ダーモット・マローニー主演の映画「7デイズ」をWOWOWで観た。
娘が肺の移植手術を必要としているが、ドナーが現れず、すこしでも移植の順位を上げようと奔走する父親のサスペンス映画。
出演者がとても豪華なのに、この映画の存在そのものを知らず、WOWOWで放送していたことで知り、面白そうだったから観てみた。
【満足度 評価】:★★★★☆
内容は衝撃的なもので、もしもこんなことが実際に起きているかもしれないと考えたら、それだけでもゾッとするような映画だった。
◆「7デイズ」DVD
ニューメキシコ州で検事を務めるポール(ダーモット・マローニー)には妻・ダイアン(ダイアン・クルーガー)との間に幼い娘・クロエがいる。
クロエは、肺の移植手術が必要な体であるが、ポールとダイアンは移植の順番がなかなか回ってこないことに焦り始めていた。
クロエの主治医のルービン(ロザンナ・アークエット)は、過去に政治家のハリソン(サム・シェパード)がメキシコで不法な移植手術を受けたことを探り当て、その情報をポールに伝える。
ハリソンと友人同士であるポールは、そのことについてハリソンを問いただし、彼から得られたわずかな情報を元にメキシコの国境の町ティファナへと向かうのであるが…。

何よりも衝撃的だったのは、メキシコのティファナには、ドナーを必要としているアメリカ人のために、「死のドナーリスト」があり、人殺しもいとわない人たちがいるということ。
この映画が、どれだけ事実を元にして描かれているのか知らないけれど、これが本当にまかり通っているのであれば、ティファナという町は人間の尊厳も何も無い、無法地帯ということになる。
そうでなくても、ティファナは犯罪率が高い麻薬の街というイメージが定着してしまっているのに。

最初は「国境なき医師団」から派遣されてボランティアで働いているというマルチネス医師(ヴァンサン・ペレーズ)が、近所のストリート・チルドレンを集めて、治療をしたり、健康診断をしていると言っているのを聞いて、「やけに良い人だなぁ」って、単純に思っちゃったんだよね。
それは、私の考えが甘かった。
美味しい話には、ちゃんと裏があった。
彼らが健康診断をしていたのは、「ドナーとしてのデータ作成」のためだったんだよね。
ポールのような「緊急事態」のために。
その全てが明らかになった時、ゾワゾワゾワーーーーって鳥肌がたったよね。
金のために子供を殺すなんて、絶対にしてはいけないことなのに。

ティファナの大人たちが吐き捨てるように言った一言が忘れられない。
「どうせ、あの子たちはこの街では長生きできないんだ。だったら、その命で人を助けた方が良い」
なんだとーーーーー!!
だからって、少年の寿命を決める権利にはあんたにはないーーー!!
1%の確立でも大人になれる可能性があるなら、命を捨てないでよ!!!と本気で怒りがっ!!!
ポールが正しい決断をするのを見届け、映画を観終わり、我に帰って思ったのは、確かに、ドナー待機の順位って「人の死を待つ順位」だっていうこと。
映画が始まる前に、アメリカではドナーを待っている10人に対し1人しか提供者が現れないと説明があり、終わりには、臓器売買のために命を奪われる人たちが大勢いるという説明もあった。
うまくマッチングするドナーに出会えない状況も分かるし、なんとか家族を長生きさせたいという気持ちも分かるが、そのために人殺しをするのは、絶対にあってはならないこと。
どうして、そこまで強欲に生きられるのか理解に苦しむ。
アメリカ人とメキシコ人では生きるための優先順位があるとでもいうのか。
医師、警察、検事、政治家…。
本来なら、誰よりも市民の命とその尊厳について考えるべき立場の人たちが、あまりにも自分たちのことしか考えていないことに、無性に腹が立った。

主演の検事、ポールを演じるのは、ダーモット・マローニー(「ニュースの真相」、「ダーティ・グランパ」、「8月の家族たち」)。
ダーモット・マローニーが主役を演じる映画なんて、久しぶりに見た気がする。
あんまり、検事ってイメージではないけど、この役は良かったんじゃないかな。
とにかく、最後に正しい決断をしてくれて良かった。
何が何でも娘に移植手術を受けさせたい妻、ダイアンにはダイアン・クルーガー(「女は二度決断する」「バツイチは恋のはじまり」「パパが遺した物語」)
この女優さんは本当にボーダーレスな方で、いろんな国の映画に出ててすごいなぁって思う。
今回も普通にアメリカン人の検事の奥様を演じてたし。
ただ、この奥さんはポールの最後の決断を許せなかっただろうなぁって思う。
その考え方がすごく怖いんだけどね。
その他にも、サム・シェパードや、ロザンナ・アークエット、ヴァンサン・ペレーズ(「告白小説、その結末」)などなど。
決して、大きな予算で作られた映画ではないと思うけど、出ている俳優たちは豪華な面々。
監督は、アイスランド人のバルタザール・コルマウクル(「エベレスト3D」)
えらい衝撃的な映画をつくってくれたなぁって思った。

アメリカ人はメキシコン人を犠牲にしてなんて傲慢ななんて言ってしまったけど、よくよく考えれば、日本人でも日本では移植できずに、お金を積んでアメリカに移植手術に行っている人もいるわけで。
もちろん、それは合法だから問題ないんだけど。
それがアメリカの移植順位を変えている一因になっているのも事実で。
移植を心待ちにしているアメリカ人からしたら、「私たちだって移植できないのに、なぜ日本人が…」とか思うんだろうなぁ。
なんて、いろいろなことを考えさせられる映画だった。
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◆「7デイズ」DVD
娘が肺の移植手術を必要としているが、ドナーが現れず、すこしでも移植の順位を上げようと奔走する父親のサスペンス映画。
出演者がとても豪華なのに、この映画の存在そのものを知らず、WOWOWで放送していたことで知り、面白そうだったから観てみた。
【満足度 評価】:★★★★☆
内容は衝撃的なもので、もしもこんなことが実際に起きているかもしれないと考えたら、それだけでもゾッとするような映画だった。
「7デイズ」予告編 動画
(原題:INHALE(吸引))◆「7デイズ」DVD
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あらすじ
ニューメキシコ州で検事を務めるポール(ダーモット・マローニー)には妻・ダイアン(ダイアン・クルーガー)との間に幼い娘・クロエがいる。
クロエは、肺の移植手術が必要な体であるが、ポールとダイアンは移植の順番がなかなか回ってこないことに焦り始めていた。
クロエの主治医のルービン(ロザンナ・アークエット)は、過去に政治家のハリソン(サム・シェパード)がメキシコで不法な移植手術を受けたことを探り当て、その情報をポールに伝える。
ハリソンと友人同士であるポールは、そのことについてハリソンを問いただし、彼から得られたわずかな情報を元にメキシコの国境の町ティファナへと向かうのであるが…。

感想(ネタバレあり) 舞台はメキシコの国境の町ティファナ
何よりも衝撃的だったのは、メキシコのティファナには、ドナーを必要としているアメリカ人のために、「死のドナーリスト」があり、人殺しもいとわない人たちがいるということ。
この映画が、どれだけ事実を元にして描かれているのか知らないけれど、これが本当にまかり通っているのであれば、ティファナという町は人間の尊厳も何も無い、無法地帯ということになる。
そうでなくても、ティファナは犯罪率が高い麻薬の街というイメージが定着してしまっているのに。

親切の裏にある別の顔
最初は「国境なき医師団」から派遣されてボランティアで働いているというマルチネス医師(ヴァンサン・ペレーズ)が、近所のストリート・チルドレンを集めて、治療をしたり、健康診断をしていると言っているのを聞いて、「やけに良い人だなぁ」って、単純に思っちゃったんだよね。
それは、私の考えが甘かった。
美味しい話には、ちゃんと裏があった。
彼らが健康診断をしていたのは、「ドナーとしてのデータ作成」のためだったんだよね。
ポールのような「緊急事態」のために。
その全てが明らかになった時、ゾワゾワゾワーーーーって鳥肌がたったよね。
金のために子供を殺すなんて、絶対にしてはいけないことなのに。

人の命の長さは、絶対に人が決められるものではない
ティファナの大人たちが吐き捨てるように言った一言が忘れられない。
「どうせ、あの子たちはこの街では長生きできないんだ。だったら、その命で人を助けた方が良い」
なんだとーーーーー!!
だからって、少年の寿命を決める権利にはあんたにはないーーー!!
1%の確立でも大人になれる可能性があるなら、命を捨てないでよ!!!と本気で怒りがっ!!!
ポールが正しい決断をするのを見届け、映画を観終わり、我に帰って思ったのは、確かに、ドナー待機の順位って「人の死を待つ順位」だっていうこと。
映画が始まる前に、アメリカではドナーを待っている10人に対し1人しか提供者が現れないと説明があり、終わりには、臓器売買のために命を奪われる人たちが大勢いるという説明もあった。
うまくマッチングするドナーに出会えない状況も分かるし、なんとか家族を長生きさせたいという気持ちも分かるが、そのために人殺しをするのは、絶対にあってはならないこと。
どうして、そこまで強欲に生きられるのか理解に苦しむ。
アメリカ人とメキシコ人では生きるための優先順位があるとでもいうのか。
医師、警察、検事、政治家…。
本来なら、誰よりも市民の命とその尊厳について考えるべき立場の人たちが、あまりにも自分たちのことしか考えていないことに、無性に腹が立った。

久々のダーモット・マローニー主演作。脇を固める俳優たちも豪華な面々
主演の検事、ポールを演じるのは、ダーモット・マローニー(「ニュースの真相」、「ダーティ・グランパ」、「8月の家族たち」)。
ダーモット・マローニーが主役を演じる映画なんて、久しぶりに見た気がする。
あんまり、検事ってイメージではないけど、この役は良かったんじゃないかな。
とにかく、最後に正しい決断をしてくれて良かった。
何が何でも娘に移植手術を受けさせたい妻、ダイアンにはダイアン・クルーガー(「女は二度決断する」「バツイチは恋のはじまり」「パパが遺した物語」)
この女優さんは本当にボーダーレスな方で、いろんな国の映画に出ててすごいなぁって思う。
今回も普通にアメリカン人の検事の奥様を演じてたし。
ただ、この奥さんはポールの最後の決断を許せなかっただろうなぁって思う。
その考え方がすごく怖いんだけどね。
その他にも、サム・シェパードや、ロザンナ・アークエット、ヴァンサン・ペレーズ(「告白小説、その結末」)などなど。
決して、大きな予算で作られた映画ではないと思うけど、出ている俳優たちは豪華な面々。
監督は、アイスランド人のバルタザール・コルマウクル(「エベレスト3D」)
えらい衝撃的な映画をつくってくれたなぁって思った。

移植について考える
アメリカ人はメキシコン人を犠牲にしてなんて傲慢ななんて言ってしまったけど、よくよく考えれば、日本人でも日本では移植できずに、お金を積んでアメリカに移植手術に行っている人もいるわけで。
もちろん、それは合法だから問題ないんだけど。
それがアメリカの移植順位を変えている一因になっているのも事実で。
移植を心待ちにしているアメリカ人からしたら、「私たちだって移植できないのに、なぜ日本人が…」とか思うんだろうなぁ。
なんて、いろいろなことを考えさせられる映画だった。
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toe@とにかく映画が好きなんです@pharmacy_toe
この父の成長がぐっとくる 👍
2017/08/31 21:18:41
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仕事一筋から、娘を必死で守る父へと成長していくエピソードをたくさん盛り込むことはできませんでしたがコン・ユさんが見事に表現してくれました
韓国発ゾンビ映画『新感染』ヨン・サンホ監督インタビュー https://t.co/F4kseiOqXm
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