とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:実話



ジェニファー・ローレンス主演の映画「ジョイ」をU-NEXT で観た。

どこにでもいる平凡な主婦が、モップを開発し大ヒットしたことで実業家へと変身していくサクセスストーリー。

日本では劇場未公開で、DVDスルーになってしまった作品。


満足度 評価】:★★★★☆

学歴もコネもなくビジネスで成功した主婦ジョイの実話。

その成功は女性たちの手本になるに違いない。

どうにもならない時も諦めなければ、きっと成功できる!と思えた映画だった。

そして何よりジェニファーがカッコいい!

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ジョイ』予告編 動画

(原題:Joy)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年8月5日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年8月13日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


見逃しちゃった?でも大丈夫!映画「ジョイ」は、現在U-NEXT で配信中

本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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キャスト&スタッフ


出演者

ジェニファー・ローレンス

ブラッドリー・クーパー

 
〇イザベラ・ロッセリーニ


〇ヴァージニア・マドセン


監督・製作・脚本

デヴィッド・O・ラッセル
…(「アメリカン・ハッスル」、「世界にひとつのプレイブック」、「ザ・ファイター」など)


2015年製作 アメリカ映画



映画「ジョイ」


あらすじ


航空会社で働くOLのジョイ(ジェニファー・ローレンス)は、二人の幼い子供を抱えたシングルマザー。

母、祖母と共に暮らす家に、恋人と別れた父(ロバート・デ・ニーロ)が帰ってきて暮らし始め、定職に就かない夫トニー(エドガー・ラミレス)も住み着いている。

そんな家族の世話と家事に追われる日々のジョイだが、ある日、掃除をしている最中に「手をぬらさずに絞れるモップ」を思いつき、商品化。

その商品をトニーのコネでテレビショッピングのQVCのプロデューサー ニール(ブラッドリー・クーパー)に売り込み、放送が決定するが、全く売れないまま放送が終了してしまい…。



映画「ジョイ」ロバート・デ・ニーロ


感想(ネタばれあり)


ダメダメな家族たちを支えていたシングルマザーの主婦 ジョイ


デヴィッド・O・ラッセル監督作品の面白さは、個性あふれる登場人物たちの魅力にある



このところ「世界にひとつのプレイブック」、「アメリカン・ハッスル」と続けてデヴィッド・O・ラッセル監督の作品を続けて観てきた。

妻の浮気現場を目撃して自分を見失ってしまった主人公が立ち直るまでを描く「世界にひとつのプレイブック」も、FBI捜査官が詐欺師と手を組んで汚職政治家を摘発する「アメリカン・ハッスル」も、個性あふれる登場人物たちがとても面白い作品だった。



そして、この「ジョイ」もデヴィッド・O・ラッセル監督らしい、どうにもならないダメ家族が主人公ジョイを困らせる。

このダメ家族がまた、とても個性的で、彼らを見ているだけでも十分面白かった



一日中テレビの前でメロドラマを見続けるお母さん。

恋人ができて家出したにも関わらず、その恋人と別れると再び家に帰ってきて、大騒ぎするお父さん。

ジョイと離婚しても定職に就かず地下に居候する元夫のトニー。



そんなダメダメな家族たちが若いシングルマザーのジョイに寄りかかり、なんでもかんでもジョイ任せの生活を送っている。

しかし、ジョイにも、ダメダメな家族だと分かっていても、見放さずに面倒を見てしまうという一面がある。



そんな家庭に育ったジョイは、高校時代の成績は優秀だったにも関わらず、お金がなくて大学に行けず、航空会社で受付嬢として働いている。

そのまま、何も考えずに日々を送っていたら、「くたびれたOLの一生」で終わっていたに違いない。

しかし、「手を汚さずに絞れるモップ」の開発で瞬く間に実業家として成功を収めるのだ。



ジョイは、日本でいったら松居一代(発明家として成功していた頃の)のようなものだった。

主婦の感覚で「こんなお掃除便利グッズが欲しい」と思ったものをそのまま商品化し、主婦たちの共感を得て大ヒットする。

松居一代の「松居棒」が、ジョイのモップなわけだ。



けれど、その頃、松居一代は女優としてそれなりの知名度もあり、テレビに出てアピールすることもできたので、商品さえよければ、ヒットする可能性も高かっただろう。

しかし、ジョイはただの主婦だ。

テレビに出られるわけでもなく、名前で買ってくれるわけでもない。



では、なぜ、これと言った学歴もコネもないジョイが成功することができたのか

その「なぜ」の向こうには、ジョイのマインドの強さがあった



映画「ジョイ」ジェニファー・ローレンス



ジョイを成功に導く行動力とマインドの強さ


ジョイが成功した理由にはいろいろとあって、ポジティブシンキングだったり、何があっても諦めない強さもあった。

その中で一番心に残ったのは「すぐに行動する」という行動力だった。



モップで床掃除をした後、汚れたモップを水ですすいで絞る時、汚れたモップを手で絞るのはイヤだし、「モップを絞れるバケツを買わなければ」と思うのが普通の人の思考回路だ。

「モップは手かバケツで絞るもの」という固定観念があって、モップ自体に絞る機能を期待していない。



しかし、そこでジョイは「絞れるモップがあったら便利だ」と考えた



そこからがすごいなぁと関心してしまうのだけど、そう思ったら、すぐに試作品を作るのだ。

もしもそこで「簡単に絞れるモップがあったら便利だなぁ」と思っても、「だったら作ってみようか」とはならないだろう。

ジョイは試作品を作っただけでなく、さらに、「これはとても便利だから、きっと売れるに違いない」と発想を展開させていく



幼い頃から物を作ったり、発明することが好きだったというジョイだが、「自分を信じる力の強さ」「ポジティブシンキング」「何があっても諦めない」という3拍子揃った「気持ちの強さ」がジョイを成功に導いたのだと思った。



映画「ジョイ」デ・ニーロとジェニファー



「人を大切にする」気持ちが自分を助けることになる


そんな「マインドの強さ」があった上で、ジョイは「人を大切にする」ところも成功に導いた要因の一つだと思った。



先述した通り、ジョイの家族はジョイに頼りきりのダメダメ家族だが、ジョイは、そんな家族を決して見捨てようとしない

本当なら、結婚した時点で家を出て、離婚したら子供たちと新しい人生を始めることもできたはずだ。

しかし、ジョイはそうはしなかった。



「テレビを見ること以外、何もしようとしない母親」や、おばあちゃんだけでなく、元夫もそのまま居候させ、さらに出戻りしたお父さんの面倒まで見始めるのだ。

そうやってジョイが家族を大切にしたからこそ、その後、ジョイが困った時は家族がジョイを支えることとなる。



モップを開発したものの、どう売ったらいいか分からないジョイにショップチャンネルのQVCを紹介したのは、元夫のトニーだった。

ただ、同級生がそこで働いているというだけで、かなり強引だったけれど。

その後、ジョイのプレゼン力でQVCとの契約が決まったものの、大量生産しなければいけなくなり、その資金を提供してくれたのはお父さんの新しい恋人トルーディだった。



また、初めてジョイがショップチャンネルに出演した時、テレビカメラの前でモップをプレゼンしなければならないのに、緊張で沈黙してしまったジョイを、電話で助けたのは親友のジョアンだった。

このジョアンの助け舟には号泣してしまった。

もしもこの時、ジョアンが電話をかけなければ、モップをアピールできず、1本も売れなかったかもしれない。



トニーや、お父さんや、ジョアンが助けてくれたのは、日頃からジョイが人を大切にし、愛情を注ぎ続けたからに他ならない。

何があっても見捨てないというその気持ちが、回り回ってジョイを助けることになったのだ。



もちろん、良いことばかりではなく、その後、家族がジョイの足を引っ張ることもあるけれど(特に義姉!!)、それでも、家族を見捨てずに最後まで面倒をみるからこそ、その思いはジョイに戻ってくるのだ。



映画「ジョイ」エドガー・ラミレス



最後に決めるのは「度胸の良さ」


そして、最後に決めるのは「度胸の良さ」だ。



QVCでモップが1本も売れず「私にやらせてください」と言った時も、義姉のせいで権利を奪われそうになってダラスまで行った時も、「絶対に譲らない」という度胸の良さが、相手を圧倒することになった



特にダラスの時は「今、香港に電話してみたんだけど…」と始まった時は、ブラフ(はったり)なんじゃないかと思った。

それが、ハッタリだったのか、そうではなかったのかについて、明言はされなかったけれど、その「香港への電話の問い合わせ」が本当でも、本当じゃなくても、良いのだ。

ジョイが話したことをダラスのボスが信じれば、その時、その言葉は「真実」になるのだ。



なぜ、そこまで強く出られるのか。

それは、自分が開発したモップに対する絶対の自信と、最後まで諦めない力だ。

「絶対に売れる」という自信を最後まで貫き通す力が、彼女を成功に導いたのだ。



最後に、全ての権利を取り戻したジョイは、とてもカッコよくて痛快だった。



もしかしたら、ダメダメで、全て彼女に寄りかかる家族がいたからこそ、ジョイは成功したのかもしれない。

そもそも、自分ではない誰かがモップ掃除をしてくれれば、その不便さに気付かないだろうし、裕福な家庭だったら「何としてでも金を取り戻さなければいけない」という気持ちも起きなかったかもしれない。



人は様々な逆境が押し寄せた時、度胸を決めて前に進めば成功を手にすることができるし、そのまま諦めれば、その程度で人生は終わるのだ。

「目標を決めたら、最後まで貫き通すマインドの強さ」が、ジョイの成功の秘訣だと思った。


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エイミー・アダムス主演、ティム・バートン監督の映画「ビッグ・アイズ」をU-NEXTで観た。

目の大きな子供たちを描いた「ビッグ・アイズ」で知られる画家キーンの驚きの実話を映画化した作品。


満足度 評価】:★★★★☆

「天才作家の妻」「コレット 」と同じ系統の作品。

女性がまだ力を持っていなかった頃気弱で優しい妻は家族のために自分を犠牲にしてしまう。

本当に家族の幸せを思うなら、勇気を持って自分らしく生きることが一番だなと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ビッグ・アイズ』予告編 動画

(原題:Big Eyes)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年7月26日 U-NEXTにて鑑賞。

・2019年7月29日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

エイミー・アダムス



〇ジョン・ポリト

クリステン・リッター
…(ドラマシリーズ「ディフェンダーズ」、「ブレイキング・バッド」(シーズン2のみ)など)

〇ジェイソン・シュワルツマン



監督

ティム・バートン
…(「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」、「チャーリーとチョコレート工場」、「ビッグフィッシュ」、「シザーハンズ」など)


2014年製作 アメリカ映画



映画「ビッグ・アイズ」



あらすじ


1950年代、女性の権利がまだあまり認められていなかった頃、マーガレット(エイミー・アダムス)は暴力的な夫の元を離れ、娘と二人で暮らし始める。

絵を描くことが好きだったマーガレットは、家具に絵を描く仕事に就きながら、週末は公園で子供の似顔絵を描いて生活をしていた。

その公園で同じく風景画を売っていたウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は、マーガレットの才能を高く評価し、やがて二人は恋に落ちる。

その後、二人は結婚し、マーガレットは自分の絵に「キーン」とサインするようになる。

そして、ウォルターは自分とマーガレットの絵をバーの廊下に掲示し、客に売るようになるのだが、マーガレットが書いた「ビッグ・アイズ」の絵が高値で売れ、「誰が描いたのか」と聞かれると「私が描いた」と答えてしまい、それ以来、ウォルターは「ビッグ・アイズ」の作者として知られるようになる…。



映画「ビッグ・アイズ」エイミー・アダムス




感想(ネタばれあり)


「女性の名前では売れなかった」という不遇の時代


1950年代~60年代のアメリカで人気を集めた画家キーン。

目の大きな子供たちを描いた「ビッグ・アイズ」で知られる画家だが、実は妻が描いていたものを夫が自分で描いたと偽っていたという実話を映画化した作品。



その当時のアメリカでは、まだそれほど女性たちに力がなく、「妻は家庭で夫を支えるもの」だと思われていた。

最近観た作品では、キーラ・ナイトレイ主演の映画「コレット」、グレン・クローズ主演の映画「天才作家の妻 40年目の真実」も、この「ビッグ・アイズ」と同じで、才能ある妻の作品を自分の作品だと偽っていた男性たちを描いたものだった。



まだ、女性たちが社会的な地位も低く、力も持っていなかった頃、作家や画家は男性というイメージが強く、夫たちからしたら「妻の名前で作品を発表をしても売れない」という事情があったため、妻に対して強く出ることができた

それは、今ではパワハラなのだが、その当時の女性たちは「夫の名前で作品を発表する」ということに対して、そんな状況を甘んじて受け入れているところもあった



夫の元を離れて、自分一人で作家として、画家として生きて行けるのか。

子供を養っていけるのか。

そんな不安が、自立を思いとどまらせるのだ。



しかし、いつまでも「夫のゴースト」のままではいられない。

これは、そんな妻の精神的な自立について考えさせられた作品だった。



映画「ビッグ・アイズ」ウォルター・キーン



マーガレットの心が表れた子供たちの表情


マーガレット・キーンが描いた「ビッグ・アイズ」は、とても個性的な作品だ。

そこに描かれている子供たちは、顔の半分ぐらいあるかと思われる大きな目で、じっとこちらを見つめている。

しかし、その絵の中にいる子供らはみな孤独で、寂しそうな印象を受ける



歌手は歌に、作家は小説に魂を込めるように、画家は絵に魂を込める。

マーガレットは「ビッグ・アイズ」に魂をこめたに違いない。

なので、「ビッグ・アイズ」の孤独で寂しそうな子供たちの表情は、マーガレットの心を表したものだろうと思った。



マーガレットは、最初の結婚では暴力的な夫から逃げ出し、二度目の結婚で幸せになれるかと思いきや、その才能を利用されてしまう。

「ビッグ・アイズ」に人気が出て売れるようになると、ウォルターは、ずっと前から「画家になりたかった」という夢をマーガレットの絵で叶えていくようになり、どんどん強欲になっていく。



そして、まるでマーガレットが絵を生み出す工場であるかのように「もっと絵を描け」と追い込んでいくようになるのだ。

初めは幸せだった二人の結婚も、やがて、ウォルターの恐怖に支配されるようになっていった。



「アトリエ」という牢屋に閉じ込められ、絵を描くことを強いられたマーガレットの心象風景が「ビッグ・アイズ」の子供たちの表情に現れているのだろう。

本当に何も心配なく、幸せな生活を送っている人は、あんなに寂しい絵を描かないと思う。



映画「ビッグ・アイズ」クリストフ・ヴァルツ



マーガレットを思いとどまらせたのは、社会的な地位


マーガレットの社会的、精神的な自立を阻んでいるのは、女性たちの社会的な地位だった。



その当時、近代美術で人気があったのは、カンディンスキー、アンディ・ウォーホルなどの男性たちであり、画家と言えば男性というイメージが強かった

だから、マーガレットも「この絵は誰が描いたのですか?」と聞かれた時に、「私です」と即答できず、言い淀んでいるうちにウォルターが「私が描いたんです」と言ってしまう。

さらに、口がうまいウォルターは、どんどん「ビッグ・アイズ」を売り込んでいく。



その状況に、気が弱くて、男性に依存しがちなマーガレットは、「ウォルターの方が売るのがうまいから」という理由で、「自分が描いた」と公表することを諦めるようになる。

しかし、マーガレットだけが特別男性に依存しがちだったというわけではない。

その時代の多くの女性たちが、男性に頼らなければ生きていくのが難しかったのだ。



けれど、そうやって「家族のために、娘 ジェーンのために」と、自分を犠牲にし、その状況に甘んじてパワハラに耐えていたマーガレットだったが、それは、決して娘 ジェーンのためにはなっていなかった。

幼い頃から、母が絵を描いているのを隣で観ていたジェーンが、その嘘に気付かないはずがないからだ。



また、マーガレットを利用してあらゆる名声を手にしたウォルターがだったが、有名な美術批評家に批判されると、たちまち荒れてしまう。

自分が描いていない作品で、散々酷いことを言われたからだ。

なんとも勝手な話だが、彼のパワハラはますます酷くなり、大事な娘をその家で育てるのが危険な状態になってしまう。



そこまできて、ようやく、マーガレットは家を出る決断をするのだ。

マーガレットは画家としての才能はあったのかもしれないが、一人の女性としては誰かの支えが必要な普通の女性だったのだ。



映画「ビッグ・アイズ」マーガレット・キーン



マーガレットに自立を決意させたもの


そんな時に、マーガレットが出会ったのが、「神」だった。

娘と共に家を飛び出し、夫から遠くなはれたハワイでマーガレットは新興宗教にはまっていく。

その教えに「汝、嘘つくなかれ」と書かれていたことから、「真実を語らなければならない」と思うようになったのだ。



元々、マーガレットは依存心が強く、強い男性に依存しがちだった。

そんなマーガレットにとって、その新興宗教の良し悪しは別として、神の存在は大きな支えとなったに違いない。



そして、ようやく「夫のために生きる人生」を捨て、「自分のために生きる人生」を選択したのだ。



現代であれば、それはとても当たり前のことだけど、当時の女性たちは家族のために自分を犠牲にするのが、当たり前だった。

日本でも、ちょっと前まで妻は夫から「三歩下がって尽くす」ことが美徳とされていた。

しかし、そんな生き方は、夫の傲慢さをエスカレートさせるだけだし、自分のためにも、子供のためにもならない。



その後、ウォルターは「『ビッグ・アイズ』の作家は自分だ」と言い続け、亡くなる時は無一文だったという。

それが、「名声」と「欲」に負けた人間の末路であり、本当の実力だっただろうと思う。

ウォルターは、最初からマネージャーに徹して、二人三脚で歩んでいれば、「夫婦の名声」になっていたものを、独り占めしようとした結果、全てを失うことになったのだ。



人生は「誰かのため」に生きるものではない。

自分のために生きてこそ、周りの大切な人たちにも良い影響を与えられるんだと、この映画を観て考えさせられた。


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エマ・ストーンスティーヴ・カレル共演の映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を試写会で観た。

1973年に男女の壁を越え、世紀のテニスマッチ「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を行ったビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスの実話を描く。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

面白かった!

男女同権を求める戦いとは、性別の垣根をなくし、男女関係なく自分らしい生き方を手に入れることだと感じた。

今でも女性蔑視はあるけれど、現代の女性たちにとってビリー・ジーンのように権利を得るために戦った人たちの存在は尊い。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」予告編 動画

(原題:Battle of the Sexes)



更新履歴・公開情報

・2018年6月28日 試写会にて鑑賞

・2018年7月31日 感想を掲載。

・2019年6月30日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報などは下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者

エマ・ストーン
…(「女王陛下のお気に入り」、「ラ・ラ・ランド」、「マジック・イン・ムーンライト」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「アメイジング・スパイダーマン」など)



〇サラ・シルヴァーマン


…(「バーレスク」、「チョコレートドーナツ」など)

…(「デス・ウィッシュ」など)



監督


〇ヴァレリー・ファリス


2017年製作 アメリカ映画



映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」



あらすじ


1973年、テニス界における賞金の男女格差について、女性の地位向上を訴えていた女子世界チャンピオンテニスプレイヤーのビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)は、テニス協会を出て女子テニス協会を立ち上げる。

そんなビリー・ジーンに対して、元男子世界チャンピオンのボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)は、挑戦状をたたきつけ、テニスマッチ「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を申し出る。

そんなことよりも、女子テニス協会の強化に集中したいビリー・ジーンはその挑戦を断っていたのだが…。



映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」エマ・ストーン、スティーヴ・カレル



感想



この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に投稿したものを紹介します。


バトル・オブ・ザ・セクシーズ (2017)


★★★★☆ [90点]「男女同権とは自分らしい生き方をする権利」

思っていた以上に素晴らしく、感動した作品だった。

もっと軽めのコメディタッチの作品かと思っていたら、そうではなく、男女同権を訴える勇気ある女性の物語だった。



1973年 女子テニス世界チャンピオンのピリー・ジーン・キングエマ・ストーン)は、テニス界における女性の地位向上のために戦っていた。

そんなピリー・ジーンに対し「男性至上主義」を訴える55歳の元男子テニス世界チャンピオンのボビー・リッグス
スティーヴ・カレル)が挑戦状を叩きつける。

そんな2人の試合は全米から注目を集めるようになり…。



今から45年前の1973年は、「女が男に勝てるはずがない」と言われ、「女は台所にいればいい」と言われていた

もしも今、そんなことを言われたら「なんて時代遅れな!!」と思ってしまうけれど、

それは、この映画の主人公ビリー・ジーンのように女性たちの権利を求めて闘った人たちがいるからである。



この映画がいいなと思ったのは、その世紀の戦いを描いただけではなく、そこに至るまでの2人の葛藤を描いているところだった。

ビリー・ジーンもボビーも、世界チャンピオンになった経験があるアメリカの偉大なテニスプレーヤーである。

そんな2人も、私生活に悩みを抱え、時には感情的になってしまうこともある



特に現役プレーヤーのビリー・ジーンは、感情に支配され、勝てるはずの試合を落としてしまうこともあった。

その一方で、ボビーは「ギャンブル癖」を克服出来ず、妻から離婚を言い渡されていた。



そんな彼らの姿は、偉大なるテニスプレーヤーにも普通の人たちと同じような悩みがあることを示している

そして、世紀のテニスマッチ「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は、彼らにとっては自分自身との戦いであり、自分らしい生き方を手に入れるための戦いとなっていく。



つまり、それまでは何をするにも男性上位だった社会の中で、女性が男性と同等の権利を手に入れたいと主張するのは、「男性だから」「女性だから」という垣根をなくし、「人として自由に生きる権利を手に入れたい」と主張しているということなのだ。



ラ・ラ・ランド」でオスカー女優となったエマ・ストーンは今回も素晴らしい演技を見せてくれる。

前回とは、全く違うエマ・ストーンに驚かされた

戦う時の彼女は、まさにプロテニスプレーヤーの顔をしていて、気迫がみなぎっていた。



人は、自分の主義主張を通すためには、時には渡りたくない橋を渡らなければいけない時もあって、それを乗り越えた時、ようやく、これまで見たことのない景色が見えるようになるんだなと思った。

何かに挑戦したいと思っている人にオススメの作品。

きっと勇気をもらえるはず。


Posted by pharmacy_toe on 2018/06/28 with ぴあ映画生活


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メリッサ・マッカーシー主演の映画「ある女流作家の罪と罰」を上映会で観た。

売れない伝記作家が、有名作家たちの手紙を偽造し、生活費を稼いでいた実話を映画化した作品。


満足度 評価】:★★★★☆

有名作家の手紙を偽造して生活費を稼いだ女流作家の実話。

主人公リーの、社会に迎合できず器用に生きられないからこそ犯罪に手を染めていく姿に同情しつつ、切ない気持ちで観た 。

そんなリーだから何にも縛られないジャックが親友になったんだろうな。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ある女流作家の罪と罰』予告編 動画

(原題:Can You Ever Forgive Me?)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年5月28日 「町山智浩の映画サーチライト」にて鑑賞。

・2019年6月29日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



映画「ある女流作家の罪と罰」は、現在U-NEXT で配信中


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キャスト&スタッフ


出演者


…(「LOGAN/ローガン」など)

〇ドリー・ウェルズ

〇ジェーン・カーティン


監督

〇マリエル・ヘラー


2018年製作 アメリカ映画


映画「ある女流作家の罪と罰」



あらすじ


有名作家たちの伝記を専門とする作家のリー・イスラエル(メリッサ・マッカーシー)は、自著が売れず、出版社で校正の仕事に就いていた。

しかし、仕事内容に満足できず、仕事中に酒を飲みながら悪態をついていたリーは、クビになってしまう。

そして、家賃や食費が支払えなくなってしまったリーは、本を古本屋で換金した時に、有名な作家たちの手紙が高値を付けて売られていることに気付く。

そこで、リーはある著名作家のフリをして手紙を書いたところ、それが古書店で売れたことをきっかけに、手紙の偽造をすることで生計を立てるようになり…。


映画「ある女流作家の罪と罰」メリッサ・マッカーシー



感想(ネタばれあり)


この「ある女流作家の罪と罰」は、今年のアカデミー賞で話題になっていた作品で、観たいなぁと思っていたところ、日本では残念ながらDVDスルーとなってしまった。

しかし、それをスクリーンで観ることができて、とてもラッキーだった



主人公のリーは伝記小説専門の売れない女流作家。

ヒット作に恵まれず、生活に困っている中、ある女流作家の手紙を偽造したところ、それが思ったよりも高値で売れてしまい…。



そもそも、リーは文学が大好きな人だ

好きな作家については、文章のクセから交友関係まで知り尽くしている。

現代で言うと、「文学ヲタ」という言葉がぴったりなタイプだ。



そんな彼女はきっと子供の頃から本の虫と呼ばれ、友達を作るよりも本を読むことに一生懸命だったはずだ。

そのためか、友達も少ないし、社交的になれず、文才があっても、その才能をうまくアピールすることができない。

だから、彼女は売れない作家なのだ。



でも、そんな不器用な彼女だからこそ、とても魅力的に思えたし、とても同情してしまった

本を書いても売れないから、モチベーションが上がらない。



しかし、大好きな作家になりきって手紙を書けば「この文章、素敵ね」とほめられ、お金までもらえてしまう

それが、売れない作家のリーにとって、どれだけ嬉しかったことか。



それなら、罪だとわかっていても手紙を書いてしまおう。

その思いが、とても切なかった。



この物語は、そんなリーの実話を映画化したものだが、リーとジャック(リチャード・E・グラント)の友情物語でもある。

リーは、そんな感じで、うまく社会に迎合できず、才能を生かしてバンバンヒット作を生み出すような器用さもない。



そのリーの目の前に現れたのが、ジャックなのだ。

ゲイのジャックは、ドラッグもするし、酒も飲む。

どこからともなく現れては消えていく風来坊の人だが、リーの仕事を手伝ってくれる情の厚いところもある。



そんなつかみ所のないジャックだからこそ、リーにとって、とても居心地がいい相手だったんだろうと思う。

彼ら、2人のとても楽しげな友情は、この映画の中で救われる場面だった。



今の世の中、いつ何が起きるかわからない。

もしかしたら、リーの暮らしは「明日は我が身」かもしれないのだ。



では、「もし、私がリーの立場だったら、どんな生活をするだろうか…」と考え、何気ない毎日を続けることの大切さを思った作品だった。

一攫千金を狙うのではなく、日々、こつこつと前進する力が何より強いのだ。

みんながみんな、思い通りに成功できるわけではないからだ。



コメディ映画の印象が強いメリッサ・マッカーシーが、ギャグを封印して演じたくたびれたおばちゃんぶりは一見の価値あり!

人生に行き詰った経験がある人なら、きっと心に響く作品。




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レイフ・ファインズ監督、出演の映画「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」を映画館で観た。

ソ連から亡命した世界的バレエ・ダンサー ルドルフ・ヌレエフの半生を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

前半は高く羽ばたきたい青年の出世話として、後半は生きるための選択を迫られるスリリングなサスペンスとして観た。

その全てを踊るために捧げた彼の過酷な人生を思い、自由に生きられることを有り難く思った。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』予告編 動画

(原題:The White Crow)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年5月14日 映画館にて鑑賞。

・2019年6月14日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』公式サイト


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キャスト&スタッフ


出演者

レイフ・ファインズ

〇オレグ・イヴェンコ

〇アデル・エグザルコプロス


〇チュルパン・ハマートヴァ

〇ルイス・ホフマン

〇セルゲイ・ポルーニン


監督

レイフ・ファインズ


2019年製作 イギリス・ロシア・フランス合作映画



ホワイト・クロウ伝説のダンサー



あらすじ

1961年 ルドルフ・ヌレエフ(オレグ・イヴェンコ)は、キーロフ・バレエ団の一員として、パリを訪問する。

ヌレエフがソ連を出たのは、それが初めてだった。

しかし、ソ連当局は、当時のヌレエフの発言内容などから、KGBが常に監視されることとなった。

そして、パリ公演も無事に終了し、ロンドン公演へ向かうその日、ヌレエフは当局からソ連への帰国命令を受ける…。



映画「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」オレグ・イヴェンコ




感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ホワイト・クロウ 伝説のダンサー (2018)


★★★★ [80点]「おもちゃの電車に見る母への思い」


自由な時代に生きていることのありがたさを噛みしめる作品だった。

冷戦時代に活躍したソ連のバレエダンサー ヌレエフの実話の映画化。

監督は、俳優のレイフ・ファインズ。



前半は、田舎町の貧しい農家に生まれたヌレエフが生きていくために、さらなる高みを目指してバレエダンサーとして生きていく姿が描かれる。

しかし、そこからトップダンサーになっていくと、いろいろな欲望が生まれてくる。

そこで、ヌレエフは、西側の文化も積極的に学び、将来のために英語も学ぶようになる。



当然のことながら、当時のソ連でそんなヌレエフの考え方が許されるはずがない。

そのため、ヌレエフはパリで公演するバレエ団のメンバーに選ばれるが、常に監視がつくような状態になってしまう。



バレエダンサーとして、さらに羽ばたきたいと思い、様々な芸術に関心を示していたヌレエフだったが、彼に許された自由は限られていた。

その姿はまるで、鳥かごの中の鳥のようだった。
そんな彼を見ていると、「もっと自由にさせてあげたい」という気持ちでいっぱいになった。



そして、後半、彼は生き抜くための選択をするのだが、そこから先はスリリングなサスペンスのようだった



そんな過酷で激動の人生を送ったヌレエフだったが、その中でも、彼の家族への思いがとても印象的で、心に残っている



その彼の思いを象徴しているのが「おもちゃの電車」だ。

走っている電車の中で生まれた彼は、どんな時も、大人になっても、おもちゃの電車を持ち歩いていた。

それは、彼にとっての「家族の思い出」なのではと思った。



幼い頃にバレエ団に入れられた彼には、家族写真もないけれど、電車を見ては田舎町で暮らす母のことを思い出していたのではないかと思う。

そんな彼が、パリで高級なおもちゃの電車を求めていたのは、田舎町で貧しい暮らしをしている母に贅沢をさせてあげたいと思っていたからではないかと思う



しかし、そんな彼の思いは叶わない。

彼の母が亡くなってから10年足らずで、ヌレエフ本人も亡くなってしまったところに、そんな彼の母への思いが見えるような気がした。

その時のヌレエフの人生を思えば、今、自由に生きられることが、どれだけありがたいことなのか

そして国の思想が、個人の人生を台無しにすることがあってはいけないなと思った


Posted by pharmacy_toe on 2019/05/30 with ぴあ映画生活




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マーゴット・ロビー主演の映画「アイ,トーニャ」を試写会で観た。

1994年 リレハンメル冬季五輪 全米代表選考会で起きた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」その加害者として世間を騒がせたトーニャ・ハーディングの半生を描く。

第90回 アカデミー賞(2018年) 助演女優賞(アリソン・ジャネイ)受賞作品。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!

毒親の子に与える影響と、その親に支配から抜け出すことの難しさを感じた作品。

トーニャも母も、トーニャの夫も暴力を振るうことに罪悪感を感じていないところが恐ろしくて、衝撃的だった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」予告編 動画

(原題: I, Tonya)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年5月17日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年6月9日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」は、現在U-NEXT で配信中


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キャスト&スタッフ


出演者

マーゴット・ロビー
…(「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」、「グッバイ・クリストファー・ロビン」、「死の谷間」、「ピーターラビット」(声の出演)、「スーサイド・スクワッド」、「ターザン:REBORN」、「フランス組曲」、「フォーカス」、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」など)

〇アリソン・ジャネイ

セバスチャン・スタン
…(「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ローガン・ラッキー」、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」など)

〇ポール・ウォルター・ハウザー

マッケンナ・グレイス
…(「gifted/ギフテッド」、ドラマシリーズ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」など)


監督

クレイグ・ギレスピー
…(「ザ・ブリザード」、「ミリオンダラー・アーム」など)


2017年製作 アメリカ映画



映画「アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル」



あらすじ


貧しい家庭で育ち、母親(アリソン・ジャネイ)から暴力を受けながら育てられ、フィギュアスケートの全米代表選手にまで登りつめたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。

その暴力的な母親から逃げるように家を出てジェフ(セバスチャン・スタン)と結婚したトーニャだったが、彼もまたトーニャに暴力を振るう男だった。

そのため、ジェフと離婚したり、よりを戻したりしながらスケートを続けたトーニャは、アメリカ人フィギュアスケーターとして初めてトリプルアクセルを成功させ、92年のアルベールビル冬季オリンピックに出場。

しかし、続く94年に開催されるリレハンメル冬季五輪の選考会で、ライバル選手のナンシー・ケリガンが襲撃される事件が起き、ナンシーは欠場、トーニャは優勝してオリンピック出場を決めるが、トーニャがナンシー襲撃に関わっていると疑われてしまい…。



映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」マーゴット・ロビー


感想(ネタバレあり)


優雅で華麗なステージの裏で起きた卑劣な「ナンシー・ケリガン襲撃事件」


フィギュアスケートにどんなイメージを持つだろうか

女性も男性も、華やかで美しい衣装を着て、壮大な音楽をバックに優雅にスケートリンクを舞い、観客を魅了する



高度な身体能力を求められるスポーツであるが、それと同時に、観客の目を楽しませるエンターテインメントな一面も持ち合わせている。

そのため、冬季オリンピックでは、最も人気のある競技の一つである。



そういう私も、スポーツを見ている時間があったら、一本でも多く映画を観ていたいタイプだが、平昌冬季オリンピックでは、羽生選手の演技が見たくて、男子フィギュアだけは観たのだ。

きっと、私のように「フィギュアスケートだけは観た」という人が少なくないだろうと思う。



この映画の主人公トーニャ・ハーディングは、そのフィギュアスケートでオリンピック全米代表になった選手である。

しかし、彼女を育てたのは、その華やかさ、優雅さ、美しさとは正反対の世界だった。



そして、彼女はそれまでのアメリカフィギュアスケート史の中でも、最も才能のある選手の一人だったにも関わらず、その生まれ育った環境が彼女の人生を追い詰めることになってしまう。

この映画は、その表の世界(フィギュアスケート)と、裏の世界(劣悪な家庭環境)のギャップに驚愕してしまう作品だった。



1994年 1月6日 リレハンメル冬季五輪 フィギュアスケート代表選考会。

その当時、アメリカ代表の中で実力ナンバー1だったナンシー・ケリガンが襲われる事件が起きる

彼女を襲撃した犯人として、ライバルのトーニャ・ハーディングが疑われてしまう



なぜ、事件は起きたのか

彼女は本当に犯人だったのか



その当時、カタリナ・ヴィットと伊藤みどりの時代が終わり、私自身は、フィギュア・スケートに興味をなくした頃だった。

しかし、それでも、トーニャ・ハーディングの襲撃事件があったことは憶えている。

それも、「彼女がナンシー・ケリガンを襲わせたんでしょ?」と思っていた



それは、私の大きな勘違いなのだが、なぜ、私はそんな記憶違いをしていたのか。

この映画を観終わった後は、それも理解できるような気がした。



映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」マーゴット・ロビー


成長期に毒親からの暴力を受け続けて育ったトーニャ・ハーディング


幼少時代のトーニャ・ハーディング。

演じるのは天才子役のマッケンナ・グレイス



幼い頃のトーニャは貧しい家庭で育つ。

しかし、アイススケートが好きなトーニャには才能があると思った母親は、貧しいながらもトーニャをスケート場に通わせる。



そこまでは、美談になる。

しかし、その母親は、トーニャに対し、言うことを聞かなければ殴る、蹴る、罵声を浴びせるを繰り返す

この母親は完全に毒親(言葉や力による暴力で子供を支配しようする親)である



その恐ろしい日々の中で、トーニャは恐怖に震えながらアイススケートを続ける。

そんな母親に呆れた夫(トーニャの父)は、泣いてすがるトーニャを置いて家を出てしまう。

それ以降、トーニャは恐ろしい毒親と2人で全米代表選手を目指すようになる。



この小学生から思春期まで、トーニャは毒親から激しい暴力を受け続けた結果、暴力というものに対して抵抗のない人間に育ってしまう

普通の人が恐れるような暴力も、「たかが暴力」程度になってしまうのだ。

そこが、毒親が子供に及ぼす影響の恐ろしさなのだ。



映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」マーゴット・ロビー


問われているのは、トーニャ自身の生き様である


そんな「暴力にあまり抵抗を感じない」トーニャは、思春期を終えると、口うるさい母親の元を離れ、ジェフと結婚する。

しかし、このジェフもまた、とんでもないDV男なのだ。



彼は、ちょっと気に食わないことがあれば、平気で暴力を振るうような男だった。

そんな男と暮らしていられるのも(のちに離婚と復縁を繰り返すことになるが)、トーニャ自身が暴力に対して抵抗がないことを示している



彼らのケンカもけた違い。

殴ったり、物を投げたりするのは当たり前で、時にはトーニャが猟銃を持ちだしてジェフを撃つこともあった。

それは、暴力の影響のない世界で育った人間からすれば異常なものだけど、彼らにとっては、それが「普通の世界」なのだ。



そんな生活の中で、トーニャの心を自分に向けたいジェフは、ナンシー・ケリガンを脅して、全米選手権でトーニャを勝たせたいと思うようになる

そこで、ジェフは友人のシェーンに「ちょと脅してやれ」と指示するのだが、その指示を「痛めつけてやれ」と勘違いしたシェーンは、ナンシー・ケリガンを襲撃してしまう



だから、本当のところ、トーニャは「ナンシー・ケリガン襲撃事件」と何の関係もないのだ。

けれど、世間の人はそうは見ない。



トーニャはどれだけ「関係ない」と主張しようとも、トーニャもジェフもシェーンも同じ穴の狢であり、ひとくくりなのだ。

ジェフがそういう人間だと分かっていて、縁が切れなかったトーニャへの因果応報だとしか思えないのだ。



その結果、遠く離れた日本で暮らす私が「トーニャ自身が関わっていた事件」だと勘違いしてもおかしくないのだ。

いくらトーニャが知らないと主張しても、ジェフもシェーンも、他人からみればトーニャファミリーの一人であり、1%でも黒い部分があれば、世間からは100%黒だとみなされるのだ。



フィギュアスケートとは、優雅で華麗なスポーツ

全米代表ともなれば、私生活も代表選手らしく優雅で華麗であるべきなのだ。

彼女が直接手を下した、していない、命令をした、してないに関わらず、彼女が追放されてしまったのは、そこに理由がある。



代表選手には、代表選手らしい生き様があるのだ。

スケートリンクを降りてからも、人々の手本となるべき人間が代表選手としてふさわしいのだ。



日本の羽生選手を見ればよくわかる。

どこを切り取っても、リンクを降りてもゴールドメダリスト。

そんな人が、代表選手としてふさわしいのだ。



映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」マーゴット・ロビー


毒親の支配と影響から逃れることの難しさ


アメリカのフィギュアスケート史に残るような素晴らしい才能の持ち主ながら、スケート界を追放され、ボクサーとして晩年を過ごすことになってしまった不幸(本人は不幸だと思っていないかもしれないが)には、毒親による影響の強さを考えずにはいられない

トーニャにとって最大の不幸は、毒親を母親に持ったことである。

幼い頃から暴力に抵抗なく育った結果、常に身の回りに暴力があるような人生を送り、その果てに「ナンシー・ケリガン襲撃事件」が起きるのである。



にもかかわらず、母親は肩にインコを乗せながら、自分は「貧しい中でトップのフィギュアスケーターを育てた」と自慢げなのだから恐れ入る。

呆れて笑ってしまうわ。



確かに、彼女は一流のスケート選手を育てたかもしれない。

しかし、そのトーニャの内面は「一流選手とは程遠いもの」であり、それがスケート界からの追放につながるのだ。



その毒親の影響については、先日観たホアキン・フェニックス主演の映画「ビューティフル・デイ」でも描かれていたけれど、その支配から逃れることは非常に難しいのだ。

ビューティフル・デイ」でホアキン・フェニックスは、毒親に育てられながら暴力的な一面を持つ殺し屋になり、トーニャ・ハーディングはフィギュアスケーターを辞めた後は、ボクサーに転身している。

そうやって、一生暴力と付き合っていくことになるのだ。



トーニャ・ハーディングは、ナンシー・ケリガンに対しては加害者側の人間かもしれないが、毒親に虐待された被害者でもある

この映画は、そんな母と娘と夫の生活を、時に笑いを交えながらユーモアに描いているけれど、そこに描かれている闇は、現代社会が抱える問題点であり、その奥はとても深いのである



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関連記事


毒親が子に与える影響を描く


「ビューティフル・デイ」





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韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」を試写会で観た。

1980年に韓国で起きた光州事件を取材し、真相を世界に広めたドイツ人ジャーナリスト ピーターと彼の運転手をしたタクシー運転手 マンソプの2日間を実話を元に描く。


満足度 評価】:★★★★★

前半はほのぼの、後半は号泣。

現実社会における真のヒーローとは、武器も持たず、特殊な能力を持たず、真実と正義のために命をかけられる人のことを言うのだと思い知らされた映画だった。

また、主人公のマンソプが最後の最後まで「ただのタクシー運転手」を貫き通したのも良かった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「タクシー運転手 約束は海を越えて」予告編 動画

(原題:택시 운전사/英題:A Taxi Driver)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月8日 試写会で観た感想を掲載。

・2019年6月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


ネット配信で観る:「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」(字幕版)

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参考:増補 光州事件で読む現代韓国

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キャスト&スタッフ


出演者

ソン・ガンホ
…(「密偵」、「王の運命(さだめ)歴史を変えた八日間」、「観相師-かんそうし-」など)

トーマス・クレッチマン
…(「ヒトラー~最後の12日間~」、「ワルキューレ」など)

ユ・ヘジン
…(「1987、ある闘いの真実」、「コンフィデンシャル/共助」、「LUCK-KEY/ラッキー」、「国選弁護人 ユン・ジンウォン」、「あいつだ」、「極秘捜査」など)

リュ・ジュンヨル
…(「沈黙、愛」、「ザ・キング」、「奴隷の島、消えた人々」など)


監督

〇チャン・フン


2017年製作 韓国映画



映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」




あらすじ


1980年5月、韓国では独裁政権が続き、戒厳令が行使されていた。

そのため、自由化を求めるデモが各地で起き、光州では軍部による制圧で無実の市民が殺されるという事態が発生していた。

その話を東京で聞いたドイツ人ジャーナリストのピーター(トーマス・クレッチマン)は、取材のためにソウルから光州までタクシーで向かおうとしていた。

運転手のマンソプはお金のためにピーターの運転手を買って出て、「外出禁止時間までに帰ってくる」という約束で、往復10万ウォンで請け負う。

それは、マンソプにとって「楽勝の仕事」のはずだった…。



映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」ソン・ガンホ



感想(ネタバレあり)


ドイツ人ジャーナリスト ピーターとお金が欲しいタクシー運転手 マンソプ


前半はほのぼのした雰囲気で、相変わらずすっとぼけたソン・ガンホ 演じるマンソプを笑いながら観ていた。

ところが、中盤にピーターを乗せたタクシーが光州に差し掛かると、一気に空気が緊迫し、後半に光州の中心地へ入ると、恐怖と感動の両方で号泣し、涙が止まらない作品だった



この映画がすごいなと思うのは、実話を元にして描かれているということ。

もちろん、多少の脚色はあるだろうが、それでも、この時、これほど勇気を持って正義のために戦っていた人たちがいたのかという事実に胸が熱くなる作品である。



1980年 5月、韓国では独裁政権による戒厳令が行使されていた。

韓国各地で自由を求める市民たちによるデモが行われ、軍が制圧に向かうが、光州では軍と市民の衝突で無実の市民が多数殺されていた。



ドイツ人ジャーナリストのピーターはその話を東京でジャーナリスト仲間から聞かされ、取材のために現地へ向かう。

そこで、運転手を買って出たのがマンソプだった。

その時、マンソプは光州でそんなことが起きていることなど知らず、生活が大変で、それが「楽にお金を稼げる仕事」だと思い、手を挙げたのだ。



それまでマンソプは「デモ行進など暇な学生がするもの」ぐらいにしか思っておらず、ソウルでは光州で起きていることなど、一切報道されていなかったのだ。

だから、彼は10万ウォンでソウルと光州を往復する仕事を「楽勝な仕事」だと思っていた。



映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」リュ・ジュンヨル、トーマス・クレッチマン



「暴徒化した市民」の心温まる歓迎


マンソプとピーターがその現実を知ったのは、通行止めを避けるために裏道を通り、山道を抜け、軍に遭遇すれば「外人のお客さんが光州に重要な書類を忘れちゃって」と適当な嘘をついて通行止めをすり抜け、ようやく光州の中心地に着いてからだった。



マンソプとピーターが光州に着いたとき、その様子は明らかにおかしかった

町には頭から血を流している人たちがいて、病院はけが人であふれ、軍人が市民をこん棒で殴っている姿を目撃する。



それを観たピーターはカメラを回し、マンソプはようやく状況を理解する。



その時、新聞やテレビでは「光州では市民が暴徒化し、軍人が殺される事件が発生」と報道されていた。

しかし、彼らが出会った光州の市民たちは、マンソプの車が壊れれば、自分たちのタクシーの部品を差し出し、ガソリンスタンドに行けば、買った分以上にサービスしてくれ、デモの取材に行けばおにぎりを分けてくれ、生活が貧しいにも関わらず、泊まっていきなさいといって、料理をごちそうしてくれる。

それは、日本の田舎町でも見られるような、都会から来た人たちにとても優しくて温かい歓迎をする市民の姿だった。



一体、どこに国が報道する「暴徒化した市民」がいるのか

とても心優しい彼らは、自分たちの自由を求めるために、デモ行進を行っていただけなのだ。



しかし、この映画は、「光州事件」について詳しく描かれているわけではなく、「その裏で起きていた真相」が描かれている作品である。

だから、もしも光州事件について知識がなければ、イ・ジュンギ主演の映画「光州 5・18」で予習しておくことをお勧めする。

光州5・18 スタンダード・エディション [DVD]

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映画「光州5・18」は、デモに参加した青年たちの運命を正面から描いたものであり、この映画「タクシー運転手」は、その裏で青年たちを必死になって助けようとした人たちと、それを命がけで報道した人たちの物語である。

韓国の人たちにとって、『光州事件』とはどんな事件だったか誰もが知っている話なので、その表側の事実をこの映画ではあまり詳しく描かない。

しかし、日本人の中には知らない人もいると思うので、ある程度の知識は持っておいた方が、よりこの映画を理解できると思う。



映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」リュ・ジュンヨル、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、ソン・ガンホ



ソウルから来たよそ者が市民とふれあい正義に目覚めていく


私が、この映画の中で最も感動し、号泣し、心に残ったのはユ・ヘジン演じる光州のタクシー運転手 テスルたちが、「軍に撃たれている市民たちを助けよう!」と言って、タクシーで向かっていった場面だった。



それまでマンソプは「ソウルから来たよそ者」だった。

離れた場所から軍人が市民を痛めつけている場面を眺め、「娘のために早く帰りたい。早くお金が欲しい」と思っていた。



しかし、ピーターと共に近くで凄惨な現場を目にし、光州の人たちから優しくされていくうちに、正義に目覚めていく

だから、その時マンソプはテスルの呼びかけに「俺も行く!」と言い出すのだ。



韓国軍が、無実の市民に銃口を向け一斉に銃撃しているところへ、彼らは「助けに行く」と言っているのだ。

この場面は思い出すだけで涙が出てくる。



そうして、彼らはその場にタクシーを乗り付け、タクシーを銃撃から市民を守る盾にして、まだ息のある市民を助けたのだ。

こういう出来事が本当にあったのかどうかはわからないけれど、この場面が示しているのは、光州の市民がそれぐらい命をかけて、撃たれている人たちを助けようとしていたということであり、その思いを凝縮して、あのタクシー運転手たちに投影させている



デモに参加した学生だけでなく、周りにいた光州の市民たちも政府軍から命がけで人を助けようと思い、なんとかピーターを空港に送り届けたいと思っていた

その思いが、テスルというキャラクターに凝縮されていたのだと思った。



映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」ユ・ヘジン、ソン・ガンホ



丸腰の心優しきヒーローたち


そんな光州の市民たちと、それを命がけで報道しようとしたピーターと、彼の運転手であるマンソプは市民を守ったヒーローだった。

彼らを見ていると、現実社会におけるヒーローとは、武器も持たず、特殊な能力も持たず、正義と真実のために命をかけることができる人のことを言うのだと思った。



そして、彼らは命がけで人々を助けながら、それが立派なことをしているという自覚はなく、当たり前のことをしたと思っている

そこがまた感動的だった。



マンソプもまた、最初から最後まで「ただのタクシー運転手」であることを貫き、ピーターは彼にとって「大事なお客様」であり、最後まで送り届けることだけを考えていた。

一度はピーターを置いて待っている娘のために帰ろうとしたけれど、それを思いとどまったのは、「タクシー運転手」としての任務を全うしようと思ったからだ。

もしもあの時、マンソプがそのまま光州に戻らなかったら、ピーターの動画は日の目を見ることはなかったかもしれない。



マンソプもまた、光州の市民を救ったヒーローのうちの一人である。



マンソプは、はじめは「金のために」引き受けた仕事だったにも関わらず、次第に正義に目覚めていく。

そのキャラクターはソン・ガンホが最も得意とする役どころであり、あまりにも自然に小市民っぷりを演じているものだから、その頼りなさに観ている側が手に汗握る作品になっている

やはり、彼は現在、韓国で最高の俳優だった。



つくづく、最近の韓国映画のクオリティは高いなと思いながら観た作品だった。



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スティーヴ・クーガン主演の映画「僕たちのラストステージ」を映画館で観た。

1930年代に実在したお笑いコンビ「ローレル&ハーディ」の晩年を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

体調が悪くても、ケンカをしても、ステージに上がるとキラキラ輝く彼ら。

その関係はあうんの呼吸で分かり合える夫婦のようで、誰も代わりはできない絆の強さに感動!

人を笑わせて幸せにするって素晴らしいことだと思った。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『僕たちのラストステージ』予告編 動画

(原題: Stan & Ollie)



更新履歴・公開、販売情報

・2019年4月20日 映画館にて鑑賞。

・2019年5月28日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。より詳しい劇場情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『僕たちのラストステージ』公式サイト

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キャスト&スタッフ


出演者

〇スティーヴ・クーガン

…(「キングコング:髑髏島の巨神」、「SING/シング」(声の出演)など)


〇シャーリー・ヘンダーソン

〇ルーファス・ジョーンズ

〇ダニー・ヒューストン


監督

〇ジョン・S・ベアード


2018年製作 イギリス・カナダ・アメリカ合作映画



映画「僕たちのラストステージ」



あらすじ

1930年代のハリウッドで絶大な人気を誇ったお笑いコンビ「ローレル&ハーディ」

しかし、1950年代になると、客席もまばらになってしまう。

それでも彼らは、ステージに立ち続けると、再び、客席が埋まるようになってきたのだが…。



映画「僕たちのラストステージ」




感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


僕たちのラストステージ (2018)


★★★★ [80点]「いい時も悪い時もステージの上で」


最後にホロッとする感動作だった!



落ち目になってしまった晩年のお笑いコンビが、ステージを重ねていくことで、人気を盛り返していく。



ステージを降りてからも、日常会話の中からネタを見つけたり、ネタ合わせをして、場を盛り上げ、お客さんを増やしていく。

その「笑い」にかける思いは、ベテランになっても、新人の頃と変わらない。

彼らの間には、お互いに見つめ合えばわかる「あうんの呼吸」のようなものがあって、そんな二人の関係は長く連れ添った夫婦のようだった。



そんな彼らは「言いたいことを言い合える関係」だからこそ、時にはケンカもするし、他の人に乗り換えようかなと思うことだってある。

けれど、やっぱり、代わりになる人はいないから、元サヤへと戻っていくのだ。



そんな二人の「いろいろあっても、やっぱり相方が一番!」という間柄を見ていて、いいなぁと思った。

友人にしろ、恋人にしろ、そこまで心を許しあえる相手には、なかなか出会えないからだ。



そんな風に、裏側では、いろいろあるし、晩年になれば、体調を崩して、とてもステージになど上がれなくなってしまうこともあるけれど、それでも、そんな自分を押し殺して、ステージに上がった彼らはキラキラと輝いていた。

そんな彼らの「これぞ天職!」という姿に感動してしまった。



彼らは、お客さんを笑わせてこそ、生きられるし、お客さんの笑顔が彼らの栄養剤なのだ。

私の隣の席には、外国の人が座っていて、彼らのギャグにずっと笑っていた

そこまで、彼らのギャグを理解できなかったのが残念だけど、彼らの思いには、心が温かくなった作品だった。


Posted by pharmacy_toe on 2019/05/28 with ぴあ映画生活




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イ・ビョンホン主演の韓国映画「天命の城」を映画館で観た。

1636年。清に攻め入られた朝鮮王朝が47日間、南漢山城に立てこもったという「丙子の役」を元に映画化したアクション時代劇。


満足度 評価】:★★★★☆

国が危機的状況にある時、国民を率いるリーダーのあるべき姿とは。

民が飢え、凍えていることも知らず、自分は敵から攻め入られることに怯え、山の上の要塞に閉じこもる王を持った民の不幸。

坂本龍一の美しい音楽が民の悲しみを引き立てる。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「天命の城」予告編 動画

(原題:남한산성)




更新履歴・販売情報


・2018年6月27日 映画館にて鑑賞。

・2018年8月8日 感想を掲載。

・2019年5月17日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD、共に販売中。作品の詳細は下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者







監督

ファン・ドンヒョク
…(「怪しい彼女」など)



映画「天命の城」



あらすじ


1636年の冬。清に攻め入られ、降伏を求められた朝鮮王朝は山の上にある城 南漢山城に立てこもる。

朝鮮王朝としては、既に同盟関係にあった明に義理立てをし、清と和睦することを避けていたのだが、あまりの寒さに国民は飢えと寒さに苦しめられ、このままでは清に征服されてしまう。

そこで王(パク・ヘイル)は、2人の忠臣チェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)と、キム・サンホン(キム・ユンソク)に意見を求めるが、ミョンギルは清との平和的解決を提案し、サンホンは最後まで戦い抜くことを提案し、2人の意見は真っ二つに分かれ、王は「どうすべきか…」と悩み、時間がだけが過ぎていってしまう…。



映画「天命の城」イ・ビョンホン



感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものを紹介します。


天命の城 (2017)


★★★★ [80点]「危機的状況で王が守るべきものとは」


面白かった!

役者の演技にグイグイと引き込まれて見入ってしまった。



1636年。朝鮮王朝は、清に攻め入られたため、47日間、南漢山城に立てこもったという「丙子の役」を元に映画化。

李王朝の王様を
パク・ヘイルが、彼に進言する部下をイ・ビョンホンと、キム・ユンソクが演じている。

ここで描かれるのは、国が危機的状況にある時、君主はどのように振る舞うべきかという「リーダーのあり方」について



真冬の凍えるような寒さの中、兵糧攻めにあった王と家臣たちは、何か行動を起こさないと全滅してしまうという状況に追い込まれてしまう。

そこで、王は2人の信頼する部下に「どう行動すればいいか」を訪ねる。



すると、イ・ビョンホンは「多少の犠牲を払っても、民の命を守るべき」と答え、キム・ユンソクは「清の要求に応えるのは、屈服すること。絶対にしてはなりません」という。

そもそも王は、息子と自分が助かることを優先し民のことを後回しにしたため、自分の進むべき道が見えず、家臣にその方向を決めさせることになる。



この話は、現代にも通じる話だと思った。

民の命よりも自分の命を心配するようなリーダーがいて、そのリーダーに支える政権が国民よりも国の名誉や威厳を尊重する国では、国民はただただ不幸になるだけである。

民が凍えているのも知らず、馬が飢えれば、それが真冬であるにもかかわらず「草を与えれば良い」と言ってしまい、自分は山頂の要塞に閉じこもっているだけの王には、そもそも王になる資格などないのだ。



むしろ、敵が攻め入ってきたら自ら盾になって国民の命を守ってこそ、国王のあるべき姿のはずなのに…。



音楽は坂本龍一。

レヴェナント:蘇りし者」を思い起こさせる心に寄り添う音楽が印象的だった。

これは、音楽に泣かされる映画だと思った。


Posted by pharmacy_toe on 2018/06/29 with ぴあ映画生活






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ジェシカ・チャステイン主演の映画「モリーズ・ゲーム」を試写会で観た。

かつてスキーのモーグル全米代表だったモリー・ブルームが、ポーカールームのオーナーとなって成功し、そこから転落していくまでを描く。


満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

面白かった!

「女性」であることを売りにせず、言い訳にせず、権力に決して屈しない生き方。

彼女の生き様は、これからの女性たちの模範となるに違いない。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「モリーズ・ゲーム」予告編 動画

(原題:Molly's Game)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年4月10日 試写会にて鑑賞した感想を掲載。

・2019年5月12日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



映画「モリーズ・ゲーム」は、現在U-NEXT で配信中


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原作本「モリーズ・ゲーム」

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キャスト&スタッフ


出演者

ジェシカ・チャステイン
…(「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」、「女神の見えざる手」、「オデッセイ」、「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」、「インターステラー」、「MAMA」など)

イドリス・エルバ
…(「ズートピア」、「スター・トレック Beyond」、「ジャングル・ブック」(声の出演)など)

ケビン・コスナー
…(「ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~」、「クリミナル 2人の記憶を持つ男」、「ドリーム」、「ドリフト・デイ」、「ラスト・ミッション」など)

〇マイケル・セラ

監督・脚本

〇アーロン・ソーキン

2017年製作 アメリカ映画



映画「モリーズ・ゲーム」




あらすじ


2002年 冬季オリンピック予選。

モーグル女子代表を目指すモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は最終滑走で転倒、負傷してしまい、選手生命を絶たれてしまう。

ケガから回復したモリーはロースクールに入学するまでの1年間を過ごすために、ロスに滞在する。

そこで、知り合いに頼まれポーカールームの手伝いをしているうちに、スキルを学び、自身でセレブ専門のポーカールームを運営するまでになる。

彼女のポーカールームは大成功をおさめ、実業家やハリウッドスターなどが集まるようになるのだが…。



映画「モリーズ・ゲーム」ジェシカ・チャステイン



感想(ネタバレあり)


アスリート時代に鍛えられた精神力


面白かった!

かつては全米代表のアスリートだったが、ケガで引退するとポーカールームのオーナーになり、26歳にして成功をおさめるが、その後、転落してしまうモリー・ブルームの実話。



この映画では、モリーを「3つの時代」にわけて描かれる

「選手時代」「ポーカールームのオーナー時代」「転落後の時代」



この3つの時代の時系列が入れ替わりながら彼女の人生を振り返り、そうしてようやく「モリー・ブルームという人」の全体像が見えてくる。

つまり、彼女の人生は、ポーカールームを経営していた時代だけでは語り切れず、選手時代の彼女も、逮捕された後の彼女も含めてその人となりが見えてくるのであり、特に、この映画では違法賭博で逮捕された後の彼女に重点を置いていたのが面白かった



少女時代のモリー・ブルームは、厳格な父親(ケビン・コスナー)の指導の元、全米代表のスキー・モーグルの選手として活動していた。

しかし、2002年の冬季オリンピック予選で転倒し、選手生命を絶たれてしまう。



というのも、彼女は12歳の時に背骨の「脊柱側弯症」を患い、大手術を行った結果、背骨を針金で固定していた。

その時、医者からは「もう、スキーやモーグルはしないように」と言われていたのに、「絶対に負けられない」彼女は、その1年後には再びスキーを始めていた。

そして、その予選の日、試合中に転倒した彼女は、その固定していた背骨から落ちてしまう。



結局、彼女は全米3位の実力を持ちながら、オリンピックに出られないまま選手生命を絶たれることになった。

しかし、この不遇の時代こそが、彼女の「不屈の精神」や「勝負強さ」を鍛えたのだと思った。



映画「モリーズ・ゲーム」ケビン・コスナー、ジェシカ・チャステイン


「勝負の勘」が彼女を成功に導く


スキー選手を引退したモリーは、ロースクールに入るまでの1年間をロスで過ごすことに決める。

生活していくためにバーで働いていた彼女は、常連客が運営していたポーカーの手伝いをしているうちに、「ポーカーを運営するスキル」を身に着ける。



彼女はトップクラスのアスリートだったけれど、「厳格な父」は心理学の教授であり、「文武両道」をモットーとしていたため、頭の回転も非常に速い女性だった。



そうして、自分で「セレブ専門のポーカールーム」を経営し始める。

なんと、彼女が手伝いをしていたポーカールームの客を全て奪ってしまうというやり方で。

そして、彼女が開いたポーカールームが大成功を収め、ハリウッドスターや、実業家、ラッパーなどの一流セレブが通うようになる。



では、なぜモリーには「ポーカー」が合っていたのか

それは、アスリート時代に築いた「勝負の勘」が、彼女を導いたのではと思った。

トップクラスのアスリートにもなると、勝負を分けるのは「メンタル面」の強さが大きい。



ポーカーというギャンブルは、「ポーカーフェイス」と言われるぐらい精神面の強さが必要だ。

その中で、彼女は「勝負強い客」と「勝負弱い客」を見分ける嗅覚に優れていたのではないか。

この映画の中でも、「勝負弱い客」に対し、「もうやめた方が良い」と声をかける場面がある。



勝負に負けすぎて金の払えなくなった客を抱えていては、彼女のサロンがつぶれてしまう。

その「客を見極める目」が優れていたからこそ、繁盛したのだろうと思った。



映画「モリーズ・ゲーム」ジェシカ・チャステイン


FBIからの悪魔のささやき


しかし、栄光はいつまで続かない。

LAの客にはめられ、サロンをつぶされた後、NYに拠点を移したモリーだったが、ロシアンマフィアが通うようになったことで、FBIから目を付けられ「違法賭博を運営ていた」として逮捕されてしまう



その時、FBIが本当に逮捕したかったのは、モリーではなくロシアンマフィアの方だった

そこで、FBIは「無罪放免にして、お金も返す」見返りにロシアンマフィアたちの情報を提供しろと司法取引を持ち掛ける。



この時、弁護士(イドリス・エルバ)の娘が読んでいた本がアーサー・ミラーの戯曲「るつぼ」なのだが、これは無実の人が「悪魔」だと言われた結果、逮捕され、処刑されてしまう物語である。

当時の赤狩りを批判した戯曲であり、その本は、この時にモリーが置かれていた状況を表している

つまり、FBIはNYで派手に儲かっている20代の女性を「見せしめ」のために逮捕し、「ロシアンマフィアに協力していた」というイメージを植え付けようとしていたのだ。

そこから逃れたいなら「黙って情報を提供しろ」と、権力でモリーを押さえつけようとしていた

アーサー・ミラー〈2〉るつぼ (ハヤカワ演劇文庫 15)

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しかし、モリーは一切権力に屈しなかった

そこが、彼女の素晴らしいところで、最も感動的なところだった。



たとえ、相手がロシアンマフィアだったとしても、モリーが持っている情報をFBIに渡せば顧客の家族を崩壊させることになってしまうかもしれない。

そう思ったら、情報を渡すことができない。



彼女は弁護士の説得にも関わらず、最後まで司法取引を拒否し、裁判で有罪判決が出ることを選択する



映画「モリーズ・ゲーム」ジェシカ・チャステイン、イドリス・エルバ


相手が誰であれ、彼女の人生(ゲーム)に「負け」という選択肢はない


20代にして「ポーカーサロン」を成功させたと言われたら、これまでだったら「どうやって女の武器を使ってうまいこと成功したのか」が描かれていたに違いない。

しかし、彼女は一切そういうことはしない。



顧客の誰ともベッドを共にすることなく、ほぼクリーンな状態で運営していた

ただし、NYに拠点を移した後は、薬におぼれるようになったこともあり、違法な賭博をやったことも数回あっただけで、それをメインにしていたわけではない。



そんな彼女の生き様を観て素晴らしいなと思ったのは、「決して権力に屈しない姿勢」だった。

サロンがうまくいかなくなった時、顧客の情報をタブロイド紙に売れば大金を得ることだってできた。

FBIに情報を流せば、罪をなくすことだってできた。



しかし、彼女にとって顧客は顧客であり、迫りくる権力におもねるようなことは一切しなかった



絶対に女性であることを言い訳にせず、顧客がどれだけの権力者だろうと、ベッドを共にすることもなく、対等な立場に立ち、むしろ、相手を支配しようとする

私は、そんな彼女を見ながら「女性にもこういう生き方ができるのか」と思った。



そこには、選手時代に培われた「勝負強さ」があったように思う。

スキーの勝負では「Ready Go!」でレースが始まれば、自分よりも強い相手に向かって行き、その相手に勝たなければ次に進めない。

彼女にとって「顧客の情報を渡す」ことは「負け」を意味し、彼女の人生の選択肢の中に「負け」はないのだ。



正直、映画を観るまでは「どれだけ女の武器を使うのか」が描かれるのかと思っていた。

「そんな映画だったら嫌だな」ぐらいに思っていた。

今、その時の私は「ごめんなさい」と言っている。

モリーは、そんな女性ではなかった。



「女」であることを言い訳にせず、売りにしない

これからの女性たちが、模範とすべき女性だった。

むしろ、そんな彼女を利用しようとしたFBIこそ、恥を知れと言いたい



そして、選手時代も転落後に復帰してきたモリーは、今後もまた新たな顔で帰ってくる気がする。

次は、どんな成功を収めるのか、彼女の今後が気になって仕方がない。


映画「モリーズ・ゲーム」は、現在U-NEXT で配信中




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