とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:日本映画



私がかつてコレクションしていた映画パンフレットをメルカリで販売することになりました。

日々「メルカリ」に出品した商品をツイッターで紹介しているのですが、こちらにも掲載していきます。
ハリウッド大作映画」「ミニシアター系映画」「日本映画」「日本映画 その2」「日本映画 その3」「日本映画 その4」「日本映画 その5」の3ジャンルに分けてご紹介します。
(そのうち、それに当てはまらない作品が出てくるかも)

このページは「日本映画【その6】」のページです。

どのパンフレットも直射日光の当たらない部屋で保存していましたので、色落ちなどはしておりません。

このパンフレット欲しかった!という方はメルカリの販売ページよりご購入ください。
(掲載しているツイッターのコメントの中に販売ページへのリンクが記載されています。)




映画パンフレット販売 日本映画編


現在販売中のパンフレット

きょうのできごと金融腐蝕列島 呪縛クイール空中庭園

【SOLD OUT】キッズ・リターン / カーテンコール【SOLD OUT】千と千尋の神隠し / 世界の中心で、愛をさけぶ

蝉しぐれ【SOLD OUT】かもめ食堂 / シュガー&スパイスジョゼと虎と魚たち

サマータイムマシン・ブルース【NEW】パッチギ



他にもあります→






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きょうのできごと


2004年公開作品。

サイズ:A4版

【訳あり】
・裏表紙にシミがあります。
3枚目の写真にシミのアップがあります。
ご了承の上、ご購入ください。


監督:行定勲

出演:田中麗奈、妻夫木聡、伊藤歩 、池脇千鶴 、松尾敏伸 、柏原収史 、三浦誠己 、石野敦士 など


【掲載内容】
・行定勲 監督インタビュー
・出演者インタビュー(田中麗奈、妻夫木聡、伊藤歩、池脇千鶴、松尾敏伸、柏原収史、三浦誠己、石野敦士)
・原作者 柴崎友香 インタビュー ・サエキけんぞう(ミュージシャン/歯科医)、小松成美(ノンフィクション作家)によるレビュー



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金融腐食列島 呪縛


1999年公開作品。

サイズ:A4版

【訳あり】
・内部に多少シミがあります。
3枚目の写真にシミのアップがあります。
ご了承の上、ご購入ください。


監督:原田眞人

出演:役所広司仲代達矢椎名桔平、若村麻由美 、風吹ジュン など


【掲載内容】
原田眞人 監督からのメッセージ
・原作・脚本 高杉良からのメッセージ
・出演者(役所広司仲代達矢椎名桔平、若村麻由美、風吹ジュン)からのメッセージ
・田中辰巳(危機管理コンサルタント)、湯谷昇羊(「週刊ダイヤモンド」編集部) によるレビュー





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クイール


2004年公開作品。

サイズ:A4版(高さ低め)


監督:崔洋一

出演:小林薫 、椎名桔平 、香川照之 、寺島しのぶ 、戸田恵子 、黒谷友香 など


【掲載内容】
・監督 崔洋一について 内海陽子(映画評論家)
・横森文(映画ライター)、井上一馬(作家)によるレビュー




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空中庭園


2004年公開作品。

サイズ:A4版(高さ低め)


監督・脚本:豊田利晃

出演:小泉今日子 、板尾創路 、鈴木杏 、広田雅裕 、ソニン 、永作博美 、國村隼瑛太、勝地涼 、大楠道代 など


【掲載内容】
豊田利晃 監督 インタビュー
・撮影 藤澤順一 インタビュー
・照明 上田なりゆき インタビュー
・録音 柿澤潔 インタビュー
・美術 原田満生 インタビュー
・衣装 宮本まさ江 インタビュー
・ヘアメイク 小沼みどり インタビュー
・ヘアメイク 徳田芳昌 インタビュー
・編集 日下部元孝 インタビュー
・音楽 zak インタビュー
・楽曲 ヤジマカズヒデ(dip)インタビュー
・エンディングテーマ UA インタビュー
・特機 多正行 インタビュー
・フラワーデコレーション 猪本典子 インタビュー
・CG視覚効果 道木伸隆 インタビュー
・プロデューサー 菊池美世志 インタビュー
・豊田組空中庭園撮影日誌
・猪野 辰(SWITCH編集長)によるレビュー
・空中庭園 脚本
・小説「空中庭園」続編「夜道の家族」 角田光代



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カーテンコール


2005年公開作品。

サイズ:B5版


監督:佐々部清

出演:伊藤歩、 藤井隆 、鶴田真由 、奥貫薫 、津田寛治 など


【掲載内容】
・橋幸夫 によるレビュー
・佐々部清 監督 からのメッセージ
・秋田光彦(原案)からのメッセージ



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世界の中心で、愛をさけぶ


2001年公開作品。

サイズ:B5版


監督:行定勲

出演:大沢たかお 、柴咲コウ 、長澤まさみ森山未来、山崎努 など


【掲載内容】
・大沢たかお インタビュー
・柴咲コウ インタビュー
長澤まさみ インタビュー
森山未来 インタビュー
・山崎努 インタビュー
・行定勲 監督 インタビュー



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蝉しぐれ


2005年公開作品。

サイズ:A4版


監督:黒土三男

出演:市川染五郎 、木村佳乃 、緒形拳 、原田美枝子 、今田耕司 、ふかわりょう など


【掲載内容】
・黒土三男 監督 インタビュー
・市川染五郎 インタビュー
・木村佳乃 インタビュー
・撮影監督 釘宮慎治からのメッセージ
・音楽 岩代太郎からのメッセージ
・主題歌 一青窈 からのメッセージ
・美術監督 櫻木晶からのメッセージ
・関川夏央(作家)によるレビュー




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シュガー&スパイス


2006年公開作品。

サイズ:縦 23.6cm X 横 23.6cm

※メール便の規定サイズを超えるため、宅急便での発送となります。


監督:中江功

出演:柳楽優弥 、沢尻エリカ 、大泉洋 、チェン・ボーリン 、高岡蒼甫 、夏木マリ など



【掲載内容】
・柳楽優弥 インタビュー
・沢尻エリカ インタビュー
・大泉洋 インタビュー
・チェン・ボーリン インタビュー
・高岡蒼甫 インタビュー
・夏木マリ インタビュー
・中江功監督 インタビュー
・プロデューサー 大多亮 インタビュー
・原作者 山田詠美 インタビュー



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ジョゼと虎と魚たち


2003年公開作品。

サイズ:A4版(高さ低め)


監督:犬童一心

出演:妻夫木聡、池脇千鶴 、上野樹里 、新井浩文 、新屋英子 、江口徳子 など



【掲載内容】
・犬童一心 監督 インタビュー
・完成披露試写会 舞台挨拶 採録
・プロデューサーからのご挨拶(久保田修、小川真司)
・宮嵜広司(Cut編集長)、細谷美香(ライター)によるレビュー
・渡辺あやのイラスト・文によるシカゴ映画祭を行く
・シナリオ採録



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サマータイムマシン・ブルース


2005年公開作品。

サイズ:B5版


監督:本広克行

出演:瑛太、 上野樹里 、佐々木蔵之介 、ムロツヨシ 、真木よう子 、本多力 、与座嘉秋 、川岡大次郎 、永野宗典 、升毅 、三上市朗 、楠見薫 、川下大洋 など



【掲載内容】
・瑛太X上野樹里 対談
・本広克行監督 インタビュー
・永野寿彦(ライター)によるレビュー




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パッチギ


2005年公開作品。

サイズ:B5版


監督:井筒和幸

出演:塩谷瞬 、沢尻エリカ 、高岡蒼佑 、真木よう子 、小出恵介 、オダギリジョー、キムラ緑子 、ケンドーコバヤシ 、加瀬亮 など



【掲載内容】
・塩谷瞬 インタビュー
・沢尻エリカ インタビュー
・井筒和幸 監督 インタビュー
・松山猛(原案)インタビュー
・加藤和彦(音楽)インタビュー
・坂崎幸之助 インタビュー
・井筒和幸 監督 X 李鳳宇(プロデューサー)対談
・片岡真由美(映画ライター)、山田五郎(編集者・評論家)によるレビュー




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池松壮亮 主演、塚本晋也 監督の映画「斬、」を映画館で観た。

江戸時代末期の小さな村を舞台に「人を斬ること」について葛藤する武士の姿が描かれる。


映画「斬、」



満足度 評価】:★★★★☆

「やられたらやり返せ」という考えから生まれる報復の連鎖。

「平和を守るために」という大義の元で行使された武力がもたらしたのは破滅と狂気だったという皮肉。

これまでの時代劇は人を斬ることを軽く考えすぎていたのではと感じてしまう作品。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『斬、』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年12月8日 映画館にて鑑賞。

・2018年12月20日 感想を掲載。

・2020年1月19日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画『斬、』オフィシャルサイト




キャスト&スタッフ


出演者

池松壮亮
…(「万引き家族」、「紙の月」、「ぼくたちの家族」など)


…(「悪と仮面のルール」など)

〇前田隆成


監督・製作・脚本・撮影


塚本晋也
…(<出演作>「沈黙-サイレンス-」、「シン・ゴジラ」など)



2018年製作 日本映画




あらすじ


江戸時代末期の小さな村。

そこで暮らす浪人の都築杢之進(池松壮亮)は、改革が進む江戸を目指しながら、隣人の農家の娘・ゆう(蒼井優)や、その弟の市助(前田隆成)と共に平和な日々を暮らしていた。

ある日、その村に武士の澤村次郎左衛門(塚本晋也)が訪れ、杢之進と市助に「一緒に江戸へ行って改革の手助けをしてくれないか」と声をかける。

その話を快く受けいていた杢之進だったが、ちょうどその時、ならず者たちがその村に居座っていて…。



映画「斬、」


感想(ネタばれあり)


きっかけは、ちょっとした小競り合い


きっかけは、小さな小競り合いだった。

農家の息子・市助が、ならず者たちにバカにされたため、奴らに向かって行ったら顔が赤く腫れるほど殴り返されたという事件が起きる。



そのことに怒ったのは、姉のゆうだった。

ゆうは杢之進に「弟をこんな目に遭わされて黙ってられない。なんとかしてくれ」と言ってけしかける。

しかし、杢之進は「あの人たちの根は悪くない。こっちから手を出したんだし、放っておきましょう」と言って、彼女をいさめる。



杢之進は、平和的解決を望んだのだ。

そこで逆上したら、ますます話は大きくなってしまうと思ったからだ。



しかし、たまたまその時、そこに滞在していた武士の次郎左衛門が「2~3人斬ってきました。これで奴らも手出しはしないでしょう」と言ったのだ。

それこそが、最も杢之進が恐れていたことだった。

その次郎左衛門による報復攻撃が、さらなる報復を呼び、ゆうの一家はゆうを除く全員が殺されてしまうのだ。



ここで描かれているのは「戦争の始まり」だ。

我が国の国民がテロの犠牲になったから、テロリストを支援している国に報復をする。

それは、いかにも「正義のため」に聞こえるが、果たして、暴力に対して暴力で返すことが本当の正義なのか



この映画では、その「正義」という大義の元で行使された暴力が本当に平和を招くのかどうかが描かれている。



映画「斬、」



暴力に暴力で返した結果に起きた報復の連鎖


武士の次郎左衛門が暴力による報復を行った結果、何が起きたのかというと、暴力の連鎖だ。

家族を殺されたゆうは「家族を殺された復讐に、あいつらを殺してください」と言って杢之進をけしかける。



しかし、杢之進は、これまで真面目に稽古を重ね、技術的には申し分のない武士なのだが、それまで人を斬ったことがなかったのだ。

彼は「人を斬ることができない」という致命的な欠点のある武士なのだ。

そのため、大切な家族を殺され「彼らを殺した人間に裁きをくださなければ」という思いはあるものの、それを実行することができない



そうして悩んで葛藤している間に事態はますます悪化してしまう。

愛するゆうが、彼の目の前でレイプされてしまうのだ。

それでも、杢之進は彼女をレイプしている男を斬ることができないのだ。



これはまさに戦場の残酷さを表している



軍人でも、ゲリラでもない無実の人々が、たとえば「人種が違うから」とか「信仰している宗教が違うから」という理由で殺されてしまう。

その上、そこで暮らす女性たちはレイプされ、その村に地獄のような光景が広がる。



杢之進が人を斬ることができず、葛藤している間に、次郎左衛門はならず者たちを一人残らず斬ってしまう。

そうして、次郎左衛門は精神的に杢之進を追い詰めていくのだ。



映画「斬、」



報復の連鎖が生み出したのは、破滅と狂気だった


では、次郎左衛門がならず者たちを一掃した結果、その村に平和が戻ってきたのだろうか

そうではない。

その村に残ったのは、レイプされ、何もかもどうでもよくなってしまったゆうと、人を斬ることができない自分に愕然とし、やがて狂気に満たされた杢之進だけなのだ。



あとは血に染まった家と、村中にころがっている死体だけだ。

これが「報復」がもたらした「平和」の姿なのだ。



それは「テロ支援国家」とされたアフガニスタンやイラクに対して、アメリカが報復攻撃をした後、それらの国々に平和が訪れたのかといえば、そうではなく、むしろ、秩序が乱され、混乱の時代がやってきたことに似ている。



アメリカから往復攻撃を受け、多国籍軍を敵とみなして戦い、そうすることで人を殺すことに慣れてしまった人々は、何のためらいもなく人を殺すようになり、新たなテロリストとなって、その怒りをアメリカへと向ける。

それが、「報復の連鎖」が生み出した結果なのだ。



映画「斬、」



正義のための暴力など、どこにもない


そして、この映画は「人を斬ることができない武士は、本当に意気地なしなのか」と観客に問いかけている。



ならず者が村にやってきたとき、杢之進が真っ先にしたことは、「彼らと対話をすること」だった。

そうして「彼らは見た目は怖いけど、そっとしておけば何も悪いことはしない」と、お互いに共存するための話をつけていたのだ。

それは友好条約のようなものだ。



ところが、その友好条約を次郎左衛門が「正義のために」破ってしまったために、村は破滅と狂気の世界へと向かってしまったのだ。

そのどこに正義があるのか。



それは、家柄や、武士としての見栄を守るためのエゴからくる愚かな行為でしかない。



これまで、私たちは時代劇で「お侍さんが、ならず者から弱い村人を守ってくれる時代劇」を当たり前のように観ていた

しかし、本当にその思考は正しいのかと、この映画は問いかけているのだ。



そろそろ思考を変えて「暴力は何も生み出さない」ことが本当の正義だと訴える時代がやってきたのだ。

これは、塚本晋也監督による反戦映画なのだ。



全てを観終わった後、ズシリと私に重くのしかかってきた。

これまでの常識は、これからの時代の非常識になる

どんなことがあっても、暴力で報復しても平和な世の中はやってこない。

その思いに、私もすごく共感した作品だった。




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高杉真宙主演の映画「ギャングース」を試写会で観た。

少年院を出た少年たちが、振り込め詐欺を行っている詐欺グループに群がる実態を描く作品。


映画「ギャングース」


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

振り込め詐欺の裏にある貧困層の若者たちのどうにもならない生活。

そんなダークな世界の中、明るく前向きに生きる彼らのパワーに引っ張られ楽しみながら観た。

どんな環境で生まれ育っても、自由に仕事できる社会であるべきと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ギャングース』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年11月12日 試写会にて感想。

・2018年11月23日 感想を掲載。

・2020年1月18日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「ギャングース」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者

…(「散歩する侵略者」など)

〇加藤諒


〇林遣都

〇伊東蒼

〇山本舞香

〇芦那すみれ

〇勝矢

〇般若

〇菅原健志

〇斉藤祥太

〇斉藤慶太

〇金子ノブアキ

〇篠田麻里子

…(「不屈の男 アンブロークン」など)

監督・脚本

〇入江悠


2018年 日本映画




あらすじ


少年院で知り合ったサイケ(高杉真宙)、カズキ(加藤諒)、タケオ(渡辺大知)は、就職しても冷遇され、大した稼ぎにならないため、タタキ(窃盗)をしながら日々を送っていた。

ところが、ある時、身寄りのない少女ヒカリ(伊東蒼)を保護すると、彼女がある詐欺グループの鴨リストを持っており、彼らは、そのリストを元に大金を稼いでまともな生活を送ろうと誓う。

そして、彼らはリストの片っ端からタタキ始め、かなりの額になった頃、それが詐欺グループに知れてしまい、全て奪われた上に、今後は上納金を収めるように命令されてしまう。

せっかく築いてきたものがゼロになってしまった彼らは、詐欺グループ本体をタタいてこんな生活から抜け出そうと奮起するのだが…。



映画「ギャングース」



感想(ネタばれあり)


この映画の感想につきましては、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ギャングース (2018)


★★★☆ [70点]「私の知らない振り込め詐欺の世界」


面白かったなぁ。



描いているのはダークな世界でも、前向きに作られていて、楽しみながら観た作品。

3人の主人公たち、サイケ(高杉真宙)、カズキ(加藤諒)、タケオ(渡辺大知)は、少年院で出会い、共に育った仲間たち。

彼らは、窃盗をしながら生計を立てて生活をしているが、なかなかうまくいかない。

しかし、ある日、カズキが身寄りのない少女ヒカリを保護してから、彼らにも運が向き始め…。



この物語の背景にあるのは、振り込め詐欺を行なっている詐欺グループの実態

少年院のような施設から社会に出た少年たちは、まともな仕事に就けず、やがて、お金を持っている年寄りから金を奪った方が楽に稼げると考えるようになる。

そして、彼らは組織立った詐欺グループを形成するようになる。



主人公の3人組は、そんな詐欺グループから金を奪って「ちゃんとした社会人の生活」を手に入れようと夢見るようになる。

そんな彼らの物語を「実録!あなたの知らない振り込め詐欺の世界」っていうルポを見てる気分で楽しんだ

そこで思ったのは、こういうサギは、永遠になくならないんだなぁということ。



財布のひもが緩いお年寄りがいて、何をしても上に上がれない貧困層の若者たちがいる限り、その構図がなくなることはない

だからこそ、主人公トリオが、そこを突破して明るい未来を築いてくれるんじゃないかと期待して観てしまう



彼らは、ろくに漢字も書けないような子たちだけど、なんとかはい上がって、人並みな生活を手に入れようと必死になっているところが良い

その前向きで力強いパワーで、彼らの世界に引き込まれた



ただ、私としては、少年院を出た彼らが、まともな職に就けない現状について、どこに問題があるのかと、どうすべきなのかを提示して欲しかった

この映画を観て思ったのは、社会とは、金さえあれば幸せな生活ができるところではなく、どんな環境で生まれて育った人も、自由に働くことができるところであるべきだということ

だからこそ、彼らが、底辺でもがきながら、光の差す方を目指して必死になるのは、良いけれど、その前に、もっと叩くべきところがあるんじゃないかなと思ってしまった。



それとも、社会を変えることを諦めるべきなのか



それに、この手の貧困層のダークな世界を描いた作品は、韓国映画にはいくらでもあって、やっぱり、そういう世界の描き方は、韓国映画の方が何枚も上手だなと思ってしまう。

それでも、こういう社会の底辺を描いた作品が作られることはとても大事だし、広くたくさんの人に知ってもらうために、若手俳優をたくさん起用して、エンターテイメント作品になっているのは、とても良いことだと思う


Posted by pharmacy_toe on 2018/11/19 with ぴあ映画生活




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上田慎一郎監督、脚本の日本映画「カメラを止めるな!」を映画館で観た。

37分ワンカットワンシーンのゾンビ映画を撮ったスタッフたちの姿を描くコメディ映画。


カメラを止めるな!


満足度 評価】:★★★★★

最高だった!笑いあり、涙あり、家族愛あり、ゾンビあり!

今年最高に笑った作品!

たとえ、どんなにショボい映画でも、その裏側ではスタッフとキャストの血のにじむような努力があり、作品は汗と涙の結晶。

その溢れる映画愛に感動!!


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「カメラを止めるな!」予告編 動画






更新履歴


・2018年7月18日 映画館にて鑑賞

・2018年8月16日 感想を掲載。

・2018年12月5日 Blu-ray・DVD発売。

・2020年1月3日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

作品の詳細につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓




キャスト&スタッフ


出演者

〇濱津隆之

〇真魚

〇しゅはまはるみ

〇長屋和彰

〇細井学

〇市原洋

〇山崎俊太郎

〇大沢真一郎

〇竹原芳子

〇浅森咲希奈

〇吉田美紀

〇合田純奈

〇秋山ゆずき


監督・脚本

〇上田慎一郎

2017年製作 日本映画




あらすじ


あるゾンビ映画の撮影が行われている廃墟。

本物を求める監督(濱津隆之)は、一切妥協せず、テイクは42テイクに達していた。

そこへ、本物のゾンビが現れて…



映画「カメラを止めるな」



感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載した感想をご紹介します。


カメラを止めるな! (2017)


★★★★★ [100点]「最高に笑ったゾンビ映画!!」

これ最高だった!!

笑いあり、涙あり、家族愛あり、ゾンビあり!

今年最高に笑った映画だった!!!



ある古びた廃墟で、ゾンビ映画の撮影をしていた撮影隊。

しかし、そこへ本物のゾンビが現れ、現場はパニックに陥り…。



この「カメラを止めるな!」は、とても評判が良い映画だったので見始めたものの、最初の30分は正直かなり不安で「観る映画を間違えたんじゃないか」とさえ思い始めていた

しかし、その後から始まるドラマを観ていると、その「不安」こそが、この映画の「肝」だということがわかる。



つまり、観客側からしたら「なんなの、このショボいB級映画」と思うような作品であっても、その裏には、スタッフさんやキャストさんたちの血の滲むような努力があって、そこから生まれたその作品は、彼らの汗と涙の結晶なのだ。

だからといって、これまで「つまらない」と思った作品の評価を上げるわけではないけれど、「スタッフやキャストの全員に、それぞれの人生があり、それぞれの事情を抱えながら『映画』という仕事をしている」という、その思いは忘れちゃいけないんじゃないかと思った。



「映画」に対する思いも様々で、それぞれに熱量の違いや温度差はあるけれど、「よーい、スタート!」の合図がかかれば、みんな同じ土俵の上にいて、「作品を届けたい」という気持ちで一致団結する姿には感動してしまった。



たとえ誰かがやりすぎちゃっても、たとえ誰かが事故っちゃっても、それもまた「作品の味」として残っていく

改めて、いつも素晴らしい映画を私たちに届けてくれるクリエイターの方たちに敬意を表したくなる作品だった



しかし、私は「ポンッ!!」だけで、しばらく楽しく生きていけそうだわ。

辛いことがあったら、「ポンッ!!」を思い出すことにする 。

その理由が知りたかったら、是非、この映画を観てください。


Posted by pharmacy_toe on 2018/07/20 with ぴあ映画生活




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神木隆之介主演の映画「3月のライオン 後編」を映画館で観た。

中学生プロ棋士になった天才少年桐山零の成長物語。


映画「3月のライオン 後編」

満足度 評価】:★★★★☆

前編より面白かった。

なにより「僕には将棋しかありません」という主人公 桐山零の不器用なところに、とても共感が持てた。

そんな天才少年が人々と出会い、恋をしたり傷ついたりしながら、「自分の世界は将棋だけでなく、人に支えられて生きているんだ」ということに気付けたところに感動してホロッとした。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「3月のライオン 後編」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2017年4月27日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年2月11日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。

・2019年12月25日 NHK BSプレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。





キャスト&スタッフ


出演者

神木隆之介
…(「3月のライオン 前編」、「君の名は。」、「バクマン。」など)

有村架純
…(「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」、「3月のライオン 前編」、「ビリギャル」など)

倉科カナ
…(「3月のライオン 前編」など)

染谷将太
…(「きみの鳥はうたえる」、「泣き虫しょったんの奇跡」、「パンク侍、斬られて候」、「3月のライオン 前編」、「バクマン。」など)

清原果耶
…(「愛唄-約束のナクヒト-」、「デイアンドナイト」、「3月のライオン 前編」など)

佐々木蔵之介
…(「3月のライオン 前編」など)

加瀬亮
…(「鈴木家の嘘」、「モリのいる場所」、「3月のライオン 前編」、「沈黙-サイレンス-」、「アウトレイジ ビヨンド」、「アウトレイジ」、「永遠の僕たち」、「硫黄島からの手紙」、「誰も知らない」、「それでも僕はやってない」など)

伊藤英明
…(「3月のライオン 前編」など)

〇豊川悦司
…(「パンク侍、斬られて候」、「3月のライオン 前編」など)

〇伊勢谷友介
…(「3月のライオン 前編」など)



監督・脚本

大友啓史
…(「3月のライオン 前編」、「ミュージアム」など)


2017年制作 日本映画




あらすじ


天才プロ棋士の桐山零(神木隆之介)が新人王のタイトルをとった後、将棋会館は話題作りのために、名人の宗谷冬司(加瀬亮)との対局をセッティングするが、桐山は負けてしまう。

その後、獅子王戦に挑むが、義理の父(豊川悦司)が入院、仲良くしている三姉妹のひなた(清原果耶)は学校でいじめられ、さらに、三姉妹を捨てて家を出て行った父(伊勢谷友介)が彼女たちの家を訪ねてくる…。

自分を支えてくれる人たちが悩み苦しむ姿に心を痛めた桐山は、なんとしてでもタイトルをとって、彼らを幸せにしたいと思うのだが…。

映画「3月のライオン 後編」



感想(ネタバレあり)


前編は人物紹介。後編は将棋と向き合う桐山零


前編よりも後編の方が面白かった。

前編は「登場人物紹介」のような感じがして、次から次へと登場人物が増えていき、「桐山零」以外の部分に気を取られてしまったが、後編は「将棋」を中心に描かれていて、「桐山零」と「将棋」の関係に集中できて良かった



また、前編では「僕にできることは将棋しかないから、将棋をやります」といった感じの「仕方なさ」が漂っていたけれど、後編では桐山がそこから成長して、「周りで支えてくれる人たちのために、もっと将棋に強くなりたい」と心境が少しずつ変化していく過程が見られて面白かった



桐山零と将棋の世界の集中できたせいか、前編で気になった「全般的に昭和感が漂っていて、現実味がない」ところは、今回はさして気にならなかった。

(和菓子屋さんが夏に出す新メニューで雪だるまモチーフっていうのは、ちょっとないかなと思ったけども)



また、前作に引き続き、この映画の良いところは「将棋を知らなくても楽しめるところ」だった。

もちろん、ルールを知っていた方がより楽しめるんだろうけど、知らなくても十分楽しめる。



それと、個人的には、「僕は○○しかできません」という人がすごく好き。

いろんなジャンルのことをオールマイティにできる人よりも、1つのことしかできない不器用な人がすごく好きで、桐山零の「将棋はできるけど、他の人生はまるでダメ」なところがすごく好きだった



映画「3月のライオン 後編」


人間的に成長することで、将棋も成長していく


十代から二十代前半の頃は、「誰かを好きになること」で身体と共に内面が大きく成長する年頃。

人を好きになることで、相手の気持ちを考えたり、悩んでいる人の気持ちが分かったり。

人を傷つけてしまうこともあるし、自分が傷つけられることもある。



でも、そういう経験を初めてすることで、様々な感情を学び、人間的に成長する年頃なのだ。

後編では、主人公の桐山零と近所に暮らす三姉妹との仲がより親密になり、零は次女のひなたを好きになる。



学校でいじめられているひなたを見て、はじめて「守りたい」という感情が生まれ、「結婚したい」とまで思うようになる。

そのために、「将棋でもっと強くなって、稼がなければ」と思い、今まで以上に将棋への熱意が増していく。



そうやって、周りの人たちとの関係が桐山の将棋にいい影響を及ぼしていく。

そして、「将棋をがんばれば、周りの人たちを幸せにすることができる」と感じるのだ。

その桐山の人間の成長の瞬間はとてもキラキラと輝いていた。



さらに、将棋に集中していく中で、自分が「守りたい」と思った人たちに既に守られていたことに気付く

自分はこれまで、周りの人たちに支えられ、励まされて生きてきたことに気付き、「その人たちのために恩返しできることは何か」を考えた時、出てきた答えは「将棋に打ち込むこと」だった

それは、桐山零のアイデンティティが確立された瞬間だった。



映画「3月のライオン 後編」



桐山の「世界の中心に将棋がある」ことへの気付き


この後編の中で、最も大きな桐山の気付きは、「自分には将棋しかなく、ずっとこの世界で生きていくこと」だった

両親を交通事故で亡くした時に、彼を育ててくれたのは、父の友人の棋士だった。

養父は桐山の師匠となり、彼はプロ棋士になる。



彼と仲良くしている三姉妹は、桐山が棋士仲間と打ち上げに行って酔いつぶれた時に長女が介抱してくれた縁で知り合った。

学校の先生は棋士の桐山を気にかけてくれているし、棋士仲間たちも桐山の才能を買ってくれている。



つまり、彼は子供の頃から世界の中心に将棋があって、周りの大切な人たちと将棋を通じて知り合い、世界の全てが将棋を通じて作られてきたのだ。

だから、「将棋のない人生」は、彼にとって「世界の終わり」を意味することになる。

クライマックスの後藤戦で、桐山自身がそのことに気付いた時、彼は誰よりも強くなる。

将棋盤には、彼の人生の全てが反映されているからだ。



映画「3月のライオン 後編」



将棋盤には棋士たちの人生が反映されている


なんで、この映画は「将棋のルールを知らなくても楽しめたんだろうか」と思った。

ルールが分からなくても、どっちが有利でどっちが不利なのかは分かる。

もちろん、そう見える演出をしているからなんだけれども。



宗谷冬司という名人がいて、後藤や島田というトップ棋士たちがいる。

彼らにはそれぞれの人生があって、その全てが将棋盤に反映されているのだ。

気持ちが負けている時は負け戦をしてしまうし、どうしても勝ちたい時は神風が吹くこともある



そんな彼らの人生の駆け引きが将棋盤の上で行われているのを見ていてドキドキしてしまった。

桐山の義姉の香子はなんでもすぐに諦めてしまう性格のせいか、最後まで粘らずに諦めてしまう将棋を打ち、父親に言われた一言で将棋の世界で生き残っていくことも諦めてしまう。



自分に何が起きても(例えば赤ワインがかかって服が真っ赤に染まっても)気にしない名人の宗谷冬司は、自分以外の世界をシャットアウトして他人からメンタル的に影響を受けず、冷静な将棋を打つため、常に勝ち続ける



人生を学んでいる最中の桐山は、将棋も学んでいる最中で発展途上なのだ。

だから、たとえ、名人戦で勝てなかったとしても、いつか勝てる時が来る。



そんな未来への希望を感じながら観終えたのがとても良かった。

人は誰かのために生きると強くなれる

そんな考え方もとても良かった



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「3月のライオン 前編」





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神木隆之介主演の映画「3月のライオン【前編】」を映画館で観た。

幼い頃に家族を亡くし、17歳でプロ棋士になった主人公の青春物語。


3月のライオン


満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

原作は人気のコミックらしいけど読んだことないし、将棋のルールも良くわからない。

それでも対局のシーンは緊迫感があって面白かった。

ただ、全体的に漂う昭和の雰囲気に「今の日本」を感じ取ることができず、浮世離れした感じが私としてはちょっと残念だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想
  6. 関連記事


「3月のライオン」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2017年3月24日 映画館で観た感想を掲載。

・2019年2月4日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。

・2019年12月24日 NHK BS プレミアムでの放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

神木隆之介
…(「3月のライオン 後編」、「君の名は。」、「バクマン。」など)

有村架純
…(「かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発-」、「3月のライオン 後編」、「ビリギャル」など)


染谷将太
…(「きみの鳥はうたえる」、「泣き虫しょったんの奇跡」、「パンク侍、斬られて候」、「3月のライオン 後編」、「バクマン。」など)


…(「3月のライオン 後編」など)

加瀬亮
…(「鈴木家の嘘」、「モリのいる場所」、「3月のライオン 後編」、「沈黙-サイレンス-」、「アウトレイジ ビヨンド」、「アウトレイジ」、「永遠の僕たち」、「硫黄島からの手紙」、「誰も知らない」、「それでも僕はやってない」など)

…(「3月のライオン 後編」など)

〇豊川悦司


監督・脚本

大友啓史
…(「ミュージアム」など)


2017年製作 日本映画




あらすじ


桐山零(神木隆之介)は6歳の頃に、家族を交通事故で亡くし、父の友人で棋士の幸田柾近(豊川悦司)に育てられる。

それ以来、ひたすら将棋をする生活を送るが、中学生になる頃には幸田の娘・香子(有村架純)や息子よりも強い棋士となり、幸田は自分の子供たちにプロ棋士になることを諦めさせる。

桐山はその後、順調にプロ棋士となるが、香子たちとの暮らしづらくなってしまったため、家を出て独立し、1人暮らしを始める。

とはいえ、桐山はその後も香子を姉と思い慕うが、香子は棋士の後藤九段(伊藤英明)と不倫関係にあり、それが許せない桐山はトーナメント戦で後藤を倒すことを目標にし始める…。


映画「3月のライオン」


感想(ネタバレあり)


1つのことしかできない人は強い


どんな分野でも、1つのものに熱中し、それしかできない人って強いなと思う。

私も昔、週末になれば映画館に通っていた頃があり、仕事か映画かの毎日を送っていた。

しかし、そんな「映画しかない」自分が嫌になって、全く違う趣味を見つけたり、仕事中心の生活をして、しばらく映画から離れた時期があった。



今思えば、あの「映画しかない自分」をもっと極めるべきだったと思う。

そしたら、今とはもっと違う映画の見方ができたに違いないと思うと、その時の自分の選択を時々後悔してしまう。



だから、この映画の主人公の桐山零のように、「僕には将棋しかないんです」と言って苦悩している子を見ると、自然と応援したくなってしまう

そして、背中を叩き「それで良いんだよ」と言ってあげたくなる。



「ぼくにはこれしかありません」と言いきれるのは、他の誰にも真似できない才能なのだ。



人気コミックが原作のこの映画、マンガは読まないので、原作は知らないし、将棋もルールが分からない。

でも、この映画を観ているうちに、将棋のルールを知りたくなったし、画面の中でうたれている手がどんな意味を持つのかとても知りたくなった。



棋士たちが、彼らの人生の全てをかけて、盤の上で勝負しているその姿がこの映画の魅力だ。



映画「3月のライオン」



緊迫感あり!対局シーン


この映画の中で、最も面白かったのは対局のシーンだ。

身体の大きな男の人たちが、小さな将棋盤を挟んで座り、勝負が始まる。



対戦するふたりの間には、ピンと張り詰めた緊張感が走り、思考回路を回転し続ける。

そして、早く緊張感が途切れ、回転速度が遅くなった方が負けだ。

頭脳戦のようだけれども、体力勝負のようなところもある



その緊迫感溢れる対局の場面は非常に面白かった。

将棋のさし方、座り方から、間の取り方まで、棋士それぞれに個性があって、いかに相手のペースに乗せられずに、マイペースに対局を進めることができるのか。

そんな見た目の裏側にある心理戦も面白かった



もしも、将棋のルールが分かったら、彼らがさした手の意味も分かって、より面白かっただろなぁと思うと、そこが残念だった。



映画「3月のライオン」



日本映画特有の「現実味のない甘さ」


将棋の対局のシーンは面白くて、ふんふんなる程と思いながら観ていたが、それ以外の日常生活の描写については、少し退屈なところもあった。

まず、あまりにも話が長い。

もっと、シンプルでコンパクトにできたんじゃないかなと思う。



これで、同じ長さの【後編】があるかと思うと、テレビドラマのワンクール分を見させられた気分になる。

そして、この映画を観ながら感じたのは、「なぜ、今、将棋なんだろう」という謎だった。



アナログからデジタルへ移行している今、なぜ、あえて「将棋」というテーマで映画を作ったんだろう…

しかし、その答えは、この映画の中には無かった

さらに残念なことには、この映画から「日本の今」を感じ取ることができなかった



全体的に昭和感が漂う画面に浮世離れした雰囲気を感じ、まるでおとぎ話のような印象が残った。

現在の私たちの生活にリンクするような部分がなく、東京の下町を舞台にしている割に、「今の東京で必死になって生きている人」がここにはいない。

そこには、これからはデジタルの時代だけど、ゲームを捨てて将棋をしましょうと感じ取れることもない。



素晴らしい映画というものは、時代を読み、それを制作側が咀嚼して画面に反映させ、観た者にこれからの時代を考えさせるものであるが、多くの日本映画にはそこが欠けている。

その辺の日本映画特有の「現実味のない甘さ」は、他国の映画の基準からは大きく引き離されている部分である。

ただ、この映画はまだ【前編】であり、もしかしたら、【後編】を観たら、「この時代に『将棋』をやる意味」が見えてくるかもしれないから、【後編】を期待して待ちたい。



映画「3月のライオン」



退屈さを吹き飛ばす俳優たちの演技


というわけで、若干退屈な部分がありつつも、なんとなく最後まで楽しめたのは、役者たちの演技によるところが大きかった

どの俳優も安心して観ていられる俳優さんたちばかりで良かった。



中でも、染谷将太はいつもいい仕事をするなと思って観ていた。

私の中では神木隆之介よりも、染谷将太の方が印象に残っている。

それぐらい、今回の染谷将太は良かった。



あともう1人あげるなら加瀬亮

歩いている姿を見ただけで、羽生名人かと思った。



出番は少ないけれど、その全体的に漂う雰囲気や、漏れ出るオーラがとても良いなと思った。

これは、前編であり、後編は1ヶ月後ということで、因縁の後藤との対決やら、宗谷との対局もあるんだろうけど、「最年少で勝っちゃう奇跡」みたいなのあるんだろうか…。

だったら、説得力のあるやつにして欲しいが…。

まぁ、とにかく、いろいんな意味で【後編】に期待してる。




関連記事

〇「3月のライオン 後編」





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ブログネタ
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宮沢りえ主演の映画「紙の月」をWOWOWで観た。

初めはちょっとしたはずみで横領してしまったお金が、どんどん増え続けてしまった女性銀行員の話。

怖い!お金横領スパイラル…。

その、ちょっとしたはずみから始まる横領スパイラルの仕組みを、すごく丁寧に描いているところが面白かった。

これは、誰もが心の奥底に持っている「リア充という名前の底なし沼」への誘いである。


紙の月



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「紙の月」予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2018年5月14日 WOWOWで観た感想を掲載。

・2019年11月28日 「午後のロードショー」での放送に合わせて加筆・修正。




キャスト&スタッフ


出演者

〇宮沢りえ

池松壮亮
…(「斬、」「ぼくたちの家族」など)

〇大島優子

〇田辺誠一

〇近藤芳正

〇石橋蓮司

〇小林聡美

監督

〇吉田大八

2014年製作 日本映画




あらすじ


梅澤梨花(宮沢りえ)は、銀行員。

ご近所のお宅を回って、定期預金口座開設のお願いをしたり、お客様の入出金のお手伝いをしたり。

夫(田辺誠一)がいるが、子供はいない。

生活に不満はないが、たまたま知り合った大学生の光太(池松壮亮)と不倫の関係に陥ってしまう。

そして、お金に困る彼をを助けるつもりで、お客様のお金に手をつけてしまう・・・。




感想(ネタバレあり)


怖いのは、心の隙間を埋めた瞬間の快感


怖い映画だった!

日頃の満たされない生活から生まれる小さな心の隙間を見ているのが怖かった!



その隙間は誰もが持っているもので、そこから「あぁつまらないな」とか、「退屈だな」とか、「なんか楽しいことないかな・・」という言葉が生まれてくる。

そんな時は、テレビを見たり、人と会ったり、趣味に時間を割いたりして、小さな幸せで穴埋めをして満足感を味わう。



しかし、いつもとはちょっと違う方法でその隙間が埋まった時

例えば、ギャンブルで稼いだお金や、この映画の梨花のように会社のお金の横領したり、手を付けないようにしているお金で、今までとは違う自分になれた時

人は、その時の快感に浸り、もっともっとと、その満足感を充たそうとしてしまう



そして、その「快感」が全ての原動力になる

この映画の梨花が、すっぽりとこの横領スパイラルにハマってしまったのは、そのいつもと違う自分を発見してしまったのがきっかけだ。



最初は、彼の学費のため。

それが、次はプレゼント代になり、デート代になる。



でも、その心の隙間はいくら埋めても埋まらない底なし沼

いくらお金で埋めようとしても、アリ地獄のように底はどんどん深くなっていくだけだった



紙の月2



リア充になるつもりが、やり方を間違えて負のスパイラルへ


私は、梨花がどんどんとその底なし沼にズブズブとハマっていくのを見て、地獄へ落ちれば良いと思った

なんで人は、そんな小さな心の隙間を埋めようとするんだろう。

そもそも、それは「人への妬み・羨ましさ」から生まれてくる。



誰もが持っている心の隙間だけど、その隙間を、仕事へのやりがいやプライベートの充実で、日頃からうまく充たしている人がいる

人はそれを「リア充」と呼ぶ



日常生活に満足できず、隙間が深い人は、リア充生活をしている人の芝生が青いどころか、光り輝いて見える

だから、せっせと隙間を埋めて「リア充」を手に入れようとするが、やり方を間違える。

この映画の梨花のように。



残念ながら、その隙間は、若い男子でも、溢れるようなお金でも、別荘でも、高級車でも埋まらない

まずは、仕事や、プライベートも含めた自分の生活に満足しない限り、いつまで経ってもそこは深くなっていくだけなのだ。



そのことに気付かない限り、いつか満足して辞められると思い、貢ぎ始めた人は、常に貢ぎ続け、ギャンブルにハマっていく人は、いつまでもやめられない。

永遠に続く悲しみのスパイラル。



紙の月5



「リア充」ハンターは、お局の隅さん


この映画「紙の月」で非常に面白かったのは、小林聡美演じる銀行の同僚にしてお局の隅さんだ。

どうも面白いことに、「非リア充」の人たちは同じアンテナを持っていて、お互いに波長が合う瞬間がある



隅さんは、誰よりも真っ先に梨花のおかしさに気付く。

それは、「非リア充」ならではの触覚だと思った。



そりゃそうだ。

ついこの間まで、いつも沈んだ顔で出勤していた人が急に肌の色つやが良くなっている。

女なら誰だって「あの人、なんかあるな」って思うはずだ。



そこから、猛烈な梨花への追及が始まるワケだけど、隅さんは、隅さんで「梨花の秘密を暴く」ことで、心の隙間を埋め始める

それが隅さんの心の隙間を埋める「仕事のやりがい」になる。

だから隅さんは、梨花を追及して自分を満足させ、本店への異動もなくなり、支店に居残ることになるが、梨花の気持ちは誰よりもよく分かっている人だった。



紙の月4



梨花から隅さんへ地獄への誘い


そんな、隅さんと梨花のやり取りの中、私がこの映画で一番印象に残っているのは、ラスト、窓ガラスを割って逃げ出そうとする梨花が、それを止めようとする隅さんに「一緒に行きますか??」と誘うシーン。

これは、「非リア充」アンテナが共鳴した瞬間だった。

あぁぁぁ。これで二人がつながったと思った。



隅さんに散々追及された梨花だったが、隅さんも心の底では梨花の気持ちを理解していることに、梨花は最初から気付いていた

隅さんは、梨花を追い込んだことによる「満足感」が、共に地獄へ落ちることを踏みとどまらせる



そして、梨花はいつまでも、自分がやってきたことを正当化するまで走り続ける

そこに答えは無いのに…。



隅さんは、梨花を追求した満足感が消えた頃、再び心がさまよい始める

そして、「私も飛び込んでみようかな」と、時々考える。

しかし、残念ながら、そこに答えはないのだ…。



紙の月3



「充たされない思い」から始まるサスペンスとは、女性作家の原作ならでは


これは本当に面白い映画だった。

女性ならではの「充たされない思い」が、こんな風にサスペンスになるなんて、さすが、女性が書いた原作だなぁと感心した。



そして、宮沢りえと、小林聡美がすごく良い。

特に、二人が対立するラストは、名シーンだと思ったし、一番初めに梨花がお客様からの伝票を隠している時に、暗闇から「何しているの」って問いかける隅さんが怖すぎた(((( ;゚д゚)))



それにしても、あの「リア充反対運動」をしている隅さんがいる銀行は、いつまでも安泰だね。

しかし、若手の男性を窓口になんて置いたらダメだよ。

きっと、隅さんのアンテナが故障するから(笑)



まぁまぁ、そんなことを言いながら、私もいつか「非リア充」スパイラルに落ち込まないように、気をつけないといけないなと思った。





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木竜麻生主演の日本映画「菊とギロチン」を映画館で観た。

自由を求めて戦う女相撲の一団と、新しい時代を切り開こうとするアナキスト集団「ギロチン社」の若者たちを描く青春群像劇。



菊とギロチン



満足度 評価】:★★★★☆

感動した!

ギロチン社も女相撲も「自由と平等が欲しい」人たち。

彼らは理想の社会を夢見て、もがき苦しみながら必死になって生きている。

しかし、彼らの悲願だった理想の社会など百年経った今でも実現していないことに唖然としてしまう。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「菊とギロチン」予告編 動画






更新履歴・公開情報


・2018年7月24日 映画館にて鑑賞

・2018年8月22日 感想を掲載。

・2019年11月10日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
 ↓
「菊とギロチン」公式サイト



キャスト&スタッフ


出演者

…(「鈴木家の嘘」など)


〇寛一郎



〇山中崇

〇井浦新

〇大西信満

〇嘉門洋子

〇大西礼芳

〇山田真歩

〇嶋田久作

〇菅田俊

〇宇野祥平

〇嶺豪一

〇篠原篤

〇川瀬陽太


監督

…(「友罪」、「8年越しの花嫁 奇跡の実話 」など)

2018年製作 日本映画





あらすじ


関東大震災直後の日本。

日本各地を渡り歩いて興行を行っていた女相撲の一団。

花菊(木竜麻生)は、妊娠していることを隠しながら横綱を目指して稽古する日々。

ただ一人、十勝川(韓英恵)は花菊の妊娠に気付いていた。

ある時、彼女たちの興行を言論の自由を求めて戦う青年たちの集団「ギロチン社」の中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)が観覧し、彼女たちも自由を求めて戦っていることに感動し、行動を共にするようになる。



菊とギロチン2



感想


この映画の感想は私が「ぴあ映画生活」に掲載した感想をご紹介します。


菊とギロチン (2018)


★★★★ [80点]「女相撲とアナーキストの自由を求める出会い」

えらい感動した!

大正時代。

どうにもならず、がんじがらめになっている若者たちが、自由を求めてもがき苦しんでいる姿がとても心に刺さった



その頃、日本には語る自由が制限され、女性たちは男性たちの所有物だった。

その中で、ギロチン社は国民の自由と平等を求めて戦い、行き場をなくした女性たちは女相撲に集まってきた。



最近の「相撲」といえば「国技」という重圧に押しつぶされ、力士たちの不祥事が続き、「女は神聖な土俵に上がってはいけない問題」が度々話題になっている。

特に相撲に興味がない私からすれば、力士にとっても、その周りで働いている女性たちにとっても「相撲」とは、とても窮屈なものに見える



この映画は、その、とても窮屈なイメージの相撲に対して、まるでケンカでも売るかのように女相撲を登場させる。

その描き方は「女が相撲をとって何が悪い」とでも言いたげだ。



しかし、これは架空の話ではない。

「女相撲」は現実に存在していたのだ。

さらに、そこへ自由で平等な社会の実現のために戦っていたギロチン社を登場させる。

そうすることで、一見、何の関係もないかのような女相撲とギロチン社の間に「自由のために戦っていた」という共通点があることがわかる。



しかも、その二つの団体が、まるで運命に導かれたかのように自然に出会うのが良い。

そして、彼らが出会い、ありのままの若者らしく楽しそうに踊る姿を見て、「本当に自由で平等で幸せな社会とは、一体どこにあるのか」と思う。

土俵に上がれば「神の怒りをかう」と言われ、朝鮮人だからという理由で殴られ、好きでもない男性との結婚を強要される。



そんな社会が嫌になった中浜鐡は

「全ての人が自由で平等な社会を作る」

「100年後には、そんな時代になっている」

と言うけれど、その頃から100年経った今、時代は本当に変わっただろうか



未だに女性が土俵に上がれば苦情が殺到し、人種差別も性差別も無くなっていない。

つまり、この映画は、大正時代の若者たちのもがき苦しむ姿を通して、現代の社会に対する痛烈な批判を描いている作品だったのだ。



中浜鐡の語る理想の世界は「ただの空想で現実味がない」と、映画の中では批判されていたけれど、
理想の世界を語れない世の中こそ、夢のないネガティブで悲惨な社会で、もう終わっているのではないか

大いなる夢を語ってこそ、その先に希望かあるのだ。

いつの時代も、若者が大いなる夢を語る世界であって欲しいと思う。


Posted by pharmacy_toe on 2018/08/22 with ぴあ映画生活




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大泉洋主演の映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を映画館で観た。

筋ジストロフィー患者の鹿野と彼を介護したボランティアたちの交流を描く人間ドラマ。



こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話


満足度 評価】:★★★★☆

楽しかった!常に真っ直ぐに生きてる筋ジストロフィー患者の鹿野さんから正直に生きることの大切さを教えられた。

夢を持ち、一瞬、一瞬を大切に生きている鹿野さんを観て、笑ったり泣いたり元気をもらった作品だった。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』予告編 動画



更新履歴・公開、販売情報

・2019年1月1日 映画館にて鑑賞。

・2019年1月9日 感想を掲載。

・2019年11月2日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。詳しい作品情報につきましては、下記公式サイトをご参照ください。
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キャスト&スタッフ


出演者


〇高畑充希

〇三浦春馬

…(「きみの鳥はうたえる」など)

…(「きみの鳥はうたえる」など)

〇宇野祥平

…(「菊とギロチン」、「誰も知らない」など)

〇竜雷太

〇綾戸智恵

…(「友罪」、「ザ・マジックアワー」、「愛を積む人」など)

…(「蜩ノ記」など)

監督

〇前田哲


2018年製作 日本映画




あらすじ


北海道大学の医学生・田中(三浦春馬)は、勉強も兼ねて筋ジストロフィー患者の鹿野靖明(大泉洋)のボランティアの介護ヘルパーをしている。

ある時、田中のカノジョである美咲(高畑充希)が、田中のボランティア先である鹿野の家を訪ねると、鹿野は美咲が新しいボランティアなのかと勘違いしてしまう。

それ以来、鹿野は美咲を気に入り、はじめはワガママな鹿野を嫌な奴だと思っていた美咲も鹿野と打ち解けるようになり…。



映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」



感想(ネタばれあり)





こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (2018)


★★★★ [80点]「正直に生きることの大切さ」


これは楽しかった~。

時に笑い、時には泣いて、主人公の鹿野さんから、自分に正直に生きることの大切さを教えられた作品だった。



この作品では、筋ジストロフィーを患っている鹿野さん(大泉洋)と、彼を介助しているボランティアの人たちとの交流が描かれている。

彼は、一人暮らしをしているが、ボランティアの介助なしでは、生活をしていくことができない。



医学生の田中(三浦春馬)は鹿野さんの介助をしているボランティアの一人。

田中を訪ねてきたガールフレンドの美咲(高畑充希)は、鹿野さんに気に入られ、美咲もボランティアの一員になっていく。

そんな鹿野さんと美咲の交流を中心に、この物語は進んでいく。



この鹿野さんが、とっても困った人で、タイトルにもある通り、夜中の2時に「バナナ食いたい。買ってきて」とか言ってしまうような人。



でも、そんな鹿野さんを観ているうちに、彼のワガママにも慣れてきて、次第に、そんな鹿野さんが、とても魅力的な人だと思うようになる。

悪く言えばワガママだけど、よく言えば正直者

鹿野さんは、何でも言いたいこと、やりたいことを言って生活している。



それが受け取る人によっては、ワガママに聞こえてしまうのだ。

しかし、それぐらい、鹿野さんは、一瞬、一瞬に対して、とても真剣に生きているということなのだ。

いつまで生きていられるかわからないから、やりたい時にやりたいことをやり、言いたいことを言う



そんな鹿野さんを観て、正直に生きるって大事だなぁと思った。



鹿野さんは、筋ジストロフィーという病気を抱えながらも、夢を持ち、その夢に向かって必死に生きている。

人は夢がある時、叶えられるかどうかわからないから、なかなか口に出すことができない。

でも、夢を正直に口にした瞬間、周りの人も巻き込み、その夢を聞いた人たちが手助けしてくれる

だから、正直に言ってしまった方が夢は叶えやすくなるし、時間も短縮できる

そして、夢に向かって一生懸命な姿は、周りに伝染するのだ。



この映画は、そんな夢を見て、それを叶えるために必死に生きている鹿野さんに、周りの人たちが元気づけられる姿が描かれている。

そして、そんな彼らを観ている観客も元気づけられるのだ。



筋ジストロフィーの患者の話と聞くと、重い話とか、お涙ちょうだいモノだと思うかもしれないが、これはそうではなかった。

正直で前向きに生きる鹿野さんから、健常者が元気をもらう作品なのだ。

年の初めにこれを観たら、きっと「私もがんばろう!」と思えるに違いないので、凹んでたり、元気がない人にオススメの作品。


Posted by pharmacy_toe on 2019/01/08 with ぴあ映画生活




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福山雅治主演の映画「三度目の殺人」を映画館で観た。

ある殺人事件の裁判を通じて、裁判所・司法制度のあり方について問う。


映画「三度目の殺人」



満足度 評価】:★★★★☆(4.5)

とても面白い映画だった。

一番目の殺人で実の娘に「殺人者の娘」というレッテルを貼ってしまい

二番目の殺人で、娘の「お父さんなんか死ねばいいのに」という願いを叶え

三番目では、自分の命を神に捧げ、『自己犠牲』の精神で娘の輝く未来を守った殺人犯の三隅



三隅の言う通り、『この世は理不尽』で、本当の悪を裁けるのは神だけなのか…

その真相は、神様がだけが知っている…。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「三度目の殺人」予告編 動画







更新履歴・販売情報

・2017年9月21日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年7月7日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

・2019年10月26日 「土曜プレミアム」での放送に合わせて加筆・修正。

現在、ネット配信、DVD共に販売中。



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キャスト&スタッフ


出演者

〇福山雅治

役所広司
…(「孤狼の血」、「オー・ルーシー!」、「蜩ノ記」、「わが母の記」など)

広瀬すず
…(「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「怒り」、「海街diary」など)

満島真之介
…(「散歩する侵略者」など)

市川実日子
…(「シン・ゴジラ」など)

〇吉田鋼太郎


監督

是枝裕和
…(「万引き家族」、「誰も知らない」、「歩いても 歩いても」、「海街diary」など)


2017年製作 日本映画




あらすじ


弁護士の重盛(福山雅治)は、弁護士仲間(吉田鋼太郎)から、ある殺人事件の弁護を依頼される。

容疑者である三隅(役所広司)の供述が二転三転して困っているという。

三隅は、勤務している食品加工工場の社長を殺したとして逮捕され、殺人犯として服役した過去もあるため、刑の重さによっては死刑も免れない。

そこで、重盛は情状酌量で刑を軽くし、死刑を避ける線で裁判の計画を練るのだが…。



映画「三度目の殺人」




感想(ネタばれあり)


犯人の供述が二転三転しても、判決は落ちるべきところに落ちる



殺人犯である三隅を突き動かした原動力は、この世の理不尽さだった。



裁判所は、本来ならば悪事を裁く場所である。

刑事事件には、事件の犯人だと思われる容疑者がいて、容疑者を訴える側の検事と容疑者の権利を守る側の弁護士が、お互いに証拠を出し合って容疑者が犯人かどうかを争い、両者の言い分を聞いた裁判官が判決をくだす。

しかし、実際のところ、事件の本質を見ず、容疑者の言い分も適当に聞き流し、検事と弁護士の二者が自分にとっても最も都合の良い判決を要求し、裁判官は両者の要求を聞いた上で、最も妥当なところで判決は決まってしまう



この映画では、容疑者の供述が二転三転し、事件の本質がつかめないまま、弁護士は裁判に突入する。

雲をつかむような状態のまま、裁判は進み、最後には判決がくだされる。



容疑者が供述を変えたにも関わらず、判決が変わらないのなら、裁判とは、一体誰のためのものなのか

裁判で悪が裁かれないのなら、一体、誰が裁くというのか

裁判とは、一体誰のために行われるものなのか。

殺人犯の三隅は、その理不尽さに苦悩し、自ら天罰をくだす道を選択するのだ。



映画「三度目の殺人」福山雅治



娘を守れない父の想い


弁護士の重盛も、この映画を観ている観客も、殺人犯である三隅の供述に惑わされてしまう。

殺人犯という程に凶暴な印象はなく、とても穏やかで真面目そうに見える。



しかし、話が二転三転していくのだ。

始めは「酒を飲んでいて、社長の金が欲しくなって殺した」と言い、それが、その後、「社長の奥さんに頼まれて殺した」という。

そして、しまいには「私は殺してない」と言い出すようになる。



そんなふうに、のらりくらりと人を困らせる三隅だが、最初から最後まで一貫して揺るがないことがある

それは、『娘に対する想い』である。



彼が『一度目の殺人』で実刑判決を受けた時、まだ幼い娘がいた

その娘は、父が実刑判決を受けた後、北海道の田舎町で『殺人犯の娘』として30年間生活し、その結果、「お父さんなんか死ねばいいのに」が口癖になる



三隅は、刑務所の中で、娘に悲しい思いをさせてしまったことを悔いながら生きるようになる



映画「三度目の殺人」福山雅治、役所広司



二番目の殺人で、娘の願いを叶える。「お父さんなんか死ねばいいのに」


三隅の娘と同じく、「お父さんなんか死ねばいいのに」と思いながら生きていたのが、三隅が殺した社長の娘・咲江(広瀬すず)である

三隅は、実の娘と同じく足が悪い咲江に自分の娘を重ね合わせるようになり、まるで我が子のように世話を焼くようになるのだ。



刑務所にいて、娘にしてあげられなかったことを、咲江に対してしてあげたい

そう思ったに違いない。



やがて、三隅は咲江から悩みを聞かされるようになる。

それは、咲江が父親から性的暴行を受けているという衝撃の事実だった。



実の娘同然の咲江が暴行されていると聞いて、三隅は社長のことが許せなくなった。

娘を暴行していた社長こそが、三隅の言う「生きる価値のない人間」のことである

それが、二番目の殺人の動機となった。



しかし、もしも、咲江と社長の関係を警察に訴えようものなら、咲江は裁判で証言することになる。

裁判で証言するということが、どんなに酷いことで、それが咲江の一生の心の傷になることを三隅が一番よく分かっていた。



罪のない被害者が、なぜ、苦悩を抱えて生きなければならないのか

その理不尽さに突き動かされた三隅は、神に代わって社長に天罰をくだしてしまう

そうして、三隅は二番目の殺人で、咲江の「お父さんなんか、死んでしまえばいいのに」という願いを叶えることになる



その三隅と咲江の関係を見て、三隅に自分の姿を重ね合わせたのが、弁護士の重盛である

重盛は妻と離婚し、娘のそばにいられないことに悩まされていた



『娘と会う時は、彼女が万引きをして捕まった時だけ』という悲しい関係の二人。

彼女にとって『万引き』は、お父さんに会いたい時のサインなのである。



忙しく仕事に追われながらも、常に心の片隅では娘のことを考える重盛にとって、三隅の動機は他人事ではなかった。

刑務所の面会場で向かい合った二人は、時折、二人の間にある透明のついたてが消え去り、二人の姿が重なる。



弁護士と容疑者の関係ではあるけれど、二人は表裏一体で、共に「娘への想い」でつながっていた

お互いの地位に違いはあっても、心の中の思いに大きな違いはない。



重盛だって、娘が誰かに酷い目に遭わされたら、きっと殺したいと思うだろう。

裁判では、それ相応の罰が与えられないことを誰よりもよく知っているはずだ。

共に、娘を守れない父親同士だからこそ、相通じるものを感じているに違いない。



映画「三度目の殺人」広瀬すず



三番目の殺人。自分を殺して神にその身を捧げる-「自己犠牲」の精神-


三隅にとって、一番目と、二番目の殺人の間で、大きく違うのは『神』の存在である。

そこは明確には描かれていないけれども、一番目の殺人で刑務所に入った時に『神の教え』と出会ったのだろうと思った。



刑務所で『神の教え』に目覚める人はとても多いからだ。



仮出所した三隅は、重盛の父である裁判長に手紙を書く。

決定的な証拠もなく、状況証拠だけで実刑を受けてしまった三隅は、きっと裁判長を恨んでいたはずだ。

それなのに、裁判長に手紙を書いたのは、神の教えに基づき、「裁判長を許した」ということなのだと思った。



彼がキリスト教に入信しているのは、カナリアの墓や社長を殺した跡の十字を見ても明らかである。



その三隅が、裁判の後半で急に供述を変え、「私は殺していない」と言い出してしまう

「情状酌量」の線で減刑を希望していた重盛にとって、それは許せないことだった。



ここで無罪を主張したら、「反省の色なし」と見られ、確実に死刑判決を受けてしまう。

しかし、その時すでに三隅に自分の姿を重ね合わせていた重盛は、冷静な判断ができなくなってしまっていた。



重盛は、三隅の「殺していない」という主張を信じ、裁判長に『無罪』を訴える。

この時、重盛は三隅のその『無罪』の裏にある真意を理解した上で、「そうさせてあげたい」と思ったんだろうと思う。

その理由は、裁判後の最後の三隅と重盛の面談で明かされる。



結局、三隅は裁判長から「死刑」の判決を受ける

この時、三隅にとっての『三度目の殺人』が成立したのだ

最後に殺したのは、自分自身だったのだ



三隅が社長を殺す前から望んでいたのは、咲江に恥ずかしい証言をさせないことだった。

実の娘のように思っていた咲江の口から、「父親から性的暴行を受けていた」なんて衝撃的なことを言わせないこと。

「それがどんな風に行われていたか」なんてことを、咲江に裁判所で語らせないこと。

もしも咲江がそんなことをしたら、実の娘が『殺人犯の娘』と言われたのように、後ろ指を指されながら一生を終えなければならない。



咲江にそんな酷い一生を送らせたくない一心で、三隅は自分が死刑になることで裁判の論点を変え、咲江を証言台に立たせないようにし、最後まで咲江の未来を守り通したのだ

それは、キリスト教で最も美しいとされる「自己犠牲」の精神である



映画「三度目の殺人」斉藤由貴、広瀬すず



本当の悪は裁判では裁かれない。神に裁きをゆだねる三隅の想い


この事件で起こったことを整理して考えてみると、

本当の『悪』は、娘を暴行していた社長である。

しかし、本来裁かれるべき『悪』は被害者として登場する。

裁判ではその悪の真相に一切触れることなく終了してしまう。



三隅は、その理不尽さを重盛に訴え続けていた。

しかし、咲江が辛い思いをせずに、咲江の父親を裁くことは、今の法律ではできない。

重盛もまた、そこに弁護士としての限界を感じ、最後は三隅の思うままにさせてしまう。



一番目の判決で有罪判決を受けた三隅は、「裁判所は、本当の悪を裁かない理不尽なところ」だと知り、

その上、一人残した娘に悲しい思いをさせてしまい

二番目の殺人で、我が子同然である咲江の願いを叶え

三番目の殺人では、『自己犠牲』の精神で自らの命を神に捧げ、これまでの自分の悪行を浄化する



その三隅の行動を通して浮かび上がってくるのは、「善悪」より「勝ち負け」を優先する裁判所の在り方である

容疑者が何を供述しようがしまいが、裁判官、検事、弁護士の間で『判決は決まっている』ということ。



それを三隅は、一番目の裁判で学習したから、本物の悪の裁きは神様にお願いしようと思った。

それが三隅の動機であり、だからこその十字架だった



三隅は、裁判所では『死刑判決』を受けたけれども、『自己犠牲』をしたことで、ようやく自分にも価値があることができたと思ったのではないだろうか。

判決後の重盛の面会で、とても清々しい表情で現れた三隅に、その思いが現れている



人殺しをして、三隅の魂は本当に救われたのか

始めからゴールが決まっているなら、裁判を行う意味があるのか

その真実は、神様だけが知っている



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