とにかく映画が好きなんです【本館】

とにかく映画が好きで、特にアメリカ映画大好きです このブログは、ネタバレありの映画鑑賞日記です。主にハリウッド映画と韓国映画をメインに感想を書いています


タグ:第二次世界大戦



コンスタンチン・ハベンスキー監督・主演の映画「ヒトラーと戦った22日間」を試写会で観た。

第二次世界大戦時に、ソ連側にあった絶滅収容所ソビボルで起きた収容されていたユダヤ人たちの反乱と脱走の実話を描く。



満足度 評価】:★★★★☆

ソ連側に絶滅収容所があったこと、そこでユダヤ人たちによる反乱があったことを初めて知った。

そして改めてナチスドイツの人間とは思えない恐ろしさに震え「なんとしででも生き延びよう」とする人々の強さに涙が溢れた。

目次

  1. 予告編
  2. 更新履歴・販売情報
  3. キャスト&スタッフ
     出演者
     監督
  4. あらすじ
  5. 感想


『ヒトラーと戦った22日間』予告編 動画

(原題:Sobibor)



更新履歴・公開、販売情報

・2018年9月4日 試写会にて鑑賞。

・2018年9月27日 感想を掲載。

現在、全国順次公開中。詳しい上映劇場情報につきましては、下記、公式サイトをご参照ください。
 ↓
映画「ヒトラーと戦った22日間」公式サイト




キャスト&スタッフ


出演者

〇コンスタンチン・ハベンスキー

〇クリストファー・ランバート

〇フェリス・ヤンケリ

〇ミハリーナ・オルシャンスカ


監督

〇コンスタンチン・ハベンスキー


2018年製作 ロシア、ドイツ、リトアニア、ポーランド合作映画



ヒトラーと戦った22日間




あらすじ

第二次世界大戦時、ソ連近くのソビボルにはユダヤ人を虐殺するための「絶滅収容所」があった。

そこへ、1943年9月ソ連の軍人アレクサンドル・ペチェルスキー(通称:サーシャ)(コンスタンチン・ハベンスキー)が収容者として送り込まれる。

やがて、ソビボルの収容者たちの間でサーシャをリーダーとして、反乱後に脱走する計画が立てられ…。


ヒトラーと戦った22日間2





感想


この映画の感想は、私が「ぴあ映画生活」に掲載したものをご紹介します。


ヒトラーと戦った22日間 (2018)


★★★★ [80点] 「今だからこそ、知るべき史実」

改めて、どこまでも残酷になれる人間の恐ろしさを感じた作品だった。



第二次世界大戦でソ連側にあったソビボル絶滅収容所(ユダヤ人を絶滅させることを目的に作られた収容所)で起きた実話の映画化。

この映画の試写会は、ロシア大使の方と、イスラエル次席・公使からのご挨拶から始まった。



その中で「最近の世界情勢として、ネオナチの台頭やデモ行進が増えている

しかも、この映画の舞台となった地域、ウクライナ、ラトビア、ポーランドで増えている

そういう時代だからこそ、いま一度、私たちは、この当時に起きたできごとを知るべきなのです」というお話があった。



そう言われて振り返ってみると、毎年のように、ナチスドイツや、ホロコーストを描いた作品が作られている。

それは、私たちがその時代に起きた事実を軽んじ始めていて、あの時、なんの罪もなく殺されてしまった人々がいたという真実が薄れつつあるということなんだろうと思った。

だからこそ、しつこいぐらいにホロコーストやナチスドイツを描いて、少しでも多くの人の心に届けることが、とても大事なことなんだと思った。



ナチスドイツが行なっていたホロコーストの中で、ユダヤ人絶滅のために作られた施設である絶滅収容所の中で一番有名なのは、アウシュビッツである。

この映画の舞台であるソビボルは、そのアウシュビッツよりもソ連側にあった収容所であり、収容されていたユダヤ人たちによる反乱と、脱走が起きた収容所だった。



そのナチスドイツのユダヤ人に対する扱いの酷さは目を覆いたくなる。

それを見ていると、世界中の人種の中でも、優秀な人種などいないことがわかる。

もしも、本当にドイツ人が優秀ならば、他の人種を下に見ることはないだろうし、絶滅させようと虐殺することもないはずだ。



それに加え、彼らに与えられた権力が、彼らをより残虐にしていく

その所業は、とても人間とは思えないものだった。

人間は一旦タガが外れると、どこまでも残酷になれるんだなと思った。



しかし、その中で希望となるのは、なんとしてでも生き延びようとするユダヤ人たちの強い意志だった

権力を持った人間がどこまでも残酷になれるように、「生きたい」と強く願う人間もまた、どこまでも強くなれるのだ。



後半は、涙なしには見られなかった。



とても月並みなことしか言えないのが、とてももどかしいけれど、私たちが、このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、この事実をたくさんの人に知って欲しいと思った。

ソ連側に絶滅収容所があったのも、そこで反乱があったのも、私には初めて知るできごとだった。

そういう勇気ある人々がいたことを知れただけでも、とても意義があり貴重な作品だった。


Posted by pharmacy_toe on 2018/09/06 with ぴあ映画生活



ヒトラーと戦った22日間3




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エマ・トンプソンブレンダン・グリーソン主演の映画「ヒトラーへの285枚の葉書」を映画館で観た。

第二次世界大戦のベルリン。

戦争で息子を殺された中年夫妻が、ペンと絵葉書を使い、ナチスを批判し続けた実話の映画化。



満足度 評価】:★★★★☆

仕事をしている人なら、職場での会議の時や、学生なら、クラス全員が参加する学級会の席など、日常生活の中で「それは、間違っています。考え直しませんか?」と言うことが、とても難しい時がある

そんな時、「明らかに私の意見が正しいけど、面倒だし、早く終わりたいから、ここは黙っておこう」と思うことがある。

しかし、そんな『面倒』を通り越し、どうしても意見を言わなければならない時もあって、そういう時は、相手が大きければ大きい程、強いパワーが必要とされる。

この映画では、『息子を殺された苦しみ』を正義を貫くパワーに変え、ナチスに立ち向かって行った夫妻の実話が描かれている。


「ヒトラーへの285枚の葉書」予告編 動画

(原題:ALONE IN BERLIN)




更新履歴・販売情報

・2017年8月6日 映画館で観た感想を掲載。

・2018年7月1日 WOWOWでの放送に合わせて加筆・修正。

現在、DVDが販売中。



DVDで観る:「ヒトラーへの285枚の葉書」

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キャスト&スタッフ


出演者

エマ・トンプソン
…(「美女と野獣」、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」、「ロング・トレイル!」、「二つ星の料理人」、「ウォルト・ディズニーの約束」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」、「パイレーツ・ロック」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」など)

ブレンダン・グリーソン
…(「ロンドン、人生はじめます」、「パディントン2」、「夜に生きる」、「アサシン・クリード」、「未来を花束にして」、「ある神父の希望と絶望の7日間」、「白鯨との闘い」、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」など)

ダニエル・ブリュール
…(「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「黄金のアデーレ 名画の帰還」、「コロニア」、「二つ星の料理人」、「フィフス・エステート/世界から狙われた男」、「誰よりも狙われた男」「ラッシュ/プライドと友情」など)

監督

〇ヴァンサン・ペレーズ


2016年製作 ドイツ・フランス・イギリス合作映画

ヒトラーへの285枚の葉書

あらすじ


1940年 第二次大戦中、対仏戦争で勝利を収めたと戦勝ムードに湧いていたドイツ・ベルリン。

労働者階級であるクヴァンゲル夫妻の元に届いた一通の手紙。

それは、息子の戦死を伝えるものだった。

悲しみに打ちひしがれ、善良で無実の息子を殺すような戦争は間違っていると考えるようになる。

そして、夫のオットー(ブレンダン・グリーソン)は、ナチスを批判する文章を絵葉書に書き、町中の公共施設に起き始める。

やがて、妻のアンナ(エマ・トンプソン)も、オットーの活動を手伝うようになる。


ヒトラーへの285枚の葉書3


感想(ネタバレあり)


「間違っている」ことを「間違っています」と言う勇気


大切に育てた一人息子が、夢と希望を抱いて希望の会社に就職して喜んでいたのもつかの間、過酷な労働に耐えきれず、過労死してしまったとしたらどうするだろうか。

息子の命は、もう帰ってこない。



それでも、相手が大きな会社で勝ち目がなかったとしても、息子が間違っていなかったことを証明するために、その会社を訴えようと思うのではないだろうか。

その時、両親の心を支えるのは、『同じ過ちを他の人に繰り返して欲しくない』という思い。

たとえ誰も味方になってくれなくても、裁判で負けたとしても、『現状を訴え、周りの人たちに知らせること』に、とても意義があるし、『他の人たちを救いたい』という思いが、希望となり、生きがいになる



この映画の主人公であるクヴァンゲル夫妻は、戦争で大切な一人息子を失ってしまった

やはり、彼らも『ナチスドイツが間違っている』と思い、『この悲しみを早く終わらせる』ために

毎日、毎日、匿名のポストカードで『ナチスは間違っている。戦争を終わらせろ!』と訴え続けた

そんな彼らの勇気ある行動に、私は涙があふれ続けた。



現在の平和な国で暮らす私たちですら、「この会社は間違っています」と訴えることがとても難しいのに、

戦時中、周りはナチスを強く信じている人たちばかりの中で

あのナチスドイツを訴え続けた夫妻の勇気はどれ程のものだったか



しかし、彼らはそんなプレッシャーに押しつぶされるどころか、自分たちの反戦運動に生きがいを感じ

ナチスのために生活していた頃よりも、人間らしさを取り戻していくようになる。

やはり、人間は『正しいことをしている時』が、一番イキイキとする時なのではと思う。



ヒトラーへの285枚の葉書5



自分たち以外みんな敵!!の中で行われたナチスとの戦い


クヴァンゲル夫妻は、「ナチスの体制は間違っている」「戦争をいますぐやめるべき」という、

ナチスを批判する文章をポストカードに書き、ベルリン市内のさまざまな公共施設に置き続けた

それは、約2年間の間で、285枚になったという。

しかし、その大多数(9割以上)が、市民によって警察に届けられている。



それは、当時の9割以上の市民が、『ナチスを批判する者は、逮捕しなければならない』と感じ、通報したという結果である。

つまり、多くの市民が、当時のナチスが掲げていた『ユダヤ人を殺せ』『政府批判をするものは殺せ』『戦争で世界征服しよう』というスローガンを何も疑うことなく、強く信じていたということだ。



そんな中、クヴァンゲル夫妻は『誰も味方してくれない』という孤独を感じながらも、ナチス批判をする活動を続けていた

夫妻が誰にも知られないように、そっとカードを置くシーンでは、

それを見ている私まで、なんだか共犯者になったような気分になってドキドキし、一人でも多くの人に、彼らの声が届くようにと思いながら観ていた。



でもきっと、通報した人たちの中にも、そのカードの内容に共感しながらも、『通報しなければ、自分が殺される』という恐怖心から、警察へ届けた人たちもいたはず

それも含めての孤独なのだが、そう思うと、やはり彼らの勇気と意志の強さには頭が下がる



ヒトラーへの285枚の葉書4



ナチスのために働くことが正しいことだと信じていた警部の気づき


当時のベルリンで孤独を感じていたのはクヴァンゲル夫妻だけではない。



小鳥を飼いながら、帰らぬ夫の帰りを待っていたユダヤ人のおばあさん。

そのおばあさんを、家の中に隠そうとした判事。

彼らも、ナチスの「ユダヤ人迫害」を間違っていると思いながら、ひっそりと生活していた。




また、クヴァンゲル夫妻を追い続けた警部(ダニエル・ブリュール)も、捜査をしていくなかで、ナチス幹部の自分勝手で理不尽な態度に疑問を感じるようになっていた。

その警部がクヴァンゲル夫妻を逮捕した時、夫妻はあっさりと罪を認め、なおかつ堂々としていた

その夫妻の態度に警部は打ちのめされる。



夫妻は、息子を失った時に、『もう生きている意味がない』と語っている

彼らには、もうこれ以上失うものがない

だから、堂々としているし、自ら進んで死刑台へと向かうのだ。

彼らが死刑宣告をされた時の晴れやかな顔がとても印象的だった。



その一方で、警部はナチスの行動を間違っていると思い始めていた。

そこで、彼は夫妻のポストカードを改めて読み返し、彼らの言葉に共感し、自ら命を絶ってしまう。

彼らの思いに共感した以上、もう警部としては生きていけないと思ったのだろう。



誰も表立った味方をしてくれなくて、クヴァンゲル夫妻は孤独だったかもしれないが、

ユダヤ人を助けようとした判事や警部たちのようすを見ていると、

カードを見つけて、通報しなかった僅かな人たちも含め、心の奥底では賛同していた人たちは確実にいたし、それが、この映画の正義であり、希望なんだろうと思った。

クヴァンゲル夫妻の思いは、必ず誰かの心に届き、響いている



ヒトラーへの285枚の葉書2



「これは間違っている」と訴え続けることの大切さ


人は洗脳されると感覚が麻痺してしまい、正しいものが正しいと判断できなくなる

この映画では、当時のベルリンで9割以上の国民がナチスドイツに洗脳されていたことになる。

だから、だれもクヴァンゲル夫妻に賛同しないし、後に続かないし、味方しない。



ということは、ナチスのような独裁政権が力を握る前に、『間違っていることは、間違っている』と意見を言い続けることと、その意見を聞き入れる耳を持つことは非常に大切なことなんだと教えられた。



戦争で大切な息子が殺された時に「戦争なんかあるから息子は殺されたんだ」と思うのは、正常な人としての反応だと思うし、「お国のために戦ったんだだから仕方がない」と思うのは、国に洗脳されてしまった人の反応だと思う。

しかし、たとえ、洗脳されてしまったとしても、善良な国民には罪はない

その状態を作り出した戦争と政治に問題がある



「戦争で息子を殺されるという悲しみを、他の人たちの味あわせてはいけない」というクヴァンゲル夫妻の願いは

こうして映画化されることで、世界中に伝えられ、これからも語り継がれていくことだろう。

彼らの闘いは、今も続いている






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ノルウェー映画「ヒトラーに屈しなかった国王」を映画館で観た。

1940年ヨーロッパで第二次世界大戦が起きていた頃、当時中立国だったノルウェーに降伏を求めたヒトラーに対し、最後まで降伏しなかった国王を描く。


満足度 評価】:★★★★☆

あのヒトラーに「命は助けてやるから降伏しろ」と言われたらどうするか

映画のタイトルにある通り、国王は最後までそんなヒトラーに屈しなかった。

その最後まで自分の信念を貫き通す強さにとても感動した作品だった。



その当時、多くの国々がナチスドイツに降伏していく中、なぜ、ノルウェー国王は最後まで自分の意志を貫き通すことができたのか。


「ヒトラーに屈しなかった国王」予告編 動画

(原題:Kongens nei)





参考書:「ノルウェーと第二次世界大戦」

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キャスト&スタッフ


出演者

〇イェスパー・クリステンセン

〇アンドレス・バースモ・クリスティアンセン


〇カール・マルコヴィクス


監督

エリック・ポッペ


2016年製作 ノルウェー映画



ヒトラーに屈しなかった国王



あらすじ


1940年 ヨーロッパ各地に侵攻していたナチスドイツは、当時中立国であったノルウェーにも侵攻してきた。

やがて首都オスロもナチスドイツの占領下になると思われたため、国王ホーコン7世(イェスパー・クリステンセン)は、皇太子オラフ5世(アンドレス・バースモ・クリスティアンセン)とその家族や、国会議員たちはオスロを出て北上する。

その後、首都オスロでは親ナチス派によるクーデターが起き国会を占拠されるが、ヒトラーはブロイアー駐ノルウェー・ドイツ公使(カール・マルコヴィクス)に「国王と直接ノルウェー降伏の交渉をしろ」と電話で命令をくだしたため、ブロイアーは国王を追いかけていくのだが…。



ヒトラーに屈しなかった国王3



感想(ネタバレあり)


中立国だったノルウェーに侵攻してきたナチスドイツ



信念を貫き通す人はかっこいい

たとえば、野球のイチロー選手やサッカーのカズさんがカッコイイのは、いくつになっても揺らぐことのない強い信念を持ち続け、常に戦い続けているから。

きっとイチロー選手やカズさんだって、誰だって足元がぐらついて迷う時がある。

時には、その地位におぼれて信念がぐらつくこともあるし、恐怖に追い込まれると、つい逃げ出してしまいたくなることもあるし、もうこれ以上続けても無理だと諦めてしまうことだってある。

誰にも思い当たる節があり、どこかでそのぐらつきに負けてしまった経験があるからこそ、最後まで強い意志で貫き通す人の姿がかっこよく見えるのだ。



この映画では、1940年にノルウェー国王だったホーコン7世が、ヒトラーに脅されても、ドイツ軍の空爆にあっても最後まで屈しなかった姿が描かれている。



当時、1940年の初旬、ヨーロッパが第二次世界大戦にあった頃、ノルウェーは中立国だった

しかし、ナチスドイツはヨーロッパ全土を征服する勢いで進軍を続けていた。

やがて、デンマークが降伏したことで勢いをつけたナチスドイツは、ノルウェーにも侵攻してくる。

そして、瞬く間にナチスドイツがノルウェーの首都オスロを占領してしまう。



すると、ナチスドイツはノルウェーに対し、国をドイツに明け渡すように要求

ノルウェーに駐在するブロイアー ドイツ公使は、国王と直接交渉したいと申し出る。

しかし、その時、国王はすでにオスロを出て家族と共に北へと逃げている最中だった。



ヒトラーに屈しなかった国王2


ヒトラーが交渉相手にホーコン7世を選んだ理由



ノルウェーは北欧にあるということは知っているけれど、行ったこともなければ、どんな国なのかもイマイチよくわかっていない。

そんな私は、この映画を観て初めて知ったことも多かった。



1905年。ノルウェーがスウェーデンから独立する。

その時、ノルウェー国王に選ばれ、デンマークからやってきたのが、この映画の主人公ホーコン7世だった。

ホーコン7世はノルウェーにとって初めての国王であり、デンマークから迎え入れられた王族だったのだ。



ノルウェーは日本やイギリスと同じ「立憲君主制」の国である。

国王(日本の場合天皇)がいるけれど、政治は憲法で定められ、国は議会によって運営されている

国王が政治に直接参加することはない

その政治のスタイルは、現代の日本と同じなのでとても親しみやすかったし、わかりやすかった。



もしも、ホーコン7世がそのままデンマークで暮らしていたら、王族の一人で終わったかもしれないが、ノルウェーに来たことで国王の座についたことになる。

だから、ホーコン7世からしたら「ノルウェーの人々に生かされている国王」という気持ちが強かったのではと思う。

なぜなら、彼の口から何度も「国民の意志を尊重したい」という言葉が出てきていたからだった。



しかし、ナチスドイツがノルウェーに侵攻し、オスロを陥落した時、国会議員たちは国王一家と同じくナチスドイツから逃げるように北上していた。

そのため議会が空席となり「親ナチス派の政党」がクーデターを起こし「これからは、自分たちが政権を握る」という声明をラジオで発表、国民は混乱してしまう。



そのため、ヒトラーはその時最もノルウェーで力を持っているのはホーコン7世だと判断し、降伏の交渉をホーコン7世に持ち掛ける



本来ならば、そんな立場にはないホーコン7世に思わぬプレッシャーがのしかかることになった。



ヒトラーに屈しなかった国王4


ホーコン7世がヒトラーの要求を拒否しつづけた理由



その混乱の中で、ホーコン7世はヒトラーから「命は助けるから、国を引き渡せ」と持ち掛けられる

その時すでに、ホーコン7世の兄でデンマークの国王は、そのヒトラーの提案に屈し降伏していた

そのため「あなたのお兄さんは、すでにドイツに降伏しましたよ」というのが、ナチスドイツの誘い文句の一つでもあった。



政治も国民も混乱し、兄はナチスに囚われの身となったけれども、それでもホーコン7世は最後までナチスドイツからの要求を拒否し続けた。

なぜなら、彼はデンマークから呼ばれた国王であり、ノルウェー国民によって生かされている立場のため、自分の意志よりも「国民の意志」を尊重したからだった。



その「国民の意志」とは、選挙で選ばれた議員たちがノルウェーの政治を運営していくことだった。

オスロで勝手に立ち上がったクーデター政府は断固として拒否し、国民が選んだ政治家たちが決めたことに国王は従うのみ。

だから、ヒトラーがどんな条件を出してきたところで、「私は国会の決議を支持する。私に国の存亡を決める決定権はない」と言い続けるのだった。



人は権力を持つと、その力におぼれ、その上にあぐらをかいてしまう。

もしも、ホーコン7世がそんな人間だったら「自分にはヒトラーと直接交渉する力がある」と自分を過信してしまったかもしれない。

ホーコン7世の息子で、皇太子のオラフ5世はタカ派な人間で、「もっと強気でいかなきゃだめだ」という発言を繰り返し、自分は戦場に行くんだと血気盛んになっていた。

そんなオラフ5世を見かねたホーコン7世が「もっと王族らしいふるまいをしろ」と言ってたしなめる場面がある。



王族とは、国民たちにとって象徴であり、見本となるような生活をすることが彼らの仕事であり、政治に口を出すのは彼らの仕事ではない

ホーコン7世がとても立派だったのは、どんな時も、自分を見失わず、つねに「国王らしくあること」を最優先にして行動していたところだった。



ヒトラーに屈しなかった国王5


国王を動かすのはナチスドイツの脅しではなく「国民の声」



ホーコン7世にとても親近感を持ったのは、家ではどこにでもいる「普通のおじいちゃん」だったところだった。

雪が積もる家の庭で孫たちとかくれんぼをしたり、空襲で孫が怖がったら不安を取り除いてあげたり。

その様子からホーコン7世にとっては、何よりも家族を大事にしていることがわかる。

そして、そんな普通の人だったからこそ、ホーコン7世だって空襲が怖かっただろうし、自分の命が惜しくなったこともあっただろうと思う。



もしもヒトラーの要求を拒むようなことがあれば、その場で殺されるかもしれないし、そうやって大事にしている家族に危険が及ぶかもしれない

それを思い、皇太子妃や孫たちをスウェーデンに避難させるけれど、「常に家族は一緒にいなければならない」というポリシーを持っていた国王からしたら、これはとても不安なことだったはず。

そんな中での「断固拒否」という決断だったのだ。

そこには、どれだけ強い意志が必要だったことか



ホーコン7世の常に曲がらない姿勢があったから、余計にナチスドイツの横暴ぶりが目についた

電話一本でノルウェー駐在のドイツ公使を国王の元に向かわせるヒトラー

ホーコン7世からしたら、「ヒトラーのお使いと交渉する余地はない」と言ったのも当然。

話が決裂すれば中立国であっても容赦なく空爆してくる残虐さ



その一方で「私は国会の議決を支持する」と議員たちの前で表明したホーコン7世。

そこにはドイツに対する恨み節の一つもなかった。

そんな政治はホーコン7世にとって、関与すべきことではないからだった。



二つの指導者の行動を見比べてみれば、どちらが正義で、どちらが残虐なテロリストなのかが明らかだからだった



なぜ、ホーコン7世が最後までヒトラーに屈せず、毅然とした態度でいられたのか

それは、常に国民の声に耳を傾けたからだった

国民の声を常に最優先すれば、自分の力を過信することもなく、意志を曲げる必要もない。

ただただ、国民の声に従えばいい。



それが一番シンプルなようでいて難しいことだから、時に政治は国民の声と反した方へと向かってしまう

彼は常に「自分は国民によって生かされている」という思いがあったからこそ、「国民の声」を尊重したんだろう。

それが難しいからこそ、彼の行動が際立ち、人を感動させたのである



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ブルース・ウィリス、コリン・ファレル主演、グレゴリー・ホブリット監督「ジャスティス」を見た

ナチスの捕虜収容所を舞台に、3人のアメリカ人と、1人のドイツ人が対立する話。

終始緊張感があって、見ごたえのある作品だった。

しかし、見終わった後には、「あぁブルース・ウィリスらしい作品だなぁ」と思ったのが、いいことだったのか、そうではなかったのか・・・

「ジャスティス」予告編 動画(日本語字幕なし)

(原題:Hart's war)




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あらすじ


1944年12月。第二次大戦中のベルギー。
連合軍に所属するアメリカ人のハーツ中尉(コリン・ファレル(「ロブスター」「クレイジー・ハート」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」))は、任務中にドイツ軍に囚われ、捕虜収容所へ送り込まれる

収容所では、マクナマラ大佐(ブルース・ウィリス)が連合軍の兵士たちを指揮していた。
到着するなり、マクナマラ大佐と面会したハートは、中尉であったにも関わらず、上級士官の兵舎でなく、下士官兵舎へ行くよう言われてしまう。
その理由が分からず、マクナマラから嫌われていると感じるハーツ

数日後、新たに2人の空軍兵士が送り込まれてきた。
スコット(テレンス・ハワード(「二重逃亡」など))と、アーチャーは、上級パイロットであったにも関わらず、ハーツと同じ下士官兵舎へとやってきた。
なぜなら、彼らは2人とも黒人だったからだ・・・

そして、その収容所で、次々と事件が起こり始める・・・

ジャスティス

感想(ネタバレあり) 仲間同士の対立から生まれる緊張感


ブルース・ウィリス演じるマクナマラ大佐が『何を考えているのか』について追いながら見ていると、この映画に出ててくる4人の男たちの対立が見えて、それに合わせて緊張感がどんどん増していって、面白くなっていった

マクナマラは、非常に口数が少なく、決して自分の思いを口にしようとしない

だからこそ、ハーツは「嫌われているのでは・・・」と疑心暗鬼になり、見ているこちら側も、「何を考えるのだろう・・・」と気にし始める

実際のところ、実戦経験も無く、洞察力無く、拷問や誘惑に屈しやすいハーツはマクナマラに嫌われていた

その上、マクナマラは、あまりにも若くて、真っ直ぐすぎるハーツを利用していた

ハーツはハーツなりに、自分の正義を押し通そうと必死だっただけ

それが、マクナマラにしてみれば、予想外の邪魔者となり、ハーツがもがけばもがくほど、マクナマラの首がしまっていた


ジャスティス2

対立の間に立つ敵と、敵のような扱いを受ける味方


この二人の対立の間に立たされたのが、2人。

1人目は、ドイツ軍ワーナー大佐

自分の部屋にスコットを読んで、裁判について入れ知恵をしたり、イエール大学に留学していた過去を話したり、ハートに対しては、すごく優しい

しかし、この収容所ではライバル的存在のマクナマラに対しては、対照的に厳しく接し、マクナマラとハートの二人が対立して、連合軍そのものが分裂するのを楽しんでいるように見える

そして、もう1人が黒人パイロットのスコット

アメリカ国民として、戦争に勝つために、兵士になりパイロットになったのに、実際に現場へやってくると、そこでは戦争の実戦よりも厳しい人種差別問題が起きていた

殺人事件の容疑者とされ、マクナマラからあてがわれた弁護士は、イエール大法学部学生のハーツだったと分かった時に、マクナマラが彼にとって味方ではなく、死を確信したに違いない。


ジャスティス3

ラスト ナチはその程度で許してくれただろうか・・・


そんな4人の対立軸の間にに飛び交う視線や、緊張感を見ているのが楽しかったけれども、ラストのラストにマクナマラが取った行動はどうなんだろうか・・・

念願の兵器工場の爆破をし、部下たちを逃がし、「これは、すべて私の責任だから、私を殺せ」と言うのは、かっこいいかもしれない

でも・・・もし、実際に収容所で大脱走があって、兵器工場爆破なんてことがあったら、そんなもんでは済まないのではないか・・・

相手の指揮官が、アメリカに理解のあるドイツ人だったとして、ナチはナチ

逃げた、逃げないに関わらず、そこにいたアメリカ人はみんな殺されてしまったのではないか・・・

ワーナー大佐でさえ、責任を問われ、生死が危うい状況になったのでは・・・と思う

大事件が起きた割に、あまりにものん気な終わり方だったような気がしてならない・・・



すべの下士官たちのために、アメリカが貫き通す正義のために、自分を犠牲にするマクナマラの姿は、映画「アルマゲドン」にもつながる、非常にブルース・ウィリスらしい姿だった

ただ、それだけのための、ブルース・ウィリスをかっこ良く見せるためだけの映画だったような印象が残ってしまう

戦争は、決してかっこいいものではない

最後にヒーローはいらない

途中までが、非常に面白かっただけに、残念だった




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アンドレ・デュソリエ主演の映画「パリよ、永遠に」をWOWOWで観た。

1944年、ドイツ占領下のパリ。今にもナチスがパリを壊滅状態にしようとしていた時、あるホテルの一室で、その作戦を止めるためにナチスの将軍とスウェーデン総領事との間で駆け引きが行われていた。

満足度 評価】:★★★☆☆(3.5)

今の美しいパリをナチの攻撃から守るために、裏にはこんな出来事があったなんて知らなかった。

この出来事を知った後では、今までテレビや映画で観てきたパリの景色が違って観えるし、それだけでもお得感のある作品だった。

出演アンドレ・デュソリエ、ニエル・アレストリュプ

監督:フォルカー・シュレンドルフ 2014年製作 フランス、ドイツ合作映画


「パリよ、永遠に」予告編 動画

(原題:Diplomatie)




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あらすじ


1944年ナチスドイツ占領下のパリでは、コルティッツ将軍(ニエル・アレストリュプ)の元で、パリ壊滅作戦が行われようとしていた。

しかし、その時、スウェーデン総領事のラウル・ノルドリンク(アンドレ・デュソリエ(「ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~」))がホテルの一室にいる将軍を訪ねてきた。

フランス軍司令部と交流のある彼は、その壊滅作戦を止める仲介役として訪ねてきたという。

ナチス軍が末期だとはいえ、命令に逆らえば、妻子を殺される身にある将軍は、彼の申し出を一切受け入れようとしない。

そこで、ノルドリンクは、将軍の妻子をフランスから逃がすという条件で、彼の提案を受け入れるよう説得するのだが…。


パリよ、永遠に

感想(ネタバレあり) 登場人物はたった二人の男性


ほぉーーー。こんなことが実際にあったんだぁ。すごいなぁ~

というのが、見終わった後の素直な感想だった。

登場人物はたったの2人。

ナチスドイツのコルティッツ将軍と、スウェーデン総領事のノルドリンク。

コルティッツ将軍は、ヒトラーの命令により、パリを壊滅する作戦を実行しようとしていた。

そこへ現れたノルドリンクは、将軍がナチスの中でも良心的であることを知っており、説得すればこの作戦も止めることができると確信していた。

実際に、将軍はナチスが大勢のユダヤ人を殺害した時に、自分もまたそのうちの1人だったことに嫌気がさし、「もう無駄な血は流さない」と心に誓っていた。

しかし、命令に逆らうと妻子を殺すと言われ、ヒトラーの命令を聞かざるを得ない状況に陥っていた


パリよ、永遠に2

ヒトラーに嫌気が刺しているナチスの将軍と瞬時に相手の心を読む交渉人


そこでノルドリンクは将軍に「妻子をパリから助け出してスイスへ逃がす」と提案する。

しかし、これは、ノルドリンクがその場で考えた巧妙な嘘だった

この嘘が、私はこの映画の中で、最も心が痛いところだった

ナチの一員とはいえ、「無駄な血を流す」ことに嫌気がさしているコルティッツ将軍は、決して悪い人間ではない。

その人間をだますようなことをしていいのだろうか…と考える。

その気もないのに、「安全に逃がします」と言っている。

でも、将軍が作戦を止めなければ、パリは壊滅状態になってしまう…。

それならば、やはり、嘘をつき通すべきなのか


パリよ、永遠に3

もしも、パリから〇〇がなくなっていたら…と考える


では、もしも、そのまま将軍がパリ壊滅作戦を実行していたら、パリはどうなってしまうのだろうか。

実際にパリへ行ったことがない私ですら、容易に想像がつく。

あの美しいエッフェル塔や凱旋門、ノートルダム寺院やルーブル美術館がなくなってしまったら。

そして多くの人が亡くなり、セーヌ川が血で染まっていたのかもしれない。

きっと、今でも世界中の人が憧れる美しいパリはなくなっていただろう

そう考えれば、ある一家を見捨てることと、数万人を助けること。

どっちを優先すればいいのか、答えは一目瞭然。

やはり、ノルドリンクは嘘をついて正解だったと言わざるを得ない

その計算を瞬時に行い、駆け引きの材料として提供する回転の速さと巧妙さが、この映画の最も面白いところだった。

パリよ、永遠に4

個人の利益と国益の間にある線引きを考える


日本でも、政治家の不祥事を見ていれば分かるけど、政治家や高官たちが、常に国益のために動いていると思ったら大間違い。

常に、自分に舞い降りる利益と、国益を天秤にかけながら動いていると感じた作品だった。

もしも将軍の妻子の命が危険な状態になかったら、壊滅作戦はもっと早く中止になったかもしれないし、ノルドリンクも違う餌をぶら下げて交渉していたかもしれない

でも、それは当然のことなのかもしれない。

自分の家族の安全も守れないような人に、国の安全を守れるはずがないと思う。

もちろん、必要以上の贅沢はいけないけれど。

まぁ、とにかく、パリが助かってよかったと胸をなでおろし、こんな事実があったのかと驚いた。

命がけで国を守るっていうのは、本当に大変なことなんだなぁと改めて考えさせれた作品だった



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