とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:役所広司



福山雅治主演の映画「三度目の殺人」を映画館で観た。

ある殺人事件の裁判を通じて、裁判所・司法制度のあり方について問う。


映画「三度目の殺人」



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

とても面白い映画だった。

一番目の殺人で実の娘に「殺人者の娘」というレッテルを貼ってしまい

二番目の殺人で、娘の「お父さんなんか死ねばいいのに」という願いを叶え

三番目では、自分の命を神に捧げ、『自己犠牲』の精神で娘の輝く未来を守った殺人犯の三隅



三隅の言う通り、『この世は理不尽』で、本当の悪を裁けるのは神だけなのか…

その真相は、神様がだけが知っている…。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「三度目の殺人」予告編 動画







更新履歴・販売情報

・2017年9月21日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年7月7日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

・2019年10月26日 「土曜プレミアム」での放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

〇福山雅治

役所広司
…(「孤狼の血」、「オー・ルーシー!」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)

広瀬すず
…(「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「怒り」、「海街diary」など)

満島真之介
…(「散歩する侵略者」など)

市川実日子
…(「シン・ゴジラ」など)

〇吉田鋼太郎


監督

是枝裕和
…(「万引き家族」、「誰も知らない」、「歩いても 歩いても」、「海街diary」など)


2017年製作 日本映画




あらすじ


弁護士の重盛(福山雅治)は、弁護士仲間(吉田鋼太郎)から、ある殺人事件の弁護を依頼される。

容疑者である三隅(役所広司)の供述が二転三転して困っているという。

三隅は、勤務している食品加工工場の社長を殺したとして逮捕され、殺人犯として服役した過去もあるため、刑の重さによっては死刑も免れない。

そこで、重盛は情状酌量で刑を軽くし、死刑を避ける線で裁判の計画を練るのだが…。



映画「三度目の殺人」




感想(ネタばれあり)


犯人の供述が二転三転しても、判決は落ちるべきところに落ちる



殺人犯である三隅を突き動かした原動力は、この世の理不尽さだった。



裁判所は、本来ならば悪事を裁く場所である。

刑事事件には、事件の犯人だと思われる容疑者がいて、容疑者を訴える側の検事と容疑者の権利を守る側の弁護士が、お互いに証拠を出し合って容疑者が犯人かどうかを争い、両者の言い分を聞いた裁判官が判決をくだす。

しかし、実際のところ、事件の本質を見ず、容疑者の言い分も適当に聞き流し、検事と弁護士の二者が自分にとっても最も都合の良い判決を要求し、裁判官は両者の要求を聞いた上で、最も妥当なところで判決は決まってしまう



この映画では、容疑者の供述が二転三転し、事件の本質がつかめないまま、弁護士は裁判に突入する。

雲をつかむような状態のまま、裁判は進み、最後には判決がくだされる。



容疑者が供述を変えたにも関わらず、判決が変わらないのなら、裁判とは、一体誰のためのものなのか

裁判で悪が裁かれないのなら、一体、誰が裁くというのか

裁判とは、一体誰のために行われるものなのか。

殺人犯の三隅は、その理不尽さに苦悩し、自ら天罰をくだす道を選択するのだ。



映画「三度目の殺人」福山雅治



娘を守れない父の想い


弁護士の重盛も、この映画を観ている観客も、殺人犯である三隅の供述に惑わされてしまう。

殺人犯という程に凶暴な印象はなく、とても穏やかで真面目そうに見える。



しかし、話が二転三転していくのだ。

始めは「酒を飲んでいて、社長の金が欲しくなって殺した」と言い、それが、その後、「社長の奥さんに頼まれて殺した」という。

そして、しまいには「私は殺してない」と言い出すようになる。



そんなふうに、のらりくらりと人を困らせる三隅だが、最初から最後まで一貫して揺るがないことがある

それは、『娘に対する想い』である。



彼が『一度目の殺人』で実刑判決を受けた時、まだ幼い娘がいた

その娘は、父が実刑判決を受けた後、北海道の田舎町で『殺人犯の娘』として30年間生活し、その結果、「お父さんなんか死ねばいいのに」が口癖になる



三隅は、刑務所の中で、娘に悲しい思いをさせてしまったことを悔いながら生きるようになる



映画「三度目の殺人」福山雅治、役所広司



二番目の殺人で、娘の願いを叶える。「お父さんなんか死ねばいいのに」


三隅の娘と同じく、「お父さんなんか死ねばいいのに」と思いながら生きていたのが、三隅が殺した社長の娘・咲江(広瀬すず)である

三隅は、実の娘と同じく足が悪い咲江に自分の娘を重ね合わせるようになり、まるで我が子のように世話を焼くようになるのだ。



刑務所にいて、娘にしてあげられなかったことを、咲江に対してしてあげたい

そう思ったに違いない。



やがて、三隅は咲江から悩みを聞かされるようになる。

それは、咲江が父親から性的暴行を受けているという衝撃の事実だった。



実の娘同然の咲江が暴行されていると聞いて、三隅は社長のことが許せなくなった。

娘を暴行していた社長こそが、三隅の言う「生きる価値のない人間」のことである

それが、二番目の殺人の動機となった。



しかし、もしも、咲江と社長の関係を警察に訴えようものなら、咲江は裁判で証言することになる。

裁判で証言するということが、どんなに酷いことで、それが咲江の一生の心の傷になることを三隅が一番よく分かっていた。



罪のない被害者が、なぜ、苦悩を抱えて生きなければならないのか

その理不尽さに突き動かされた三隅は、神に代わって社長に天罰をくだしてしまう

そうして、三隅は二番目の殺人で、咲江の「お父さんなんか、死んでしまえばいいのに」という願いを叶えることになる



その三隅と咲江の関係を見て、三隅に自分の姿を重ね合わせたのが、弁護士の重盛である

重盛は妻と離婚し、娘のそばにいられないことに悩まされていた



『娘と会う時は、彼女が万引きをして捕まった時だけ』という悲しい関係の二人。

彼女にとって『万引き』は、お父さんに会いたい時のサインなのである。



忙しく仕事に追われながらも、常に心の片隅では娘のことを考える重盛にとって、三隅の動機は他人事ではなかった。

刑務所の面会場で向かい合った二人は、時折、二人の間にある透明のついたてが消え去り、二人の姿が重なる。



弁護士と容疑者の関係ではあるけれど、二人は表裏一体で、共に「娘への想い」でつながっていた

お互いの地位に違いはあっても、心の中の思いに大きな違いはない。



重盛だって、娘が誰かに酷い目に遭わされたら、きっと殺したいと思うだろう。

裁判では、それ相応の罰が与えられないことを誰よりもよく知っているはずだ。

共に、娘を守れない父親同士だからこそ、相通じるものを感じているに違いない。



映画「三度目の殺人」広瀬すず



三番目の殺人。自分を殺して神にその身を捧げる-「自己犠牲」の精神-


三隅にとって、一番目と、二番目の殺人の間で、大きく違うのは『神』の存在である。

そこは明確には描かれていないけれども、一番目の殺人で刑務所に入った時に『神の教え』と出会ったのだろうと思った。



刑務所で『神の教え』に目覚める人はとても多いからだ。



仮出所した三隅は、重盛の父である裁判長に手紙を書く。

決定的な証拠もなく、状況証拠だけで実刑を受けてしまった三隅は、きっと裁判長を恨んでいたはずだ。

それなのに、裁判長に手紙を書いたのは、神の教えに基づき、「裁判長を許した」ということなのだと思った。



彼がキリスト教に入信しているのは、カナリアの墓や社長を殺した跡の十字を見ても明らかである。



その三隅が、裁判の後半で急に供述を変え、「私は殺していない」と言い出してしまう

「情状酌量」の線で減刑を希望していた重盛にとって、それは許せないことだった。



ここで無罪を主張したら、「反省の色なし」と見られ、確実に死刑判決を受けてしまう。

しかし、その時すでに三隅に自分の姿を重ね合わせていた重盛は、冷静な判断ができなくなってしまっていた。



重盛は、三隅の「殺していない」という主張を信じ、裁判長に『無罪』を訴える。

この時、重盛は三隅のその『無罪』の裏にある真意を理解した上で、「そうさせてあげたい」と思ったんだろうと思う。

その理由は、裁判後の最後の三隅と重盛の面談で明かされる。



結局、三隅は裁判長から「死刑」の判決を受ける

この時、三隅にとっての『三度目の殺人』が成立したのだ

最後に殺したのは、自分自身だったのだ



三隅が社長を殺す前から望んでいたのは、咲江に恥ずかしい証言をさせないことだった。

実の娘のように思っていた咲江の口から、「父親から性的暴行を受けていた」なんて衝撃的なことを言わせないこと。

「それがどんな風に行われていたか」なんてことを、咲江に裁判所で語らせないこと。

もしも咲江がそんなことをしたら、実の娘が『殺人犯の娘』と言われたのように、後ろ指を指されながら一生を終えなければならない。



咲江にそんな酷い一生を送らせたくない一心で、三隅は自分が死刑になることで裁判の論点を変え、咲江を証言台に立たせないようにし、最後まで咲江の未来を守り通したのだ

それは、キリスト教で最も美しいとされる「自己犠牲」の精神である



映画「三度目の殺人」斉藤由貴、広瀬すず



本当の悪は裁判では裁かれない。神に裁きをゆだねる三隅の想い


この事件で起こったことを整理して考えてみると、

本当の『悪』は、娘を暴行していた社長である。

しかし、本来裁かれるべき『悪』は被害者として登場する。

裁判ではその悪の真相に一切触れることなく終了してしまう。



三隅は、その理不尽さを重盛に訴え続けていた。

しかし、咲江が辛い思いをせずに、咲江の父親を裁くことは、今の法律ではできない。

重盛もまた、そこに弁護士としての限界を感じ、最後は三隅の思うままにさせてしまう。



一番目の判決で有罪判決を受けた三隅は、「裁判所は、本当の悪を裁かない理不尽なところ」だと知り、

その上、一人残した娘に悲しい思いをさせてしまい

二番目の殺人で、我が子同然である咲江の願いを叶え

三番目の殺人では、『自己犠牲』の精神で自らの命を神に捧げ、これまでの自分の悪行を浄化する



その三隅の行動を通して浮かび上がってくるのは、「善悪」より「勝ち負け」を優先する裁判所の在り方である

容疑者が何を供述しようがしまいが、裁判官、検事、弁護士の間で『判決は決まっている』ということ。



それを三隅は、一番目の裁判で学習したから、本物の悪の裁きは神様にお願いしようと思った。

それが三隅の動機であり、だからこその十字架だった



三隅は、裁判所では『死刑判決』を受けたけれども、『自己犠牲』をしたことで、ようやく自分にも価値があることができたと思ったのではないだろうか。

判決後の重盛の面会で、とても清々しい表情で現れた三隅に、その思いが現れている



人殺しをして、三隅の魂は本当に救われたのか

始めからゴールが決まっているなら、裁判を行う意味があるのか

その真実は、神様だけが知っている



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細田守監督の映画「未来のミライ」をU-NEXT で観た。

妹ができたばかりで、赤ちゃんがえりをした4歳児のくんちゃんの冒険と成長を描くアニメーション映画。


満足度 評価】:★★★★☆

4歳児のくんちゃんに妹ができて赤ちゃんがえりしたのは、両親のことが大好きだから。

妹も、お母さんやお父さんぐらい大好きになった時、くんちゃんはお兄ちゃんになる。

そんな家族の温かさ、大切さを改めて感じさせる映画だった


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『未来のミライ』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2019年7月6日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年7月12日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。



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キャスト&スタッフ


声の出演

〇 上白石萌歌


〇星野源

…(「おと・な・り」など)

〇吉原光夫

〇宮崎美子

役所広司
…(「オー・ルーシー!」、「孤狼の血」、「三度目の殺人」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)

…(「三度目の殺人」など)


監督・原作・脚本

〇細田守


2018年製作 日本映画



未来のミライ



あらすじ

お父さん(星野源)と、お母さん(麻生久美子)と犬のゆっこと暮らしていた4歳児のくんちゃん(上白石萌歌)の元に、お母さんが赤ちゃんをつれてきた。

赤ちゃんは「未来」と名付けられ、お父さんと、お母さんは未来ちゃんばかりをかわいがる。

これまで両親の愛情を全て独り占めしてきたくんちゃんは、誰もかまってくれなくて寂しくなり、部屋を散らかしたり、泣き叫んだりして両親を困らせる。

ある時、そんなくんちゃんの元に、未来の未来ちゃんがやってきて、時空を超えた冒険へ連れて行く…。



映画「未来のミライ」




感想(ネタばれあり)


赤ちゃんがえりする4歳児のくんちゃん


主人公は4歳児のくんちゃん。

それまで両親の愛情を一身に受けてすくすくと育っていたくんちゃん。

しかし、ある日、家に妹の未来ちゃんがやってくると、両親は未来ちゃんの面倒ばかりをみるようになり、くんちゃんのことは誰も気にとめなくなってしまう。



それは、もちろん両親からすれば、生まれたばかりの赤ちゃんに世話がかかるのは当たり前なんだけれど、くんちゃんにはそれが理解できない。

そのため、くんちゃんは生れてはじめて「嫉妬」という感情を抱き、「未来ちゃん嫌い!」「お母さん嫌い!」と言い、だだをこね始める。



私には子供がいないので、そんなくんちゃんを見ながら、「あぁこれが噂の赤ちゃんがえりかぁ」と思い、お母さんもお父さんも大変だなぁと思った。



では、そんなくんちゃんは、どうしたら赤ちゃんがえりをやめるのか。

それはくんちゃんが「赤ちゃん」から卒業して「お兄ちゃん」になることだ。



そこで、この映画ではくんちゃんがお兄ちゃんになるために、未来から成長した未来ちゃんがやってきて、くんちゃんを過去へ未来へと冒険に連れて行く。

その冒険を通して、くんちゃんは、小さな奇跡が積み重なって、お父さんとお母さんが出会い、くんちゃんが生れてきたことを知るのだ。



映画「未来のミライ」未来ちゃん



お母さんにも、お父さんにも、くんちゃんのような子供時代があった


くんちゃんは電車のおもちゃが大好きで、いつもおもちゃを広げて遊んでいた。

しかし、遊び終わっても広げたままにしておくと、「片づけなさい!」とお母さんに怒られる。

赤ちゃんがえりしたくんちゃんは、ますますおもちゃを広げてお母さんを困らせる。



そんなくんちゃんは過去に行き、子供の頃のお母さんと出会う。

そして、お母さんも子供の頃は片付けができず、散らかすことが大好きだったことを知る。



それならば!と、くんちゃんはお母さんと一緒に家中のものを散らかして、まるでパーティのように大騒ぎ。

ところが、そこへお母さんのお母さん(くんちゃんのおばあちゃん)が帰ってきて、お母さんは物凄く叱られてしまう。

くんちゃんは、おばあちゃんに叱られているお母さんをみながら、「お母さん、ごめんなさい」と思い、片づけられなかったことを反省するのだ。



お母さんだけではなくお父さんも、子供の頃はくんちゃんのように補助輪なしの自転車に乗ることができなかった。



くんちゃんは、片付けができないからお母さんに嫌われて、自転車に乗れないからお父さんに嫌われたと勘違いする。

だから、二人とも未来ちゃんばかり可愛がるんだ。

そう思っていたに違いない。



でも、そうじゃない。

お母さんにも、お父さんにも、くんちゃんと同じような子供時代があったのだ。

くんちゃんは時間旅行をしながら、両親にも自分と同じような子供時代があったことを知っていく。



映画「未来のミライ」くんちゃん



小さな奇跡の積み重ねで出会った家族


くんちゃんが知ったのは、両親のことだけではない。

戦争へ行って、運よく命が助かって帰ってきたひいじいちゃんや、いつもくんちゃんのことを気にかけてくれている犬のゆっこまで。



くんちゃんは、その冒険旅行を通して、ひいじいちゃんが生れる前から、日々の小さな奇跡を積み重ねて、今の家族が出会い、自分が生れてきたことを知るのだ。

東京駅に行き交う大勢の人たちの中で、両親を探し出すことがとても難しいことのように、ひいじいちゃんが、ひいばあちゃんと出会い、お母さんがお父さんと出会い、くんちゃんが生まれ、さらに未来ちゃんと出会うまで、たくさんの奇跡を重ねて、今のくんちゃんがいるのだ。



確かに、私も祖父母や両親がいるのは当たり前で、その出会いにどんな奇跡があったのかなんて気にしたことがなかった。

一度、自分のルーツについてさかのぼってみると、そこに、思わぬドラマを発見するかもしれない。



くんちゃんは、過去と未来へ冒険をすることで、新しくやってきた「未来ちゃん」が家族の一員だと自覚する。

そして、くんちゃんにとって未来ちゃんは「守ってあげなくてはいけない存在」だと気付くのだ。



それまでのくんちゃんの冒険は、くんちゃんがお兄ちゃんになるための旅であり、「未来ちゃんはくんちゃんの妹!」と自覚することでゴールを迎える

そして、これまで、くんちゃんは両親の愛情を奪った未来ちゃんが嫌いだったのが、大切な妹になったのだ。



映画「未来のミライ」くんちゃんと未来ちゃん



毎日、笑ったり泣いたりできるのは、家族がそこにいるから


一人だけで生まれ、一人だけで生きている人などいない。

どんな形であれ、全ての人に家族がいる。



「どうして自分はこの家に生まれ、赤ちゃんがやってきたのか」ということについて語られているこの作品は、哲学的でもあって、子供向けというよりも、大人が観る作品だと思った。



くんちゃんぐらいの年頃の子供たちは、私たちには何年も時間がかかるようなことを、あっという間に覚え、すごいスピードで成長していく。

成長しているのは子供たちだけではない。

そんな子供の成長を見ながら、大人たちも教えられ、日々成長している。



毎日おいしくご飯が食べられるのも、安心して仕事に行けるのも、やりたいことを勉強できるのも、楽しい時に笑えるのも、悲しい時に泣けるのも、その基点には家族があるからだ。

その家族とは、何気ない日常を毎日大切に生きていることで出会った奇跡の積み重ねでできている。

みんなが幸せな生活を送るために、家族を大切にすべきだと、この映画に教えられた。



今、幸せに生きていられるのは当たり前のことではない。

様々な奇跡を積み重ねて今があるのだと改めて思った作品だった。


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役所広司主演の映画「孤狼の血」を映画館で観た。

昭和63年の夏。広島で抗争する二組のヤクザと、その仲裁をするヤクザのようなマル暴刑事、そんなヤクザと刑事たにもまれながら成長していく新人刑事の姿を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かったーー!!

世間知らずの青年が上司とヤクザにもまれて成長していく話だった。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「孤狼の血」予告編 動画




更新履歴・公開情報


・2018年5月19日 映画館で本作を観ました。

・2018年6月7日 感想を掲載しました。

・2019年2月3日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者



…(「焼肉ドラゴン」など)


ピエール瀧
…(「アウトレイジ 最終章」、「怒り」、「凶悪」など)


〇石橋蓮司

…(「天空の蜂」など)



監督



2018年製作 日本映画



孤狼の血





あらすじ


昭和63年の夏。

広島の呉原で暴力団 五十子会系 加古村組と尾谷組が対立する中、加古村組の金庫番が失踪。

所轄に配属されたばかりの新人刑事 日岡秀一(松坂桃李)は、マル暴のベテラン刑事 大上章吾(役所広司)と共に捜査を開始する。

しかし、そのことをきっかけに加古村組と尾谷組の対立が激化する…。



孤狼の血2





感想(ネタバレあり)


二組のヤクザとマル暴刑事と青二才の新人



昭和63年といえば昭和最後の年であるが、暴力団にとっては「暴力団対策法」が施行される直前である。(平成3年施行)

ということは、ヤクザが最もヤクザらしかった時代の末期ともいえる。




そして、舞台は広島。

最もヤクザが似合う町である。

つまり、この映画は、ヤクザが最も似合う町で、ヤクザがヤクザらしくいられた時代を舞台にしている。



登場するのは、二組のヤクザ 五十子会系 加古村組と、尾谷組。

尾谷組の組長は刑務所の中にいて、統率力を欠いているところに、加古村組の勢力が増していた。

そんな二組の暴力団の抗争の中心地にいて、互いをけん制しているのはマル暴の刑事 大上だった。



そして、その大上の元へ監視役として送り込まれたのが、新人刑事の日岡だった。

日岡は地元 広島大学出身のエリートで、まだまだ若く、正しい正義観と倫理観を持ち、曲がったことの許せない青二才である。



この映画は、その日岡がヤクザとベテラン刑事 大上にもまれながら、理想と現実の違いに打ちのめされながら、一人前の刑事として成長していく物語である。



孤狼の血3




ヤクザ同士が対立する中心でカタギの盾になるマル暴



そのベテラン刑事の大上は、ワイロ、暴行なんでもありで、「彼は汚職刑事か?」と聞かれると「限りなく黒に近いグレー」というタイプである。

まだまだピュアで真っ白な日岡からしたら、今すぐにでも「内務捜査」を開始したいタイプだった。



しかし、物語が進んでいくうちに、その大上に対する「汚職刑事」という見立ては、表面的な部分しか観ていないということが分かってくる。

大上は対立する二つの組織の間に立ち、互いの組の事情を理解し、彼らの抗争がカタギに飛び火しないように監視することが役割だった。



だからと言って、ワイロを受け取ることは法律的には正しくない。

けれど、真木よう子演じるママのように、彼のおかげで守ってもらえた人がいたのも事実である。



私が育った地域(横浜)も、組員の人たちが近所に住んでいて、それなりに新聞沙汰になるような抗争事件や、発砲事件もあったけれど、その近所で子供たちは安心して遊んでいたし、カタギの人たちが巻き込まれたという話は聞いたことがない。

それは、私たちの知らないところで、大上のような「限りなく黒に近いグレー」な刑事が、ヤクザたちに対して目を光らせていたからなのかもしれないなと、この映画を観ながら思った。



しかし、それも昭和までのこと。



現代は北野武監督作品「アウトレイジ 最終章」に見られるように、ヤクザも暴力団対策法の間をぬって、より狡猾に生き延びるようになった。

私たちが意識しないうちに、ヤクザの会社が一般社会に浸透している…かもしれない時代なのだ。



孤狼の血4




正義やルールでは測れない社会の複雑さ



この映画を観始めた前半部分では、エリート゛広大゛日岡の言っていることは正しいけれど、きれいごとと理屈のオンパレードで、ずいぶんトンチンカンだなぁと思っていた。



しかし、なるほど、彼の「絵にかいたような正義感」が、社会では通用しないことを大上が教えてくれるのだ。



恐らく、多くの人たちの中に日岡のような「正しい倫理観」があって、彼らは常識や法律を守らなければいけないと思っている。

ところが、この世の中は、そんな「常識」では解決できないことがたくさんあるのだ。



そんな「きれいごとでは済まされない」世の中を、世間知らずの日岡と、彼と同じ思考回路で観ている観客に示し、「常識と倫理観」について疑問を投げつけるのが大上の役割である。



もしも、大上がいなかったらママは刑務所に入っていたし、そしたら彼の息子はどうなるのか。

非行に走って、ママが出てきた頃には組員の一人になっていたかもしれない。



それはそれで正解なのかもしれないが、大上は大上で彼の思う正しいことをしたのだ。

私は、大上の行動を全面的に支持したいと思った。



うまいこと二つの組織が共存していたのも、大上がいてこそのことだったのだろうと感じる。



そんな大上の役割を知った日岡は、それまで彼の中で確立されていた倫理観が覆され、さまざまな「生き方」を大上に教えられる

世の中は彼が思う以上に複雑で様々な人たちの思いが絡み合い、正しい常識やルールでは測れないことがたくさんある。

学歴は日岡の方が立派かもしれないが、生きていく術にかけては大上の方が何枚も上手なのだ。



孤狼の血5




昭和と平成の間に生まれる孤狼なハイブリッド刑事



そして、大上から生きる術を学び、平成へと切り替わる年に、日岡という新しい刑事が生れるのだ。

彼は昭和の悪徳刑事 大上のDNAを受け継ぎ、ヤクザとの戦い方を学び、それを咀嚼して彼自身のオリジナルの狡猾さを身に着けていく



それが、ラストに現れている。

それまでの「暗黙の了解」ならば、ボスである一之瀬(江口洋介)を守って自首した下っ端を逮捕するはず。



しかし、日岡にはその「暗黙の了解」が通じない。

彼は一之瀬本人を逮捕してしまうのだ。



それは、彼が昭和と平成をミックスした新しい時代のハイブリッド刑事となって成長したことを示している。

「卑怯だ」とか「ずるい」という言葉は、彼にとって誉め言葉である。

なぜなら、彼は「孤狼の刑事」だからである。



これは、血生臭いヤクザの抗争を背景に、一人の世間知らずで頭でっかちな青年が理想と現実の違いに傷つきながらも、成長し、大人になっていく姿を見事に描いた作品だった。








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寺島しのぶ主演の映画「オー・ルーシー!」を映画館で観た。

43歳独身OLの節子が、うんざりするような毎日を捨て、これまで押さえつけていた本当の自分を取り戻す物語。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かった!

これは、うんざりするような毎日とサヨナラする方法を描いた日本のOLたちへの応援歌だった。

新しい世界に飛び込むには勇気もいるし、失敗もしてしまうけれど、それを上回る素晴らしい体験がある。

そして、その先には、思いがけなない救世主が待っている。…かもしれない。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「オー・ルーシー!」予告編 動画

(英題:OH LUCY!)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年5月18日 映画館にて観た感想を掲載。

・2019年1月19日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信にて販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者



…(「わが母の記」など)

役所広司
…(「孤狼の血」、「三度目の殺人」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)

…(「デッドプール2」、「女が眠る時」など)




監督・脚本

〇平柳敦子


2017年製作 アメリカ・日本合作映画



オー・ルーシー!





あらすじ


43歳の独身OL 川島節子(寺島しのぶ)は、肩身の狭い思いをしながら会社へ通う毎日。

ある日節子は、姪の美花(忽那汐里)から

「今まで通っていた英会話教室に行けなくなってしまったから、代わりに行ってくれないか」

と言われ、節子は美花が支払い済みの受講料 60万円を支払い、代わりに英会話教室へ行くと、アメリカ人教師のジョン(ジョシュ・ハートネット)から「ルーシー」という英語名を与えられ、ジョンからハグをされ、今まで味わったことないような時間を過ごす。

しかし、次回、教室へ行くと、ジョンは美花と共にいなくなり、アメリカへ帰ったと言われてしまう。

そこで、節子は美花の母で姉の綾子(南果歩)を連れ、美花とジョンを追ってアメリカへと向かう…。




オー・ルーシー!5






感想(ネタバレあり)


「つまらない毎日」を過ごすOLたちに贈る応援歌



汚部屋で暮らす43歳 独身OLの節子。

駅で痴漢に遭い、満員電車にゆられて会社に行く毎日。

その日は、最寄り駅で人身事故に遭遇した。



会社へ行けば、愛想笑いと噂話。

好きでもない仕事のために一日をオフィスで過ごしている。

そんな節子の日常を見て、「節子って私みたい!」と思う人もいるかもしれない。



節子は、うんざりするような毎日を過ごしているOLたちの気持ちを象徴するようなキャラクターなのだ。

私もかつて「つまらない毎日にうんざりしていたOL」だったから、その気持ちがよくわかる。



私はそんな毎日を過ごすうちに身体を壊してしまい、強制的にその「つまらない日々」からつかみ出され、それ以来、好きなことをして過ごす毎日にシフトチェンジした。

しかし、節子のような人たちに、「そんなに毎日がつまらないなら、さっさと仕事を辞めればいいのに」と言ってもなかなか難しいのだ。

「好きなことをしろ」と言われても、何をすればいいのか分からないし、40歳を過ぎて転職するなんて危険すぎる



しかし、私が身体を壊して強制的にその「つまらない毎日スパイラル」からつかみ出されたように、何かの大きな力によって動かされれば、思いがけないところで扉が開け、そこでは「飾らない自分」でいられる世界が待っているかもしれないのだ。



この映画では、そんな「つまらない毎日スパイラル」を送っているOL節子が、一念発起して「アメリカ旅行」をしてみたら、今まで気付くことのなかった新しい自分に気付き、思いがけないところから救世主が現れるという希望を描いた物語である。

それは、つまらない毎日を過ごしている日本のOLたちへの応援歌だと思った。



「あなたたちの未来は未知数である。

今からでも遅くない。

今まで観たことがなかった世界に飛び込んでみよう」

そんなメッセージを感じる作品だった。



オー・ルーシー!3




アメリカ人教師ジョンとの出会いが新しい世界への扉を開くきっかけに


節子を「つまらない毎日スパイラル」から引きずり出すきっかけを与えたのは、英会話教師のジョンである。

ジョンは節子にルーシーという英語名を与え、教師と生徒という関係を越えて「リラックスして、フランクに話すこと」を強要する。

それは、真面目な日本人にとってはとても難しいことなのだ。



その上、ジョンは「自称ハグ魔」である。

あいさつ代わりにハグをするアメリカ人の中でも、ジョンは「よりハグ好き」なタイプなのであり、誰とでも気軽にハグをする。



初めて行った英会話教室で、節子はそんなジョンから「フランクに話そうよ」と言われ、いきなり「ハグ」されるという、アメリカ式人付き合いの洗礼を受ける。

いかにも絵に描いたようなアメリカ人のジョンは、内気な日本人女性からしたらちょっと戸惑ってしまうタイプである。



しかし、節子はそんな戸惑いの中に新たな自分を発見したようだった

その時、節子はこれまでにない「人との距離の近さ」と、「ハグ」というスキンシップに人の温かさを感じたのだ。

金髪のかつらをしてルーシーになりきった節子は、彼女の生活にはない解放感を得たのだ。



ジョンこそが、節子にとって新しい風であり、彼女を新しい世界へ導く扉だったのだ。



ところが、その調子で英会話教室に通い続けようと思ったら、ジョンは姪の美花を連れてアメリカへ帰ってしまう。

そのため、節子は「新しい世界を見せてくれた」ジョンを追ってアメリカへ行ってしまうのだ。

きっと、その時の節子は「ジョンに会いたい」一心であり、仕事を休むこととか、何にも考えていなかったかもしれない。

けれど、その「感情におもむくまま行動すること」こそ、新しい人生を開く原動力となるのだ。



オー・ルーシー!2




失敗した経験の裏で得られたワクワクドキドキの初体験


しかし、思い切って清水の舞台から飛び降りた結果、節子を待ち受けていたのは惨憺たる結果だった。

ジョンには振られ、美花とつかみ合いのケンカをし、姉の綾子から突き放される。

新しい世界に期待を抱いてアメリカへ渡った節子だったが、結局一人ぼっちになってしまう。



けれど、節子がアメリカで経験したのは悪いことばかりではない

アメリカのモーテルに泊まることも、腕にタトゥーを入れることも、車を運転することも、全て初体験であり、ジョンが見せてくれた新しい世界だった。

全て、ワクワクドキドキしながら手に入れたものだったはず。



それまで、そんなにワクワクドキドキするようなことが、彼女の日常生活にどれだけあっただろうか

満員電車に揺られ、会社と家を往復するだけの毎日に、そんなときめきがあっただろうか



でも、もし、節子がアメリカへも行かず、休みも取らずにそのまま通勤し続けていたら、どうなっていただろうか。

ジョンを追ってアメリカへ行かなかったことを後悔し続け、その後は、彼女がバカにしていたお局への道まっしぐらではなかっただろうか。



その時、節子はアメリカへ行ったことで、「新しい世界へ飛び込む勇気」を身に着け、「うんざりする毎日」を節子から捨ててやったのだ。

それは、他の女子たちには真似できないことである。



それこそが、「つまらない毎日」を送り続ける節子に必要な「チェンジ」だったのだ。

「失敗すること」を恐れて何もせずにいたら、何も得ることはできないけれど、新しい世界に飛び込んだ結果失敗してしまっても、得られることはたくさんあるのだ。



オー・ルーシー!4




勇気あるチェンジを神様は見ていてくれる


そして、そんな節子の「チェンジ」を神様は見ていてくれる

思わぬところから「トム」という救世主が現れるのだ。



トムはかつて、家族をおざなりにして仕事中心の生活をしていた結果、家族を失うという過去を持っていた。

そんなトムだからこそ、節子の痛みを感じて理解していたのだろうと思う。

節子は、思いがけないトムの優しさに癒され、救われる

そうして、節子は「うんざりする毎日」にサヨナラしたのだ。



もしも、つまらなくて、満たされない毎日を送っているのなら、そこから飛び出す勇気が必要だ。

その結果、ワクワクドキドキを得る反面、痛いこと、辛いことも経験するかもしれないし、失うこともあるかもしれない。



しかし、それ以上に得るものはたくさんあるし、今までにない新しい世界が待っている。

それに、「やった後悔」よりも「やらない後悔」は、一生引きずり続ける

だから、目の前の「好きなこと」に飛び込んでみようよ!とこの映画は世のOLたちにエールを送っているのだ。



多くの「つまらない毎日」を送っているOLたちがこの映画を観て、何かを感じて新しい人生を始めてくれるといいなと思った。





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役所広司岡田准一主演の映画「蜩ノ記」をWOWOWで観た。

ある罪に問われ、10年の幽閉の後、切腹を言い渡された武士と、彼を監視するために使わされた若い武士の心の交流を描く。

満足度 評価】:★★★☆☆

主人公である戸田の潔い人生の美しさは分からなくもないけど、私にはどうにもその選択が素晴らしいと思えず、受け入れることができなかった。

そのため、ちょっと退屈した映画だった。


出演役所広司岡田准一、堀北真希、原田美枝子、寺島しのぶ、青木崇高、井川比佐志、串田和美

監督:小泉尭史 2013年製作 日本映画

「蜩ノ記」予告編 動画





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原作本「蜩ノ記」

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あらすじ


武士の戸田(役所広司)は、江戸で側室(寺島しのぶ)と密通し、彼らの関係をを知ってしまった武士たちを切りつけ殺したという罪に問われ、10年間の幽閉の後、切腹を言い渡された

その10年の間に彼に与えられた使命は、藩の歴史を書物として残すことだった。

また、城内で友人との口げんかが取っ組み合いに発展し、相手を切りつけてしまった檀野(岡田准一)は、その罰として戸田の監視役を言い渡される。

戸田が幽閉を言いつけられてから7年。

檀野が戸田の監視についた時、戸田の切腹まで残された年月はあと3年だった。


蜩ノ記

感想(ネタバレあり) 前半はサスペンスのような気持ちで…


たとえそれが不条理なことであっても、自分の身の周りに起きていることの全てを受け入れ、文句の一つも言わず潔く美しく生きていくこと。

それが、この映画を観て感じたことだった。

主人公の武士、戸田は身に覚えのない罪に問われ、10年の幽閉の後、切腹をすると言い渡される。

それから7年。

城内で友人を切りつけてしまった武士の檀野は、その罰として戸田の監視役に任命される。

檀野は戸田について「側室と密通していた戸田」であり、「藩の歴史書を編纂中」という情報しか与えられていなかった。

初めのうちは、私も檀野と同じように、その戸田っていうのは、いったいどんな人なんだ??

いろいろ推察しつつ、少々サスペンス的な感じを持ちながら、この映画を観ていた。

蜩ノ記4

不条理な事実も潔く全てを受け入れる生き方…


そして、映画の中盤でその全貌が明らかになる。

戸田は側室と密通どころか、彼女の命を守ったのだが、それが跡目争いの大きな渦に巻きこまれる原因となり、戸田は政治的な圧力で犯罪者に仕立て上げられてしまった。

実は、その側室は戸田家の家臣の娘であり、戸田にとっては幼なじみでもあった。

そのために、戸田は側室の命を守るためにも、何も言わずに、残り10年の命を受け入れることとなった。

んーーー。これが、私にはどうにも受け入れられることができなかったことだった。

私なら、もっともっと泥臭く、全てを失っても自由を獲得したいと思う。

そんな時代じゃないと言われればそれまでだけど、他人のために自分の命を捧げることが美しい生き方だとは私には思えない。

蜩ノ記2

残された命を一日も無駄にしないように


夏の終わりに鳴く蜩(ヒグラシ)。

「夏が終わり秋が来るのを惜しむかのように鳴く」

その蜩に思いを寄せるかのように、戸田が書き続けていた日記が蜩ノ記だ。

残された命を一日でも無駄にしないように、季節の移り変わりから、日々起きた些細なことまで記していた。

そして、そんな戸田から「武士としての生き方」を学んだ檀野は

「侍として正直な一生を生きて行きたい」と言う。

「正直な」と思うなら、尚更、戸田の無実を証明できなかったのか…と思ってしまう。

その、どうにもならない理不尽な結末が、この映画を退屈だと思ってしまった原因だった。


蜩ノ記3

私は、這いつくばってでも「生」に執着して生きていきたい


江戸時代、農作物の不作が続く中、武士は農民から搾取し、商人は、なんとか殿様に取り入ろうと裏から手を回す。

戸田は、そんな時代を変えたいと思った人物だった。

その意志は、檀野や息子の郁太郎に受け継がせることができたと思ったのだろうか。

潔く、この世を去っていった。

んーーー。それでも、私は地べたを這いつくばってでも生きていきたい人間で、

戸田も、もっとこの不条理な世の中を嘆いたり、「生」に対する執着心があっても良かったと思う。

そしたら、もっと戸田を理解できたし、好感が持てたように思う。

でもな、そんな生き方はこの「侍の美学」からはずれてしまうから、ダメなのかな…。

んーーー。私には、どうにも受け入れられない美学だった。





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役所広司主演の映画「わが母の記」をWOWOWで観た。

井上靖の自伝的小説「わが母の記」を役所広司樹木希林で映画化。

痴呆症で少しずつ記憶をなくしていく母と、幼い頃から「母に捨てられた」という想いが捨てきれない息子が心を通わせていくことで、その真実を知る物語。

満足度 評価】:★★★★☆

とても日本人らしい「家族だから言えない」という奥ゆかしさを感じる映画だった。

言葉にできない想いの深さに涙が溢れる。


「わが母の記」予告編 動画





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キャスト&スタッフ


出演者

役所広司
…(「孤狼の血」、「オー・ルーシー!」、「三度目の殺人」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)


…(「怒り」など)

…(「オー・ルーシー!」など)


監督



2011年製作 日本映画



あらすじ


1964年。小説家の伊上洪作(役所広司)は、父を亡くしたことをきっかけに数年ぶりに母(樹木希林)に再会する。

というのも、幼い頃によそへ預けられた伊上は、その頃から「母に捨てられた」という想いを捨てきれぬまま過ごしていた。

しかし、父の死後、母は少しずつ記憶を無くし始めたことを機に、時々家で預かるようになり、母との時間が増えるようになるのだが…。



わが母の記



感想(ネタバレあり)


離れて暮らす息子を想う母、母の心を知らぬ息子


母の子を想う気持ちに泣かされた映画だった。

息子は幼い頃に母に捨てられたと思っていた。

しかし、記憶が薄れていく母との会話でそれは息子の一方的な勘違いだと分かる。

母は幼い頃に息子が書いた作文を、毎日大事そうに持ち歩き、次はいつ会えるのかと思いながら暮らしていた。

息子は母がその作文を読んでいる姿を見ながら、思わず泣いてしまう。

私も、このシーンに泣かされた。

目の前にいる人が息子だと分かっているのかいないのか、遠くを見つめながら作文を読む母の姿が切ない。

記憶をなくしても、息子への想いはなくさない。

それが母の愛。

私の心に残るその情景は、陽だまりような暖かい愛だった。



わが母の記2



日本人だからこそ、すれ違った想い


家族の形は千差万別。

何でも言い合える家族もあれば、今さら正面切って言えない家族もある。

特に日本人は感情表現が苦手な民族だから、この主人公の伊上の家庭のようにお互いに奥歯に物が挟まったような言い方をする家庭が多いように思う。

長い間接していない親子なら尚更だろう。

母も素直に、「あの時は事情があって…」と説明しておけば、後々面倒なことにはならなかった。

伊上も、「お母さんにもきっと事情あったのでしょう」と聞けば、母はすんなり答えてくれたかもしれない。

なぜか。

照れくさい思いもあれば、言わなくても分かってもらえるとお互いに甘えてしまう部分もあるのだと思う。

言わなくても分かってもらえることなんてないのにね。

でも、そう簡単に愛情表現できないからこそ、伊上は小説家になったのだろうし、母は物語の主人公になったのだろうと思う。

そんな母の元に生まれてくるのが、伊上の運命だったんだろうな。



わが母の記3



息子・役所広司、母・樹木希林


主人公の小説家・伊上を演じるのは、役所広司

実の母に愛情を注がれなかったという思いからか、自分の娘たちにはできる限りの愛情を注ぎ、不自由なく育てる伊上。

しかし、実は十分に愛情を受けていたことを知った時の嗚咽を振り払うような日本男児の「泣き」がとても印象的だった。



わが母の記4



伊上の母を演じるのは、樹木希林

母、八重は本当に痴呆症なのか、痴呆症の演技をしているだけなのか、その振る舞いがあまりにもリアルだった。

八重の姿を見ながら、晩年、痴呆症になってから暴れては家族を困らせ、徘徊しては警察にお世話になっていた我が家の祖父を思い出した。

それ程までに現実味のある演技に驚かされた。

本当に素晴らしい女優さんだと思う。



わが母の記5



日本が忙しさと共に失ってしまったもの


昭和の高度経済成長期。

ハワイへは船で行っていた頃。

家族の中心は母であり、母に何かあれば、家族が集まっていた時代。

母が痴呆になれば、家族で介護するのが当たり前だった。

当時はまだ今ほど裕福な時代ではなかったかもしれないけど、今より人の心にゆとりがあったんだなぁと思う。

人は、この時以降、忙しさと共に何かを失ってしまったのではないかと思う。

かといって、今の私に在宅介護ができるかと言われたら、できないけど。

心にゆとりと愛情を持って周りと接することを少し忘れてしまっているのではと思った。





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