北野武主演・監督の「アウトレイジ 最終章」を映画館で観た。

日本のヤクザの抗争を描く「アウトレイジ」三部作 最終章。


満足度 評価】:★★★★☆

相変わらず面白かった。

私は毎度、このシリーズを通して、日本の社会で起きていることを見るのだけど、今回は「グローバル化に飲みこまれる日本」だった。

では、日本は全てを奪われてしまうのか…。

そうではない。日本にもまだ希望はあると、北野武は希望を残す。


「アウトレイジ 最終章」予告編 動画






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キャスト&スタッフ


出演者

ビートたけし
…(「ゴースト・イン・ザ・シェル」、「女が眠る時」、「アウトレイジ ビヨンド」、「アウトレイジ」、「HABNA-BI」、「座頭市」、「その男、凶暴につき」など)

西田敏行
…(「アウトレイジ ビヨンド」、「ザ・マジックアワー」など)

…(「鈴木家の嘘」など)

ピエール瀧
…(「孤狼の血」、「怒り」、「凶悪」など)

…(「検察側の罪人」など)

大杉漣
…(「HANA-BI」など)

〇塩見三省

〇白竜
…(「HANA-BI」、「その男、凶暴につき」など)

〇金田時男

監督・脚本・編集


北野武
…(「アウトレイジ」、「HABNA-BI」、「座頭市」、「その男、凶暴につき」など)


2017年製作 日本映画



アウトレイジ最終章



あらすじ


かつて、山王会の一派で大友組会長だった大友(ビートたけし)は、山王会元会長の葬式で刑事の片岡を殺害。

その後、韓国フィクサーである張会長(金田時男)の庇護の元、子分の市川(大森南朋)と共に、韓国の済州島で裏社会を仕切っていた。

ある時、大友が仕切る店へ大阪 花菱会の花田(ピエール瀧)がやってきていちゃもんを付けた上、大友の子分の一人を殺したことから、大友は日本へ帰る決意をする。



アウトレイジ最終章3



感想(ネタばれあり)


グローバル化が進む裏社会と韓国へ雲隠れしていた大友


アウトレイジ」では、二か国語を操り、株で利益を出すという、これまでの典型的なヤクザにはいなかった新人類ヤクザを登場させたことで、古き良きヤクザの終了を描き、

続く、「アウトレイジ ビヨンド」では、どこにも所属しないヤクザが大暴れし、ヤクザという枠を超えたフリーランスの時代がやってきたことを描いていた。

このシリーズの面白さは、日本の社会状況をそのままヤクザの世界に反映させている部分にあって、ここに描かれる組織の中で起きている問題は、一般企業の中でも起きている問題でもあった。



今回の「最終章」では、ヤクザたちの抗争の中に、韓国フィクサー・張グループが登場する。

元々、東京の裏社会は山王会のシマだったのだが、張グループが勢力を広げ、今では裏社会のみならず、経済界、政界も顔がきく大物へと成長していた。



主人公の大友は、前作で刑事の片岡を殺してから張会長の世話になり、済州島に身を隠していたが、花菱会の若手に子分を殺されたことがきっかけで、日本に帰ってくることになった。

また、大友はどの組にも属さないフリーランスのヤクザの身なのだが、かつて世話になった恩は決して忘れないという『仁義の男』である。

しかし、昨今のヤクザ界では、その『仁義』という言葉も忘れられており、大友は古いタイプのヤクザとなってしまった。



アウトレイジ最終章4


お家騒動で勢力を縮小していく花菱会



面白かったのは、それぞれのヤクザの腹の内とだまし合い。

特に、「花菱会」の内部抗争。

先代が亡くなった際、本来の掟でいえば「若頭」であるはずの西野(西田敏行)がそのまま会長に昇格するはずが、なぜか、証券会社を定年退職したばかりの娘婿の野村(大杉漣)がその場に居座ることになる。

これは、西野にとって面白くない。

さらに、これまで「ドラッグの販売禁止」だった掟を破って大儲けしている花田が頭角を現す。



これを一般企業で例えるなら、社長が退職することになり、次は副社長の時代か…。

と思っていると、どこからか、畑違いの会長の娘婿がやってきて、訳も分からないくせして「あーだこーだ」と騒ぎ立てる。

さらに、『副業禁止』のはずなのに、副業で人脈を広げた若手が売り上げトップになって、幹部からチヤホヤされる。

そんな事態。



しかし、花田は実績を上げているだけに、誰も何も言えない。

必要なのは、生き抜くためのしたたかさや、あざとさなのだ。



当然、これには組の者たちのモチベーションは下がるわけで、内部分裂が起きる。

じゃぁ、いっそのこと、「会長派」のメンツを一気に始末しようかと考えるが、自分の手を汚したくないし、内部分裂にしちゃうと外からは「弱体化」に見えてよろしくない。

そこで、花菱会に恨みを持っている大友の『仁義』をうまいこと利用して、暴れてもらおうと考える。



まぁ、なんともセコイというか、汚いというか…。

その結果、花菱会の数は一気に減ってしまったけれども、幹部たちは、目の上のたんこぶである会長や花田も厄介払いできたし、組も昔のスタイルに収まって満足している…。



しかし、そのお家騒動をしている間に、張グループは順調に稼ぎを増やして勢力を広げている

そんなんで、日本のヤクザはこのまま存続できるのか…。

そこが、この『最終章』のテーマになっている。



アウトレイジ最終章2


韓国フィクサー 張がすることをただ見ているだけの日本のヤクザ



東京と大阪のヤクザ同士の抗争の中で、最も大きな勢力を誇るのは韓国フィクサーの張である。

日本のヤクザの会長や幹部たち、例えば西野や野村が小さなことでギャースカ騒ぎ立てていることに比べ、張はどっしりと構え、目の前に銃を持ったチンピラが立っても、一切動じない。

むしろ、銃を持って構えているチンピラの方が、丸腰の張を見てビクついて硬直してしまっている。

さすが、多くの修羅場を乗り越えてきた張には「何をしても勝てない」威圧感がある



その張が象徴するのは、ヤクザの世界に進出するグローバル化である。

この映画の中でも、張は香港や中国の土地取引の指示を韓国語で出す。

すると、指示を出された手下は韓国語で聞き、英語で取引をする。

そんな彼らは、東京を拠点にして世界の土地ころがしをしているという印象だった。



その様子を、花菱会の西野や花田は口をあんぐりとしながら「なんだ、あいつら英語しゃべってるぞ」と言って眺めている。

これには呆れて笑ってしまった。

同じ土俵で戦っているという意識がない

君たちが口をあんぐりと開けている間に、相手はどんどん金を稼いでいるんだよ。

そのうち、あんたたちのシマも買収されちゃうんだよ。



よく、日本人の土地やマンションを中国人グループが買い占めているという話をニュースで見る。

彼らは違法に奪ったわけではない。

合法的に買っているのである。

そんな中国人に対して、「土地やマンションを買うな」と言っても無駄。

買われたくないなら、自分たちが実力をつけ、相手を出し抜くしかない。

呆れるほどに日本人は『お人好し』なのである。



もっと賢く常に世界の動きを見るべきで、うかうかしていると、日本固有の物など、何ひとつない世界に様変わりしてしまうかもしれない。



アウトレイジ最終章5


「世界を知ること」が日本の若者への希望になる



それでは、グローバル化の波が押し寄せて、「仁義の男」大友もいなくなってしまったら、日本のヤクザは終了ということなのか。

という疑問に対して、この映画は最後に希望を持たせる。



韓国で大友が数年間育てた市川(大森南朋)は、大友のDNAを引き継ぐ者であり、済州島の裏社会でもまれた国際感覚を持つヤクザである。

そのために、市川の命を助け、先に済州島へ帰らせたのである。

これまでの北野作品であれば、「全員死亡」という終わり方もあったと思うけど、あえてそれをせず、花菱会の幹部や市川を残したのは、

「また、日本だって死んじゃいねーよ」

というメッセージなのでは。



しかし、そこには、ヤクザ界だけでなく、経済界だって明らかに弱体化している日本の姿がある。

日本がバブルで経済界が元気だった時、ヤクザの世界も一番忙しかったことを思えばよく分かる。

ヤクザは金がある人たちに寄生する生き物。

日本人の元気が無ければ、自然と衰退するようにできているのだ。



ということは、市川がヤクザ界の希望なら、北野武がこれからの日本の希望として、若者に「もっと世界を見ろ」と言っているのでは。

市川のように韓国と日本を股にかけて活躍するぐらいのバイタリティと逞しさが必要だということ。

それは、自身、世界の股にかけている『世界のキタノ』だからこそ、説得力があるのだと思う。

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