ある日突然地球に現れた12基の宇宙船。言語学者のルイーズは彼らの言語の解読を依頼されるのだが…
【満足度 評価】:★★★★★
地球に暮らす私たちは、言葉を使って理解し合うことができるのに、なぜ争ってばかりいるのか。
ある時やってきた訪問者によって、私たちの愚かさを教えられる。
これからは国同士が富みや資産を奪い合う時代ではなく、共に分け合う時代がやってきたと感じた作品だった。
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キャスト&スタッフ
出演者
〇エイミー・アダムス…(「バイス」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」、「人生の特等席」、「ジュリー&ジュリア」、「her/世界で一つの彼女」、「ザ・ファイター」、「ナイト ミュージアム2」、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」など)
〇ジェレミー・レナー
…(「ウインド・リバー」、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」、「ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル」、「ミッション:インポッシブル/ローグネイション」、「ザ・タウン」、「アベンジャーズ」など)
〇フォレスト・ウィテカー
…(「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「サウスポー」、「96時間/レクイエム」、「ファーナス/訣別の朝」、「ケープタウン」、「贖罪の街」、「クリスマスの贈り物」など)
監督
〇ドゥニ・ヴィルヌーヴ…(「ボーダーライン」、「プリズナーズ」など)
2016年制作 アメリカ映画

あらすじ
ある時、突如として世界中に現れた12基の宇宙船。
彼らは地上近くに浮かんだままとどまり、中から誰も出てこようとしない。
言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と理論物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)は、宇宙船の近くに設置された米軍キャンプに呼ばれる。
そこで、司令官のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)より、宇宙船の中にいる宇宙人たちから彼らが何の目的で地球にやってきたのかを聞き出すように依頼される。

感想(ネタバレあり)
遠く離れた第三者からの意見は大概正しい
当事者から遠く離れたところにいる第三者の意見はとても貴重である。
例えば、AさんとBさんがケンカした時、そこへ仲裁に入るのは、二人とは離れたところにいる仲間でも内輪でも家族でもないCさんが最適である。
私たちが住む地球で問題が起きた時は、主要国首脳会議(サミット)や国連で問題が話し合われる。
しかしこの時、より強い国の意見が他国の意見をを封じ込めるような状態だったら、これらの会議は決して中立とは言えない。
そのことを私たち地球人に知らせるために、宇宙人たちは12基の宇宙船に乗ってやってきた。
遠い未来、彼ら宇宙人には地球がとても必要になるからだ。
しかし、その美しい星の中で人々は争い合い、殺し合っている。
このままでは地球は滅亡してしまう。
地球が滅亡する前に、なんとかこの地球を美しいまま残しておかなければいけない。
そう思った彼らは、そのメッセージを伝えるために地球へやってきた。

宇宙人が私たちに伝えたかった地球の現状
地球上のあらゆる場所に降り立った12基の宇宙船。
ヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカ…。
それを観た地球人たちは「宇宙人に侵略される」と思い、彼らが降り立った12の地域と連携をとりながら対策を練っていた。
しかし、そのうち、中国やロシアがアメリカに対して反発し始める。
宇宙船から何も攻撃してくる気配もないのに、戦う姿勢を見せ始め、アメリカと連絡が取れなくなる。
私は地球人が慌てふためき、混乱し、次第に争い始める姿を見て、宇宙人たちはその様子をルイーズに見せるためにわざと12基の宇宙船を連れてきたんだなと思った。
ただメッセージを伝えるためだったら、1基だけで十分だ。
宇宙人たちは地球人たちの現状を知って欲しかったのだ。
例えばアメリカでテロが起きた時、アメリカは国連の決議を待たずに「テロの報復だ」と言い「テロリストが住んでいたらしい」とされる国を攻撃しはじめる。
その時には、もはや国連が存在する意味がなく、アメリカには「話し合いで解決する」という選択肢が存在しない。
そうして「どこよりも強い国・アメリカ」をアピールする。
それはアメリカに限ったことではなく、中国もロシアのような強国たちは、彼らの「独自の見解」で侵略者に攻撃を仕掛けようとするのだ。
宇宙船はただそこに浮かんでいて、何の攻撃もしていないにも関わらず。
地球人たちは「本当に、攻撃すべきなのか」を誰も検証しようとすることなく「侵略された」と騒ぎ立て、攻撃を開始しようとする。

地球を救うキーワードは「ゼロ和ゲーム」
宇宙人たちは、そんな地球人の考え方を変えるために、言語学者のルイーズを選んだのだ。
実は彼女は驚くべき才能「遠くの未来を見通せる力」の持ち主だったのだ。
彼女の夢や幻想の中で、産んでないはずの子供(ハンナ)の姿を見る。
やがて生まれてくる娘のハンナが、その夢の中でルイーズにメッセージを送る。
それが「ゼロ和ゲーム」だった。
ゼロ和とは、複数の人たちが影響しあう中で、損得の総和がゼロになる状態を示している。
たとえば、競馬のようなギャンブルでは賭けに勝って儲けた人たちの利益(プラス)と、負けた人たちの損(マイナス)を合わせるとゼロになる。
そのような状態をゼロ和という。
地球人たちは、宇宙人たちがもたらす情報について、他国に公表することなく独自に解釈し、答えが出たと思い込み、それぞれが話し合いから離脱していき、さらには宇宙船に攻撃しようとしていた。
そうなると、ある国では多くの知識人を抱え、かなりハイレベルの情報解析が進んでいるが、一方で、全く解析できていない地域も出てしまう。
そうではなく、みんなで得た知識は、みんなでシェアし合うべきだとルイーズは考えた。
そう考えるきっかけとなったのが、夢にでてきたハンナの「ゼロ和ゲーム」なのだ。
宇宙人たちは、他国の言語が話せて未来からメッセージを受け取ることができるルイーズをわざと選び、各国が平和的な解決に向けて交渉させるように彼女に仕向けたのである。

現在からスタートして未来に終了しても、未来からスタートして現在に終了しても結果は同じ
産まれていないはずの未来の娘から受け取るメッセージ。
それはまるで「卵が先か鶏が先か」の話に似ているけど、そこで出てくるのが回文なのだ。
ハンナ(Hannah)の名前は前から読んでも、後ろから読んでもハンナ。
重力や時系列を地球とは全く違う次元で考える宇宙人たちにとって、未来から始まっても、過去から始まっても、結果同じなのではないのか。
だから、珍しい病気でハンナが死ぬことが分かっていても、ルイーズはハンナを産む必要があった。
たとえ、それが理由で夫と別れることになっても。
ハンナはわずかな生涯で地球を救うために生まれてくるのだ。
現在、私たちが住む地球で何が起きているのか。
わずかな土地や資産や鉱物や宗教を巡って、国と国、人と人の間で殺し合っている。
このままでは地球は滅びてしまうと宇宙人たちに教えられる。
それでは、私たちがそれをやめるためにすべきこととは何なのか。
言葉を使って話し合い、互いに理解し合い、富を分け合うことである。
私たちは、そのために言葉を使い、コミュニケーションをとっているのだから。
私たちが未来の子供たちのためにできることは世界を平和にすることなのだ。
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