とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:白石和彌



門脇麦 主演、白石和彌 監督の日本映画「止められるか、俺たちを」をU-NEXT で観た。

1969年に、若松孝二監督の助監督として働き始めた吉積めぐみの視線を通して、当時の映画業界の勢いや情熱を描く作品。



満足度 評価】:★★★★☆

ピンク映画に情熱を注ぎ、どんどん撮るその勢いに、今の日本映画にない熱量を感じた。

ノリや勢いだけではなく、挫折や切なさもあって、まさに青春ど真ん中な作品。

そして改めて映画とは自己を表現する鏡だと思った。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『止められるか、俺たちを』予告編 動画




更新履歴・公開、販売情報

・2019年7月6日 U-NEXT にて鑑賞。

・2019年7月14日 感想を掲載。

現在、DVD、ネット配信、共に販売中。


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キャスト&スタッフ


出演者

〇 門脇麦

…(「菊とギロチン」など)

〇山本浩司

〇タモト清嵐

〇毎熊克哉

〇岡部尚

〇伊島空

〇大西信満

〇藤原季節

〇高岡蒼佑


…(「洗骨」など)

〇吉澤健


監督



2018年製作 日本映画



映画「止められるか、俺たちを」


あらすじ


1969年。何かを成し遂げたいと思いつつも、何をしたらいいのか分からずにいた吉積めぐみ(門脇麦)は、当時ピンク映画を撮っていた若松孝二監督の若松プロダクションの門を叩く。

助監督として働き始めためぐみは、様々な経験をしながら、脚本を書いたり、短編映画を撮るチャンスを与えられるようになるのだが…。


映画「止められるか、俺たちを」井浦新



感想(ネタばれあり)


当時の映画界にあった「情熱」「ノリ」「勢い」


ピンク映画は観たことがない。

「ピンク映画」と聞いてイメージするのは、新宿東口の裏通りや、横浜の黄金町あたりにあった薄暗い映画館だ。



最近は、DVDやネットが発達したせいか、ピンク映画専門の映画館をあまり見かけなくなった。

ということは、この映画で描かれているようなピンク映画をメインに撮影していた映画プロダクション
というのも、なくなってしまったんだろうか。



というわけで、私はピンク映画について知識もあまりないし、正直あまり良い印象も持っていなかった。

なので、この映画で描かれている「若松プロ」が、とても真剣に、情熱を持ってピンク映画を撮っている様子を見て、ちょっとビックリしてしまった。

悪いけど、もっと適当に撮っているイメージがあったからだ。



若いスタッフたちが映画ついて熱心に考え、どんな映画を撮りたいのかを真剣に語り合い、撮影後や、その合間には、酒を飲んで憂さ晴らしをする。

その様子は、まるで大学のサークルのようだった。



彼らはサークルではなく仕事なのだけれど、毎日がとても楽しそうで、無茶だと分かっていながら、高い目標に向かって突き進んでいく姿に大学生のような青さを感じたからだ。



でも、「青い」からこそ、勢いや力強さが映画に出たんだろう。

そんな「サークルのようなノリ」と「情熱」と「勢い」が、その当時の映画界にはあって、今の映画から感じられなくなってしまったものだと感じた。


映画「止められるか、俺たちを」若松プロ



映画とは心の中を映し出す鏡


そんな彼らが表現するのは「エロ」だけにとどまらない。

チェ・ゲバラの肖像画を部屋に飾っている彼らは、常に「革命」を語っている。

そして、当時の赤軍とイスラエルの状況を知るために、イスラエルまで撮影に行ってしまう。



つまり、ピンク映画を撮っている「ノリ」や「勢い」のまま、その情熱で撮りたい映画を撮るのだ。

性欲・政治・革命…。

日頃から思いついたことについて、心の赴くままに映像を撮っていく。



政治を批判するドキュメンタリー映画を撮って、配給できなくなったら、自分たちで全国を回って上映すれば良い。

彼らは国や政治や観客に好かれる映画を撮っているわけではなく、撮りたい映画、多くの人たちに知ってもらいたい映画を撮っているのだ。



そんな彼らの信念に直結した映画作りを見ていると、「映画」とは、監督の心の中にある全てが投影されるものであり、自己を表現するツールの一つなんだと、改めて思った。

ミュージシャンは歌詞や音楽で、画家は絵で自分自身の思いを表現するように、映画監督は映画で自分自身を表現するのだ。



「性欲」「政治」「革命」というのは、若松孝二監督の心の叫びなのだ。



映画「止められるか、俺たちを」若松孝二



良い時もあれば、悪い時もある…青春の日々


しかし、当然ながら良いことばかりではない。

資金稼ぎのために撮りたくない映画を撮らなけれいけないときもあるし、夢を抱いて、若松プロに入っても、挫折してしまうこともある。



主人公のめぐみは、特にこれといった夢もなく、かといって、このまま平凡な人生を終わらせたくもない。

「何かを成し遂げたい」と思い、あえて女性のいないピンク映画の世界に飛び込んだ。

たまたま知り合いから、人手不足だと聞かされたからだ。



そうして、助監督としてスタートし、いくつか現場を経験した後、短編のピンク映画を撮る機会を得る。

ところが、撮った映画は失敗作となり、そこからどうしていいか分からない壁にぶち当たってしまう。



さらに、映画監督として将来が見えないまま、妊娠が発覚。

出口が見えなくなってしまっためぐみは、自分で人生を終わらせる選択をしてしまう。



そんなめぐみと、彼女と共に働く彼らは、かなりいい歳をした大人たちだけど、青春しているなぁと思った

心の赴くままに映画を撮り、革命に夢中になり、恋もするし、思い切り遊ぶ日もある。

働くというよりも心のままに生きている彼らは、キラキラと輝く青春の真っ最中だった



その青春の日々は、めぐみの悲しい選択で終わりを迎えるけれど、その時の熱い思いが映画を作っていた時代なんだろうと思った。

良い映画を撮りたいわけではない。

彼らは撮りたい映画を撮っていただけなのだ。



映画「止められるか、俺たちを」門脇麦



この時の情熱はどこへ行ったのか


現代の日本映画の中で、この当時の若松監督のような「勢い」で映画を撮っている人たちがどれだけいるのだろうか。

経済的な理由で、そうしたくてもできない人もいるだろうと思う。

しかし、私は、その当時の彼らの「何が何でも、撮りたい映画を撮る!」という情熱は、日本映画よりも韓国映画の方が熱くて強いのではと思う。



だからこそ、今、この映画を観て、「映画を撮るということは、どういうことなのか」について考えるべきなのではと思った。

若松監督にもそういう時期があったように、「観客を呼ぶ映画」を撮る時があってもいいとは思う。

でも、時には、「どうしても、今、これを伝えたい」とか、「どうしても、今、これを撮りたいんだ」という情熱を感じる作品をもっと観たいと思った。



若松監督が映画を撮っていた頃、映画は自己表現の一つであり、芸術だった。

しかし、最近の映画は、その当時の情熱を失い、多くの作品が商業的になってしまった。

だからこそ、今、この映画を観て、多くの人が「映画とは何か」を考える機会になれば良いと思う。




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役所広司主演の映画「孤狼の血」を映画館で観た。

昭和63年の夏。広島で抗争する二組のヤクザと、その仲裁をするヤクザのようなマル暴刑事、そんなヤクザと刑事たにもまれながら成長していく新人刑事の姿を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

面白かったーー!!

世間知らずの青年が上司とヤクザにもまれて成長していく話だった。



目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「孤狼の血」予告編 動画




更新履歴・公開情報


・2018年5月19日 映画館で本作を観ました。

・2018年6月7日 感想を掲載しました。

・2019年2月3日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

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キャスト&スタッフ


出演者



…(「焼肉ドラゴン」など)


ピエール瀧
…(「アウトレイジ 最終章」、「怒り」、「凶悪」など)


〇石橋蓮司

…(「天空の蜂」など)



監督



2018年製作 日本映画



孤狼の血





あらすじ


昭和63年の夏。

広島の呉原で暴力団 五十子会系 加古村組と尾谷組が対立する中、加古村組の金庫番が失踪。

所轄に配属されたばかりの新人刑事 日岡秀一(松坂桃李)は、マル暴のベテラン刑事 大上章吾(役所広司)と共に捜査を開始する。

しかし、そのことをきっかけに加古村組と尾谷組の対立が激化する…。



孤狼の血2





感想(ネタバレあり)


二組のヤクザとマル暴刑事と青二才の新人



昭和63年といえば昭和最後の年であるが、暴力団にとっては「暴力団対策法」が施行される直前である。(平成3年施行)

ということは、ヤクザが最もヤクザらしかった時代の末期ともいえる。




そして、舞台は広島。

最もヤクザが似合う町である。

つまり、この映画は、ヤクザが最も似合う町で、ヤクザがヤクザらしくいられた時代を舞台にしている。



登場するのは、二組のヤクザ 五十子会系 加古村組と、尾谷組。

尾谷組の組長は刑務所の中にいて、統率力を欠いているところに、加古村組の勢力が増していた。

そんな二組の暴力団の抗争の中心地にいて、互いをけん制しているのはマル暴の刑事 大上だった。



そして、その大上の元へ監視役として送り込まれたのが、新人刑事の日岡だった。

日岡は地元 広島大学出身のエリートで、まだまだ若く、正しい正義観と倫理観を持ち、曲がったことの許せない青二才である。



この映画は、その日岡がヤクザとベテラン刑事 大上にもまれながら、理想と現実の違いに打ちのめされながら、一人前の刑事として成長していく物語である。



孤狼の血3




ヤクザ同士が対立する中心でカタギの盾になるマル暴



そのベテラン刑事の大上は、ワイロ、暴行なんでもありで、「彼は汚職刑事か?」と聞かれると「限りなく黒に近いグレー」というタイプである。

まだまだピュアで真っ白な日岡からしたら、今すぐにでも「内務捜査」を開始したいタイプだった。



しかし、物語が進んでいくうちに、その大上に対する「汚職刑事」という見立ては、表面的な部分しか観ていないということが分かってくる。

大上は対立する二つの組織の間に立ち、互いの組の事情を理解し、彼らの抗争がカタギに飛び火しないように監視することが役割だった。



だからと言って、ワイロを受け取ることは法律的には正しくない。

けれど、真木よう子演じるママのように、彼のおかげで守ってもらえた人がいたのも事実である。



私が育った地域(横浜)も、組員の人たちが近所に住んでいて、それなりに新聞沙汰になるような抗争事件や、発砲事件もあったけれど、その近所で子供たちは安心して遊んでいたし、カタギの人たちが巻き込まれたという話は聞いたことがない。

それは、私たちの知らないところで、大上のような「限りなく黒に近いグレー」な刑事が、ヤクザたちに対して目を光らせていたからなのかもしれないなと、この映画を観ながら思った。



しかし、それも昭和までのこと。



現代は北野武監督作品「アウトレイジ 最終章」に見られるように、ヤクザも暴力団対策法の間をぬって、より狡猾に生き延びるようになった。

私たちが意識しないうちに、ヤクザの会社が一般社会に浸透している…かもしれない時代なのだ。



孤狼の血4




正義やルールでは測れない社会の複雑さ



この映画を観始めた前半部分では、エリート゛広大゛日岡の言っていることは正しいけれど、きれいごとと理屈のオンパレードで、ずいぶんトンチンカンだなぁと思っていた。



しかし、なるほど、彼の「絵にかいたような正義感」が、社会では通用しないことを大上が教えてくれるのだ。



恐らく、多くの人たちの中に日岡のような「正しい倫理観」があって、彼らは常識や法律を守らなければいけないと思っている。

ところが、この世の中は、そんな「常識」では解決できないことがたくさんあるのだ。



そんな「きれいごとでは済まされない」世の中を、世間知らずの日岡と、彼と同じ思考回路で観ている観客に示し、「常識と倫理観」について疑問を投げつけるのが大上の役割である。



もしも、大上がいなかったらママは刑務所に入っていたし、そしたら彼の息子はどうなるのか。

非行に走って、ママが出てきた頃には組員の一人になっていたかもしれない。



それはそれで正解なのかもしれないが、大上は大上で彼の思う正しいことをしたのだ。

私は、大上の行動を全面的に支持したいと思った。



うまいこと二つの組織が共存していたのも、大上がいてこそのことだったのだろうと感じる。



そんな大上の役割を知った日岡は、それまで彼の中で確立されていた倫理観が覆され、さまざまな「生き方」を大上に教えられる

世の中は彼が思う以上に複雑で様々な人たちの思いが絡み合い、正しい常識やルールでは測れないことがたくさんある。

学歴は日岡の方が立派かもしれないが、生きていく術にかけては大上の方が何枚も上手なのだ。



孤狼の血5




昭和と平成の間に生まれる孤狼なハイブリッド刑事



そして、大上から生きる術を学び、平成へと切り替わる年に、日岡という新しい刑事が生れるのだ。

彼は昭和の悪徳刑事 大上のDNAを受け継ぎ、ヤクザとの戦い方を学び、それを咀嚼して彼自身のオリジナルの狡猾さを身に着けていく



それが、ラストに現れている。

それまでの「暗黙の了解」ならば、ボスである一之瀬(江口洋介)を守って自首した下っ端を逮捕するはず。



しかし、日岡にはその「暗黙の了解」が通じない。

彼は一之瀬本人を逮捕してしまうのだ。



それは、彼が昭和と平成をミックスした新しい時代のハイブリッド刑事となって成長したことを示している。

「卑怯だ」とか「ずるい」という言葉は、彼にとって誉め言葉である。

なぜなら、彼は「孤狼の刑事」だからである。



これは、血生臭いヤクザの抗争を背景に、一人の世間知らずで頭でっかちな青年が理想と現実の違いに傷つきながらも、成長し、大人になっていく姿を見事に描いた作品だった。








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蒼井優主演の映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を映画館で観た。

元OLで現在無職の十和子と、その同棲相手、不倫相手、元カレをめぐるサスペンス映画。



満足度 評価】:★★★★☆

観ている人の恋愛観を試すような映画だった。

「人を愛しすぎてブレーキがきかない」人と、相手に何も求めない「無償の愛」が出会ったとき、そこから奇跡が生まれる物語だった。

主人公の十和子は酷い女だけど、私の心の奥底のどこかにも十和子が潜んでいると思った。

女を怒らせたら怖いのだ。


目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


「彼女がその名を知らない鳥たち」予告編 動画




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キャスト&スタッフ


出演者

…(「斬、」など)

〇阿部サダヲ

松坂桃李
…(「孤狼の血」、「図書館戦争 THE LAST MISSION」など)

竹野内豊
…(「孤狼の血」、「シン・ゴジラ」など)

〇村川絵梨

〇赤堀雅秋

〇赤澤ムック

〇中嶋しゅう


監督

白石和彌
…(「孤狼の血」、「凶悪」など)

原作

〇沼田まほかる


2017年製作 日本映画



映画「彼女がその名を知らない鳥たち」



あらすじ


元OLで現在無職の十和子(蒼井優)は、建築作業員の陣治(阿部サダヲ)と同棲している。

陣治は稼いできた給料のほとんどを十和子に貢ぐが、十和子はその金で自由に生活している上に、掃除や洗濯もせず、陣治に対して恋愛感情がない。

さらに、十和子は8年前に分かれた元カレ・黒崎(竹野内豊)のことが忘れられず、その上、妻子ある男・水島(松坂桃李)と付き合い始める。

そして、いつか水島が離婚して十和子と一緒に海外へ行くのだと信じている。

そんな十和子に対し、陣治は「水島は酷い男だ」と言って、十和子と水島の後をつけまわす。

すると、水島が盗難に遭う事件が起きて…。



映画「彼女がその名を知らない鳥たち」蒼井優と松坂桃李



感想(ネタバレあり)


何もしないヒモ女に貢ぎ続ける男と、ヒモ女を利用する不倫男


蒼井優が演じる主人公の十和子は、なかなか酷い女だ。

日常生活では、無職で掃除や洗濯や料理もせず、一日、家でゴロゴロしながら過ごし、「お宅で買った腕時計が動かないから弁償しろ」と電話で時計販売店に延々とクレームをし、借りてきたDVDは「再生できなかった。私の貴重な時間を返してよ」とショップ店員にクレームを言って暇をつぶしている。

男関係では、8年前に別れた男・黒崎(竹野内豊)のことを忘れられずに引きずり続け、いまだにその当時に撮った動画を観て、思い出に浸ったりしている。



正直言って、女としてというより、人間としての魅力をどこにも感じられない

しかし、そんな十和子をこよなく愛し続けるのが、阿部サダヲ演じる陣治である。

建築作業員の陣治は、十和子のためにマンションを買い、二人で同棲をし、夕飯を作り、生活するためのお小遣いを渡している。



ところが、十和子の方はそんな陣治に愛情を感じるどころか、「品性下劣で不潔」だと言って切り捨てた上に、陣治と同棲しているのにも関わらず、妻子ある男・水島(松坂桃李)と不倫関係にある。

水島は、黒崎のことを思い起こさせる雰囲気があって、十和子には「離婚して二人で海外の辺境に行って愛し合おう」なんて甘い言葉で引き留める。



十和子と水島の不倫関係を知った陣治は十和子のことが心配になり、十和子が水島と会っている時は二人を尾行するなどしていた。

そして陣治は「あの男は妻子持ちで、どうせ十和子のことなんかすぐに捨てるんだから、会うのはやめろ」と十和子に忠告する。



十和子は陣治にとって、ヒモ男ならぬヒモ女だ。

ヒモ男が外でどんなに酷いことをしようとも、女はその男を愛し続け、ひたすら金を貢ぎ続けるように、陣治は、十和子がどんなに外で酷いことをしようとも、ひたすら愛し続け、金を貢ぎ続ける

ヒモ男を好きになった女性が「貧乏くじを引いた」と言われるように、ヒモ女を好きになってしまった陣治は貧乏くじを引いてしまったとしか言いようがない。



そんな三角関係に悩まされながらも、金遣いの荒い尻軽女に振り回される男の話で終わったなら、この映画はとても平和で幸せな映画だっただろう。

ところが、そうはいかない。

ある時、十和子と陣治の間に事件が起きる。

十和子が8年前に分かれた男・黒崎の失踪が発覚

失踪したのは5年前、ちょうど十和子が陣治と出会ったばかりの時だった。



映画「彼女がその名を知らない鳥たち」蒼井優


愛した男に見た夢が完ぺきに崩れ落ちた瞬間、その心がえぐられる



十和子は『愛した男に期待しすぎる』女である。

8年前に付き合っていた黒崎は派手な金遣いをする男で、十和子は黒崎にとってただの「性欲解消のための都合のいい女」だった。

黒崎は、十和子とは別に、結婚相手として「金づるになる女性」を用意していた。

ところが、十和子は愛していた黒崎を信じ切り、彼と結婚し、高級マンションに住んで休日にはクルージングに行くような、そんな二人の甘い生活を夢見ていた



しかしある時、黒崎が他の女と結婚するからと言って、十和子に別れ話を切り出す。

その瞬間、十和子が思い描いていた夢(高級マンションやクルージング)が見事に音を立てて崩れ落ち、十和子の心を鋭い刃がえぐる。

いやだと言って十和子がしがみつけば、「顔が変形するのでは」と思うぐらい、十和子のことを蹴る、殴るの暴行を加える。



黒崎という男は、どこから見ても酷い最低のDV男だった。

お金が困った時には、資金提供者に十和子の身体を差し出したこともある。

それでも十和子が黒崎にしがみついたのは、十和子が黒崎自身よりも「黒崎に期待してた夢の世界」に固執していたように思う。



黒崎と結婚して、仕事もやめて、高級マンションで暮らし、休日はクルージング。

そんな夢のようなセレブの生活。

しかし、現実は鋭い刃となって十和子の心臓を突き刺す。

別れ際に、殴られたり蹴られたりしたことよりも、十和子には黒崎に捨てられことの方が痛かった



十和子が黒崎に捨てられた直後、十和子は陣治と出会い、陣治は十和子のためにマンションを買い、十和子は仕事を辞め、二人で暮らすようになる。



映画「彼女がその名を知らない鳥たち」蒼井優と竹野内豊


「理想の女性像」に対するステレオタイプを覆す陣治の「愛のカタチ」


十和子とは真逆に、陣治は「愛した相手に何も期待しない男」である。

愛した女性が望むことをなんでも叶えてあげるのが愛情」だと思っている。

十和子がマンションに住みたいならマンションを買うし、仕事を辞めたいなら生活費は陣治が稼ぐし、他の男とセックスしたいなら、それすらも黙認してしまう。

ヒモ女にひたすら貢ぐ男である。



だからこそ、陣治は自信をもって「十和子を幸せにできるのは僕しかいない」と言い切るのである。



女性は掃除・洗濯・料理をしてくれるもの、夫に尽くしてくれるのが夢の奥さん。

陣治のしていることは、そんな「ステレオタイプの理想の女性像」を見事にくつがえす



画面のこちら側にいる観客は、少数派で共感されにくい陣治の行動を観て、「いつかキレるんじゃないだろうか」「そんなに十和子を愛しすぎちゃって大丈夫なんだろうか」と、「いつか爆発する陣治」を期待してしまう。

すると、そこへ「黒崎が失踪」の知らせが入ってきて、観客は「あぁやっぱり」と思う。

「黒崎を殺したのは陣治じゃないのか」と予想し、「陣治は良い人そうに見えるけど、その裏では嫉妬や怒りが渦巻いていたんだね」と勝手に想像する



しかし、それは十和子が「恋の熱」に浮かされて、黒崎に対して見果てぬ夢を見ていたように、観客も「陣治の愛のカタチ」を勝手に「あり得ない」と決めつけ、そこから妄想を抱いていたことがわかる。

これは「無償の愛」なんてあるはずがないと思っていた観客の心の汚れ具合を試すような作品だった。



映画「彼女がその名を知らない鳥たち」阿部サダヲと蒼井優


「その時」に備えて舞台をセッティングしていた陣治



これは、これまで酷い扱いを受けてきた十和子の男性たちへの復讐の物語だった。

都合が良い時に呼びつけてセックスをし、次もまた会えるように適当にものを買い与え、耳元で甘い言葉をささやきかける。

そして、いよいよ身を固める時になったら、都合のいい女をキレイに捨て去る。



十和子自身は、目の前にいる男の人の良いところだけを見て、「私はこの人と夢の世界に行くんだ」と本気で思っていた

しかし、現実は鋭い刃となって、彼女の心を思う存分切り裂いてズタズタにする

だから、十和子は鋭い刃で彼らに仕返しをしてやっただけだった。



多くの人が「十和子はなんてバカな女なんだ」と思うかもしれないが、「恋とは人をバカにするもの」なのである。



その十和子を深く愛しながら、冷静に見ていたのが陣治だった。

だから、黒崎と似たタイプの水島と付き合い始めた十和子が心配になり、常に尾行を続けていた。

陣治が「忙しくなって、お金を入れられないかも」と言っていたのは、仕事よりも十和子のために時間を使っていたからだ。



誰よりも十和子をよく知る陣治が思ったのは、「十和子を自由にさせてあげること」だった。

だから、十和子の姉にも、水島にも「陣治=怪しい男」としての伏線を張り、十和子が二度目の復讐を果たしたところで舞台は完ぺきにセットされ、陣治は十和子のために旅立っていく

そうして、ようやく陣治は「十和子のたった一人の恋人」の座を手に入れる

そして、そこから飛び立つ「彼女がその名を知らない鳥たち」のように、十和子はようやく自由になる羽を手に入れる



そんな十和子は「共感度ゼロ」と言われるけれど、本当にゼロだろうか

愛した相手に期待しすぎてしまうのも、二人との間に見果てぬ夢を見てしまうのも、きっと誰でも経験があることではないか。

私たちは、その期待や夢に対し「そんなことがあるはずない」と思い、現実を見てブレーキをかけてしまうけど、十和子はそのブレーキが壊れていただけ。

陣治はそんな十和子を理解して、ブレーキの代わりをしていただけだった。



私にも、心の奥底の暗いところに十和子が住んでいるなと思った。

すごく共感するわけではないし、友達にも欲しくないけど、でも十和子的なところは私のどこか一部にもいるから、十和子がしていることを理解することができる



さて、自由な羽を手に入れた十和子は、その後、社会とうまく付き合うようになれるのか。

それとも、二番目の陣治を探しに行くのか…

なんとも怖い話だった。


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山田孝之主演の映画「凶悪」をWOWOWで観た。

ある事件で死刑囚になった男が、全ての事件における真犯人について語り始めた…。

満足度 評価】:★★★★☆

面白かったと言っていいのかわからないけど、画面から一瞬も目を離せず、怖くて恐ろしい映画だった。

人間の闇はどこにでもある。その闇を食い物にして楽しんでいる悪魔がいる。

実際にあった事件を元に、その悪魔の所業について語られている。


出演山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー池脇千鶴、小林且弥、白川和子

監督:白石和彌

「凶悪」予告編 動画





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あらすじ


ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、編集部に届いた死刑囚・須藤純次(ピエール瀧)からの一通の手紙を読み、本人の話を聞くために、刑務所を訪れた。

その手紙には須藤がこれまで犯してきた殺人の詳細が書かれており、彼によれば、これらの事件の真犯人は先生と呼ばれた不動産ブローカー・木村孝雄(リリー・フランキー)だという。

須藤の告白の裏付けをとるために、各事件を調べ始めた藤井だったが、あまりにも証拠が少なく取材は難航する…。

凶悪

感想(ネタバレあり) 人の闇を食い物にして楽しんでいる凶悪


この映画は、人生に対して前向きになったり、気分が良くなったり、楽しんだりするような映画ではない。

「恐ろしい」「怖い」そんな言葉しか出てこない、心の奥底にずっしりとした重みを感じる映画だった。


私たちが生きている世界には、陰と陽がある。

普段、明るい光の下で暮らしている「陽」の人間には想像もつかないような、深い闇を持つ「陰」の世界がある。

この映画は、その「陰」について描かれている。

「陰」は、常に私たちのすぐ近くにある。

もしも、誰かが誰かに死んで欲しいと心の底から思った時、そこに「陰」が現れる。

例えば、病気で寝たきりの親に死んで欲しいと願った子供がいたとしたら、痴ほうでトイレの生き方もわからなくなった親に死んで欲しいと願った子供がいたら、そこには「陰」が寄り添う。

須藤と先生はその「陰」を食い物にし、楽しみながら人を殺す凶悪犯であり、「死んで欲しい」という人の願いを叶える「悪魔の代理人」だ。

凶悪3

高温多湿でねっとりとしたサスペンス映画


このタイプのサスペンス映画は、韓国でよく見られるタイプの映画だ。

この「凶悪」と、韓国版のサスペンス映画に共通しているのは、ねっとりとした殺人の風景。

気候で表現するなら、高温多湿。

欧米のように簡単に銃で殺してしまうようなカラッと乾燥した感じは一切無い。

その「悪」は、人が死んでいく状況をじっくりと楽しみ、ジワジワと追い詰めながら、殺していく。

もう、いっそのこと、さっさと殺してくれと、何度思ったことか…。

それは、憎悪の深さなのか、執着心なのか…。

正直、気分が悪くて目を伏せたくなったことが何度もあった。

私も、須藤や先生も同じ人間なのに、どうして、ここまで「凶悪」になれるのか…。

その理由は最後まで分からなかった。


凶悪2

私の疑問:須藤は改心したのか…?


しかし、最後の最後で疑問として残ったことがある。

それは、須藤は本当に改心したのかどうかだ。

「牧師さんにススメられて」「キリスト教徒になった」り、「ペン習字を始めた」り、「俳句・短歌を詠み」始めたという。

この間まで、人が死ぬことをなんとも思っていなかった人が、そんなに簡単に改心するものだろうか。

ジャーナリストの藤井が刑務所を訪れた時だって、突然、発狂したばかりなのに。

それは、先生を自分と同じ闇に引き込むための須藤による「改心プレイ」だったのでは…。

私はそう思った。

先生がいかに酷い人間であるかを際立たせるためのプレイ。

須藤だって、所詮は「悪」、「悪」が「悪」を倒すためになら、どんなことだってするのではないか。そう思った。

凶悪4

負のパワーを須藤に利用されたジャーナリスト藤井


それを確信したのは、ラストシーンで先生とジャーナリストの藤井が対峙したシーンだった。

初めて藤井と対面した先生は、彼に向かって

「本当に私のことを殺したがっているのは誰だか知っているか?被害者でじゃない」

と言いながら、藤井のことを指さしている。

私は、そのシーンを観ながら、藤井は須藤に利用されたんだと思った。

須藤の話を聞きながら、先生の悪行に憎悪を感じた藤井。

その「憎悪」という「陰」を感じ取った須藤は、その藤井の放つ負のパワーを利用し、先生を自分と同じ闇に引きずり込んだ。

そして、見事に藤井の「先生を刑務所に入れたい」という願いを叶えてしまった。

もしも、悪魔がこの世にいるのなら、人の「憎悪」という感情をうまく利用して、自分の闇に引きずり込み、「凶悪」という「陰」を増殖させていく。

そういう闇に潜む者なのではないかと思った。



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