とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:家族



フランス映画「ジュリアン」を試写会で観た。

別れた夫かのDVに悩まされる妻と幼い息子・ジュリアンの姿を通して、彼らを守るべき司法の在り方を描いた作品。


満足度 評価】:★★★★☆

元夫のDVに怯える母と息子。

どんなに母が元夫のDVを訴え、息子が父を拒否しても司法は彼らを守ってくれない。

その結果、事態は最悪の展開へ。

その恐ろしさに号泣だった。

司法は市民を守るためにあるべきだと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ジュリアン』予告編 動画

(原題:Jusqu'à la garde)


 

更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月23日 試写会にて鑑賞。

・2019年2月21日 感想を掲載。

・2019年9月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD販売中。詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者

〇レア・ドリュッケール

〇ドゥニ・メノーシェ

〇トーマス・ジオリア

〇マティルド・オネヴ


監督

〇グザヴィエ・ルグラン


2017年製作 フランス映画



映画「ジュリアン」



あらすじ

両親が離婚したため、息子ジュリアン(トーマス・ジオリア)の親権を争うことに。

妻ミリアム(レア・ドリュッケール)は夫アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)のDVを訴え、ジュリアンは父に会いたくないと訴えるが、司法はアントワーヌにジュリアンと面会する許可を与えてしまう。

それ以来、週末ごとに父と会うことになったジュリアンだが、父はミリアムの引っ越し先を知りたがり、そんな父に対してジュリアンは嘘をつき続けるのだが…。



映画「ジュリアン」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ジュリアン (2017)


★★★★ [80点]「母子を守るのは一体何なのか」

予想外に、ラストは恐ろしさからの号泣の作品だった。



これはある家庭におけるDVを描いた作品。

そんな映画を観ながら思い出したことがある。

それは大学時代の友人の話だ。



大学を卒業してから数年後、大学時代の同級生A君が結婚したという話を聞いた。

その時、私は普通に「そうかA君は結婚したのか」と思った。

A君は、結婚して良い家庭を築きそうな人だと思っていたからだ。



しかし、それから数年後、友人からA君が離婚したと知らされた。

あまりの早さにビックリしたので事情を聞くと「妊娠してる奥さんに暴力を振るったらしいよ」と、これまた驚きの事実を聞かされた。

その瞬間、さーっと体中の血の気が引いたのを覚えている。



A君は、大学時代に一緒によく遊びに行った友人で、日頃から人に暴力を振るうような人ではなかった。

しかし、結婚して家庭に入った途端、私たちの知らない「内弁慶の顔」が出たようだった。



それ以来、DVというのは、周りの人には分からないところで密かに行われているもので、だからこそ、他人にはなかなか理解してもらえず、恐ろしいものなのだと思うようになった。



この映画は、そんなDVの難しさをジュリアンという息子の視点で描いている作品だった。



ジュリアンの両親は離婚しているのだが、父は裁判所でジュリアンとの面会日を要求する。

どんなに母が夫のDVを訴え、息子が父に会いたくないと言っても、司法は父に最低限の権利を与えてしまう

市民を守るべき法律が、全く機能していないのだ。



そこから事態は恐れていた方向へと向かっていく。

司法が守ってくれないなら、誰が熊みたいな暴力男から か弱い母と息子を守るのか



現実世界では、ラブコメでよくあるようなムキムキのヒーローが突然現れて助けてくれるわけではなく、都合よく夫に事故が起きて痛い目にあうわけでもない。

その実態は、深夜に押しかけてくる夫の恐ろしさに怯え、ベッドで泣きながら震えている母子が大勢いるということなのだ。



一体、何のために司法はあるのか

そんなことを考えさせられた作品だった。

いやはや、本当に恐ろしかった



結婚生活に人には言えない悩みを抱えている人に、是非、観て欲しい作品


Posted by pharmacy_toe on 2019/02/03 with ぴあ映画生活




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柳楽優弥主演、是枝裕和監督の映画「誰も知らない」をWOWOWで観た。

母親が育児放棄し、月々お金だけを与えられた4人の子供たち。彼らの日常を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

すごく心が痛む映画だったけど、それ以上に子供たちがとても朗らかで楽しそうだったおかげで痛みが少し緩和されていた。

大人たちの無関心の恐ろしさ。子供たちの幸せ。いろいろなことを考えさせられた映画だった。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「誰も知らない」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2016年8月15日 WOWOWにて鑑賞。

・2019年5月10日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

…(「響ーHIBIKIー」など)


YOU
…(「歩いても 歩いても」など)

〇平泉成



監督



2004年製作 日本映画




あらすじ


2DKのアパートに引っ越してきた母(YOU)と息子、明(柳楽優弥)の親子。

大家へ挨拶に行った際には、「小学校6年生の息子です。父親は単身赴任をしておりまして…」と言っていた。

しかし、彼らの引っ越しの荷物の中にあるキャリーバッグの中には、次男の茂と次女のゆきが入っていて、さらに、長女の京子は最寄り駅で待ち合わせをしていた。

そして、明以外の子供たちには「絶対に外に出ないこと」というルールを作り、学校へも通わせず、母は帰りが毎晩遅くなる生活を送っていた…。

引っ越してから数日後、母は「最近、好きな人ができたの…」と明に言い、「その人が結婚してくれたら、みんなで暮らそうね」と言い、それ以後、家に帰らなくなる…。

1ヶ月後、現金が入った書き留め郵便が送られてくるようになり…。



映画「誰も知らない」




感想(ネタバレあり)


「好きな人ができた」と言って家を出て行った母


育児放棄された4人の子供たちについて、東京で起きた実話をモチーフに描かれている。



彼らはそれぞれ父親が違うが、生まれた時からずっと一緒に過ごしてきた。

母は、「好きな人ができた」と言って家から出て行き、帰ってこなくなってしまう。

完全なネグレクト(育児放棄)だ。



家賃や水道代、ガス代など、初めのうちは母親が現金書留で送ってきたが、それも後々滞るようになる。

子供たちは、毎日「どん兵衛」を美味しそうに食べ、トイレに行きたくなったら公園へ行き、水は公園の水飲み場で補充する。

もちろん、学校へなんか最初から行っていない。



長男の明くんも、長女の京子ちゃんも、しっかりとした子供たちだったから、学校へ通えばさぞかしいい成績に子になれただろうにと思ってしまう。



映画「誰も知らない」柳楽優弥



兄弟たちと過ごす世界が全ての子供たちに心が痛む


心が痛むのは、世界のことなど何も知らない彼らが、兄弟たちといるだけで、とても楽しそうだし、幸せそうなことだ。

しかし、それを見た大人たちは、勝手に「あぁ可愛そうに」と思う。



でも、彼らにとって、兄弟といることが世界の全てであり、兄弟と引き離されることが、もっとも悲しい出来事なのだ。



だから

「大人に見つかる = 警察に通報される = 兄弟たちと引き離される」

ことだけは、絶対にしたくないと思っていた。



でも、それでも私は、兄弟たちが引き離されて暮らすことになっても知って欲しいと思ったことがある。

毎日温かいご飯を食べて、温かいお風呂に入って、学校で友達と遊ぶ楽しさ、そして、世界はもっと広くて、美しいということを。



兄弟たちとは会いたい時にいつでも会える。

だから、彼らの幸せを見つけて欲しいと思った。



映画「誰も知らない」柳楽優弥



果たして、ネグレクト(育児放棄)に気付くことができるのか


子供たちの生活もすごく気になったけど、大人たちの無関心もすごく怖いと思った。



この映画を見終わった時に、私は考えた。

「もしも、公園でバッタリこの子たちに出会ったら、ネグレクトを受けている子供だと気が付くだろうか」と。



というのも、私には子供がいない。

だから、日頃から、近所で遊んでいる子供たちを注意して見るということがなく、普通の小学生の遊び方などのおかしさにただでさえ気付きにくい。



そのため、ネグレクトを受けている子供たちにバッタリ出会っても、気付く自信がない。

子供が公園で頭を洗っていても、「随分変わった子だな」と思ってしまうだけかもしれない。



映画「誰も知らない」YOU



「おせっかいな」おばさんがここに必要だった


昔は、「おせっかいな」おじさん、おばさんたちがいて、夜、外で遊んでいると、「早く帰りなさい」とか注意されたもんだった。

今では「おせっかい」だと思われなくないし、仕返しに何をされるか分からないから、日頃から子供を注意したり、監視したりすることがない。



でも、もしもこの映画に「おせっかい」な世話焼きおばさんが登場したら、確実に次女ゆきちゃんの命は助かっていた。

明くんは中学校へ通い、大好きな野球ができたに違いないし、京子ちゃんはピアノを習うことができたかもしれない。



1人でも、近所の人が福祉相談課を呼んでいたら、彼らの人生が大きく変わっていたかもしれないなんて…。

この映画に登場する子供たちに悪いところは一つもない。



悪いのは、周りにいる大人たちの無関心だ。

子供たちをアパートに置き去りにするなんて、どう考えても想像もつかないけど、これが現実なんだ。



映画「誰も知らない」柳楽優弥、韓英恵



子供の可能性を広げてあげることが大人たちの役目


すごく、心が痛い思いをしたけど、この映画を観て良かった。



たまに、テレビでネグレクトのニュースが流れてくるのを見てはいたけど、現実がどんなものか分かっていなかった。

現実は想像以上に過酷だった。



「学校なんて、何で行きたいの。学校へ行ってなくたって、立派な人はたくさんいるじゃない」とお母さんは言っていた。



そうじゃない。

学校へ行って勉強することも大切だけど、友達と一緒に遊んだり、運動をしたり、部活動をすることがとても大切なことなんだ。

それが、子供のうちにしかできないことだから。



子供の人生を決めるのは親ではない。

人生は子供自身のものなのだ。







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阿部寛主演の映画「歩いても 歩いても」をWOWOWで観た。

長男の15回目の命日に、久しぶりに集まった家族を描く。

満足度 評価】:★★★★☆

この映画で描かれている家族の姿が、私の家族と重なるところがあり、観ていて心がほのぼのする映画だった。

どこの家族にも歴史がある。良い時も、悪い時も全部含めて家族なんだ。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「歩いても 歩いても」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2016年8月14日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年5月8日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇阿部寛

〇夏川結衣


〇原田芳雄

YOU

〇高橋和也


監督

是枝裕和
…(「万引き家族」、「三度目の殺人」、「海街diary」、「誰も知らない」など)


2007年製作 日本映画




あらすじ


横山良多(阿部寛)は、兄の15回目の命日のため結婚したばかりの妻ゆかり(夏川結衣)と息子のあつしを連れて実家へ帰省する。

父(原田芳雄)は町医者、母(樹木希林)は専業主婦で、実家の医者を長男が継ぐ予定であったが、それも叶わぬ夢となってしまっていた。

実家では、良多とゆかりよりも一足先に姉のちなみ(YOU)とその夫の信夫(高橋和也)が一足先に実家に着いており、2人の子供たちがワイワイとし、にぎやかになっていた。

実は、良多の妻ゆかりは再婚で、あつしは死に別れた元夫との息子だった。

そのことを、あまりよく思っていない家族の元へ帰ることに良多は気まずさを感じていた…。


映画「歩いても 歩いても」



感想(ネタバレあり)


どんな家族もこんなものかな


あぁ、やっぱり家族って、こんなものだよねぇ

と思いつつ、ほのぼのした気持ちで観ていた。

家族の間で起きた問題は、その家族じゃないと分からないし、でも、だからこそ、他人とは違う家族なんだなぁと思う。

庭で元気に育つ百日紅が観てきたその家族の歴史。

嬉しい時も、悲しい時も、集まらなきゃいけないから家族なんだなぁ。


映画「歩いても 歩いても」原田芳雄、樹木希林、阿部寛、夏川結衣

めんどくさいと思っても、うるさいと思っても、家族の気持ちは家族にしか分からない


この映画で描かれるのは、長男の15回目の命日。

町医者だった父の稼業を継ぐはずだった兄。

その兄と常に比べられながら育った次男良多は、家族と会う時はいつも、めんどくささを感じていた。

さらに、結婚した妻ゆかりは子連れの再婚。

そのことも家族はよく思っておらず、だからこそ、実家に帰ることを億劫に感じていた。

でも、父や母の小言がめんどくさい、うるさいと思っても家族なんだよね。

一緒にいる時間が大切な家族なんだよね。


映画「歩いても 歩いても」原田芳雄、樹木希林


父と母にしか分からない「歩いても 歩いても」


だから、もちろん家族の中にも楽しい思いでもあれば、悲しい思い出もある。

長男が事故で亡くなったことも悲しい思い出なら、父と母しか知らない悲しい思い出もある。

ちょうど、いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」が流行った頃。

父は外に女を作り、よく外泊をしていた。

その女の家まで押しかけて帰ってしまった母。

この映画のタイトルである「歩いても 歩いても」は、その歌の歌詞から来ている。

それは、母が父のために一人ひっそりと胸の奥にしまいこんでいる家族の悲しい歴史だ。

家で威張り散らしても、ご近所さんには「大先生」と呼ばれようとも、母にとってはただの浮気夫だった。

思い出の歌はあるかと言われ、その浮気女の家でかかっていた曲「ブルーライトヨコハマ」をかけた母。

それが、せめてもの復讐だったのかもしれない。


2人の歴史を思うと、グッときちゃう「ブルーライトヨコハマ」





父の別の顔


映画の後半、父の機嫌を取ろうと野球の話を持ちだした良多。

しかし、父は「最近は野球じゃなくて、サッカーだ」「横浜のスタジアムまで見に行ったことだってあるんだ」と言う。

そのことに、少し驚いた良多が「へぇ~誰と行ったの??」と聞いたら、「いや、別に」と言って濁した父。

私はこの時、もう1人息子がいるんだなと思った。

一緒にサッカーに行ったのは孫なのか。

その時の良多と父のやり取りを見ながら、私たちの知らないところで、両親には別の時間が流れているんだなぁと思った。

もちろん、全ての家庭で両親が浮気をしているというわけではなく、幼い頃や、生まれていない頃、大人になってから出会っていない間に、両親は別の顔になることだってあった。

でも、その事実を知らなくて良かったんだなと思う。

全てが「知らぬが仏」

本妻との間の息子、孫よりも、可愛がっていた隠し子がいたなんて事実。

知らずに平和に過ぎた方が良い。


映画「歩いても 歩いても」高橋和也、YOU、樹木希林


全ての家族にそれぞれの歴史とストーリーがある


そんな、悲しい思い出も含めて、全ての家族に、それぞれの歴史とストーリーがある。

会うのが面倒だと思う時があるかもしれない、話せば小言ばかりで面倒だと思うかもしれない。

でも、それが家族だし、家族にしか理解できないこともある。

それに忘れてはいけない思い出もある。

だから、毎年、面倒でも定期的に会って、同じ時間を過ごすことが、とても大切な時間になる。

我が家の両親には、どんな私の知らない歴史があるんだろう。

ちょっと怖いけど、聞いてみたい気もする…。

いつか、聞いてみようかな…。



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ギャスパー・ウリエル主演、グザヴィエ・ドラン監督映画「たかが世界の終わり」を映画館で観た。

余命わずかの劇作家が12年ぶりに帰郷し、家族に余命を打ち明けようとするが…。


満足度 評価】:★★★★☆

ラストがあまりにも寂しくて悲しく、エンドロールを見ながら自然と涙がこぼれてしまった作品だった。

共に暮らすことが幸せな家族もいれば、共にいることが苦痛な家族もある。

理解してもらおうと声をかけても、距離が縮まるよりもむしろ離れていくのが切ない。


「たかが世界の終わり」予告編 動画

(原題:JUSTE LA FIN DU MONDE /英題:IT'S ONLY THE END OF THE WORLD)




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キャスト&スタッフ


出演

ギャスパー・ウリエル
…(「エヴァ」、「ハンニバル・ライジング」など)

マリオン・コティヤール
…(「愛を綴る女」、「マリアンヌ」、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」、「サンドラの週末」、「コンテイジョン」、「インセプション」など)

ヴァンサン・カッセル
…(「ジェイソン・ボーン」、「チャイルド44」、「美女と野獣」、「リオ、アイラブユー」、「バースデイ・ガール」、「避暑地で魔が差して」など)

レア・セドゥ
…(「007 スペクター」、「美女と野獣」、「ロブスター」、「あるメイドの密かな欲望」、「若き人妻の秘密」など)

ナタリー・バイ
…(「復讐のセクレタリー」、「シリアルキラーNo.1」、「ママはレスリング・クイーン」、「私はロランス」など)

監督・脚本

グザヴィエ・ドラン
…(<監督・主演作>「Mommy/マミー」、「神のゆらぎ」、「トム・アット・ザ・ファーム」<出演作>「ある少年の告白」、「エレファント・ソング」など)

2016年製作 カナダ・フランス合作映画



たかが世界の終わり



あらすじ


34歳の劇作家・ルイ(ギャスパー・ウリエル)は、12年ぶりに里帰りする。

それは、もうすぐ自分が死ぬことを家族に告げるためだった。

久しぶりに帰った我が家では、兄のアントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)とその妻のカトリーヌ(マリオン・コティヤール)、妹のシュザンヌ(レア・セドゥ)と母(ナタリー・バイ)が待っていた。

笑顔とハグで迎えてくれた家族だったが、ルイは自分の病気のことを言い出せずにいた…。



たかが世界の終わり2



感想(ネタバレあり)


12年もの間、家族と音信不通だった劇作家の里帰り


12年ぶりに里帰りする時というのは、どういう気持ちなんだろうか…。

私は実家で両親と共に暮らしているので、余計にルイの心境が知りたくなった。



しかも、単なる里帰りではない。

自分がもうすぐ死ぬということを家族に告げるための里帰り

その思いは、どれだけ複雑なものだろうか



そして、なぜ12年間も音信不通でいたのか

12年前に何があったのかについては何も語られないので、彼がどんな思いでその12年間を過ごしたのか分からず、ルイの心境については、想像するしかなかった。



きっと緊張しているんじゃないかとか。

何せ12年ぶりだから、家族が温かく出迎えてくれるのを期待しているんじゃないかとか。

そんな想いもあり、ルイが家のドアを開けて中に入ってくるところは、ドキドキしながら観ていた。



ところが、12年ぶりだというのに、まるで、出て行ったのが昨日のことのような通常営業の家族の姿がそこにはあった

そこで、あぁ12年も離れていたとはいえ、やっぱり家族なんだなと思った。



たかが世界の終わり3



会話ができず、すぐにキレるイライラ家族


しかし、しばらくすると、この家族の問題点が見えてくる。

なんと、12年ぶりに息子が帰ってきたというのに、誰一人ルイの話を聞こうとしない

ルイの話どころか、家族の会話が会話になっていない



それぞれが一方的に話をし、互いを否定し合い、ののしり合う。

そんな不毛な時間ばかりが過ぎていく



監督のグザヴィエ・ドランは、あえて観客がイライラする演出をしている。

音楽を大音響で流し、母は金切り声を上げ、兄はすぐにキレ、妹は兄とケンカする。



そんな状況の中でも時折、わずかに、「ルイを理解しよう」という姿勢が見え隠れする。

兄のアントワーヌは一緒にタバコを買いに外に出たり、妹のシュザンヌは自分の部屋に招き入れたりする。

それでも、2人きりになったところで話が平行線なのは変わらず、兄と妹は2人揃って「ルイが理解できない」とぼやく。



極めつけは母親で、ルイのことを「誰よりも強く愛している」と言いながら、余命わずかなルイに向かって、「元気そうで良かった」と言ってしまう。

もちろん、彼女はルイが余命僅かだなんて知りもしないのだけれど、そもそも「ルイの近況も、本当の姿も」知ろうとしないのである。

母親なのに。



そんな彼女の口からでた「愛している」の言葉は、ルイにぶつかって滑り落ちていく。

そんな状態だから、ルイも話をするきっかけを失ってしまう。



そのルイにとって救世主のように存在するのが、アントワーヌの妻、カトリーヌだった

カトリーヌは、家族にとって「よそ者」だ。



だからこそ、冷静な立場でこの家族のことを見つめ、ルイに同情するのだ。

血のつながっていない家族が唯一の理解者だなんて、なんとも悲しい皮肉だ



たかが世界の終わり5



家族に何を期待して帰郷したのか


最も心に残っているシーンは、最後のデザートの時間だった。



その時、それまで無口だったルイが重い口を開いた。

そして、「これまでのことを反省し、実家にはもっと頻繁に帰って来るよ」と宣言する。



しかし、家族はそんなルイの提案を誰も喜ぼうとしない

兄や妹に「家へ遊びにおいで」と言ったり、「週末どこかへ出かけよう」と言っても、いろいろ言い訳を言って同意しようとしない。

これは、家族のルイへの拒絶反応だった。



さらに兄のアントワーヌは「そんな話は聞きたくなかった」とばかりに怒り出し、「ルイを空港まで送る」と言い出す。

そんなアントワーヌの振る舞いに怒った家族がケンカになる。

当事者のルイがアントワーヌに何も言ってないのに…。



家族はケンカを初め、ルイは一人ぼっち

拒絶の後に来るのは、家族の中での孤独



これが、この家族の日常であり、最初にハグをして歓待をしたのが異常だったんだと思った。

そして、その時に、「あぁ12年前も、ルイはこうして静かに家を出て行ったんだな」と思った。

「あの頃と何か変わっているかもしれない」と思って、少しは期待して帰ってきたのに、現実は一ミリも変わっていなかった



「たかが世界の終わり」

それは、ルイの世界が終わっても、この家族は一切変わることがないことを示している。



僕は家族に何を期待したんだろう

そのあきらめのような心境が、夕焼けの中、家を去っていくルイの背中に見えた。

その孤独感があまりにも悲しくて、思わず涙が溢れてしまった。



たかが世界の終わり4



家族へのあきらめを感じる27歳天才若手監督


監督は27歳のカナダ人、グザヴィエ・ドラン

これまで、「Mommy/マミー」や「トム・アット・ザ・ファーム」などで家族をテーマに描いてきた。



今回は、フランスのメジャーな俳優たちを使い、監督に徹したドラン。

Mommy/マミー」や「トム・アット・ザ・ファーム」などでの作品では、家族、特に母親との愛にこじれた青年が、「もっと愛してくれ、愛してくれなきゃ死んでやる!!」というような激しい心の叫びが聞こえていた印象だった。



しかし、今回の「たかが世界の終わり」では、

「そうですか。分かり合えないのなら、私の方から姿を消しますね」

という、母親や家族からの逃避を感じた



これは家族に対するあきらめなのか…。

それとも、27歳の成長なのか。



彼の気になる次回作は、英語作品であり、アメリカの人気俳優と11歳のファンの少年の間に交わされた往復書簡から発覚したスキャンダルが描かれるという。

となると、次回は家族というテーマからいったん離れるのか…。

いずれにせよ、次はどんな作品を送り出してくるのか、非常に気になる27歳天才映画監督なのだ。





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インド映画「ダンガル きっと、つよくなる」を映画館で観た。

インドで、2人の娘をレスリングの代表選手に育てたお父さんの実話を元にしたスポ根ムービー。


満足度 評価】:★★★★☆

感動して号泣した作品だった。

お父さんの娘たちへの思いにも感動したけど、まだ女性の地位が低いインドで女性たちの地位向上を目指して戦うギータの姿とても感動した。

日本のレスリング協会のパワハラ騒動を思い起こさせる場面もあって、面白かった。


「ダンガル きっと、つよくなる」予告編 動画

(原題:Dangal दंगल)




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キャスト&スタッフ


出演者

アーミル・カーン
…(「PK ピーケイ」など)

〇ファーティマー・サナー・シャイク

〇サニャー・マルホートラ

監督・脚本

〇 ニテーシュ・ティワーリー


2016年製作 インド映画



ダンガルきっと、つよくなる



あらすじ


レスリング選手のマハヴィル(アーミル・カーン)は、オリンピックを目指していたが家が貧しかったため、断念することに。

そのため、息子を選手にすること夢見るようになるが、彼には娘しかいなかった。

そこで、長女のギータ(ファーティマー・サナー・シャイク)と次女のハビータ(サニャー・マルホートラ)をレスリングの選手にしようと練習を始めるが、インドでレスリングは男のスポーツであり…。



ダンガルきっと、つよくなる3



感想(ネタバレあり)


レスリングのチャンピオンになりたいお父さんが夢をたくしたのは二人の娘



「自分が叶えられなかった夢を子供に託す」というのは、よく聞く話だ。

その教育法を一歩間違えれば「子供を追い込み、支配しようとする毒親」になりかねない。

例えば、昨年公開されたクリス・エヴァンス主演の映画「gifted/ギフテッド」は、娘を天才数学者に育てようとした学者の母親が、娘を追い込んでしまう姿が描かれる。



この映画は、レスリングオリンピック代表を目指しながら、志半であきらめざるを得なかったマハヴィルが自分の叶えられなかった夢を自分の子供にたくす話である。

そこまでは、よくある話である。



しかし、マハヴィルは毒親にはならなかった。

なぜなら、彼のふたりの娘、ギータとハビータは初めこそは厳しい練習を嫌がっていたものの、思春期を迎えた頃には、レスリング選手になる覚悟を決め、自ら進んで厳しい練習をするようになるのだ。

厳しい練習を乗り越え、時には父と対立しながら、二人三脚で頂点を目指す娘たち。

というと「よくあるスポ根ものかぁ」と思うかもしれない。



しかし、この物語が描くのは、それだけではない。

インドではその当時、レスリングは「男のスポーツ」であり、小さな田舎町で暮らすギータとハビータがレスリングをするには、「女がレスリングをするなんて」という常識や偏見とも戦わなければならなかった

ギータとハビータがレスリングのチャンピオンを目指す姿を描きながら、並行して女性に対する偏見とも戦い、彼女たちの活躍がインドの人々の「女は女らしく」という意識を変えていく様子も描いているのだ。

その変化はとても感動的なものだった。



その上、最近、日本のレスリング協会で起きていたパワハラ騒動を思わせるような場面もあり、最初から最後まで見所たっぷりの感動作だった。



ダンガルきっと、つよくなる4


「女は家事と育児をすればいい」という偏見との戦い



では、何が彼女たちの意識を変え、チャンピオンを目指す覚悟を決めさせたのか。



先ほども言ったけれど、レスリングはインドでは「男のスポーツ」だった。

その一方で、インドの女性たちは「肌を露出すること」は許されず、髪が長ければ長い程美しいとされ、まだまだ古い価値観を持っている国で不自由な暮らしをしていた

ギータとハビータが暮らすのは小さな田舎町だけに、その「偏見」は、より強いものだったと思われる。



その空気の中で髪をスポーツ刈りにし、Tシャツと短パンで練習することを強いられた彼女たちは、周りの人たちから相当好奇の目で見られたはずだし、かなり恥ずかしかったことと思う。

毎日の厳しい練習と男みたいな恰好を強いられたことから、彼女たちはレスリングなんてやめたいと思っていた

そんな彼女たちの意識を変えたのは、同級生の女の子からの

「うちでは、女は子供を産むための道具だと思われている。家事や育児をやらなくていいあなたちがうらやましい

という言葉だった。



自分たちは幼い妹たちの子守を強制されることもないし、食事の支度や洗濯の手伝いをさせられることもない。

それだけでも、十分恵まれている。

彼女たちの中で「家事と子育てだけの人生」と「レスリングのチャンピオンを目指す人生」を天秤にかけ、自分たちの意思でレスリングを選び、自分たちは恵まれいると思ったのだ。



半袖短パン短髪を笑う人がいるなら、投げ飛ばしてしまえばいい。

その決心をした後の彼女たちは、男性選手たちを相手にバタバタと倒すようになる。



ダンガルきっと、つよくなる2


インドの女性たちに新しい道を切り開く戦い



そこから、レスリングのチャンピオンになることを決意したギータの戦いは、インドの女性たちの自由を求める戦いにもなっていく

この映画の原題であるDangal(दंगल)はヒンディー語で「暴動」という意味があるのだとか。

その言葉から連想される勇ましさは、ギータの戦いと、立ち上がるインドの女性たちを表したものなのではと感じた。



私がこの映画の中で最も感動したセリフは、お父さんがギータに

この国には、育児と家事しか知らない女性たちがたくさんいる。

お前が国際試合で勝つことは、彼女たちを救うことになる

と言ったセリフだった。



幼い頃から花嫁修業をして、大人になったら結婚して、子供を産んで…という人生しか知らないインドの女性たちがギータが戦う姿を見て、「スポーツをする」という選択肢が増えていくのだ。

ギータはその時、国だけじゃなく、女性たちの願いも背負っていたのだ。



負ければ「やっぱり、レスリングは女がやるスポーツじゃない」と言われるのが目に見えたからこそ、ギータはお父さんのその言葉をモチベーションにして戦いぬいたのだ。

確かに、オリンピックの中継を見ていると、女性選手の活躍は嬉しいし「私も明日からがんばろう」と思える

この映画は、そんな女性たちの気持ちを代弁している作品なのだ。



映画の最後で、エンドロールが流れる前、マハヴィル一家本人の写真が出て、「ギータの活躍をきっかけにインドでレスリングを始める女性たちが急増した」という説明が流れた。

素晴らしいことだと思った。

それは、初めはお父さんの強制に嫌がりながらもレスリングを続け、彼女たちを笑う男性たちを投げ飛ばしつつ、合わないコーチのもとで戦いながらも、チャンピオンになった甲斐があった瞬間だった。



ダンガルきっと、つよくなる5


合わないコーチの指導を受け続けるということは選手を不幸にするだけ



ギータはお父さんに反発しながらも、次第に、ギータの選手としての良さを一番よくわかっているのはお父さんだということに気付く。

しかし、レスリング協会はお父さんをコーチとして認めず締め出してしまう。

インド代表にまで登りつめたギータを作り上げたのは、お父さんだったにもかかわらず。

これは恐らく、映画としてドラマティックに見せるための脚色なのではと思うけれども、それと似たようなことが日本で起きていることにビックリしたし、ちょっと苦笑してしまった



映画では、ギータは合わないコーチの指導を受けているふりをしながら、それ以外の時間にお父さんの指導を受けることで試合に向けて調整していく。

レスリングのような体重制限があるスポーツでは、食事制限を含めた日常生活の指導が不可欠で、だからこそ、日本の女子レスリングでも、寮生活をするような指導方法をとっているのだと思う。



合わないコーチの指導で実力を発揮できないギータを見ていると、合わないコーチに指導されるということは、苦痛以外の何物でもないし、選手が不幸になるということがよくわかる

それは国にとってもマイナスになるのだ。

改めて、選手にとってストレスなく練習できる環境で、最も信頼できるコーチの指導を受けてこそ選手は伸びるし、みんなにとって幸せなのだと思った。

これは、日本のレスリング協会の人たちに、ぜひ観ていただきたい作品である。








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ヴィゴ・モーテンセン主演の映画「はじまりへの旅」を映画館で観た。

山奥にある山小屋で暮らすベン一家が、ベンの妻であり子供たちの母の葬儀に出席するため、山奥から町に出て行くが…。


満足度 評価】:★★★★☆

憧れはしないけど、彼ら一家の奇妙な日常生活と考え方には興味津々だった。

「普通とは何か」「当たり前のことは本当に当たり前のことなのか」について、改めて考えさせられる作品。


「はじまりへの旅」予告編 動画

(原題:CAPTAIN FANTASTIC)




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出演者

ヴィゴ・モーテンセン
…(「グリーンブック」、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ)

〇フランク・ランジェラ

…(「マローボーン家の掟」など)

スティーヴ・ザーン
…(「荒野にて」、「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」、「パーフェクト・ゲッタウェイ」など)

監督・脚本

マット・ロス
…(「あるふたりの情事、28の部屋」など)

2016年制作 アメリカ映画

はじまりへの旅

あらすじ


アメリカ北西部の山奥にある森の中で暮らすお父さんのベン(ヴィゴ・モーテンセン)と、6人の子供たち。

食事は自給自足、学校へ行かず自分たちで勉強している彼らの中には、山から下りたことがない子供もいる。

ある時、数年前から病院に入院していたお母さんが亡くなってしまう。

彼らは葬儀に出席するために、森を出て、ニューメキシコへと向かうのだが…。


はじまりへの旅4

感想(ネタバレあり)


「普通」とはいったい何??


映画が始まってから30分程は、主人公であるベン一家の独特で奇妙な生活に圧倒された。



森で狩りをし、崖でロッククライミングしたり、山の中を走ったり、運動したり。

もちろん、テレビもなければ、携帯電話もない。

都会育ちでヘタレの私からしたら、「うわ~。こんなの絶対無理ーーー」という日常生活。



でもきっと、そんな彼らからしたら、私たちが当たり前のように暮らしている日常はどう思うだろうか。

毎日、満員電車に揺られて通勤・通学し、家族や友だちと面と向かわずに、携帯電話で会話をし、ときには嫌いな人たちに愛想笑いをしてやり過ごす。

そんな日常こそが、「無理ーーー」と思うかもしれない。



「普通」と思うことや、「当たり前」だと思うことは人それぞれであり、

人々が思う「理想の生活」も千差万別

この映画を観て、そんな「普通とは何か」について考えさせられた



はじまりへの旅5



「自分の教育方針は間違っていたのかもしれない」という気付き


このベン一家に限らず、子供たちは親の影響を受けて育つ。

幼稚園にするか、保育園にするか、小学校は公立にするか私立にするか。

本人の意思より、親の影響の方が強い。



そのまま「思春期」を迎えると、「こんなはずじゃなかった」と思い、急に親に反抗するようになる。

それがいわゆる反抗期であるが、このベン一家にも他の家庭と同じように反抗期がやってくる。



長男のボウはこれまで学校になど通ったこともないのに、いきなり大学に行きたいと言い出し、次男のレリアンは町の生活が気に入り「おじいちゃんと暮らしたい」と言い出す。

ベンにとっては、「最高の生活だ」と思っていた山小屋での暮らしだったが、温かいベッドとテレビゲームがある暮らしの方が良いと思う子供だっている。

これが、ベンにとって、痛いつまずきになる。



「自分の教育方針は間違っていたのか…」



はじまりへの旅3



義務教育の必要性


ベンの教育方針が間違っていたわけではないと思う。

彼が育てた子供たちは、町で暮らす子供たちよりも頭が良く、何事も自分の頭で考える力を持っている。



彼らの「考える力」は、学校から一方的に均等に叩きこまれた教育だけではできない個性である。

運動神経だって、その辺の子供たちよりもずっと良い。



しかし、一般社会への適応能力が圧倒的に欠けている

家族の中のコミュニティだけで暮らしているいるなら、それで良い。

もし、将来就きたい職業ができたり、結婚したいと思う時が来たらどうするのか。

彼らは、それでも「森の生活」を押し通すのだろうか。



そんな彼らの様子を観て、将来、子供には「自分の意志で人生を歩んで欲しい」と願うからこそ、ある程度、社会のことを知る必要があるんだと思った。

だから中学校までは、一般的な常識を知り、他者とのコミュニケーションを学ぶために義務教育になっているのだ。



何も、有名大学に行ったり、大企業に就職する必要はないし、それが常識だとは思わない。

かと言って、世間から隔離された生活を送ることも、ベストな教育方法ではないようだ。



だから、ボウはキスをしただけでひざまずいて「結婚してください」という青年に育ってしまったんだと思う。

それは、決して悪いことではないけど、世間で生きていくには、なかなか生きづらいのではと思う。



とはいえ、親から欲しい物を与えられて育った子供たちも決して素晴らしいとは言えない

彼らの親戚の子供たちは、物欲にまみれ、一日中「ゲーム」をやることしか考えていない。



そうやって考えると、どれが正解なのか分からなくなってくる。

それでは、「普通の生活」とは、一体、どんなもので、何が正解なのか

改めて考えさせられてしまう。



はじまりへの旅2



「豪邸暮らし」と「山奥暮らし」心地よい生活はどちらなのか


例えば、亡くなったお母さんの実家のように、広大な敷地に立つ立派な邸宅で暮らすのも悪いわけじゃない。

しかし、お母さんは、そんな「物欲」にまみれた世界が嫌になって、森の生活に憧れたんだろうと思う。



だからといって、世間から隔絶された「森の奥の山小屋」で暮らす生活がベストなわけでもない。

大事なのは、「豪華な邸宅」で暮らしている人も、「山奥の小屋」で暮らしている人もいていも良い

多様な生活様式を自分の意思で選択でき、互いに尊重し合える世の中が本当に素晴らしいように思う。



「豪華な邸宅に住んでいるから」立派な人なのではなく、「山奥に住んでいるヒッピーだから」おかしな人なのでもない。

どちらも、社会に生きる一員なのである。



ただし、子供は義務教育を全うするという条件付きが良いと思う。

ある程度知識を付け、コミュニケーションの方法も学んだ上で、自分の暮らしを選択したら良い

子供の人生は親のものではない

子供自身のものである



そうやって、互いの価値観や生活様式を認めることが、「多様性の容認」であり、社会は広がっていくのである。

結局、一家は社会と程よい距離を保ちながら生活し、子供たちは学校に通うようになる。

その生活スタイルが彼らにとって心地よい暮らしであるならば、それが正解なんだと思う。






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デンゼル・ワシントン製作・監督・主演の映画「フェンス」をWOWOWで観た。

1950年代のアメリカ・ピッツバーグを舞台に、ある黒人一家の日常を描く。

第89回(2017年)アカデミー賞 最優秀助演女優賞(ヴィオラ・デイヴィス) 受賞作品


満足度 評価】:★★★★☆

何を言っても譲らない昭和の頑固おやじ(=主人公のトロイ)が、妻を泣かせ、息子の自由を奪って生きていた時代の話。

では、なぜ、彼がそんなに意固地になってしまったのか。

そこには、黒人社会を取り囲んでいる『フェンス』があった。



「フェンス」予告編 動画

(原題:Fences)




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キャスト&スタッフ


出演者

デンゼル・ワシントン
…(「マグニフィセント・セブン」、「イコライザー」、「マイ・ボディガード」、「タイタンズを忘れない」、「トレーニングデイ」、「ボーン・コレクター」、など)

ヴィオラ・デイヴィス
…(「スーサイド・スクワッド」など)

〇スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン

〇ジョヴァン・アデポ

〇ラッセル・ホーンズビー

〇ミケルティ・ウィリアムソン

監督・製作

デンゼル・ワシントン
…(「マグニフィセント・セブン」、「イコライザー」、「マイ・ボディガード」、「タイタンズを忘れない」、「トレーニングデイ」、「ボーン・コレクター」、など)


2016年製作 アメリカ映画



フェンス



あらすじ


1950年代のアメリカ・ピッツバーグ。

清掃員の仕事をしているトロイ・マクソン(デンゼル・ワシントン)は、妻のローズ(ヴィオラ・デイヴィス)から、家の周りにフェンスを作るように言われ、毎日、少しずつ木製のフェンスを作り始める。

高校生になる息子のコーリー(ジョヴァン・アデポ)にも手伝わせようとするが、フットボールに夢中のコーリーは一向に手伝おうとしない。

そんなある時、トロイはローズが思ってもいなかったようなことを言い始める…。



フェンス2



感想(ネタばれあり)


家族や友人たちとの間にある見えない壁『フェンス』



私たちは、誰か(例えば友人や家族)とコミュニケーションを取る時、無意識のうちに心の中に壁を作ってしまうことがある。

時には、その壁で相手をシャットアウトしてしまったり、自分を守るガードに使ったり。



この映画は、一家のお父さんが自宅の周りにフェンスを作る話であるが、そのフェンスが、時には彼らをとりまく様々な障害の象徴として登場する話である。



時代は1950年代のアメリカ。

第二次大戦から冷戦にかけて、黒人の地位が大きく変わろうとしていた時代。

主人公のトロイは、一家の父として、彼なりに必死になって家族を囲むフェンスを作ろうとするが、遅々として進まない。

それは、家族のせいなのか、それともトロイ自身のせいなのか。



トロイは、日本でいう『昭和の頑固おやじ』のような古いタイプの人で、『俺様』、『俺がルールブック』とばかりに、肩で風切って歩いているような人間だった。

そんなトロイに、家族はうんざりしていく。



本当に家族を守ろうと思うなら、時には、彼らの間にあるフェンスを取り壊す必要もある

時にはフェンスを取り払い、一から関係性を築き直す

そうやって、家族は守られていくんだということを感じた作品だった。



フェンス6


トロイの時代:黒人社会を取り囲むフェンス=人種差別


トロイの最初のつまずきは、優秀な野球選手だったのに、プロ野球選手になれなかったという挫折からスタートしている。

そして、不本意ながら、ごみ清掃員の仕事をすることになる。

彼の口癖は「ジャッキー・ロビンソンよりも、俺の方がずっと優秀だった。」

これは、昔、野球少年だったおやじが、酔っ払ないながら「俺は、昔、長嶋から三振を奪ったことがある」と自慢する話によく似ている。

どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。



しかし、トロイの場合は、新橋の赤ちょうちんで酔っ払って過去の栄光を自慢しているおやじとは、ちょっと立場が違う。

彼は、『黒人だったから』プロ野球選手になれなかったのだ。

ジャッキー・ロビンソンの方が、トロイよりもずっと後に出てきた選手だった。

彼が言っていることが本当なら、もしも、もっと遅く生まれてきたなら、プロ野球選手になれたのかもしれない。



プロ野球選手になれなかったとしても、もっと良い職業につけたはずなのに、ごみ清掃員として一生を終わらせることになった人生を嘆く。

そこから見えてくるのは、『黒人社会を取り囲むフェンス』である。

彼らが必死になって、そのフェンスを乗り越えようと思っても、社会や法律がそれを許さなかった

トロイが生きていたのは、そんな時代だった。



フェンス4


息子・コーリーと父の間のフェンス:乗り越えることで大人へと成長する



その若かった頃のトロイの挫折は、息子のコーリーに飛び火する

父親に似たのか、スポーツ万能のコーリーは、高校でフットボールの選手をしていた。

しかし、父親が裏から手を回し、本人の意思とは関係なく、大人同士の話し合いでフットボールを辞めさせてしまう。



人は、自分の経験したことが世界の全てになってしまう時がある。

トロイは優秀な野球選手でありながら、プロには上がれなかった

だから、黒人はスポーツをやっても無駄

それが、彼にとっての全て。



しかし、トロイの時とは時代が違うのだ。

ジャッキー・ロビンソンがプロ野球選手になったように、黒人がスポーツの世界で金を稼ぐようになってきている。

確かに白人に比べたら、そのプロとアマチュアの間にあるフェンスの門は狭き門かもしれない。

しかし、たとえ狭き門だったとしても、コーリーにだって夢を見る権利はある



トロイは、完全に、今で言う『毒親』である。

いくら親だからといって、子供から夢や自由、希望を奪う権利はない

コーリーは、自分だけでなく、母親も大切にしないトロイが嫌になり、家を出てしまう。



それは、『コーリーと父との間にあるフェンス』を越えた瞬間だった。

その後、コーリーは海兵隊に入隊し、大人になって帰って来る。

彼は、フェンスを乗り越えたことで、大人へと成長したのである。



フェンス5


妻・ローズとトロイの間にあるフェンス:『黒人』『妻』『女性』…その全てにおいて虐げられた生活を受け入れること



そして、トロイは妻・ローズとの間にも、高い高い壁を作り続けた

トロイと結婚する前の息子・ライオンズのことを文句も言わずに可愛がり、障害を持ったトロイの弟・ゲイブの面倒も見て、コーリーとトロイが対立すれば、必死になってコーリーをなだめてきた。

そんなローズをトロイはあっさりと裏切り、しかしも「後ろめたいことはない」と言い切り、「ここは、俺の家だ!」と胸を張る



私は、そんなトロイに唖然としてしまった。

トロイの言い訳は、「俺にだって、自由に息を吸える場所が欲しいんだ。」

つまり、お金の工面も、息子のことも、弟のことも、全部ローズに任せっきりのくせに、『愛人の方が気が楽だから』と言って、堂々と子供を作ってくる。

そんなトロイに向かってローズは、全身全霊で泣き叫ぶ。

しかし、悲しいことに、彼女の悲痛な叫びはトロイに届かない

トロイとローズの間に立つフェンスは、誰よりも高く、そして厚かった。



それでも、ローズはトロイと愛人との間にできた子供を育て、それを「神に与えられた祝福」だと言う。

彼女は、その時代、黒人女性たちが背負ってきたもの全てを表している

彼女たちは『黒人』であることと、『女性』であること、その二重のフェンスに囲まれて生きていて、自分が幸せになるには、その境遇を受け入れるしかなかった

昔の日本女性が「女は黙ってついて来い」と言われていたことを、当たり前のように受け入れていたことと同じだ。



フェンス3


私たちの間にあるフェンス:取り除くことで、全ての人が住みやすい社会に



そして、最後に彼らの家にも静寂と平和が訪れる

トロイは、古き時代の黒人社会の象徴である

ラストに平和が訪れるのは、新しい時代の幕開けと、未来への希望を示している

それは、息子が海軍で立派な士官になったことからも分かる。

トロイの娘が、ローズのように家に縛られて苦しめられることもない。



トロイが自宅の周りに残したフェンスは、キレイに残っている。

どんなに家族に酷いことをして、あり得ないことを言っても、最後まで働き続け、家族だけは守り続けた

その象徴として、フェンスは残り続ける



トロイ=悪として責めるのではなく、そもそも、黒人への差別が彼を挫折させ、怪物を作り上げてしまった

責められるべきは、社会である

だから、未来を明るくしたいなら、私たちの間にある様々なフェンスを取り除き、全ての人がより住みやすい社会を作るべきなのである。





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ニコール・キッドマン主演の映画「ファング一家の奇想天外な秘密」をWOWOWで観た。

劇場未公開の作品をどこよりも早く放送する「WOWOWジャパンプレミア」の一本。

姉は女優、弟は作家、両親はアーティストという芸能一家には、昔からある秘密があった…。



満足度 評価】:★★★☆☆

つまらなかったワケではないんだけど、なんだか観ていて疲れる家族だった。

自分が何も無い平凡な家庭に育ったことを感謝する作品(笑)

「ファング一家の奇想天外な秘密」予告編 動画

(原題:The Family Fang)




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キャスト&スタッフ


出演者

ニコール・キッドマン
…(「ある少年の告白」、「アクアマン」、「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、「パーティで女の子に話しかけるには」、「LION/ライオン~25年目のただいま~」、「シークレット・アイズ」、「パディントン」、「リピーテッド」、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」、「バースデイ・ガール」、「レイルウェイ 運命の旅路」、「ザ・インタープリター」など)

ジェイソン・べイトマン
…(「ザ・ギフト」、「ズートピア」(声の出演)、「モンスター上司」、「ディス/コネクト」、「あなたを見送る7日間」、ドラマシリーズ「オザークへようこそ」(製作総指揮・主演)など)

クリストファー・ウォーケン
…(「イーグル・ジャンプ」、「ジャングル・ブック」(声の出演)、「ジャージー・ボーイズ」、「ニック・オブ・タイム」など)

監督・製作

ジェイソン・べイトマン

2016年製作 アメリカ映画


映画「ファング一家の奇想天外な秘密」



あらすじ


女優・アニー・ファング(ニコール・キッドマン)の元にかかってきた1本の電話。

それは、弟で作家のバクスター(ジェイソン・べイトマン)からのものだった。

彼は、ジャガイモ大砲で撃たれてけがをしたから、病院に迎えに来てほしいと言う。

初めは断っていたアニーだったが、バクスターの「病院が両親に電話をしちゃって」の一言で、彼の元へ向かうことに。

彼らには両親に会いたくない理由があったのだ。



映画「ファング一家の奇想天外な秘密」ジェイソン・ベイトマン、ニコール・キッドマン



感想(ネタバレあり)


大きすぎる親の存在を疎ましいと思う姉弟


多くの人にとって、両親は生まれて初めて接する大人だ。

だから、多くの人が両親の陰の下、良い意味でも、悪い意味でも大きく影響を受けて育つ。

そのためか、大人になって成功できなかったり、人生がうまくいかないのは親のせいと感じる人も少なくない。

この映画の主人公アニーとバクスターの姉弟も、親の影響を大きく受けすぎて育ってしまったようだ。

彼らにとって、両親はとてもやっかいで面倒な存在だ。

確かに、私もそれには同情する。

この姉弟の両親はちょっと酷い。

アーティストを自称している彼らの両親は、「人をアッと驚かせるパフォーマンス」をアートだと言い、大勢の前で銀行強盗を装ったり、ボウガンで人を撃ったりして、人を驚かせ続けてきていた。

そんな生活を子供の頃から強いられてきた姉弟は、そんな両親のことが理解できず、大人になると距離を置いて暮らして生きていた。

それが、弟バクスターのケガにより、久しぶりに一家が揃うことになってしまった。

うーーん。確かに、こんな両親は嫌だ。

子供のうちは楽しくても、大人になったら恥ずかしいだけだ。

私も、こんな両親に育てられたら、即、姿を消したいと思うかもしれない。



映画「ファング一家の奇想天外な秘密」ジェイソン・ベイトマン



奇妙な親の下で育ったダメージ


その「偉大なる両親」の与えた子供たちへのダメージは大きい。

姉のアニーは、子供の頃から両親に演技を強いられたためか女優として仕事をしている。

しかし、なかなかヒット作を出せないことに悩み、軽率にもトップレスでスタジオを練り歩き、その写真が週刊誌の表紙になってしまうような3流女優になっている。

弟のバクスターは、その両親と姉の陰に隠れて暮らし、売れない作家をしている。

週刊誌などの三面記事を書いて小銭を稼いでいるが、本人は小説で売れたいと思っている。

幼い頃の刺激的な毎日に比べ、低迷期である現在を送る彼らは、両親が行方不明になったことをきっかけに、思い出の品を全て処分して、新しい人生を切り開こうとしていた。

しかし、思い出の品を全て処分したことで、父の秘密が明らかになってしまった。



映画「ファング一家の奇想天外な秘密」ニコール・キッドマン



父がゲスな男だと知った瞬間、本当の自分になれた


ファング一家の両親にとって、「人が驚いてくれなかった時が、アーティストとしての引き際だ」と感じていたように思う。

家族が久しぶりに揃って向かった公園の売店で、偽のクーポンに驚かれず、父はだたのクレーマーとなってしまった時、彼らは「引き際」を感じ、最後の大勝負に出たんだと思う。

自らの血痕を大量に残し、失踪する夫婦。

実は、父には、アニーやバクスター以外に帰る家があったのだ。

父は「アーティスト」を廃業し、「普通のお父さん」になることを決意する。

ということは、結局、父ケイレブにとっては、アニーもバクスターも彼らの母親も全てが「アート」のための道具でしかなかった。

気の毒なのは、彼らの母親で、ケイレブが本当に帰りたかった家を「アートの一部」だと思い、自分自身こそが本当の妻だと信じて疑わないところ。

そう思っているのは、残念ながら、お母さんだけなんだよ。

アニーとバクスターは、父が「普通のゲスな男」だということを知り、そこからは呪縛が解けたように仕事が順調にいき始める。

ということは、やはり、たとえそれがどんな父であったとしても、それまでの父は彼らにとって「偉大なるアーティスト」だったんだろう。

だから、それまではその傘の下でイマイチ伸び伸びできず、伸び悩んでいたのではないかと思った。

彼ら夫婦の最後の大仕事「失踪事件」を機に、収まるべきところに収まったんだなぁという印象を受けた。



映画「ファング一家の奇想天外な秘密」ジェイソン・ベイトマン



親の存在が大きすぎると感じたなら


多くの人にとって両親とは、良い意味でも、悪い意味でも、大きな存在である。

そして、子供の頃から、彼らを「大きな存在だ」と思いながら暮らしていると、その存在に萎縮してしまい、伸び伸びとできない人たちもいる。

だから、もしも「偉大すぎる両親」の存在を感じるのであれば、どこかで一回縁を切って、冷静な立場から「親も普通の人間だ」と知る機会が必要なのかもしれない。

そしたら、これまで偉大だと思っていた傘が取れて、これまでになく伸び伸びとできるのかもしれない。

この映画を観て、そんなことを思った。

もしも、「二世」であることに苦しんでいる人がいるのなら、この映画を観てみると良いかもしれない。

素晴らしく偉大な両親だって、どこかにきっと「普通の人」の顔があるはず。





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レニー・ゼルウィガー主演、メリル・ストリープ共演の映画「母の眠り」を観た。

新聞社に勤務する20代女性が、母の病気をきっかけに実家に帰り、両親と共に暮らしながら家族について見つめ直す物語。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

いつか自分にもこんな時がくるのかも…と思いながら観た作品。

家族だから腹が立つこと、家族だから言えないこと。

「家族」それぞれへの想いについて考えさせられる作品だった。

「母の眠り」予告編 動画

(原題:ONE TRUE THING)




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キャスト&スタッフ


出演者

レニー・ゼルウィガー
…(「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「砂上の法廷」、「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」、「ブリジット・ジョーンズの日記」、「ふたりの男とひとりの女」など)

メリル・ストリープ
…(「メリー・ポピンズ リターンズ」、「マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「未来を花束にして」、「マダム・フローレンス!夢見るふたり」「幸せをつかむ歌」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「8月の家族たち」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」、「ジュリー&ジュリア」、「大いなる陰謀」など)

ウィリアム・ハート
…(「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「ニューヨーク 冬物語」など)

〇トム・エヴェレット・スコット
…(「すべてをあなたに」、「マネー・ゲーム」など)

監督

〇カール・フランクリン
…(「タイム・リミット」、「ハイ・クライムズ」、「青いドレスの女」など)

母の眠り

あらすじ


NYで働くジャーナリストのエレン(レニー・ゼルウィガー)は、実家から連絡を受け、母のケイト(メリル・ストリープ)が末期癌であることを知らされる。

父ジョージ(ウィリアム・ハート)から実家に帰ってきて介護と手伝いをするよう頼まれたエレンは、仕事を抱えたまま実家へ帰省する。

仕事を持ち帰ったエレンだったが、思うようにはかどらず、そのことに焦りを感じる日々だったが、母の病状は少しずつ悪化していった。

さらに、そんな状況で父が家族には言えない秘密を抱えていることを知ってしまい…。

母の眠り4


感想(ネタバレあり)


キャリアアップが全てだと思っていた女子が実家へ強制送還


男女平等の時代だと言われているが、家族が病気になったり、介護が必要になった時、家事を切り盛りしたり、病人の介護をしたりするのは、今でも女性の役目になる場合が多い。

20代後半から30代にかけて独身女性がキャリアアップを目指そうとした時、キャリアよりも家族の世話を選んだことで、昇進を断念してしまう女性たちを良く見る。

この映画の主人公エレンも、そのタイプの女性の1人だ。

野心溢れるジャーナリストの彼女は、もう少しで大物政治家のスキャンダルを暴露できると思った頃、母の病気が発覚し、実家へ帰らざるをえない状況になってしまう。

そして、その結果、夢に見てきた「NYの花形ジャーナリスト」の地位を見送ることになってしまう。

しかし、果たしてそれが本当に彼女にとってマイナスのことだったのか。

田舎に帰り、家族の世話をすることがキャリアを失うことであり、その人の人生にとってマイナスのことだったのか。

私もどちらかと言えば、家庭よりもキャリアを優先したいタイプの人間だったのだが、この映画を観ることで、それが全てではないし、家族と向き合うことで見えることもあるなと考えるようになった。

母の眠り5

「今の自分」を受け入れるということ


野心家にとって「田舎で過ごす時間」というのは、不安でしかない。

特に、この映画が作られた時代は今と全く状況が違っていた。

携帯電話を持っているのは、一部の特権階級の人間であり、パソコンもなければ、もちろんインターネットもない。

そんな状況でジャーナリストが原稿を抱えて実家に帰ったところで、流れている時間が違い過ぎる。

ライバルたちが足を使って積極的に取材を進めている時、自分はやったこともないケーキ作りをしたり、トイレ掃除をする毎日。

「このままでは自分は忘れ去れた存在になってしまう」と焦り始め、NYへ戻って取材をしても、NYにいた頃の自分と、田舎へ帰った自分では、全く考え方が違っていた。

そうなってようやく、エレンは「今の自分」を徐々に受け入れるようになる。

今、自分にとって目の前にある危機は「大物政治家のスキャンダル」ではなく、「病気の母の衰弱」であり「父の不倫」であり、家庭の不和だった。

その自分の置かれた状況を少しずつ受け入れていくことで、エレンも少しずつ人間として成長していく。

母の眠り3


「母の偉大さ」に気付く時


そのエレンが成長していくきっかけとなったのは、自分の人生を家族のために犠牲にすることを何年も前に受け入れた上で生きてきた「母」の偉大さだった。

私がこの映画の中で、とても印象に残る母のセリフがある。

それは、母の癌の症状が進んでいく中、自分のキャリアアップが思うようにいかず、田舎にいる自分とのジレンマや、父の浮気に気付いてイライラしているエレンに対して母が言った言葉だった。

「あなたが幸せになると分かっていたら、今すぐにでも死ねるのに。

私は、あなたの結婚式の手伝いをしてあげることもできない。

幸せになることはすごく簡単なことなのよ。

今、目の前にあるものを全て愛すればいいの。

過ぎ去ったものにしがみついても空しいだけ」

母は自分の病気と闘いながらも、父の不倫も、エレンのキャリアアップへの焦りも全て気付いて受け入れていた。

その上で、エレンに「自分の人生を愛しなさい」と語りかけていた。

「自分の人生を犠牲にすることで、家族が幸せになるのなら、喜んで自分の人生を受け入れる」と母は言いたかったんだろうと思う。

だからエレンにも、「自分の人生を受け入れて、家族の幸せを考えた時、きっと幸せが訪れる」と言いたかったんだろうと思った。

母の眠り2


「人生を受け入れ、愛する」という生き方


もちろん、それは「夫の不倫を受け入れることが素晴らしいこと」だと言っているワケではない。

それは、あくまでもこの映画の中での母の考え方であり、彼女の人生哲学である。

しかし、常に「あの時、ああしてれば」とか、「なんでお父さんはそんな行動をするんだろう」と考えるよりも、一歩引いて人生の全体像を観た上で世界の全てを愛したら、その向こうには幸せがきっとやってくる。

そんな母の言葉から感じたのは、彼女の大きさであり、まだ大人の考えができないエレンに対して「もう少し大人になりなさい」というメッセージなんだなと思った。

そうやってエレンは、母の哲学を受け入れ、受け継ぎ、成長していくんだと思った。

NYにいた頃は、「田舎で暮らすことは負け犬であり、敗北だ」と思っていたのに、その頃には、母のような生活をすることも悪く無いなと思えていたはずだ。

エレンにとって、母と過ごした最後の日々は彼女の人生を受け入れ受け継いでいく時間だったように思う。

この映画を観ながら思ったのは、自分の母の存在だった。

私の母も同じく、自分の人生を犠牲にして家族のために生き、父の欠点も受け入れて日々を生きている。

そんな彼女を横目に観ながら、もしかしたら、そのうち私も母のような生き方をするのかもしれない。

それは決してネガティブなことではなく、それもまた、「私の愛すべき人生」になる。

そう思えた作品だった。



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ジェイク・ギレンホール主演の映画「ムーンライト・マイル」をWOWOWで観た。

婚約者を亡くした青年が、彼女の家族と過ごすうちに迷いの中から本当の自分を見出し、大人へと成長していく物語。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

若いうちはいろいろ迷うし悩むし、本当にやりたいことなんて分からないよね。

それは良く分かるけど、かといって、ガツンと心に残るものもない作品だった。


出演ジェイク・ギレンホールダスティン・ホフマンスーザン・サランドン、エレン・ポンピオ、ホリー・ハンター

監督・脚本:ブラッド・シルバーリング 2002年製作 アメリカ映画

「ムーンライト・マイル」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:MOONLIGHT MILE)




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あらすじ


ジョー(ジェイク・ギレンホール)の婚約者であるダイアナは、近所のファミリーレストランで起きた銃撃事件の流れ弾に当たって亡くなってしまう。

彼は、彼女の葬式に参列し、それ以来ずっと彼女の家族と共に暮らしている。

不動産業を営むダイアナの父ベン(ダスティン・ホフマン)は、以前よりダイアナとしていた「ジョーがベンの仕事を手伝う」という約束を守り、葬式の翌日からジョーを連れて歩くようになっていた。

文筆業をしているダイアナの母ジョージョー(スーザン・サランドン(「ニューヨーク、愛を探して」など))は、ダイアナの死から立ち直ることができず、まだタイプライターを打つことができずにいた。

ムーンライト・マイル

感想(ネタバレあり) 若い頃は、きっと誰もが意志が弱く悩んでいた


まだ20代の頃、「あなたのやりたいことは何ですか」と聞かれると、「うーーーん」と悩みこみ、頭を抱え、やりたいことがあっても、キチンと自分の口で説明することができない。

たとえ何かを言ったとしても、「なぜ?」と聞かれると、「なんとなく…」と答えてしまう。

私にも、そんな意志の弱い時代があった。

今はやりたいことがたくさんあって困っているのに(笑)

この映画「ムーンライト・マイル」を観ていて思い出したのは、そんな若い頃の意志の弱かった私だった。

それから随分月日が経ち、今になれば、当時の私が、なぜすぐに「うーーーーん」となっていたのかが良く分かる。

それは、どれもがやりたいことであり、同時にどれもがやりたくないことだったからだ。

あれもいいけど、これもいい。こっちもやってみたいけど、いろいろ面倒くさい。

それは、まるでこの映画「ムーンライト・マイル」の主人公ジョーと全く一緒だった。

婚約者のダイアナを亡くしたばかりのジョーは、彼女の葬式が終わってからも、彼女の家族と一緒に暮らしていた。

それは、以前から、「結婚したらダイアナのお父さんと一緒に仕事をする」と約束していたからだ。

しかし、実は、ダイアナが亡くなる直前に婚約は破棄していた。

そのことをジョーは「なんとなく」言い出せずにいたため、お父さんのベンとやりたくない仕事をやらされる羽目になっていた。


ムーンライト・マイル2

「臆病な自分」から脱皮する時


若いジョーは、「自分のやりたいことをつき通せば、きっと周りを傷つける」と思い、ダイアナとの婚約を破棄することも伝えるのが遅れ、その結果、ダイアナがベンに伝えるのが遅くなってしまう。

そして悲劇の事件が起きてしまう。

しかし、その「これを言ったら周りを傷つけてしまう」というのは、若者特有の言い訳にすぎない。

そうではない、なんとなく日々に流され、人と対立することを恐れ、臆病になり、その結果、後手に回ってしまっただけに過ぎない。

ただ自分の意志が弱くて言い出せなかったことに対し、「周りを傷つけてしまう」と言い訳しているだけだ。

自分の言動に責任を持ち、発言、行動をするのが大人ならば、ジョーはまだまだ大人になっていない状態だったのだろう。

人に気を使っているつもりで言わなかったことが、結局、後々になってより多くの人を傷つけることになるから、言いたいことは早めにわなければいけない。

ジョーはその時、そのことを学んでいる最中だった。


ムーンライト・マイル3

そして、責任のある大人へ


そんな幼さの残る彼を変えたのは、近所に住む女性バーディだった。

親友と市か思えなかったダイアナに対し、バーディは、本当の女性であり、恋をした相手だった。

ジョーはバーディとの新し人生を切り開くために自分の気持ちに素直になり、全てのことを打ち明けようと決心する。

この、女性に恋をして成長していくところが、なんとも男性らしくて微笑ましい。

女性は、男性と別れて成長する女性が多いのに(笑)

この違いは何なんだろうね(笑)

そして、自分の発言と行動に責任を持ってようやく、自分の気持ちに素直になり、全てを打ち明けることが最善の道で、周りの人たちも幸せにするということを知る。

しかし、ジョーが告白をしてからすぐに、ダイアナの両親が手のひらを返したようにスッキリと前を向き出したのは、ちょっと早急すぎる気もした。

ジョーの告白に対する怒りや葛藤はないのかな??

それはちょっと、あまりにも聞き訳が良過ぎる気もした。

ムーンライト・マイル4

目玉は大物俳優のキャスティング


とはいえ、この映画の目玉は、なんといっても、ダスティン・ホフマン(「ネバーランド」など)、スーザン・サランドンジェイク・ギレンホールの3人の共演だろう。

ちょっと神経質だがアクティブで働き者のお父さんをダスティン・ホフマンが、サバサバとして、ちょっと男っぽく、人に媚びないお母さんをスーザン・サランドン(「ニューヨーク、愛を探して」など)

そして、意志が弱く、何事も迷ってばかりの青年をジェイク・ギレンホール(「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」、「ライフ」、「オクジャ okja」、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」など)が演じている。

またこれが、この3人に合わせて脚本を書いたのか??と思えるぐらい、それぞれにピッタリの演技を見せてくれる。

そして、海外ドラマ「グレイズ・アナトミー」のエレン・ポンピオがジェイク・ギレンホールを大人に変えていく女性の役で登場する。

彼女が映画に出ているのはとても珍しいが、とても印象的で良い役だったと思う。

 ↓ 「グレイズ・アナトミー」のエレン・ポンピオが珍しく映画に出演している
ムーンライト・マイル5

本当はもっと葛藤があるのでは…


きっと誰もが若い時には、迷い、悩み、ハッキリと物が言えない時期を過ごしたことだろう。

そうしているうちに、いつの間にか人を傷つけ、自分がまだまだ子供だったことを、大人になってから知る。

この映画「ムーンライト・マイル」はその成長の過程を描いている。

とはいえ、ダイアナの家族の立ち直りの速さには、ちょっとアメリカ映画特有のご都合主義が見えなくもない。

もっと怒って、その怒りをジョーにぶつけて、発散し、それを受けたジョーも、自分がやった過ちに気付いて共に成長するっていう話だったら、もっと感動したのかもしれない。

自分の子供を失った親の喪失感は、もっと深くて辛いものではないかと思う。



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