とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:國村隼



有村架純 主演の映画「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」を映画館で観た。

鉄道が好きな息子のために鉄道の運転手を目指すシングルマザーの姿を描く。


かぞくいろ-RAILWAYSわたしたちの出発-


満足度 評価】:★★★★☆

血が繋がっていない家族と、血が繋がっているけど疎遠な家族。

彼らを繋いでいるのは小さな電車。

やがて助け合うことで互いの心に空いた穴を埋めていく。

その優しさと温かさに涙が止まらなかった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年12月13日 映画館にて鑑賞。

・2018年12月24日 感想を掲載。

・2019年12月1日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご確認ください。
 ↓





キャスト&スタッフ


出演者

有村架純

國村隼

…(「焼肉ドラゴン」など)

〇歸山竜成

〇木下ほうか

〇筒井真理子

〇板尾創路

…(「来る」、「モリのいる場所」、「蜩ノ記」など)


監督

〇吉田康弘


2018年製作 日本映画




あらすじ


小学生の息子がいる奥薗修平(青木崇高)と結婚した晶(有村架純)だったが、ある日突然、修平が亡くなってしまい、晶はシングルマザーになってしまう。

東京で生活していくことが大変になってしまった晶は、鹿児島にある修平の実家を訪ねる。

それまで修平とは絶縁状態だった義父(國村隼)は、息子の突然の訃報に驚きながらも、晶と息子の駿也を向かい入れる。

義父は肥薩おれんじ鉄道の運転士をしており、鉄道が大好きな駿也はおれんじ鉄道に興味津々で、晶は駿也との生活のために鉄道の運転士になる試験を受ける決心をする。



映画「かぞくいろ-RAILWAYSわたしたちの出発-」


感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に書いたものをご紹介します。


かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発― (2018)


★★★★ [80点]「血よりも大切な心の繋がり」


号泣だったー



25歳の晶(有村架純)は、夫(青木崇高)が急死してしまい、夫の連れ子と共に夫の実家で暮らし始める。



その実家が鹿児島にあり、現地のローカル線 肥薩線を舞台に家族のあり方を描いた作品だった。

25歳の女の子 晶が、鉄道好きな夫の連れ子のために、鉄道の運転手採用試験を受ける。

その物語から感じるのは、家族の温かさ



25歳の晶は、いきなり小学校3年生の男の子のシングルマザーになったり、車の運転もできないのに、電車の運転手を目指し始めたり、たいへんな日々を過ごしている。

そんな晶が、前向きで健気なところがとても良い



大切な人を失うということは、いくつになっても辛いこと。

晶はもちろんのこと、小学校3年生の息子 駿也も、夫の父親であるおじいちゃんも、みんなが心にポッカリと大きな穴が開いているから、その穴を埋め合うように力を合わせて毎日を過ごしている。

それは、血が繋がっているとか、繋がっていないとかじゃなくて、共に生活をしていくために、お互いが必要だということ。



血が繋がっているから家族で、そうじゃなければ家族じゃないということではない。

血よりも強く、心が繋がっていれば家族なんだと思う。



時には、心が離れそうになっちゃうこともあるけれど、それは、どんな家族でもあること。

少し離れてみて気付くこともある

そんな家族の思いが優しくて温かい



中でも、私は國村隼演じるおじいちゃんの優しさが直球で心に響いた。



みんな失敗したり、傷つけてしまうことがあるけれど、また明日からやり直し

それで良いと思う。



いやぁ、後半の家族のそれぞれの思いに号泣してしまった

とても良い映画だった。

おススメ。


Posted by pharmacy_toe on 2018/12/16 with ぴあ映画生活




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松田龍平主演の映画「泣き虫しょったんの奇跡」を試写会で観た。

サラリーマンからプロ棋士になった瀬川晶司棋士の実話の映画化。



満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

夢への道が断たれても、好きなことへの情熱は捨ててはいけないと教えてくれる作品。

かつて夢を見て、不本意な日々を送っている人は特に、共感するはず。

これが瀬川晶司棋士の実話だからグッとくる。夢を諦めてはいけない

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『泣き虫しょったんの奇跡』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年8月28日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月17日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
「泣き虫しょったんの奇跡」公式サイト

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キャスト&スタッフ


出演者

〇松田龍平

〇野田洋次郎

〇永山絢斗



〇駒木根隆介


〇早乙女太一

…(「来る」、「ミュージアム」、「怒り」、「ぼくたちの家族」、「ザ・マジックアワー」など)

〇松たか子
…(「来る」など)

〇美保純

…(「沈黙-サイレンス-」など)

…(「紙屋悦子の青春」、「映画 深夜食堂」など)



監督・脚本

〇豊田利晃


2018年製作 日本映画




泣き虫しょったんの奇跡




あらすじ


小学生の頃から将棋好きで、父親(國村隼)に連れられて将棋道場に通っていた瀬川晶司(愛称:しょったん)(松田龍平)は、中学3年生の時にプロ棋士の登竜門である奨励会入会試験を受け合格する。

それ以来、プロを目指して将棋を指す日々を送るが、「26歳になるまでに四段に昇級しなければ退会」という年齢制限を迎えてしまい、プロになる資格を失ってしまう。

奨励会を退会し、サラリーマンとなった瀬川は、幼い頃の将棋相手である幼なじみの鈴木悠野(野田洋次郎)がアマチュア棋士として将棋を指していることを知り…。



泣き虫しょったんの奇跡2



感想



泣き虫しょったんの奇跡 (2018)


★★★☆ [70点]「あきらめない気持ちに共感!」


おもしろかったな。

「あきらめない気持ち」の大切さを感じた作品。



プロ棋士になる道を断たれ、一旦はサラリーマンになり、そこから再度プロ棋士になることを目指した瀬川晶司(愛称:しょったん)棋士の実話。

小学生の頃から将棋が好きだったしょったんはプロ棋士を目指して奨励会に入るが、年齢制限までに勝ち上がることができず、サラリーマンの道へ…。

しかし、将棋が好きで指し続けた結果…



「あきらめること」って、すごく心の葛藤が伴うものだけど、とても簡単なこと

その瞬間から努力をやめて、遊びまくれば良い。

きっと、それまでがんばったという輝かしい過去を振り返りながら、それなりに生きていくことはできるし、努力もいらないから楽だ。



しかし、本当に、そんな人生で良いのだろうか

私が、この映画のしょったんを観てて強く思ったのは、「何があってもあきらめてはいけない」ということだった。



年齢制限を過ぎても、サラリーマンになっても、しょったんが将棋を刺し続け、その姿に周りの人たちの心が動かされたように、「好き」な気持ちを表現し続ければ、きっと誰かの心を動かすことになる



とても印象的で心に残ったのは、幼なじみの悠野の「しょったんの欠点は、勝ちを知らないことだ。もう勝つことを恐れなくて良いんだよ」という言葉だった。



なぜだかわからないけれど、私たちは、あと少しで頂点だ!と思った時に、自分でも気付かないブレーキを踏んでしまうことがある

目の前にある扉を開いたり、壁を超えるのが怖いのかもしれない。

その向こうにある世界を知らないから、未知への恐れから本能的にブレーキをかけてしまうのかもしれない。

そして、つかみかけた頂点を逃してしまうのだ。

しょったんのことを近くで見ていた悠野は、そんなブレーキは踏まなくて良い、アクセル全開でいけと言ったのだ。



その悠野の言葉があって、しょったんもふっきれたものがあったのでは、と思う。

そして、そんなしょったんの姿は、夢に向かってがんばっているサラリーマンたちの励みになるに違いない

一旦道を断たれても、サラリーマンになっても、夢をあきらめる必要はないのだ。



今は、藤井聡太棋士の人気で、空前の将棋ブームだけど、そんな今だからこそ、この映画を観ることで、将棋の世界の厳しさや、藤井棋士や名人たちの超人的な強さを知ることができる。

夢をあきらめたくない人に観て欲しい作品だ。

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Posted by pharmacy_toe on 2018/08/30 with ぴあ映画生活





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綾野剛主演の映画「パンク侍、斬られて候」を映画館で観た。

江戸時代を舞台に、殿様をめぐる腹の探り合いと、そこへ現れた新興宗教が国を転覆させる…。

爆笑、爆笑のコメディ時代劇。


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

笑って、笑って楽しかった。

正論しか言えない殿様、権力争いしか考えていない家臣。

そんな国はパンク侍が破滅させちゃう!?というハチャメチャなお話。

笑って楽しんだのはいいけれど、観終わった後に心に何も残っていないのが残念なところ。



「パンク侍、斬られて候」予告編 動画





更新履歴・公開情報


・2018年6月30日 映画館で鑑賞。

・2018年7月14日 感想を掲載。


現在、公開中。劇場案内は下記公式サイトをご参照ください。
 ↓



原作本:「パンク侍、斬られて候」

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キャスト&スタッフ


出演者

綾野剛
…(「亜人」、「怒り」、「天空の蜂」、「リップヴァンウィンクルの花嫁」など)


…(「寝ても覚めても」、「菊とギロチン」など)


浅野忠信
…(「累-かさね-」、「沈黙-サイレンス-」、「幼な子われらに生まれ」、「父と暮らせば」、「座頭市」、「私の男」など)

永瀬正敏
…(「蝶の眠り」、「パターソン」、「禅と骨」、「あん」、「紙屋悦子の青春」など)

〇村上淳

〇若葉竜也

〇近藤公園



〇豊川悦司
…(「3月のライオン 後編」、「3月のライオン 前編」など)



監督

〇石井岳龍


2018年製作 日本映画



パンク侍、斬られて候




あらすじ


無職の浪人 掛十之進(綾野剛)は、お役人の内藤帯刀(豊川悦司)に雇われる。

掛は内藤から新興宗教「腹ふり党」が、攻めてきて町が混乱するように見せかけて欲しいというものだった。

内藤は、その混乱に乗じて国を支配しようと考えていた。

しかし、「腹ふり党」は消滅したと知った掛は、「腹ふり党もどき」を作り、あたかも国民が新興宗教にはまっているという雰囲気を作り出そうとするのだが…。



パンク侍、斬られて候2




感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものを紹介します。



パンク侍、斬られて候 (2018)


★★★☆ [70点]「笑って笑って楽しかったけど」


爆笑、爆笑のコメディ時代劇だった。

正論しか言えない殿様と、権力争いをする家臣。

そして、そこへふらっとやってきた浪人の掛十之進と、なぞの信仰宗教。



殿は頭が空っぽで、家臣は権力闘争にしか興味がない

そのせいで村人たちは貧しくなり、信仰宗教に救いを求めるようになる



その中で、誰にも属さない浪人の掛十之進は、ちょっとした騒ぎを起こすつもりが、国を巻き込む大混乱に発展してしまう。

ところが、何の策も打ち出せない殿様は、思いもよらぬものに助けを求めるようになる…。



殿は家臣の操り人形で、村人たちは神にすがるなら、結局、政治なんて、猿がやっても同じなんじゃないの??というパンクな皮肉の込められた作品



かなりゲラゲラ笑いながら見たし、面白かったんだけど、私としては、登場人物が多過ぎて頭の中が整理されないまま観終ってしまった感じだった

それも、この映画の良さなのかもしれないけど、イマイチ心に残るものがなかったのが残念


Posted by pharmacy_toe on 2018/07/02 with ぴあ映画生活



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クァク・ドウォン主演の韓国映画「哭声/コクソン」をティーチイン付き上映会で観た。

山奥の小さな村に住み始めたよそ者の日本人。彼が来てから、その村では連続殺人事件が起きていて…。

満足度 評価】:★★★★★

これまでかつて、こんな映画を観たことがないような作品だった

恐ろしくて、ずば抜けて独創的、そして個性ほとばしる。

映画の中で描かれる何もかもが素晴らしく面白かった。


「哭声/コクソン」予告編 動画

(原題:곡성(コクソン)




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キャスト&スタッフ


出演者

クァク・ドウォン
…(「アシュラ」、「悪魔の倫理学」など)

國村隼
…(「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」、「泣き虫しょったんの奇跡」、「パンク侍、斬られて候」、「アウトレイジ」、「天空の蜂」など)

ファン・ジョンミン
…(「アシュラ」、「国際市場で逢いましょう」、「ベテラン」、「甘い人生」、「ユア・マイ・サンシャイン」など)

チョン・ウヒ
…(「愛を歌う花」、「ビューティ・インサイド」、「明日へ」など)

監督・脚本

〇ナ・ホンジン
…(「哀しき獣」、「チェイサー」)

2016年製作 韓国映画



哭声コクソン


あらすじ


田舎の山奥にある小さな村・コクソン。

いつもは平和な村にある時、連続殺人事件が起きる。

いずれも、犯人は家族の身内。

村の警察官・ジョング(クァク・ドウォン)は、住民たちに聞き込み捜査をしていく中で奇妙な噂を耳にする。

最近、この村で暮らし始めた一人のよそ者の日本人(國村隼)がいた。

その日本人が村に来てから殺人事件が起き始め、村人は彼を悪魔だと噂し始めており、初めはいぶかし気に聞いていたジョングも、その日本人が怪しいと思い始める…。



哭声コクソン2



感想(ネタバレあり)


映画の解釈は、観客それぞれの判断にゆだねる


韓国映画のサスペンスやミステリーのジャンルは圧倒的に世界一の面白さを誇り、他の追随を許さない程に突出してレベルが高い。

と、私はこのブログの中でも常々言ってきた。

そして、その韓国映画のミステリーの中で、またしてもとんでもない傑作が生まれた

この映画「哭声/コクソン」である。



サスペンス映画であり、ホラー映画でもあり、「殺人の追憶」のようであり、「エクソシスト」のようでもある。

これまでに観たことがない特異な世界を観てせてくれたこの映画。



本編上映後のティーチインでは、監督ご本人が

「この映画の解釈は観客それぞれの判断にゆだねたい」と言っていた。


ということなので、この感想では、私の勝手な解釈でこの映画を語らせていただく。



私がこの映画を観て、とにかく強く感じたのは、人間の思いこみ、勝手な決めつけの恐ろしさ

差別や、偏見、いじめなどはその人間の思い込みに潜む闇が生み出すものであり、そこから、人間自身の心の中にいる悪魔がさらなる悲劇を生むという悲しさだった。

悪魔も天使も、人間の思い込みと想像から生まれた創造物であり、本当に恐ろしいものは、人間一人一人の心の中にあるんだと思った。



哭声コクソン3



勝手な先入観が人を悪魔にする


山奥にある小さな村に暮らし始めた一人のよそ者の日本人。

ちょうど彼が暮らし始めたのと同じタイミングで、その村では殺人事件が起き始める。



すると、住民たちは彼について

「あの日本人が来てから殺人事件が増え始めた」と言い出し、

しまいには、「ふんどし姿で鹿に食いついている姿を見た」という都市伝説のような話まで飛び出す



初めのうちは、「何をバカのことを言ってるんだ」と言っていた主人公の警察官も、やがてその話を信じてしまうようになる。

そして、都市伝説と現実の区別がつかなくなってしまった結果、「あの日本人は悪魔で、村人たちに悪さをしている」と確信してしまう

住民たちに公平であるべき警察官が。



ここで非常に巧みなのは、この日本人が何も語ろうとしないこと。

「どうせ君たちは何を言っても信じないだろう」と言って、自分は何者かを一切語ろうとしない。

ここで、日本人特有の「下手な言い訳はしない」という美徳が描かれ、その国民性がさらに噂を大きくしてしまう



その結果、誰もその日本人が何の目的でそこに住んでいるのか真相を知らないまま、噂話が独り歩きしていく。

小さな村だけあって、そのちょっとした都市伝説があっという間に広まり、いつの間にか「その日本人は悪魔だ」という認識に変わってしまう。

真っ白い生地にポツンと落ちたシミがどんどん広がって、気付いた時には何をやっても落ちない時のように、村人たちの頭の中に一度張り付いた先入観を消し去ることは難しい



これは、私たちの日常でもよくあることだ。

本人(Aさん)は何も悪いことをしていないのに、そのAさんに対し悪意ある人が「Aさんは、実は不倫しているんだって」と根拠のない噂を立てる。

すると、周りの人たちは、Aさん本人に確認もしないうちから「えぇ~、Aさんて不倫しているんだって」と、あっという間にデマが広がる上、さらに「外に子供まで作っているんだって」といつの間にか尾ひれまでつくことすらもある。



そして、Aさんがそのことに気付いた時には、時すでに遅し。

事態の収拾を図ろうと、身の潔白を証明しようとしても、既にAさんにはダーティなイメージがこびりついてしまっている。



哭声コクソン4



好きな人の言うことは何でもよく聞こえ、嫌いな人の言うことは何でも悪く聞こえる人間の悪しき習性


この映画でもそうだった。

連続殺人事件が多発し、村人たちは悪魔(=日本人)の仕業だと信じ切った頃、

警察から「幻覚作用のある毒キノコが加工食品に使われ、それを食べた市民による殺人事件が相次いでいる」という発表がある。

しかし、時すでに遅し。

そんな科学的根拠に基づいた事実に誰も耳を傾けようとしない



人々は日本人が悪魔だと信じ込み、祈祷師が助けてくれると信じている

日本人が悪魔で、祈祷師が本当に悪魔を退治してくれるのかなんて、誰も真相を知らないのに

本当は毒キノコの副作用かもしれないのに。

ここに、冤罪やいじめを生み出す人間の思い込みの恐ろしさを見る。



人間はとても自分に都合の良い生き物で、好きな人の言うことは何でも好意的に聞こえ、嫌いな人は何を言っても悪く聞こえてしまう

だから、この映画の日本人が「お前たちに何を言っても信じないだろう」と言った時、それは主人公の警察官には、「俺は悪魔なんだ。そんなことを言ってもお前らには理解できないだろう」と聞こえてしまう。



いかにも怪しくて、インチキそうに見える祈祷師だって、「ソウルでも有名な祈祷師なんだよ」と言われたら「すごい先生なんだ」と信じ込んでしまう

人々は目の前にいる人に対し、その人が良い人か悪い人かを判断するのは、「噂による先入観」で決まってしまっているもんなんだと改めて思い知らされる。



私自身の人生の中でも、初めて会った時には、「この人はこういう人なんだろうなぁ」と思ったことが、追々話をしてみると実際は全然違う人だったなんてことがよくある。

この映画では、その「こういう人なんだろうなぁ」という先入観による思い込みが、その人を勝手に悪人にしてしまうんだということに気付かされる。



哭声コクソン5



人は「何を言っているのか分からないよそ者」に対しレッテルをはりたがる


この映画で巧みだなと思ったのは、その肝心なよそ者を日本人にしたということ。

逆に、日本の山奥の田舎町にフラッと訪ねてきて住み着いた人が韓国人だったり、中国人だったら、私たちはどんな反応をするのかを考えてみたらよく分かる。

最初はきっと、「変わった人だなぁ」と思うだろう。



でも、その人が言っている言葉が分からないから、きっと誰も話しかけずにそっとしておくんじゃないだろうか。

そして、その人が移り住んでから、これまで平和だった村に急に殺人事件が多発するようになったら、「あのよそ者が何かしたんじゃないだろうか」と考えるに違いない。

事件の真相は、全く別のところにあるのにも関わらずだ。



そんな思い込みが全く起きないとは考えにくい。

日頃から私たちは、「何を言っているか分からないよそ者」に対し、全く根拠のないレッテルをはりがちだ

「あの人は外人だから」とか、「あの人は中国人だから」とか、「あの人は韓国人だから」とか、自分の頭の中で仕分けしやすいようにラベルを貼っている。



そして、常に自分の立場を脅かされるのではという心配から、日頃からその人にフラグを立てておけば、何かあった時に対応できると信じ込み安心している。

それ以前に「同じ人間」というラベルは存在しない



しかし、そんな思い込みが対立を生み、その裏で悪が順調に育ち、いつしか人殺しや報復行動に発展する

悪魔とは、ある特定の人間に備わっているものではなく、1人1人の心の中に潜み、その集合体が次第に大きくなっていくもの。

この映画を観て、そんな人間の心の奥底に潜む悪の恐ろしさを感じた

そして、私自身の心の中にもそんな悪魔が潜んでいるのを感じ、思わずゾッとしてしまった。



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2017年1月24日シネマート新宿にて、韓国映画「哭声/コクソン」特別先行上映会の後、ナ・ホンジン監督と出演俳優の 國村隼さんによるティーチインが行われました。

ここに、その時私が書きなぐったメモと、少々怪しい記憶を元に、その時の様子をここに再現します。

(写真は、フォトセッション時に私の席からiPhoneで撮影したものです。)


***********

〇 韓国映画「哭声/コクソン」観ました!!

映画の感想はこちらから →韓国映画「哭声/コクソン」怪作にして傑作!!悪魔を生み出すのは人間の勝手な思い込み。先入観で作られたレッテルがやがて悲劇を生み出す。クァク・ドウォン、國村隼 出演【感想】

***********

「哭声/コクソン」ティーチイン ナ・ホンジン監督、國村隼



まずは、舞台に上がったナ・ホンジン監督と國村隼さんからご挨拶がありました。

コクソン


國村隼(以下、國村):こんばんは。

みなさんが、日本で一番最初にご覧になってくれた方々です。

本当に嬉しくて、1人1人ハグしたい気持ちです。


ナ・ホンジン監督(以下、監督):こんばんは。

お会いできて嬉しいです。

お越しいただきありがとうございます。

長い時間の映画(上映時間:156分)でしたが、最後まで観ていただきありがとうございました。

トイレは大丈夫でしょうか?

この映画は、私が脚本から6年ぐらい時間をかけてできた作品です。

皆さんにご覧いただけて嬉しいです。

哭声コクソン




ハリウッドからのリメイクのオファーについて



そして、客席からの質問に監督と國村さんが回答するという形のティーチインが行われました。


Q:リドリー・スコット監督の製作会社からリメイクのオファーがあり、それに対し、ナ・ホンジン以外の監督はあり得ないと回答したと聞きました。

ハリウッドから正式に監督としてオファーがあったら、またこの映画「哭声/コクソン」を撮りますか。

その場合、國村隼さんは使いますか。

そして、國村さんはハリウッドからオファーが来たら出演しますか。


監督:ハリウッドから連絡があったと聞いています。

その時、スタッフは冗談で、ナ・ホンジン以外はあり得ないと言ったようです。

自分が演出するつもりはありませんが、國村さんは素晴らしい俳優なのでおススメしたいです。

(注:ナ・ホンジン監督は、國村隼さんを目上に人に対する敬称 선생님(先生様)を付け、國村先生様と呼んでいましたが、ここでは、表記を國村さんとします。)


國村:ナ・ホンジンがメガホンを取らなければ出演しません。


監督:じゃ、2人とも、この映画のハリウッドリメイクの仕事は受けないということですね。


--------


Q:これまでナ・ホンジン監督の作品は、世相を反映した社会派サスペンスだっと思いますが、今回はオカルト作品です。

監督にとっては、どちらが撮りたい作品でしたか。


監督:この「哭声/コクソン」という映画は、前2作を撮った後に、自由に映画を撮りたいと思い、自分のやりたいように撮った作品です。

この「哭声/コクソン」の方が、自分のスタイルに近い作品だと思います。

--------



ナ・ホンジンは才能のかたまり



Q:ナ・ホンジン監督が國村隼さんを起用した理由を教えてください。

また、國村さんは、ナ・ホンジン監督の現場で印象的だったことを教えてください。


監督:この「哭声/コクソン」のシナリオができた時、日本人の俳優が必要でした。

なので、國村さんと同世代の日本の俳優をいろいろ調べました。

元々、國村さんは尊敬していた俳優でした。

國村さんは、映画のカットの中で自由に演技しているのが素晴らしい俳優だと思います。
この「哭声/コクソン」の中の日本人は、よそ者であり、出てきただけで「この人はどんな人なんだろう」と思わせることが重要でした。

そう考えた時、カットの中で自由に演技できる國村さんしかいないと思いました。


國村:このお話をいただいた時に、ナ・ホンジン監督の前2作を観て、「哭声/コクソン」のシナリオを読んで、ナ・ホンジンはとんでもない才能の持ち主だと思いました。

現場では、最初に思った以上に才能のかたまりのような人だと思いました。

1回テイクを撮って、新たなイメージが湧いてくる。

さらに撮影する。

といった感じで、現場ではテイクを重ねていきます。

そうやって、どんどんイメージが膨らんでいくのが凄いと思いました。

思った以上に才能にあふれる人だと思いました。


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國村隼が見た、大スター ファン・ジョンミンについて



Q:ファン・ジョンミンさんのファンです。

ファン・ジョンミンさんのエピソードがありましたら、お聞かせください。



國村:現場では、あまり会えませんでした。

しかし、一緒の現場になったことがあったので、少し話をしました。

韓国では、無名のうちは舞台などに出演して、スキルを重ねてスターになっていきます。
なので、経済的に苦労したこともあったと言っていました。

それは日本と同じだなぁと思い、面白いなと思いました。

彼は、皆さんご存じのように韓国の大スターですが、スターなのに、決しておごることがありません。

どんな役を演じていても、演技の中に、どこか彼自身の人柄が出ていると思います。


(この質問は、國村さんへの質問でしたが、その後、ナ・ホンジン監督から補足説明がありました。)

監督:映画をご覧になった方は分かるかと思いますが、スクリーンの中では、國村さんとファン・ジョンミンが一緒に共演するシーンはありません。

しかし、現場では共演するシーンを撮影しました。

その後、その場面は編集の段階で私がカットしてしまいました。

コクソン2


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Q:先程からナ・ホンジン監督は、國村さんのことを「國村先生様」と呼んでいますが、國村さんは映画の中で裸になったり大変なシーンが多かったと思います。

監督が目上の方に無理なことをお願いするのは、大変だったのではないですか。


監督:本当に國村さんには、申し訳なかったと思います。

シナリオがそうできていたので仕方がないと思いました。

その代わり、撮影以外のところでは最善を尽くしました。

しかし、國村さんには、あれだけ大変なことをしていただいたのに、日本で良い成績が残せなかったらどうしようと思っています。

そして、國村さんにはいろいろ学ばせていただき、感謝の気持ちでいっぱいないんです。
ですから、私は國村さんに対し、謝罪と感謝の気持ちでいっぱいです。


國村:台本を読んだ時に、素っ裸になると分かっていました。

実際の映画の中では、ふんどしを絞めていますが、当初、シナリオの中では、素っ裸になる予定でした。

そんな台本を読んだ時には、カメラの前で裸になることはできるのか。

と考えました。

その時、この役を僕以外が演じるのを観たくないと思ったんです。

観客に酷いものをさらしてもいいから、自分で演じたいと思いました。

そして、自分からこの映画に飛び込んだんです。


--------


「よそ者」がこの映画の中で果たす役割とは



Q:この映画の解釈は、観る側の想像に任せる作品になっているかとおもいますが、監督の中で、國村さんが演じた役に対して、何か決まった設定などありますか。

また、國村さんは、自分が演じた役について、どんな設定の役だったと考えていますか。

監督:この映画で國村さんが演じたよそ者は、観客に質問を投げかける役だと思っています。

彼についてどう思うかと投げかけ続けています。

そういう意味で、よそ者は大事な役割を演じています。

観ている人は、よそ者に対する考え方がどんどん変わっていきます。

よそ者に対するイメージが固まりつつあるときに、変わったりしていきます。

私としては、よそ者に対する1つの解釈はないと思っています。

観客が観て、頭の中で考えて整理するものだと思っています。


國村:彼は、実在していないかもしれない。

そもそも、存在があるんだろうか。

悪魔といえば、悪魔に見える。

あのキャラクターの存在意義は何なんだろうという所からアプローチしました。

彼は、コクソンという小さな村に投げ込まれたよそ者という石ころだったと思います。


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女優 チョン・ウヒについて



Q:チョン・ウヒさんの現場での印象をお聞かせください。


國村:先程、ファン・ジョンミンさんのお話をしましたが、チョン・ウヒさんも彼と同じように舞台でスキルを積んだ女優さんです。

女優として非常にクオリティが高いと思います。

自分が現場でどう撮られているのか知っていて、それを言葉にすることができます。

クオリティの高い女優さんだと思いました。


監督:チョン・ウヒさんは、オーディションの中から選びました。

彼女はオーディションを受けた女優の中で、最も適した力を持っていました。

彼女自身が凛とした力を持っている人でした。

私は、彼女の演じた役について、見せる力を持っている女優が良いなと思いました。

コクソンの地域の中で、神の存在を描写したいなと思っていました。

神を感じさせるような天候の変化の中、そのイメージを通じて、セリフもあまり無い中で、緊張感を持続できる女優を使いたいなと思っていました。

彼女は期待以上にパワフルな女優でした。


--------


Q:(司会者から)お二人とも最後に、この映画をまだ観ていない方たちへのご挨拶をお願いします。


國村:いらしていただきありがとうございます。

最初に観客のみなさんに聞くのを忘れてしまったのですが、みなさん、どうでしたか?

(会場拍手)

ありがとうございます。

この映画「哭声/コクソン」は、これまでなかったタイプの映画です。

そのカテゴライズできない体験を、お友達にも味あわせてあげてください。

映画が公開されたら、ぜひ、お友達を連れてきてください。


監督:私は、この「哭声/コクソン」を作り上げて、一抹の未練もありません。

ナ・ホンジンの全てを注ぎ込んだ未練のない映画です。

どんな評価も受け入れます。

また観ていない方には、ナ・ホンジンが6年かけて作り込んだ映画だとお知らせください。

ありがとうございました。


コクソン3





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〇 「哭声/コクソン」観ました!!

映画の感想はこちらから →韓国映画「哭声/コクソン」怪作にして傑作!!悪魔を生み出すのは人間の勝手な思い込み。先入観で作られたレッテルがやがて悲劇を生み出す。クァク・ドウォン、國村隼 出演【感想】

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北野武ビートたけし)主演・監督・脚本・編集の映画「アウトレイジ」をWOWOWで観た。

初めは「ちょっとしたいざこざ」で終わるはずだったヤクザの組同士の抗争が、どんどん大きくなってやがて生き残りゲームにまでなっていく様を描く。

満足度 評価】:★★★★☆

日本のヤクザならではの風景(年功序列にトップダウン)を観ているのが楽しかった。

ヤクザたちの本音、建て前、腹のうち。誰もが周りから頭一つ抜ける瞬間を虎視眈々と狙っている。

最後に生き残るのは誰か。濃厚な人間関係の中にある生き残りゲームをじっくりと堪能した。



「アウトレイジ」予告編 動画





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キャスト&スタッフ


出演者

ビートたけし
…(「アウトレイジ 最終章」、「ゴースト・イン・ザ・シェル」、「女が眠る時」、「アウトレイジ ビヨンド」、「アウトレイジ」、「HABNA-BI」、「座頭市」、「その男、凶暴につき」など)

〇椎名桔平

加瀬亮
…(「鈴木家の嘘」、「モリのいる場所」、「沈黙-サイレンス-」、「アウトレイジ ビヨンド」、「アウトレイジ」、「永遠の僕たち」、「硫黄島からの手紙」、「誰も知らない」、「それでも僕はやってない」など)

〇小日向文世
…(「アウトレイジ ビヨンド」など)

〇北村総一郎

〇杉本哲太

〇石橋蓮司

國村隼
…(「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」、「泣き虫しょったんの奇跡」、「パンク侍、斬られて候」、「哭声/コクソン」、「アウトレイジ」、「天空の蜂」など)

〇三浦友和
…(「アウトレイジ ビヨンド」など)

監督・脚本・編集

北野武
…(「アウトレイジ 最終章」、「アウトレイジ ビヨンド」、「HABNA-BI」、「座頭市」、「その男、凶暴につき」など)


2010年製作 日本映画


あらすじ


暴力団山王会の会長である関内(北村総一郎)は、傘下である池元組の組長(國村隼)が村瀬組の組長(石橋蓮司)と兄弟の仁義を交わしていることが気に入らない。

そのことを山王会若頭の加藤(三浦友和)が池元に伝えると、池元は自分の傘下の大友組の組長(ビートたけし)に「村瀬組とちょっとしたいざこざを起こしているように見せて欲しい」と言う。

大友は手下のチンピラを使い村瀬組のチンピラを痛めつけるが、それをきっかけに村瀬組と池元組の抗争が次第に大きくなっていってしまう…。

アウトレイジ

感想(ネタバレあり)


ヤクザも企業も骨組みは似た者同士


この映画「アウトレイジ」で描かれるのは、ヤクザの組同士の抗争。

誰かが痛めつけられると、その報復があり、そのたびに上の人間同士で話をつけようとする。

しかし、話が大きくなってくると、上の人間たちの間での話も変わってきて、下の人間はそれに良いように振り回され、抗争はますますエスカレートしていく。

この人間の動きは、面白いことに大企業の構図と良く似ている。

部長や課長が会議で聞いた話を持ってきて、「緊急でよろしく」とか言われる。

こちらは、抱えている業務を後回しにしてまで片付けると、「あれ、やっぱりなくなったから」とか言われちゃう。

指示された側としては、「えぇぇぇーーあんたが指示出したんだから、最後まで責任持ってよーー」って言いたくなる。

そして、面倒くさくなると、さらに後輩たちにその業務を回してしまう。

なんてことが日常茶飯事で起きている。

それは、ヤクザにしろ、企業にいろ、全てがトップの気分で変わり、下は上の人間の言うことに絶対服従という、全く同じ体質から起きることだ。

アウトレイジ4

ちょとしたいざこざからスタートしたサバイバルゲーム


そして、映画「アウトレイジ」では、この組同士の抗争がだんだんとエスカレートしていく。

途中からは、「最後に誰が生き残るのか」というサバイバルゲームの様相を呈す。

これは面白かったなぁ。

本音と建て前、腹のうちと上っ面。

昔からある兄弟、親子の仁義をクソ真面目に守った人間はバカをみる。

むしろ、周りの動きを眺め、考え、虎視眈々と出世のチャンスを狙った賢い人間がのし上がる。

「今まで世話になった人」に仁義を通す時代は終わり、いち早く自分のポジションを確立した人間が勝ち残る。

ヤクザの世界も古き良き時代は終わり、新しい時代がやってきたようだ。

アウトレイジ5

新時代のヤクザ=バイリンガルの金庫番


その「新時代のヤクザ」を象徴しているのが、加瀬亮演じる石原だ。

私は彼の存在が、この映画「アウトレイジ」の中で一番面白かった。

彼はバイリンガルでネイティブの英語を話すだけでなく、組の金庫番、カジノの仕切り、株の運用までやってしまう。

つまりは、うまいことやれば、組の金を使えてしまう存在だ。

バイリンガル、カジノ、金庫番に株の運用なんて、これまでのヤクザのイメージとは大きく違う姿を見せている。

これこそが、これからのヤクザの姿なのか。

はぁ。なるほどなぁと思った。

今までみたいに腕っぷしが強いだけのバカは、ヤクザの中でも上に上がれないという訳か。

「ゴッドファーザー」でも、ボスに最も信頼された人間は数字に強い人間だったっけ。

そして、石原はその頭の良さを最大限に活用し、多くのステップを飛び越えて山王会のNo.2にまでのし上がる。

石原はヤクザの世界の「新人類」なのだ。


アウトレイジ6

意外なことにとても分かりやすい北野作品


監督・脚本・編集は北野武

この映画で意外だったのは、北野作品の割に登場人物がとても多いこと。

それに、正面からヤクザの世界を描いていることだった。

なんだか、この監督は人と違う視点を持ている人で、斜め上からとか、背後から物事を捉えているイメージだったけど、この映画はド正面から撮っているのが、逆に新鮮で面白かった。

「ほぉ、日本のヤクザって、こういう構造しているんだね」というのが、とても分かりやすく描かれていたのが印象的だった。

北野武の作品が分かりやすいなんて!!意外だけど、なんだかとてもありがたいような気もする(笑)

アウトレイジ2

ヤクザも企業も構造改革の時代がやってきた


これまで、ヤクザにしろ、日本の企業にしろ子会社をたくさん作って手広く自分の島を広げてきた。

子会社たちは本部の言われるままに動き、その上下関係が揺らぐことはなかった。

しかし、そんな時代はもう終わりだ。

この映画「アウトレイジ」のラスト、周りの人間が死んでしまい自分だけが生き残った大友は、命をかけて仲間の敵をうとうとする。

しかし、その大友に向かい、小日向文代演じる丸暴の刑事 片岡は「ヤクザもそんな時代じゃないでしょう」と吐き捨てる。

結局、大友は片岡のお縄になるが、片岡は「ヤクザの大物を逮捕した」ことを手柄にして出世をしたかっただけだった。

それは、片岡のセリフを借りれば「警察もそんな時代じゃないでしょう」

いや、片岡は時代じゃないことを知っているからこそ、さっさと出世して逃げ切るのだ。

袖の下をもらうなんてことが簡単にできなくなる時代がやってきたからだ。

ヤクザも企業も古い時代の構造に終わりを告げようとしている。

これから生き残るのは、時代を読み取る感性と、それを実現するスピードだ。

ぼんやりしていると、いつの間にか、自分のいた場所に違う人が座っている…なんてことが起きるかもしれない。

アウトレイジ3


 ↓ さて、この先の展開はどうなるのか…続編「アウトレイジ ビヨンド」の予告編はこちら




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江口洋介主演の映画「天空の蜂」をWOWOWで観た。

1995年。最新の原子力発電所を狙ったテロが勃発。技術者たちが一丸となってテロを阻止しようとするが…。

満足度 評価】:★★★☆☆

全体的に曖昧な雰囲気で、結局何を伝えたいのかが分からないまま終了し、不完全燃焼な印象。

どっちつかずで、スッキリしない感じがなんとも残念だった。


出演:江口洋介、本木雅弘、綾野剛、仲間由紀恵、柄本明、國村隼

監督:堤幸彦 2015年製作 日本映画


「天空の蜂」予告編 動画





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原作本「天空の蜂」

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あらすじ


1995年夏、自動操縦が可能な新型ヘリコプターを設計した技術者の湯原(江口洋介)は、そのお披露目会に妻と息子の高彦を連れて出社していた。

お披露目会の開始まで、あともう少し…という時、湯原はヘリの格納庫の様子がおかしいことに気付く。

何物かが遠隔操作でヘリを動かし始めていた。

そして、そのヘリには高彦が乗り込んでいて、彼を助けることができないまま、ヘリは飛行を開始してしまう。

向かったのは原子力発電所の上空。

しばらくすると、「天空の蜂」というテロリストから犯行声明が発表され…。

天空の蜂


感想(ネタバレあり) 原発の上空でヘリがホバリング


原子力発電所の上空で最新型ヘリコプターがホバリングしている。

ヘリには爆弾を積んでいて、燃料切れになる8時間後には墜落する。

テロリストの意図は?そして、国はそれを阻止することができるのか…。

というサスペンス映画。

正直言って、これだったら、先日観た「シン・ゴジラ」の方がよっぽど面白かった。

ゴジラが東京に上陸した時の政府の対応についてのシミュレーションが真に迫っていた。

ところが、この映画は「反原発」を掲げるテロリストを描いるものの、日本が人々の想像以上に原発に頼っている状況を描かず、単に「原発」は「悪」という前提で描いているとしか思えない作品だった。

もっと、日本の状況を赤裸々に暴露した作品でないと、心に響いてこない。

自動操縦のヘリが原発上空でホバリングっていう設定は面白いなぁと思って観ていただけに残念だった。

天空の蜂2

「原発」の建設が市民に与えた悪影響がテロを生む


「反原発」を掲げるテロリストは、それぞれが原発建設の際に国に恨みを持った人間で構成されている。

綾野剛演じる建設作業員だった雑賀は、作業現場で知り合った友人を白血病で亡くす。

雑賀自身も体調を崩し、原発に恨みを持つようになった。

雑賀に原発の情報を提供していた三島(本木雅弘)は、自身が原発の技術者だという理由で小学生の息子がいじめに遭い、その後、息子は自殺してしまう。

かわいがっていた息子だけに、それ以来、技術者でありながら、原発に恨みを持つようになる。

そんな2人が手を組んで起こしたテロだった。

しかし、どうにもこの2人に「原発を爆破してしまえ」というほどの気迫を感じない。

どう考えても、その心の奥底に「無駄に人を殺してはいけない」という優しさが見える。

そんな人が、本気で原発を爆破しようと考えるだろうか…。

とくに三島はもっと狂った雰囲気があっても良かったように思う。

天空の蜂3

日本全国の原発を止めた場合の経済損失は…??


では、もしも、テロリスト「天空の蜂」の要求通り、日本全国の原発を止めたらどうなるのか。

どれだけの電力が不足し、私たちの日常生活にどれだけ支障をきたすのか。

また、そのことでどれだけの失業者が町にあふれ、失業率はどれだけ上がるのか。

そして、それらの影響による経済損失はどのぐらいになるのか…。

ここでは、そのリスクが一切語られない。

前述の「シン・ゴジラ」では、時々刻々と増えていく「経済損失」がキッチリと描かれていたことで、「おぉ、この先の日本はどうなってしまうんだろう…」という恐ろしさを感じることができた。

しかし、「天空の蜂」では、「建築作業員が白血病で亡くなった」、「技術者の家族がいじめで自殺した」という情報だけが与えられ、原発を止めることによるリスクを描かないとなると、観客たちは、なんとなく「やっぱり原発は怖いね」という印象を抱き、反原発へと誘導されていく。

そして、「節電ぐらいで済むなら、原発を全部止めても良いんじゃない?」と思ってしまう。

しかし、「反原発」を訴え、その思想を貫き通す程の力強さは感じない。

その曖昧さが、この映画の残念なところだった。

天空の蜂4


なんとなく曖昧で説得力がないのは、なぜか


結局、映画全体から受ける印象として、「原発の恐ろしさ」を訴えるには、イマイチ訴求力が足りなかった。

原発を止めると、これだけの経済損失があるけど、稼働したら、これだけの健康被害が出るんだ。

という数字でも出してくれないと、なんとも説得力が無い。

この映画のラストにそのどっちつかずの印象をそのまま表現したセリフがある。

主人公の湯原は最後に、成人して自衛隊員になった彼の息子に対し「この国には命をかける価値があるのか??」と問いかける。

それは、息子に問いかけているようで、自身に対する問いかけでもあった。

彼は技術者として一生を終えるが、年老いてから、それで良かったのかという迷いを感じるようになったのか。

その迷いは、この映画が「原発をハッキリとダメと言えないけど、でもなんとなく悪」と中途半端に言っている状態に似ている。

「この国に命をかけたら、いつかは原発で死ぬかもしれないよ…」なんだか、そんな風に聞こえるのは気のせいだろうか…。

もしもダメだと言いたいなら、原発を全て止めた場合のリスクを描いたうえで、それを上回るような理由を言えば良い。

それができないなら、「なんとなく」観客を「反原発」に誘導するような作品を作るのは、ちょっと卑怯な気がする。



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