ぎないか?と思ってしまう。



たとえば、これは日本版だから、間にバブル期を挟んで「あの子は高校時代は超お嬢だったのに、今は親の借金抱えて大変そう」とか、日本ならではの事情を工夫して盛り込んでくれたら、もっと親近感が湧いたけど、韓国の設定をそのままリメイクするから、比べてしまうし、ちょっと無理が出てくる



それに、女子校にギャルしかいなくてちょっとついていけなかった

普通の子はいないのかよ(笑)



韓国版とは全く違う作品として観始めたつもりが、オリジナルと全く同じ設定でリメイクしたものだから、ついつい比べてしまった

でも、この映画を観ていた映画館が舞台に出てきたっていう奇跡があって、その場面はちょっとテンション上がった(笑)

あと、私は新聞広告は見ないので、人を探すならSNSにして欲しい

(そうゆうところも、時代設定を間違えてると思う)


Posted by pharmacy_toe on 2018/10/07 with ぴあ映画生活






関連記事

〇あわせて観たい!元ネタ韓国版「サニー」



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是枝裕和監督の映画「万引き家族」を試写会で観た。

一見、どこにでもいる家族だったが、彼らは寄せ集めの家族だった…。

家族のあり方について考える作品。



満足度 評価】:★★★★☆

彼らは寄せ集めの家族。

法律的には間違っていても助け合いながら幸せな日々を過ごしていた。

そんな彼らの愛情を法律で引き裂くことが正しいことなのか。

家族とは何でつながっているのか。そのあり方を問いかける作品だった。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「万引き家族」予告編 動画




更新履歴・公開情報


・2018年5月29日 「万引き家族」試写会で鑑賞。

・2018年6月26日 感想を掲載。

・2019年5月6日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者

…(「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「凶悪」、「バクマン。」など)

〇安藤サクラ

…(「勝手にふるえてろ」など)

〇城桧吏

〇佐々木みゆ





監督



2018年製作 日本映画




受賞歴


・第71回 カンヌ国際映画祭(2018年)最高賞 パルムドール受賞 



映画「万引き家族」



あらすじ


古くて小さい平屋で暮らす一つの家族。

治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)の夫婦、その息子 祥太(城桧吏)、信代の妹の亜紀(松岡茉優)が、おばあちゃん(樹木希林)の年金を当てにしつつ、貧しいながらも笑いの絶えない家庭を築いていた。

そこへ、夜中に一人で外で遊んでいた女の子 ゆりを治が連れて帰ってくる。

そして、ゆりの身体には虐待されたと思われる痕があり…。



映画「万引き家族」安藤サクラ



感想(ネタバレあり)


寄せ集めの「万引き家族」


スーパーへ買い物に行ったときに、お母さんと息子が楽しそうに話をしていたり、衣類コーナーでお母さんと娘が嬉しそうに水着を選んでいる姿を見たら、間違いなくそれは親子であり、仲が良さそうな家族だと思うだろう。

笑いあったり、ふざけ合ったりする姿は微笑ましいとさえ感じる。



逆に、町中で親から子供が怒鳴られていたり、険悪な雰囲気だったりする親子を見ると、彼らは本当に親子なのかと思ってしまうこともある



この映画では、「血はつながっていないけれど幸せな家族」と、「血はつながっているけど不幸な家族」の姿を描き、家族のあり方について問いかける。

是枝裕和監督は、以前、「誰も知らない」で育児放棄され家に置き去りにされた子供たちを描いた。

そして、この「万引き家族」では、治(リリー・フランキー)と信代(安藤サクラ)が、そんな育児放棄された子供たちを家に連れてきてしまう



祥太は、パチンコ屋の駐車場に止められていた車の中に放置されていた赤ん坊だった。

もしも、治がその時、祥太を見つけなければ、祥太は死んでいたかもしれない。



そして、夜中に一人で外で遊んでいるゆりを連れてきてしまう。

ゆりの家からは、両親の罵り合う怒鳴り声が聞こえてくる。

お腹を空かせてそうなゆりを見た治は、何か食べさせてあげようと家に連れてきたのだ。



祥太もゆりも治に家に連れてこられ、拒絶反応を示すどころか、本当の家族のように幸せな毎日を過ごすようになる。

治と信代にとって彼らは、育児放棄した家庭から万引きしてきた「万引き家族」なのだ。

そんな彼らの姿を見ていると、祥太もゆりも、本当の家族と一緒にいるよりも、この「万引き家族」と一緒にいる方が幸せだろうなと思うようになる。



たとえ、法律的に間違っていても、おばあちゃんの年金が目当てで貧しい暮らしであっても、子供たちにとっては、「誰と一緒にいるのが幸せなのか」が大事なことなのだと感じた。



映画「万引き家族」リリー・フランキー



みんなが寄り添いあえば、本物の家族のように見える


そんな彼ら寄せ集めの家族を表現しているのが「スイミー」だ。

Wikipediaによると、童話「スイミーは」1977年から小学校2年生の国語の教科書に掲載されているので、日本で最も知られている童話の一つだ。

(参考:Wikipeida スイミー



その「スイミー」について、祥太が治に説明する場面がある。

赤い魚のスイミーは、一匹一匹はすごく小さい魚だけれど、みんなが集まって泳ぐと大きな魚のように見える。

その中には、一匹だけ黒いスイミーが混ざっていて、その黒いスイミーを目にすれば、ますます本物の魚のように見える。



一匹だけだと弱い魚も、見た目が他とは違う魚も、仲間はずれにすることなく、みんなで力を合わせれば、自分よりもずっと身体の大きな魚に勝つこともできると、子供たちに教える童話である。

祥太は、その「みんなで力を合わせれば自分よりも強い相手に勝てる」ことに感動して、治に熱心に語るのだ。

そんな祥太の賢さに関心しながら、治は話を聞いている。

そんな場面だった。



ゆりも祥太も彼らの本当の子供ではないけれど、いつも一緒にいれば、治や信代に寄り添っていれば、本物の家族に見えるよね、いつも一緒にいられるよねと、子供ながらに考えたのだろうと思った。

祥太は、祥太なりに楽しい毎日だったけれど、それなりに不安も感じていたんだろうと思う。



それでは、彼ら寄せ集めの「万引き家族」が、力を合わせて戦う「自分たちよりも強い者」とは、一体誰のことなのか。

それは、彼らを散り散りに引き離そうとする法律ではないかと思った。



映画「万引き家族」



法律的に正しくても不幸な家族と、法律的に間違っていて幸せな家族


この映画の中で最も印象的だったのは、安藤サクラ演じる信代の「母親の愛情」だ。

自分と同じ「虐待された痕」が身体にあるゆりに対して、まるで本当の子供のように愛情を注ぐ信代。

「本当の家族はねぇ、子供のことを殴ったりしないんだよ」と言って、そのゆりをギュッと抱きしめるシーンは、とても心に残っている



彼女自身はクリーニング工場で働いているが、リストラされてしまう。

その時、タイミング悪くおばあちゃんが亡くなってしまう。

そこで、おばあちゃんの死亡を届けずに年金を不正受給してしまうことで、彼女は法律で罰せられてしまう。



その後、留置場で児童相談所の職員からゆりが本当の家族に戻されたことを知らされるのだが、この時に彼女が泣く姿には、胸を締め付けられる

ゆりが、本当の家族の元に帰って幸せになれるはずがないことや、その後どんな目に遭わされるのかを一番よく知っているのは信代だからだ。



治も信代も、自分たちの子供が欲しくてもできずにいて、それなのに、駐車場に置き去りにされていたり、夜中に放置されている子供たちがいるのを見て、放っておくことができなかったのだ。

本当の家族の元に帰そうと思えば、帰らせることもできた。

しかし、子供たちが貧しいながらも、幸せそうに、そして楽しそうにしているから、そのまま一緒に暮らそうと思ったのだ。



そんな彼らの優しさについて、職員たちは何の事情も聴かず、「法律的に白か黒か」で線引きしようとしているのだ。

もちろん、法律を守ることは大切だけれど、ゆりの家族が「どれだけDVをしてきたのか。これまでゆりがどんなに酷い目に遭わされてきたのか」の調査ぐらいしてくれてもいいんじゃないかと思った。

人間の感情とは、コンピューターと違ってYesかNoかで区切れるものではなく、「間違ってはいるけれど同情できる」感情もあり、そのために「情状酌量する」という言葉もある

四角四面に仕切ることが、平和的な解決になるとは思えないこともあるのだ。



映画「万引き家族」安藤サクラ



子供たちの希望の受け皿となるのが「本当の家族」


そして考える「家族とは一体何のためにあるのか



意外かもしれないが、同じテーマを描いている作品に「デッドプール2」がある。

最愛の妻を殺され、自暴自棄になってしまったヒーローのデッドプールが、養護施設で虐待されて育った少年 ラッセルと知り合う。

その後、ラッセルが怒りのパワーを増殖させ殺人鬼になると知り、デッドプールがラッセルの心をケアし、一人ぼっちのヒーローたちを集めて家族を作ろうとする物語である。



ラッセルは、虐待されていた怒りを誰にも理解してもらえず、世界の全てが敵に見えてしまう。

しかし、デッドプールはラッセルに優しさがあることを知っていた。

そこで、デッドプールがラッセルの怒りの受け皿になることで、家族になろうとしたのだ。



この二つの映画を通して、子供たちが必要としている家族とは、そういう居場所のことだと思った。

つまり、話をしたい時に話を聞いてくれたり、一緒に花火を見たり、海に遊びに行ったり

そういう当たり前のことを、当たり前のようにしてくれるのが家族であって、イライラしながら殴ったり、パチンコしている間に駐車場に放置したりするのは、家族の姿ではないのではないか。



児童相談所の職員も法律を遵守しなければいけない立場なのは、よくわかる。

しかし、この映画で描かれた彼らの対応に納得がいかないのは、「子供たちが何を望んでいるのか」を一切聞こうとしないところだった。

子供たちは誰と一緒にいたくて、何をしている時に幸せを感じているのか



実際に治や信代と一緒に暮らすことはできなくても、せめて「これから先どうしたいのか」を話を聞くだけでも聞いてあげて欲しいと思った。

そうでなかったら、法律とは、一体、誰にためにあるのか

国を潤滑に運営するお役所のためにあるのであって、国民のためにあるのではないのか。

本来なら、国民を救うためにあるのが法律なのではないのか。



最後に外をぼんやりと眺めるゆりの姿が心に残る

祥太が治と再会したように、ゆりも外にいれば、また治が迎えに来てくれるのではないかと思っているのではないか。

本当に、そんな時がくればいいけれど…。

それはそれで、何とも言えない切なくなる結末だった。


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山田孝之主演の映画「凶悪」をWOWOWで観た。

ある事件で死刑囚になった男が、全ての事件における真犯人について語り始めた…。

満足度 評価】:★★★★☆

面白かったと言っていいのかわからないけど、画面から一瞬も目を離せず、怖くて恐ろしい映画だった。

人間の闇はどこにでもある。その闇を食い物にして楽しんでいる悪魔がいる。

実際にあった事件を元に、その悪魔の所業について語られている。


出演山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー池脇千鶴、小林且弥、白川和子

監督:白石和彌

「凶悪」予告編 動画





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あらすじ


ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、編集部に届いた死刑囚・須藤純次(ピエール瀧)からの一通の手紙を読み、本人の話を聞くために、刑務所を訪れた。

その手紙には須藤がこれまで犯してきた殺人の詳細が書かれており、彼によれば、これらの事件の真犯人は先生と呼ばれた不動産ブローカー・木村孝雄(リリー・フランキー)だという。

須藤の告白の裏付けをとるために、各事件を調べ始めた藤井だったが、あまりにも証拠が少なく取材は難航する…。

凶悪

感想(ネタバレあり) 人の闇を食い物にして楽しんでいる凶悪


この映画は、人生に対して前向きになったり、気分が良くなったり、楽しんだりするような映画ではない。

「恐ろしい」「怖い」そんな言葉しか出てこない、心の奥底にずっしりとした重みを感じる映画だった。


私たちが生きている世界には、陰と陽がある。

普段、明るい光の下で暮らしている「陽」の人間には想像もつかないような、深い闇を持つ「陰」の世界がある。

この映画は、その「陰」について描かれている。

「陰」は、常に私たちのすぐ近くにある。

もしも、誰かが誰かに死んで欲しいと心の底から思った時、そこに「陰」が現れる。

例えば、病気で寝たきりの親に死んで欲しいと願った子供がいたとしたら、痴ほうでトイレの生き方もわからなくなった親に死んで欲しいと願った子供がいたら、そこには「陰」が寄り添う。

須藤と先生はその「陰」を食い物にし、楽しみながら人を殺す凶悪犯であり、「死んで欲しい」という人の願いを叶える「悪魔の代理人」だ。

凶悪3

高温多湿でねっとりとしたサスペンス映画


このタイプのサスペンス映画は、韓国でよく見られるタイプの映画だ。

この「凶悪」と、韓国版のサスペンス映画に共通しているのは、ねっとりとした殺人の風景。

気候で表現するなら、高温多湿。

欧米のように簡単に銃で殺してしまうようなカラッと乾燥した感じは一切無い。

その「悪」は、人が死んでいく状況をじっくりと楽しみ、ジワジワと追い詰めながら、殺していく。

もう、いっそのこと、さっさと殺してくれと、何度思ったことか…。

それは、憎悪の深さなのか、執着心なのか…。

正直、気分が悪くて目を伏せたくなったことが何度もあった。

私も、須藤や先生も同じ人間なのに、どうして、ここまで「凶悪」になれるのか…。

その理由は最後まで分からなかった。


凶悪2

私の疑問:須藤は改心したのか…?


しかし、最後の最後で疑問として残ったことがある。

それは、須藤は本当に改心したのかどうかだ。

「牧師さんにススメられて」「キリスト教徒になった」り、「ペン習字を始めた」り、「俳句・短歌を詠み」始めたという。

この間まで、人が死ぬことをなんとも思っていなかった人が、そんなに簡単に改心するものだろうか。

ジャーナリストの藤井が刑務所を訪れた時だって、突然、発狂したばかりなのに。

それは、先生を自分と同じ闇に引き込むための須藤による「改心プレイ」だったのでは…。

私はそう思った。

先生がいかに酷い人間であるかを際立たせるためのプレイ。

須藤だって、所詮は「悪」、「悪」が「悪」を倒すためになら、どんなことだってするのではないか。そう思った。

凶悪4

負のパワーを須藤に利用されたジャーナリスト藤井


それを確信したのは、ラストシーンで先生とジャーナリストの藤井が対峙したシーンだった。

初めて藤井と対面した先生は、彼に向かって

「本当に私のことを殺したがっているのは誰だか知っているか?被害者でじゃない」

と言いながら、藤井のことを指さしている。

私は、そのシーンを観ながら、藤井は須藤に利用されたんだと思った。

須藤の話を聞きながら、先生の悪行に憎悪を感じた藤井。

その「憎悪」という「陰」を感じ取った須藤は、その藤井の放つ負のパワーを利用し、先生を自分と同じ闇に引きずり込んだ。

そして、見事に藤井の「先生を刑務所に入れたい」という願いを叶えてしまった。

もしも、悪魔がこの世にいるのなら、人の「憎悪」という感情をうまく利用して、自分の闇に引きずり込み、「凶悪」という「陰」を増殖させていく。

そういう闇に潜む者なのではないかと思った。



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佐藤健、神木隆之介主演の映画「バクマン。」をWOWOWで観た。

「ジャンプでNo.1の漫画家になる!」ことを夢見る少年たちの物語。

満足度 評価】:★★★★☆

面白かったなぁ。

中学生まではよく読んでいて、今になっては全く読まなくなってしまったマンガだけど、マンガの世界を知らなくても、ジャンプで人気あるマンガは何かって知らなくても、十分楽しめたし、最初から最後までエンターテイメント作品に仕上がっていて楽しかった。

少年たちがマンガを描く物語なのに、まるで、スポーツに夢中になっている少年たちを題材にしているかのような爽快感が良かった。


出演:佐藤健、神木隆之介、染谷将太、桐谷健太、新井浩文、小松菜奈、宮藤官九郎、山田孝之、リリー・フランキー

監督・脚本:大根仁 2015年製作 日本映画

「バクマン。」予告編 動画





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あらすじ


真城最高(佐藤健)と、高木秋人(神木隆之介)は、高校2年生。

絵を描くことが得意な真城と、ストーリーを考えることが好きな高木が、2人で「少年ジャンプ」に連載されるマンガを描こうとコンビを結成する。

そして、叔父(宮藤官九郎)が漫画家だった真城が高木にマンガの書き方を教えながら、デビュー作を書き、ジャンプの出版社、集英社へ持ち込みに行く…。

すると、編集の服部(山田孝之)に「もう少し手直しをした方が良い…」と言われるが、割と好感触だったことに浮かれていたが、ジャンプでは、十年に一度の天才と言われる同じく高校生漫画家の新妻エイジ(染谷将太)が華々しくデビューを飾っていた…。



バクマン。


感想(ネタバレあり) 何か目標に向かって必死になっている人が好きだ


いやーーー良いね!!私、こういう無鉄砲な人たち大すき!

根拠のない自信と、「自分たちは最高のコンビだから、最高の漫画家になれる!!」っていう思い込み。

いいねぇ。その勢いが良い!!

基本的に、年齢、性別を問わず、何か目標に向かって必死になっている人が大好きだ。

そういう人たちを見ると、無条件に応援したくなるし、「私もがんばろう」って心が動かされる。

そんな必死な人たちを観たくて、毎日のように映画を観ているのかもしれないとすら思う。

この映画の主人公は、2人の高校生。

最高と秋人。

最高が絵を描く担当で、秋人がストーリーを考える担当。

2人で「少年ジャンプで人気No.1になるマンガを描こう!」とマンガを描き始める。

バクマン。2

良く描けた作品も読者が支持しなければマンガじゃない


ところが、彼らのマンガが連載決定!まではとんとん拍子でいったものの、なかなか読者に評価されない。

この映画で初めて知ったのは、マンガ雑誌には人気投票のような「アンケート」というものがあって、そのアンケートの結果次第で、連載を続けるか、打ち切りになるか決まっているという。

そりゃそうだよねぇ。

この私ですら、このブログのアクセス数を毎日気にしている。

アクセスランキングで上位に入ることを目指し、アクセス数が下がると、「何がいけないのか」「何が足りないのか」と考え、アクセス数が上がると、すごく励みになり、「この調子でがんばろう」と思える。

ましてや、発行部数No.1のマンガ雑誌のジャンプとなると、読者の意見に敏感になるのは当たり前だ。

作品的によくできたマンガでも、読者が「面白くない」と思えば誰も買ってくれない。

買ってもらえないマンガ雑誌は、発行するだけ損になってしまう。


バクマン。5

「ウケるものは何か」ではなく、「自分たちにしか表現できないことは何か」を考える


そこで、「支持されなかった」マンガを描いていた少年二人組は、自分たちと同じような高校生を主人公にした漫画にシフトチェンジする。

これが良かったなぁ。

「ジャンプ読者に好かれそうなマンガではなく、自分たちの周りにあるものを描いたマンガ」で勝負することに決めた。

映画も音楽もそうだけど、誰かが何かを表現する時、その人の心の叫びが、それを観たり聴いたりした人の心を打つ。

決して手を抜いたつもりはなくても、必死になって作り出したものは、ちゃんと伝わるし、心の叫びが弱ければ、他人の心もなかなか打てない。

「カッコイイ絵を描くこと」「ウケるストーリーを考えること」に必死になっていた彼らは、「何を表現するのか」ということを忘れていた。

しかし、新妻エイジにいつまで経っても追いつけないことで、「何が足りないのか」「自分たちに表現できることは何か」を考えたのが良かった。

目標となる人に追いつけ追い越せで猿真似をしても、受け取る側はそれがフェイクだということに気付いてしまう。

だから、もしも、何かを表現する時は「自分にしかできないこと」が何かを考える必要がある。

どんな時も。


バクマン。3

「1位になること」だけをひたすら目標にしてきた結果…


そして、ようやく、体を壊しながらも読者No.1を手に入れることができた。

しかし残念ながら、それは瞬間風速であって、常に1位をキープするものではなかった。

なぜなら、彼らはNo.1を目標にしてきたからではないだろうか。

常に1位になること、新妻エイジに勝つことを目標としてきた。

そのために、1位になってしまったら、急に失速してしまう。

1位になったら、さらに高い目標を立てて行かないと、後は下降していくのみ。

でも、No.1を目標にして、本当に1位になった彼らは、「順位を気にせず、描きたいことを常に描けるマンガ家」を目指したら、最強になるんじゃない?と思った。


バクマン。4

青春映画だけど、エンターテイメント作品でもある


この映画「バクマン。」は2人の高校生の青春物語だ。

ただマンガと言われると、オタク的な匂いがプンプンするが、ここにはそれがない。

それどころか、まるでスポーツをやっている少年たちのような爽快感がある。

それは、例えば大きなマンガを背景に、ペンを刀のようにみたて、主人公2人と新妻エイジがバトルするシーンが象徴するように、マンガを分かりやすく、エンターテインメントにしている演出の力が大きいと思う。

こうすると、一見地味でオタク的な話も、明るくて楽しいエンターテインメントになる。

真城最高 vs 新妻エイジが、そのまま佐藤健 vs 染谷将太の 若手俳優演技対決のようにも見えたのも楽しかった。

いやーー。いいね。

隅から隅まで観どころ満載の面白い映画だった。



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